JP2003262013A - 屋根の防音装置 - Google Patents

屋根の防音装置

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JP2003262013A
JP2003262013A JP2002067145A JP2002067145A JP2003262013A JP 2003262013 A JP2003262013 A JP 2003262013A JP 2002067145 A JP2002067145 A JP 2002067145A JP 2002067145 A JP2002067145 A JP 2002067145A JP 2003262013 A JP2003262013 A JP 2003262013A
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double
folded
weight
polymer material
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JP2002067145A
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Hiroyuki Abe
裕幸 安部
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋根全体の重量を小さくすることができると
ともに、屋根の高さを低くすることができる屋根の防音
装置を提供する。 【解決手段】 屋根の防音装置は、横材1上に配された
2重折板屋根材2の上折板6の下面に、損失正弦(ta
nδ)のピーク値が1.5以上である有機高分子材料か
らなる制振シート9を貼り合せ、同シート9の下面に、
縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材10を貼り合わ
せたものである。また、屋根の防音装置は、硬質遮音板
5を、支持部材4上に貼り合わせられ、且つ損失正弦
(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高分子
材料からなる制振シート9と、同シート9の上面に貼り
合わせられ、且つ縦弾性係数が1GPa以上である拘束
部材10とで構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一戸建住宅、集合
住宅、多目的ホール等の建築物に使用される屋根の防音
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の屋根においては、屋外で発生す
る騒音の建築物内への侵入を軽減する目的で、防音装置
を設置されることが要請されている。
【0003】従来の屋根の防音装置としては、たとえば
特開平10−292567号公報に記載されているもの
が知られている。
【0004】この防音装置は、型鋼製母屋等の横材上に
配された2重折板屋根材と、2重折板屋根材上に、取付
金具を介して2重折板屋根材の流れ方向に間隔をおいて
固定され、且つ2重折板屋根材の流れ方向と直交する方
向に伸びる複数のC型鋼製支持部材と、木片セメント
板、木毛セメント板、あるいはこれらとグラスウール板
とを組み合わせてなる積層板等からなり、且つ支持部材
上に固定されて2重折板屋根材全体を覆う硬質遮音板と
を備えており、2重折板屋根材が、上下両折板と両折板
間に充填されたグラスウール等からなる吸音・断熱材と
により形成されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の防音装置では、防音性能を向上させるために
は、2重折板屋根材および硬質遮音板の厚みを大きくし
なければならないが、その場合硬質遮音板の重量が大き
くなるため、屋根全体の重量が大きくなり、積雪の多い
地方には不向きである。また、2重折板屋根材および硬
質遮音板の厚みを大きくすると屋根の高さが高くなり、
建築物の高さが制限されている地域(第1種低層住宅専
用地域、第2種低層住宅専用地域等)では、屋内の天井
を低くしなければならず、人に圧迫感を与えて住み心
地、居心地が低下する。
【0006】本発明の目的は、上記問題を解決し、屋根
全体の重量を小さくすることができるとともに、屋根の
高さを低くすることができる屋根の防音装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による屋
根の防音装置は、横材上に2重折板屋根材が配されると
ともに、2重折板屋根材の上方に支持部材を介して2重
折板屋根材全体を覆うように硬質遮音板が配されてお
り、2重折板屋根材が、上下両折板と両折板間に充填さ
れた吸音・断熱材とからなる屋根において、2重折板屋
根材の上折板の下面に、損失正弦(tanδ)のピーク
値が1.5以上である有機高分子材料からなる制振シー
トが貼り合わせられ、同シートの下面に、縦弾性係数が
1GPa以上である拘束部材が貼り合わせられているこ
とを特徴とするものである。
【0008】請求項2の発明による屋根の防音装置は、
横材上に2重折板屋根材が配されるとともに、2重折板
屋根材の上方に支持部材を介して2重折板屋根材全体を
覆うように硬質遮音板が配されており、2重折板屋根材
が、上下両折板と両折板間に充填された吸音・断熱材と
からなる屋根において、硬質遮音板が、支持部材上に貼
り合わせられ、且つ損失正弦(tanδ)のピーク値が
1.5以上である有機高分子材料からなる制振シート
と、同シートの上面に貼り合わせられ、且つ縦弾性係数
が1GPa以上である拘束部材とで構成されていること
を特徴とするものである。
【0009】請求項1および2の発明において、制振シ
ート用の有機高分子材料は、損失正弦(tanδ)のピ
ーク値が1.5以上であるものであれば、特に限定され
ないが、極性基を有する高分子材料が好ましい。このよ
うな高分子材料の例として、クロロプレンゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素系ゴム、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、クロロ
スルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩化
ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデ
ン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ハロ
ゲン化ポリマー、フッ素系ポリマー、臭素系ポリマー、
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系
熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラスト
マーなどが挙げられる。
【0010】有機高分子材料のハロゲン含有量は、少な
すぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬く
なりすぎて成形が難しくなるので、好ましくは20〜6
5重量%である。
【0011】有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が
添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場
合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、
通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、
例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフ
ェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホ
スフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステ
ル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素
化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル
酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種
類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外
の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤と
併用するのが好ましい。
【0012】可塑剤の配合量は、有機高分子材料100
重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜1
80重量部、より好ましくは100重量部以下である。
この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現
できる。
【0013】有機高分子材料には必要に応じて充填材が
添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さ
を付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填
材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;
マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、
バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。
これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されて
もいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性
が低下するので、有機高分子材料100重量部に対し
て、好ましくは300重量部以下である。
【0014】有機高分子材料からなる制振シートの作製
方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法
であってよい。得られたシートを所要サイズにカットし
て防音装置の構成に供する。
【0015】請求項1および2の発明において、拘束部
材は、縦弾性係数が1GPa以上であるものであれば特
に限定されないが、制振シート用の有機高分子材料より
縦弾性係数が大きい材料がよい。
【0016】このような拘束部材の例として、鉛、鉄、
鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム(アルミニ
ウム合金を含む)等の金属材料;コンクリート、石膏ボ
ード、大理石、スレート板、砂板、ガラス等の無機材
料;ポリカーボネート、ポリサルフォン等のビスフエノ
ールA変性樹脂;ポリ(メタ)アクリレートなどのアク
リル樹脂;塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂
等の塩素系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン系ゴム等のゴム系材料;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等の飽和ポリエステル;
スチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオ
レフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、アラミド
(芳香族ポリアミド)等のポリアミド系樹脂;メラミン
系樹脂;ポリイミド系樹脂;ウレタン系樹脂;ジシクロ
ペンタジエン、ベークライト等の熱硬化性樹脂;木、紙
等のセルロース系材料;キチン、キトサンなどからなる
板材またはシートが挙げられる。
【0017】これらは単独で用いても、2以上の組み合
わせで用いてもよい。拘束部材はガラス繊維、カーボン
繊維、液晶などで補強されていてもよく、互いに異なる
材料からなる複合板であってもよく、さらに、これらの
材料からなる発泡体であってもよい。
【0018】拘束部材の形状は、好ましくはシート状で
ある。金属製の拘束部材には屋外での使用を考慮しメッ
キや塗装を施すのが好ましい。平滑な金属板からなる拘
束部材は反射率が大きくなる傾向を有するので、表面に
凹凸を設ける、孔を開ける、拘束部材を無機材にする、
などにより反射率を低減させるのが好ましい。孔径は、
孔が汚れなどで塞がれないようにまた孔内に水が浸透し
ないように、直径3〜20mm程度にするのがよい。拘
束部材が振動していても、拘束部材の縦弾性係数があま
り低下しなければ、表面の凹凸や孔開けなどで防音効果
は増す傾向にある。
【0019】請求項1および2の発明において、制振シ
ートおよび拘束材料の厚みは任意であってよいが、薄す
ぎると制振性能が劣り、厚すぎると重量が重くなるとと
もに屋根の高さが高くなるので、制振シートの厚みは好
ましくは0.1〜100mm、拘束部材の厚みは好まし
くは0.05〜200mmである。縦弾性係数100G
Pa以上の硬い拘束材料の場合は、厚みは好ましくは
0.05〜5mmである。
【0020】請求項3の発明による屋根の防音装置は、
請求項1または2の発明において、有機高分子材料が、
塩素含有量20〜65重量%の塩素系高分子材料と、炭
素数10〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の少
なくとも1種の塩素化パラフィンとからなる樹脂組成物
であることを特徴とするものである。
【0021】請求項3の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素系高分子材料は、請求項1の制振シート
用の有機高分子材料のうち塩素系のものであってよく、
例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポリエチレ
ン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0022】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜65重量%とす
るのがよい。
【0023】請求項3の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素化パラフィンは、炭素数が10〜50
で、塩素含有率が30〜70重量%であるものであれ
ば、限定されず、液状のものでも固体のものでもよい。
塩素化パラフィンは、単一物質からなるものでも、2以
上の物質の混合物でもよい。塩素化パラフィンは1種類
で単独使用されても、2種類以上併用されてもよい。
【0024】塩素化パラフィンの炭素数は、小さすぎる
と塩素化パラフィンがブリードアウトしてしまい、大き
すぎると十分な制振性が発現しないため、好ましくは1
2〜50であり、塩素化パラフィンが1種類で使用され
る場合、好ましくは12〜20、より好ましくは12〜
16である。
【0025】塩素化パラフィンの塩素含有量は、少なす
ぎると、充分な制振性が発現せず、且つ、塩素化パラフ
ィンが塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウト
する恐れがあり、多すぎると、やはり塩素化パラフィン
が塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウトする
恐れがあるので、30〜70重量%とするのがよい。塩
素化パラフィンの塩素含有量が塩素系高分子材料の塩素
含有量に近いほど、制振性が良くなるので、塩素系高分
子材料の塩素含有量に従って、塩素化パラフィンの塩素
含有量を決めればよい。
【0026】請求項3の発明の有機高分子材料におい
て、塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィンの量
は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎると
強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにくくな
るため、塩素系高分子材料100重量部に対して100
〜400重量部であることが好ましい。
【0027】請求項3の発明の樹脂組成物には必要に応
じて可塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充
填材の例示および添加量は請求項1および2におけるも
のと同じであってよい。
【0028】請求項4の発明による屋根の防音装置は、
請求項1または2の発明において、有機高分子材料が、
塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭
素数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第
1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素
含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合
物(ただし第1塩素化パラフィンの割合が第2塩素化パ
ラフィンの割合より大きい)とからなる樹脂組成物であ
ることを特徴とするものである。
【0029】請求項4の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素系高分子材料は、請求項1および2の制
振シート用の有機高分子材料のうち塩素系のものであっ
てよく、たとえば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン
系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化
ポリエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げ
られる。
【0030】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0031】請求項4の発明の有機高分子材料におい
て、塩素化パラフィンは、炭素数12〜16で且つ塩素
含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび
炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の
第2塩素化パラフィンの混合物である。このように炭素
数が互いに異なる2種の塩素化パラフィンを用いること
により、損失正弦(tanδ)のピーク値をより上昇さ
せ、すぐれた制振性を得ることができる。
【0032】この場合、第1塩素化パラフィンの割合を
第2塩素化パラフィンの割合より大きくすると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができるので好ましい。
【0033】請求項4の発明の有機高分子材料におい
て、塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィン混合物
の量は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎ
ると強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにく
くなるため、塩素系高分子材料100重量部に対して5
0〜400重量部であることが好ましい。
【0034】請求項4の発明の樹脂組成物には必要に応
じて可塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充
填材の例示および添加量は請求項1および2におけるも
のと同じであってよい。
【0035】請求項1〜4発明による防音装置を屋根に
設置する方法は任意であってよいが、現場での施工性を
良くするためには、予め制振シートと拘束部材を貼り合
わせて貼り合わせ体を形成しておき、この貼り合わせ体
を現場で2重折板屋根材の上折板の内面に貼り合わせた
り、あるいは支持部材に貼り合わせたりするのがよい。
【0036】塩素化パラフィンを含む樹脂組成物は適度
な粘着性を有るので、制振シートと拘束部材を貼り合わ
せる際、および2重折板屋根材の上折板または支持部材
に貼り合わせ体を制振シート側で貼り合わせる際、粘着
剤や両面テープが必要でなく施工性が良い。
【0037】(作用)請求項1の発明による屋根の防音
装置は、2重折板屋根材の上折板の下面に、損失正弦
(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高分子
材料からなる制振シートが貼り合わせられ、同シートの
下面に、縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材が貼
り合わせられているので、優れた制振性能を有する制振
シートが屋外から屋根に伝わる振動を吸収し、高い防音
性能を有する。しかも、優れた防音効果を有するので、
2重折板屋根材および硬質遮音板の厚みを従来の場合に
比べて薄くすることができ、屋根全体の重量を小さくす
るとともに屋根の高さを低くすることができる。
【0038】請求項2の発明による屋根の防音装置は、
硬質遮音板が、支持部材上に貼り合わせられ、且つ損失
正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高
分子材料からなる制振シートと、同シートの上面に貼り
合わせられ、且つ縦弾性係数が1GPa以上である拘束
部材とで構成されているので、優れた制振性能を有する
制振シートが屋外から屋根に伝わる振動を吸収し、高い
防音性能を有する。しかも、優れた防音効果を有するの
で、2重折板屋根材および硬質遮音板の厚みを従来の場
合に比べて薄くすることができ、屋根全体の重量を小さ
くするとともに屋根の高さを低くすることができる。
【0039】請求項3の発明による屋根の防音装置で
は、有機高分子材料として、塩素含有量20〜65重量
%の塩素系高分子材料と、炭素数10〜50で且つ塩素
含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素化パラ
フィンとからなる樹脂組成物を用いるので、一層優れた
制振性能を有する防音装置が得られる。
【0040】請求項4の発明による屋根の防音装置で
は、有機高分子材料として、塩素含有量20〜70重量
%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且つ塩素
含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび
炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の
第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素化パラ
フィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より大き
い)とからなる樹脂組成物を用いるので、損失正弦(t
anδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘
って維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制
振シートからのブリードアウトを抑制させることができ
る。
【0041】請求項3および4の樹脂組成物は塩素化パ
ラフィンを含むので、適度な粘着性を有し、制振シート
と拘束部材とを貼り合わせる際、および制振シートと拘
束部材との貼り合わせ体を、2重折板屋根材の上折板や
支持部材に制振シート側で貼り合わせる際、粘着剤や両
面テープが必要でなく施工性が良い。
【0042】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を、図面を
参照して説明する。
【0043】図1において、本発明による屋根の防音装
置は、型鋼製母屋等の横材(1)上に配されて適当な手段
により横材(1)に固定された2重折板屋根材(2)と、2重
折板屋根材(2)上に、取付金具(3)を介して2重折板屋根
材(2)の流れ方向(図面表裏方向)に間隔をおいて固定
され、且つ2重折板屋根材(2)の流れ方向と直交する方
向(図面左右方向)に伸びる複数のC型鋼製支持部材
(4)と、複数の支持部材(4)上に固定されて2重折板屋根
材(2)全体を覆う硬質遮音板(5)とを備えている。
【0044】2重折板屋根材(2)は、上下方向に間隔を
おいて配された上折板(6)および下折板(7)と、上下両折
板(6)(7)間に充填されたグラスウール等からなる吸音・
断熱材(8)とよりなる。上折板(6)の下面に、損失正弦
(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高分子
材料からなる制振シート(9)が貼り合わせられ、制振シ
ート(9)の下面に、縦弾性係数が1GPa以上である拘
束部材(10)が貼り合わせられている。
【0045】硬質遮音板(5)は、支持部材(4)上に貼り合
わせられ、且つ損失正弦(tanδ)のピーク値が1.
5以上である有機高分子材料からなる制振シート(9)
と、制振シート(9)の上面に貼り合わせられ、且つ縦弾
性係数が1GPa以上である拘束部材(10)とからなる。
【0046】以下、本発明の具体的実施例を比較例とと
もに説明する。
【0047】実施例 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜
16=99重量%)200重量部と塩素化パラフィン
(味の素ファインテクノ社製、商品名「エンパラ7
0」、塩素含有率70重量%、数平均炭素数26、炭素
数20〜50=99重量%)50重量部とをロール練り
機で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスし
て、厚さ0.5mmの制振シート(9)を作製した。樹脂
混練物のtanδは3.5であった。この制振シート
(9)の片面に、拘束部材(10)として厚み1.0mmの鋼
板(中村商事社製、縦弾性係数250GPa)を、制振
シート(9)の粘着性を利用して貼り合わせ、厚み2.5
mmの貼り合わせ体を得た。
【0048】この貼り合わせ体を、2重折板屋根材(2)
の上折板の下面に、制振シート(9)の粘着性を利用して
貼り合わせた。また、2重折板屋根材(2)の吸音・断熱
材(8)の厚みを40mmとした。
【0049】また、上記貼り合わせ体を、複数の支持部
材(4)の上面にまたがるように、制振シート(9)の粘着性
を利用して貼り合わせ、硬質遮音板(5)とした。こうし
て、屋根の防音装置を構成した。なお、屋根の総厚みは
465mmとした。
【0050】比較例 2重折板屋根材の上折板の下面に上記貼り合わせ体を貼
り合わせず、吸音・断熱材の厚みを40mmとした。
【0051】また、厚み12mmの木片セメント板を2
枚積層し、この積層体を複数の支持部材の上面にまたが
るように、支持部材に固定し、硬質遮音板とした。こう
して、屋根の防音装置を構成した。なお、屋根の総厚み
は550mmとした。
【0052】性能評価試験 JIS A1416に準拠して、屋根の音響透過損失を測定
した。すなわち、屋根の3m上方の位置にスピーカを設
置し、ノイズジェネレータ(RION社製、型式「SF
−15」)を用い、100dBのオールパスのピンクノ
イズを発生させた。屋内にマイクロホンを設置し、オク
ターブバンド精密騒音計(RION社製、型式「NA−
29」)を用いて屋内で音圧レベルを測定し、音響透過
損失を求めた。
【0053】その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】 表1から明らかなように、実施例の防音装置は、屋根の
総厚みを薄くしても、比較例の防音装置と同程度の遮音
性能を有する。
【0055】
【発明の効果】請求項1および2の発明によれば、優れ
た制振性能を有する制振シートが屋外から屋根に伝わる
振動を吸収し、高い防音性能を有する。しかも、優れた
防音効果を有するので、2重折板屋根材および硬質遮音
板の厚みを従来の場合に比べて薄くすることができる。
したがって、屋根全体の重量を小さくすることが可能と
なって、積雪の多い地方にも適したものとなる。さら
に、屋根の高さを低くすることが可能となって、建築物
の高さが制限されている地域(第1種低層住宅専用地
域、第2種低層住宅専用地域等)においても、屋内の天
井を低くする必要がなく、住み心地や居心地の低下を防
止することができる。
【0056】請求項3の発明によれば、一層優れた制振
性能を有する防音装置が得られる。
【0057】請求項4の発明によれば、損失正弦(ta
nδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘っ
て維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制振
シートからのブリードアウトを抑制させることができ
る。
【0058】請求項3および4の発明によれば、2重折
板屋根材の上折板や支持部材に制振シート側で貼り合わ
せる際、粘着剤や両面テープが必要でなく施工性が良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による屋根の防音装置の実施形態を示す
部分拡大垂直断面図である。
【符号の説明】
(1):横材 (2):2重折板屋根材 (4):支持部材 (5):硬質遮音板 (6):上折板 (7):下折板 (8):吸音・断熱材 (9):制振シート (10):拘束部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横材上に2重折板屋根材が配されるとと
    もに、2重折板屋根材の上方に支持部材を介して2重折
    板屋根材全体を覆うように硬質遮音板が配されており、
    2重折板屋根材が、上下両折板と両折板間に充填された
    吸音・断熱材とからなる屋根において、2重折板屋根材
    の上折板の下面に、損失正弦(tanδ)のピーク値が
    1.5以上である有機高分子材料からなる制振シートが
    貼り合わせられ、同シートの下面に、縦弾性係数が1G
    Pa以上である拘束部材が貼り合わせられていることを
    特徴とする屋根の防音装置。
  2. 【請求項2】 横材上に2重折板屋根材が配されるとと
    もに、2重折板屋根材の上方に支持部材を介して2重折
    板屋根材全体を覆うように硬質遮音板が配されており、
    2重折板屋根材が、上下両折板と両折板間に充填された
    吸音・断熱材とからなる屋根において、硬質遮音板が、
    支持部材上に貼り合わせられ、且つ損失正弦(tan
    δ)のピーク値が1.5以上である有機高分子材料から
    なる制振シートと、同シートの上面に貼り合わせられ、
    且つ縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材とで構成
    されていることを特徴とする屋根の防音装置。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜6
    5重量%の塩素系高分子材料と、炭素数10〜50で且
    つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素
    化パラフィンとからなる樹脂組成物であることを特徴と
    する請求項1または2記載の屋根の防音装置。
  4. 【請求項4】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且
    つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィン
    および炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重
    量%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素
    化パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より
    大きい)とからなる樹脂組成物であることを特徴とする
    請求項1または2記載の屋根の防音装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009263890A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Cci Corp 屋根用制振材及び屋根構造

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