JP2003241763A - 管渠の防音装置 - Google Patents

管渠の防音装置

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JP2003241763A
JP2003241763A JP2002040273A JP2002040273A JP2003241763A JP 2003241763 A JP2003241763 A JP 2003241763A JP 2002040273 A JP2002040273 A JP 2002040273A JP 2002040273 A JP2002040273 A JP 2002040273A JP 2003241763 A JP2003241763 A JP 2003241763A
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Japan
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chlorinated paraffin
chlorine content
polymer material
chlorine
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JP2002040273A
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English (en)
Inventor
Takashi Oguchi
貴士 小口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管渠の開口面積を大きくする必要がなく、軽
量で管渠内面に安定的に設置することができ、優れた防
音効果を長期に亘って維持することができる管渠の防音
装置を提供する。 【解決手段】 管渠の防音装置1 は、管渠4 の内面側に
設けられ、且つ、損失正弦(tanδ)のピーク値が
1.5以上である有機高分子材料からなる制振シート3
と、同シートの内側面に設けられ、且つ、縦弾性係数が
1GPa以上である拘束部材2 とで構成されている。好
ましい有機高分子材料は、塩素含有量20〜70重量%
の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数12〜16
で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフ
ィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜7
0重量%の第2塩素化パラフィンの混合物50〜300
重量部(ただし第1塩素化パラフィンの割合が第2塩素
化パラフィンの割合より大きい)とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雨水等を流す管渠
の内部で発生して反響し、開口部から出て特に夜間に騒
音となって周辺家屋に達する管渠内部反響音を低減する
管渠の防音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、管渠内部の反響音を低減するに
は、グラスウール等のシートからなる吸音材を内面に設
置する方法が知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、グラスウール
シート製の吸音材は厚みが大きいため管渠の開口面積を
その分大きくする必要がある。また同吸音材を管渠内面
に接着剤で貼り付ける場合は、屋外での使用のため接着
剤の劣化や吸音材自身の凍結融解などによって吸音材が
剥落してしまう(特開2001−350477号公
報)。またコンクリート、セラミック、その他の連続気
泡発泡体は水位上昇時に毛細管現象により水位より上の
部分にも水が浸透して気泡内部を満たし防音効果をなく
する。さらに屋外での使用のため表層の気泡開口部に汚
れなどが付着し、内部に音を取り込めなくて防音効果が
なくなる。
【0004】本発明は、従来技術の上記諸問題に鑑み、
管渠の開口面積を大きくする必要がなく、軽量で管渠内
面に安定的に設置することができ、優れた防音効果を長
期に亘って維持することができる管渠の防音装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1による管渠の防
音装置は、管渠の内面側に設けられ、且つ、損失正弦
(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高分子
材料からなる制振シートと、同シートの内側面に設けら
れ、且つ、縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材と
で構成されていることを特徴とするものである。
【0006】請求項2による管渠の防音装置は、請求項
1記載の管渠の防音装置において、有機高分子材料が、
塩素含有量20〜65重量%の塩素系高分子材料100
重量部と、炭素数10〜50で且つ塩素含有量30〜7
0重量%の少なくとも1種の塩素化パラフィン100〜
350重量部とからなる樹脂組成物であることを特徴と
するものである。
【0007】請求項3による管渠の防音装置は、請求項
1記載の管渠の防音装置において、有機高分子材料が、
塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料100
重量部と、炭素数12〜16で且つ塩素含有率30〜7
0重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜5
0で且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラ
フィンの混合物50〜300重量部(ただし第1塩素化
パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より大
きい)とからなる樹脂組成物であることを特徴とするも
のである。
【0008】請求項1による管渠の防音装置において、
制振シート用の有機高分子材料は、損失正弦(tan
δ)のピーク値が1.5以上であるものであれば、特に
限定されないが、極性基を有する高分子材料が好まし
い。このような高分子材料の例として、クロロプレンゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素系ゴ
ム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラ
ール、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、ハロゲン化ポリマー、フッ素系ポリマー、臭素
系ポリマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱エ
ラストマーなどが挙げられる。
【0009】有機高分子材料のハロゲン含有量は、少な
すぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬く
なりすぎて成形が難しくなるので、好ましくは20〜6
5重量%である。
【0010】有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が
添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場
合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、
通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、
例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフ
ェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホ
スフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステ
ル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素
化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル
酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種
類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外
の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤と
併用するのが好ましい。
【0011】可塑剤の配合量は、有機高分子材料100
重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜1
80重量部、より好ましくは100重量部以下である。
この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現
できる。
【0012】有機高分子材料には必要に応じて充填材が
添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さ
を付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填
材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;
マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、
バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。
これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されて
もいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性
が低下するので、有機高分子材料100重量部に対し
て、好ましくは300重量部以下である。
【0013】有機高分子材料からなる制振シートの作製
方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法
であってよい。得られたシートを所要サイズにカットし
て防音装置の構成に供する。
【0014】請求項1による管渠の防音装置のもう1つ
の構成材である拘束部材は、縦弾性係数が1GPa以上
であるものであれば特に限定されないが、制振シート用
の有機高分子材料より縦弾性係数が大きい材料がよい。
拘束部材の引張弾性率は、小さすぎると制振材の振動吸
収性能が低下するので、108 N/m2 以上であるこ
とが好ましい。
【0015】このような拘束部材の例として、鉛、鉄、
鋼材(ステンレス鋼を含む)アルミニウム等の金属材
料;コンクリート、石膏ボード、大理石、スレート板、
砂板、ガラス等の無機材料;ポリカーボネート、ポリサ
ルフォン等のビスフエノールA変性樹脂;ポリ(メタ)
アクリレートなどのアクリル樹脂;塩化ビニル系樹脂、
塩素化塩化ビニル系樹脂等の塩素系樹脂;アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン系ゴム等のゴム系材料;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等の飽和ポリエステル;スチレン系樹脂;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ナイロン
6、ナイロン66、アラミド(芳香族ポリアミド)等の
ポリアミド系樹脂;メラミン系樹脂;ポリイミド系樹
脂;ウレタン系樹脂;ジシクロペンタジエン、ベークラ
イト等の熱硬化性樹脂;木、紙等のセルロース系材料;
キチン、キトサンなどからなる板材またはシートが挙げ
られる。
【0016】これらは単独で用いても、2以上の組み合
わせで用いてもよい。拘束部材はガラス繊維、カーボン
繊維、液晶などで補強されていてもよく、互いに異なる
材料からなる複合板であってもよく、さらに、これらの
材料からなる発泡体であってもよい。
【0017】拘束部材の形状は特に限定されず、シート
状、板状、棒状、ブロック状などであってもよい。好ま
しくはシート状拘束部材が用いられる。金属製の拘束部
材には屋外での使用を考慮しメッキや塗装を施すのが好
ましい。平滑な金属板からなる拘束部材は反射率が大き
くなる傾向を有するので、表面に凹凸を設ける、孔を開
ける、拘束部材を無機材にする、などにより反射率を低
減させるのが、好ましい。孔径は、孔が汚れなどで塞が
れないようにまた穴内に水が浸透しないように、直径3
〜20mm程度にするのがよい。拘束部材が振動してい
ても、拘束部材の縦弾性係数があまり低下しなければ、
表面の凹凸や孔開けなどで防音効果は増す傾向にある。
【0018】つぎに、請求項2の有機高分子材料におい
て、制振シート用の塩素系高分子材料は、請求項1の制
振シート用の有機高分子材料のうち塩素系のものであっ
てよく、例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系
樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポ
リエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げら
れる。
【0019】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜65重量%とす
るのがよい。
【0020】請求項2の有機高分子材料において、塩素
化パラフィンは、炭素数が10〜50で、塩素含有率が
30〜70重量%であるものであれば、限定されず、液
状のものでも固体のものでもよい。塩素化パラフィン
は、単一物質からなるものでも、2以上の物質の混合物
でもよい。塩素化パラフィンは1種類で単独使用されて
も、2種類以上併用されてもよい。
【0021】塩素化パラフィンの炭素数は、小さすぎる
と塩素化パラフィンがブリードアウトしてしまい、大き
すぎると十分な制振性が発現しないため、好ましくは1
2〜50であり、塩素化パラフィンが1種類で使用され
る場合、好ましくは12〜20、より好ましくは12〜
16である。
【0022】塩素化パラフィンの塩素含有量は、少なす
ぎると、充分な制振性が発現せず、且つ、塩素化パラフ
ィンが塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウト
する恐れがあり、多すぎると、やはり塩素化パラフィン
が塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウトする
恐れがあるので、30〜70重量%とするのがよい。塩
素化パラフィンの塩素含有量が塩素系高分子材料の塩素
含有量に近いほど、制振性が良くなるので、塩素系高分
子材料の塩素含有量に従って、塩素化パラフィンの塩素
含有量を決めればよい。
【0023】請求項2の有機高分子材料において、塩素
系高分子材料に対する塩素化パラフィンの量は、少なす
ぎると十分な制振性が得られず、多すぎると強度が小さ
くなって樹脂組成物が形態を保持しにくくなるため、塩
素系高分子材料100重量部に対して100〜350重
量部である。
【0024】請求項2の樹脂組成物には必要に応じて可
塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充填材の
例示および添加量は請求項1におけるものと同じであっ
てよい。
【0025】つぎに、請求項3の有機高分子材料におい
て、制振シート用の塩素系高分子材料は、請求項1の制
振シート用の有機高分子材料のうち塩素系のものであっ
てよく、例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系
樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポ
リエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げら
れる。
【0026】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0027】請求項3の有機高分子材料において、塩素
化パラフィンは、炭素数12〜16で且つ塩素含有率3
0〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数2
0〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素
化パラフィンの混合物である。このように炭素数が互い
に異なる2種の塩素化パラフィンを用いることにより、
損失正弦(tanδ)のピーク値をより上昇させ、すぐ
れた制振性を得ることができる。
【0028】この場合、第1塩素化パラフィンの割合を
第2塩素化パラフィンの割合より大きくすると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができるので好ましい。
【0029】請求項3の有機高分子材料において、塩素
系高分子材料に対する塩素化パラフィン混合物の量は、
少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎると強度
が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにくくなるた
め、塩素系高分子材料100重量部に対して50〜30
0重量部である。
【0030】請求項3の樹脂組成物には必要に応じて可
塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充填材の
例示および添加量は請求項1におけるものと同じであっ
てよい。
【0031】本発明による防音装置を管渠に設置する位
置は、雨水などを集め河川に合流するまでであり、好ま
しくは開口端から2m〜数十m奥までの範囲、例えば開
口端から3〜8m奥までの範囲であり、且つその内面で
あり、主にその側面や天井面である。底面は水が流れる
部分であるから設置の必要はない。側面においても通常
水位より高い部分に設ければよい。
【0032】本発明による防音装置を管渠に設置する方
法は任意であってよいが、現場での施工性を良くするた
めには、予め制振シートと拘束部材を貼合して防音装置
を作製しておき、これを現場で管渠内面に制振シートを
内側にして貼付けるのがよい。本発明による防音装置を
管渠に多層状に設置することも好ましい。
【0033】制振シートおよび拘束材料の厚みは任意で
あってよいが、薄すぎると制振性能が劣り、厚すぎると
重量が重くなり施工性が悪くなるので、制振シートの厚
みは好ましくは50μm〜50mm、拘束部材の厚みは
好ましくは50μm〜5mmである。縦弾性係数100
GPa以上の硬い拘束材料の場合は、厚みは好ましくは
50μm〜5mmである。
【0034】管渠の材質は、特に限定されないが、通常
は金属、コンクリート、レジンコンクリートなどであ
る。管渠の管径、管肉厚等は設置場所に応じて選択され
る。
【0035】塩素化パラフィンを含む樹脂組成物は適度
な粘着性を有し、管渠に防音装置を制振シート側で貼り
合わせる際、粘着剤や両面テープが必要でなく施工性が
良い。
【0036】(作用)請求項1の発明による管渠の防音
装置は、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上
である有機高分子材料からなる制振シートと、同シート
の内面に設けられ且つ縦弾性係数が1GPa以上である
拘束部材とで構成されているので、優れた制振性能を有
する制振シートが管渠内部の反響音を吸収し、音が開口
部から出難く、高い防音性能を有する。しかも、これは
軽量で管渠内面に安定的に設置することができ、優れた
防音効果を長期に亘って維持することができる。
【0037】また、請求項2の発明による管渠の防音装
置では、有機高分子材料として、塩素含有量20〜65
重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数10
〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも
1種の塩素化パラフィン100〜350重量部とからな
る樹脂組成物を用いると、一層優れた制振性能を有する
防音装置が得られる。
【0038】さらに、請求項3の発明による管渠の防音
装置では、有機高分子材料として、塩素含有量20〜7
0重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数1
2〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素
化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率
30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物50
〜300重量部(ただし第1塩素化パラフィンの割合が
第2塩素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹
脂組成物を用いるので、損失正弦(tanδ)のピーク
値をより上昇させるとともに長期に亘って維持すること
ができ、且つ、塩素化パラフィンの制振シートからのブ
リードアウトを抑制させることができる。
【0039】請求項2および3の樹脂組成物は塩素化パ
ラフィンを含むので、適度な粘着性を有し、管渠に防音
装置を制振シート側で貼り合わせる際、粘着剤や両面テ
ープが必要でなく施工性が良い。
【0040】請求項1〜3の防音装置は、グラスウール
のシートからなる吸音材に比べ、制振シートと拘束部材
を合わせ厚さを大幅に薄くできるため、管渠の開口面積
を大きくする必要がない。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づいてさらに
詳しく説明する。
【0042】実施例1 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
とトリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホスフェ
ート(日本油脂社製、品番「3PC−R」)150重量
部とをロール練り機で混練し、得られた樹脂混練物を1
30℃でプレスして厚さ1.0mmのシートを得た。こ
れをカットして50cm×50cm×厚さ1.0mmの
制振シートを作製した。樹脂混練物のtan δは1.
8であった。この制振シートに拘束部材として50cm
×50cm×厚み0.4mmの鋼板(中村商事社製、縦
弾性係数100GPa)を粘着剤(積水化学工業社製、
品番「#5516」)にて貼り合わせた。こうして、図
1に示すように、拘束部材(2) と制振シート(3) からな
る防音装置(1) を作製した。
【0043】図1において、この防音装置(1) を、深さ
4mの河川に開口するコンクリート製の直径1mの管渠
(4) の内面に、拘束部材(2) を管内側に制振シート(3)
を管渠側にして粘着剤(積水化学工業社製、品番「#5
516」)で貼付けた。防音装置(1) の設置位置は開口
端から4m奥までとした。
【0044】実施例2 トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホスフェー
トを同量のテトラブロモフタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(三木産業社製、品番「DP45」)に置き換えた以
外、実施例1と同様の操作を行って、防音装置(1) を作
製した。樹脂混練物のtan δは1.7であった。こ
の防音装置(1) を実施例1と同様の操作で管渠(4) 内面
に貼付けた。
【0045】実施例3 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、炭素数14)150重量部とを
ロール練り機で混練し、得られた混練物を120℃でプ
レスして厚さ1.0mmのシートを得た。これをカット
して50cm×50cm×厚さ1.0mmの制振シート
を得た。樹脂混練物のtan δは3.0であった。こ
の制振シートに実施例1と同じ鋼板を貼付け、防音装置
(1) を作製した。ただし、貼付けは粘着剤なしで行っ
た。この防音装置(1) を実施例1と同様の操作で管渠
(4) に貼付けた。この貼付けも粘着剤なしで行った。
【0046】実施例4 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、数平均炭素数14、炭素数12
〜16=99重量%)200重量部と塩素化パラフィン
(味の素ファインテクノ社製、商品名「エンパラ7
0」、塩素含有率70重量%、数平均炭素数26、炭素
数20〜50=99重量%)50重量部とをロール練り
機で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスし
て、厚さ1.0mmのシートを得た。これをカットして
50cm×50cm×厚さ1.0mmの制振シートを作
製した。樹脂混練物のtanδは3.5であった。この
制振シートに拘束部材として実施例1と同じ鋼板を貼付
け、防音装置(1) を作製した。ただし、貼付けは粘着剤
なしで行った。この防音装置(1) を実施例1と同様の操
作で管渠(4) に貼付けた。この貼付けも粘着剤なしで行
った。
【0047】比較例1 図2において、実施例1の防音装置の代わりに厚み10
cmのグラスウールシート(6) を実施例1と同様に管渠
(4) に設置した。
【0048】比較例2 制振シートとして50cm×50cm×厚み1.0mm
のブチルゴムシート(tan δは0.5)を用い、拘
束部材として50cm×50cm×厚み0.4mmのア
ルミニウム板を用い、実施例1と同様の操作で防音装置
を作製した。この防音装置を実施例1と同様に管渠(4)
に設置した。
【0049】性能評価試験 実施例および比較例で作製した制振シートおよび管渠に
対し、下記の項目について性能評価を行った。
【0050】a.防音性能 防音装置を設置した管渠において、当初は管渠に流量2
0L/secにて水を流した。その際、水位は20cm
であり、防音装置に水は接していなかった。この状態で
開口端よりほぼ1m出た所の計測点(5) にて音の計測を
行った。計測は、RION社の精密騒音計NA−27を
使用し、30秒間のLeq(等価騒音レベル)にて行っ
た。この測定結果を表1に「音(標準水位)」として示
す。
【0051】つぎに流量を増やし、水位を30cm程度
まで上げ、上記と同様に計測を行った。この測定結果を
表1に「音(水位増)」として示す。
【0052】b.剥離 30日後の制振シートと拘束部材の状態を目視にて観察
した。剥離などの異常が認められなかった場合、表1に
「なし」と示し、上面部分で一部剥離が認められ、水位
を上昇させて水に接した部分でも剥離が認められた場
合、表1に「あり」と示した。
【0053】
【表1】 表1から明らかなように、実施例で作製した防音装置は
いずれも良好な防音性および設置安定性を示すものであ
る。
【0054】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、優れた制振性
能を有する制振シートが管渠内部の反響音を吸収し、音
が開口部から出難く、高い防音性能を有する。しかも、
これは軽量で管渠内面に安定的に設置することができ、
優れた防音効果を長期に亘って維持することができる。
【0055】請求項2の発明によれば、一層優れた制振
性能を有する防音装置が得られる。
【0056】請求項3の発明によれば、損失正弦(ta
nδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘っ
て維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制振
シートからのブリードアウトを抑制させることができ
る。
【0057】請求項2および3の樹脂組成物は塩素化パ
ラフィンを含むので、適度な粘着性を有し、管渠に防音
装置を制振シート側で貼り合わせる際、粘着剤や両面テ
ープが必要でなく施工性が良い。
【0058】請求項1〜3の防音装置は、グラスウール
のシートからなる吸音材に比べ、制振シートと拘束部材
を合わせ厚さを大幅に薄くできるため、管渠の開口面積
を大きくする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aは実施例1による管渠の防音装置の設
置状態を示す防音装置の縦断面図である。図1bは同防
音装置の横断面図である。
【図2】比較例1の防音装置の横断面図である。
【符号の説明】
(1) :防音装置 (2) :拘束部材 (3) :制振シート (4) :管渠 (5) :計測点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管渠の内面側に設けられ、且つ、損失正
    弦(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高分
    子材料からなる制振シートと、同シートの内側面に設け
    られ、且つ、縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材
    とで構成されていることを特徴とする管渠の防音装置。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜6
    5重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数1
    0〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の少なくと
    も1種の塩素化パラフィン100〜350重量部とから
    なる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の
    管渠の防音装置。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数1
    2〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素
    化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率
    30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物50
    〜300重量部(ただし第1塩素化パラフィンの割合が
    第2塩素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹
    脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の管渠の
    防音装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102002970A (zh) * 2010-10-25 2011-04-06 河南康泰塑业科技有限公司 一种静音排水管
CN108071219A (zh) * 2016-11-17 2018-05-25 张俊通 一种下水管道消音器

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CN102002970B (zh) * 2010-10-25 2011-08-17 河南康泰塑业科技有限公司 一种静音排水管
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