JP2003276597A - 鉄道車両の防音装置 - Google Patents

鉄道車両の防音装置

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JP2003276597A
JP2003276597A JP2002086059A JP2002086059A JP2003276597A JP 2003276597 A JP2003276597 A JP 2003276597A JP 2002086059 A JP2002086059 A JP 2002086059A JP 2002086059 A JP2002086059 A JP 2002086059A JP 2003276597 A JP2003276597 A JP 2003276597A
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Akihisa Miura
明久 三浦
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全面に問題がなく、価格的に有利であり、
しかも、優れた防音効果を長期に亘って維持することが
できる鉄道車両の防音装置を提供する。 【解決手段】 鉄道車両の構体1 は、台枠2 の上に、こ
れに沿った床板3 と、両側部の側構体4 と、両端部の妻
構体5 とを組み付け、これらの上に屋根構体6 を組み付
けてなる。鉄道車両の防音装置16は、制振シート17と、
同シートの上に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GPa
以上である拘束部材18とからなり、床板、側構体、屋根
構体および/または妻構体に設けられる。制振シート
は、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であ
る有機高分子材料からなる。防音装置の好ましい設置位
置は、側構体の腰板部8 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行する鉄道車両
が発する騒音を可及的に低減する鉄道車両の防音装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の構体は、走行中、構体全体が
振動して騒音を発し、これに台車からの走行振動が加わ
り騒音が増大し、乗り心地を悪くしている。
【0003】従来、車両の騒音を抑える制振材として、
所定厚みの金属板と所定厚みのゴム板とからなるものが
提案されている(特開2000−190418号公報参
照)。しかし、この構造は、車両の表面全体にゴム板を
積層するため非常に高価となる上に、重量的にも重くな
り、経済的ではない。
【0004】また、鉄道車両の防音装置として、車両の
腰板部の板厚をその上下の部分より厚くした構造が提案
されている(特開平9−169267号公報参照)。し
かしこの構造では、腰板部を構成する押出し型材は中空
形状のものであるため、高価であるばかりでなく、脆性
破壊を起こす恐れがあり安全面に不安がある。
【0005】鉄道車両の防音装置の他の従来例として、
台枠と床板の間に防振ゴムを設け、これで床板を支える
構造が提案されている(特開平9−150738号公報
参照)。しかしこの構造は、防振ゴムに常に車体の負荷
が掛かるため、防音性能を長期的に発現することができ
ず、加えて高価である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記諸問題
に鑑み、安全面に問題がなく、価格的に有利であり、し
かも、優れた防音効果を長期に亘って維持することがで
きる鉄道車両の防音装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による鉄道車両の
防音装置は、台枠の上に、これに沿った床板と、両側部
の側構体と、両端部の妻構体とを組み付け、これらの上
に屋根構体を組み付けてなる鉄道車両の構体において、
床板、側構体、屋根構体または妻構体に設けられ、且
つ、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であ
る有機高分子材料からなる制振シートと、同シートの上
に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GPa以上である拘
束部材とで構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】制振シートを構成する有機高分子材料は、
好ましくは、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分
子材料と、炭素数12〜16で且つ塩素含有率30〜7
0重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜5
0で且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラ
フィンの混合物(ただし第1塩素化パラフィンの割合が
第2塩素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹
脂組成物である。
【0009】側構体は、窓より下の腰板部と、窓周囲を
構成する窓部と、窓より上の幕板部と、それよりも上の
軒桁部とから構成されている。本発明による防音装置の
好ましい設置位置は、側構体の腰板部である。
【0010】本発明による防音装置は、屋根構体に設け
られてもよいし、床板に設けられてもよい。
【0011】本発明による鉄道車両の防音装置におい
て、制振シート用の有機高分子材料は、100Hzで計
測した損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上で
あるものであれば、特に限定されないが、極性基を有す
る高分子材料が好ましい。このような高分子材料の例と
して、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム、フッ素系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、クロロスルフォン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル系樹脂、塩素
化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、ハロゲン化ポリマー、フ
ッ素系ポリマー、臭素系ポリマー、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ
る。
【0012】有機高分子材料のハロゲン含有量は、少な
すぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬く
なりすぎて成形が難しくなるので、好ましくは20〜6
5重量%である。
【0013】有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が
添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場
合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、
通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、
例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフ
ェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホ
スフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステ
ル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素
化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル
酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種
類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外
の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤を
併用するのが好ましい。
【0014】可塑剤の配合量は、有機高分子材料100
重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜1
80重量部、より好ましくは100重量部以下である。
この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現
できる。
【0015】有機高分子材料には必要に応じて充填材が
添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さ
を付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填
材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;
マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、
バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。
これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されて
もいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性
が低下するので、有機高分子材料100重量部に対し
て、好ましくは300重量部以下である。
【0016】有機高分子材料からなる制振シートの作製
方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法
であってよい。得られたシートを所要サイズにカットし
て防音装置の構成に供する。
【0017】本発明による鉄道車両の防音装置のもう1
つの構成材である拘束部材は、小さすぎると制振材の振
動吸収性能が低下するので、縦弾性係数が1GPa以上
であるものに限定され、制振シート用の有機高分子材料
より縦弾性係数が大きい材料が好ましい。
【0018】このような拘束部材の例として、鉛、鉄、
鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム等の金属材
料;コンクリート、石膏ボード、大理石、スレート板、
砂板、ガラス等の無機材料;ポリカーボネート、ポリサ
ルフォン等のビスフエノールA変性樹脂;ポリ(メタ)
アクリレートなどのアクリル樹脂;塩化ビニル系樹脂、
塩素化塩化ビニル系樹脂等の塩素系樹脂;アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン系ゴム等のゴム系材料;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等の飽和ポリエステル;スチレン系樹脂;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ナイロン
6、ナイロン66、アラミド(芳香族ポリアミド)等の
ポリアミド系樹脂;メラミン系樹脂;ポリイミド系樹
脂;ウレタン系樹脂;ジシクロペンタジエン、ベークラ
イト等の熱硬化性樹脂;木、紙等のセルロース系材料;
キチン、キトサンなどからなる板材またはシートが挙げ
られる。
【0019】これらは単独で用いても、2以上の組み合
わせで用いてもよい。拘束部材はガラス繊維、カーボン
繊維、液晶などで補強されていてもよく、互いに異なる
材料からなる複合板であってもよく、さらに、これらの
材料からなる発泡体であってもよい。
【0020】拘束部材の形状は特に限定されず、シート
状、板状、棒状、ブロック状などであってもよい。好ま
しくはシート状拘束部材が用いられる。金属製の拘束部
材にはメッキや塗装を施すのが好ましい。平滑な金属板
からなる拘束部材は反射率が大きくなる傾向を有するの
で、表面に凹凸を設ける、孔を開ける、拘束部材を無機
材にする、などにより反射率を低減させるのが好まし
い。孔径は、孔が汚れなどで塞がれないようにまた穴内
に水が浸透しないように、直径3〜20mm程度にする
のがよい。拘束部材が振動していても、拘束部材の縦弾
性係数があまり低下しなければ、表面の凹凸や孔開けな
どで防音効果は増す傾向にある。
【0021】制振シートを構成する有機高分子材料とし
ては、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料
と、炭素数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量
%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且
つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィン
の混合物(ただし第1塩素化パラフィンの割合が第2塩
素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹脂組成
物が好ましい。
【0022】この塩素化パラフィン混合物を含む有機高
分子材料において、制振シート用の塩素系高分子材料
は、先に例示した制振シート用の有機高分子材料のうち
塩素系のものであってよく、例えば、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化塩化ビ
ニル系樹脂等が挙げられる。
【0023】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0024】この塩素化パラフィン混合物を含む有機高
分子材料において、好ましい塩素化パラフィンは、炭素
数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1
塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含
有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物
である。このように炭素数が互いに異なる2種の塩素化
パラフィンを用いることにより、損失正弦(tanδ)
のピーク値をより上昇させ、すぐれた制振性を得ること
ができる。
【0025】この場合、第1塩素化パラフィンの割合を
第2塩素化パラフィンの割合より大きくすると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができるので好ましい。
【0026】この塩素化パラフィン混合物を含む有機高
分子材料において、塩素系高分子材料に対する塩素化パ
ラフィン混合物の量は、少なすぎると十分な制振性が得
られず、多すぎると強度が小さくなって樹脂組成物が形
態を保持しにくくなるため、塩素系高分子材料100重
量部に対して50〜300重量部が好ましい。
【0027】この塩素化パラフィン混合物を含む樹脂組
成物には必要に応じて可塑剤、充填材等が添加されても
よい。可塑剤、充填材の例示および添加量は上述したも
のと同じであってよい。
【0028】鉄道車両は、台車と、この上に載せられる
構体すなわち車体とからなる。構体は、台枠と、これの
上に沿って設けられた床板と、台枠の両側部に設けられ
た側構体と、台枠の両端部に設けられた妻構体と、屋根
部に設けられた屋根構体とからなる。側構体は、窓より
下の腰板部と、窓周囲を構成する窓部と、窓より上の幕
板部と、それよりも上の軒桁部とから構成される。本発
明による防音装置を鉄道車両に設置する位置は、床板、
側構体、屋根構体または妻構体であり、通常はこれらの
内面である。また、設置位置は、床板、側構体、屋根構
体または妻構体の少なくとも一カ所であり、各々の全面
でも一部でもよい。本発明防音装置の好ましい設置位置
は、側構体の腰板部、屋根構体または床板である。
【0029】本発明による防音装置を鉄道車両に設置す
る方法は任意であってよいが、現場での施工性を良くす
るためには、予め制振シートと拘束部材を貼合して防音
装置を作製しておき、これを現場で鉄道車両の上記設置
位置内面に制振シートを設置面と拘束部材とで挟むよう
にして貼付けるのがよい。本発明による防音装置を鉄道
車両に多層状に設置することも好ましい。
【0030】制振シートおよび拘束材料の厚みは任意で
あってよいが、薄すぎると制振性能が劣り、厚すぎると
重量が重くなり施工性が悪くなるので、制振シートの厚
みは好ましくは50μm〜50mm、より好ましくは
0.5〜1.5mm、拘束部材の厚みは好ましくは50
μm〜5mm、より好ましくは0.5〜1.5mmであ
る。縦弾性係数100GPa以上の硬い拘束材料の場合
は、厚みは好ましくは50μm〜5mmである。
【0031】塩素化パラフィンを含む樹脂組成物は適度
な粘着性を有し、鉄道車両に防音装置を制振シート側で
貼り合わせる際、粘着剤や両面テープなしに施工でき
る。
【0032】(作用)本発明による鉄道車両の防音装置
は、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であ
る有機高分子材料からなる制振シートと、同シートの内
面に設けられ且つ縦弾性係数が1GPa以上である拘束
部材とで構成されているので、優れた制振性能を有する
制振シートが鉄道車両内部の騒音を吸収し、高い防音性
能を示す。しかも、これは軽量(面密度約2.0)で走
行時の燃費にも優れる上に、鉄道車両内面に安定的に設
置することができ、優れた防音効果を長期に亘って維持
することができる。
【0033】また、有機高分子材料として、塩素含有量
20〜70重量%の塩素系高分子材料100重量部と、
炭素数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の
第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩
素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混
合物50〜300重量部(ただし第1塩素化パラフィン
の割合が第2塩素化パラフィンの割合より大きい)とか
らなる樹脂組成物を用いると、損失正弦(tanδ)の
ピーク値をより上昇させるとともに長期に亘って維持す
ることができ、且つ、塩素化パラフィンの制振シートか
らのブリードアウトを抑制させることができる。
【0034】さらに、塩素化パラフィンを含む樹脂組成
物からなる制振シートは適度な粘着性を有するので、鉄
道車両に防音装置を制振シート側で貼り合わせる際、粘
着剤や両面テープ、ネジ留め等なしに施工できる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づいてさらに
詳しく説明する。
【0036】実施例1 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜
16=99重量%)200重量部と塩素化パラフィン
(味の素ファインテクノ社製、商品名「エンパラ7
0」、塩素含有率70重量%、平均炭素数26、炭素数
20〜50=99重量%)50重量部とをロール練り機
で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスし
て、厚さ1.0mmのシートを得た。これをカットして
50cm×50cm×厚さ1.0mmの制振シートを作
製した。樹脂混練物のtan δは3.5であった。
【0037】この制振シートに拘束部材として50cm
×50cm×厚み0.4mmの鋼板(中村商事社製、縦
弾性係数250GPa)を粘着剤なしで貼り合わせた。
こうして、拘束部材と制振シートからなる防音装置を作
製した。
【0038】図1および図2において、鉄道車両の構体
(1) は、台枠(2) と、これの上に沿って設けられた床板
(3) と、台枠の両側部に設けられた側構体(4) と、台枠
の両端部に設けられた妻構体(5) と、屋根部に設けられ
た屋根構体(6) とからなる。側構体(4) は、窓(7) より
下の腰板部(8) と、窓(7) より上の幕板部(10)と、それ
よりも上の軒桁部(11)とからなる。これら構成部材はい
ずれもアルミニウムの押出し型材で構成されている。台
枠(2) は両側部の側梁(12)と、両端部の端梁(13)と、左
右側梁間に渡された複数の横梁(9) と、横梁間の床受梁
(14)と、端梁と横梁間の中梁(15)とからなり、台枠(2)
の上に床板(3) が設置されている。
【0039】制振シート(17)と拘束部材(18)からなる上
記の防音装置(16)を、腰板部(8) の内面全体の50%の
領域(図1参照)または100%の領域に、制振シート
(17)を外側にして貼り付けた。
【0040】実施例2 防音装置(16)を、屋根構体(6) の内面全体に貼り付けた
点を除いて、実施例1と同じ操作を行った。屋根構体
(6) には窓部のような音の透過性の良い部分がないの
で、防音性は高い。
【0041】実施例3 防音装置(16)を床板(3) の反室内側(図中下面側)全体
に貼り付けた点を除いて、実施例1と同じ操作を行っ
た。床板(3) の室内側は常時踏まれるので貼付には好ま
しくない。
【0042】比較例1 腰板部(8) に防音装置を設けなかった点を除いて、実施
例1と同じ操作を行った。
【0043】比較例2 屋根構体(6) に防音装置を設けなかった点を除いて、実
施例2と同じ操作を行った。
【0044】比較例3 床板(3) に防音装置を設けなかった点を除いて、実施例
3と同じ操作を行った。
【0045】防音評価試験 JIS A1416に準拠して、音響透過損失を測定し
た。すなわち、車体の防音装置設置部から3m外方の位
置にスピーカーを設置し、ノイズジェネレーター(RI
ON社製、型式「SF−05」)を用い、100dBの
オールパスのピンクノイズを発生させた。車体内部にマ
イクロホンを設置し、オクターブバンド精密騒音計(R
ION社製、型式「NA−29」)を用いて、車体内部
で音圧レベルを測定し、音響透過損失を求めた。
【0046】その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、実施例ではいず
れも良好な防音効果が発揮された。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、優れた制振性能を有す
る制振シートが鉄道車両内部の騒音を吸収し、音が開口
部から出難く、高い防音性能を有する。しかも、これは
軽量(面密度約2.0)で走行時の燃費にも優れる上
に、鉄道車両内面に安定的に設置することができ、優れ
た防音効果を長期に亘って維持することができる。
【0050】有機高分子材料として塩素化パラフィンの
混合物を含むものを用いると、損失正弦(tanδ)の
ピーク値をより上昇させるとともに長期に亘って維持す
ることができ、且つ、塩素化パラフィンの制振シートか
らのブリードアウトを抑制させることができる。
【0051】塩素化パラフィンを含む樹脂組成物からな
る制振シートは適度な粘着性を有するので、鉄道車両に
防音装置を制振シート側で貼り合わせる際、粘着剤や両
面テープ、ネジ留め等なしに施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1による鉄道車両の防音装置の
設置状態を示す鉄道車両の部分的な垂直横断面図であ
る。
【図2】 図2は鉄道車両の分解状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
(1) :鉄道車両の構体 (2) :台枠 (3) :床板 (4) :側構体 (5) :妻構体 (6) :屋根構体 (8) :腰板部 (10):幕板部 (11):軒桁部 (16):防音装置 (17):制振シート (18):拘束部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台枠の上に、これに沿った床板と、両側
    部の側構体と、両端部の妻構体とを組み付け、これらの
    上に屋根構体を組み付けてなる鉄道車両の構体におい
    て、 床板、側構体、屋根構体または妻構体に設けられ、且
    つ、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であ
    る有機高分子材料からなる制振シートと、 同シートの上に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GPa
    以上である拘束部材とで構成されていることを特徴とす
    る鉄道車両の防音装置。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且
    つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィン
    および炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重
    量%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素
    化パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より
    大きい)とからなる樹脂組成物であることを特徴とする
    請求項1記載の鉄道車両の防音装置。
  3. 【請求項3】 防音装置が側構体の腰板部に設けられて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両
    の防音装置。
  4. 【請求項4】 防音装置が屋根構体に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両の防音
    装置。
  5. 【請求項5】 防音装置が床板に設けられていることを
    特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両の防音装
    置。
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