JP2003289196A - 電波吸収体用抵抗皮膜およびその製造方法 - Google Patents

電波吸収体用抵抗皮膜およびその製造方法

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JP2003289196A JP2002091868A JP2002091868A JP2003289196A JP 2003289196 A JP2003289196 A JP 2003289196A JP 2002091868 A JP2002091868 A JP 2002091868A JP 2002091868 A JP2002091868 A JP 2002091868A JP 2003289196 A JP2003289196 A JP 2003289196A
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豊 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで作製でき、抵抗皮膜の表面抵抗率
のばらつきが小さく、任意の表面抵抗率に設定可能な電
波吸収体用抵抗皮膜およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 導電性フィラー含有樹脂からなる抵抗皮
膜層単体または該抵抗皮膜層の少なくとも片面に保持層
が積層されている積層体からなり、抵抗皮膜層の表面抵
抗率が20〜1000Ω/sqの範囲内で任意の値に設
定され、この表面抵抗率のばらつきが、任意の値に対し
て±10%以内の電波吸収体用抵抗皮膜。抵抗皮膜層の
厚さが1〜100μm。抵抗皮膜層に含まれる導電性フ
ィラーを、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、導電
性カーボンの中から選ばれる少なくとも1種類以上とす
る。抵抗皮膜層は、導電性フィラーを10〜95重量%
含有している。保持層を、繊維布帛、合成樹脂フィルム
からなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄くて軽量、かつ
柔軟性に富み、表面抵抗率のばらつきが少ない電波吸収
体用抵抗皮膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス技術の進歩で、
電子機器、家庭電化製品および携帯電話機などが広く用
いられ、さらにこれらを無線によって接続する技術も開
発されている。これらの技術は社会生活に大きく役立っ
ているが、その反面、これらの電子機器などから発生さ
れた電磁波によって、他の電子機器や家庭電化製品に誤
作動などの不良が発生することが問題となっている。ま
た、この電磁波は、人体に影響を及ぼしたり、その他に
も様々な影響を及ぼすと言われている。
【0003】そこで、この電磁波の問題を解消するため
に、電磁波を吸収する電波吸収体が多数提案されてい
る。例えば、フェライト、カーボンなどの磁気損失材
料、オーム損失材料などを、ゴム、樹脂、塗料などに混
合、分散した複合材料からなる電波吸収体がある。しか
しながら、この電波吸収体は重い上に、構成材料の混合
比率を高精度に制御したり、厚さを制御したり、方向性
(材料分散の異方性による)を制御することが困難であ
るという問題がある。また、最近では、高速通信に用い
られる周波数帯は、MHz帯から数GHz帯へとシフト
してきている。そして、より短波長領域(30GHz〜
300GHz)で使用する衛星通信システム、無線通信
システムおよびレーダー技術などの急速な進歩に伴い、
より短波長領域において使用可能な電波吸収体の必要性
が高まってきている。そこで、抵抗皮膜と誘電体スペー
サーからなるλ/4型電波吸収体が提案されている。現
在、以下に示すような種々の抵抗皮膜を用いたλ/4型
電波吸収体が提案され、実用化されている。
【0004】ITO系(酸化インジウム錫系)などの
金属酸化物を0.1μm以下の厚みで蒸着などの手法を
用いて作製した抵抗皮膜を用いたλ/4型電波吸収体 導電性繊維を一定間隔で格子状に配置した抵抗皮膜を
用いたλ/4型電波吸収体 導電性フィラーを高分子材料中に分散、配合した抵抗
皮膜を用いたλ/4型電波吸収体
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のλ/4型電波
吸収体は、表面抵抗率のばらつきが少ないが、非常に高
価であり、抵抗皮膜が薄いため表面に保護膜を積層する
必要があり、さらにコスト高となるという問題があっ
た。また、上記のλ/4型電波吸収体は、導電性繊維
の格子間に隙間が存在するため、短波長域においては、
格子間の隙間から電波が漏れて抵抗皮膜としての役割を
果たさなくなるという問題があった。そして、上記の
λ/4型電波吸収体は、抵抗皮膜内の表面抵抗率のばら
つきが大きく、磁性材料をスペーサとして用いる場合に
も材料に応じ任意の表面抵抗率に設定しなければならな
いにも係わらず、任意の表面抵抗率に設定することが困
難であった。したがって、このλ/4型電波吸収体が組
み込まれた部位で必要とされる電波吸収性能を発揮でき
ず、機器の誤作動を起こすなどの問題があった。さら
に、このλ/4型電波吸収体は、抵抗皮膜の膜厚が数百
μm程度であるため、短波長領域では膜厚の影響で電波
吸収性能が劣化するという問題があった。
【0006】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、低コストで作製でき、抵抗皮膜の表面抵抗率のばら
つきが小さく、任意の表面抵抗率に設定可能な電波吸収
体用抵抗皮膜およびその製造方法を提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、導電性フィ
ラー含有樹脂からなる抵抗皮膜層単体または該抵抗皮膜
層の少なくとも片面に保持層が積層されている積層体か
らなる電波吸収体用抵抗皮膜であって、前記抵抗皮膜層
の表面抵抗率が20〜1000Ω/sqの範囲内で任意
の値に設定されており、該表面抵抗率のばらつきが、前
記任意の値に対して±10%以内である電波吸収体用抵
抗皮膜によって解決できる。前記抵抗皮膜層の厚さが1
μm〜100μmであることが好ましい。前記抵抗皮膜
層に含まれる導電性フィラーは、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ニッケル、導電性カーボンの中から選ばれる少な
くとも1種類以上とすることが好ましい。前記抵抗皮膜
層は、前記導電性フィラーを10〜95重量%含有して
いることが好ましい。前記保持層が、繊維布帛からなる
ことが好ましい。前記保持層が、合成樹脂フィルムから
なることが好ましい。
【0008】前記課題は、離型シートの上に、導電性フ
ィラー含有樹脂を塗布して抵抗皮膜層を形成する抵抗皮
膜層形成工程と、前記離型シートから前記抵抗皮膜層を
剥離する剥離工程とを有する電波吸収体用抵抗皮膜の製
造方法によって解決できる。上記電波吸収体用抵抗皮膜
の製造方法を、前記抵抗皮膜層の上に接着剤を塗布する
接着剤塗布工程と、前記接着剤の上に繊維布帛を載せ、
前記抵抗皮膜層と前記繊維布帛とを熱圧着して、前記抵
抗皮膜層と前記接着剤と前記繊維布帛とからなる積層体
を形成する熱圧着工程とを有するものとすることができ
る。上記電波吸収体用抵抗皮膜の製造方法を、前記抵抗
皮膜層の上に合成樹脂を塗布して保持層を形成する保持
層形成工程を有するものとすることができる。前記課題
は、合成樹脂フィルムの上に、導電性フィラー含有樹脂
を塗布して抵抗皮膜層を形成する抵抗皮膜層形成工程を
有する電波吸収体用抵抗皮膜の製造方法によって解決で
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の電波吸収用抵抗皮膜は、導電性フィラー含有樹
脂からなる抵抗皮膜層単体、または、この抵抗皮膜層の
少なくとも片面に保持層が積層された積層体であり、前
記抵抗皮膜層の表面抵抗率が20〜1000Ω/sqの
範囲内で任意の値に設定されており、該表面抵抗率のば
らつきが、前記任意の値に対して±10%以内の抵抗皮
膜である。ここで、抵抗皮膜層の表面抵抗率とは、ロレ
スターEP(三菱化学社製)などの表面抵抗測定器を用
い、JIS K−7194に準拠して測定された抵抗皮
膜層の表面抵抗の値のことである。また、抵抗皮膜層の
表面抵抗率のばらつきとは、加工ロット間のばらつき
や、抵抗皮膜層の幅方向または長さ方向における長さ1
m程度の間で、複数箇所の表面抵抗を測定したときの表
面抵抗率のばらつきをいう。さらに、抵抗皮膜層の表面
抵抗率のばらつきが±10%以内であるとは、抵抗皮膜
層の表面抵抗測定によって得られた表面抵抗率と、目的
とする表面抵抗率との差が、目的とする表面抵抗率の±
10%以内であることを示している。
【0010】抵抗皮膜層の表面抵抗率のばらつきが、目
的とする表面抵抗率の±10%の範囲外であると、この
抵抗皮膜層を備えた電波吸収体は、目的の周波数に吸収
を示さない。したがって、電磁波によって生じる様々な
問題を防止することができない。ところで、抵抗皮膜層
の表面抵抗率がばらつくと、抵抗皮膜層を電波吸収体に
適用したときに全く電波吸収性能を示さなかったり、垂
直偏波に対しては電波吸収性能を示すにも係わらず、水
平偏波に対しては電波吸収性能を示さないなどの問題が
発生することがある。したがって、電波吸収性能に方向
性のないものを得るためにも、表面抵抗率を一定に保つ
必要がある。
【0011】本発明の電波吸収体用抵抗皮膜を構成する
抵抗皮膜層をなす導電性フィラー含有樹脂に含まれる導
電性フィラーとしては、導電性を有するフィラーであれ
ば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、金、銀、導電性カーボンなどが挙げられる。こ
れらのフィラーの中でも、特に、導電性カーボンを用い
ることが好ましい。導電性カーボンは比較的価格が安い
上に、目的とする表面抵抗率を安定に得ることができ
る。この導電性フィラーの粒子径は、目的とする抵抗皮
膜層の厚みや、目的とする表面抵抗率などに応じて、適
宜選択される。
【0012】さらに、抵抗皮膜層中の導電性フィラーの
含有量は、10〜95重量%であることが好ましく、5
0〜90重量%であることがより好ましい。なお、導電
性フィラーの含有量がこの範囲内であっても、導電性フ
ィラーの種類によって、好ましい含有量の上限または下
限が異なる。いずれにしても、必要以上に導電性フィラ
ーの含有量が多くなり過ぎると、抵抗皮膜層の耐屈曲
性、耐揉み性などの柔軟性が低下することがある。一
方、導電性フィラーの含有量が少な過ぎると、表面抵抗
率のばらつきが大きくなることがある。
【0013】導電性フィラー含有樹脂を構成する樹脂と
しては、抵抗皮膜層を形成できるものであれば特に限定
されないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、ポリフッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂、
スチレンブタジエン系樹脂、ニトリルブタジエン系樹
脂、エポキシ系樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これ
らの中でも、特に、ポリウレタン系樹脂が好ましく用い
られる。このような合成樹脂を用いて抵抗皮膜層を形成
する際には、合成樹脂を溶剤に溶解した溶液、合成樹脂
を水に乳化分散したエマルジョンなどの合成樹脂液を使
用できる。
【0014】導電性フィラー含有樹脂には、熱安定剤、
酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、
増粘剤、顔料、難燃剤などの公知の添加剤を添加するこ
ともできる。しかしながら、抵抗皮膜層の表面抵抗率の
ばらつきをより抑える観点からは、導電性フィラー含有
樹脂には添加剤の添加量を少なくすることが好ましく、
添加剤を添加しないことがより好ましい。
【0015】このような導電性フィラー含有樹脂からな
る抵抗皮膜層の厚さは、1μm〜100μmであること
が好ましい。抵抗皮膜層の厚さが1μm未満では、機械
的強度が不十分である。一方、抵抗皮膜層の厚さが10
0μmを超えると、風合いなどが粗硬になる上に、耐屈
曲性、耐揉み性などの機械的特性が不十分となることが
ある上に、電波吸収性能が劣化することがある。
【0016】次に、このような抵抗皮膜層の製造方法を
示す。抵抗皮膜層を製造するには、離型シートの上に、
液状に調製した導電性フィラー含有樹脂を塗布し、乾燥
させて、抵抗皮膜層を形成し、離型シートから抵抗皮膜
層を剥離して、単体の抵抗皮膜層を得る。ここで、導電
性フィラー含有樹脂を調製する方法としては、導電性フ
ィラーを合成樹脂に均一に分散できれば特に制限されな
いが、例えば、合成樹脂を溶剤に分散させた後、得られ
た分散液に導電性フィラーとして金属フィラーを添加
し、均一になるように混合して、金属フィラー含有樹脂
を得る方法などが挙げられる。さらに、離型シートと
は、離型紙または離型フィルムのことであり、樹脂が接
着しないように表面処理が施されたものである。そし
て、この抵抗皮膜層の製造方法において、導電性フィラ
ー含有樹脂を離型シートの上に塗布する方法については
特に制限されず、例えば、導電性フィラー含有樹脂を溶
剤に溶解し、得られた溶液をロールコータ、バーコー
タ、コンマコータ、ダイコータなどの塗布装置を用いて
塗布する方法などが挙げられる。特に、塗布装置とし
て、ダイコータを用いれば、抵抗皮膜層を精度良く製造
することができ、結果として、ばらつきの少ない抵抗皮
膜層を得ることができる。
【0017】上記の導電性フィラーおよび合成樹脂を用
いて、導電性フィラー含有樹脂を調製し、抵抗皮膜層を
形成する際に、抵抗皮膜層の厚み、導電性フィラーの種
類、導電性フィラーの添加量を適宜調整すれば、抵抗皮
膜層の表面抵抗率を20〜1000Ω/sqの間で、任
意の値に設定することができる。さらに、導電性フィラ
ー含有樹脂中の添加剤の添加量を調整したり、離型シー
トを用いて抵抗皮膜層を形成したりすることにより、抵
抗皮膜層の表面抵抗率のばらつきを±10%以内とする
ことができる。そして、抵抗皮膜層を、安価な導電性フ
ィラー含有樹脂を各種塗布装置を用いて塗布する方法に
より形成するから、抵抗皮膜層の製造コストを低減する
ことができる。また、抵抗皮膜層は導電性フィラーだけ
ではなく、合成樹脂が含まれているので柔軟である。よ
って、蒸着などにより作製した金属性の抵抗皮膜に比べ
て、電波吸収体に外力が加えられても破損し難い。さら
に、この抵抗皮膜層を備えた電波吸収体は柔軟性を有
し、耐屈曲性、耐揉み性、耐摩擦性などの機械的特性に
優れたものとなる。
【0018】ここまで、本発明の電波吸収体用抵抗皮膜
の第1実施形態例として、導電性フィラー含有樹脂から
なる抵抗皮膜単体について説明したが、以下に、本発明
の電波吸収体用抵抗皮膜の他の実施形態について説明す
る。 (第2実施形態例)本発明の電波吸収体用抵抗皮膜の第
2実施形態例について説明する。この実施形態例の電波
吸収体用抵抗皮膜は、導電性フィラー含有樹脂からなる
抵抗皮膜層の片面に、この抵抗皮膜層に柔軟性、機械的
強度などを付与するために、繊維布帛からなる保持層が
積層されているものである。
【0019】繊維布帛に使用される繊維としては、例え
ば、綿、レーヨン、麻などのセルロース繊維、アセテー
ト、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモ
ポリエステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する
酸性分とイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などと
が共重合したポリエステル繊維、ナイロン66、ナイロ
ン6、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6などに
ポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やアミンなど
を共重合したポリアミド繊維、パラフェニレンテレフタ
ルアミドおよび芳香族エーテルとの共重合体に代表され
るアラミド繊維、ポリアクリルニトリル繊維、サルフォ
ン系繊維などが挙げられる。このような繊維には、原糸
の製造工程や、他の加工工程における生産性、繊維特性
を改善するために、通常使用されている各種添加剤、加
工剤を含んでいてもよい。このような添加剤、加工剤と
しては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平
滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤など
が挙げられる。
【0020】また、繊維布帛としては、織物、編物、不
織布の中から選ばれる少なくとも1種類が用いられる
が、これらの中でも、軽量性、柔軟性、強度などの観点
から、織物が好ましく用いられる。織物としては、メッ
シュ状のものも使用することができる。また、繊維布帛
の厚さは特に限定されないが、軽量性、柔軟性を考慮す
ると、0.01〜5.00mm程度であることが好まし
く、0.05〜1.00mmであることがより好まし
い。繊維布帛の厚さが0.01mm未満では、強度が低
下し、この実施形態例の抵抗皮膜層を備えた電波吸収体
の強度が低下することがある。一方、繊維布帛の厚さが
1.00mmを超えると、柔軟性が損なわれる上に、軽
量性が損なわれることがある。
【0021】このような繊維布帛の上に積層される抵抗
皮膜層は、上述の本発明の電波吸収体用抵抗皮膜の第1
実施形態例で用いられているものと同様の導電性フィラ
ー含有樹脂層で形成されている。
【0022】さらに、繊維布帛の上に抵抗皮膜層を積層
する際には、両者を接着するための接着剤が用いられ
る。繊維布帛と抵抗皮膜層とを接着する接着剤として
は、熱圧着して繊維布帛と抵抗皮膜層とを接着できるも
のであれば特に限定されないが、ウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂などの熱硬化型、ホットメルト型(熱可
塑性)の樹脂が好ましい。そして、この接着剤は、1液
型または2液型のいずれであってもよく、イソシアネー
ト化合物などの架橋剤を併用することもできる。
【0023】次に、この実施形態例の電波吸収体用抵抗
皮膜の製造方法について説明する。この実施形態例の電
波吸収体用抵抗皮膜を製造するには、まず、離型シート
の上に、液状に調製した導電性フィラー含有樹脂を塗布
し、乾燥させて、抵抗皮膜層を形成する。次いで、抵抗
皮膜層の上に接着剤を塗布する。抵抗皮膜層の上に接着
剤を塗布する際には、抵抗皮膜層の表面全面に接着剤を
塗布してもよいし、抵抗皮膜層の表面に点状または格子
状に塗布してもよい。次いで、接着剤の上に繊維布帛を
載せ、抵抗皮膜層と繊維布帛とを熱圧着し、離型シート
と、抵抗皮膜層と、接着剤と、繊維布帛とからなる積層
シートを得る。次いで、この積層シートを離型シートか
ら剥離し、抵抗皮膜層と、接着剤と、繊維布帛とからな
る電波吸収体用抵抗皮膜を得る。
【0024】この実施形態例の電波吸収体用抵抗皮膜の
製造方法において、抵抗皮膜層の上に接着剤を塗布する
方法については特に制限されず、例えば、接着剤を溶剤
に溶解し、得られた溶液をロールコータ、バーコータ、
コンマコータ、ダイコータ、グラビアコータを用いて塗
布する方法などが挙げられる。また、この実施形態例の
電波吸収体用抵抗皮膜の製造方法では、離型シート上に
抵抗皮膜層を形成した後、接着剤によって抵抗皮膜層を
繊維布帛に積層するので、繊維布帛がどのような形態も
のであっても抵抗皮膜層を形成することができるので、
繊維布帛の特性が制限されることがない。
【0025】この実施形態例の電波吸収体用抵抗皮膜
は、非常に軽量であり、抵抗皮膜層は導電性フィラーだ
けではなく、合成樹脂が含まれているので柔軟である。
よって、蒸着などにより作製した抵抗皮膜に比べて、電
波吸収体用抵抗皮膜に外力が加えられても、破損し難い
ので、抵抗皮膜層の表面に必ずしも保護層を設ける必要
はない。さらに、この実施形態例の電波吸収体用抵抗皮
膜を備えた電波吸収体は柔軟性、耐熱性などを有し、耐
屈曲性、耐揉み性、耐摩擦性などの機械的特性に優れた
ものとなる。
【0026】この実施形態例の電波吸収体用抵抗皮膜に
あっても、導電性フィラー含有樹脂を調製し、繊維布帛
の上に抵抗皮膜層を積層する際に、抵抗皮膜層の厚み、
導電性フィラーの種類、導電性フィラーの添加量を適宜
調整すれば、抵抗皮膜層の表面抵抗率を20〜1000
Ω/sqの間で、任意の値に設定することができる。さ
らに、導電性フィラー含有樹脂中の添加剤の添加量を調
整したり、離型シートを用いて抵抗皮膜層を形成したり
することにより、抵抗皮膜層の表面抵抗率のばらつき
を、目的とする表面抵抗率の値に対して±10%以内と
することができる。
【0027】(第3実施形態例)次に、本発明の電波吸
収体用抵抗皮膜の第3実施形態例について説明する。こ
の実施形態例の電波吸収体用抵抗皮膜は、導電性フィラ
ー含有樹脂からなる抵抗皮膜層の片面に、合成樹脂フィ
ルムからなる保持層が積層されているものである。
【0028】合成樹脂フィルムを形成する合成樹脂とし
ては、フィルム状に形成できるものであれば特に限定さ
れないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコー
ン系樹脂、ポリフッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ス
チレンブタジエン系樹脂、ニトリルブタジエン系樹脂、
エポキシ系樹脂などの合成樹脂が挙げられる。このよう
な合成樹脂を用いて合成樹脂フィルムを形成するには、
合成樹脂を溶剤に溶解した溶液、合成樹脂を水に乳化分
散したエマルジョンなどの合成樹脂液を抵抗皮膜層上に
塗布してフィルム状に形成するか、または、あらかじ
め、合成樹脂を二軸延伸法などによりフィルム状に形成
する。また、上記の合成樹脂には、例えば、熱安定剤、
酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、
増粘剤、顔料、難燃剤などの公知の添加剤が含まれてい
ても良い。なお、上記の合成樹脂の上に形成される抵抗
皮膜層は、第1および第2実施形態例の抵抗皮膜層と同
等の性能および性質を有するものである。
【0029】このような合成樹脂フィルムの上に積層さ
れる抵抗皮膜層は、上述の本発明の電波吸収体用抵抗皮
膜の第1および第2実施形態例で用いられているものと
同様の導電性フィラー含有樹脂層で形成されている。
【0030】次に、この実施形態例の電波吸収体用抵抗
皮膜の製造方法の第1の例について説明する。この実施
形態例の電波吸収体用抵抗皮膜を製造するには、まず、
離型シートの上に、液状に調製した導電性フィラー含有
樹脂を塗布し、乾燥させて抵抗皮膜層を形成する。次い
で、抵抗皮膜層の上に、液状に調製した合成樹脂を塗布
し、乾燥させてフィルム状の保持層を形成する。次い
で、抵抗皮膜層と保持層とからなる積層シートを離型シ
ートから剥離し、電波吸収体用抵抗皮膜を得る。なお、
抵抗皮膜層の上に保持層を積層するには、接着剤を用い
て両者を接着してもよい。
【0031】また、この実施形態例の電波吸収体用抵抗
皮膜の製造方法の第2の例について説明する。この実施
形態例の電波吸収体用抵抗皮膜を製造するには、まず、
難燃性、耐熱性、引張り強さ、伸度などの性質を有する
ように形成された合成樹脂フィルムの上に、液状に調製
した導電性フィラー含有樹脂を塗布し、乾燥させて抵抗
皮膜層を形成する。以上の工程を経ることによって、合
成樹脂フィルムからなる保持層と抵抗皮膜層とからなる
電波吸収体用抵抗皮膜を得る。この例の電波吸収体用抵
抗皮膜の製造方法において、合成樹脂フィルムは、加工
中に裂けたりしない程度の強度を有するものを用いる。
なお、抵抗皮膜層の上に保持層を積層するには、接着剤
を用いて両者を接着してもよい。
【0032】この実施形態例の電波吸収体用抵抗皮膜
は、合成樹脂フィルムからなる保持層の片面に、導電性
フィラー含有樹脂からなる抵抗皮膜層が積層されて形成
されている抵抗皮膜であり、第2実施形態例の電波吸収
体用抵抗皮膜と同様に、柔軟性、耐熱性などを有し、耐
屈曲性、耐揉み性、耐摩擦性などの機械的特性に優れた
ものとなる。さらに、これに加えて、保持層を形成する
合成樹脂を適宜選択することにより、抵抗皮膜層の性能
を変化させることなく、より形状追従性に優れ、ガスバ
リア性など、さらに多様な機能を有する電波吸収体用抵
抗皮膜となる。例えば、この実施形態例の電波吸収体用
抵抗皮膜を、フェライトやアモルファス金属を含有する
合成樹脂フィルムなどと組み合せることにより、さらに
広範囲の周波数に対応できる電波吸収体を作製すること
ができる。
【0033】なお、第2、3実施形態例にあるように、
抵抗皮膜層の少なくとも片面に保持層を形成すれば、抵
抗皮膜層単体の場合に比べて、電波吸収体用抵抗皮膜の
全体的な伸びや、部分的な伸びを抑えることができる。
これにより、電波吸収体に組み込む際に、電波吸収体用
抵抗皮膜にかかる各種応力によって、その厚みが全体的
に大きく変化したり、部分的に変化するのを抑制するこ
とができる。その結果として、電波吸収体用抵抗皮膜の
厚みの変化による表面抵抗率のばらつきを抑え、安定し
た電波吸収性能を有する電波吸収体を得ることができ
る。
【0034】なお、本発明の電波吸収体用抵抗皮膜は、
λ/4型電波吸収体に好適に用いられるが、λ/4型電
波吸収体用の抵抗皮膜に限定されるものではなく、これ
以外の電波吸収体にも好適に用いられる。
【0035】
【実施例】以下、具体的な実施例を示し、本発明の効果
を明らかにする。
【0036】なお、本実施例では、得られた電波吸収体
用抵抗皮膜の表面抵抗率を下記の方法で測定した。表面
抵抗測定器として、ロレスターEP(三菱化学社製)を
用い、得られた電波吸収体用抵抗皮膜の幅方向に、抵抗
皮膜層の幅方向の一端から15cm内側の点を起点とし
て、25cm間隔で、抵抗皮膜層の表面抵抗を4箇所測
定した。
【0037】(実施例1)まず、83デシテックス/7
2フィラメントのポリエステル繊維を/インチ、緯85
本/インチに打ち込み、目付けが90g/cm2のポリ
エステル平織物を形成した。続いて、このポリエステル
平織物をノニオン系界面活性剤にて精練し、180℃で
1分間熱処理を施した。次いで、導電性カーボン10質
量%とポリウレタン樹脂10質量%を、N,N−ジメチ
ルホルムアミド(以下、「DMF」と略す。)35質量
%とメチルエチルケトン(以下、「MEK」と略す。)
65質量%の混合溶媒80質量%に溶解し、導電性カー
ボン含有ポリウレタン樹脂液を調製した。次いで、この
導電性カーボン含有ポリウレタン樹脂液を離型紙上にダ
イコータ(由利ロール社製)で塗布し、120℃で3分
間乾燥して抵抗皮膜層を形成した。この抵抗皮膜層の厚
さは20μm、導電性カーボンの含有率は50.0質量
%であった。次いで、2液型ポリウレタン樹脂30質量
%と、架橋剤のイソシアネート12質量%と、MEK5
8質量%とからなる接着剤溶液を調製した。次いで、こ
の接着剤溶液を抵抗皮膜層の上に、厚さ15μmとなる
ようにコンマコータで塗布した。続いて、120℃で3
分間乾燥して接着剤層を形成した。次いで、この接着剤
層の上にポリエステル平織物を貼り合わせ、120℃で
0.4MPaの圧力で熱圧着して、抵抗皮膜層と、接着
剤層と、ポリエステル平織物とからなる積層シートを得
た。次いで、この積層シートを60℃に加温した雰囲気
中に24時間放置して接着剤の硬化を十分行った後、離
型紙からポリエステル平織物が圧着された抵抗皮膜層を
剥離して、幅105cmの電波吸収体用抵抗皮膜を得
た。このようにして得られた電波吸収体用抵抗皮膜の表
面抵抗の測定結果を表1に示す。表1の結果から、実施
例1の電波吸収体用抵抗皮膜は、表面抵抗率のばらつき
が小さく、どの部分においても安定した電波吸収性能を
示すことが分かった。また、この電波吸収体用抵抗皮膜
と、反射材の金属シートと、スペーサーの発泡スチロー
ルとを組み合わせたλ/4型電波吸収体の電波吸収特性
の測定結果を図1に示す。なお、図1中のTE30は水
平偏波、TM30は垂直偏波を表しており、縦軸は反射
減衰量を示し、横軸は周波数を示している。図1の結果
から、水平偏波と垂直偏波が、ほぼ同じ周波数で大きな
電波吸収ピークを有し、どちらも優れた電波吸収性能を
示すことが分かった。さらに、水平偏波と垂直偏波が、
ほぼ同じ周波数で電波吸収ピークを有することから、電
波吸収性能に方向性がないことが分かった。
【0038】(実施例2)まず、導電性カーボン10質
量%とポリウレタン樹脂10質量%を、DMF35質量
%とMEK65質量%との混合溶媒80質量%に溶解
し、導電性カーボン含有ポリウレタン樹脂液を調製し
た。次いで、この導電性カーボン含有ポリウレタン樹脂
液を離型紙上にダイコータ(由利ロール社製)で塗布
し、120℃で3分間乾燥して抵抗皮膜層を形成した。
この抵抗皮膜層の厚さは20μm、導電性カーボンの含
有率は50質量%であった。次いで、ポリウレタン樹脂
17質量%を、DMF54質量%とMEK46質量%と
の混合溶媒83質量%に溶解し、ポリウレタン樹脂液を
調製した。次いで、このポリウレタン樹脂液を抵抗皮膜
層上にコンマコータで塗布し、120℃で3分間乾燥し
て保持層を形成し、抵抗皮膜層と、保持層とからなる積
層シートを得た。なお、保持層の厚さは20μmであっ
た。次いで、得られた積層シートを離型紙から剥離し
て、幅105cmの電波吸収体用抵抗皮膜を得た。この
ようにして得られた電波吸収体用抵抗皮膜の表面抵抗の
測定結果を表1に示す。表1の結果から、実施例2の電
波吸収体用抵抗皮膜は、表面抵抗率のばらつきが小さ
く、どの部分においても安定した電波吸収性能を示すこ
とが分かった。
【0039】(実施例3)まず、導電性カーボン10質
量%とポリウレタン樹脂10質量%を、DMF35質量
%とMEK65質量%との混合溶媒80質量%に溶解
し、導電性カーボン含有ポリウレタン樹脂液を調製し
た。次いで、この導電性カーボン含有ポリウレタン樹脂
液を塗工面にコロナ処理を施したポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)フィルム上にダイコータ(由利ロール
社製)で塗布し、120℃で3分間乾燥して、幅105
cmの抵抗皮膜層を得た。この抵抗皮膜層の厚さは40
μm、導電性カーボンの含有率は50.0質量%であっ
た。このようにして得られた抵抗皮膜層の表面抵抗の測
定結果を表1に示す。表1の結果から、実施例3の電波
吸収体用抵抗皮膜は、表面抵抗率のばらつきが小さく、
どの部分においても安定した電波吸収性能を示すことが
分かった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電波吸収
体用抵抗皮膜は、導電性フィラー含有樹脂からなる抵抗
皮膜層単体または該抵抗皮膜層の少なくとも片面に保持
層が積層されている積層体からなる電波吸収体用抵抗皮
膜であって、前記抵抗皮膜層の表面抵抗率が20〜10
00Ω/sqの範囲内で任意の値に設定されており、該
表面抵抗率のばらつきが、前記任意の値に対して±10
%以内である。設定された表面抵抗値のばらつきが少な
いため、この電波吸収体用抵抗皮膜は方向性がなく、垂
直偏波、水平偏波ともに優れた電波吸収性能が得られ
る。また、抵抗皮膜層には導電性フィラーだけでなく、
合成樹脂が含まれているから、本発明の電波吸収体用抵
抗皮膜は柔軟であり、従来の電波吸収体用抵抗皮膜では
施工し難かった複雑な曲面の個所についても適用が可能
になる。さらに、抵抗皮膜層を薄くすることができるの
で、この抵抗皮膜層を備えた電波吸収体の厚さも薄くす
ることができ、電波吸収体の軽量化が図れる。さらに、
抵抗皮膜層を様々な性能を有するスペーサなどと組み合
せることにより、より広範囲の周波数に対応できる電波
吸収体を作製することができる。そして、抵抗皮膜層の
少なくとも片面に、繊維布帛または合成樹脂フィルムか
らなる保持層を形成すれば、抵抗皮膜層単体の場合に比
べて、柔軟性、耐熱性、耐屈曲性、耐揉み性、耐摩擦性
などに優れたものとなる上に、電波吸収体用抵抗皮膜の
全体的な伸びや、部分的な伸びを抑えることができる。
これにより、電波吸収体に組み込む際に、電波吸収体用
抵抗皮膜にかかる各種応力によって、その厚みが全体的
に大きく変化したり、部分的に変化するのを抑制するこ
とができる。その結果として、電波吸収体用抵抗皮膜の
厚みの変化による表面抵抗率のばらつきを抑え、安定し
た電波吸収性能を有する電波吸収体を得ることができ
る。また、本発明の電波吸収体用抵抗皮膜は、導電性フ
ィラー含有樹脂を、離型シート上、合成樹脂フィルムな
どからなる保持層上に塗布する方法によって形成された
ものであるから、低コストで製造することができる。そ
して、本発明の電波吸収体用抵抗皮膜を用いて、安価に
電波吸収体を作製することができる上に、得られた電波
吸収体は、電子機器、家電製品、その他様々なものへの
電磁波の悪影響を抑制する性能に優れたものとなる。ま
た、本発明の電波吸収体用抵抗皮膜の製造方法によれ
ば、抵抗皮膜層を形成する導電性フィラー含有樹脂を構
成する導電性フィラーの種類や含有量を調整したり、抵
抗皮膜層の厚みを調整したりすることにより、抵抗皮膜
層の表面抵抗率を20〜1000Ω/sq、表面抵抗率
のばらつきを±10%以内とすることができる。また、
本発明の電波吸収体用抵抗皮膜の製造方法では、導電性
フィラー含有樹脂を、離型シート上、または、合成樹脂
フィルムなどからなる保持層上に塗布する方法によっ
て、抵抗皮膜層を形成するから、製造コストが低減す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 λ/4型電波吸収体の電波吸収特性の測定結
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 武俊 石川県能美郡根上町浜町ヌ167番地 小松 精練株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB10A AB10H AB16A AB16H AB17A AB17H AB24A AB24H AB25A AB25H AK01A BA02 BA10A BA10B CA21A DE01A DE01H DG11B EC182 EH462 EJ172 EJ422 GB41 GB48 JD08 JG01A JG04A JL02 YY00A 5E321 BB21 BB23 BB25 BB33 BB41 BB44 BB53 GG05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性フィラー含有樹脂からなる抵抗皮
    膜層単体または該抵抗皮膜層の少なくとも片面に保持層
    が積層されている積層体からなる電波吸収体用抵抗皮膜
    であって、 前記抵抗皮膜層の表面抵抗率が20〜1000Ω/sq
    の範囲内で任意の値に設定されており、該表面抵抗率の
    ばらつきが、前記任意の値に対して±10%以内である
    ことを特徴とする電波吸収体用抵抗皮膜。
  2. 【請求項2】 前記抵抗皮膜層の厚さが1μm〜100
    μmであることを特徴とする請求項1記載の電波吸収体
    用抵抗皮膜。
  3. 【請求項3】 前記抵抗皮膜層に含まれる導電性フィラ
    ーは、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、導電性カ
    ーボンの中から選ばれる少なくとも1種類以上とするこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の電波吸収体用抵
    抗皮膜。
  4. 【請求項4】 前記抵抗皮膜層は、前記導電性フィラー
    を10〜95重量%含有していることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載の電波吸収体用抵抗皮
    膜。
  5. 【請求項5】 前記保持層が、繊維布帛からなることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電波吸
    収体用抵抗皮膜。
  6. 【請求項6】 前記保持層が、合成樹脂フィルムからな
    ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
    の電波吸収体用抵抗皮膜。
  7. 【請求項7】 離型シートの上に、導電性フィラー含有
    樹脂を塗布して抵抗皮膜層を形成する抵抗皮膜層形成工
    程と、前記離型シートから前記抵抗皮膜層を剥離する剥
    離工程とを有することを特徴とする電波吸収体用抵抗皮
    膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記抵抗皮膜層の上に接着剤を塗布する
    接着剤塗布工程と、前記接着剤の上に繊維布帛を載せ、
    前記抵抗皮膜層と前記繊維布帛とを熱圧着して、前記抵
    抗皮膜層と前記接着剤と前記繊維布帛とからなる積層体
    を形成する熱圧着工程とを有することを特徴とする請求
    項7記載の電波吸収体用抵抗皮膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記抵抗皮膜層の上に合成樹脂を塗布し
    て保持層を形成する保持層形成工程を有することを特徴
    とする請求項7記載の電波吸収体用抵抗皮膜の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 合成樹脂フィルムの上に、導電性フィ
    ラー含有樹脂を塗布して抵抗皮膜層を形成する抵抗皮膜
    層形成工程を有することを特徴とする電波吸収体用抵抗
    皮膜の製造方法。
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