JP4879077B2 - 電波吸収体 - Google Patents

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本発明は、優れた断熱性および吸音性を有するとともに、特定周波数域の電波を効果的に吸収可能な電波吸収体に関する。
近年、移動体通信や無線LANなどの電磁波を使用する電子機器が普及しており、これらの電子機器から放出される電磁波や反射電磁波が他の電子機器に誤作動を起こさせるといった問題が生じている。そのため、このような問題を解決できる電波吸収体の開発が求められている。
このような電波吸収体の1つとしてλ/4型電波吸収体が開発されている。λ/4型電波吸収体は、図2に示すように、電波を透過しない金属板などの電波反射層10から吸収しようとする電波(平面波)の1/4波長分離れた位置に抵抗皮膜層11を配置した構造を備えるものである。
このλ/4型電波吸収体の電波吸収の原理は、図4を参照すると、以下のように説明される。この図において、抵抗皮膜層11がない状態で、自由空間13中を矢印Rの方向に伝播してきた電波が導電性の電波反射層10に入射すると仮定すると、この電波反射層10の入斜面における反射係数Sは次式で与えられる。
Γ=(Z10−Z12)/(Z10+Z12
ここで、Z10は電波反射層10の特性インピーダンス、Z12は媒体12の特性インピーダンスである。しかるに、電波反射層10は導体であり、特性インピーダンスZ10=0であるので、Γ=−1となり、電波は入斜面で完全反射し、入射する電波と干渉し合い、定在波が発生する。
このとき、媒体12中での負荷インピーダンスZは、前記入射面で0であり、当該面から図中R方向とは反対方向に入射する電波の波長λの1/4だけ離れた位置では無限大(∞)となる。このλ/4だけ離れた位置にインピーダンス(面抵抗)Rの抵抗皮膜11を電波反射層10と平行に設置することで、この位置での負荷インピーダンスは、Rと∞との並列合成されたものとなるので、結果としてRに等しくなる。この場合、自由空間13における特性インピーダンスをZとすると、この位置での反射係数Γλ/4は、
Γλ/4=(R−Z)/(R+Z
で与えられるので、抵抗皮膜11の面抵抗Rを自由空間の特性インピーダンスZ(=377Ω/□)と完全に一致させることができれば、反射係数Γλ/4=0とすることができ、この吸収体における電波の吸収量S(=−20ln|Γλ/4|)は最大となる。
このλ/4型吸収体については、電波吸収層と抵抗皮膜層との間にスペーサーとして種々の材料を挟み込んだものなど多くの提案がなされている。例えば特許文献1では、軽量で取扱い性に優れ、かつ同時に吸音性能をも併せ持たせるために繊維間の空隙にバインダーを介して粉体を保持した吸音体を形成し、この吸音体の片面に導電層を形成するとともに、他の面に抵抗皮膜層を形成する電波吸収体を提案している。また、この文献には、この抵抗皮膜層として前記の特性インピーダンスZに略同等の面抵抗値(約377±38Ω)を持たせることができることが記載されている。
特開平8−181483号
しかし、特許文献1の電波吸収体における抵抗皮膜層および導電層を用い、当該文献記載の吸音体の代わりに一般的なグラスウールなどの優れた断熱性および吸音性を有する繊維系断熱吸音体を用いて電波吸収体を形成した場合、例えば、無線LAN用の電波(中心周波数2.45GHz)に対しては十分な電波吸収特性が得られない場合があった。また、特許文献1記載の吸音体を用いて同文献記載の電波吸収体と同様の構成の電波吸収体とすることも考えられるが、繊維系断熱吸音体内部に粉体を保持させることは、製造におけるコストや作業性などの点から好ましくない。
そこで、本発明は、前記課題を解決すべく、繊維系断熱吸音体を用いた場合でも、その優れた断熱性および吸音性を維持しつつ、数GHz帯、特に約2〜5.8GHzの周波数域に中心周波数を有する電波を従来のλ/4型吸収体よりも効果的に吸収できる電波吸収体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、λ/4型電波吸収体のスペーサーとして繊維系断熱吸音体を用いる場合、この一面に積層される抵抗皮膜層の面抵抗値を所定の範囲に設定することで、前記特定周波数域の電波を効果的に吸収でき、これによって前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記目的は、面抵抗値が150〜330Ωの抵抗皮膜層と、繊維系断熱吸音体層と、金属反射体層とを順次一体に積層してλ/4型吸収体に形成したことを特徴とする電波吸収体によって達成される。
本発明の電波吸収体によれば、λ/4型電波吸収体のスペーサーとして繊維系断熱吸音体層を用いることで、優れた断熱性および吸音性を備えるとともに、抵抗皮膜層の面抵抗値を所定の範囲とすることで、従来のλ/4型吸収体に比べて十分に優れた電波吸収特性が得られる。その結果、電子機器から放散した電波やその反射波による他の電子機器などへの影響をなくすことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の電波吸収体を示した側断面図である。この図において、本発明の電波吸収体1は、抵抗皮膜層2、繊維系断熱吸音体3および電波反射層4がこの順に一体に積層され、λ/4型吸収体に形成されたものである。
抵抗皮膜層2は、その面抵抗値が150〜330Ω/□とされる。この範囲の面抵抗値を有する抵抗皮膜層は、特に繊維系断熱吸音体3と組み合わせた場合に好適であり、該繊維系断熱吸音体3を所定の厚さに設定することで、例えば無線LAN用の2.45GHzの電波などを効果的に吸収することができる。なお、この面抵抗値が150Ω/□未満の場合、それ自体が電波を反射するようになり、330Ω/□を超えた場合には、電波の吸収特性が悪化する。
抵抗皮膜層2としては、前記の面抵抗値を備えていれば、その材質などに特に制限はない。例えば、金属酸化物、金属窒化物ないしはこれらの混合体をイオンプレーティング、蒸着、スパッタリングなどにより作成した公知の薄膜のほか、誘電損失体を含んだ紙などが挙げられる。前記金属酸化物としては、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、酸化錫、酸化亜鉛などを使用できる。前記金属窒化物としては窒化チタンなどを用いることができる。また、前記薄膜には、有機高分子シート、有機高分子フィルム、有機高分子樹脂の塗膜などが含まれる。前記誘電損失体を含んだ紙としては、基材としての紙にカーボン粒子などの誘電損失体を担持させた(すき込んだ)ものや誘電損失体を表面に付着させたものなどが挙げられる。後者の場合、誘電損失材料を含んだ塗料を用意し、これを紙の表面全面に塗布してもよく、この塗料による塗膜を紙表面に所定形状に分散して付着させるようにしてもよい。
なかでも、前記の誘電損失体を含んだ紙は、繊維系断熱吸音体層と組み合わせることにより吸音性を向上させるだけでなく、誘電損失体の含有量を適宜変更して製造することが容易であるので、本発明における面抵抗値の範囲で用途に応じて面抵抗値を変えることが容易であることから、より好ましい。ここで、基材として使用する紙としては特にその材質に限定されず、パルプ、有機繊維、無機繊維などが挙げられ、形態としては不織布、織布のいずれであってもよい。安価な電波吸収体を製造する観点からは、抵抗皮膜層2としてこの誘電損失体を含んだ紙を用いるのが好ましい。
繊維系断熱吸音体層3は、有機繊維や無機繊維を絡み合わせてマット状に形成されたものであり、断熱性および吸音性を備えている。このような有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキザゾール繊維、ポリ乳酸繊維などの合成繊維;絹、羊毛などの天然繊維;木質ファイバー、木綿、麻繊維、竹、リンター(棉花の額)などのセルロース繊維(ウール)やレーヨンなどの再生セルロース繊維(ウール)などが挙げられる。また、無機繊維としては、グラスウールなどのガラス繊維、ロックウール、アルミナ繊維、炭化珪素繊維などが挙げられる。これらの繊維は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。なお、これらの繊維の直径およびアスペクト比などは特に限定されず、適宜設定できる。このような繊維をマット状に形成した繊維系断熱吸音体は、少なくともその表裏面が樹脂シートなどの被覆材で被覆されていてもよい。これらのうち、ロックウール、グラスウール、セルロースウールは断熱性および吸音性に優れるので、これらを用いるのが好ましい。
この繊維系断熱吸音体層3の厚さは、吸収しようとする電波の周波数および当該層3の比誘電率によって変える必要があり、一概には言えないが、約2〜5.8GHzの周波数域に中心周波数を有する電波に対しては、10〜30mmの範囲で設定するのが好ましく、15〜30mmの範囲で設定するのがより好ましい。この厚さを10mm未満に設定した場合、繊維計断熱吸音体は可とう性に優れ、好適な作業性が得られるが、所望の吸収周波数に適合しないことになる。例えば、室内LANに用いられる2.45GHzの電波の場合、その波長は122.4mmであるので、繊維系断熱吸音体層3は理論上、この波長の1/4の30.6mmの厚さを備えている必要があるが、本発明においては抵抗皮膜層2の厚さや後述する接着剤層の厚さなどを考慮して、繊維系断熱吸音体層3の厚さを前記理論厚さよりも小さく設定できる。また、前記例示の同種の繊維系断熱吸音体を同種のもの同士例えば2枚積層して前記所定の厚さとすることもできる。
繊維系断熱吸音体層3の密度(重量)は、当該層3が前記所定の厚さにおいて前記特定周波数域における電波吸収能力とともに、吸音性および断熱性を備えていれば特に限定されない。例えば、当該層3にグラスウールを用いる場合、前記所定の厚さで当該マットの密度は10kg/cm〜96kg/cmの範囲で適宜設定できるが、より好ましくは15〜35kg/cmに設定するのがよい。この密度が10kg/cm未満では、十分な断熱性能が得られないばかりでなく、均一な厚さを有しない場合があり所望の電波吸収特性が得られず、また96kg/cmを超えた場合、この繊維系断熱吸音体の重量が大きくなり作業性が劣るので好ましくない。
電波反射層4は、導電性を備え、本発明の電波吸収体に抵抗皮膜層2側から入射した電波が透過しないものであれば特に制限なく使用できる。このような電波反射層としては、例えば金属(めっき、蒸着膜、箔、板等)、炭素繊維布、導電性インク、導電性プラスチックなどが挙げられるが、好ましくはアルミ箔などの金属箔やアルミシート(板)などの金属シート(板)を用いるのがよい。この電波反射層4はまた、前記の金属箔や金属シート(板)に例えばクラフト紙などの紙を貼付したものであってもよい。金属箔としてアルミ箔を用いる場合、このアルミ箔には種々の厚さのものが存在するが、完全に電波を反射させるためには7μm以上の厚さのものを用いるのが好ましい。また、金属シートとしてアルミシートを用いる場合には、それ自体が可とう性を備えていることが好ましく、そのためには約100μm以下とするのがよい。これにより、電波反射層を容易に湾曲させることができ、繊維系断熱吸音体層に確実に密着させることができるようになる。
本発明の繊維系断熱吸音体3と抵抗皮膜層2および電波反射層4とは、それぞれ公知の接着剤を用いて接着積層することができる。これらを接着する際に、必要であれば、これらの間に例えばクラフト紙などの紙を介在させてもよい。このような接着剤としては、例えば酢酸ビニル樹脂系接着剤、ポリビニルアルコール樹脂系接着剤、ビニルアセタール樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂系接着剤、塩化ビニリデン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、メタクリ酸樹脂系接着剤、スチレン樹脂系接着剤、ポリエチレン樹脂系接着剤、ポリイソブチレン樹脂系接着剤、クマロン・インデン樹脂系接着剤、ポリアミド樹脂系接着剤、ポリアミドイミド樹脂系接着剤、ポリイミド樹脂系接着剤、尿素樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤、シリコーン樹脂接着剤、エポキシ樹脂系接着剤などの公知の接着剤のほか、これらの樹脂またはその他の樹脂の系列に含まれるホットメルト接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうちでは、ホットメルト接着剤を用いるのが製造ラインでの連続生産性に優れるため好ましい。
ホットメルト接着剤としては、ポリエステル系;ポリエステル共重合体系;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系;変性ポリオレフィン系;ポリウレタン系;ポリ塩化ビニル系;変成シリコーン系プレポリマー系;ポリアミド系;熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系等などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記接着剤は、繊維系断熱吸音体層3の各面に対して20〜300g/m付着するように塗布されるのが好ましい。この範囲を超えて塗布した場合には、接着剤の比誘電率が本発明の電波吸収体の電波吸収性能に悪影響を及ぼすので好ましくなく、前記範囲未満では、繊維系断熱吸音体層3と抵抗皮膜層2および電波反射層4との間の接着性が劣り、電波吸収体として一体に積層できず、その結果電波吸収性能が低下するだけでなく、各層間で剥離が生じやすくなるので好ましくない。
前記各層をそれぞれ接着積層してλ/4型吸収体に形成された本発明の電波吸収体1は、抵抗皮膜層2の面抵抗値を所定の範囲に設定したので、繊維系断熱吸音体層3の厚さを前記所定の範囲で変更することで、従来の約377Ω/□の面抵抗値を有する抵抗皮膜を備えたλ/4型電波吸収体よりも数GHz帯、特に2〜5.8GHzの周波数域に中心周波数を有する電波に対して優れた吸収特性を有するものとなる。
また、本発明の電波吸収体1は、これを構成する材料、特には繊維系断熱吸音体の種類や密度などを適宜選定することで、その優れた断熱性能および吸音性能を変えることができるが、特に繊維系断熱吸音体層3が前記所定の厚さおよび密度を備え、抵抗皮膜層2として紙を基材とすることで、より良好な電波吸収特性が得られることに加え、断熱性能が、熱伝導率において0.034W/(m・K)以下で、かつ吸音性能がNRC(250、500、1000、2000Hzにおける残響法吸音率の平均値)0.9以上となり好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1〜6]
繊維系断熱吸音体層3として15mm、16mm、18mm、20mm、22mmおよび25mm厚の厚さの異なる500mm角のグラスウール(いずれも密度32kg/m)を用意し、それぞれのグラスウールの片面3aに誘電損失体を担持させた紙(抵抗皮膜層2)を、他方の面3bにアルミクラフト紙(アルミ箔の厚さ7μm)(電波反射層4)をホットメルト接着剤で接着して実施例1〜6の電波吸収体試料6体を得た(前記グラスウールの厚さの順にそれぞれ実施例1〜6の試料とした)。誘電損失体を担持させた高分子フィルムの面抵抗値は、210Ω/□であった。ホットメルト接着剤としては、酢酸ビニル樹脂系接着剤を用い、その塗布(付着)量はグラスウールの接着面1m当たり30gとした。
[比較例1]
25mm厚、500mm角のグラスウールを用い、その片面3aに実施例1の誘電損失体を担持させた紙に代えて誘電損失体を担持させたテフロン(登録商標)系高分子フィルムを、他方の面3bに実施例1で用いたのと同様のアルミクラフト紙を実施例1で用いたホットメルト接着剤を同様の塗布量にてそれぞれ接着して電波吸収体試料1体を作製した。この誘電損失体を担持させた高分子フィルムの面抵抗値は、377Ω/□であった。
[電波吸収特性の測定方法]
前記の実施例1〜6および比較例1で得られた電波吸収体試料について、これらの電波吸収特性を反射電力法に従い、電波暗室内で測定した。試料の表面とホーンアンテナとの間の距離は820mmとし、測定周波数域は0.1〜6GHzとした。また、電波の入射角度は10°とした。測定結果を表1および図2に示す。なお、表1は、各電波吸収体試料についての測定結果から、最大反射減衰量と、これが得られる電波周波数とをそれぞれ抽出したものであり、図2は各電波吸収体試料に前記周波数域の電波が入射したときの反射減衰量を示すグラフであり、横軸は試料に入射した電波の周波数(GHz)、縦軸は反射減衰量(dB)である。
[吸音率の測定]
実施例1で得られた電波吸収体および実施例1で用いたグラスウール単体(参考例)について、JIS A1408に準拠した残響室法により吸音率の測定を行った。この測定結果を図3に示す。
Figure 0004879077
各電波吸収体試料の電波吸収特性を示す表1および図2によれば、実施例1〜6の電波吸収体試料は、いずれも使用したグラスウールの厚さに対して一定の関係のある特定の周波数の電波に対して反射減衰量が20dB以上の最大ピークを示し、2.3〜4.5GHzの周波数域の電波に対しては、グラスウールの厚さを変更することで、少なくとも反射減衰量にて18dB以上となる優れた吸収特性を示すことが示された。特に、無線LAN用の2.45GHzの電波に対しては、実施例6の電波吸収体試料を用いることで、反射減衰量にて20dB以上の吸収特性を得ることができることが明らかである。
これに対し、比較例1の試料では、2.6GHzの波長の電波に対してかろうじて16.2dBの吸収特性を示すものの、測定周波数域での電波吸収特性は全体として良好ではない。
また、図3によれば、吸音性に優れるグラスウールに対し、本発明の電波吸収体は特に1600Hz以下の低周波数域において吸音性に優れていることが判明した。なお、実施例1および参考例の試料のNRCは、それぞれ0.61および0.51である。
以上説明したように、本発明によれば、優れた断熱性および吸音性を備えるとともに、繊維系断熱吸音体層の厚さを変更することで、主に数GHz帯、特に2〜5.8GHzの周波数域に中心周波数を有する電波について従来の約377Ω/□の面抵抗を有する抵抗皮膜を備えたλ/4型吸収体よりも優れた吸収特性を備えた電波吸収体を得ることができる。
本発明の電波吸収体を示した側断面図である。 本発明の電波吸収態の一実施形態の電波吸収特性結果を示す図である。 本発明の電波吸収態の一実施形態の吸音性能を示す図である。 λ/4型電波吸収体の作用原理を示す図である。
符号の説明
1 電波吸収体
2 抵抗皮膜層
3 繊維系断熱吸音体層
3a、3b 繊維系断熱吸音体層の面
4 電波反射層

Claims (8)

  1. 面抵抗値が150〜330Ωの抵抗皮膜層と、繊維系断熱吸音体層と、電波反射層とを順次積層してλ/4型吸収体に形成したことを特徴とする電波吸収体。
  2. 前記抵抗皮膜層は、誘電損失体を含んだ紙からなる請求項1に記載の電波吸収体。
  3. 前記繊維系断熱吸音体層の厚さは、10〜30mmである請求項1または2に記載の電波吸収体。
  4. 前記電波反射層の厚さは7μm以上で、かつ可とう性を備えたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  5. 前記繊維系断熱吸音体層と前記抵抗皮膜層および前記電波反射層とはそれぞれホットメルト接着剤で接着されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  6. 断熱性能が熱伝導率にて0.034W/(m・K)以下であり、かつ吸音性能がNRC0.9以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  7. 2〜5.8GHzの周波数域に中心周波数を有する電波の吸収能力が反射減衰量にて18dB以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  8. 中心周波数2.45GHzの電波の吸収能力が反射減衰量にて20dB以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電波吸収体。
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