JP2017112253A - 電磁波抑制シートおよびこれを用いた電磁波抑制粘着シート、電磁波抑制用樹脂組成物、電磁波抑制層 - Google Patents

電磁波抑制シートおよびこれを用いた電磁波抑制粘着シート、電磁波抑制用樹脂組成物、電磁波抑制層 Download PDF

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Abstract

【課題】透過法でも反射法でも使用することができ、厚みが薄くても、広帯域の周波数にわたって優れた電磁波抑制性能を有し、柔軟性と導電性にも優れた電磁波抑制シートを提供する。【解決手段】ベースポリマー(A)、電磁波抑制物質(B)および比誘電率5〜30000の誘電性化合物(C)を含有する樹脂組成物からなる電磁波抑制シート[I]である。【選択図】なし

Description

本発明は、厚みが薄くても、広帯域の周波数にわたって優れた電磁波抑制性能を有し、透過法でも反射法でも使用することができ、軽量で柔軟性と導電性にも優れた電磁波抑制シートと、これを用いた電磁波抑制粘着シート、さらには、電磁波抑制用樹脂組成物と、これを含有してなる電磁波抑制層に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット端末等の電子機器が普及し、家庭や会社に限らず、屋内、屋外のどこにいても、これらの電子機器を用いて情報のやりとりができるようになっている。しかし、これらの電子機器は利便性が高い反面、電子機器から発生する不要な電磁波(ノイズ)が、他の電子機器や電気製品に誤作動等の悪影響を及ぼすことが問題となっている。また、電磁波が放送、通信や人体に与える影響への懸念もひろがっている。
そこで、不要な電磁波を吸収する電磁波吸収体や、電磁波の発生を低減して外部への漏洩を防ぐ電磁波抑制体、あるいは外部からの電磁波を遮断するシールド体、といった各種の電磁波対策部材を、電気・電子機器に組み込むことが提案されている。
このような電磁波対策部材として、例えば、薄くて軽量で柔軟性に富み、表面抵抗率のばらつきが±10%以内である抵抗皮膜層を備えたλ/4型電磁波吸収体が提案されている(特許文献1を参照)。この抵抗皮膜層は薄くて柔軟性に富むため、電磁波吸収体に外力が加えられても破損しにくい。そして、耐屈曲性、耐揉み性、耐摩耗性等の機械的特性に優れているという利点を有する。
特開2003−289196号公報
ところで、電気・電子機器の小型化、高集積化に伴い、これらの電気・電子機器に組み込んで用いる電磁波吸収体や電磁波抑制体には、さらなる柔軟性、薄膜化が求められるようになってきている。このため、上記特許文献1のλ/4型電磁波吸収体等においても、さらなる柔軟性、薄膜化が検討されているが、λ/4型電磁波吸収体は、その構造上、抵抗皮膜層の裏面側には必ず金属からなる反射層を設ける必要がある。このため、電磁波の抑制の方法が反射に制約されるとともに、製造工程が煩雑化する上、全体としての柔軟性が制限され、薄膜化にも限界がある。また、λ/4型電磁波吸収体は、電磁波を抑制できる周波数域が狭く、特定の周波数にしか効果が得られないという問題もある。
一方、反射層を必要としない電磁波抑制体において、電磁波抑制層をさらに薄膜化すると、通常、電磁波抑制層の電気抵抗値が上昇して、導電性が低下するため、充分な電磁波抑制性能が得られにくくなるという問題がある。
この点について、導電性を向上させ電気抵抗を下げ、電磁波抑制性能を上げるために、カーボンブラック等の電磁波抑制物質の配合量を増やすことが考えられるが、柔軟性が悪くなったり、高周波数帯域での電磁波抑制性能が悪くなったりするといった問題点も発生することとなり、安易には電磁波抑制物質の配合量を増やすこともできないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、厚みが薄くても、広帯域の周波数にわたって優れた電磁波抑制性能を有し、透過法でも反射法でも使用することができ、柔軟性と導電性にも優れた電磁波抑制シートと、これを用いた電磁波抑制粘着シートの提供、さらに電磁波抑用樹脂組成物および電磁波抑制層の提供を、その目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねる過程で、柔軟で、厚みを薄くしても導電性が損なわれることのない、優れた電磁波抑制性能を有する電磁波抑制シートを得るには、電磁波抑制物質の配合量を抑制しつつその電磁波抑制効果を高めることが重要である、との着想を得た。そして、さらに研究を重ねた結果、電磁波抑制物質とともに、特定範囲の比誘電率を有する誘電性化合物を含有する樹脂組成物を用いると、目的とする優れた性能の電磁波抑制シートが得られることを見いだし、本発明に到達した。
<発明の要旨>
すなわち、本発明は、ベースポリマー(A)、電磁波抑制物質(B)および比誘電率2〜30000の誘電性化合物(C)を含有する樹脂組成物からなる電磁波抑制シートを第1の要旨とする。
また、本発明は、上記電磁波抑制シート[I]の片面または両面に粘着剤層[II]が積層されてなる電磁波抑制粘着シートを第2の要旨とする。
さらに、本発明は、ベースポリマー(A)、電磁波抑制物質(B)および比誘電率2〜30000の誘電性化合物(C)を含有する電磁波抑制用樹脂組成物を第3の要旨とし、かかる電磁波抑制用樹脂組成物を含有してなる電磁波抑制層を第4の要旨とする。
本発明の電磁波抑制シートは、ベースポリマー(A)と、電磁波抑制物質(B)と、特定範囲の比誘電率を有する誘電性化合物(C)を含有する樹脂組成物によって形成されているため、透過法においても反射法においても使用することができる。そして、シートの厚みが薄くても、広帯域の周波数にわたって優れた電磁波抑制性能と、優れた柔軟性と、優れた導電性とを備えている。
また、本発明の電磁波抑制シート[I]のなかでも、特に、誘電性化合物(C)の平均粒子径が0.001〜10μmであるものは、ベースポリマー(A)内における分散性に優れ、どの部分においても優れた電磁波抑制性能を発揮するため、好適である。
さらに、本発明の電磁波抑制シート[I]のなかでも、特に、誘電性化合物(C)が誘電性金属化合物であるもの、そして特に、誘電性金属酸化物であるものは、とりわけシートの柔軟性と電磁波抑制性能に優れたものとなり、好適である。
そして、本発明の電磁波抑制粘着シートによれば、優れた性能を有する上記電磁波抑制シート[I]を、これに積層された粘着剤層[II]を利用して、目的とする場所に簡単に貼り付けることができるため、優れた作業性を有する。
また、本発明の電磁波抑制粘着シートのなかでも、特に、電磁波抑制シート[I]の片面または両面に粘着剤層[II]が積層され、その積層された電磁波抑制シート[I]と粘着剤層[II]の積層体の片面または両面に支持フィルム[III]が積層されてなる電磁波抑制粘着シートは、上記支持フィルム[III]がシート全体を補強するため、屈曲耐久性に優れるものとなり、好適である。
さらに、本発明の電磁波抑制粘着シートのなかでも、特に、電磁波抑制シート[I]の片面また両面に粘着剤層[II]が積層され、上記粘着剤層[II]の露出面に、剥離ライナー[IV]が積層されてなるものは、剥離ライナー[IV]を外すだけで簡単に、この電磁波抑制粘着シートの粘着剤層[II]を露出させることができるため、取り扱い性、作業性が良好となり、好適である。
そして、本発明の電磁波抑制用樹脂組成物によれば、電気機器や電子機器の目的とする部分にこれを直接塗布するだけで、簡単に電磁波抑制層を得ることができるため、使い勝手がよい。また、かかる電磁波抑制用樹脂組成物を含有してなる電磁波抑制層は、樹脂組成物を目的とする部分に直接塗布するだけで簡単に得られるものであり、得られた層は、本発明の電磁波抑制シート[I]と同様、透過法においても反射法においても使用することができる。そして、厚みが薄くても導電性に優れ、柔軟性と電磁波抑制性能に優れたものとなる。
本発明の電磁波抑制シートの一製法の説明図である。 (a)〜(c)は、いずれも本発明の電磁波抑制シートの他の製法の説明図である。 (a)、(b)は、ともに本発明の電磁波抑制シートのさらに他の製法の説明図である。 (a)、(b)は、ともに本発明の電磁波抑制粘着シートの構成を示す説明図である。 (a)、(b)は、ともに本発明の電磁波抑制粘着シートの他の構成を示す説明図である。 (a)、(b)は、ともに本発明の電磁波抑制シートの使用形態の説明図である。
次に、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
<電磁波抑制用樹脂組成物、電磁波抑制層および電磁波抑制シート[I]>
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という場合がある)は、ベースポリマー(A)、電磁波抑制物質(B)および比誘電率2〜30000の誘電性化合物(C)を含有するものである。
そして、本発明の電磁波抑制層は、上記電磁波抑制用樹脂組成物を含有してなる層である。
また、本発明の電磁波抑制シート[I]は、上記電磁波抑制用樹脂組成物によって形成されたものである。
まず、本発明の電磁波抑制用樹脂組成物に用いられるベースポリマー(A)は、シートや皮膜層を形成するものであればどのようなものであってもよく、例えば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂や、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム等のゴム、あるいはスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等のエラストマー等があげられる。そして、これらのなかでも、特に、ポリウレタン系樹脂(a1)、あるいはスチレン系熱可塑性エラストマー(a2)を用いることが、優れた電磁波抑制効果と柔軟なシートを得る上で好ましい。そして、これらの樹脂等は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
上記ポリウレタン系樹脂(a1)としては、100%モジュラスが1〜7MPaのものを用いることが好適である。すなわち、100%モジュラスが低過ぎると得られる電磁波抑制シート[I]の機械的強度が低下するおそれがあり、100%モジュラスが高すぎると柔軟性が低下したり、電磁波抑制物質の分散性が低下したりするおそれがあるからである。なお、上記100%モジュラスの測定方法は、JIS−K7311の方法に従うものとする。
上記ポリウレタン系樹脂(a1)のなかでも、得られる電磁波抑制シート[I]の機械的強度、柔軟性、電磁波抑制物質の分散性の点で、特に、100%モジュラスが1.5〜6MPaのものがより好ましく、さらに好ましくは2〜5MPaのものである。
100%モジュラスが1〜7MPaであるポリウレタン系樹脂(a1)は、例えば、ポリエステル、ポリエーテルあるいはポリエステルアミドを基体とする数平均分子量(Mn)が500〜50000程度であるポリオールと、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のポリイソシアネートとからなり、水酸基とイソシアネート基の当量比の調整や、ポリオールの数平均分子量の選択、数種類のポリオールの組合せ、等によって製造することができる。
そして、これらの具体例としては、例えば、市販品であるレザミンME−3412LP(大日精化工業社製、100%モジュラス:4MPa)、レザミンP−1288(大日精化工業社製、100%モジュラス:5MPa)、レザミンP−4038(大日精化工業社製、100%モジュラス:5MPa)、レザミンP−2280(大日精化工業社製、100%モジュラス:4MPa)、レザミンP−2283(大日精化工業社製、100%モジュラス:5MPa)、レザミンP−2288(大日精化工業社製、100%モジュラス:6MPa)、レザミンP−880(大日精化工業社製、100%モジュラス:5MPa)、クリスボン5116ELD(DIC社製、100%モジュラス:1.5MPa)、クリスボンNY−324(DIC社製、100%モジュラス:5.5MPa)等があげられる。
また、本発明において好適に用いられる、100%モジュラスが1〜7MPaであるポリウレタン系樹脂(a1)の重量平均分子量は、得られる電磁波抑制シート[I]の機械的強度、柔軟性、電磁波抑制物質の分散性、電磁波抑制シート[I]の形成性の点から、5万〜200万が好ましく、特には10万〜100万が好ましい。なお、上記「重量平均分子量」は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法によって求めることができる(以下同じ)。
さらに、本発明において好適に用いられる、100%モジュラスが1〜7MPaであるポリウレタン系樹脂(a1)のガラス転移温度は、−50℃以上が好ましく、より好ましくは−30℃以上である。ガラス転移温度が低すぎると、得られる電磁波抑制シート[I]がブロッキングを起こすおそれがある。なお、ガラス転移温度の上限は通常70℃、好ましくは50℃である。上記「ガラス転移温度」は、JIS−K7121に準拠して測定することができる(以下同じ)。
なお、上記100%モジュラスが1〜7MPaであるポリウレタン系樹脂(a1)を用いる場合、物性が異なる他のポリウレタン系樹脂や、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂を組み合わせて用いても差し支えない。ただし、100%モジュラスが1〜7MPaのポリウレタン系樹脂(a1)による効果が損なわれないよう、他の樹脂成分の含有割合は、樹脂成分全体の10重量%以下にとどめることが好適である。
また、本発明のベースポリマー(A)として好適に用いることのできる、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)としては、スチレン系構造単位の含有量が25〜80重量%のものが好適に用いられる。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)は、スチレンに代表される芳香族ビニル化合物(以下「スチレン系化合物」という)の重合体ブロックからなるハードセグメント(島部分)と、主として共役ジエン化合物(以下「ジエン系化合物」という)の重合体ブロックからなるソフトセグメント(海部分)とを有し、このハードセグメントとソフトセグメントからなる海島構造によって弾性特性が発現されるようになっている。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)における各ブロックの構成は、ハードセグメントをXで示し、ソフトセグメントをYで示した場合に、X−Yで表されるジブロック共重合体、X−Y−XまたはY−X−Yで表されるトリブロック共重合体、さらにXとYが交互に接続したポリブロック共重合体等をあげることができる。
ハードセグメントとなる重合体ブロックの形成に用いられるモノマー(スチレン系化合物)としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン等のアルコキシスチレン;モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のハロゲン化スチレン;ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレン等のベンゼン環以外の芳香環を有するビニル化合物;およびそれらの誘導体等をあげることができる。ハードセグメントとなる重合体ブロックは、これらのスチレン系化合物の単独重合体ブロックでも、二種以上を組み合わせた共重合体ブロックでもよいが、なかでも、スチレンの単独重合体ブロックが好適に用いられる。
なお、上記ハードセグメントとなる重合体ブロックは、本発明の効果を阻害しない範囲で、スチレン系化合物以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、共重合できるモノマーとしては、ブテン、ペンテン、ヘキセン等のオレフィン類、ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物やアリルエーテル化合物等をあげることができ、その共重合比率は、通常、重合体ブロック全体の10モル%以下であることが望ましい。
上記ハードセグメントとなるスチレン系化合物の重合体ブロックの重量平均分子量は、通常、1万〜30万であり、特に2万〜20万、さらに5万〜10万のものが好ましく用いられる。
一方、ソフトセグメントとなる重合体ブロックの形成に用いられるモノマー(ジエン系化合物)としては、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン化合物、およびイソブチレンをあげることができ、これらは、単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。なかでも、イソプレン、ブタジエン、およびイソブチレンの単独重合ブロックや共重合ブロックが好ましく、特にブタジエン、あるいはイソブチレンの単独重合ブロックが好適に用いられる。
なお、上記ジエン系化合物の重合体ブロックでは、重合によって複数の結合形式をとる場合があり、例えば、ブタジエンでは、1,2−結合によるブタジエン単位(−CH−CH(CH=CH)−)と1,4−結合によるブタジエン単位(−CH−CH=CH−CH−)が生成する。これらの生成比率は、共役ジエン化合物の種類により異なるので、一概にはいえないが、ブタジエンの場合、1,2−結合が生成する比率は、通常、20〜80モル%の範囲である。
また、上記ジエン系化合物による重合体ブロックは、耐熱性および耐候性の観点から、その重合体ブロック中に残存する二重結合の一部または全部を水素添加したものであってもよい。その際の水素添加率は、40モル%以上であることが好ましく、特に45モル%以上のものが好ましく、さらには55モル%以上のものが好ましく用いられる。なお、通常、上限値は99モル%である。上記「水素添加率(モル%)」は、核磁気共鳴法(NMR)により測定される(以下同じ)。
さらに、重合体ブロックにおいて、水素添加前の共役ジエン化合物に基づくビニル結合部の水素添加率は50モル%以上、好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%のものが用いられる。なお、通常、上限値は100モル%である。ここで、「ビニル結合部の水素添加率」とは、重合体ブロック中に組み込まれている共役ジエン化合物に基づく水素添加前のビニル結合量に対する水素添加されたビニル結合量の割合をいう。
重合体ブロック中のスチレン系構造単位に基づく芳香族二重結合の水素添加率については、水素添加率を50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらには20モル%以下にすることが好ましい。
なお、上記水素添加により、例えばブタジエンの1,2−結合によるブタジエン単位は、ブチレン単位(−CH−CH(CH−CH)−)となり、1,4−結合によって生成するブタジエン単位は二つの連続したエチレン単位(−CH−CH−CH−CH−)となるが、通常は前者が優先して生成する。
さらに、上記ソフトセグメントとなる重合体ブロックは、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述のモノマー以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、共重合できるモノマーとしては、スチレン等のスチレン系化合物;ブテン、ペンテン、ヘキセン等のオレフィン類;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;アリルエーテル化合物等をあげることができ、その共重合比率は、通常、重合体ブロック全体の10モル%以下である。
そして、上記ソフトセグメントとなる重合体ブロックの重量平均分子量は、通常、1万〜30万であり、特に2万〜20万、さらに5万〜10万のものが好ましく用いられる。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)は、上記スチレン系化合物の重合体ブロックと、上記ジエン系化合物等の重合体ブロックとを有するブロック共重合体を得た後、さらに必要に応じて共役ジエン化合物の重合体ブロック中の二重結合を水素添加することによって得ることができる。
まず、スチレン系化合物の重合体ブロックと、ジエン系化合物等の重合体ブロックを有するブロック共重合体の製造法としては、例えば、アルキルリチウム化合物等を開始剤とし、不活性有機溶媒中で、これらの重合体ブロックとなるモノマー成分を逐次重合させる方法等をあげることができる。
次に、上記ブロック共重合体を水素添加する方法としては、例えば、水素化ホウ素化合物等の還元剤を用いる方法や、白金、パラジウム、ラネーニッケル等の金属触媒を用いた水素還元等をあげることができる。
そして、上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)は、すでに述べたとおり、ハードセグメントとなる重合体ブロックを構成する、スチレン系化合物に由来する構造単位(本発明では「スチレン系構造単位」という)を、スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)全体に対し25〜80重量%含有するものであることが好ましい。
すなわち、スチレン系構造単位の含有量が少なすぎると、得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]の導電性が低下して電磁波抑制効果が小さくなるおそれがあり、逆に、スチレン系構造単位の含有量が多すぎると、得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]の柔軟性が低下したり、電磁波抑制物質の分散性が低下したりするおそれがあるからである。なお、本発明において、「スチレン系構造単位の含有量」は、核磁気共鳴法(NMR)によって測定することができる。
そして、上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)のなかでも、得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]の導電性、柔軟性、電磁波抑制物質の分散性の点で、特に、スチレン系構造単位の含有量が28〜75重量%のものがより好ましく、さらに好ましくは33〜70重量%のものである。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)の重量平均分子量は、耐熱性、機械的強度、柔軟性の観点から、通常、3万〜50万であり、特に4万〜40万、さらに5万〜30万のものが好ましく用いられる。また、上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)の220℃、せん断速度122sec-1での溶融粘度(ηB)は、通常、10〜30000Pa・sであり、特に30〜20000Pa・sのものが好ましく、さらには80〜15000Pa・sのものが好ましく用いられる。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)の重量平均分子量が大きすぎたり溶融粘度が高すぎたりすると、得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]における電磁波抑制物質の分散性が低下するおそれがあり、逆に、重量平均分子量が小さすぎたり溶融粘度が低すぎたりすると、得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]の機械的強度が不充分となるおそれがある。なお、スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)の重量平均分子量は、GPCを用い、ポリスチレンを標準として求めた値である。
さらに、上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)のガラス転移温度は、動的粘弾性測定において、tanδ(損失正接)ピーク温度により測定することができ、かかるピーク温度が二点以上測定される場合もある。ピーク温度が一点の場合には、電磁波抑制物質の分散性の観点から、−25℃〜150℃、好ましくは−0℃〜130℃、さらに好ましくは5℃〜120℃に1つ測定されることが好ましい。また、ピーク温度が二点以上の場合には、柔軟性の観点から、その一点目が上記温度範囲で測定され、その二点目が、−80℃〜80℃、好ましくは−70℃〜70℃、さらに好ましくは−60℃〜50℃に測定されることが好ましい。
なお、上記ガラス転移温度は、スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)の重合体鎖中における共役ジエンとスチレン系構造単位との比率に起因する転移温度であり、スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)の分子量、スチレン系構造単位の含有量等によって調整される。
このようなスチレン系熱可塑性エラストマー(a2)としては、スチレンとブタジエンを原料とするスチレン/ブタジエンブロック共重合体(SBS)、SBSのブタジエン構造単位における側鎖二重結合が水素添加されたスチレン/ブタジエン/ブチレンブロック共重合体(SBBS)、さらに主鎖二重結合が水素添加されたスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンとイソプレンを原料とするスチレン/イソプレンブロック共重合体(SIPS)、スチレンとイソブチレンを原料とするスチレン/イソブチレンブロック共重合体(SIBS)等をあげることができる。なかでも、水添スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、例えば、ブタジエン構造単位の二重結合が水素添加されたSBBSやSEBSが、好ましく用いられる。
これらの市販品としては、例えば、SBSである旭化成ケミカルズ社製の「タフプレン」,「アサプレンT」,「アサフレックス」、SBBSである旭化成ケミカルズ社製「タフテック(登録商標、以下同じ)Pシリーズ」、SEBSである旭化成ケミカルズ社製「タフテックHシリーズ」、SIBSであるカネカ社製「シブスター」等をあげることができる。また、他の市販品として、シェルジャパン社製の「クレイトンG」,「クレイトンD」,「カリフレックスTR」、クラレ社製の「セプトン」,「ハイプラー」、JSR社製の「DYNARON」,「JSR−TR」,「JSR−SIS」、日本ゼオン社製の「クインタック」、電気化学社製の「電化STR」等をあげることができる。
これらの市販品のうち、なかでも、タフテックH1043(SEBS、スチレン含有量:67重量%、旭化成ケミカルズ社製)、タフテックP5051(SBBS、スチレン含有量:47重量%、旭化成ケミカルズ社製)、DYNARON8903P(SEBS、スチレン含有量:35重量%、JSR社製)等が好適にあげられる。なお、上記「スチレン含有量」とは、スチレンに由来する構造単位が、共重合体全体に含まれる含有量をいう(以下同じ)。
なお、本発明のベースポリマー(A)として、上記スチレン系熱可塑性エラストマー(a2)を用いる場合、物性が異なる他のスチレン系熱可塑性エラストマーや、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂を組み合わせて用いてもよい。ただし、スチレン系構造単位の含有量が25〜80重量%のスチレン系熱可塑性エラストマー(a2)による効果が損なわれないよう、他の樹脂成分の含有割合は、樹脂成分全体の10重量%以下にとどめることが好適である。
次に、上記ベースポリマー(A)とともに、本発明の樹脂組成物に含有される電磁波抑制物質(B)としては、従来、電磁波抑制効果があるとして用いられている各種の導電性粉末があげられる。より具体的には、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、磁性粉、フェライト等の導電性金属粉末や、アルミニウムやガリウム等のIII族元素あるいは塩素やフッ素等のVII族元素をドープして導電性が付与された、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物粉末、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー、カーボンナノコイル、炭素繊維、カーボンナノホーン等の炭素材料、金属で表層を被覆した導電性複合粒子等があげられ、これらは、単独で用いても二種以上を組み合わせてもよい。
カーボンナノチューブを用いる場合、その平均径(軸方向に対して直交する方向の直径または横断面径)は、例えば、0.5nm〜1μm程度から選択でき、単層カーボンナノチューブの場合には、例えば、0.5〜10nm程度であり、多層カーボンナノチューブの場合は、例えば、5〜300nm程度である。カーボンナノチューブの平均長は、例えば、1〜1000μm程度である。また、カーボンナノファイバーを用いる場合、その平均直径は、1〜350nmが例示できる。炭素繊維としては、重質油、副生油、コールタール等から作られるピッチ系や、ポリアクリロニトリルから作られるPAN系等があげられる。
また、導電性粉末を用いるのではなく、樹脂組成物中に、空気等の気泡を分散含有させ、その気泡によって電磁波を散乱させる場合は、上記気泡が電磁波抑制物質(B)となる。
本発明において、電磁波抑制物質(B)の含有量は、樹脂組成物におけるベースポリマー(A)と電磁波抑制物質(B)の合計100重量部に対して、5〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは8〜55重量部、特に好ましくは10〜50重量部である。少なすぎると所望の電磁波抑制性能が得られにくくなる傾向があり、多すぎると得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シートの強度が低下したりして物理的性能が低下する傾向がある。
これらの電磁波抑制物質(B)は、単独で用いても二種以上を併用しても差し支えないが、なかでも、カーボンブラック(b1)、グラファイト(b2)等の炭素材料を、単独もしくは二種以上組み合わせて用いることが好適であり、とりわけ、カーボンブラック(b1)とグラファイト(b2)を組み合わせることが最適である。なお、カーボンブラック(b1)とグラファイト(b2)とは、カーボンブラック(b1)が非晶質であるのに対しグラファイト(b2)が網目構造を持つ結晶であることによって区別される。このため、カーボンブラック粒子はグラファイト粒子よりも細かい形状となる。
本発明で用いることのできるカーボンブラック(b1)としては、分散性と導電性に優れたものが好適に用いられる。そのため、好ましいカーボンブラック(b1)の平均粒子径は、通常1〜500nmであり、より好ましくは5〜300nm、さらに望ましくは10〜100nm、特に好ましくは20〜60nmの範囲である。すなわち、カーボンブラック(b1)の平均粒子径が大きすぎると、所望の導電性が得られにくく電磁波抑制効果が低下する傾向があり、逆に、小さすぎると、分散性が低下する傾向がある。
なお、上記「カーボンブラック(b1)の平均粒子径」は、カーボンブラック凝集体を構成する一次粒子を電子顕微鏡で観察し計測することによって求められるものである(以下同じ)。
このようなカーボンブラック(b1)としては、市販品として、例えば、シーストS,導電性カーボンブラック#5500,#4500,#4400,#4300、黒鉛化カーボンブラック#3855,#3845,#3800(以上、東海カーボン社製)、#3050B,#3030B,#3230B,#3400B(以上、三菱化学社製)、アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業社製)、BLACK PEARLS 2000,STERLING C,VULCAN P,VULCAN XC−72(以上、キャボット社製)、ケッチェンブラックEC300J,ケッチェンブラックEC600JD(以上、ライオン社製)等があげられる。
また、本発明で用いることのできるグラファイト(b2)も、カーボンブラック(b1)と同様、分散性と導電性に優れたものが好適に用いられる。そのため、好ましいグラファイト(b2)の平均粒子径は、通常1〜300μmであり、好ましくは3〜200μm、さらに望ましくは5〜100μm、特に好ましくは8〜50μmの範囲である。なお、上記「グラファイト(b2)の平均粒子径」は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって求められるものである(以下同じ)。グラファイト(b2)の平均粒子径は、大きすぎても小さすぎても、所望の導電性が得られにくく電磁波抑制効果が低下する傾向がある。
このようなグラファイト(b2)は、天然黒鉛や人造黒鉛を精製・粉砕・分級することによって得られ、その形状は、長さおよび幅が、厚みの3〜500倍である板状のものが好ましい。ここで、「板状」とは、一方向が縮んだ形状を意味し、例えば扁平球状や鱗片状であってもよい。
上記グラファイト(b2)としては、市販品として、例えば、SNEシリーズ,SNOシリーズ,SGPシリーズ,SGDシリーズ,SGXシリーズ,SGLシリーズ,SCNシリーズ,SCLシリーズ(以上、SECカーボン社製)や、鱗状黒鉛粉末(CPシリーズ,CBシリーズ,F#シリーズ),高純度黒鉛粉末(ACPシリーズ,ACBシリーズ,SPシリーズ,HCPシリーズ),人造黒鉛粉末(PAGシリーズ,HAGシリーズ),土状黒鉛粉末,薄片化黒鉛粉末,球状化黒鉛粉末(以上、日本黒鉛工業社製)等があげられる。また、これらの市販品をさらに粉砕し、精密分級してもよい。
本発明において、電磁波抑制物質(B)として、前記カーボンブラック(b1)を単独で用いる場合、その含有量は、樹脂組成物のベースポリマー(A)と電磁波抑制物質(B)の合計100重量部に対して15〜60重量部に設定することが好ましく、より好ましくは20〜55重量部、特に好ましくは25〜50重量部である。すなわち、上記カーボンブラック(b1)の含有量が少なすぎると所望の導電性が得られにくく電磁波抑制効果が低下する傾向があり、多すぎると得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]の強度が低下したりして物理的性能が低下する傾向がある。
また、同様に、電磁波抑制物質(B)として、前記グラファイト(b2)を単独で用いる場合、その含有量は、樹脂組成物のベースポリマー(A)と電磁波抑制物質(B)の合計100重量部に対して5〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは8〜55重量部、特に好ましくは10〜50重量部である。すなわち、少なすぎると所望の導電性が得られにくく電磁波抑制効果が低下する傾向があり、多すぎると得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]の強度が低下したりして物理的性能が低下する傾向がある。
さらに、本発明において、電磁波抑制物質(B)として、カーボンブラック(b1)とグラファイト(b2)とを組み合わせて用いる場合、カーボンブラック(b1)、グラファイト(b2)をそれぞれ単独で用いる場合より導電粒子の充填状態が改善され、所望の導電性が得られやすくなり、電磁波抑制性能が向上する。両者(b1)、(b2)を合計した含有量は、樹脂組成物のベースポリマー(A)と電磁波抑制物質(B)の合計100重量部に対して25〜75重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜70重量部、特に好ましくは40〜60重量部である。両者(b1)、(b2)を合計した含有量が少なすぎると、所望の電磁波抑制性能が得られにくくなる傾向があり、多すぎると、分散性が低下して、得られる電磁波抑制層や電磁波抑制シート[I]の強度が低下したりして物理的性能が低下する傾向がある。
また、カーボンブラック(b1)とグラファイト(b2)を組み合わせて用いる場合、カーボンブラック(b1)とグラファイト(b2)の含有割合(b1/b2)は、10/90〜90/10(重量比、以下同じ)が好ましく、15/85〜85/15がより好ましく、20/80〜80/20がさらに好ましく、25/75〜75/25が特に好ましい。両者(b1)、(b2)の含有割合が、上記範囲から外れると、電磁波抑制効果が低下する傾向がある。
次に、上記ベースポリマー(A)、電磁波抑制物質(B)とともに、本発明の樹脂組成物に含有される誘電性化合物(C)は、比誘電率が2〜30000のものでなければならない。そして、上記比誘電率が5〜15000のものが好ましく、より好ましくは、10〜10000、特に好ましくは50〜8000である。比誘電率が小さすぎると、上記電磁波抑制物質(B)と相俟って優れた電磁波抑制効果を得ることができず、逆に、比誘電率が大きすぎると、比誘電率の温度変化が大きくなり、それに伴い電磁波抑制効果の温度変化が発生するため、使用することができない。
なお、本発明において、「比誘電率」とは、JIS−C2565法に準拠した空洞共振法に従って測定される対象物質の誘電率εと真空の誘電率εの比率ε/ε(23℃)をいう。
そして、上記誘電性化合物(C)は、平均粒子径が、0.001〜10μmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは0.005〜1μm、特に好ましくは0.01〜0.5μmである。すなわち、平均粒子径が小さすぎると取り扱い性が低下する傾向があり、逆に大きすぎると、樹脂中に均一に分散させることが難しくなるおそれがあるからである。なお、上記「誘電性化合物(C)の平均粒子径」は、通常、走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、動的光散乱法、BET比表面積法などによって計測することができる。透過電子顕微鏡で測定する場合、JIS−H7804に準拠して測定することができ、BET比表面積法で測定する場合、JIS−Z8830に準じて比表面積を測定し、平均粒子径d(μm)は比表面積S(m2/g)、密度ρ(g/cm3)より次式(1)で計算できる。
[数1]
d=6/ρS……(1)
上記誘電性化合物(C)の具体例としては、例えば、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄(II)(FeO)、酸化鉄(III)(Fe)、マグネタイト(Fe)、SnO・TiO、ZrTiO、BaTi20、SrNb、SrSnO、(BaxSry)TiO、Ba(ZrxTiy)O、Sr(ZrxTiy)O、チタン酸マグネシウム(MgTiO)、酸化アルミニウム(Al)、RTi(Rはランタノイド元素の一種以上)、CaNb、SrZrO、ZrO−SnO−TiO系材料,BaTi20,(Ba,Sr)(Zr,Ti)O系材料、Ba(Zn,Ta)O系材料、BaO−Nd−TiO−Bi系材料,BaO−Sm−TiO系材料、ペロブスカイト構造のチタン酸鉛(PbTiO)、ペロブスカイト構造のチタンジルコン酸鉛(Pb(Ti,Zr)O)、層状ペロブスカイト構造のBiTi12、単純ペロブスカイト構造の(Ba,Sr,Sn)TiO、有機カチオン含有ポリチタン酸アニオン、有機カチオン含有ポリニオブ酸アニオンおよび有機カチオン含有ポリタンタル酸アニオン、石英、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、フォルステライト、またはそれらの混合体、等の誘電性金属化合物があげられる。また、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸二水素カリウム(KHPO)、リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(CKNaO・4HO)の誘電性非金属化合物もあげられる。これらは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
そして、これらのなかでも、特に、比誘電率が適度に大きいこと、平均粒子径が適度に小さいこと等の理由から、誘電性金属酸化物、フォルステライト等の常誘電体、チタン酸バリウム等の強誘電体が好ましく、結晶構造において電荷が非対称性を示す化合物がより好ましい。そして、平均粒子径の大きさ、入手の容易さから、とりわけ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フォルステライトが好ましい。
上記誘電性化合物(C)の配合量は、ベースポリマー(A)100重量部に対して3〜300重量部であることが好ましく、より好ましくは4〜150重量部、特に好ましくは5〜100重量部である。上記誘電性化合物(C)の配合量が少なすぎると、所望の電磁波抑制性能が得られにくくなる傾向があり、多すぎると分散性が低下して、得られる電磁波抑制シート[I]の強度が低下する傾向があるからである。
また、上記誘電性化合物(C)と電磁波抑制物質(B)との含有割合(C/B)は、1/99〜90/10(重量比、以下同じ)が好ましく、3/97〜70/30がより好ましく、10/90〜50/50が特に好ましい。両者の含有割合(C/B)が、上記範囲から外れると、電磁波抑制効果が低下する傾向がある。
なお、本発明の樹脂組成物には、必須成分である、上記ベースポリマー(A)と、電磁波抑制物質(B)と、誘電性化合物(C)以外に、必要に応じて、各種の任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、難燃剤(例えば、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム等)、有機顔料や無機顔料等の着色剤、光安定剤、耐候安定剤、離型剤等があげられる。
これらの成分を用いた樹脂組成物の調製は、例えば、ベースポリマー(A)と電磁波抑制物質(B)と誘電性化合物(C)に対し、揮発性溶剤、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド等を投入して充分に混練し、これらを均一に分散させることによって行われる。
上記混練は、例えば、高速分散機、縦型分散機、ニーダー、ボールミル、3本ロールミル、ジェットミル、インペラー等を用いて行うことができる。
このようにして、本発明の電磁波抑制用樹脂組成物を得ることができる。
そして、本発明の電磁波抑制層は、上記樹脂組成物を含有する樹脂組成物材料を用いて得ることができる。例えば、上記樹脂組成物を含有する樹脂組成物材料を、各種部材に印刷(スクリーン印刷、インクジェット印刷等)したり、ディッピングしたり、コーティングしたりすることにより、直接に塗布し、乾燥することにより得られる。なお、上記「樹脂組成物を含有する樹脂組成物材料」とは、樹脂組成物材料全体が樹脂組成物からなる場合も含む趣旨である。
上記各種部材としては、配線板(FPC、リジッド配線板、リジッドフレキシブル配線板等)、ケーブル(FFC等)、筐体等があげられる。また、下記のように電磁波抑制粘着シートを作成した後、配線板、ケーブル、筐体等に貼付することによって、電磁波抑制層を得ることもできる。
次に、上記樹脂組成物を用いて、本発明の電磁波抑制シート[I]を得る方法を説明する。その方法として、例えば以下の方法をあげることができる(第1の製法)。
すなわち、まず、図1に示すように、支持フィルム[III]上に、樹脂組成物の溶液を、例えば、ドクターブレードを用いて塗布し、その塗布層を乾燥して電磁波抑制シート[I]を形成する。この製法によれば、片面に支持フィルム[III]が積層された形態の電磁波抑制シート[I]を得ることができる。
上記電磁波抑制シート[I]には、後述する粘着剤層[II]との密着力を高めるため、その表面にサンドブラスト処理等の物理的処理や、火炎処理、コロナ処理、もしくはプラズマ処理等の物理化学的処理、あるいは、プライマー処理等を施すことが好ましい。
本発明において、上記支持フィルム[III]は、電磁波抑制シート[I]の製造時に基材としての役割を果すだけでなく、それ自身の強度・柔軟性によって、電磁波抑制シート[I]の補強・ガイド作用を果すものである。したがって、上記支持フィルム[III]は、特に支障がなければ、製造後も電磁波抑制シート[I]から外すことなく、そのまま電磁波抑制シート[I]と一体的に取り扱われる。
このようにして得られた電磁波抑制シート[I]は、ベースポリマー(A)と、電磁波抑制物質(B)と、特定範囲の比誘電率を有する誘電性化合(C)を含有する樹脂組成物によって形成されているため、透過法でも反射法でも使用することができ、厚みが薄くても、広帯域の周波数にわたって優れた電磁波抑制性能と、優れた柔軟性と、優れた導電性とを備えているのである。そして、透過法でも反射法でも使用することができ、シート厚みをごく薄くすることができ、柔軟性にも優れていることから、屈曲部分やFPC、FFC、筐体等に、支障なく用いることができる。したがって、電磁波対策を施した電気機器や電子機器の、大幅な軽量化を実現することができる。
このような、電気・電子機器の軽量化の観点からすれば、上記電磁波抑制シート[I]の厚み(支持フィルム[III]を含まないシート単独の厚み)は、5〜1000μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは8〜500μm、さらに好ましくは10〜200μm、特に好ましくは15〜100μmの範囲である。かかる厚みが薄すぎると電磁波抑制効果が低下する傾向があり、厚すぎると、軽量化の点で好ましくないだけでなく柔軟性が低下する傾向がある。
そして、上記電磁波抑制シート[I]は、このように、ごく薄いものであっても、上記支持フィルム[III]が補強・ガイド作用を果すため、この、ごく薄い電磁波抑制シート[I]をFPCやFFC、その他各種基板等に貼り付けても、クラックが入ったり、剛直化したりすることなく、電子機器の軽量化を可能にすることができる。
なお、上記の製法において、支持フィルム[III]は、市販の製品フィルムをそのまま用いてもよいし、樹脂材料を塗布し乾燥してフィルム状のものを得るようにしてもよい。また、電磁波抑制シート[I]と支持フィルム[III]は同じ樹脂を用いてもよいし、別の樹脂を用いてもよい。
支持フィルム[III]は単層でも複層でもよく、支持フィルム[III]に用いられる素材としては、用途に応じて従来公知の材料を適宜選択して使用することができる。具体的には、例えば、セロファン、セルロイド、合成紙、アート紙、再帰反射シート、ポリエチレン布状体、クラフト紙、OPPフィルム、PETフィルム、CPPフィルム、あるいは、熱可塑性樹脂等を用いることができる。また、支持フィルム[III]には、後述する粘着剤層[II]との密着力を高めるため、その表面にサンドブラスト処理等の物理的処理や、火炎処理、コロナ処理、もしくはプラズマ処理等の物理化学的処理、あるいは、プライマー処理等を施すことが好ましい。
支持フィルム[III]を形成するための樹脂材料としては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等があげられる。なかでも、ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂またはスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂のいずれかを選択することが好ましい。また、これらは、単独で用いても二種以上を組み合わせてもよい。
そして、上記樹脂材料として用いる樹脂の重量平均分子量は、5万〜100万であることが好ましい。すなわち、その重量平均分子量が小さすぎると、実用物性が得られず、逆に、大きすぎると、溶融粘度や溶剤と溶解した際の粘度が高すぎるため、樹脂層形成の際の成膜加工性が低下する傾向がある。また、樹脂のガラス転移温度は、−20℃以上90℃以下が好ましく、より好ましくは−10℃以上50℃以下である。下限値より低いと得られたシートがブロッキングを起こすおそれがある。
また、支持フィルム[III]の厚みは、3〜200μmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは8〜50μm、特に好ましくは10〜30μmの範囲である。
さらに、本発明の電磁波抑制シート[I](支持フィルム[III]付き)は、次のようにして製造することもできる(第2の製法)。この製法では、図2(a)に示すように、まず、剥離ライナー1の上に、樹脂組成物の溶液を塗布・乾燥して電磁波抑制シート[I]を形成する。そして、図2(b)に示すように、この電磁波抑制シート[I]の上に、支持フィルム[III]を形成した後、図2(c)に示すように、剥離ライナー1を剥離して、支持フィルム[III]付きの電磁波抑制シート[I]を形成する。
上記剥離ライナー1は、その上に電磁波抑制シート[I]を形成した後、後から剥離除去されるものであり、剥離ライナー1側に電磁波抑制シート[I]の一部が残留するようなことがなく、容易に剥離できれば、どのようなものであってもよい。
また、本発明の電磁波抑制シート[I](支持フィルム[III]付き)は、次のようにして製造することもできる(第3の製法)。この製法では、図3(a)に示すように、まず、剥離ライナー1の上に、樹脂組成物溶液を塗布・乾燥して電磁波抑制シート[I]を形成するとともに、支持フィルム[III]の片面に、バインダー樹脂層2を塗布し、このバインダー樹脂層2を介して、支持フィルム[III]を電磁波抑制シート[I]に貼り合わせる。そして、図3(b)に示すように、電磁波抑制シート[I]の、上記貼り合わせ面とは反対側の面から剥離ライナー1を剥離して、支持フィルム[III]付きの電磁波抑制シート[I]を形成する。
上記バインダー樹脂層2に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂(「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの総称、以下同じ)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、天然および合成のシス−1,4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)樹脂、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)樹脂、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)樹脂、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム等があげられる。これらは、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、電磁波抑制シート[I]の引張強度は、0.05〜1000N/cmが好ましく、より好ましくは0.1〜500N/cmである。引張強度が低すぎると、強度が乏しいため実用的でなく、引張強度が高すぎると硬くなりすぎて柔軟なシートが得られにくい傾向がある。なお、上記引張強度は、JIS−K7127に準拠し、23℃、50%RH、引張速度200mm/分にて測定した。
本発明において、電磁波抑制シート[I]の伸度は、5〜1000%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜50%の範囲である。伸度が低すぎると得られるシートの柔軟性、追従性が低下する傾向があり、耐衝撃性も低い傾向となる。一方、高すぎると、伸びが大きすぎるため機械的安定性が低下する。なお、上記伸度は、JIS−K7127に準拠し、23℃、50%RH、引張速度200mm/分にて測定した。
また、本発明の電磁波抑制シート[I]には、その片面または両面に、粘着剤層[II]が積層された、電磁波抑制粘着シートとしてもよい。電磁波抑制シート[I]に粘着剤層[II]を設けておけば、この粘着剤層[II]を利用して、電磁波抑制シート[I]を、随時、目的とする場所に貼付して固定することができる。そして、上記粘着剤層[II]の表面は、例えば図4(a)、(b)に示すように、剥離ライナー[IV]によって被覆しておくことが、取り扱い上、望ましい。また、粘着剤層[II]を利用して電磁波抑制シート[I]を貼付するような用い方をしないものであっても、その片面または両面に積層された粘着剤層[II]を利用して、前述の支持フィルム[III]を貼り合わせるようにしてもよい[図5(a)を参照]。さらに、片方の粘着剤層[II]を利用して支持フィルム[III]を貼り合わせ、他方の粘着剤層[II]を利用して剥離ライナー[IV]を貼り合わせるようにしてもよい[図5(b)を参照]。
上記粘着剤層[II]を形成するための粘着剤としては、粘着シート用の粘着剤として一般に用いられているものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、天然ゴムや合成ゴム等のゴム系粘着剤、SBSブロック共重合体系粘着剤やSISブロック共重合体系粘着剤並びにこれらの水素添加物等のブロック共重合体系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等があげられる。なかでも耐久性や耐候性に優れ、取り扱い時の汚れも少ないアクリル樹脂系粘着剤が好適に用いられる。これらの粘着剤は、単独で用いてもよいし二種類以上を併用してもよい。
このようなアクリル樹脂系粘着剤としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて得られるアクリル系ポリマーが、好適に用いられる。
上記カルボキシル基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のモノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸やこれらのモノエステル等があげられる。
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、アルキル基の炭素数が4〜12程度のものが望ましく、具体的には、n−ブチル(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称である、以下同じ)、イソブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等があげられる。
そして、これらの粘着剤の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、反応型粘着剤、光重合可能なモノマー型粘着剤等のいずれの形態であってもよい。塗工手段や乾燥方法に制限はなく、公知のものを採用できる。また、これらの粘着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、ポリイソシアネート系化合物やアジリジン系化合物、金属キレート系化合物等の架橋剤や、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の一種もしくは二種以上を配合することができる。
上記粘着剤層[II]を形成するための粘着剤の塗布方法は、従来公知の方法を適宜使用することができる。そして、粘着剤層[II]の厚みは、通常、その厚みが3μm〜0.5mm、特には5〜100μm、さらには10〜50μmであることが好ましい。粘着剤層[II]の厚みが薄すぎると、粘着性や凹凸追従性が不充分となる傾向があり、逆に厚すぎると、軽量化の点で好ましくない。しかも、粘着性はもはやそれ以上向上しないにもかかわらず、コスト高となる傾向がある。
なお、電磁波抑制シート[I]に上記粘着剤層[II]が積層され、その上に剥離ライナー[IV]が積層された積層体を得るには、例えば、まず、剥離ライナー[IV]上に粘着剤を塗布・乾燥して粘着剤層[II]を形成し、その上に電磁波抑制シート[I]を貼り合わせる方法(第1の方法)があげられる。また、他の方法として、電磁波抑制シート[I]上に粘着剤を塗布・乾燥して粘着剤層[II]を形成し、その上に剥離ライナー[IV]を貼り合わせる方法(第2の方法)等があげられる。
上記剥離ライナー[IV]としては、粘着剤層[II]から剥離ライナー[IV]を剥離したときに、粘着剤層[II]と接する剥離ライナー[IV]の界面において、容易に剥離ライナー[IV]を剥離することができ、かつ剥離ライナー[IV]の剥離面に粘着剤の残留が少ないことが要求される。ここでいう容易に剥離することが可能なレベルとは、一般的に180度引き剥がし粘着力(JIS−Z0237に準じて剥離速度300mm/分で測定)が0.005N/50mm以上、5N/50mm以下のものをいう。
このような剥離ライナー[IV]としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートや配向したポリプロピレン等の各種プラスチックフィルムまたは紙の上に、シリコーン系あるいは非シリコーン系の剥離剤を塗工したものが好適に用いられる。市販の剥離紙としては、例えば、フィルムバイナシリーズ,バイナシートシリーズ(以上、藤森工業社製)、トーセロセパレーターSPシリーズ(東セロ社製)、スミリーズシリーズ(住化加工紙社製)、セパレート紙(シノムラ化学社製)等があげられる。
また、剥離ライナー[IV]を準備する場合、剥離ライナー[IV]の支持基材としては、全体に対する補強層としての役割を担うことができるものであればどのような材質のものを用いてもよい。例えば、熱可塑性樹脂により構成されたフィルムまたはシート、紙をあげることができ、より具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂;各種ポリアミド系樹脂(いわゆる「ナイロン」等);ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂により構成されたフィルムまたはシート等、半晒、上質紙、グラシン紙等の紙をあげることができ、これらを単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記支持基材の厚みは、全体をより薄いものとする観点から、10〜300μmが好ましく、25〜200μmがより好ましく、50〜150μmがさらに好ましい。かかる厚みが薄すぎると、剥離ライナー[IV]の強度が低下する傾向があり、厚すぎると、打抜き加工性が低下したりコスト高となったりする傾向がある。
なお、粘着剤層[II]を設けた電磁波抑制粘着シートの厚みは、前記電磁波抑制シート[I]および粘着剤層[II]の合計で5〜1500μmであることが好ましく、より好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは20〜100μmである。かかる厚みが薄すぎると、打抜き加工性が低下したり、剥離ライナー[IV]を剥がしたとき破れたりする傾向があり、厚すぎると、軽量化の点で好ましくないだけでなくコスト高となる傾向がある。
また、上記電磁波抑制粘着シートの粘着剤層[II]に、支持フィルム[III]や剥離ライナー[IV]を設けた場合においても、全体の厚みは、10〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは20〜800μm、さらに好ましくは50〜300μmである。
このように、上記電磁波抑制粘着シートも、全体の厚みを薄く設定することができるため、前記電磁波抑制シート[I]と同様、電気・電子機器の筐体内面や外面の複雑な形状、屈曲部分や配線板(FPC、リジッドフレキシブル基板、リジッド基板等)、ケーブル(単線、より線、シールド線、フラットケーブル、FFC等)等に、支障なく貼り付けて用いることができる。したがって、電磁波対策を施した電気・電子機器の、大幅な軽量化を実現することができる。
また、本発明の電磁波抑制シート[I]は、配線板やケーブル、電子素子の上に直接、または間接的に貼り付けて使用する透過法だけでなく、筐体やシールドケース等の金属製の反射板に貼り付けて使用する反射法に用いることも可能である。上記反射法での使用の場合、例えば図6(a)に示すように、反射板3と電磁波抑制シート[I]との間に誘電体層4を設け、吸収する周波数に合わせてそれらの厚みを調整して使用することができる。なお、図6において、太矢印は、電磁波の向きを示している。
そして、上記反射法での使用において、電磁波抑制シート[I]、誘電体層4は、それぞれ単層で用いても複数の層を積層してもよく、積層する場合、複数の電磁波抑制シート[I]、複数の誘電体層4は、それぞれの厚みや組成が互いに同一であっても異なっていてもよい。ちなみに、厚みの異なる二種類の電磁波抑制シート[I]、[I′]と、同じく厚みの異なる誘電体層4、4′を組み合わせた例を、図6(b)に示す。
上記誘電体層4、4′としては、誘電性を備えたフィルムやシートが用いられ、例えば、ゴムシート、シリコーンゴムシート、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、発泡ポリスチレン、ガラス等、種々の材料のものを使用することができる。
また、上記反射板3としては、電磁波を全反射するものが用いられ、例えば、金属板や金属箔、金網、メッキ布、メッキ不織布、金属棒、導電性フィルム、蒸着フィルム等が好適に用いられる。
以下、実施例および比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例において用いた各材料の詳細を以下に示す。
<ベースポリマーA>
(a1)
・ポリウレタン系樹脂1:レザミンME−3412LP(大日精化工業社製)
100%モジュラス 4MPa
・ポリウレタン系樹脂2:クリスボン5116ELD(DIC社製)
100%モジュラス 1.5MPa
(a2)
・スチレン系熱可塑性エラストマー1:タフテックH1043
(SEBS、スチレン含有量:67重量%、旭化成ケミカルズ社製)
・スチレン系熱可塑性エラストマー2:タフテックP5051
(SBBS、スチレン含有量:47重量%、旭化成ケミカルズ社製)
<電磁波抑制物質B>
(b1)
・カーボンブラック1:ケッチェンブラックEC300J(ライオン社製)
平均粒子径40nm
・カーボンブラック2:♯3030B(三菱化学社製)
平均粒子径55nm
(b2)
・グラファイト1:UP−15N(日本黒鉛工業社製)
平均粒子径15μm
・グラファイト2:PAG−5(日本黒鉛工業社製)
平均粒子径30μm
<誘電性化合物C>
・酸化チタン1:SR−1(堺化学社製)
比誘電率(ε)114、平均粒子径0.26μm(電子顕微鏡)
・酸化チタン2:RTTMIBK20WT%−H36(CIKナノテック社製)
比誘電率(ε)61、平均粒子径0.036μm(電子顕微鏡)
・チタン酸バリウム:(堺化学社製)
比誘電率(ε)1700、平均粒子径0.25μm(電子顕微鏡)
・フォルステライト:(日産化学工業社製)
比誘電率(ε)10、平均粒子径0.05μm(BET表面積)
<分散剤>
・高分子量ポリエステル酸アマイドアミン塩系分散剤:ディスパロンDA703−50
(楠本化成社製)
[実施例1]
ベースポリマー(A)として上記ポリウレタン系樹脂1を用い、このベースポリマー(A)51重量部(固形分)に、電磁波抑制物質(B)として上記カーボンブラック1を8重量部およびグラファイト1を32重量部、誘電性化合物(C)として上記酸化チタン1を9重量部、さらには上記分散剤を12重量部(固形分)、トルエン85重量部、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)15重量部、メチルエチルケトン(MEK)80重量部を加え、ビーズミルおよびメディアとして粒子径1mmのジルコニア粒子を用いてビーズミル処理を6時間行い、電磁波抑制用樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、支持フィルム[III]である易接着処理されたPETフィルム「帝人デュポンフィルム社製、テイジンテトロンフィルム25μm厚HPE」の易接着処理面に流延塗布し、80℃で5分乾燥して、厚み50μmの電磁波抑制シート[I]を形成した。
一方、剥離ライナー[IV](住化加工紙社製、SLK−80KCT)の上に、2−エチルヘキシルアクリレート(HA)/ブチルアクリレート(BA)/アクリル酸(AA)(重量比:10/88/2、重量平均分子量65万、ガラス転移温度−55℃)の共重合体からなるアクリル系樹脂の溶液(50重量%酢酸エチル、トルエン混合液)100重量部と、架橋剤としてイソシアネート化合物(トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートの三量体付加物、55重量%酢酸エチル溶液)2重量部とを充分に混合したアクリル系粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが約25μmとなるように塗布した。そして、100℃で1分間熱風循環式乾燥機にて乾燥し、ラミネートロールを用いて上記電磁波抑制シート[I]の上に貼り合わせ、23℃、65%RHの条件で7日間エージングさせることにより、粘着剤層[II]を形成し、電磁波抑制粘着シート(粘着剤層[II]、剥離ライナー[IV]付き)を得た。
[実施例2〜5および8〜23、比較例1]
用いる材料と配合組成を表1〜5に示すように変えた。それ以外は、実施例1と同様にして、電磁波抑制粘着シート(粘着剤層[II]、剥離ライナー[IV]付き)を得た。
[実施例6]
ベースポリマー(A)として前記スチレン系熱可塑性エラストマー1を用い、このベースポリマー(A)51重量部をトルエン119重量部に溶解した溶液に、電磁波抑制物質(B)として前記カーボンブラック1を8重量部およびグラファイト1を32重量部、誘電性化合物(C)として前記酸化チタン1を9重量部、さらには前記分散剤を12重量部(固形分)、トルエン85重量部、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)15重量部、メチルエチルケトン(MEK)80重量部を加え、ビーズミルおよびメディアとして粒子径1mmのジルコニア粒子を用いてビーズミル処理を6時間行い、電磁波抑制用樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を支持フィルム[III]である易接着処理されたPETフィルム「帝人デュポンフィルム製、テイジンテトロンフィルム25μm厚HPE」の易接着処理面に流延塗布し、80℃で5分乾燥して、厚み50μmの電磁波抑制シート[I]を形成した。
一方、剥離ライナー[IV](住化加工紙社製、SLK−80KCT)の上に、2−エチルヘキシルアクリレート(HA)/ブチルアクリレート(BA)/アクリル酸(AA)(重量比:10/88/2、重量平均分子量65万、ガラス転移温度−55℃)の共重合体からなるアクリル系樹脂の溶液(50重量%酢酸エチル、トルエン混合液)100重量部と、架橋剤としてイソシアネート化合物(トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートの三量体付加物、55重量%酢酸エチル溶液)2重量部とを充分に混合したアクリル系粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが約25μmとなるように塗布した。そして、100℃で1分間熱風循環式乾燥機にて乾燥し、ラミネートロールを用いて上記電磁波抑制シート[I]の上に貼り合わせ、23℃、65%RHの条件で7日間エージングさせることにより、粘着剤層[II]を形成し、電磁波抑制粘着シート(粘着剤層[II]、剥離ライナー[IV]付き)を得た。
[実施例7]
ベースポリマー(A)として、スチレン系熱可塑性エラストマー2を用いた。それ以外は、実施例6と同様にして、電磁波抑制粘着シート(粘着剤層[II]、剥離ライナー[IV]付き)を得た。
上記実施例品、比較例品を得る過程で、シート状に成形する前の樹脂組成物の物性について、下記の項目について測定、評価を行い、その結果を後記の表1〜表5に示した。また、得られた実施例品、比較例品に対し、後記の評価項目について測定、評価を行い、後記の表1〜表5に併せて示した。
<樹脂組成物の物性>
[粘度]
JIS−Z8803に準拠し、B型回転粘度計にて、25℃、60rpmにおける粘度を測定した。
[不揮発分]
JIS−K5601−1−2に準拠し、試料約1gを温度125℃で3時間加熱した後の加熱残分を測定した。
[ポットライフ]
組成物溶液を23℃、7日間密閉状態で放置した後の状態を、次の基準に従って評価した。
◎‥‥外観、粘度とも殆ど変化なし。
○‥‥外観変化ないが、やや粘度上昇。
△‥‥外観変化ないが、粘度上昇大(流動性はあり)。
×‥‥粘度上昇きわめて大(流動性なし)、またはゲル化。
<実施例品、比較例品の評価>
[柔軟性]
JIS−P8115に準拠し、作製した電磁波抑制シート[I]を10000回屈曲した。そして、屈曲後の表面の状態を見てシワ、クラックの形状を観察し、以下の基準に従って評価した。
〇:表面にシワやクラックがない。
△:表面にシワが僅かにあり、クラックはない。
×:表面にシワがはっきりわかり、クラックが発生している。
[粘着力]
JIS−Z0237に準拠し、作製した電磁波抑制粘着シートをステンレス304鋼板で鏡面仕上げのものに圧着し、23℃、50%RHで、24時間後の180度引き剥がし試験を行い、粘着力を測定した。
[表面抵抗率]
JIS−K7194に準拠し、四端子四探針法にて電磁波抑制シート[I]の表面の、表面抵抗率を測定した。
[放射抑制率]
IEC62431に従い、ベクトルネットワークアナライザ、および、電波送信、受信アンテナにホーンアンテナを用い、アンテナ間距離が50cmとなるように設置し、送信および受信アンテナ間に、発泡倍率70倍の発泡スチロール製スペーサーに貼付した電磁波抑制粘着シートを設置した。そして、電波暗室内で自由空間法にて透過係数S21を測定した。その後、電磁波抑制粘着シートを取り除き、上記と同様にスペーサー単独のS21を測定し、電磁波抑制粘着シートがある場合とない場合とのS21の差から放射抑制率を求めた。放射抑制率の値は、発生する周波数やその強さにもよるため一概に決められる値ではないが、2.4G〜2.5GHz、5G〜6GHz、7〜8.5GHzの各周波数において、10dB以上であることが好ましい。
[伝送減衰率]
IEC62333に従い、マイクロストリップラインに電磁波抑制粘着シートを貼付し、ベクトルネットワークアナライザにより反射係数S11および透過係数S21を測定し、伝送減衰率Rtp値を求めた。伝送減衰率の値は発生する周波数やその強さにもよるため一概に決められる値ではないが、1G〜3GHz、5G〜6GHz、7〜8.5GHzの各周波数において、20dB以上であることが好ましい。
[反射減衰量]
IEC62431に従い、ベクトルネットワークアナライザ(VNA)、電波送・受信アンテナに一つのホーンアンテナおよび反射板として厚さ1mmのアルミ板を用い、アンテナ/反射板間距離が50cm、入射角度0°となるように垂直に配置し、発泡倍率70倍の発泡スチロール製誘電体層に貼付した電磁波抑制粘着シートを、抑制シートが反射板の反対面になるように設置した。次に、誘電体層の厚みを2.4G〜3.4GHzでは100mm、4G〜4.5GHzでは60mm、5G〜6GHzでは40mmに調整し、電波暗室内で自由空間法にて反射係数S11を測定した。その後、電磁波抑制粘着シートを取り除き、上記と同様にして誘電体層単独のS11を測定し、電磁波抑制粘着シートがある場合とない場合とのS11の差から反射減衰量を求めた。反射減衰量の値は、発生する周波数やその強さにもよるため一概に決められる値ではないが、2.4G〜3.4GHz、4G〜4.5GHzおよび5G〜6GHzの各周波数において、10dB以上であることが好ましい。
Figure 2017112253
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Figure 2017112253
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上記の結果から、電磁波抑制物質(B)と誘電性化合物(C)を併用しても、樹脂組成物の物性に支障が生じることがなく、実用上問題ないことがわかる。そして、これらの樹脂組成物から得られる実施例品は、いずれの項目についても優れた評価を得ているのに対し、誘電性化合物(C)を用いていない比較例品は柔軟性が劣っていることがわかる。また、放射抑制率、伝送減衰率も、7GHz以上の周波数帯域で劣っており、反射減衰量では5GHz以上の周波数帯域で劣っていることがわかる。
本発明の電磁波抑制層、電磁波抑制シートおよび電磁波抑制粘着シートは、透過法でも反射法でも使用することができ、電磁波抑制性能に優れ、しかも柔軟で、屈曲部分やFPC、FFCに用いても、クラックが入ったり剛直化したりすることなく、電子・電子機器の軽量化を実現にすることができる。特に、本発明の電磁波抑制シートや電磁波抑制粘着シートは、配線板(FPC、リジッド配線板、リジッドフレキシブル配線板等)、ケーブル(FFC等)、筐体等に貼付して使用することができる。また、本発明の電磁波抑制層は、本発明の樹脂組成物を用いて、これらの部材に直接形成して使用することができる。

Claims (9)

  1. ベースポリマー(A)、電磁波抑制物質(B)および比誘電率2〜30000の誘電性化合物(C)を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする電磁波抑制シート。
  2. 誘電性化合物(C)の平均粒子径が0.001〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の電磁波抑制シート。
  3. 誘電性化合物(C)が誘電性金属化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の電磁波抑制シート。
  4. 誘電性化合物(C)が誘電性金属酸化物であることを特徴とする請求項3記載の電磁波抑制シート。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の電磁波抑制シート[I]の片面または両面に粘着剤層[II]が積層されてなることを特徴とする電磁波抑制粘着シート。
  6. 電磁波抑制シート[I]の片面または両面に粘着剤層[II]が積層され、その積層された電磁波抑制シート[I]と粘着剤層[II]の積層体の片面または両面に支持フィルム[III]が積層されてなることを特徴とする請求項5記載の電磁波抑制粘着シート。
  7. 電磁波抑制シート[I]の片面また両面に粘着剤層[II]が積層され、上記粘着剤層[II]の露出面に、剥離ライナー[IV]が積層されてなることを特徴とする請求項5または6記載の電磁波抑制粘着シート。
  8. ベースポリマー(A)、電磁波抑制物質(B)および比誘電率2〜30000の誘電性化合物(C)を含有することを特徴とする電磁波抑制用樹脂組成物。
  9. 請求項8記載の電磁波抑制用樹脂組成物を含有してなることを特徴とする電磁波抑制層。
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