JP2003277674A - 水性被覆用組成物 - Google Patents

水性被覆用組成物

Info

Publication number
JP2003277674A
JP2003277674A JP2002081764A JP2002081764A JP2003277674A JP 2003277674 A JP2003277674 A JP 2003277674A JP 2002081764 A JP2002081764 A JP 2002081764A JP 2002081764 A JP2002081764 A JP 2002081764A JP 2003277674 A JP2003277674 A JP 2003277674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
monomer
coating composition
polymer particles
aqueous coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002081764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4245853B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Maeyama
吉寛 前山
Nobuo Nakagawa
信夫 中川
Masami Uemae
昌巳 上前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP2002081764A priority Critical patent/JP4245853B2/ja
Priority to AU2003221172A priority patent/AU2003221172A1/en
Priority to TR2003/02293T priority patent/TR200302293T1/xx
Priority to US10/479,460 priority patent/US7163978B2/en
Priority to PCT/JP2003/003442 priority patent/WO2003080750A1/ja
Publication of JP2003277674A publication Critical patent/JP2003277674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4245853B2 publication Critical patent/JP4245853B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D121/00Coating compositions based on unspecified rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L33/04Homopolymers or copolymers of esters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】厚い塗膜でも乾燥工程でフクレやクラックを生
じず、また比較的薄い塗膜でも優れた耐チッピング性を
有し、且つ鉛フリーの金属基材に対しても優れた密着性
を有すると共に、塗装残液のリサイクル使用も可能な水
性被覆組成物の提供。 【解決手段】ガラス転移温度が−20℃以下の合成ゴム系
重合体粒子(A)及び、ガラス転移温度が0℃以下のアク
リル系重合体粒子(B)をそれぞれ特定量範囲含有する重
合体微粒子、並びに無機質充填剤が水性媒体中に分散さ
れてなる水性被覆用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、マスチック塗
料、防音塗料、防振塗料、コーキング材等として用いら
れる水性被覆用組成物に関し、さらに詳しくは、特に、
車輛類、殊に自動車の床裏、タイヤハウス、シャーシ
ー、ガソリンタンク、サスペンション等の室外板金加工
部材の飛石などによる擦傷、いわゆる「チッピング」か
ら該板金加工部材を保護するために使用される、耐チッ
ピング性、金属加工部材への密着性、塗膜の均一性及び
平滑性、耐水性、耐ガソリン性、耐衝撃性、防音性など
の諸性能に優れ、さらに一度塗装に用いた後の残液を廃
棄することなく、新規な水性組成物をつぎ足して使用す
ることのできる(以下、このような性質をリサイクル性
ということがある)、合成ゴム系重合体粒子及びアクリ
ル系重合体粒子の混合物をベースとする耐チッピング性
水性被覆用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車などの車輛類の室外
板金加工部材に用いられる水性の耐チッピング用被覆剤
として、ゴム系ラテックスやアクリル系共重合体エマル
ジョンなどの水性樹脂分散液をビヒクルとし、炭酸カル
シウム、タルクなどの無機質充填剤を配合したものが知
られている。これらの被覆剤は、適宜増粘されてエアレ
ススプレー等の手段により金属基材に塗工されることが
多い。
【0003】このような水性被覆剤に要求される性質と
しては、該被覆剤が塗装に適した粘度及び粘性に調整で
きること;一回の塗工で比較的厚い塗膜を形成させるこ
とができ、且つその乾燥に際して形成される塗膜にフク
レやクラックが生じないこと;形成される塗膜が板金加
工部材(金属基材)に対して優れた密着性を有するこ
と;形成された塗膜が高いゴム弾性を有して耐チッピン
グ性に優れており、仮に塗膜に傷が付いても下地の金属
基材の錆の発生を極力防止しうること;塗膜が寒冷地な
どの低温条件下においても十分な耐衝撃性を保持するこ
と;特に最近の環境への配慮や厳しい経済情勢に鑑み
て、塗装後、塗装ブースの壁面などにかなり多量に付着
した塗装剤の回収して、新たな塗装剤を添加することに
より再使用することが可能で、所謂、リサイクル性に優
れていること。これにより塗装剤の利用効率を高めるこ
とができ、塗装ブースの洗浄に伴う排液の量を減少させ
及び/又は濃度を低下させることができ、排液処理に掛
かる経費が削減できること;などがある。
【0004】これら前記の水性被覆剤のうち、アクリル
系共重合体水性樹脂分散液をベースとしたものは、例え
ば、特開昭53−64287号公報、特開昭59−75954号公報、
特開昭62−230868号公報、特開昭63−10678号公報、特
開昭63−172777号公報などに開示されている。
【0005】これらのアクリル系水性被覆剤は、一般に
比較的良好な粘度特性を示し、前記のエアレススプレー
塗工性にも優れており、一回の塗工で比較的厚い塗膜を
形成させることが可能であり、またしばしばある程度の
リサイクル性を具備してはいるものの、一般に板金加工
部材への密着性が必ずしも十分であるとはいい難いもの
が多い。そして特に最近では、自動車等の製造に際して
従来から使用されてきた板金加工部材の金属基材である
鉛−錫合金メッキ鋼板(所謂タンシート鋼板)の使用
が、鉛の毒性の観点から問題視され、代わりにアルミニ
ウムメッキ鋼板、錫−亜鉛メッキ鋼板などが使用される
ようになってきているが、これらの金属基材は、従来の
タンシート鋼板に比較して被覆剤の密着性が不十分とな
りがちで、従来のアクリル系共重合体水性樹脂分散液を
ベースとした水性被覆剤では、このような金属基材に対
する密着性は極めて劣悪なものとなることが多い。
【0006】一方、ビヒクルとしてゴム系ラテックスを
用いた耐チッピング用水性被覆剤が、例えば、特開昭57
−180617号公報、特開昭59−75954号公報、特開昭59−1
29213号公報などに開示されている。
【0007】しかしながら、これら公報に記載されたラ
テックスを用いた耐チッピング用水性被覆剤は、その塗
工に際してその粘性のため一回の塗工で厚い塗膜を形成
することが容易ではなく、その点の改良のため増粘する
と、今度はその粘度挙動に問題があって、スプレー塗装
などによる均質な塗膜の形成が容易ではなく、特に縦に
した基材に対する塗工では形成されたばかりの塗膜が滑
って落ちてしまうスリップ現象が起こりやすいなどの問
題がある。またラテックス系の耐チッピング用水性被覆
剤では、一般にその機械的安定性が不十分であるものが
多く、リサイクル性はほとんど期待できない。
【0008】また、ビヒクルとしてゴム系ラテックスに
他の共重合体を配合したものを用いた耐チッピング用水
性被覆剤も知られており、例えば、特開昭54−52139号
公報には、ビヒクルとして、スチレン−ブタジエン共重
合樹脂に、塩化ビニル−酢酸ビニル−不飽和二塩基酸共
重合体樹脂及び低分子液状ポリマーそれぞれ特定量配合
したものを用いることが提案されている。
【0009】しかしながら、上記公開公報の実施例にお
いては、塩化ビニル−酢酸ビニル−不飽和二塩基酸共重
合体樹脂として粉末形状のものが用いられているが、該
共重合体樹脂粉末は分散が容易でなく、得られる塗膜は
板金加工部材に対して密着性が十分ではなく、耐チッピ
ング性も不十分であることがわかった。
【0010】さらに、例えば、特開平2−28269号公報
では、耐チッピング用水性被覆剤における基体樹脂(ビ
ヒクル成分)として、スチレン、ブタジエン及びアクリ
ル系モノマーのエマルジョン重合により形成される、ガ
ラス転移温度が0℃以下で且つブタジエン含量が共重合
体100重量部当たり5〜50重量部である共重合体を用い
ることが提案されている。
【0011】しかしながら、上記公開公報の実施例によ
れば、上記基体樹脂は、スチレン−ブタジエンゴムラテ
ックスの存在下にアクリル系モノマーを乳化重合して調
製されているが、本発明者らが該実施例に記載の方法に
従って共重合体の調製を試みたところ、スチレン−ブタ
ジエンゴムラテックスの存在下でのアクリル系モノマー
の乳化重合時に、該ゴムラテックス中のブタジエン単位
に由来する残存二重結合に対してアクリル系モノマーが
グラフト重合するため、所望とするゴム弾性をもつ共重
合体が得られず、固くて脆い共重合体が得られるのみで
あった。
【0012】さらにまた、自動車部品のうちシャーシ
ー、ガソリンタンク、サスペンション等のボディー以外
の部品への耐チッピング用被覆剤の塗装は、一般にボデ
ィーの塗装ラインとは別のラインで行われるが、特に最
近では自動車製造コストの低減化を目的に、該塗装ライ
ンの塗装被膜焼付温度を、例えば100℃以下などの比較
的低温とする試みがなされており、この場合、フクレ発
生の問題はほとんど回避できるという利点があるもの
の、該被覆剤のこれら部品に対する密着性が一層低下す
るという問題点があることも判明した。
【0013】
【発明が解決すべき課題】本発明者らは、塗装後の残液
のリサイクル性に優れていること;エアレススプレーな
どによる塗工性に優れていること;均一で平滑な塗膜が
得られること;得られる塗膜の金属基材、従来からの鉛
−錫合金メッキ鋼板(タンシート鋼板)は元より、最近
多用されるようになったアルミニウムメッキ鋼板、錫−
亜鉛メッキ鋼板などの金属基板に対しても優れた密着性
を有すること;優れた、常態、耐水性及び耐溶剤性の耐
チッピング性を有すること;などの耐チッピング用被覆
剤としての諸特性をバランスよく兼備する水性被覆用組
成物を提供することを目的に鋭意研究を行った。
【0014】その結果、水性被覆用組成物のビヒクル成
分として、共役ジオレフィン、例えばブタジエンに、メ
チルメタクリレート、アクリロニトリル、スチレンなど
を共重合した、ガラス転移温度(Tg)が−20℃以下、例
えば−40℃程度の合成ゴム系重合体水性分散液を用い、
これにTgが0℃以下、例えば−30℃程度のアクリル系重
合体水性分散液を特定量併用することにより、前記の課
題をことごとく解決することができることを見出し、本
発明を完成した。
【0015】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、水性媒体中に分散された重合体微粒子と無機質充填
剤とを含有してなる水性被覆用組成物であって、該重合
体微粒子が、
【0016】(A) 共役ジオレフィン単量体に由来する繰
返し単位を50〜90重量%含有するガラス転移温度が−20
℃以下の合成ゴム系重合体粒子 50〜90重量%、及び
【0017】(B) アクリル酸エステル及び/又はメタク
リル酸エステルに由来する繰り返し単位を50重量%以上
含有するガラス転移温度が0℃以下のアクリル系重合体
粒子10〜50重量%を含有してなることを特徴とする水性
被覆用組成物が提供される。
【0018】なお、本明細書において、「水性媒体中に
分散された重合体微粒子」、「合成ゴム系重合体粒子」
及び「アクリル系重合体粒子」なる表現は、水性媒体中
に分散された重合体の微粒子であって、その平均粒子径
が、通常1000nm以下、好ましくは50〜800nm程度の分散
粒子をいい、必ずしも乳化重合によって得られる重合体
粒子だけを意味するものではない。
【0019】以下、本発明の水性被覆用組成物について
もさらに詳細に説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】
【0021】〔合成ゴム系重合体粒子(A)〕本発明の水
性被覆用組成物におけるビヒクルの必須成分である合成
ゴム系重合体粒子(A)は、共役ジオレフィンに由来する
繰返し単位を、合成ゴム系重合体の重量を基準にして50
〜90重量%、好ましくは50〜75重量%、さらに好ましく
は55〜80重量%の割合で含有するゴム弾性をもつ共重合
体から構成されるものである。
【0022】このような合成ゴム系重合体は、それ自体
既知の合成ゴム系重合体ラテックスの製造法と同様の方
法に従い、例えば、
【0023】(a1) 共役ジオレフィン系単量体と、(a2)
メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニル単量体及
び/又は芳香族ビニル単量体を、好ましくは、(a3) 分
子内にカルボキシル基を有する単量体(以下、カルボキ
シル基含有単量体ということがある)、及び、さらに必
要に応じて、(a4) 他の共重合可能な単量体、と共に、
加圧下に水性乳化重合することにより形成せしめること
ができる。
【0024】上記共役ジオレフィン系単量体(a1)として
は、例えば、ブタジエン、インプレン、クロロプレン等
から選ばれる1種又は2種以上の単量体が挙げられ、特
にブタジエンが好適である。
【0025】共役ジオレフィン系単量体(a1)の共重合量
は、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基づい
て、一般に50〜90重量%、さらには55〜80重量%、特に
は60〜70重量%であることが好ましい。該共重合量が該
上限値以下であれば、十分なゴム弾性を有する塗膜が得
られるので好ましく、一方該下限値以上であれば該塗膜
の基材への密着力が十分なものとなるので好ましい。
【0026】また、前記メタクリル酸エステル単量体、
シアン化ビニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a
2)において、メタクリル酸エステル単量体としては、例
えば、メチルメタクリレート等を例示することができ、
シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等を例示することができ、ア
クリロニトリルの使用が好ましい。さらに芳香族ビニル
単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等が挙げら
れ、スチレンの使用が好ましい。
【0027】これらメタクリル酸エステル単量体、シア
ン化ビニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)
は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用する
ことができるが、得られる塗膜の基材への密着性及びゴ
ム弾性の優秀さ等の観点から、2種以上組み合わせて使
用することが好ましく、3種以上組み合わせて使用する
ことがさらに好ましい。また該単量体成分(a2)の中に
は、必須成分としてメタクリル酸エステル単量体(特に
メチルメタクリレート)が含有されていることが好まし
い。
【0028】これらの単量体(a2)の共重合量は、合成ゴ
ム系重合体粒子の重量100重量%に基づいて、合計で、
一般に10〜50重量%、さらには20〜40重量%、特には25
〜35重量%の範囲であることが好ましい。該共重合量が
該上限値以下であれば、十分なゴム弾性を有する塗膜が
得られるので好ましく、一方該下限値以上であれば、該
塗膜の基材への密着性が十分なものとなるので好まし
い。
【0029】さらに、好適な場合において用いられるカ
ルボキシル基含有単量体(a3)には、遊離の形態又は塩も
しくは無水物の形態でありうるカルボキシル基を1分子
中に1又は2個有するα,β-エチレン性不飽和単量体が
包含され、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸等の炭素数3〜5のα,β-不飽和モノカルボン酸;
シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の
炭素数4〜5のα,β-不飽和ジカルボン酸又はそれらの
無水物もしくは炭素数1〜12のモノアルキルエステル
(例えば、モノエチルエステル、モノ-n-ブチルエステ
ルなど);或いはこれらカルボン酸の塩(例えばアンモ
ニウム塩、アルカリ金属塩など)を例示することができ
る。これらの単量体もそれぞれ単独で又は2種以上組み
合わせて使用することができる。これらのカルボキシル
基含有単量体のうち、特に好適に使用しうるものとして
は、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸を挙げる
ことができる。
【0030】上記のカルボキシル基含有単量体(a3)の共
重合量は、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基
づいて、一般に0.3〜10重量%、さらには1〜7重量
%、特には2〜5重量%の範囲であることが好ましい。
該共重合量が該上限値以下であれば、得られる塗膜の耐
水性が十分なものとなるので好ましく、一方該下限値以
上であれば、エアレススプレーなどによる塗工性に優れ
ており、また塗料時に必要となる十分な機械的安定性が
得られるので好ましい。
【0031】本発明で使用される合成ゴム系エマルジョ
ン重合体粒子は、以上に述べた共役ジオレフィン系単量
体(a1)と、メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニ
ル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)を必須の単
量体成分とし、これにさらに好ましくはカルボキシル基
含有単量体(a3)を組み合わせて共重合させることによっ
て製造することができるが、合成ゴム系重合体ラテック
スの製造に際してしばしば行われているように、必要に
応じてさらに、前記単量体(a1)〜(a3)と共重合可能で該
単量体(a1)〜(a3)以外の単量体(a4)〔以下、単に共単量
体(a4)ということがある〕を共重合させることもでき
る。
【0032】そのような共単量体(a4)としては、例えば
次のものが挙げられる。 アクリル酸エステル及び前記単量体(a2)以外のメタ
クリル酸エステル:例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、n-オクチルアクリレート、イソオクチルア
クリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、イソノニ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタク
リレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタ
クリレート、n-ドデシルメタクリレートなどのアクリル
酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエス
テル。
【0033】 架橋性官能基を少なくとも1個含有す
るラジカル重合性不飽和単量体:例えば、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-
メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルア
ミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド、N-i-ブトキ
シメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミ
ド、N-メチルアクリルアミド等のアミド基もしくは置換
アミド基含有単量体;例えば、アミノエチルアクリレー
ト、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジエ
チルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタク
リレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量
体;
【0034】例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、アリルアルコール、メタリルアルコール、ポリ
エチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレート等のヒドロキシル基含有単
量体;
【0035】例えば、2-メトキシエチルアクリレート、
2-エトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエチルア
クリレート、2-メトキシエトキシエチルアクリレート、
2-エトキシエトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシ
エトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタク
リレート、2-エトキシエチルメタクリレート、2-n-ブト
キシエチルメタクリレート、2-メトキシエトキシエチル
メタクリレート、2-エトキシエトキシエチルメタクリレ
ート、2-n-ブトキシエトキシエチルメタクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メト
キシポリエチレングリコールモノメタクリレート等の低
級アルコキシル基含有単量体;
【0036】例えば、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリ
シジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体;ア
リルメルカプタン等のメルカプト基含有単量体;
【0037】例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニル
トリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリ-n-プロポキシシラ
ン、ビニルトリ-i-プロポキシシラン、ビニルトリ-n-ブ
トキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリス(2-ヒドロキシメトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシ
ラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチル
ジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビ
ニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシ
ラン、アリルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(2
-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジ
メチルエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、2-アクリルアミドエチルトリエトキ
シシラン等の珪素含有基を有する単量体;
【0038】例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタ
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の2個
以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等。
【0039】以上述べた共単量体(a4)の共重合量は、合
成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基づいて、一般
に0〜20重量%、さらには0〜15重量%、特には0〜10
重量%の範囲であることが好ましい。該共重合量が該上
限値以下であれば、得られる塗膜のゴム弾性及び基材密
着性が優れているので好ましい。
【0040】合成ゴム系重合体粒子(A)は、以上に述べ
た単量体成分(a1)〜(a4)を、それ自体既知の合成ゴム系
ラテックスの製造法と同様に、界面活性剤の存在下且つ
必要に応じて保護コロイドの共存下に水性媒体中で、約
30〜約100℃、好ましくは約40〜約90℃の温度で、通常
加圧下に、乳化重合することにより製造することができ
る。
【0041】界面活性剤としては、非イオン系、陰イオ
ン系、陽イオン系又は両性のいずれのタイプの界面活性
剤でも使用することができる。
【0042】非イオン界面活性剤として、例えば、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキル
エーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフエ
ノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノール
エーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフエノール
エーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等
のソルビタン脂肪酸エステル類;
【0043】例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪
酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオ
キシアルキレン脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸
モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の
グリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポ
リオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を挙げる
ことができる。
【0044】陰イオン界面活性剤としては、例えば、ス
テアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホ
ン塩酸類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキ
ル硫酸エステル塩類:例えば、モノオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリ
ウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘
導体類;例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエー
テル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノ
ニルフエノールエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシ
アルキレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩
類:等を例示することができる。
【0045】また陽イオン界面活性剤としては、例え
ば、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;
例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の
第4級アンモニウム塩;ポリオキシエチルアルキルアミ
ン;等が挙げられ、さらに両性界面活性剤としては、例
えば、ラウリルベタインなどのアルキルベタイン等を挙
げることができる。
【0046】さらに、これらの界面活性剤のアルキル基
の水素の一部をフッ素で置換したもの;これら界面活性
剤の分子構造中にラジカル共重合性不飽和結合を有す
る、いわゆる反応性界面活性剤;等も使用することがで
きる。
【0047】これらの界面活性剤のうち、乳化重合時の
凝集物発生の少なさなどの観点より、非イオン界面活性
剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
類、ポリオキシアルキレンアルキルフエノールエーテル
類;そして陰イオン界面活性剤としては、アルキルアリ
ールスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスル
ホコハク酸エステル塩及びその誘導体類、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキ
シアルキレンアルキルフエノールエーテル硫酸エステル
塩類;等を使用することが好ましい。これらの界面活性
剤はそれぞれ単独で又は適宜組み合わせて使用すること
ができる。
【0048】これらの界面活性剤の使用量は、用いる界
面活性剤の種類等に応じて変えうるが、一般には、合成
ゴム系重合体粒子の重量100重量部に基づいて、すなわ
ち単量体成分(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して約0.1
〜約10重量部の範囲内とすることができるが、水性乳化
重合の重合安定性、生成する合成ゴム系重合体粒子の水
性分散液(以下、合成ゴム系重合体エマルジョンという
ことがある)の貯蔵安定性及び耐チッピング性水性被覆
用組成物に用いたときの、板金加工部材などの基材との
密着性の優秀さ等の観点から、約1〜6重量部、特には
約1〜4重量部の範囲内で用いるのが好ましい。
【0049】また、合成ゴム系重合体粒子の製造におい
て使用することができる保護コロイドとしては、例え
ば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース塩等のセルロース誘導体;例えば、グアー
ガムなどの天然多糖類;などが挙げられる。
【0050】これら保護コロイドの使用量もまた厳密に
制限されるものではなく、その種類等に応じて変えるこ
とができるが、通常前記単量体成分(a1)〜(a4)の合計10
0重量部に対して0〜3重量部程度の量を例示すること
ができる。
【0051】前記単量体成分(a1)〜(a4)の乳化重合は、
重合開始剤を用いて行なわれる。使用しうる重合開始剤
として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類;例えば、t-ブチ
ルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシ
ド、p-メンタンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化
物類;過酸化水素:などが挙げられ、これらは一種のみ
で又は複数種組み合わせて使用することができる。
【0052】上記重合開始剤の使用量は厳密に制限され
るものではなく、その種類や反応条件等に応じて広い範
囲で変えることができるが、一般には、前記単量体成分
(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して、約0.05〜約3重
量部、より好ましくは約0.1〜約2重量部、特に好まし
くは約0.1〜約1.5重量部の如き使用量を例示することが
できる。
【0053】また乳化重合に際して、所望により、還元
剤を併用することができる。使用しうる還元剤として
は、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブド
ウ糖等の還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜
硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物を例示することが
できる。これら還元剤の使用量もまた特に制限されるも
のではないが、一般には前記単量体(a1)〜(a4)の合計10
0重量部に対して、約0.05〜約3重量部の範囲内を例示
することができる。
【0054】さらにまた、乳化重合に際して、所望によ
り連鎖移動剤を用いることもできる。このような連鎖移
動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素
数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢
酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセ
ン、フエナントレン、フルオレン、9-フエニルフルオレ
ンなどの多環式芳香族化合物類;p-ニトロアニリン、ニ
トロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、
p-ニトロフエノール、p-ニトロトルエン等の芳香族ニト
ロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6-テトラメチル-p-
ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;トリブチルボ
ラン等のボラン誘導体;
【0055】四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラ
ブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレ
ン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3-ク
ロロ-1-プロペン等のハロゲン化炭化水素類;クロラー
ル、フラルデヒド等のアルデヒド類;例えば、n-ドデシ
ルメルカプタン等炭素数1〜18のアルキルメルカプタン
類;チオフエノール、トルエンメルカプタン等の芳香族
メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸の炭
素数1〜10のアルキルエステル類;2-メルカプトエタノ
ール等の炭素数1〜12のヒドロキルアルキルメルカプタ
ン類;ビネン、ターピノレン等のテルペン類;などを挙
げることができる。
【0056】上記連鎖移動剤を用いる場合のその使用量
は、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して、
約0.005〜約5重量部の範囲内が好ましい。
【0057】以上に述べた乳化重合により形成される合
成ゴム系重合体エマルジョン(ラテックス)は、一般
に、10〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、さらに好
ましくは40〜60重量%の範囲内の固形分を有することが
でき、また、B型回転粘度計を用い、25℃、20rpmで測
定したときの粘度は、通常10,000cps以下、特に約50〜
約5,000cpsの範囲内にあることが望ましい。
【0058】上記エマルジョンは通常2〜10、特に5〜
9の範囲内の pHを有することが望ましく、pH調節は例
えばアンモニア水、アミン水溶液、水酸化アルカリの水
溶液を用いて行うことができる。
【0059】本発明の水性被覆用組成物において使用さ
れる合成ゴム系重合体粒子(A)は、Tgが−20℃以下であ
り、好ましくは−50〜−30℃、さらに好ましくは−45〜
−35℃の範囲内にあることができる。Tgが該上限値より
高い合成ゴム系重合体粒子を用いて調製される水性被覆
用組成物から形成される塗膜は、一般に基材への密着性
が不十分となりがちであり好ましくない。一方、Tgが該
下限値以上であれば、耐チッピング性に優れた塗膜が得
られるので好ましい。
【0060】なお、本明細書において、重合体粒子のガ
ラス転移温度(Tg)は、以下の方法で測定した場合の値
である。
【0061】ガラス転移温度(Tg):厚さ約0.05mmのア
ルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型の
セルに、(共)重合体エマルジョンの試料約10mgを秤取
し、100℃で2時間乾燥したものを測定試料とし、示差
走査熱量計〔Differential Scanning Calorimeter:セ
イコー電子工業(株)製「SSC-5000」型〕を用い、−150
℃から昇温速度10℃/分で試料のガラス転移温度前後の
比熱容量差を測定し、その結果からTgを決定する。
【0062】また、上記合成ゴム系重合体粒子は、一般
に70〜95重量%、特に75〜90重量%の範囲内のゲル含有
量を有することが望ましい。該重合体粒子のゲル含有量
が該下限値以上であれば、塗膜の加熱による乾燥時にフ
クレが生じることなく厚い塗膜が得られるので好まし
く、また該上限値以下であれば、弾性に富み耐チッピン
グ性の優れた塗膜が得られるので好ましい。
【0063】なお、本明細書において、合成ゴム系重合
体粒子(A)のゲル含有量は、以下の方法で測定した場合
の値である。
【0064】ゲル含有量:室温乾燥にて合成ゴム系重合
体エマルジョン(又は後記するアクリル系重合体エマル
ジョン)からフイルムを作成し、該フイルムを約200〜8
00倍のトルエン中に投入し、48時間放置させた後に No.
2濾紙を用いて濾過する。濾液を70℃で減圧乾燥を行
い、秤量して重合体エマルジョンからのフイルムのトル
エン可溶分(重量%)を求め、100重量%から上記トル
エン可溶分(重量%)を減じた数値、すなわちトルエン
不溶分(重量%)をもってゲル含有量とする。
【0065】さらに、前記の如くして製造されるエマル
ジョン中に分散している合成ゴム系重合体粒子(A)の平
均粒子径(以下、単に粒子径ということがある)は、一
般に、100〜300nm、特に120〜250nmの範囲内にあること
が望ましい。エマルジョン中の重合体粒子の粒子径のコ
ントロールは、例えば使用する界面活性剤の書類や量、
さらには重合温度などを適宜選択することにより行うこ
とができる。
【0066】なお、本明細書において、分散粒子の平均
粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定
された値であり、具体的には「マスターサイザー2000」
〔シスメックス(株)製〕を用いて測定された重量平均径
である。
【0067】合成ゴム系重合体粒子(A)としては、前述
の方法で製造したものの他、例えば、「LX-407C」〔日
本ゼオン(株)製〕、「SN-318」、「SN-534」、「SN-56
2」、「J-1666」〔以上、住友ダウ(株)製〕、「SK-80」
〔武田薬品工業(株)製〕、「L-2001」、「L-2337」〔以
上、旭化成工業(株)製〕、「ポリラック 707」〔三井東
圧化学(株)製〕等の商品名で市販されているスチレン−
ブタジエン系合成ゴムラテックス(以下、SBRと略称す
ることがある);「ニポール 1571」、「ニポール 155
1」、「ニポール 1562」〔以上、日本ゼオン(株)製〕等
の商品名で市販されているアクリロニトリル−ブタジエ
ン系合成ゴムラテックス(以下、NBRと略称することが
ある)等を使用することもできる。
【0068】〔アクリル系重合体粒子(B)〕本発明の水
性被覆用組成物において、ビヒクル成分として、前記の
合成ゴム系重合体粒子(A)と組み合わせて使用すること
のできるアクリル系重合体粒子(B)は、アクリル酸エス
テル及び/又はメタクリル酸エステルに由来する繰り返
し単位を、該アクリル系重合体粒子(B)の重量100%に基
づいて、一般に50重量%以上、好ましくは60〜99重量
%、さらに好ましくは70〜98重量%の割合で含有するも
のである。
【0069】具体的には、本発明において用いられる好
ましいアクリル系重合体粒子(B)は、下記単量体(b1)〜
(b4)、
【0070】(b1) 下記一般式(1)、 H2C=CR1HCOOR2 (1) (ここでR1は、H又はメチル基を表し、R2は、炭素数4
〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)で示され、そ
の単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であ
るアクリル酸エステル 50〜90重量%、
【0071】(b2) 分子内にカルボキシル基を有する単
量体 0.3〜10重量%、(b3) 分子内にヒドロキシル基を
有する単量体 1.5〜15重量%、(b4) 上記単量体(b1)〜
(b3)と共重合可能で、該単量体(b1)〜(b3)以外の共単量
体 8.2〜48.2重量%、〔但し、単量体(b1)〜(b4)の合
計を100重量%とする〕を水性乳化重合することにより
製造することができる。
【0072】上記単量体(b1)としては、例えば、n-ブチ
ルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オ
クチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n-ノ
ニルアクリレート、イソノニルアクリレートなどが挙げ
られ、これらの中でも、n-ブチルアクリレート、2-エチ
ルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートが
好ましい。これらのアクリル酸エステルは、それぞれ単
独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて用いて
もよい。
【0073】単量体(b1)の共重合量は、上記のとおり50
〜90重量%であることが必要であり、60〜88重量%、特
に70〜84重量%であることが好ましい。該共重合量が該
上限値を超えて多すぎては、得られる塗膜の耐チッピン
グ性が低下する傾向にあり好ましくなく、一方、該下限
値未満と少なすぎては、基材への密着性が低下すること
があり好ましくない。
【0074】なお、本明細書でいう「単独重合体のガラ
ス転移温度(Tg)」には、L. E. ニールセン著、小野木
宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35頁に記載されて
いる単量体のガラス転移温度が適用される。
【0075】前記のカルボキシル基含有単量体(b2)とし
ては、前記合成ゴム系重合体の製造において前述したカ
ルボキシル基含有エチレン系単量体(a3)と同様のものを
使用することができ、その好適なものは、単量体(a3)に
おけると同様、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン
酸である。該単量体(b2)の共重合量は、前記のとおり0.
3〜10重量%であることが必要であり、0.5〜5重量%、
特に1〜3重量%であることが好ましい。該共重合量(b
2)が該上限値を超えて多すぎては、塗膜の加熱による乾
燥時にフクレが生じやすく厚い塗膜が得にくいので好ま
しくなく、一方、該下限値未満と少なすぎては、得られ
る水性被覆用組成物の安定性が不十分となりがちであ
り、塗装適性が低下すること多いので好ましくない。
【0076】また前記ヒドロキシル基含有単量体(b3)と
しては、前記合成ゴム系重合体の製造において前述した
共単量体(a4)のの中に例示したヒドロキシル基含有単
量体と同様のものを使用することができ、その好適なも
のは、2-ヒドロキシエチルアクリレート及び2-ヒドロキ
シエチルメタクリレートである。該単量体(b3)の共重合
量は、前記のとおり1.5〜15重量%であることが必要で
あり、2〜10重量%、特に3〜8重量%であることが好
ましい。該共重合量(b3)が該上限値を超えて多すぎて
は、加熱による塗膜の乾燥時にクラックが生じやすく厚
い塗膜が得にくいので好ましくなく、一方、該下限値未
満と少なすぎては、得られる水性被覆用組成物のリサイ
クル性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0077】前記の共単量体(b4)としては、例えば次の
ものが挙げられる。 前記(b1)以外のアクリル酸エステル、及びメタクリ
ル酸エステル:例えば、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアク
リレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレー
ト、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、オレイルアクリレート等(好ましくはメチルアクリ
レート);メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレー
ト、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレー
ト、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート等(好ましくはメチルメタクリレー
ト);
【0078】 アクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステル以外のエチレン系単量体:例えば、飽和脂肪酸
ビニルエステル、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品
名)等(好ましくは酢酸ビニル);芳香族ビニル単量
体、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルト
ルエン等(好ましくはスチレン);シアン化ビニル単量
体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
(好ましくはアクリロニトリル);モノオレフイン単量
体、例えば、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、i-ブ
チレン等;マレイン酸もしくはフマル酸のジエステル、
例えば、ジメチルマレート、ジ-n-ブチルマレート、ジ-
2-エチルヘキシルマレート、ジ-n-オクチルマレート、
ジメチルフマレート、ジ-n-ブチルフマレート、ジ-2-エ
チルヘキシルフマレート、ジ-n-オクチルフマレート、
ジ-n-ブチルイタコネート、ジ-2-エチルヘキシルイタコ
ネート、ジ-n-オクチルイタコネート等;
【0079】 共単量体(a4)のとして例示した単量
体。具体的には、アミド基もしくは置換アミド基含有単
量体、アミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体、ヒド
ロキシル基含有単量体、低級アルコキシル基含有単量
体、エポキシ基含有単量体、メルカプト基含有単量体、
珪素含有基を有する単量体、2個以上のラジカル重合性
不飽和基を有する単量体等。
【0080】これら共単量体(b4)のうち、入手の容易
さ、乳化重合の容易さ等の観点から、及びに挙げた
単量体、中でもメチルメタクリレート、スチレン及びア
クリロニトリルの使用が好ましい。これら単量体はそれ
ぞれ単独で用いることができ又は2種以上併用してもよ
い。
【0081】これら単量体(b4)の共重合量は、前記のと
おり8.2〜48.2重量%であることが必要であり、9.5〜3
7.5重量%、特に12〜26であることが好ましい。該上限
値を超えて多すぎては、得られる塗膜の基材に対する密
着性が低下しがちとなるので好ましくなく、一方、該下
限値未満と少なすぎては、塗膜の耐チッピング性が低下
する傾向にあり好ましくない。
【0082】なおここで、前記のアクリル系重合体粒子
(B)中におけるアクリル酸エステル及び/又はメタクリ
ル酸エステルに由来する繰り返し単位の量とは、前記単
量体(b1)のアクリル酸エステル並びに、(b4)のうちの
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来す
る繰り返し単位の合計量を意味する。
【0083】以上述べた単量体(b1)〜(b4)は、合成ゴム
系重合体粒子(A)の製造法について前述した方法と同様
の乳化重合法〔通常は大気圧下で乳化重合させること〕
によって製造することができる。
【0084】本発明の水性被覆用組成物において、ビヒ
クル成分として、前述の合成ゴム系重合体粒子(A)と組
み合わせて使用することのできるアクリル系重合体粒子
(B)としては、Tgが0℃以下であることが必要であり、
−65〜−20℃、好ましくは−60〜−30℃の範囲内にある
ことが望ましい。該Tgが該上限値を超えて高すぎては、
得られる塗膜の基材に対する密着性が低下しがちとなる
ので好ましくない。一方、Tgが該下限値以上であれば、
塗膜の耐チッピング性が優れたものとなるので好まし
い。
【0085】また、上記アクリル系重合体粒子(B)は、
一般に80重量%以下、特に40〜75重量%の範囲内のゲル
含有量を有することが望ましい。該重合体粒子のゲル含
有量が該上限値以下であれば、得られる水性被覆用組成
物のリサイクル性が優れているので好ましく、また該下
限値以上であれば、塗膜の加熱による乾燥時にフクレが
生じにくく厚い塗膜が得られるので好ましい。
【0086】これら単量体(b1)〜(b4)の乳化重合により
形成されるアクリル系(共)重合体エマルジョンは、固形
分として、アクリル系重合体粒子(B)を、一般に10〜70
重量%、好ましくは30〜65重量%、さらに好ましくは40
〜60重量%の範囲内で含有することができ、また、B型
回転粘度計を用いて、25℃、20rpmで測定したときの粘
度は通常、10,000mPa・s以下、特に約10〜約5,000mPa・s
の範囲内にあるのが好都合である。
【0087】上記エマルジョンは通常2〜10、特に5〜
9の範囲内のpHを有することが望ましく、pH調節は例え
ばアンモニア水、アミン水溶液、水酸化アルカリの水溶
液を用いて行うことができる。
【0088】アクリル系重合体粒子(B)は、前記に従っ
て測定するとき、そのゲル含有量が80重量%以下、さら
に40〜75重量%の範囲であることが望ましい。また、形
成される重合体エマルジョン中に分散しているアクリル
系重合体粒子(B)の平均粒子径は、一般に1000nm以下、
さらに150〜800nmの範囲内にあることが好ましい。該平
均粒子径が、該上限値以下であれば、得られる塗膜の基
材に対する密着性が優れているので好ましく、また該下
限値以上であれば、塗膜の加熱による乾燥時にフクレが
生じにくく厚い塗膜が得られるので好ましい。アクリル
系重合体粒子(B)の粒子径のコントロールは合成ゴム系
重合体粒子(A)の粒子径のコントロールと同様にして行
うことができる。
【0089】〔水性被覆用組成物〕本発明の水性被覆用
組成物は、ビヒクル成分として、合成ゴム系重合体粒子
(A)及びアクリル系重合体粒子(B)を組み合わせに対し
て、無機質充填剤を配合することにより調製することが
できる。
【0090】上記合成ゴム系重合体粒子(A)及びアクリ
ル系重合体粒子(B)の配合量は、これらエマルジョン中
の重合体粒子(A)及び(B)(すなわち固形分)の合計量を
基準にして、合成ゴム系重合体粒子(A)は50〜90重量
%、好ましくは55〜85重量%、さらに好ましくは60〜80
重量%の範囲内、そしてアクリル系重合体粒子(B)は50
〜10重量%、好ましくは15〜45重量%、さらに好ましく
は20〜40重量%の範囲内とすることができる。合成ゴム
系重合体粒子(A)の配合割合が該下限値未満と少なす
ぎ、アクリル系重合体粒子(B)の配合割合が該上限値を
超えて多すぎれば、得られる塗膜の耐チッピングが低下
しがちとなるので好ましくない。一方、合成ゴム系重合
体粒子(A)の配合割合が該上限値を超えて多すぎ、アク
リル系重合体粒子(B)の配合割合が該下限値未満と少な
すぎれば、得られる水性被覆用組成物のリサイクル性が
低下する傾向があり好ましくない。
【0091】また、上記水性被覆用組成物には、必要に
応じて、ウレタン系樹脂粒子(C)を配合することがで
き、これにより、例えばカチオン電着塗装鋼板などの極
性基材に対する塗膜の密着性を更に向上させることがで
きるが、その配合量は、固形分、すなわちウレタン系樹
脂粒子(C)として、合成ゴム系重合体粒子(A)とアクリル
系重合体粒子(B)との合計100重量部に基づいて、一般に
30重量部以下程度の範囲内とすることができる。
【0092】本発明において、必要に応じて配合するこ
とのできるウレタン系樹脂粒子(C)を含むエマルジョン
には、例えば、「SF 150HS」、「SF 420」[以上、第一
工業製薬(株)製]、「HUX-320」、「HUX-290N」[以上、
旭電化工業(株)製]などの商品名で市販されているもの
が使用できる。
【0093】さらに本発明の水性被覆用組成物には、必
要に応じ架橋剤としてイソシアネート誘導体を配合する
ことができる。該イソシアネート誘導体の配合によっ
て、得られる塗膜の耐水性及び基材密着性をさらに向上
させることができる。
【0094】上記イソシアネート誘導体としては、アジ
リジン化合物及びブロック化イソシアネートが例示で
き、いずれも水分散性のものが好適に用いられる。
【0095】アジリジン化合物としては、ポリイソシア
ネート化合物とエチレンイミンとの反応生成物が使用で
き、ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレ
ンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネー
ト等の芳香族ポリイソシアネート化合物;例えば1,6-ヘ
キサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシア
ネート化合物;例えば、メチルシクロヘキサンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネ
ート化合物;などを例示することができる。また、これ
らイソシアネートの2量体又は3量体;これらイソシア
ネートと、例えばトリメチロールプロパン等の2価以上
のポリオールとのアダクト体などを例示できる。
【0096】このようなアジリジン化合物のうち、本発
明に好適に利用できる水分散性アジリジン化合物の市販
品としては、例えば、「SU-125F」〔明成化学工業(株)
製〕、「DZ-22E」〔日本触媒(株)製〕等を挙げることが
できる。
【0097】またブロック化イソシアネートとしては、
前記ポリイソシアネート化合物に揮発性低分子活性水素
化合物を付加させたものを挙げることができる。
【0098】このようなブロック化イソシアネートのう
ち、本発明に好適に利用できる水分散性ブロック化イソ
シアネートの市販品としては、例えば、「DM-30」、「D
M-60」〔以上、明成化学工業(株)製〕、「エラストロン
BN-69」、「エラストロンBN-44」、「エラストロンBN-0
8」〔以上、第一工業製薬(株)製〕等を挙げることがで
きる。
【0099】本発明においては、これらイソシアネート
誘導体のうち、架橋反応の温度依存性が小ささ、フクレ
限界膜厚向上効果の大きさ、及び、得られる塗膜の湿潤
耐チッピング性、基材密着性等の改善効果の顕著さ等の
観点から、アジリジン化合物を用いるのが好ましい。
【0100】前記イソシアネート誘導体の配合量は、本
発明の水性被覆用組成物中に含有される重合体微粒子
〔すなわち、必須成分の合成ゴム系重合体粒子(A)及び
アクリル系重合体粒子(B)の合計〕100重量部に基づい
て、通常10重量部以下(有効成分として)程度の範囲で
ある。
【0101】本発明組成物においては、必要に応じてさ
らに、イソシアネート誘導体以外の適宜の架橋剤を配合
することができる。
【0102】このようなイソシアネート誘導体以外の架
橋剤としては、 (イ) 水溶性多価金属塩、例えば、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、
硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛塩;例えば、酢酸アルミニ
ウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどアルミ
ニウム塩;例えば、酢酸カルシウム、義酸カルシウム、
塩化カルシウム、硝酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等
のカルシウム塩;例えば、酢酸バリウム、塩化バリウ
ム、亜硫酸バリウム等のバリウム塩;酢酸マグネシウ
ム、蟻酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、硝酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム等のマ
グネシウム塩;例えば、酢酸鉛、蟻酸鉛等の鉛塩;例え
ば、酢酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸
ニッケル等のニッケル塩;例えば、酢酸マンガン、塩化
マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン等のマンガン
塩;例えば、塩化銅、硝酸銅、硫酸銅等の銅塩;など、
【0103】(ロ) 水溶性エポキシ樹脂、例えば、グリセ
ロールジグリシジルエーテルなど、
【0104】(ハ) 水溶性メラミン樹脂、例えば、メチロ
ールメラミン;該メチロールメラミンの水酸基の少なく
とも1部をメチルアルコール、エチルアルコール、n-ブ
チルアルコールなどでエーテル化したものなど、を例示
することができる。
【0105】これらの架橋剤の使用量は、得られる被覆
用組成物の粘度の経時変化抑制等の観点から、該組成物
中の重合体微粒子100重量部に対して、例えば、0〜10
重量部、好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜6重量
部の範囲内を例示することができる。
【0106】本発明の水性被覆用組成物において使用さ
れる水性媒体は、前述のエマルジョンに由来するもので
あり、通常は水であるが、場合によっては、水と水混和
性有機溶媒との混合溶媒であってもよい。
【0107】本発明の水性被覆用組成物は、必須成分と
して、前記の合成ゴム系重合体粒子(A)及びアクリル系
重合体粒子(B)からなる重合体微粒子とともに、無機質
充填剤を含有してなるものである。該無機質充填剤は、
増量剤、塗膜の硬さの調節、ブリスターの発生防止等の
目的で該組成物に配合されるものであり、使用しうる無
機質充填剤としては、実質的に水に不溶性ないし難溶性
の無機質個体粉末、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、
アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、マイ
カ、水酸化アルミニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、炭
酸マグネシウム等を例示することができる。
【0108】これらの無機質充填剤の配合量は、その種
類や被覆用組成物に対して望まれる物性等に応じて広い
範囲で変化させることができるが、該組成物中に含有さ
れる重合体微粒子の合計100重量部に対して、一般に100
〜390重量部、好ましくは120〜380重量部、さらに好ま
しくは150〜320重量部の範囲内とすることができる。
【0109】また上記無機質充填剤は、一般に約0.5〜
約50μm、特に1〜約30μmの範囲内の平均粒径をもつも
のであることが望ましい。
【0110】本発明の被覆用組成物は、必要に応じて、
通常の被覆用組成物におけると同様に、防錆顔料、着色
顔料、架橋剤等を含有することができる。
【0111】上記防錆顔料としては、鉛丹;例えば、ク
ロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウ
ムなどのクロム酸金属塩;例えば、リン酸亜鉛、リン酸
カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン
酸珪素、又は、これら金属のオルトもしくは縮合リン酸
塩などのリン酸金属塩;例えば、モリブテン酸亜鉛、モ
リブテン酸カルシウム、モリブテン酸亜鉛カルシウム、
モリブテン酸亜鉛カリウム、リンモリブテン酸亜鉛カリ
ウム、リンモリブテン酸カルシウムカリウムなどのモリ
ブテン酸金属塩;例えば、硼酸カルシウム、硼酸亜鉛、
硼酸バリウム、メタ硼酸バリウム、メタ硼酸カルシウム
などの硼酸金属塩:等を例示することができる。これら
の防錆顔料のうち、リン酸金属塩、モリブテン酸金属
塩、硼酸金属塩などの無毒性又は低毒性防錆顔料が好ま
しい。
【0112】防錆顔料の配合量としては、被覆用組成物
中の重合体微粒子100重量部に対して、例えば、0〜50
重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲内を例示するこ
とができる。
【0113】また、着色顔料としては、例えば、酸化チ
タン、カーボンブラック、弁柄、ハンザイエロー、ベン
ジジンイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドン
レッド等の有機もしくは無機の着色顔料を挙げることが
できる。これらの着色顔料の配合量は、被覆用組成物中
の重合体微粒子100重量部に対して、例えば、0〜10重
量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲内を例示するこ
とができる。
【0114】なお、これら防錆顔料及び着色顔料の粒径
は、得られる被覆用組成物の形成塗膜の平滑さなどの観
点から、1〜50μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0115】本発明の水性被覆用組成物には、さらに必
要に応じて、無機質分散剤〔例えば、ヘキサメタリン酸
ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等〕、有機質分
散剤〔例えば、「ノブコスパース 44C」(商品名、ポリ
カルボン酸系;サンノブコ(株)製〕などの分散剤;シリ
コン系などの消泡剤;ポリビニルアルコール、セルロー
ス系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂、界面活性剤系等の
増粘剤及び粘性改良剤;エチレングリコール、ブチルセ
ロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールア
セテート等の有機溶剤;老化防止剤;防腐剤・防黴剤;
紫外線吸収剤;帯電防止剤;等を添加混合することがで
きる。
【0116】本発明の水性被覆用組成物は、特に限定さ
れるものではないが、一般に、約40〜90重量%、好まし
くは約50〜85重量%、特に好ましくは約60〜80重量%の
範囲内の固形分を含有し、また、7〜11、好ましくは8
〜10の範囲内のpHを有し、且つ約3,000〜100,000mPa・
s、好ましくは約5,000〜50,000mPa・sの範囲内の粘度(B
型回転粘度計、25℃、20rpmによる)をもつことができ
る。
【0117】本発明の水性被覆用組成物を適用すること
ができる基材は、特に限定されず、例えば、鋼板;例え
ば、鉛−錫合金メッキ鋼板(タンシート鋼板)、錫メッ
キ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、錫−亜鉛メッキ鋼
板、鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ
鋼板などの各種メッキ鋼板;電着塗装鋼板などの塗装鋼
板:等をあげることができるが、特に最近自動車等の製
造に際して、タンシート鋼板が鉛の毒性の観点から問題
視されてきており、それに代って使用されているアルミ
ニウムメッキ鋼板、錫−亜鉛メッキ鋼板などに対して、
本発明の水性被覆用組成物は特に優れた基材密着性を示
す。
【0118】本発明の被覆用組成物は特に、このような
基材を板金プレスなどにより各種形状に成形加工したも
の及びこれらを各種自動車部材として溶接したもの、例
えば、自動車のガソリンタンク、床裏、タイヤハウス、
フロントエプロン、リヤーエプロンなどの車室外の板金
加工部材の電着塗装面、中塗塗装面又は上塗塗装面等の
被覆用に好適に使用することができる。
【0119】本発明の被覆用組成物の塗装は、それ自体
既知の塗装法、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、ロー
ラー塗装等により行うことができるが、一般にエアレス
吹き付け塗装が好適である。
【0120】その際の塗装膜厚は、基材の用途等に応じ
て異なるが、通常、約200〜800μm、特に約300〜600μm
の範囲内が適当である。また、塗膜の乾燥は自然乾燥、
加熱乾燥等により行うことができるが、一般には、低温
焼付用の水性被覆用組成物の場合には約60〜100℃の温
度の加熱炉で焼付けするのが好ましく、また、高温焼付
用の水性被覆用組成物の場合には約60〜100℃の温度で
予備乾燥した後、約120〜160℃程度の温度の加熱炉で焼
付けするのが好都合である。
【0121】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例において用いる試験
用サンプルの作成及びその試験方法は次ぎのとおりであ
る。
【0122】(1) 試験片の作製 新日本製鉄(株)製の0.8×100×200mmのアルミニウムメ
ッキ鋼鈑(以下Al鋼板ということがある)の表面をシン
ナーにて洗浄した後、各試料をエアレス吹き付け塗装法
によって乾燥膜厚が所定の厚さになるように塗装し、室
温で10分間放置した後、熱風循環式乾燥器を用いて80
℃、15分の予備乾燥した後、120℃、30分間熱処理す
る。
【0123】また、アルミニウムメッキ鋼鈑の代わりに
同じ形状の錫−亜鉛メッキ鋼鈑(以下Sn/Zn鋼板という
ことがある)又はタンシート鋼鈑(以下Pb/Sn鋼板とい
うことがある)〔何れも新日本製鉄(株)製〕を用い、同
様にして基材密着性試験用の試験片を作製する。
【0124】(2) エアレススプレー塗工性 前(1)項と同様に処理したAl鋼板に対して、市販のエア
レスポンプ及びスプレーガンを用い、塗装ガン手元圧90
kg/cm2、吹き付け距離30cmの条件にて吹き付け塗装を行
い、得られた塗装幅を以下の基準に従って評価する。 ○・・・30cm以上 △・・・25〜30cm ×・・・20cm以下
【0125】(3) リサイクル性 前(2)項と同様の塗装ガン手元圧及び吹き付け距離を用
いて湿時の膜厚が1000μm以上になるように吹き付け塗
装し、得られた塗装物を25℃、50%RHの恒温恒湿条件下
にて2時間以上放置する。放置後、塗装部分の被覆組成
物を掻き落として回収し、脱イオン水にて粘度を調整し
た後、前(2)項と同様の方法にて吹き付け塗装を行い、
同様の評価基準にて塗装幅を評価する。
【0126】(4) フクレ限界膜厚 前(1)項におけるAl鋼板の吹き付け塗装に当って、乾燥
塗膜の厚さを変えて塗装を行い、乾燥時にふくれの生じ
ない最大膜厚を求め、フクレ限界膜厚とする。
【0127】(5) クラック限界膜厚 前(1)項におけるAl鋼板の吹き付け塗装に当って、乾燥
皮膜の厚さを変えて塗装を行い、乾燥時にクラックの生
じない最大膜厚を求め、クラック限界膜厚とする。
【0128】(6) 基材密着性試験 前(1)項において、乾燥膜厚が約300μとなるように塗装
して得た3種の試験片を約25℃の恒温条件下に16時間放
置した後、クロスカットガイド〔コーテック(株)製〕と
事務用カッターを用いて、塗装表面から縦、横それぞれ
1mm間隔で基材に達する深さのカット線も入れて1cm2
中に 100個のゴバン目を作成する。このゴバン目に 24m
m幅のセロファンテープ〔ニチバン(株)製〕を貼付け、
手で素早く180゜剥離を行い、塗膜に残存した目の数を数
えて塗膜残存目数/100と表示する。
【0129】(7) 耐チッピング性試験 (7-1) 常態試験 前(1)項において、Al鋼板に乾燥膜厚が約300μとなるよ
うに塗装して得た試験片を約25℃の恒温条件下に16時間
放置した後、事務用カッターを用いて塗膜表面から基材
に達する深さで、長さそれぞれ約5cmの×印のカット線
を入れる。
【0130】試験片は、水平面に対して60゜の角度で立
てかけて固定し、その塗面に2mの高さから鉛直方向に2
5mmφのポリ塩化ビニル製パイプを用いてナット(M-6)
をカット線のクロス部めがけて連続して落下させ、基材
の素地が露出した時点での落下したナットの総重量で評
価する。
【0131】(7-2) 湿潤試験 前(1)項において、Al鋼板に乾燥膜厚が約300μとなるよ
うに塗装して得た試験片を約25℃の恒温条件下に16時間
放置した後、約40℃の脱イオン水中に7日間浸漬後取り
出して水分をふき取って25℃で3時間放置し、次いで前
(5-1)項と同様に×印のカット線を入れて、以下前(5-1)
項と同様の方法で耐チッピング性試験を行い同様に評価
する。
【0132】(8) 低温耐衝撃性試験 前(1)項において、Al鋼板に乾燥膜厚が約300μとなるよ
うに塗装して得た試験片を約25℃の恒温条件下に16時間
放置した後、−30℃の恒温条件下に3時間以上放置した
のち同温度でJIS K-5400に準じてデュボン式耐衝撃テス
トを行う。
【0133】この時の条件は、試験器に半径6.35±0.03
mmの撃ち型と受け型を取り付け、試験片の塗膜面を上向
きにしてその間に挟み、質量500±1gの重りを50cmの高
さから撃ち型の上に落とし、塗膜面の損傷の度合いを目
視により次のような評価基準に従って評価する。
【0134】 ◎ ・・・・・・ 全く変化無し ○ ・・・・・・ わずかに微クラック発生 △ ・・・・・・ 微クラック発生多い × ・・・・・・ 大きなクラック発生
【0135】〔合成ゴム系重合体エマルジョンの製造〕 製造例A1 攪拌機、温度計及び原料添加装置を備えたオートクレー
ブに、脱イオン水100重量部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.3重量部、炭酸水素ナトリウム0.2重量
部、過硫酸カリウム1.0重量部、t-ドデシルメルカプタ
ン1.0重量部、並びに、ブタジエン(Bd)65重量部、ス
チレン(St)22重量部、メチルメタクリレート(MMA)
5重量部、アクリロニトリル(AN)5重量部及びアクリ
ル酸(AA)3重量部からなる単量体を仕込んで十分に攪
拌した後、65℃にて重合を行った。重合終了後、この重
合体エマルジョンを水酸化ナトリウム水溶液にてpH6前
後に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体等を除去・
回収した後、固形分50重量%に調整して、pH6.1、粘度5
00mPa・s(B型粘度計、25℃、20rpmにて測定。以下同
様)、平均粒子径160nmの合成ゴム系重合体エマルジョ
ンを得た。この合成ゴム系重合体粒子のTgは−40℃、ゲ
ル含有量は85重量%であった。
【0136】製造例A2 製造例A1において、t-ドデシルメルカプタンを1.5重量
部とする以外は製造例A1と同様にして合成ゴム系重合体
エマルジョンを得た。得られた合成ゴム系重合体エマル
ジョンの性状すなわちpH、粘度及び粒子径、並びに重合
体粒子のTg及びゲル含有量を表1に示す。
【0137】製造例A3〜A5 製造例A1において、単量体としてBd 65重量部及びSt 22
重量部用いる代わりに、表1に示すように単量体組成を
変えてTgを変える以外は製造例A1と同様にして合成ゴム
系重合体エマルジョンを得た。得られた合成ゴム系重合
体エマルジョンの性状並びに、重合体粒子のTg及びゲル
含有量を表1に示す。
【0138】製造例A6〜A8 製造例A1において、単量体としてBd 65重量部、St 22重
量部、MMA5重量部、AN5重量部及びAA3重量部用いる
代わりに、表1に示すように単量体組成を変える以外は
製造例A1と同様にして合成ゴム系重合体エマルジョンを
得た。得られた合成ゴム系重合体エマルジョンの性状並
びに、重合体粒子のTg及びゲル含有量を表1に示す。
【0139】なお表1における単量体の略号は以下のと
おりである。 Bd:ブタジエン St:スチレン MMA:メチルメタクリレート AN:アクリロニトリル AA:アクリル酸 IA:イタコン酸
【0140】
【表1】
【0141】〔アクリル系重合体エマルジョンの製造〕 製造例B1 攪拌機、還流冷却器、温度計及び原料添加装置を備えた
反応容器に、脱イオン水94重量部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム1.0重量部、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルサルフェートのアンモニウム塩1.0重量
部を仕込み、窒素を流しながら70℃に昇温した。次いで
この反応容器に、単量体組成が、2-エチルヘキシルアク
リレート(HEA)75重量部、アクリル酸(AA)2重量
部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)4重量
部、St 10重量部及びMMA9重量部からなる単量体混合物
100重量部並びに、過硫酸アンモニウムの5重量%水溶
液6重量部とを3時間にわたり連続添加し、その後同温
度で2時間保持した後、約25重量%のアンモニア水を適
量添加して、固形分約50重量%、pH7.0、粘度680mPa・
s、平均粒子径180nmのアクリル系重合体エマルジョンを
得た。このアクリル系重合体粒子のTgは−50℃、ゲル含
有量は85重量%であった。
【0142】製造例B2 製造例B1において、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムを増量する以外は製造例B1と同様にして、固形分約
50重量%、pH6.8、粘度2510mPa・s、平均粒子径(120)nm
のアクリル系重合体エマルジョンを得た。このアクリル
系重合体粒子のTgは−50℃、ゲル含有量は85重量%であ
った。
【0143】製造例B3〜B4 製造例B1において、5重量%過硫酸アンモニウム水溶液
の使用量を増やす以外は製造例B1と同様にして、ゲル含
有量の異なるアクリル系重合体エマルジョンを得た。得
られたアクリル系重合体エマルジョンの固形分、pH、粘
度及び平均粒子径、並びにアクリル系重合体のTg及びゲ
ル含有量を表2に示す。
【0144】製造例B5〜B9 製造例B1において、HEA 75重量部、AA2重量部、HEMA4
重量部、St 10重量部及びMMA9重量部からなる単量体混
合物を用いる代わりに、表2に示すような単量体組成を
変える以外は製造例B1と同様にして、Tgの異なるアクリ
ル系重合体エマルジョンを得た。得られたアクリル系重
合体エマルジョンの固形分、pH、粘度及び平均粒子径、
並びにアクリル系重合体のTg及びゲル含有量を表2に示
す。
【0145】製造例B10〜B11 製造例B1において、AA2重量部を用いる代わりに、AA
0.1重量部又は8重量部を用い、それに伴ってEHA、MMA
及びStの使用量をそれぞれ加減する以外は製造例B1と同
様にして、Tgが約−50℃のアクリル系重合体エマルジョ
ンを得た。得られたアクリル系重合体エマルジョンの固
形分、pH、粘度及び平均粒子径、並びにアクリル系重合
体のTg及びゲル含有量を表2に示す。
【0146】製造例B12〜B13 製造例B1において、HEMA4重量部を用いる代わりに、HE
MA1重量部又は15重量部を用い、それに伴ってEHA、MMA
及びStの使用量をそれぞれ加減する以外は製造例B1と同
様にして、Tgが約−50℃のアクリル系重合体エマルジョ
ンを得た。得られたアクリル系重合体エマルジョンの固
形分、pH、粘度及び平均粒子径、並びにアクリル系重合
体のTg及びゲル含有量を表2に示す。
【0147】
【表2】
【0148】〔水性被覆用組成物の作製〕 実施例1 合成ゴム系重合体エマルジョン(A)として、製造例A1で
製造した合成ゴム系重合体エマルジョン140重量部(固
形分で約70重量部)を用い、且つ、アクリル系重合体エ
マルジョン(B)として製造例B1で製造したアクリル系重
合体エマルジョン60重量部(固形分で約30重量部)を用
い、これに、分散剤として「ノプコスパース44C」〔サ
ンノプコ(株)製、ポリカルボン酸系分散剤〕2.0重量部
(固形分約0.88重量部)、無機質充填剤として粉末炭酸
カルシウム〔商品名「SL-700」、平均粒径 4.5μ、竹原
化学工業(株)製〕215重量部、防錆顔料としてメタ硼酸
バリウム15重量部、着色顔料としてカーボンブラック3
重量部を、ディスパーを用いて均一に分散させ、次い
で、増粘剤として「アデカノールUH-472」〔(商品
名)、旭電化工業(株)製〕2重量部を加え、更に攪拌し
た。最後に粘度が20,000〜25,000mPa・sになるように
「アデカノールUH-472」と脱イオン水にて調整し、PWC
が70重量%で固形分が75.5重量%の水性被覆用組成物を
作製した。
【0149】得られた水性被覆用組成物を用いて各種物
性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及び特性値
を表3に、各種物性試験の測定結果を表4に示す。
【0150】実施例2〜3及び比較例1〜2 実施例1において、製造例A1で製造した合成ゴム系重合
体エマルジョンと、製造例B1で製造したアクリル系重合
体エマルジョンとの使用割合を変え、又は該アクリル系
重合体エマルジョンを用いない以外は実施例1と同様に
して、水性被覆用組成物を作製し、各種物性試験を行っ
た。該被覆用組成物の配合組成及び特性値を表3に、各
種物性試験の測定結果を表4に示す。
【0151】実施例4〜9及び比較例3 実施例1において、製造例A1で製造した合成ゴム系重合
体エマルジョンを用いる代りに、製造例A2〜A8で製造し
た合成ゴム系重合体エマルジョンを用いる以外は実施例
1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し、各種物性
試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及び特性値を
表3に、各種物性試験の測定結果を表4に示す。
【0152】実施例10〜20及び比較例4 実施例1において、製造例B1で製造したアクリル系重合
体エマルジョンを用いる代りに、製造例B2〜B13で製造
したアクリル系重合体エマルジョンを用いる以外は実施
例1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し、各種物
性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及び特性値
を表3に、各種物性試験の測定結果を表4に示す。
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】
【0155】
【発明の効果】本発明の水性被覆用組成物は、例えば、
マスチック塗料、防音塗料、防振塗料、コーキング材等
の水性被覆用組成物、中でも、車輌類、特に自動車のシ
ャーシー、ガソリンタンク、サスペンション等の室外金
属加工部材を保護するための被覆材として使用される水
性被覆用組成物であって、ビヒクル成分として−20℃以
下のガラス転移温度を有する合成ゴム系重合体粒子(A)
を主成分とし、これに0℃以下のガラス転移温度を有す
るアクリル系重合体粒子(B)を副次量含有させてなるも
のである。
【0156】本発明の水性被覆用組成物は、このように
構成されることによって、優れたエアレススプレー塗工
性を有しており、一回の塗工で、比較的厚い塗膜、例え
ば600μm以上などの厚い塗膜を形成するときにも、その
乾燥工程で該塗膜にフクレやクラックを生ずることが無
く、且つ、形成された塗膜が、例えば300μm程度の、こ
の種塗膜としては比較的薄い場合にも優れた耐チッピン
グ性を有する。また最近、金属基材として従来から使用
されてきた鉛−錫合金鋼鈑が、鉛の環境上の問題から敬
遠されるようになっており、これに代わる鉛フリーの基
材、例えばアルミメッキ鋼鈑及び錫−亜鉛メッキ鋼鈑等
の基材は、従来の鉛−錫合金鋼板に比較して塗膜の密着
性が不十分となりがちであるが、本発明の水性被覆用組
成物による塗膜は、これらの新規な基材に対する密着性
が優れている。
【0157】さらに本発明の水性被覆用組成物は、一度
塗装に用いた後の残液を廃棄することなく、新規な水性
組成物をつぎ足してリサイクル使用することができると
いう卓越した特性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA041 CA061 CA071 CG142 MA04 MA08 MA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体中に分散された重合体微粒子と無
    機質充填剤とを含有してなる水性被覆用組成物であっ
    て、該重合体微粒子が、(A) 共役ジオレフィン単量体に
    由来する繰返し単位を50〜90重量%含有するガラス転移
    温度が−20℃以下の合成ゴム系重合体粒子 50〜90重量
    %、及び(B) アクリル酸エステル及び/又はメタクリル
    酸エステルに由来する繰り返し単位を50重量%以上含有
    するガラス転移温度が0℃以下のアクリル系重合体粒子
    10〜50重量%、を含有してなることを特徴とする水性被
    覆用組成物。
  2. 【請求項2】合成ゴム系重合体粒子が、下記単量体(a1)
    〜(a4) (a1) 共役ジオレフィン系単量体、 (a2) メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニル単
    量体及び/又は芳香族ビニル単量体、並びに、必要に応
    じて、 (a3) 分子内にカルボキシル基を有する単量体、及び、
    さらに必要に応じて、 (a4) 単量体(a1)〜(a3)と共重合可能で該単量体(a1)〜
    (a3)以外の単量体、を加圧下に水性乳化重合してなるも
    のである請求項1に記載の水性被覆組成物。
  3. 【請求項3】共役ジオレフィン単量体がブタジエンであ
    る請求項1又は2に記載の水性被覆組成物。
  4. 【請求項4】メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビ
    ニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)が、メチ
    ルメタクリレート、アクリロニトリル及び/又はスチレ
    ンである請求項2に記載の水性被覆組成物。
  5. 【請求項5】メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビ
    ニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)の共重合
    量が、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基づい
    て合計で10〜50重量%の範囲である請求項2又は4に記
    載の水性被覆組成物。
  6. 【請求項6】メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビ
    ニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)が、メチ
    ルメタクリレート、アクリロニトリル及びスチレンから
    選ばれる少なくとも2種の単量体を含む請求項2、4又
    は5に記載の水性被覆組成物。
  7. 【請求項7】分子内にカルボキシル基を有する単量体(a
    3)の共重合量が、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量
    %に基づいて0.3〜10重量%の範囲である請求項2に記
    載の水性被覆組成。
  8. 【請求項8】合成ゴム系重合体粒子のゲル含有量が70〜
    95重量%の範囲である請求項1又は2に記載の水性被覆
    組成物。
  9. 【請求項9】合成ゴム系重合体粒子の粒子径が100〜300
    nmの範囲である請求項1又は2に記載の水性被覆組成
    物。
  10. 【請求項10】アクリル系重合体粒子が、下記単量体(b
    1)〜(b4)、 (b1) 下記一般式(1)、 H2C=CR1HCOOR2 (1) (ここでR1は、H又はメチル基を表し、R2は、炭素数4
    〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)で示され、そ
    の単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であ
    るアクリル酸エステル 50〜90重量%、 (b2) 分子内にカルボキシル基を有する単量体 0.3〜10
    重量%、 (b3) 分子内にヒドロキシル基を有する単量体 1.5〜15
    重量%、 (b4) 上記単量体(b1)〜(b3)と共重合可能で、該単量体
    (b1)〜(b3)以外の共単量体 8.2〜48.2重量%、 〔但し、単量体(b1)〜(b4)の合計を100重量%とする〕
    を水性乳化重合してなるものである請求項1に記載の水
    性被覆組成物。
  11. 【請求項11】アクリル系重合体粒子のゲル含有量が80
    重量%以下である請求項1又は10に記載の水性被覆組
    成物。
  12. 【請求項12】アクリル系重合体粒子の粒子径が1000nm
    以下の範囲である請求項1又は10に記載の水性被覆組
    成物。
JP2002081764A 2002-03-22 2002-03-22 水性被覆用組成物 Expired - Fee Related JP4245853B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002081764A JP4245853B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 水性被覆用組成物
AU2003221172A AU2003221172A1 (en) 2002-03-22 2003-03-20 Water-based coating composition
TR2003/02293T TR200302293T1 (tr) 2002-03-22 2003-03-20 Suyla taşınan kaplama bileşimi.
US10/479,460 US7163978B2 (en) 2002-03-22 2003-03-20 Waterborne anti-chipping coating composition for automobiles
PCT/JP2003/003442 WO2003080750A1 (fr) 2002-03-22 2003-03-20 Composition de revetement a base d'eau

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002081764A JP4245853B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 水性被覆用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003277674A true JP2003277674A (ja) 2003-10-02
JP4245853B2 JP4245853B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=28449127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002081764A Expired - Fee Related JP4245853B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 水性被覆用組成物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7163978B2 (ja)
JP (1) JP4245853B2 (ja)
AU (1) AU2003221172A1 (ja)
TR (1) TR200302293T1 (ja)
WO (1) WO2003080750A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009270064A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Nippon Shokubai Co Ltd 制振材用エマルション組成物
JP2016089029A (ja) * 2014-11-05 2016-05-23 大日本塗料株式会社 亜鉛めっき鋼材用塗料組成物及びそれを用いた塗装方法
JP2019059901A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 アイカ工業株式会社 パテ用樹脂組成物

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7473442B2 (en) * 2005-09-14 2009-01-06 Ppg Industries Ohio, Inc. Multi-component, waterborne coating compositions, related coatings and methods
US20080167431A1 (en) * 2005-09-14 2008-07-10 Ppg Industries Ohio, Inc. Multi-component, waterborne coating compositions, related coatings and methods
US20070213641A1 (en) * 2006-02-08 2007-09-13 Sdgi Holdings, Inc. Constrained balloon disc sizer
WO2007120810A2 (en) * 2006-04-13 2007-10-25 The Sherwin-Williams Company Pigment and coating composition capable of inhibiting corrosion of substrates
US8524816B2 (en) * 2007-03-15 2013-09-03 Magni Industries, Inc. Coating resistant to bio-diesel fuels
FR2952067B1 (fr) * 2009-11-03 2012-05-25 Saint Gobain Technical Fabrics Composition filmogene renfermant un agent apte a pieger le formaldehyde
US8512814B2 (en) * 2011-02-14 2013-08-20 Blue Angel Paint and Coatings, Ltd. Coating material for achieving sound dampening and method for the same
US20130122208A1 (en) * 2011-02-14 2013-05-16 Blue Angel Paint and Coatings, Ltd. Coating Material and Method for Waterproofing a Surface
CN102443332B (zh) * 2011-09-16 2013-11-13 华东理工大学 一种制备减振降噪涂料组合物的方法
JP5335126B1 (ja) * 2012-03-30 2013-11-06 日新製鋼株式会社 塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体とが接合された複合体およびその製造方法
FR3015509B1 (fr) * 2013-12-19 2016-01-22 Toray Films Europ Composition d'enduction de films polymeres, procede d'enduction et materiaux composites obtenus
US10913860B2 (en) * 2014-09-30 2021-02-09 Nippon Steel Corporation Coated metal sheet for automobile excellent in rust resistance in low temperature running environments
CN107266998A (zh) * 2016-12-23 2017-10-20 惠州兴鑫涂料化工有限公司 一种环保型路面防滑涂料
WO2021207927A1 (en) * 2020-04-14 2021-10-21 Henkel Ag & Co. Kgaa Sound deadener composition

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5364287A (en) 1976-11-19 1978-06-08 Nippon Tokushu Toryo Kk Articles having protective coating films
DD299472A7 (de) * 1976-12-30 1992-04-23 Buna Ag,De Flammwidrige latexmischungen
JPS6031345B2 (ja) 1977-10-03 1985-07-22 日本ペイント株式会社 金属および塗膜保護用水性エマルジヨン塗料
JPS57180617A (en) 1981-05-01 1982-11-06 Japan Synthetic Rubber Co Ltd Copolymer latex for chipping-resistant paint
JPS5975954A (ja) 1982-10-26 1984-04-28 Nippon Tokushu Toryo Kk 高温焼付型水系耐チツピング塗料および耐チツピング性塗膜の形成方法
JPS59129213A (ja) 1983-01-17 1984-07-25 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテツクスの製造方法
JPH064784B2 (ja) 1986-03-31 1994-01-19 アイシン化工株式会社 耐チツピング用被覆組成物
JPS6310678A (ja) 1986-07-01 1988-01-18 Aisin Chem Co Ltd 耐チツピング用被覆組成物
JPS63172777A (ja) 1987-01-10 1988-07-16 Aisin Chem Co Ltd 耐チツピング用被覆組成物
JP2663978B2 (ja) 1988-07-16 1997-10-15 アイシン化工 株式会社 耐寒耐チッピング用被覆組成物
CA2068858C (en) * 1991-05-17 2002-11-12 Masami Uemae Aqueous coating composition
JPH0673310A (ja) 1992-07-02 1994-03-15 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 焼付型耐チッピング塗料組成物
JP3189415B2 (ja) 1992-08-26 2001-07-16 ジェイエスアール株式会社 焼付型耐チッピング塗料組成物
DE19709723A1 (de) * 1997-03-10 1998-09-17 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Abdichtungen und Beschichtungen sowie zum Verkleben von Fliesen oder Fussbodenbelägen
JP4514268B2 (ja) 2000-01-17 2010-07-28 株式会社カネカ 水性塗料組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009270064A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Nippon Shokubai Co Ltd 制振材用エマルション組成物
JP2016089029A (ja) * 2014-11-05 2016-05-23 大日本塗料株式会社 亜鉛めっき鋼材用塗料組成物及びそれを用いた塗装方法
JP2019059901A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 アイカ工業株式会社 パテ用樹脂組成物
JP7163012B2 (ja) 2017-09-28 2022-10-31 アイカ工業株式会社 パテ用樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4245853B2 (ja) 2009-04-02
US7163978B2 (en) 2007-01-16
WO2003080750A1 (fr) 2003-10-02
US20040167271A1 (en) 2004-08-26
AU2003221172A1 (en) 2003-10-08
TR200302293T1 (tr) 2004-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4245853B2 (ja) 水性被覆用組成物
EP0507634B1 (en) Aqueous dispersion of acrylic polymer
US4826907A (en) Acrylic or methacrylic resin emulsion coating composition, and its use
JP3513782B2 (ja) 水性樹脂分散液
US7816470B2 (en) Aqueous-based polymers for sound deadening applications
EP0514220A1 (en) Aqueous coating composition
JP3286033B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP4630534B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP3287605B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP3013952B2 (ja) 被覆用水性樹脂組成物
JPH0477029B2 (ja)
JPH07292318A (ja) 水性被覆用樹脂組成物
JP4721695B2 (ja) 水性被覆用組成物
JPH05148446A (ja) アクリル系重合体の水性分散液
JP3001134B2 (ja) アクリル系樹脂水性被覆用組成物
JP2663978B2 (ja) 耐寒耐チッピング用被覆組成物
JP2991316B2 (ja) 水性樹脂被覆組成物
JPH0715071B2 (ja) 水性系耐チツピング材
JP3305018B2 (ja) 水性被覆組成物
JPH0329807B2 (ja)
JPH06157985A (ja) 水性被覆用組成物
JPH08269369A (ja) 水性耐チッピング塗料用組成物
JPH04202262A (ja) 耐チッピング用水性被覆組成物
JPH1135872A (ja) 水系塗料用共重合体ラテックス
JPH07216261A (ja) 水性耐チッピング塗料用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090107

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4245853

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140116

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees