JP2003277674A - 水性被覆用組成物 - Google Patents
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Abstract
じず、また比較的薄い塗膜でも優れた耐チッピング性を
有し、且つ鉛フリーの金属基材に対しても優れた密着性
を有すると共に、塗装残液のリサイクル使用も可能な水
性被覆組成物の提供。 【解決手段】ガラス転移温度が−20℃以下の合成ゴム系
重合体粒子(A)及び、ガラス転移温度が0℃以下のアク
リル系重合体粒子(B)をそれぞれ特定量範囲含有する重
合体微粒子、並びに無機質充填剤が水性媒体中に分散さ
れてなる水性被覆用組成物。
Description
料、防音塗料、防振塗料、コーキング材等として用いら
れる水性被覆用組成物に関し、さらに詳しくは、特に、
車輛類、殊に自動車の床裏、タイヤハウス、シャーシ
ー、ガソリンタンク、サスペンション等の室外板金加工
部材の飛石などによる擦傷、いわゆる「チッピング」か
ら該板金加工部材を保護するために使用される、耐チッ
ピング性、金属加工部材への密着性、塗膜の均一性及び
平滑性、耐水性、耐ガソリン性、耐衝撃性、防音性など
の諸性能に優れ、さらに一度塗装に用いた後の残液を廃
棄することなく、新規な水性組成物をつぎ足して使用す
ることのできる(以下、このような性質をリサイクル性
ということがある)、合成ゴム系重合体粒子及びアクリ
ル系重合体粒子の混合物をベースとする耐チッピング性
水性被覆用組成物に関する。
板金加工部材に用いられる水性の耐チッピング用被覆剤
として、ゴム系ラテックスやアクリル系共重合体エマル
ジョンなどの水性樹脂分散液をビヒクルとし、炭酸カル
シウム、タルクなどの無機質充填剤を配合したものが知
られている。これらの被覆剤は、適宜増粘されてエアレ
ススプレー等の手段により金属基材に塗工されることが
多い。
しては、該被覆剤が塗装に適した粘度及び粘性に調整で
きること;一回の塗工で比較的厚い塗膜を形成させるこ
とができ、且つその乾燥に際して形成される塗膜にフク
レやクラックが生じないこと;形成される塗膜が板金加
工部材(金属基材)に対して優れた密着性を有するこ
と;形成された塗膜が高いゴム弾性を有して耐チッピン
グ性に優れており、仮に塗膜に傷が付いても下地の金属
基材の錆の発生を極力防止しうること;塗膜が寒冷地な
どの低温条件下においても十分な耐衝撃性を保持するこ
と;特に最近の環境への配慮や厳しい経済情勢に鑑み
て、塗装後、塗装ブースの壁面などにかなり多量に付着
した塗装剤の回収して、新たな塗装剤を添加することに
より再使用することが可能で、所謂、リサイクル性に優
れていること。これにより塗装剤の利用効率を高めるこ
とができ、塗装ブースの洗浄に伴う排液の量を減少させ
及び/又は濃度を低下させることができ、排液処理に掛
かる経費が削減できること;などがある。
系共重合体水性樹脂分散液をベースとしたものは、例え
ば、特開昭53−64287号公報、特開昭59−75954号公報、
特開昭62−230868号公報、特開昭63−10678号公報、特
開昭63−172777号公報などに開示されている。
比較的良好な粘度特性を示し、前記のエアレススプレー
塗工性にも優れており、一回の塗工で比較的厚い塗膜を
形成させることが可能であり、またしばしばある程度の
リサイクル性を具備してはいるものの、一般に板金加工
部材への密着性が必ずしも十分であるとはいい難いもの
が多い。そして特に最近では、自動車等の製造に際して
従来から使用されてきた板金加工部材の金属基材である
鉛−錫合金メッキ鋼板(所謂タンシート鋼板)の使用
が、鉛の毒性の観点から問題視され、代わりにアルミニ
ウムメッキ鋼板、錫−亜鉛メッキ鋼板などが使用される
ようになってきているが、これらの金属基材は、従来の
タンシート鋼板に比較して被覆剤の密着性が不十分とな
りがちで、従来のアクリル系共重合体水性樹脂分散液を
ベースとした水性被覆剤では、このような金属基材に対
する密着性は極めて劣悪なものとなることが多い。
用いた耐チッピング用水性被覆剤が、例えば、特開昭57
−180617号公報、特開昭59−75954号公報、特開昭59−1
29213号公報などに開示されている。
テックスを用いた耐チッピング用水性被覆剤は、その塗
工に際してその粘性のため一回の塗工で厚い塗膜を形成
することが容易ではなく、その点の改良のため増粘する
と、今度はその粘度挙動に問題があって、スプレー塗装
などによる均質な塗膜の形成が容易ではなく、特に縦に
した基材に対する塗工では形成されたばかりの塗膜が滑
って落ちてしまうスリップ現象が起こりやすいなどの問
題がある。またラテックス系の耐チッピング用水性被覆
剤では、一般にその機械的安定性が不十分であるものが
多く、リサイクル性はほとんど期待できない。
他の共重合体を配合したものを用いた耐チッピング用水
性被覆剤も知られており、例えば、特開昭54−52139号
公報には、ビヒクルとして、スチレン−ブタジエン共重
合樹脂に、塩化ビニル−酢酸ビニル−不飽和二塩基酸共
重合体樹脂及び低分子液状ポリマーそれぞれ特定量配合
したものを用いることが提案されている。
いては、塩化ビニル−酢酸ビニル−不飽和二塩基酸共重
合体樹脂として粉末形状のものが用いられているが、該
共重合体樹脂粉末は分散が容易でなく、得られる塗膜は
板金加工部材に対して密着性が十分ではなく、耐チッピ
ング性も不十分であることがわかった。
では、耐チッピング用水性被覆剤における基体樹脂(ビ
ヒクル成分)として、スチレン、ブタジエン及びアクリ
ル系モノマーのエマルジョン重合により形成される、ガ
ラス転移温度が0℃以下で且つブタジエン含量が共重合
体100重量部当たり5〜50重量部である共重合体を用い
ることが提案されている。
れば、上記基体樹脂は、スチレン−ブタジエンゴムラテ
ックスの存在下にアクリル系モノマーを乳化重合して調
製されているが、本発明者らが該実施例に記載の方法に
従って共重合体の調製を試みたところ、スチレン−ブタ
ジエンゴムラテックスの存在下でのアクリル系モノマー
の乳化重合時に、該ゴムラテックス中のブタジエン単位
に由来する残存二重結合に対してアクリル系モノマーが
グラフト重合するため、所望とするゴム弾性をもつ共重
合体が得られず、固くて脆い共重合体が得られるのみで
あった。
ー、ガソリンタンク、サスペンション等のボディー以外
の部品への耐チッピング用被覆剤の塗装は、一般にボデ
ィーの塗装ラインとは別のラインで行われるが、特に最
近では自動車製造コストの低減化を目的に、該塗装ライ
ンの塗装被膜焼付温度を、例えば100℃以下などの比較
的低温とする試みがなされており、この場合、フクレ発
生の問題はほとんど回避できるという利点があるもの
の、該被覆剤のこれら部品に対する密着性が一層低下す
るという問題点があることも判明した。
のリサイクル性に優れていること;エアレススプレーな
どによる塗工性に優れていること;均一で平滑な塗膜が
得られること;得られる塗膜の金属基材、従来からの鉛
−錫合金メッキ鋼板(タンシート鋼板)は元より、最近
多用されるようになったアルミニウムメッキ鋼板、錫−
亜鉛メッキ鋼板などの金属基板に対しても優れた密着性
を有すること;優れた、常態、耐水性及び耐溶剤性の耐
チッピング性を有すること;などの耐チッピング用被覆
剤としての諸特性をバランスよく兼備する水性被覆用組
成物を提供することを目的に鋭意研究を行った。
分として、共役ジオレフィン、例えばブタジエンに、メ
チルメタクリレート、アクリロニトリル、スチレンなど
を共重合した、ガラス転移温度(Tg)が−20℃以下、例
えば−40℃程度の合成ゴム系重合体水性分散液を用い、
これにTgが0℃以下、例えば−30℃程度のアクリル系重
合体水性分散液を特定量併用することにより、前記の課
題をことごとく解決することができることを見出し、本
発明を完成した。
ば、水性媒体中に分散された重合体微粒子と無機質充填
剤とを含有してなる水性被覆用組成物であって、該重合
体微粒子が、
返し単位を50〜90重量%含有するガラス転移温度が−20
℃以下の合成ゴム系重合体粒子 50〜90重量%、及び
リル酸エステルに由来する繰り返し単位を50重量%以上
含有するガラス転移温度が0℃以下のアクリル系重合体
粒子10〜50重量%を含有してなることを特徴とする水性
被覆用組成物が提供される。
分散された重合体微粒子」、「合成ゴム系重合体粒子」
及び「アクリル系重合体粒子」なる表現は、水性媒体中
に分散された重合体の微粒子であって、その平均粒子径
が、通常1000nm以下、好ましくは50〜800nm程度の分散
粒子をいい、必ずしも乳化重合によって得られる重合体
粒子だけを意味するものではない。
もさらに詳細に説明する。
性被覆用組成物におけるビヒクルの必須成分である合成
ゴム系重合体粒子(A)は、共役ジオレフィンに由来する
繰返し単位を、合成ゴム系重合体の重量を基準にして50
〜90重量%、好ましくは50〜75重量%、さらに好ましく
は55〜80重量%の割合で含有するゴム弾性をもつ共重合
体から構成されるものである。
既知の合成ゴム系重合体ラテックスの製造法と同様の方
法に従い、例えば、
メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニル単量体及
び/又は芳香族ビニル単量体を、好ましくは、(a3) 分
子内にカルボキシル基を有する単量体(以下、カルボキ
シル基含有単量体ということがある)、及び、さらに必
要に応じて、(a4) 他の共重合可能な単量体、と共に、
加圧下に水性乳化重合することにより形成せしめること
ができる。
は、例えば、ブタジエン、インプレン、クロロプレン等
から選ばれる1種又は2種以上の単量体が挙げられ、特
にブタジエンが好適である。
は、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基づい
て、一般に50〜90重量%、さらには55〜80重量%、特に
は60〜70重量%であることが好ましい。該共重合量が該
上限値以下であれば、十分なゴム弾性を有する塗膜が得
られるので好ましく、一方該下限値以上であれば該塗膜
の基材への密着力が十分なものとなるので好ましい。
シアン化ビニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a
2)において、メタクリル酸エステル単量体としては、例
えば、メチルメタクリレート等を例示することができ、
シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等を例示することができ、ア
クリロニトリルの使用が好ましい。さらに芳香族ビニル
単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等が挙げら
れ、スチレンの使用が好ましい。
ン化ビニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)
は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用する
ことができるが、得られる塗膜の基材への密着性及びゴ
ム弾性の優秀さ等の観点から、2種以上組み合わせて使
用することが好ましく、3種以上組み合わせて使用する
ことがさらに好ましい。また該単量体成分(a2)の中に
は、必須成分としてメタクリル酸エステル単量体(特に
メチルメタクリレート)が含有されていることが好まし
い。
ム系重合体粒子の重量100重量%に基づいて、合計で、
一般に10〜50重量%、さらには20〜40重量%、特には25
〜35重量%の範囲であることが好ましい。該共重合量が
該上限値以下であれば、十分なゴム弾性を有する塗膜が
得られるので好ましく、一方該下限値以上であれば、該
塗膜の基材への密着性が十分なものとなるので好まし
い。
ルボキシル基含有単量体(a3)には、遊離の形態又は塩も
しくは無水物の形態でありうるカルボキシル基を1分子
中に1又は2個有するα,β-エチレン性不飽和単量体が
包含され、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸等の炭素数3〜5のα,β-不飽和モノカルボン酸;
シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の
炭素数4〜5のα,β-不飽和ジカルボン酸又はそれらの
無水物もしくは炭素数1〜12のモノアルキルエステル
(例えば、モノエチルエステル、モノ-n-ブチルエステ
ルなど);或いはこれらカルボン酸の塩(例えばアンモ
ニウム塩、アルカリ金属塩など)を例示することができ
る。これらの単量体もそれぞれ単独で又は2種以上組み
合わせて使用することができる。これらのカルボキシル
基含有単量体のうち、特に好適に使用しうるものとして
は、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸を挙げる
ことができる。
重合量は、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基
づいて、一般に0.3〜10重量%、さらには1〜7重量
%、特には2〜5重量%の範囲であることが好ましい。
該共重合量が該上限値以下であれば、得られる塗膜の耐
水性が十分なものとなるので好ましく、一方該下限値以
上であれば、エアレススプレーなどによる塗工性に優れ
ており、また塗料時に必要となる十分な機械的安定性が
得られるので好ましい。
ン重合体粒子は、以上に述べた共役ジオレフィン系単量
体(a1)と、メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニ
ル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)を必須の単
量体成分とし、これにさらに好ましくはカルボキシル基
含有単量体(a3)を組み合わせて共重合させることによっ
て製造することができるが、合成ゴム系重合体ラテック
スの製造に際してしばしば行われているように、必要に
応じてさらに、前記単量体(a1)〜(a3)と共重合可能で該
単量体(a1)〜(a3)以外の単量体(a4)〔以下、単に共単量
体(a4)ということがある〕を共重合させることもでき
る。
次のものが挙げられる。 アクリル酸エステル及び前記単量体(a2)以外のメタ
クリル酸エステル:例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、n-オクチルアクリレート、イソオクチルア
クリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、イソノニ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタク
リレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタ
クリレート、n-ドデシルメタクリレートなどのアクリル
酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエス
テル。
るラジカル重合性不飽和単量体:例えば、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-
メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルア
ミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド、N-i-ブトキ
シメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミ
ド、N-メチルアクリルアミド等のアミド基もしくは置換
アミド基含有単量体;例えば、アミノエチルアクリレー
ト、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジエ
チルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタク
リレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量
体;
ト、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、アリルアルコール、メタリルアルコール、ポリ
エチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレート等のヒドロキシル基含有単
量体;
2-エトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエチルア
クリレート、2-メトキシエトキシエチルアクリレート、
2-エトキシエトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシ
エトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタク
リレート、2-エトキシエチルメタクリレート、2-n-ブト
キシエチルメタクリレート、2-メトキシエトキシエチル
メタクリレート、2-エトキシエトキシエチルメタクリレ
ート、2-n-ブトキシエトキシエチルメタクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メト
キシポリエチレングリコールモノメタクリレート等の低
級アルコキシル基含有単量体;
ジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリ
シジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体;ア
リルメルカプタン等のメルカプト基含有単量体;
トリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリ-n-プロポキシシラ
ン、ビニルトリ-i-プロポキシシラン、ビニルトリ-n-ブ
トキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリス(2-ヒドロキシメトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシ
ラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチル
ジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビ
ニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシ
ラン、アリルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(2
-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジ
メチルエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、2-アクリルアミドエチルトリエトキ
シシラン等の珪素含有基を有する単量体;
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の2個
以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等。
成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基づいて、一般
に0〜20重量%、さらには0〜15重量%、特には0〜10
重量%の範囲であることが好ましい。該共重合量が該上
限値以下であれば、得られる塗膜のゴム弾性及び基材密
着性が優れているので好ましい。
た単量体成分(a1)〜(a4)を、それ自体既知の合成ゴム系
ラテックスの製造法と同様に、界面活性剤の存在下且つ
必要に応じて保護コロイドの共存下に水性媒体中で、約
30〜約100℃、好ましくは約40〜約90℃の温度で、通常
加圧下に、乳化重合することにより製造することができ
る。
ン系、陽イオン系又は両性のいずれのタイプの界面活性
剤でも使用することができる。
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキル
エーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフエ
ノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノール
エーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフエノール
エーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等
のソルビタン脂肪酸エステル類;
ノラウレート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪
酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオ
キシアルキレン脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸
モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の
グリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポ
リオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を挙げる
ことができる。
テアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホ
ン塩酸類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキ
ル硫酸エステル塩類:例えば、モノオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリ
ウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘
導体類;例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエー
テル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノ
ニルフエノールエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシ
アルキレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩
類:等を例示することができる。
ば、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;
例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の
第4級アンモニウム塩;ポリオキシエチルアルキルアミ
ン;等が挙げられ、さらに両性界面活性剤としては、例
えば、ラウリルベタインなどのアルキルベタイン等を挙
げることができる。
の水素の一部をフッ素で置換したもの;これら界面活性
剤の分子構造中にラジカル共重合性不飽和結合を有す
る、いわゆる反応性界面活性剤;等も使用することがで
きる。
凝集物発生の少なさなどの観点より、非イオン界面活性
剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
類、ポリオキシアルキレンアルキルフエノールエーテル
類;そして陰イオン界面活性剤としては、アルキルアリ
ールスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスル
ホコハク酸エステル塩及びその誘導体類、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキ
シアルキレンアルキルフエノールエーテル硫酸エステル
塩類;等を使用することが好ましい。これらの界面活性
剤はそれぞれ単独で又は適宜組み合わせて使用すること
ができる。
面活性剤の種類等に応じて変えうるが、一般には、合成
ゴム系重合体粒子の重量100重量部に基づいて、すなわ
ち単量体成分(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して約0.1
〜約10重量部の範囲内とすることができるが、水性乳化
重合の重合安定性、生成する合成ゴム系重合体粒子の水
性分散液(以下、合成ゴム系重合体エマルジョンという
ことがある)の貯蔵安定性及び耐チッピング性水性被覆
用組成物に用いたときの、板金加工部材などの基材との
密着性の優秀さ等の観点から、約1〜6重量部、特には
約1〜4重量部の範囲内で用いるのが好ましい。
て使用することができる保護コロイドとしては、例え
ば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース塩等のセルロース誘導体;例えば、グアー
ガムなどの天然多糖類;などが挙げられる。
制限されるものではなく、その種類等に応じて変えるこ
とができるが、通常前記単量体成分(a1)〜(a4)の合計10
0重量部に対して0〜3重量部程度の量を例示すること
ができる。
重合開始剤を用いて行なわれる。使用しうる重合開始剤
として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類;例えば、t-ブチ
ルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシ
ド、p-メンタンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化
物類;過酸化水素:などが挙げられ、これらは一種のみ
で又は複数種組み合わせて使用することができる。
るものではなく、その種類や反応条件等に応じて広い範
囲で変えることができるが、一般には、前記単量体成分
(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して、約0.05〜約3重
量部、より好ましくは約0.1〜約2重量部、特に好まし
くは約0.1〜約1.5重量部の如き使用量を例示することが
できる。
剤を併用することができる。使用しうる還元剤として
は、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブド
ウ糖等の還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜
硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物を例示することが
できる。これら還元剤の使用量もまた特に制限されるも
のではないが、一般には前記単量体(a1)〜(a4)の合計10
0重量部に対して、約0.05〜約3重量部の範囲内を例示
することができる。
り連鎖移動剤を用いることもできる。このような連鎖移
動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素
数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢
酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセ
ン、フエナントレン、フルオレン、9-フエニルフルオレ
ンなどの多環式芳香族化合物類;p-ニトロアニリン、ニ
トロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、
p-ニトロフエノール、p-ニトロトルエン等の芳香族ニト
ロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6-テトラメチル-p-
ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;トリブチルボ
ラン等のボラン誘導体;
ブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレ
ン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3-ク
ロロ-1-プロペン等のハロゲン化炭化水素類;クロラー
ル、フラルデヒド等のアルデヒド類;例えば、n-ドデシ
ルメルカプタン等炭素数1〜18のアルキルメルカプタン
類;チオフエノール、トルエンメルカプタン等の芳香族
メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸の炭
素数1〜10のアルキルエステル類;2-メルカプトエタノ
ール等の炭素数1〜12のヒドロキルアルキルメルカプタ
ン類;ビネン、ターピノレン等のテルペン類;などを挙
げることができる。
は、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して、
約0.005〜約5重量部の範囲内が好ましい。
成ゴム系重合体エマルジョン(ラテックス)は、一般
に、10〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、さらに好
ましくは40〜60重量%の範囲内の固形分を有することが
でき、また、B型回転粘度計を用い、25℃、20rpmで測
定したときの粘度は、通常10,000cps以下、特に約50〜
約5,000cpsの範囲内にあることが望ましい。
9の範囲内の pHを有することが望ましく、pH調節は例
えばアンモニア水、アミン水溶液、水酸化アルカリの水
溶液を用いて行うことができる。
れる合成ゴム系重合体粒子(A)は、Tgが−20℃以下であ
り、好ましくは−50〜−30℃、さらに好ましくは−45〜
−35℃の範囲内にあることができる。Tgが該上限値より
高い合成ゴム系重合体粒子を用いて調製される水性被覆
用組成物から形成される塗膜は、一般に基材への密着性
が不十分となりがちであり好ましくない。一方、Tgが該
下限値以上であれば、耐チッピング性に優れた塗膜が得
られるので好ましい。
ラス転移温度(Tg)は、以下の方法で測定した場合の値
である。
ルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型の
セルに、(共)重合体エマルジョンの試料約10mgを秤取
し、100℃で2時間乾燥したものを測定試料とし、示差
走査熱量計〔Differential Scanning Calorimeter:セ
イコー電子工業(株)製「SSC-5000」型〕を用い、−150
℃から昇温速度10℃/分で試料のガラス転移温度前後の
比熱容量差を測定し、その結果からTgを決定する。
に70〜95重量%、特に75〜90重量%の範囲内のゲル含有
量を有することが望ましい。該重合体粒子のゲル含有量
が該下限値以上であれば、塗膜の加熱による乾燥時にフ
クレが生じることなく厚い塗膜が得られるので好まし
く、また該上限値以下であれば、弾性に富み耐チッピン
グ性の優れた塗膜が得られるので好ましい。
体粒子(A)のゲル含有量は、以下の方法で測定した場合
の値である。
体エマルジョン(又は後記するアクリル系重合体エマル
ジョン)からフイルムを作成し、該フイルムを約200〜8
00倍のトルエン中に投入し、48時間放置させた後に No.
2濾紙を用いて濾過する。濾液を70℃で減圧乾燥を行
い、秤量して重合体エマルジョンからのフイルムのトル
エン可溶分(重量%)を求め、100重量%から上記トル
エン可溶分(重量%)を減じた数値、すなわちトルエン
不溶分(重量%)をもってゲル含有量とする。
ジョン中に分散している合成ゴム系重合体粒子(A)の平
均粒子径(以下、単に粒子径ということがある)は、一
般に、100〜300nm、特に120〜250nmの範囲内にあること
が望ましい。エマルジョン中の重合体粒子の粒子径のコ
ントロールは、例えば使用する界面活性剤の書類や量、
さらには重合温度などを適宜選択することにより行うこ
とができる。
粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定
された値であり、具体的には「マスターサイザー2000」
〔シスメックス(株)製〕を用いて測定された重量平均径
である。
の方法で製造したものの他、例えば、「LX-407C」〔日
本ゼオン(株)製〕、「SN-318」、「SN-534」、「SN-56
2」、「J-1666」〔以上、住友ダウ(株)製〕、「SK-80」
〔武田薬品工業(株)製〕、「L-2001」、「L-2337」〔以
上、旭化成工業(株)製〕、「ポリラック 707」〔三井東
圧化学(株)製〕等の商品名で市販されているスチレン−
ブタジエン系合成ゴムラテックス(以下、SBRと略称す
ることがある);「ニポール 1571」、「ニポール 155
1」、「ニポール 1562」〔以上、日本ゼオン(株)製〕等
の商品名で市販されているアクリロニトリル−ブタジエ
ン系合成ゴムラテックス(以下、NBRと略称することが
ある)等を使用することもできる。
性被覆用組成物において、ビヒクル成分として、前記の
合成ゴム系重合体粒子(A)と組み合わせて使用すること
のできるアクリル系重合体粒子(B)は、アクリル酸エス
テル及び/又はメタクリル酸エステルに由来する繰り返
し単位を、該アクリル系重合体粒子(B)の重量100%に基
づいて、一般に50重量%以上、好ましくは60〜99重量
%、さらに好ましくは70〜98重量%の割合で含有するも
のである。
ましいアクリル系重合体粒子(B)は、下記単量体(b1)〜
(b4)、
〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)で示され、そ
の単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であ
るアクリル酸エステル 50〜90重量%、
量体 0.3〜10重量%、(b3) 分子内にヒドロキシル基を
有する単量体 1.5〜15重量%、(b4) 上記単量体(b1)〜
(b3)と共重合可能で、該単量体(b1)〜(b3)以外の共単量
体 8.2〜48.2重量%、〔但し、単量体(b1)〜(b4)の合
計を100重量%とする〕を水性乳化重合することにより
製造することができる。
ルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オ
クチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n-ノ
ニルアクリレート、イソノニルアクリレートなどが挙げ
られ、これらの中でも、n-ブチルアクリレート、2-エチ
ルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートが
好ましい。これらのアクリル酸エステルは、それぞれ単
独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて用いて
もよい。
〜90重量%であることが必要であり、60〜88重量%、特
に70〜84重量%であることが好ましい。該共重合量が該
上限値を超えて多すぎては、得られる塗膜の耐チッピン
グ性が低下する傾向にあり好ましくなく、一方、該下限
値未満と少なすぎては、基材への密着性が低下すること
があり好ましくない。
ス転移温度(Tg)」には、L. E. ニールセン著、小野木
宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35頁に記載されて
いる単量体のガラス転移温度が適用される。
ては、前記合成ゴム系重合体の製造において前述したカ
ルボキシル基含有エチレン系単量体(a3)と同様のものを
使用することができ、その好適なものは、単量体(a3)に
おけると同様、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン
酸である。該単量体(b2)の共重合量は、前記のとおり0.
3〜10重量%であることが必要であり、0.5〜5重量%、
特に1〜3重量%であることが好ましい。該共重合量(b
2)が該上限値を超えて多すぎては、塗膜の加熱による乾
燥時にフクレが生じやすく厚い塗膜が得にくいので好ま
しくなく、一方、該下限値未満と少なすぎては、得られ
る水性被覆用組成物の安定性が不十分となりがちであ
り、塗装適性が低下すること多いので好ましくない。
しては、前記合成ゴム系重合体の製造において前述した
共単量体(a4)のの中に例示したヒドロキシル基含有単
量体と同様のものを使用することができ、その好適なも
のは、2-ヒドロキシエチルアクリレート及び2-ヒドロキ
シエチルメタクリレートである。該単量体(b3)の共重合
量は、前記のとおり1.5〜15重量%であることが必要で
あり、2〜10重量%、特に3〜8重量%であることが好
ましい。該共重合量(b3)が該上限値を超えて多すぎて
は、加熱による塗膜の乾燥時にクラックが生じやすく厚
い塗膜が得にくいので好ましくなく、一方、該下限値未
満と少なすぎては、得られる水性被覆用組成物のリサイ
クル性が低下する傾向があるので好ましくない。
ものが挙げられる。 前記(b1)以外のアクリル酸エステル、及びメタクリ
ル酸エステル:例えば、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアク
リレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレー
ト、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、オレイルアクリレート等(好ましくはメチルアクリ
レート);メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレー
ト、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレー
ト、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート等(好ましくはメチルメタクリレー
ト);
エステル以外のエチレン系単量体:例えば、飽和脂肪酸
ビニルエステル、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品
名)等(好ましくは酢酸ビニル);芳香族ビニル単量
体、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルト
ルエン等(好ましくはスチレン);シアン化ビニル単量
体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
(好ましくはアクリロニトリル);モノオレフイン単量
体、例えば、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、i-ブ
チレン等;マレイン酸もしくはフマル酸のジエステル、
例えば、ジメチルマレート、ジ-n-ブチルマレート、ジ-
2-エチルヘキシルマレート、ジ-n-オクチルマレート、
ジメチルフマレート、ジ-n-ブチルフマレート、ジ-2-エ
チルヘキシルフマレート、ジ-n-オクチルフマレート、
ジ-n-ブチルイタコネート、ジ-2-エチルヘキシルイタコ
ネート、ジ-n-オクチルイタコネート等;
体。具体的には、アミド基もしくは置換アミド基含有単
量体、アミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体、ヒド
ロキシル基含有単量体、低級アルコキシル基含有単量
体、エポキシ基含有単量体、メルカプト基含有単量体、
珪素含有基を有する単量体、2個以上のラジカル重合性
不飽和基を有する単量体等。
さ、乳化重合の容易さ等の観点から、及びに挙げた
単量体、中でもメチルメタクリレート、スチレン及びア
クリロニトリルの使用が好ましい。これら単量体はそれ
ぞれ単独で用いることができ又は2種以上併用してもよ
い。
おり8.2〜48.2重量%であることが必要であり、9.5〜3
7.5重量%、特に12〜26であることが好ましい。該上限
値を超えて多すぎては、得られる塗膜の基材に対する密
着性が低下しがちとなるので好ましくなく、一方、該下
限値未満と少なすぎては、塗膜の耐チッピング性が低下
する傾向にあり好ましくない。
(B)中におけるアクリル酸エステル及び/又はメタクリ
ル酸エステルに由来する繰り返し単位の量とは、前記単
量体(b1)のアクリル酸エステル並びに、(b4)のうちの
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来す
る繰り返し単位の合計量を意味する。
系重合体粒子(A)の製造法について前述した方法と同様
の乳化重合法〔通常は大気圧下で乳化重合させること〕
によって製造することができる。
クル成分として、前述の合成ゴム系重合体粒子(A)と組
み合わせて使用することのできるアクリル系重合体粒子
(B)としては、Tgが0℃以下であることが必要であり、
−65〜−20℃、好ましくは−60〜−30℃の範囲内にある
ことが望ましい。該Tgが該上限値を超えて高すぎては、
得られる塗膜の基材に対する密着性が低下しがちとなる
ので好ましくない。一方、Tgが該下限値以上であれば、
塗膜の耐チッピング性が優れたものとなるので好まし
い。
一般に80重量%以下、特に40〜75重量%の範囲内のゲル
含有量を有することが望ましい。該重合体粒子のゲル含
有量が該上限値以下であれば、得られる水性被覆用組成
物のリサイクル性が優れているので好ましく、また該下
限値以上であれば、塗膜の加熱による乾燥時にフクレが
生じにくく厚い塗膜が得られるので好ましい。
形成されるアクリル系(共)重合体エマルジョンは、固形
分として、アクリル系重合体粒子(B)を、一般に10〜70
重量%、好ましくは30〜65重量%、さらに好ましくは40
〜60重量%の範囲内で含有することができ、また、B型
回転粘度計を用いて、25℃、20rpmで測定したときの粘
度は通常、10,000mPa・s以下、特に約10〜約5,000mPa・s
の範囲内にあるのが好都合である。
9の範囲内のpHを有することが望ましく、pH調節は例え
ばアンモニア水、アミン水溶液、水酸化アルカリの水溶
液を用いて行うことができる。
て測定するとき、そのゲル含有量が80重量%以下、さら
に40〜75重量%の範囲であることが望ましい。また、形
成される重合体エマルジョン中に分散しているアクリル
系重合体粒子(B)の平均粒子径は、一般に1000nm以下、
さらに150〜800nmの範囲内にあることが好ましい。該平
均粒子径が、該上限値以下であれば、得られる塗膜の基
材に対する密着性が優れているので好ましく、また該下
限値以上であれば、塗膜の加熱による乾燥時にフクレが
生じにくく厚い塗膜が得られるので好ましい。アクリル
系重合体粒子(B)の粒子径のコントロールは合成ゴム系
重合体粒子(A)の粒子径のコントロールと同様にして行
うことができる。
組成物は、ビヒクル成分として、合成ゴム系重合体粒子
(A)及びアクリル系重合体粒子(B)を組み合わせに対し
て、無機質充填剤を配合することにより調製することが
できる。
ル系重合体粒子(B)の配合量は、これらエマルジョン中
の重合体粒子(A)及び(B)(すなわち固形分)の合計量を
基準にして、合成ゴム系重合体粒子(A)は50〜90重量
%、好ましくは55〜85重量%、さらに好ましくは60〜80
重量%の範囲内、そしてアクリル系重合体粒子(B)は50
〜10重量%、好ましくは15〜45重量%、さらに好ましく
は20〜40重量%の範囲内とすることができる。合成ゴム
系重合体粒子(A)の配合割合が該下限値未満と少なす
ぎ、アクリル系重合体粒子(B)の配合割合が該上限値を
超えて多すぎれば、得られる塗膜の耐チッピングが低下
しがちとなるので好ましくない。一方、合成ゴム系重合
体粒子(A)の配合割合が該上限値を超えて多すぎ、アク
リル系重合体粒子(B)の配合割合が該下限値未満と少な
すぎれば、得られる水性被覆用組成物のリサイクル性が
低下する傾向があり好ましくない。
応じて、ウレタン系樹脂粒子(C)を配合することがで
き、これにより、例えばカチオン電着塗装鋼板などの極
性基材に対する塗膜の密着性を更に向上させることがで
きるが、その配合量は、固形分、すなわちウレタン系樹
脂粒子(C)として、合成ゴム系重合体粒子(A)とアクリル
系重合体粒子(B)との合計100重量部に基づいて、一般に
30重量部以下程度の範囲内とすることができる。
とのできるウレタン系樹脂粒子(C)を含むエマルジョン
には、例えば、「SF 150HS」、「SF 420」[以上、第一
工業製薬(株)製]、「HUX-320」、「HUX-290N」[以上、
旭電化工業(株)製]などの商品名で市販されているもの
が使用できる。
要に応じ架橋剤としてイソシアネート誘導体を配合する
ことができる。該イソシアネート誘導体の配合によっ
て、得られる塗膜の耐水性及び基材密着性をさらに向上
させることができる。
リジン化合物及びブロック化イソシアネートが例示で
き、いずれも水分散性のものが好適に用いられる。
ネート化合物とエチレンイミンとの反応生成物が使用で
き、ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレ
ンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネー
ト等の芳香族ポリイソシアネート化合物;例えば1,6-ヘ
キサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシア
ネート化合物;例えば、メチルシクロヘキサンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネ
ート化合物;などを例示することができる。また、これ
らイソシアネートの2量体又は3量体;これらイソシア
ネートと、例えばトリメチロールプロパン等の2価以上
のポリオールとのアダクト体などを例示できる。
明に好適に利用できる水分散性アジリジン化合物の市販
品としては、例えば、「SU-125F」〔明成化学工業(株)
製〕、「DZ-22E」〔日本触媒(株)製〕等を挙げることが
できる。
前記ポリイソシアネート化合物に揮発性低分子活性水素
化合物を付加させたものを挙げることができる。
ち、本発明に好適に利用できる水分散性ブロック化イソ
シアネートの市販品としては、例えば、「DM-30」、「D
M-60」〔以上、明成化学工業(株)製〕、「エラストロン
BN-69」、「エラストロンBN-44」、「エラストロンBN-0
8」〔以上、第一工業製薬(株)製〕等を挙げることがで
きる。
誘導体のうち、架橋反応の温度依存性が小ささ、フクレ
限界膜厚向上効果の大きさ、及び、得られる塗膜の湿潤
耐チッピング性、基材密着性等の改善効果の顕著さ等の
観点から、アジリジン化合物を用いるのが好ましい。
発明の水性被覆用組成物中に含有される重合体微粒子
〔すなわち、必須成分の合成ゴム系重合体粒子(A)及び
アクリル系重合体粒子(B)の合計〕100重量部に基づい
て、通常10重量部以下(有効成分として)程度の範囲で
ある。
らに、イソシアネート誘導体以外の適宜の架橋剤を配合
することができる。
橋剤としては、 (イ) 水溶性多価金属塩、例えば、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、
硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛塩;例えば、酢酸アルミニ
ウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどアルミ
ニウム塩;例えば、酢酸カルシウム、義酸カルシウム、
塩化カルシウム、硝酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等
のカルシウム塩;例えば、酢酸バリウム、塩化バリウ
ム、亜硫酸バリウム等のバリウム塩;酢酸マグネシウ
ム、蟻酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、硝酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム等のマ
グネシウム塩;例えば、酢酸鉛、蟻酸鉛等の鉛塩;例え
ば、酢酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸
ニッケル等のニッケル塩;例えば、酢酸マンガン、塩化
マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン等のマンガン
塩;例えば、塩化銅、硝酸銅、硫酸銅等の銅塩;など、
ロールジグリシジルエーテルなど、
ールメラミン;該メチロールメラミンの水酸基の少なく
とも1部をメチルアルコール、エチルアルコール、n-ブ
チルアルコールなどでエーテル化したものなど、を例示
することができる。
用組成物の粘度の経時変化抑制等の観点から、該組成物
中の重合体微粒子100重量部に対して、例えば、0〜10
重量部、好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜6重量
部の範囲内を例示することができる。
れる水性媒体は、前述のエマルジョンに由来するもので
あり、通常は水であるが、場合によっては、水と水混和
性有機溶媒との混合溶媒であってもよい。
して、前記の合成ゴム系重合体粒子(A)及びアクリル系
重合体粒子(B)からなる重合体微粒子とともに、無機質
充填剤を含有してなるものである。該無機質充填剤は、
増量剤、塗膜の硬さの調節、ブリスターの発生防止等の
目的で該組成物に配合されるものであり、使用しうる無
機質充填剤としては、実質的に水に不溶性ないし難溶性
の無機質個体粉末、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、
アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、マイ
カ、水酸化アルミニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、炭
酸マグネシウム等を例示することができる。
類や被覆用組成物に対して望まれる物性等に応じて広い
範囲で変化させることができるが、該組成物中に含有さ
れる重合体微粒子の合計100重量部に対して、一般に100
〜390重量部、好ましくは120〜380重量部、さらに好ま
しくは150〜320重量部の範囲内とすることができる。
約50μm、特に1〜約30μmの範囲内の平均粒径をもつも
のであることが望ましい。
通常の被覆用組成物におけると同様に、防錆顔料、着色
顔料、架橋剤等を含有することができる。
ロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウ
ムなどのクロム酸金属塩;例えば、リン酸亜鉛、リン酸
カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン
酸珪素、又は、これら金属のオルトもしくは縮合リン酸
塩などのリン酸金属塩;例えば、モリブテン酸亜鉛、モ
リブテン酸カルシウム、モリブテン酸亜鉛カルシウム、
モリブテン酸亜鉛カリウム、リンモリブテン酸亜鉛カリ
ウム、リンモリブテン酸カルシウムカリウムなどのモリ
ブテン酸金属塩;例えば、硼酸カルシウム、硼酸亜鉛、
硼酸バリウム、メタ硼酸バリウム、メタ硼酸カルシウム
などの硼酸金属塩:等を例示することができる。これら
の防錆顔料のうち、リン酸金属塩、モリブテン酸金属
塩、硼酸金属塩などの無毒性又は低毒性防錆顔料が好ま
しい。
中の重合体微粒子100重量部に対して、例えば、0〜50
重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲内を例示するこ
とができる。
タン、カーボンブラック、弁柄、ハンザイエロー、ベン
ジジンイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドン
レッド等の有機もしくは無機の着色顔料を挙げることが
できる。これらの着色顔料の配合量は、被覆用組成物中
の重合体微粒子100重量部に対して、例えば、0〜10重
量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲内を例示するこ
とができる。
は、得られる被覆用組成物の形成塗膜の平滑さなどの観
点から、1〜50μmの範囲内にあるのが好ましい。
要に応じて、無機質分散剤〔例えば、ヘキサメタリン酸
ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等〕、有機質分
散剤〔例えば、「ノブコスパース 44C」(商品名、ポリ
カルボン酸系;サンノブコ(株)製〕などの分散剤;シリ
コン系などの消泡剤;ポリビニルアルコール、セルロー
ス系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂、界面活性剤系等の
増粘剤及び粘性改良剤;エチレングリコール、ブチルセ
ロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールア
セテート等の有機溶剤;老化防止剤;防腐剤・防黴剤;
紫外線吸収剤;帯電防止剤;等を添加混合することがで
きる。
れるものではないが、一般に、約40〜90重量%、好まし
くは約50〜85重量%、特に好ましくは約60〜80重量%の
範囲内の固形分を含有し、また、7〜11、好ましくは8
〜10の範囲内のpHを有し、且つ約3,000〜100,000mPa・
s、好ましくは約5,000〜50,000mPa・sの範囲内の粘度(B
型回転粘度計、25℃、20rpmによる)をもつことができ
る。
ができる基材は、特に限定されず、例えば、鋼板;例え
ば、鉛−錫合金メッキ鋼板(タンシート鋼板)、錫メッ
キ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、錫−亜鉛メッキ鋼
板、鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ
鋼板などの各種メッキ鋼板;電着塗装鋼板などの塗装鋼
板:等をあげることができるが、特に最近自動車等の製
造に際して、タンシート鋼板が鉛の毒性の観点から問題
視されてきており、それに代って使用されているアルミ
ニウムメッキ鋼板、錫−亜鉛メッキ鋼板などに対して、
本発明の水性被覆用組成物は特に優れた基材密着性を示
す。
基材を板金プレスなどにより各種形状に成形加工したも
の及びこれらを各種自動車部材として溶接したもの、例
えば、自動車のガソリンタンク、床裏、タイヤハウス、
フロントエプロン、リヤーエプロンなどの車室外の板金
加工部材の電着塗装面、中塗塗装面又は上塗塗装面等の
被覆用に好適に使用することができる。
既知の塗装法、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、ロー
ラー塗装等により行うことができるが、一般にエアレス
吹き付け塗装が好適である。
て異なるが、通常、約200〜800μm、特に約300〜600μm
の範囲内が適当である。また、塗膜の乾燥は自然乾燥、
加熱乾燥等により行うことができるが、一般には、低温
焼付用の水性被覆用組成物の場合には約60〜100℃の温
度の加熱炉で焼付けするのが好ましく、また、高温焼付
用の水性被覆用組成物の場合には約60〜100℃の温度で
予備乾燥した後、約120〜160℃程度の温度の加熱炉で焼
付けするのが好都合である。
説明する。なお、実施例及び比較例において用いる試験
用サンプルの作成及びその試験方法は次ぎのとおりであ
る。
ッキ鋼鈑(以下Al鋼板ということがある)の表面をシン
ナーにて洗浄した後、各試料をエアレス吹き付け塗装法
によって乾燥膜厚が所定の厚さになるように塗装し、室
温で10分間放置した後、熱風循環式乾燥器を用いて80
℃、15分の予備乾燥した後、120℃、30分間熱処理す
る。
同じ形状の錫−亜鉛メッキ鋼鈑(以下Sn/Zn鋼板という
ことがある)又はタンシート鋼鈑(以下Pb/Sn鋼板とい
うことがある)〔何れも新日本製鉄(株)製〕を用い、同
様にして基材密着性試験用の試験片を作製する。
レスポンプ及びスプレーガンを用い、塗装ガン手元圧90
kg/cm2、吹き付け距離30cmの条件にて吹き付け塗装を行
い、得られた塗装幅を以下の基準に従って評価する。 ○・・・30cm以上 △・・・25〜30cm ×・・・20cm以下
いて湿時の膜厚が1000μm以上になるように吹き付け塗
装し、得られた塗装物を25℃、50%RHの恒温恒湿条件下
にて2時間以上放置する。放置後、塗装部分の被覆組成
物を掻き落として回収し、脱イオン水にて粘度を調整し
た後、前(2)項と同様の方法にて吹き付け塗装を行い、
同様の評価基準にて塗装幅を評価する。
塗膜の厚さを変えて塗装を行い、乾燥時にふくれの生じ
ない最大膜厚を求め、フクレ限界膜厚とする。
皮膜の厚さを変えて塗装を行い、乾燥時にクラックの生
じない最大膜厚を求め、クラック限界膜厚とする。
して得た3種の試験片を約25℃の恒温条件下に16時間放
置した後、クロスカットガイド〔コーテック(株)製〕と
事務用カッターを用いて、塗装表面から縦、横それぞれ
1mm間隔で基材に達する深さのカット線も入れて1cm2
中に 100個のゴバン目を作成する。このゴバン目に 24m
m幅のセロファンテープ〔ニチバン(株)製〕を貼付け、
手で素早く180゜剥離を行い、塗膜に残存した目の数を数
えて塗膜残存目数/100と表示する。
うに塗装して得た試験片を約25℃の恒温条件下に16時間
放置した後、事務用カッターを用いて塗膜表面から基材
に達する深さで、長さそれぞれ約5cmの×印のカット線
を入れる。
てかけて固定し、その塗面に2mの高さから鉛直方向に2
5mmφのポリ塩化ビニル製パイプを用いてナット(M-6)
をカット線のクロス部めがけて連続して落下させ、基材
の素地が露出した時点での落下したナットの総重量で評
価する。
うに塗装して得た試験片を約25℃の恒温条件下に16時間
放置した後、約40℃の脱イオン水中に7日間浸漬後取り
出して水分をふき取って25℃で3時間放置し、次いで前
(5-1)項と同様に×印のカット線を入れて、以下前(5-1)
項と同様の方法で耐チッピング性試験を行い同様に評価
する。
うに塗装して得た試験片を約25℃の恒温条件下に16時間
放置した後、−30℃の恒温条件下に3時間以上放置した
のち同温度でJIS K-5400に準じてデュボン式耐衝撃テス
トを行う。
mmの撃ち型と受け型を取り付け、試験片の塗膜面を上向
きにしてその間に挟み、質量500±1gの重りを50cmの高
さから撃ち型の上に落とし、塗膜面の損傷の度合いを目
視により次のような評価基準に従って評価する。
ブに、脱イオン水100重量部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.3重量部、炭酸水素ナトリウム0.2重量
部、過硫酸カリウム1.0重量部、t-ドデシルメルカプタ
ン1.0重量部、並びに、ブタジエン(Bd)65重量部、ス
チレン(St)22重量部、メチルメタクリレート(MMA)
5重量部、アクリロニトリル(AN)5重量部及びアクリ
ル酸(AA)3重量部からなる単量体を仕込んで十分に攪
拌した後、65℃にて重合を行った。重合終了後、この重
合体エマルジョンを水酸化ナトリウム水溶液にてpH6前
後に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体等を除去・
回収した後、固形分50重量%に調整して、pH6.1、粘度5
00mPa・s(B型粘度計、25℃、20rpmにて測定。以下同
様)、平均粒子径160nmの合成ゴム系重合体エマルジョ
ンを得た。この合成ゴム系重合体粒子のTgは−40℃、ゲ
ル含有量は85重量%であった。
部とする以外は製造例A1と同様にして合成ゴム系重合体
エマルジョンを得た。得られた合成ゴム系重合体エマル
ジョンの性状すなわちpH、粘度及び粒子径、並びに重合
体粒子のTg及びゲル含有量を表1に示す。
重量部用いる代わりに、表1に示すように単量体組成を
変えてTgを変える以外は製造例A1と同様にして合成ゴム
系重合体エマルジョンを得た。得られた合成ゴム系重合
体エマルジョンの性状並びに、重合体粒子のTg及びゲル
含有量を表1に示す。
量部、MMA5重量部、AN5重量部及びAA3重量部用いる
代わりに、表1に示すように単量体組成を変える以外は
製造例A1と同様にして合成ゴム系重合体エマルジョンを
得た。得られた合成ゴム系重合体エマルジョンの性状並
びに、重合体粒子のTg及びゲル含有量を表1に示す。
おりである。 Bd:ブタジエン St:スチレン MMA:メチルメタクリレート AN:アクリロニトリル AA:アクリル酸 IA:イタコン酸
反応容器に、脱イオン水94重量部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム1.0重量部、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルサルフェートのアンモニウム塩1.0重量
部を仕込み、窒素を流しながら70℃に昇温した。次いで
この反応容器に、単量体組成が、2-エチルヘキシルアク
リレート(HEA)75重量部、アクリル酸(AA)2重量
部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)4重量
部、St 10重量部及びMMA9重量部からなる単量体混合物
100重量部並びに、過硫酸アンモニウムの5重量%水溶
液6重量部とを3時間にわたり連続添加し、その後同温
度で2時間保持した後、約25重量%のアンモニア水を適
量添加して、固形分約50重量%、pH7.0、粘度680mPa・
s、平均粒子径180nmのアクリル系重合体エマルジョンを
得た。このアクリル系重合体粒子のTgは−50℃、ゲル含
有量は85重量%であった。
ウムを増量する以外は製造例B1と同様にして、固形分約
50重量%、pH6.8、粘度2510mPa・s、平均粒子径(120)nm
のアクリル系重合体エマルジョンを得た。このアクリル
系重合体粒子のTgは−50℃、ゲル含有量は85重量%であ
った。
の使用量を増やす以外は製造例B1と同様にして、ゲル含
有量の異なるアクリル系重合体エマルジョンを得た。得
られたアクリル系重合体エマルジョンの固形分、pH、粘
度及び平均粒子径、並びにアクリル系重合体のTg及びゲ
ル含有量を表2に示す。
重量部、St 10重量部及びMMA9重量部からなる単量体混
合物を用いる代わりに、表2に示すような単量体組成を
変える以外は製造例B1と同様にして、Tgの異なるアクリ
ル系重合体エマルジョンを得た。得られたアクリル系重
合体エマルジョンの固形分、pH、粘度及び平均粒子径、
並びにアクリル系重合体のTg及びゲル含有量を表2に示
す。
0.1重量部又は8重量部を用い、それに伴ってEHA、MMA
及びStの使用量をそれぞれ加減する以外は製造例B1と同
様にして、Tgが約−50℃のアクリル系重合体エマルジョ
ンを得た。得られたアクリル系重合体エマルジョンの固
形分、pH、粘度及び平均粒子径、並びにアクリル系重合
体のTg及びゲル含有量を表2に示す。
MA1重量部又は15重量部を用い、それに伴ってEHA、MMA
及びStの使用量をそれぞれ加減する以外は製造例B1と同
様にして、Tgが約−50℃のアクリル系重合体エマルジョ
ンを得た。得られたアクリル系重合体エマルジョンの固
形分、pH、粘度及び平均粒子径、並びにアクリル系重合
体のTg及びゲル含有量を表2に示す。
製造した合成ゴム系重合体エマルジョン140重量部(固
形分で約70重量部)を用い、且つ、アクリル系重合体エ
マルジョン(B)として製造例B1で製造したアクリル系重
合体エマルジョン60重量部(固形分で約30重量部)を用
い、これに、分散剤として「ノプコスパース44C」〔サ
ンノプコ(株)製、ポリカルボン酸系分散剤〕2.0重量部
(固形分約0.88重量部)、無機質充填剤として粉末炭酸
カルシウム〔商品名「SL-700」、平均粒径 4.5μ、竹原
化学工業(株)製〕215重量部、防錆顔料としてメタ硼酸
バリウム15重量部、着色顔料としてカーボンブラック3
重量部を、ディスパーを用いて均一に分散させ、次い
で、増粘剤として「アデカノールUH-472」〔(商品
名)、旭電化工業(株)製〕2重量部を加え、更に攪拌し
た。最後に粘度が20,000〜25,000mPa・sになるように
「アデカノールUH-472」と脱イオン水にて調整し、PWC
が70重量%で固形分が75.5重量%の水性被覆用組成物を
作製した。
性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及び特性値
を表3に、各種物性試験の測定結果を表4に示す。
体エマルジョンと、製造例B1で製造したアクリル系重合
体エマルジョンとの使用割合を変え、又は該アクリル系
重合体エマルジョンを用いない以外は実施例1と同様に
して、水性被覆用組成物を作製し、各種物性試験を行っ
た。該被覆用組成物の配合組成及び特性値を表3に、各
種物性試験の測定結果を表4に示す。
体エマルジョンを用いる代りに、製造例A2〜A8で製造し
た合成ゴム系重合体エマルジョンを用いる以外は実施例
1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し、各種物性
試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及び特性値を
表3に、各種物性試験の測定結果を表4に示す。
体エマルジョンを用いる代りに、製造例B2〜B13で製造
したアクリル系重合体エマルジョンを用いる以外は実施
例1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し、各種物
性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及び特性値
を表3に、各種物性試験の測定結果を表4に示す。
マスチック塗料、防音塗料、防振塗料、コーキング材等
の水性被覆用組成物、中でも、車輌類、特に自動車のシ
ャーシー、ガソリンタンク、サスペンション等の室外金
属加工部材を保護するための被覆材として使用される水
性被覆用組成物であって、ビヒクル成分として−20℃以
下のガラス転移温度を有する合成ゴム系重合体粒子(A)
を主成分とし、これに0℃以下のガラス転移温度を有す
るアクリル系重合体粒子(B)を副次量含有させてなるも
のである。
構成されることによって、優れたエアレススプレー塗工
性を有しており、一回の塗工で、比較的厚い塗膜、例え
ば600μm以上などの厚い塗膜を形成するときにも、その
乾燥工程で該塗膜にフクレやクラックを生ずることが無
く、且つ、形成された塗膜が、例えば300μm程度の、こ
の種塗膜としては比較的薄い場合にも優れた耐チッピン
グ性を有する。また最近、金属基材として従来から使用
されてきた鉛−錫合金鋼鈑が、鉛の環境上の問題から敬
遠されるようになっており、これに代わる鉛フリーの基
材、例えばアルミメッキ鋼鈑及び錫−亜鉛メッキ鋼鈑等
の基材は、従来の鉛−錫合金鋼板に比較して塗膜の密着
性が不十分となりがちであるが、本発明の水性被覆用組
成物による塗膜は、これらの新規な基材に対する密着性
が優れている。
塗装に用いた後の残液を廃棄することなく、新規な水性
組成物をつぎ足してリサイクル使用することができると
いう卓越した特性を有している。
Claims (12)
- 【請求項1】水性媒体中に分散された重合体微粒子と無
機質充填剤とを含有してなる水性被覆用組成物であっ
て、該重合体微粒子が、(A) 共役ジオレフィン単量体に
由来する繰返し単位を50〜90重量%含有するガラス転移
温度が−20℃以下の合成ゴム系重合体粒子 50〜90重量
%、及び(B) アクリル酸エステル及び/又はメタクリル
酸エステルに由来する繰り返し単位を50重量%以上含有
するガラス転移温度が0℃以下のアクリル系重合体粒子
10〜50重量%、を含有してなることを特徴とする水性被
覆用組成物。 - 【請求項2】合成ゴム系重合体粒子が、下記単量体(a1)
〜(a4) (a1) 共役ジオレフィン系単量体、 (a2) メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニル単
量体及び/又は芳香族ビニル単量体、並びに、必要に応
じて、 (a3) 分子内にカルボキシル基を有する単量体、及び、
さらに必要に応じて、 (a4) 単量体(a1)〜(a3)と共重合可能で該単量体(a1)〜
(a3)以外の単量体、を加圧下に水性乳化重合してなるも
のである請求項1に記載の水性被覆組成物。 - 【請求項3】共役ジオレフィン単量体がブタジエンであ
る請求項1又は2に記載の水性被覆組成物。 - 【請求項4】メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビ
ニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)が、メチ
ルメタクリレート、アクリロニトリル及び/又はスチレ
ンである請求項2に記載の水性被覆組成物。 - 【請求項5】メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビ
ニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)の共重合
量が、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量%に基づい
て合計で10〜50重量%の範囲である請求項2又は4に記
載の水性被覆組成物。 - 【請求項6】メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビ
ニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a2)が、メチ
ルメタクリレート、アクリロニトリル及びスチレンから
選ばれる少なくとも2種の単量体を含む請求項2、4又
は5に記載の水性被覆組成物。 - 【請求項7】分子内にカルボキシル基を有する単量体(a
3)の共重合量が、合成ゴム系重合体粒子の重量100重量
%に基づいて0.3〜10重量%の範囲である請求項2に記
載の水性被覆組成。 - 【請求項8】合成ゴム系重合体粒子のゲル含有量が70〜
95重量%の範囲である請求項1又は2に記載の水性被覆
組成物。 - 【請求項9】合成ゴム系重合体粒子の粒子径が100〜300
nmの範囲である請求項1又は2に記載の水性被覆組成
物。 - 【請求項10】アクリル系重合体粒子が、下記単量体(b
1)〜(b4)、 (b1) 下記一般式(1)、 H2C=CR1HCOOR2 (1) (ここでR1は、H又はメチル基を表し、R2は、炭素数4
〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)で示され、そ
の単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であ
るアクリル酸エステル 50〜90重量%、 (b2) 分子内にカルボキシル基を有する単量体 0.3〜10
重量%、 (b3) 分子内にヒドロキシル基を有する単量体 1.5〜15
重量%、 (b4) 上記単量体(b1)〜(b3)と共重合可能で、該単量体
(b1)〜(b3)以外の共単量体 8.2〜48.2重量%、 〔但し、単量体(b1)〜(b4)の合計を100重量%とする〕
を水性乳化重合してなるものである請求項1に記載の水
性被覆組成物。 - 【請求項11】アクリル系重合体粒子のゲル含有量が80
重量%以下である請求項1又は10に記載の水性被覆組
成物。 - 【請求項12】アクリル系重合体粒子の粒子径が1000nm
以下の範囲である請求項1又は10に記載の水性被覆組
成物。
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