JP4630534B2 - 水性被覆用組成物 - Google Patents

水性被覆用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4630534B2
JP4630534B2 JP2003364064A JP2003364064A JP4630534B2 JP 4630534 B2 JP4630534 B2 JP 4630534B2 JP 2003364064 A JP2003364064 A JP 2003364064A JP 2003364064 A JP2003364064 A JP 2003364064A JP 4630534 B2 JP4630534 B2 JP 4630534B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
coating composition
monomers
fine particles
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003364064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005126572A (ja
Inventor
吉寛 前山
信夫 中川
孝男 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP2003364064A priority Critical patent/JP4630534B2/ja
Publication of JP2005126572A publication Critical patent/JP2005126572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4630534B2 publication Critical patent/JP4630534B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、制振性を有する水性被覆用組成物に関し、詳しくは、水性媒体中に分散された重合体複合微粒子を含有してなる水性被覆用組成物において、該重合体複合微粒子が少なくとも一層からなる芯部と、該微粒子の最外層をなす殻部により構成され、該芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)が30℃以下であり、該殻部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgs)が、該ガラス転移温度(Tgc)よりも高い温度であることを特徴とする被覆用組成物であり、基材との密着性及び塗料としての各種安定性に優れ、特に広い温度領域にわたって優れた制振性を示し、且つ柔軟性、耐チッピング性に優れた塗膜を形成することのできる水性被覆用組成物に関する。
従来、車両、船舶、各種機械・器具、建築材料等の構造部材の表面における振動を防止して騒音を防止するために、部材自体を厚くしたり、振動の発生を低減するために装置自体の改良を試みたり、部材表面にシート状の制振材を貼り付けたり、制振塗料を塗布又は吹き付けによって施工し、振動及び騒音を防止する対策がとられている。
しかし、部材自体を厚くすることは、部材のコストアップ、加工性の低下等を招き、さらに自動車車両等の場合には燃費の増大につながる等の問題点がある。また、シート状制振材の貼付では、部材の形状に合わせたカッティング加工が不可欠となり、加工上煩雑であるという難点がある。
さらに、制振塗料に関しては、従来から種々のものが提案されており、例えば、ゴム、アスファルト、各種の合成樹脂エマルジョン等の粘弾性的特性をもつ材料をベースにしたものや、これにさらにグラファイト、マイカ、ヒル石、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機質粉体を配合して、機械的なヒステリシス、内部摩擦等を付与したものなどが知られている。
しかし、これら従来提案されている制振塗料の多くは、高い制振性能を有してはいても制振性能を発揮する温度範囲が狭く、また形成される塗膜が硬くて脆く、耐チッピング性に劣るなどの欠点がある。
一方、水性の制振塗料は、その取り扱い易さ、作業環境の安全性などの点で優れており注目されているが、厚い塗膜の形成が一般に容易でないという問題点がある。
制振塗料は、その性能発現という観点から、通常1000μm以上という厚い塗膜を形成させなければならず、また生産性の面から、高温で迅速に乾燥するものであること(高温焼付性)が強く望まれているが、厚い塗膜を急速な乾燥すると、塗膜表面が先に乾燥して表皮を形成し、次いで内部に残留する水が蒸発して先に形成された表皮を持ち上げてフクレ(熱ブリスター)を生じたり、表皮が破れてクラックを生じたりするなどの問題が起こり易い。このようなフクレやクラックの発生を避けるため厚い塗膜を常温で乾燥すると、乾燥に長時間を要して生産性を低下させることはもとより、造膜が不十分となって塗膜にひび割れを生じるなどの問題が起きやすい。
特許文献1には、低温から高温に至る広い温度領域で優れた制振性能を発揮する水性制振塗料として、エマルジョン状スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミドエポキシ化合物及び/又はメラミン−ホルムアルデヒド化合物及び鱗片状無機質粉体を水に分散してなる水性制振塗料が開示され、また特許文献2には、エマルジョン状スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エマルジョン状酢酸ビニル系重合体、架橋剤及び鱗片状無機質粉体を水に分散してなる水性制振塗料がそれぞれ開示されているが、これらの塗料から形成される塗膜は可撓性が不十分であり、耐チッピング性や低温耐衝撃性などの低温物性の点で満足できないものである。
本発明者らは、上記従来の水性制振塗料の有する問題点を解決して、広い温度領域で優れた制振性能を示し、且つ柔軟で耐チッピング性及び低温耐衝撃性にも優れた水性塗料を提供すべく研究を行ってきた。その結果、ビヒクル成分として2種以上の特定の複合体粒子を特定量ずつ用いるか、又は、特定の複合体粒子と特定Tgの通常重合体粒子を特定量ずつ用いることにより、これらの目的を達成しうることを見出だし、先に水性樹脂分散液として特許出願を行った(特許文献3)。
本発明者等の上記提案に基づく水性塗料は、得られる塗膜が確かに広い温度領域で優れた制振性能を示し、且つ柔軟で耐チッピング性の点では非常に優れた物性を示したが、該塗料の高温焼付性の点では、まだ必ずしも十分とはいえないことが判明した。
特公昭63-24550号公報(特許請求の範囲) 特公平2-33747号公報(特許請求の範囲) 特開平9-111132号公報(明細書全文)
本発明者等は、前記提案の水性樹脂分散液についてさらに改良研究を継続してきた結果、水性媒体中に分散された芯−殻構造の重合体複合微粒子の、芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)を、例えば20℃など0〜30℃の範囲とし、且つ殻部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgs)を、例えば40℃など、該芯部のガラス転移温度(Tgc)よりも高い温度にすることにより、前記従来の制振塗料及び本発明者等提案の水性樹脂分散液に基づく水性制振塗料の問題点をことごとく解決しうることを見出だし本発明を完成した。
かくして本発明によれば、水性媒体中に分散された重合体複合微粒子を含有してなる水性被覆用組成物において、該重合体複合微粒子が芯部と、該芯部の外側にある少なくとも一層からなる殻部により構成され、該芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)が30℃以下であり、該殻部を形成する共重合体の(平均)ガラス転移温度(Tgs)が、該ガラス転移温度(Tgc)よりも高いことを特徴とする被覆用組成物が提供される。
本発明の水性被覆用樹脂組成物は、基材との密着性及び塗料としての各種安定性に優れ、特に広い温度領域にわたって優れた制振性を示す塗膜を形成することのでき、且つ柔軟性、耐チッピング性に優れており、さらに2000μm程度の厚い塗膜を120℃などの比較的高温でフクレなどを発生させることなく乾燥することができる高温焼付性にもすぐれている。
以下、本発明の水性被覆用樹脂組成物についてさらに詳細に説明する。
〔重合体複合微粒子〕
本発明における重合体複合微粒子は、その粒子の比較的多量の部分を占める芯部と、該芯部より外側にあり芯部よりも比較的小部分を占める少なくとも一層からなる殻部から構成される。なお殻部は、芯部をほぼ均一に被覆していてもよく、また場合によっては、部分的に、例えば、網目状、島状に被覆してもよい。さらにこのような複層粒子は、必ずしも二層構造である必要はなく、必要に応じて、二層もしくはそれ以上の殻部を有する三層もしくはそれ以上の構造とすることもできる。
このような、本発明における重合体複合微粒子は、その芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)が30℃以下であることが必要であり、好ましくは0〜30℃、特に好ましくは5〜25℃の範囲であり、且つ殻部を形成する共重合体の(平均)ガラス転移温度(Tgs)と該ガラス転移温度(Tgc)との差ΔTg(=Tgs−Tgc)が少なくとも15℃以上、特には20℃以上であることが好ましい。複合微粒子の芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)が該上限値を超えて高すぎては、被覆用組成物の高温焼付性が不十分となることがあり、また得られる塗膜塗膜が柔軟性を損ないがちで、20℃付近など低温側の制振特性が低下することもあり好ましくない。一方、該ガラス転移温度(Tgc)が該下限値以上であれば、該塗膜の60℃付近など高温側の制振特性を含め広い温度領域で優れた制振特性を有しており、また耐チッピング性にも優れているので好ましい。また該ΔTgが該下限値以上であれば、十分な高温焼付性を有する被覆用組成物が得られると同時に、該被覆用組成物に基づく塗膜が広い温度領域で優れた制振特性を有しているので好ましい。
さらに重合体複合微粒子の殻部の(平均)ガラス転移温度(Tgs)は、30〜50℃、特には35〜45℃の範囲であることが好ましい。該ガラス転移温度(Tgs)が該温度範囲であれば、十分な高温焼付性を有する被覆用組成物が得られ、また該被覆用組成物に基づく塗膜が広い温度領域で優れた制振特性を有しているので好ましい。
なお、芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)及び殻部を形成する(共)重合体の(平均)ガラス転移温度(Tgs)は、芯部及び殻部をそれぞれ構成する繰り返し単位(単量体に由来する)の組み合わせに基づいて、すなわち、芯部及び殻部を形成する(共)重合体の単量体組成に基づいて、下記の計算式(1)により求めることができる。ただし、殻部が二層以上である場合には、これら各層を形成するそれぞれの(共)重合体の単量体組成の加重平均値をもって、殻部の全体としての単量体組成とみなし、これに基づいて平均ガラス転移温度(Tgs)を求めるものとする。
ガラス転移温度(Tg)の計算:
Figure 0004630534
ここでTg1、Tg2・・・・・・及びTgn
は成分1、成分2・・・・・・および成分nそれぞれの単独重合体のガラス転移温度であり、絶対温度に換算し計算する。m1、m2・・・・・及びmn
はそれぞれの成分のモル分率である。
本発明における重合体複合微粒子はまた、得られる被覆用組成物が十分な高温焼付性を有し、該被覆用組成物に基づく塗膜が広い温度領域で良好な制振特性を維持するなどの理由から、その殻部が、芯部を形成する共重合体との相溶性が小さい(共)重合体で形成されることが好ましく、具体的には、芯部を形成する共重合体の溶解パラメータ(SPc)が9.0〜9.4、特には9.05〜9.30の範囲であり、また殻部を形成する(共)重合体の(平均)溶解パラメータ(SPs)が、該溶解パラメータ(SPc)よりも小さく、その差ΔSP(SPc−SPs)が少なくとも0.2以上、特には0.25以上であることが好ましい。
芯部を形成する共重合体のSPcが上記上限値以下であれば、乳化重合時の安定性がよいので好ましく、該下限値以上であれば、得られる被覆用組成物に基づく塗膜が広い温度領域で優れた制振特性を示すので好ましい。またΔSPの値が上記下限値以上であれば、殻部成形の際、凝集物生成が少なく、且つ得られる重合体複合微粒子を含む被覆用組成物が十分な高温焼付性を有し、該被覆用組成物に基づく塗膜が広い温度領域での制振特性を示すので好ましい。
なお本発明における重合体複合微粒子の、芯部を形成する共重合体の溶解性パラメータ(SPc)及び殻部を形成する(共)重合体の(平均)溶解パラメータ(SPs)は、芯部及び殻部をそれぞれ構成する繰り返し単位(単量体に由来する)の組み合わせに基づいて、すなわち、芯部及び殻部を形成する(共)重合体の単量体組成に基づいて、下記の計算式により求めることができる。ただし、殻部が二層以上である場合には、これら各層を形成するそれぞれの(共)重合体の単量体組成の加重平均値をもって、殻部の全体としての単量体組成とみなし、これに基づいて平均溶解パラメータ(SPs)を求めるものとする。
溶解性パラメータ(SP値)の決定:
「ポリマーハンドブック 第2版(Polymer Handbook Second Edition)」〔H.Burrell著:(1975年)〕のIV−337〜IV−359頁に記載の方法に従って測定又は算出される値である。以下にその方法を概説する。
単独重合体のSP値は、該重合体を形成している構成単位の分子引力定数Gに基づいて、下式のSP値計算式による算出する。
SP=dΣG/M
ここで、dは単独重合体の密度(g/l)であり、ΣGは構成単位の分子中の分子引力定数の総和であり、Mは構成単位の分子量(g/mol)である。
共重合体のSP値は、上記式により、その共重合体を構成する各構成単位のそれぞれの単独重合体のSP値を算出し、それらのSP値のそれぞれに各構成単位のモル分率を乗じたものを合算して算出されるものである。
本発明において、重合体複合微粒子中に占める殻部の割合は、必ずしも限定されるものではないが、該重合体複合微粒子の重量100重量%に基づいて10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%の範囲であることが好ましい。殻部の割合が該上限値以下であれば、製造が容易であり、得られる被覆用組成物に基づく塗膜が広い温度領域で優れた制振特性を発現できるので好ましく、該下限値以上であれば、複合微粒子として有効に作用し、該被覆用組成物が十分な高温焼付性を有しているので好ましい。
本発明における重合体複合微粒子は、得られる塗膜の広い温度領域で優れた制振特性及び十分な柔軟性、並びに得られる水性被覆用組成物高温焼付性などの観点から、全体として、単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステル(a)、単独重合体のガラス転移温度が20℃以上である単量体(b)及び炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-又はジ-カルボン酸(以下、エチレン系カルボン酸ということがある)(c)からなる必須単量体成分に由来する共重合体であることが好ましい。
なお、本明細書でいう「単独重合体のガラス転移温度」には、L. E. ニールセン著、小野木宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35頁に記載されている単量体のガラス転移点が適用される。
また本明細書において単量体組成などについて用いられる「全体として」なる表現は、前記のように、本発明における水性媒体中の分散粒子が芯部及び少なくとも一層からなる殻部により構成される重合体複合微粒子であり、また該複合微粒子の殻部が二層以上である場合には、これらの芯部及び殻部、又は殻部の各層を形成するそれぞれの(共)重合体の単量体組成の加重平均値をもって、複合微粒子全体又は殻部全体のそれぞれの単量体組成とみなして取扱う場合に用いられる表現である。
必須単量体(a)である、単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステルとしては、例えばn-ブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、i-ペンチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリレート、i-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート等を挙げることができる。
上記単量体(a)に由来する繰り返し単位の、重合体複合微粒子全体に対して占める割合は、該複合微粒子の重量に基づいて、好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは25〜55重量%の範囲であるのがよい。該割合が該下限値以上であれば、得られる被覆用組成物に基づく塗膜が十分な柔軟性を有しているので好ましく、該上限値以下であれば該塗膜が十分な制振特性を有しているので好ましい。
前記の必須単量体(b)である、単独重合体のガラス転移温度が20℃以上である単量体としては、例えば、t-ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル単量体;例えば、スチレン、メチルスチレン、1-プロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン、エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;などを挙げることができる。
上記単量体(b)に由来する繰り返し単位の、重合体複合微粒子全体に対して占める割合は、該複合微粒子の重量に基づいて、好ましくは35〜70重量%、さらに好ましくは40〜65重量%の範囲であるのがよい。該割合が該下限値以上であれば得られる被覆用組成物に基づく塗膜が十分な制振特性を有しているので好ましく、該上限値以下であれば該塗膜が十分な柔軟性を有しているので好ましい。
前記の必須単量体(c)である、炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-又はジ-カルボン酸(エチレン系カルボン酸)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸等を挙げることができるが、これらの他に、例えば無水マレイン酸などのこれらエチレン系カルボン酸の無水物;例えばモノ-n-ブチルマレート、モノ-n-ブチルフマレート、モノエチルイタコネート等の二価のエチレン系カルボン酸のモノエステル;例えば、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム等のこれらエチレン系カルボン酸又はエチレン系カルボン酸モノエステルのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩を挙げることができ、これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸の使用が好ましい。
上記単量体(c)に由来する繰り返し単位の、重合体複合微粒子全体に対して占める割合は、該複合微粒子の重量に基づいて、好ましくは0.2〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%の範囲であるのがよい。該割合が該下限値以上であれば、該複合微粒子の乳化重合に際しての重合安定性並びに、得られる該複合微粒子の水性分散液及び被覆用組成物の機械安定性がよいので好ましく、該上限値以下であれば、該被覆用組成物の塗装に際しての塗装安定性がよいので好ましい。
本発明における重合体複合微粒子は、前記必須単量体(a)〜(c)に基づく繰り返し単位と共に、必要に応じて、該単量体(a)〜(c)と共重合可能な、該単量体(a)〜(c)以外の単量体(以下単に共単量体ということがある)(d)に基づく繰り返し単位を含有することができる。
このような共単量体(d)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等の前記必須単量体(a)及び(b)以外のアクリル酸エステル単量体;例えば、n-ペンチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、i-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、i-ノニルメタクリレート、n-デシルメタクリレート、n-ドデシルメタクリレート、t-ドデシルメタクリレート等の前記必須単量体(b)以外のメタクリル酸エステル単量体;例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)等の飽和脂肪酸ビニル単量体;例えば、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、i-ブチレン等のモノオレフィン単量体;例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジオレフィン系単量体;その他共重合可能な単量体を挙げることができる。
また共単量体(d)としては、必要に応じて、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、前記単量体(c)以外の単量体(以下、官能性共単量体ということがある)を共重合することもできる。
このような官能性共単量体としては、官能基として、例えば、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、ヒドロキシル基、低級アルコキシル基、エポキシ基、メルカプト基又は珪素含有基等を有する単量体を挙げることができ、また、分子内にラジカル重合性不飽和基を2個以上有する単量体も使用できる。
これら官能性共単量体の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド、N-i-ブトキシメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチルアクリルアミド等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体;例えば、アミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体;
例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、メタリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等のヒドロキシル基含有単量体;例えば、2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエチルアクリレート、2-メトキシエトキシエチルアクリレート、2-エトキシエトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、2-n-ブトキシエチルメタクリレート、2-メトキシエトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエトキシエチルメタクリレート、2-n-ブトキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート等の低級アルコキシル基含有単量体;
例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体;アリルメルカプタン等のメルカプト基含有単量体;
例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ-n-プロポキシシラン、ビニルトリ-i-プロポキシシラン、ビニルトリ-n-ブトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(2-ヒドロキシメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、2-アクリルアミドエチルトリエトキシシラン等の珪素含有基を有する単量体;
例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等の単量体群を挙げることができる。
このような共単量体(d)に由来する繰り返し単位の、重合体複合微粒子全体に対して占める割合は、その種類により変わるので一義的には決めることはできないが、得られる本発明の水性被覆用組成物の有する優れた性能を損なわないような量で適宜に選択することができるが、該複合微粒子の重量に基づいて、好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30重量%の範囲であるのがよい。該割合が該上限値以下であれば、得られる被覆用組成物に基づく塗膜が十分な制振特性を有しているので好ましい。
本発明における重合体複合微粒子は、前記のとおり、その粒子の比較的多量の部分を占める芯部と、該芯部より外側にあり芯部よりも比較的小部分を占める少なくとも一層からなる殻部から構成される。
本発明に好適に用いられる重合体複合微粒子において、芯部を形成する共重合体は、必ずしも限定されるものではないが、該微粒子を含む被覆用組成物から得られる塗膜に、主として制振特性などの機能を付与することを目的として、前記のガラス転移点(Tgc)、すなわち0〜30℃、特には5〜25℃の範囲、及び溶解性パラメータ(SPc)、すなわち9.0〜9.4、特には9.05〜9.3の範囲となるように、前記単量体(a)〜(d)の中からそれぞれ適宜選択される単量体を共重合することによって得ることができる。
本発明における好適な態様においては、芯部を形成する共重合体は、単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステル(ac)、単独重合体のガラス転移温度が80℃以上である単量体(bc)及び炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-又はジ-カルボン酸(cc)からなる必須単量体成分に由来する共重合体であることが好ましい。
上記の必須単量体(ac)である、単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステルとしては、重合体複合微粒子を全体として構成する必須単量体成分(a)として例示した、n-ブチルアクリレートなど前記の単量体群の中から適宜選択することができる。
上記単量体(ac)に由来する繰り返し単位の、複合微粒子の芯部を形成する共重合体中に占める割合は、芯部を形成する共重合体の重量に基づいて、好ましくは30〜60重量%、さらに好ましくは35〜55重量%の範囲であるのがよい。該割合が該下限値以上であれば、得られる被覆用組成物に基づく塗膜が十分な柔軟性を有しているので好ましく、該上限値以下であれば、該塗膜が十分な制振特性を有しているので好ましい。
前記の必須単量体(bc)である、単独重合体のガラス転移温度が80℃以上である単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル単量体;例えば、スチレン、メチルスチレン、1-プロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン、エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;などを挙げることができる。
上記単量体(bc)に由来する繰り返し単位の、複合微粒子の芯部を形成する共重合体中に占める割合は、芯部を形成する共重合体の重量に基づいて、好ましくは35〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%の範囲であるのがよい。該割合が該下限値以上であれば、得られる被覆用組成物に基づく塗膜が十分な制振特性を有しているので好ましく、該上限値以下であれば、該塗膜が十分な柔軟性を有しているので好ましい。
前記の必須単量体(cc)である、炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-又はジ-カルボン酸(エチレン系カルボン酸)としては、重合体複合微粒子を全体として構成する必須単量体成分(c)として例示した、アクリル酸など前記の単量体群の中から適宜選択することができる。
上記単量体(cc)に由来する繰り返し単位の、複合微粒子の芯部を形成する共重合体中に占める割合は、芯部を形成する共重合体の重量に基づいて、好ましくは0.2〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%の範囲であるのがよい。該割合が該下限値以上であれば、複合微粒子の乳化重合に際しての重合安定性並びに、得られる複合微粒子の水性分散液及び被覆用組成物の機械安定性がよいので好ましく、該上限値以下であれば、該被覆用組成物の塗装適性がよいので好ましい。
本発明における重合体複合微粒子の芯部を形成する共重合体は、前記必須単量体(ac)〜(cc)に基づく繰り返し単位と共に、必要に応じて、該単量体(ac)〜(cc)と共重合可能な、該単量体(ac)〜(cc)以外の単量体(dc)〔共単量体(dc)〕に基づく繰り返し単位を含有することができる。
このような共単量体(dc)としては、重合体複合微粒子を全体として構成する任意の単量体成分(d)として例示した前記の単量体群、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート等の前記必須単量体(ac)以外のアクリル酸エステル単量体;例えば2-エチルヘキシルメタクリレート等の前記必須単量体(bc)以外のメタクリル酸エステル単量体;例えば蟻酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニル単量体;例えばエチレン等のモノオレフィン単量体;例えばブタジエン等の共役ジオレフィン系単量体;及びその他共重合可能な単量体を挙げることができ、また前記の官能性共単量体を使用することもできる。
このような共単量体(dc)に由来する繰り返し単位の、複合微粒子の芯部を形成する共重合体中に占める割合は、その種類により変わるので一義的には決めることはできないが、得られる本発明の水性被覆用組成物の有する優れた性能を損なわないような量で適宜に選択することができるが、芯部を形成する共重合体の重量に基づいて、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%の範囲であるのがよい。該割合が該上限値以下であれば、得られる被覆用組成物に基づく塗膜が十分な制振特性を有しているので好ましい。
前記のように本発明者等は、重合体複合微粒子における殻部を形成する(共)重合体のガラス転移温度(Tgs)を、芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)よりも高い、好ましくは少なくとも15℃、より好ましくは20℃だけ高い温度、具体的には30〜50℃、特には35〜45℃の範囲となるようにすること、また好ましくは、殻部を形成する(共)重合体と芯部を形成する共重合体との相溶性が小さい、より好ましくは、殻部を形成する(共)重合体の(平均)溶解パラメータ(SPs)が芯部を形成する共重合の溶解パラメータ(SPc)よりも少なくとも0.2、より好ましくは0.25だけ小さい値とすることにより、前記従来の制振塗料の水性樹脂分散液に基づく水性制振塗料の問題点を解決できることを見出した。
本発明に好適に用いられる重合体複合微粒子において、殻部を形成する(共)重合体は、必ずしも限定されるものではないが、該微粒子を含む水性被覆用組成物に、主として、高温焼付性などの機能を、そして該被覆用組成物に基づく塗膜に広い温度領域での制振特性などの機能を付与することを目的として、上記の条件を満たすものとなるように、前記単量体(a)〜(d)の中からそれぞれ適宜選択される単量体を(共)重合することによって得ることができる。
本発明における好適な態様においては、殻部を形成する(共)重合体は、全体として、必須単量体成分である単独重合体のガラス転移温度が20℃以上であるメタクリル酸エステル(as)に由来する(共)重合体であることが好ましい。また殻部を形成する(共)重合体は、各層を構成する(共)重合体がそれぞれできるだけ均一であること、すなわち複数の(共)重合体の混合物ではなくできるだけ単一の(共)重合体からなっていることが好ましく、該必須単量体(as)の単独重合体或いは、該単量体(as)と、単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステル(bs)又は、該単量体(bs)並びにこれら単量体(as)及び(bs)と共重合可能な該単量体(as)及び(bs)以外の単量体(cs)から選ばれる該単量体(as)との共重合性に優れた単量体との共重合体であることが好ましい。
上記必須単量体(as)としては、一般に、前記の重合体複合微粒子を全体として構成する必須単量体成分単量体(b)に例示されているメタクリル酸エステル単量体、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の中から適宜選択して用いることができるが、殻部が単独重合体から形成されているときには、必須単量体(as)は、得られる重合体が前記好適なガラス転移温度(Tgs)及び溶解パラメータ(SPs)を満足するように選択することが好ましい。
また、例えば後記するような方法により殻部を形成するに際して、添加された単量体が水中で(共)重合して新たな微粒子を形成するなどの不都合を生じることなく、確実に複合微粒子を形成することが必要であり、そのためには必須単量体(as)及び、必要に応じて用いられる単量体(bs)が何れも疎水性であること、具体的には水に対する溶解性が0.1重量%以下、特には0.07重量%以下であることが好ましい。
上記の疎水性の単量体(as)としては、例えば、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等を挙げることができ、また殻部を単独重合体で形成しようとするときに使用できる単量体(as)としては、例えば、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート等を挙げることができる。
必須単量体(as)に由来する繰り返し単位の、複合微粒子の殻部を形成する(共)重合体中に占める割合は、全体として、殻部を形成する(共)重合体の重量に基づいて、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは60〜98重量%の範囲であるのがよい。該割合が該下限値以上であれば、広い温度領域での制振特性が得られるので好ましい。
必要に応じて用いられる前記単量体(bs)は、単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステルであって、前記単量体成分(a)として例示した、2-エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができ、また必須単量体(as)と同様、疎水性であること、具体的には水に対する溶解性が0.1重量%以下、特には0.07重量%以下である単量体群の中から適宜選択して用いることができる。
上記単量体(bs)に由来する繰り返し単位の、複合微粒子の殻部を形成する共重合体中に占める割合は、殻部を形成する共重合体の重量に基づいて、全体として、好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは2〜35重量%の範囲であるのがよい。該割合が該上限値以下であれば、得られる被覆用組成物に十分な高温焼付性を付与することができるので好ましい。
本発明における重合体複合微粒子の殻部を形成する共重合体は、前記必須単量体(as)又は、該単量体(as)及び任意の単量体(bs)に基づく繰り返し単位と共に、さらに、必要に応じて、前記単量体(as)及び(bs)と共重合可能な、該単量体(as)及び(bs)以外の単量体〔共単量体(cs)〕に基づく繰り返し単位を含有することができる。
このような共単量体(cs)としては、重合体複合微粒子を全体として構成する必須単量体(b)のうち前記必須単量体(as)以外のもの、すなわち、例えばt-ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体、例えばスチレン等の芳香族ビニル単量体;例えばアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;必須単量体(c)として例示した前記の単量体群、すなわちアクリル酸等のエチレン系カルボン酸;及び任意の単量体成分(d)として例示した前記の単量体群、例えばメチルアクリレート等の前記必須単量体(bs)以外のアクリル酸エステル単量体;例えば2-エチルヘキシルメタクリレート等の前記必須単量体(bs)以外のメタクリル酸エステル単量体;例えば酢酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニル単量体;例えばエチレン等のモノオレフィン単量体;例えばブタジエン等の共役ジオレフィン系単量体;その他共重合可能な単量体を挙げることができ、また前記の官能性共単量体を使用することもできる。
このような共単量体(cs)に由来する繰り返し単位の、複合微粒子の殻部を形成する共重合体中に占める割合は、その種類により変わるので一義的には決めることはできないが、得られる本発明の水性被覆用組成物の有する優れた性能を損なわないような量で適宜に選択することができるが、芯部を形成する共重合体の重量に基づいて、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜10重量%の範囲であるのがよい。該割合が該上限値以下であれば、複合微粒子の乳化重合に際しての重合安定性及び、得られる被覆用組成物に基づく塗膜に十分な制振特性を付与することができるので好ましい。
なお本発明における重合体複合微粒子の殻部は、前記のとおり、少なくとも一層からなるものであり、全体として、必須単量体(as)に由来する単独重合体並びに、必要に応じて、該単量体(as)と任意単量体(bs)及び/又は(cs)とに由来し、前記好適なガラス転移温度(Tgs)及び溶解パラメータ(SPs)範囲、並びに組成比の共重合体であることが好ましいが、殻部が二層以上である場合には、それぞれの層を形成する(共)重合体が全てこれらの要件を満足することを必要とせず、例えば一つの層はガラス転移温度が−30℃以下の(共)重合体から形成され、他の層がガラス転移温度が20℃以上の(共)重合体から形成されているが、これら各層が、全体として、前記好適なTgs、SPs及び(共)重合体組成比を有していればよい。
以上述べた重合体複合微粒子を含有する共重合体水性分散液の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、まず界面活性剤及び/又は保護コロイドの存在下に、以上に述べた単量体より選ばれた適宜の単量体、好ましくは前記芯部形成用の単量体(ac)〜(dc)を水性媒体中で乳化重合して、重合体複合微粒子の芯部を形成する共重合体の水性分散液を調製し(第1段階重合)、次いで該水性分散液の存在下、必要なら所定の加圧下に、さらに所望の単量体、好ましくは前記殻部形成用の単量体(as)〜(cs)を添加してさらに(共)重合させる(第2段階重合)方法が好適に採用できる。反応温度は、約30〜100℃、好ましくは約40〜90℃程度とするのがよい。殻部を二層以上とするときには、殻部第一層形成用単量体(as1)〜(cs1)を添加して(共)重合させ、実質的な反応終了後、殻部第二層形成用単量体(as2)〜(cs2)を添加して(共)重合させ、この操作を繰り返すことにより二層以上の殻部を有する重合体複合微粒子を製造することができる。この場合、これら殻部形成用単量体(as1)〜(asn)、(bs1)〜(bsn)及び(cs1)〜(csn)の、それぞれの加重平均によって得られる値(as)〜(cs)を、全体として、殻部形成用単量体とみなし、この単量体組成(as)〜(cs)に基づく共重合体を仮定して、これを殻部を形成する共重合体とみなす。
上記の界面活性剤としては、非イオン系、陰イオン系、陽イオン系又は両性のいずれのタイプの界面活性剤でも使用することができる。
非イオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフエノールエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類;
例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等が挙げられ、
陰イオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン塩酸類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類:例えば、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類:等を例示することができ、
また陽イオン界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩;ポリオキシエチルアルキルアミン;等が挙げられ、さらに両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタインなどのアルキルベタイン等を挙げることができる。
さらに、これらの界面活性剤のアルキル基の水素の一部をフッ素で置換したもの;これら界面活性剤の分子構造中にラジカル共重合性不飽和結合を有する、いわゆる反応性界面活性剤;等も使用することができる。
これらの界面活性剤のうち、乳化重合時の凝集物発生の少なさなどの観点より、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフエノールエーテル類;そして陰イオン界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルフエノールエーテル硫酸エステル塩類;等を使用することが好ましい。これらの界面活性剤はそれぞれ単独で、又は適宜組み合わせて使用することができる。
これらの界面活性剤の使用量は、用いる界面活性剤の種類等に応じて変えうるが、一般には、得られる重合体複合微粒子100重量部に対して約0.5〜約10重量部の範囲内とすることができるが、水性乳化重合の重合安定性、生成する重合体複合微粒子の水性分散液の貯蔵安定性及び、水性塗料用樹脂組成物に用いたときの、金属加工部材などの基材との密着性の優秀さ等の観点から、約1〜6重量部、特には約1〜4重量部の範囲内で用いるのが好ましい。
また、重合体複合微粒子の水性分散液の製造において使用することができる保護コロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;例えば、グアーガムなどの天然多糖類;などが挙げられる。
これら保護コロイドの使用量もまた特に制限されるものではなく、その種類等に応じて変えることができるが、通常、得られる重合体複合微粒子100重量部に対して0〜3重量部程度の量を例示することができる。
前記単量体成分の乳化重合は、重合開始剤を用いて行なわれる。使用しうる重合開始剤として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類;例えば、t-ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、p-メンタンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物類;過酸化水素:などが挙げられ、これらは一種のみで、又は複数種組み合わせて使用することができる。
上記重合開始剤の使用量は厳密に制限されるものではなく、その種類や反応条件等に応じて広い範囲で変えることができるが、一般には、得られる重合体複合微粒子100重量部に対して約0.05〜1重量部、より好ましくは約0.1〜0.7重量部、特に好ましくは約0.1〜0.5重量部の如き使用量を例示することができる。
また乳化重合に際して、所望により、還元剤を併用することができる。使用しうる還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物を例示することができる。これら還元剤の使用量もまた特に制限されるものではないが、一般には、得られる重合体複合微粒子100重量部に対して約0.05〜1重量部の範囲内を例示することができる。
さらにまた、乳化重合に際して、所望により連鎖移動剤を用いることもできる。このような連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセン、フエナントレン、フルオレン、9-フエニルフルオレンなどの多環式芳香族化合物類;p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフエノール、p-ニトロトルエン等の芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;トリブチルボラン等のボラン誘導体;
四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3-クロロ-1-プロペン等のハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒド等のアルデヒド類;例えば、n-ドデシルメルカプタン等炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフエノール、トルエンメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;2-メルカプトエタノール等の炭素数1〜12のヒドロキルアルキルメルカプタン類;ビネン、ターピノレン等のテルペン類;などを挙げることができる。
上記連鎖移動剤を用いる場合のその使用量は、得られる重合体複合微粒子100重量部に対して、約0.005〜3重量部の範囲内が好ましい。
以上に述べた乳化重合により形成される重合体複合微粒子の水性分散液は、一般に、10〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、さらに好ましくは40〜60重量%の範囲内の固形分を有することができ、また、粘度は通常、10,000 mPa・s以下、特に約50〜約5000
mPa・s(B型回転粘度計、25℃、20 rpmによる;以下同様)の範囲内にあることが望ましい。
また重合体複合微粒子の平均粒子径は、重合反応性のよさ、得られる該複合微粒子の水性分散液の機械安定性及び貯蔵安定性のよさ、塗膜形成に際しての乾燥性のよさ、並びに、得られる塗膜の基材密着性のよさ等の観点から、50〜1000 nmであるのが好ましく、100〜800 nmであるのがより好ましく、150〜400 nmであるのが特に好ましい。水性分散液中の該複合微粒子の粒子径のコントロールは、例えば使用する界面活性剤の種類や量、さらには重合温度などを適宜選択することにより行うことができる。
なお、本明細書において、重合体複合微粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された値であり、具体的には「マスターサイザー2000」〔シスメックス(株)製〕を用いて測定された重量平均径である。
上記水性分散液は、通常2〜10、特に5〜9の範囲内のpHを有することが望ましく、pH調節は例えばアンモニア水、アミン水溶液、水酸化アルカリの水溶液を用いて行うことができる。
〔水性被覆用組成物〕
本発明の水性被覆用組成物には、以上詳述した重合体複合微粒子と共に、必要に応じて、通常の水性塗料において用いられる各種の充填剤を含有させることができる。このような充填剤には、防錆顔料、無機質充填剤、着色顔料、軽量化剤、粘度又は粘性調節剤、分散剤、消泡剤、融合助剤などの有機溶媒、老化防止剤、防腐剤・防黴剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加混合することができる。
上記の防錆顔料としては、鉛丹;例えば、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウムなどのクロム酸金属塩;例えば、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン酸珪素、又は、これら金属のオルトもしくは縮合リン酸塩などのリン酸金属塩;例えば、モリブテン酸亜鉛、モリブテン酸カルシウム、モリブテン酸亜鉛カルシウム、モリブテン酸亜鉛カリウム、リンモリブテン酸亜鉛カリウム、リンモリブテン酸カルシウムカリウムなどのモリブテン酸金属塩;例えば、硼酸カルシウム、硼酸亜鉛、硼酸バリウム、メタ硼酸バリウム、メタ硼酸カルシウムなどの硼酸金属塩;等を例示することができる。これらの防錆顔料のうち、リン酸金属塩、モリブテン酸金属塩、硼酸金属塩などの無毒性又は低毒性防錆顔料が好ましい。
防錆顔料の配合量としては、水性被覆用組成物に含有される重合体複合微粒子100重量部に対して、例えば0〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲内を例示することができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、ハンザエロー、ベンジジンエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等の有機もしくは無機の着色顔料を挙げることができる。これらの着色顔料の配合量は、水性被覆組成物に含有される重合体複合微粒子100重量部に対して、例えば0〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲内を例示することができる。
無機質充填剤としては、実質的に水に不溶性ないし難溶性の無機質固体粉末、針状粉末、繊維状粉末、鱗片状、真球状の無機質物質、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、パーライト、水酸化アルミニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、セピオライト、マイカ、ウォラストナイト、ゼオライト等を使用することができる。また、必要に応じて、上記充填剤の表面処理したものを使用することもできる。これらの無機質充填剤の配合量は、その種類や塗膜に対して望まれる物性等に応じて広い範囲で変化させることができるが、水性被覆用組成物に含有される重合体複合微粒子の合計100重量部に対して、一般に100〜390重量部、好ましくは110〜350重量部、さらに好ましくは120〜300重量部の範囲内とすることができる。
なお、これら防錆顔料、着色顔料及び無機質充填剤の粒径は、得られる水性塗料の形成塗膜の平滑さなどの観点から、10〜50,000
nmの範囲内にあるのが好ましい。
さらに前記の添加剤としては、例えばシラスバルーン、ガラスバルーン、樹脂バルーン等の軽量化剤;例えばベントナイト、ポリビニルアルコール、セルロース系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂、界面活性剤系等の粘度又は粘性調節剤;例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の無機質分散剤;例えば「ノブコスパース 44C」〔商品名、ポリカルボン酸系分散剤、サンノブコ(株)製〕等の有機質分散剤;エチレングリコール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等の有機溶媒;消泡剤;老化防止剤;防腐剤・防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;などが使用できる。
本発明の水性被覆組成物は、それにより形成される塗膜中に占める総顔料(前記無機質充填剤、着色顔料及び防錆顔料等の合計量)の割合(以下、PWCと略記することがある)が、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは55〜77重量%、さらに好ましくは60〜75重量%とするのがよい。該PWCの値が該下限値以上であれば、得られる被覆用組成物が優れた高温焼付性を有すると共に、該被覆用組成物に基づく塗膜の強度及び耐チッピング性が優れているので好ましく、該上限値以下であれば、該被覆用組成物が優れた高温焼付性を有すると共に、得られる塗膜の耐寒性、柔軟性及び耐チッピング性が優れているので好ましい。
本発明の水性被覆組成物は、特に限定されるものではないが、一般に、約40〜90重量%、好ましくは約50〜85重量%、特に好ましくは約60〜80重量%の範囲内の固形分を含有し、7〜11、好ましくは8〜10の範囲内のpHを有し、且つ約3,000〜100,000
mPa・s、好ましくは約5,000〜50,000 mPa・sの範囲内の粘度をもつことができる。
本発明の水性被覆組成物を適用することができる基材は、特に限定されるものではなく、例えば、鋼板;例えば、鉛-錫合金メッキ鋼板(タンシート鋼板)、錫メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板などの各種メッキ鋼板;電着塗装鋼板などの塗装鋼板(ED鋼板):等をあげることができる。
本発明の水性被覆組成物の塗装は、それ自体既知の塗装法、例えば、刷毛塗り、吹き付け塗装、ローラー塗装等により行うことができるが、一般にエアレス塗装が好適である。その際の塗装膜厚は、基材の用途等に応じて異なるが、通常、約500μm以上、特に約1000〜5000μmの範囲内が適当である。また、塗膜の乾燥は自然乾燥、加熱乾燥等により行うことができる。
以下、本発明を実施例、比較例及び製造例によりさらに具体的に説明する。
なお、実施例及び比較例において用いる試験片の作成及びその試験方法は次ぎのとおりである。
(1) 試験片の作成
JIS G-3141に定める自動車用鋼板に、日本ペイント(株)製のカチオン電着塗料「U-600」を用いて電着塗装した鋼板(ED鋼板)(寸法0.8mm×100mm×200mm)を基材して用い、これに以下の実施例及び比較例により得られる各水性被覆用組成物をエアレス吹付け塗装法によって乾燥塗膜が500μmの厚さになるように塗装し、常温にて10分間放置後、80℃にて30分間乾燥し、次いで120℃にて60分間乾燥した。
(2) 密着性試験
前(1)項で作成した試験片を、ゴバン目試験機〔スガ試験機(株)製〕を用いて、塗装表面から縦、横それぞれ5mm間隔で基材に達する深さのカット線も入れて4cm2中に16個のゴバン目を作成する。このゴバン目に24mm幅のセロファンテープ〔ニチバン(株)製〕を貼付け、手で素早く180゜剥離を行い、塗膜に残存した目の数を数えて塗膜残存目数/16と表示する。残存する目数としては13以上であることが好ましい。
(3) 耐チッピング性試験
前(1)項で作成した試験片を、約25℃の恒温条件下に16時間放置した後、事務用カッターを用いて塗膜表面から基材に達する深さで、4cm2中に縦10mm幅×横5mm幅のカットを入れる。試験片は、水平面に対して60゜の角度で立てかけて固定し、その塗面のカット部をめがけて、2mの高さから25mmφのポリ塩化ビニル製パイプを通してナット(M-4)を鉛直方向に連続して落下させ、基材の素地が露出したときの落下したナットの総重量で評価する。耐チッピング性を示すナットの総重量は、30kg以上、さらには50kg以上であることが好ましい。
(4) 制振性試験
前(1)項において乾燥膜厚が2000μとなるように作成した試験片をED鋼板の代わりに、ビーム(制振材料特性評価システム付属の測定試料作成用金属板)を用いる以外は同様にして試料を作成し、ASTM E756-83に準じ、制振材料特性評価システム「ダンプ・テスト(DAMP TEST)」〔(株)東陽テクニカ製〕を用いて、0℃、20℃、40℃及び60℃の各温度における損失係数〔ロス・ファクター(Loss Factor)〕を測定した。なお、測定は3dB法にて処理し、得られたデータは周波数140Hzに換算したものである。
各温度における損失係数は、何れも0.05以上、さらには0.07以上、特には0.10以上であることが好ましい。
(5) 高温焼付性試験
(5-1) フクレ限界膜厚
前(1)項における吹き付け塗装に当って、乾燥塗膜の厚さを変えて塗装を行い、乾燥時にふくれの生じない最大膜厚を求め、フクレ限界膜厚とする。フクレ限界膜厚は1500μm以上であることが好ましく、2000μm以上であることが更に好ましい。
(5-2) クラック限界膜厚
前(1)項における吹き付け塗装に当って、乾燥皮膜の厚さを変えて塗装を行い、乾燥時にクラックの生じない最大膜厚を求め、クラック限界膜厚とする。クラック限界膜厚は1500μm以上であることが好ましく、2000μm以上であることが更に好ましい。
〔重合体複合微粒子の重合〕
製造例1
攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた反応容器に、脱イオン水82重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB約16)1重量部を仕込み、窒素フローしながら70℃に昇温した。次に芯部を形成するための単量体(芯部形成単量体)として、単量体(ac)である2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)40重量部(芯部形成単量体の合計100重量%に基づいて50重量%)、単量体(bc)であるメチルメタクリレート(MMA)23.2重量部(同29重量%)及びスチレン(St)16重量部(同20重量%)、並びに単量体(cc)であるアクリル酸(AA)0.8重量部(同1重量%)を均一に混合した単量体混合液と、重合開始剤水溶液として過硫酸アンモニウム(APS)の5重量%水溶液6重量部とを3時間かけて連続的に添加し、その後同温度で1時間保持して複合微粒子の芯部を形成するガラス転移温度(Tgc)約10℃のアクリル・スチレン系共重合体の水性分散液を得た。
次いでこのアクリル・スチレン系共重合体の水性分散液に、殻部を形成するための単量体(殻部形成単量体)として、単量体(as)であるi-ブチルメタクリレート(iBMA)14.7重量部(殻部形成単量体の合計100重量%に基づいて73.5重量%)及びn-ブチルメタクリレート(nBMA)5.3重量部(同26.5重量%)を均一に混合した単量体混合液と、APSの5重量%水溶液2重量部とを1時間かけて連続的に添加してガラス転移温度(Tgs)約40℃の殻部を形成させ、その後同温度で2時間保持し、最後に約25重量%のアンモニア水を適量添加してアクリル・スチレン系共重合体よりなる重合体複合微粒子の水性分散液を得た。得られた重合体複合微粒子の水性分散液は、固形分53.0重量%、pH
7.5、粘度200 mPa・s、平均粒子径190
nmであった。
製造例2〜7
参考例1において、芯部形成単量体として、EHA 40重量部、MMA
35.2重量部及びSt 16重量部を用いる代わりに、表1に示すようにこれらの単量体の使用比率を変え、又は単量体(ac)としてEHAを用いる代わりにブチルアクリレート(BA)を用いてその使用量を変え、さらに必要に応じて単量体(cc)であるエチルアクリレート(EA)を用いる以外は製造例1と同様に重合して、複合微粒子の芯部を形成するガラス転移温度(Tgc)及び溶解パラメータ(SPc)の異なるアクリル・スチレン系共重合体の水性分散液を得、次いで製造例1と同様の殻部形成単量体を用い製造例1と同様にしてアクリル・スチレン系共重合体よりなる複合微粒子の水性分散液を得た。
得られた複合微粒子の芯部及び殻部のそれぞれの組成、Tg、SP値及び複合微粒子中に占める殻部の割合を表1に、得られた複合微粒子全体の組成、該複合微粒子の水性分散液の固形分、pH、粘度及び平均粒子径を表2に示す。
製造例8〜12
製造例1において、殻部形成単量体としてiBMA 14.7重量部及びnBMA
5.3重量部を用いる代わりに、表1に示すような単量体を表1に示すような量で用いてガラス転移温度(Tgs)及び溶解パラメータ(SPs)の異なる殻部を形成すること以外は製造例1と同様にしてアクリル・スチレン系共重合体よりなる複合微粒子の水性分散液を得た。
得られた複合微粒子の芯部及び殻部のそれぞれの組成、Tg、SP値及び複合微粒子中に占める殻部の割合を表1に、得られた複合微粒子全体の組成、該複合微粒子の水性分散液の固形分、pH、粘度及び平均粒子径を表2に示す。
製造例13
製造例1において、芯部形成単量体として、EHA 40重量部及びMMA
35.2重量部を用いる代わりに、EHA 31.2重量部(芯部形成単量体の合計100重量%に基づいて39重量%)及びMMA
32重量部(同40重量%)を用い、殻部形成単量体としてiBMA 14.7重量部及びnBMA
5.3重量部を用いる代わりに、iBMA 12.6重量部(殻部形成単量体の合計100重量%に基づいて63重量%)及びnBMA 7.4重量部(同37重量%)を用いる以外は製造例1と同様にして、芯部及び殻部を形成する共重合体のガラス転移温度が約30℃でほぼ等しい〔ΔTg(=Tgs−Tgc)=0℃〕アクリル・スチレン系共重合体よりなる複合微粒子エマルジョンを得た。
得られた複合微粒子の芯部及び殻部のそれぞれの組成、Tg、SP値及び複合微粒子中に占める殻部の割合を表1に、得られた複合微粒子全体の組成、該複合微粒子の水性分散液の固形分、pH、粘度及び平均粒子径を表2に示す。
製造例14
製造例13において、芯部形成単量体として、EHA 31.2重量部及びMMA 32重量部を用いる代わりに、EHA 35.6重量部(芯部形成単量体の合計100重量%に基づいて44.5重量%)及びMMA 27.6重量部(同34.5重量%)を用いる以外は製造例13と同様にして、芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)が約20℃で、殻部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgs)が約30℃〔ΔTg(=Tgs−Tgc)=10℃〕のアクリル・スチレン系共重合体よりなる複合微粒子エマルジョンを得た。
得られた複合微粒子の芯部及び殻部のそれぞれの組成、Tg、SP値及び複合微粒子中に占める殻部の割合を表1に、得られた複合微粒子全体の組成、該複合微粒子の水性分散液の固形分、pH、粘度及び平均粒子径を表2に示す。
製造例15
製造例1において、製造例1と同一組成の芯部形成単量体及び殻部形成単量体を用い、複合微粒子中に占める殻部の割合が40重量%となるようにし、このことに伴って、芯部形成単量体の混合液とAPSの5重量%水溶液4重量部とを2時間かけて連続的に添加して芯部を形成した後、殻部形成単量体の混合液とAPSの5重量%水溶液4重量部とを2時間かけて連続的に添加して、芯部を形成する共重合体及び殻部を形成する共重合体をそれぞれ重合する以外は製造例1と同様にして、アクリル・スチレン系共重合体よりなる複合微粒子の水性分散液を得た。得られた水性分散液はやや凝集物が多く、濾過によるその分離に少し時間がかかった。
得られた複合微粒子の芯部及び殻部のそれぞれの組成、Tg、SP値及び複合微粒子中に占める殻部の割合を表1に、得られた複合微粒子全体の組成、該複合微粒子の水性分散液の固形分、pH、粘度及び平均粒子径を表2に示す。
製造例16
製造例1において、複合微粒子中に占める殻部の割合が10重量%となるように、芯部を形成する共重合体及び殻部を形成する共重合体をそれぞれ重合する以外は製造例1と同様にして、アクリル・スチレン系共重合体よりなる複合微粒子の水性分散液を得た。
得られた複合微粒子の芯部及び殻部のそれぞれの組成、Tg、SP値及び複合微粒子中に占める殻部の割合を表1に、得られた複合微粒子全体の組成、該複合微粒子の水性分散液の固形分、pH、粘度及び平均粒子径を表2に示す。
なお、表1において用いられる単量体の略号は次のとおりである。
EHA:2-ヘキシルアクリレート
BA:n-ブチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
nBMA:n-ブチルメタクリレート
iBMA:イソブチルメタクリレート
St:スチレン
AA:アクリル酸
Figure 0004630534
Figure 0004630534
〔水性被覆用組成物の作製〕
実施例1
製造例1のアクリル/スチレン系複合微粒子水性分散液188.7重量部(固形分で約100重量部)、分散剤として「ノブコスパース 44C」〔サンノプコ(株)製、ポリカルボン酸系分散剤〕2.0重量部(固形分約0.88重量部)、消泡剤として「ノプコ8034L」〔サンノプコ(株)製〕0.4重量部、無機質充填剤として重質炭酸カルシウム 100重量部及びマイカ
37重量部、着色顔料としてカーボンブラック3重量部、並びに防錆顔料としてメタ硼酸バリウム 10重量部をティスパーを用いて均一に分散させ、次いで界面活性剤系の増粘剤として「アデカノールUH-472」〔旭電化(株)製〕0.5重量部を加えてさらに攪拌して、塗膜中に占める総顔料(粉末炭酸カルシウム、マイカ、カーボンブラック及びメタ硼酸バリウムの合計量)の割合(以下、PWCと略記することがある)が約60重量%、固形分が73.6重量%、pH 9.1で粘度が25,000
mPa・sの水性被覆用組成物を作製した。
得られた水性被覆用組成物を用いて各種塗膜物性試験を行った。該組成物の各種塗膜物性の測定結果を表4に示す。
実施例2〜4
実施例1において、無機質充填剤、着色顔料及び防錆顔料の使用量を変え、必要に応じて、分散剤、消泡剤及び増粘剤の使用量を変える以外はほぼ実施例1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。得られた水性被覆用組成物の配合組成及びその特性値(PWC、固形分、pH及び粘度)を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示す。
実施例5〜9及び比較例1
実施例1において、製造例1のアクリル/スチレン系複合微粒子水性分散液を用いる代わりに、製造例2〜7の複合微粒子殻部のガラス転移温度(Tgs)が同一で複合微粒子芯部のガラス転移温度(Tgc)が異なるアクリル/スチレン系複合微粒子の水性分散液を用いる以外は実施例1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
実施例10〜14
実施例1において、製造例1のアクリル/スチレン系複合微粒子水性分散液を用いる代わりに、製造例8〜12の複合微粒子芯部のガラス転移温度(Tgc)が同一で複合微粒子殻部のガラス転移温度(Tgs)が異なるアクリル/スチレン系複合微粒子の水性分散液を用いる以外は実施例1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
実施例15及び比較例2
実施例1において、製造例1のアクリル/スチレン系複合微粒子水性分散液を用いる代わりに、複合微粒子芯部のガラス転移温度(Tgc)と殻部のガラス転移温度(Tgs)が等しい(ΔTg=0℃)製造例13の複合微粒子の水性分散液又は、複合微粒子芯部のガラス転移温度(Tgc)と殻部のガラス転移温度(Tgs)との差が約10℃(ΔTg=10℃)である製造例14の複合微粒子の水性分散液を用いる以外は実施例1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
実施例16〜17
実施例1において、製造例1のアクリル/スチレン系複合微粒子水性分散液を用いる代わりに、複合微粒子芯部と殻部との比率を変えて作製した製造例15又は16の複合微粒子の水性分散液を用いる以外は実施例1と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
Figure 0004630534
Figure 0004630534
本発明の水性被覆用樹脂組成物は、車両、船舶、各種機械・器具、建築材料等の構造部材の表面における振動や騒音を防止するための制振塗料として好適に用いられる。本発明に基づく制振塗料は、塗料自体の各種安定性はもとより、2000μm程度の厚い塗膜を120℃などの比較的高温でフクレなどを発生させることなく乾燥することができる高温焼付性を示し、得られる塗膜は柔軟性であり、基材との密着性、広い温度領域にわたっての制振性、耐チッピング性に優れている。

Claims (14)

  1. 水性媒体中に分散された重合体複合微粒子を含有してなる水性被覆用組成物において、該重合体複合微粒子が芯部と、該芯部の外側にある少なくとも一層からなる殻部により構成され、該芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)が30℃以下であり、該殻部を形成する共重合体の(平均)ガラス転移温度(Tg s )が30〜50℃の範囲であり、かつ該殻部を形成する共重合体の(平均)ガラス転移温度(Tgs)が該ガラス転移温度(Tgc)よりも高く、さらに該芯部を形成する共重合体の溶解パラメータ(SP c )が9.0〜9.4の範囲で、該殻部を形成する共重合体の(平均)溶解パラメータ(SP s )が該溶解パラメータ(SP c )よりも小さく、その差ΔSP(SP c −SP s )が少なくとも0.2以上であることを特徴とする被覆用組成物。
  2. 芯部を形成する共重合体のガラス転移温度(Tgc)が0〜30℃の範囲であり、且つ殻部を形成する共重合体の(平均)ガラス転移温度(Tgs)と芯部を形成する共重合体のガラス転移温度ガラス転移温度(Tgc)との差ΔTg(=Tgs−Tgc)が少なくとも15℃以上である請求項1に記載の被覆用組成物。
  3. 重合体複合微粒子中に占める殻部の割合が、該重合体複合微粒子の重量100重量%に基づいて10〜40重量%の範囲である請求項1又は2に記載の被覆用組成物。
  4. 重合体複合微粒子が、全体として、下記単量体(a)〜(d)、
    (a)単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステル20〜60重量%、
    (b)単独重合体のガラス転移温度が20℃以上である単量体 35〜70重量%、
    (c)炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-又はジ-カルボン酸 0.2〜5重量%、及び、
    (d)上記単量体(a)〜(c)と共重合可能な、該単量体(a)〜(c)以外の単量体
    0〜10重量%、
    〔但し、単量体(a)〜(d)の合計を100重量%とする〕
    に由来する共重合体である請求項1〜3の何れか1項に記載の被覆用組成物。
  5. 芯部を形成する共重合体が、下記単量体(ac)〜(dc)、
    (ac)単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステル 29.8〜60重量%、
    (bc)単独重合体のガラス転移温度が80℃以上である単量体 35〜70重量%、
    (cc)炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-又はジ-カルボン酸 0.2〜5重量%、及び、
    (dc)上記単量体(ac)〜(cc)と共重合可能な、該単量体(ac)〜(cc)以外の単量体 0〜10重量%、
    〔但し、単量体(ac)〜(dc)の合計を100重量%とする〕
    に由来する共重合体である請求項1〜3の何れか1項に記載の被覆用組成物。
  6. 殻部を形成する共重合体が、全体として、下記単量体(as)〜(cs)、
    (as)単独重合体のガラス転移温度が20℃以上であるメタクリル酸エステル 50〜100重量%、
    (bs)単独重合体のガラス転移温度が−30℃以下であるアクリル酸エステル
    0〜40重量%、
    並びに、
    (cs)上記単量体(as)及び(bs)と共重合可能な、該単量体(as)及び(bs)以外の単量体 0〜20重量%、
    〔但し、単量体(as)〜(cs)の合計を100重量%とする〕
    に由来する共重合体である請求項1〜の何れか1項に記載の被覆用組成物。
  7. 単量体(as)及び(bs)が何れも疎水性単量体である請求項に記載の被覆用組成物。
  8. 疎水性単量体の水に対する溶解性が0.1重量%以下である請求項に記載の被覆用組成物。
  9. 重合体複合微粒子が乳化重合により形成される請求項1〜8の何れか1項に記載の被覆用組成物。
  10. 重合体複合微粒子の平均粒子径が150〜400nmである請求項1〜9の何れか1項記載の被覆用組成物。
  11. 水性被覆用組成物がさらに、防錆顔料、無機質充填剤及び着色顔料を含有する請求項1〜10の何れか1項記載の被覆用組成物。
  12. 防錆顔料が、リン酸金属塩、モリブテン酸金属塩及び硼酸金属塩から選ばれる請求項11記載の被覆用組成物。
  13. 無機質充填剤が、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、パーライト、水酸化アルミニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、セピオライト、マイカ、ウォラストナイト及びゼオライトよりなる群から選ばれる請求項11記載の被覆用組成物。
  14. 水性被覆用組成物により形成される塗膜中に占める総顔料(防錆顔料、無機質充填剤及び着色顔料の合計量)の割合(PWC)が、50〜80重量%の範囲である請求項11記載の被覆用組成物。
JP2003364064A 2003-10-24 2003-10-24 水性被覆用組成物 Expired - Fee Related JP4630534B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003364064A JP4630534B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 水性被覆用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003364064A JP4630534B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 水性被覆用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005126572A JP2005126572A (ja) 2005-05-19
JP4630534B2 true JP4630534B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=34643153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003364064A Expired - Fee Related JP4630534B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 水性被覆用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4630534B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018062546A1 (ja) 2016-09-30 2018-04-05 株式会社日本触媒 制振塗料用樹脂組成物及びその製造方法

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335938A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Dainippon Ink & Chem Inc 水性アクリルエマルション、発泡性制振性塗料及び制振体
JP5765869B2 (ja) 2006-12-20 2015-08-19 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company 液状適用音響減衰材
JP5063182B2 (ja) * 2007-05-16 2012-10-31 三菱レイヨン株式会社 ビニル系重合体及びその製造方法
US7893151B2 (en) 2007-11-08 2011-02-22 Rohm And Haas Company Liquid-applied sound damping
JP5679250B2 (ja) * 2008-08-11 2015-03-04 株式会社日本触媒 制振材用配合物
JP5336816B2 (ja) * 2008-10-29 2013-11-06 三菱レイヨン株式会社 水性被覆材およびエマルションの製造方法
JP2010235885A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Cci Corp 屋根用制振塗料組成物及び屋根構造
JP5624928B2 (ja) * 2011-03-31 2014-11-12 シーシーアイ株式会社 制振塗料組成物
DE102012218108A1 (de) * 2012-10-04 2014-04-10 Evonik Industries Ag Wässrige Bindemittel für Heißsiegelanwendungen

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3513782B2 (ja) * 1994-08-26 2004-03-31 日本カーバイド工業株式会社 水性樹脂分散液
JPH10316866A (ja) * 1997-05-22 1998-12-02 Mitsui Chem Inc 重合体粒子
JP3804703B2 (ja) * 1997-05-22 2006-08-02 三井化学株式会社 水性塗料用樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018062546A1 (ja) 2016-09-30 2018-04-05 株式会社日本触媒 制振塗料用樹脂組成物及びその製造方法
US10865314B2 (en) 2016-09-30 2020-12-15 Nippon Shokubai Co., Ltd. Resin composition for vibration-damping coating material, and production method therefor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005126572A (ja) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0507634B1 (en) Aqueous dispersion of acrylic polymer
EP1926778B1 (en) Vibration damping composition
JP5030780B2 (ja) 制振材用エマルション
JP4245853B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP5030779B2 (ja) 制振材用エマルション
JP4630534B2 (ja) 水性被覆用組成物
WO2007023819A1 (ja) 制振材用エマルション
WO2009139314A1 (ja) 制振材用エマルション組成物
EP1484367B1 (en) An aqueous paint composition of baking-drying type
JP3286033B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP4721695B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP5815233B2 (ja) 制振材用エマルション樹脂組成物及び制振材
JP2012021135A (ja) 防錆塗料用水性樹脂組成物
JP5284914B2 (ja) 制振材用樹脂組成物
JP2010053210A (ja) 制振材用エマルション組成物及び制振材配合物
JP5685002B2 (ja) 制振材用エマルション及び制振材組成物
JP2009270064A (ja) 制振材用エマルション組成物
JPH0673311A (ja) 焼付型耐チッピング塗料組成物
JP5977123B2 (ja) 制振材
JP3586857B2 (ja) 亜鉛処理鉄管類
JPH0559302A (ja) 水性系耐チツピング材
JP2012126774A (ja) 加熱乾燥用樹脂組成物及び加熱乾燥塗膜
WO2014126212A1 (ja) 制振材用エマルション組成物
JPH04202262A (ja) 耐チッピング用水性被覆組成物
JP2015063651A (ja) 制振材用エマルション組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R155 Notification before disposition of declining of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4630534

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees