JPH064784B2 - 耐チツピング用被覆組成物 - Google Patents

耐チツピング用被覆組成物

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JPH064784B2
JPH064784B2 JP61073440A JP7344086A JPH064784B2 JP H064784 B2 JPH064784 B2 JP H064784B2 JP 61073440 A JP61073440 A JP 61073440A JP 7344086 A JP7344086 A JP 7344086A JP H064784 B2 JPH064784 B2 JP H064784B2
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chipping
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信裕 田平
幸英 奥村
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Aisin Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属製品表面に被覆され、その金属製品をチッ
ピングから保護するための耐チッピング用被覆組成物に
関する。本発明の耐チッピング用被覆組成物は例えば自
動車のガソリンタンク表面被覆用などに利用される。
[従来の技術] 鉛−錫合金メッキが施された鋼材は、ターンシートと呼
ばれ伸展性に富んでいる。従って板金加工性を損ねるこ
とがないので、従来自動車のガソリンタンクなどに多用
されている。この鉛−錫合金メッキは極めて優れた防錆
力を有している。しかしながら傷などによりメッキ面に
損傷が生じた場合にはその部位から腐食が進行する。従
ってこのようなメッキ面の傷付きを防止するために、従
来メッキ面を保護する保護材として耐チッピング用被覆
組成物で被覆されている。
この従来の耐チッピング用被覆組成物は、特開昭58−
187469号公報にも見られるように、一般に水分散
性アクリル樹脂をバインダーとして用い、タルク、炭酸
カルシウムなどの粉質充填剤が配合された塗料が用いら
れている。そしてエアレス塗装などに300μ〜800
μという厚膜に塗装され、乾燥して被覆されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記した従来の耐チッピング用被覆組成物においては、
塗布膜厚を300μ〜800μと厚くしないと良好な耐
チッピング性が得られないという不具合がある。そのた
めに作業性が悪く、被覆組成物の量も多く必要であり、
コストの上昇を招いていた。
耐チッピング性を向上させるには粉質充填剤の配合量を
減らす方法が考えられる。即ち、水分散性アクリル樹脂
の配合量を相対的に多くし、強度をもたせればよい。し
かしながら従来耐チッピング用被覆組成物はガソリンタ
ンクなどに塗布された後80℃〜120℃の高温で乾燥
されている。従って上記のように樹脂成分量が多い場合
には造膜が早期に行われるため表面乾燥が早く、乾燥時
の熱により蒸発した水蒸気がその樹脂膜を押圧すること
により塗膜に脹れが生じるような不具合があった。
即ち、粉質充填剤が少ない場合には耐チッピング性は向
上するが脹れが生じる。一方粉質充填剤が多い場合に
は、蒸気となった水は容易に塗膜中から外部へ抜けて脹
れは生じないが、膜厚を厚くしないと耐チッピング性に
劣るという不具合がある。
本発明は上気問題点に鑑みてなされたものであり、乾燥
時の脹れの発生を抑制し、かつ薄膜でも耐チッピング性
に優れた耐チッピング用被覆組成物を提供することを目
的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の耐チッピング用被覆組成物は、水分散性アクリ
ル樹脂が固形分で100重量部と、粉質充填剤10〜6
0重量部と、繊維状充填剤10〜100重量部と、から
なり、粉質充填剤と繊維充填剤の合計量は50〜160
重量部であって、金属製品表面に被覆されて該金属製品
をチッピングから保護することを特徴とする。
本発明に用いられる水分散性アクリル樹脂は、各種ビニ
ルモノマーを乳化重合法にて重合したものをいい、その
モノマーの種類としては例えばスチレン、アルキルスチ
レン、アクリル酸もしくはメタアクル酸アルキル、アク
リロニトリル、アクリルアマイド、N−メチロールアク
リルアマイド、メタアクリルニトリル、アクリル酸また
はメタアクリル酸の脂環もしくは芳香環を有する炭化水
素エステル類などが用いられ、その単独重合体あるいは
共重合体樹脂を用いることができる。
好ましいモノマーの組合わせとしては、例えばアクリル
酸エステル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n
−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−
ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのモノマ
ーの単独重合体もしくは共重合体などを例示することが
できる。
本発明の耐チッピング用被覆組成物には所望に応じて他
の水分散性樹脂、例えばスチレン−ブタジエンゴムラテ
ックス、ニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ブチル
ゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン、酢酸ビニル
共重合エマルジョン、ポリウレタン水分散体などの樹脂
を上記水分散性アクリル樹脂に混合して用いることもで
きる。
本発明にいう粉質充填剤は、従来用いられているものと
同様のものを用いることができ、例えば、タルク、炭酸
カルシウム、硅藻土、マイカ、カオリン、硫酸バリウ
ム、グラファイト、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、シ
リカ、ゴム粉末、ガラスフレークなどを1種もしくは2
種以上混合して用いることができる。
この粉質充填剤の形状は特に制限されないが、粒径が大
きくなり過ぎると、塗装時につまりが生じたり、被覆御
の表面に凹凸が生じる場合があるので、1〜50μの粒
子径を有するものが好ましい。
上気粉質充填剤は水分散性アクリル樹脂固形分100重
量部に対して10〜60重量部の割合で用いる。配合量
が10重量部以下の場合には乾燥時に脹れが生じ、60
重量部より多くなると耐チッピング性が低下する。
本発明にいう繊維状充填剤は、繊維形状をなしていれば
特に制限されず、例えばカーボンファイバー、ロックウ
ール、繊維状チタン酸カリウム、繊維状硫酸マグネシウ
ム、アタパルジャイト、ウオラスナイト、繊維状硫酸バ
リウム、アスベストなどを用いることができる。
この繊維状充填剤は、前記水分散性アクリル樹脂固形分
100重量部に対して10〜100重量部となるように
配合する。この繊維状充填剤が10重量部より少ないと
乾燥時に脹れが生じる場合があり、100重量部より多
く配合すると耐チッピング性が低下し塗膜外観形状も悪
くなる。
この繊維状充填剤の単繊維の形状は特に制限はされない
が、長さが10〜200μmおよび断面の最大径が0.
1〜3μmであることが望ましい。断面の径および長さ
がこの範囲にあれば、乾燥時の脹れの防止、耐チッピン
グ性および塗膜の表面外観を特に良好に維持することが
できる。また特にはアスペクト比が50〜200のもの
を用いることが好ましい。アスペクト比がこの範囲にあ
れば上記性能を特に高く維持することができる。
粉質充填剤と繊維状充填剤の総量は、水分散性アクリル
樹脂の固形分100重量部に対し50〜160重量部と
するのが望ましい。この総量が50重量部より少ないと
脹れが生じやすく、160重量部より多いと薄膜時に耐
チッピング性が低下するようになる。
本発明の耐チッピング用被覆組成物には、上記配合物以
外にカーボンブラック、有機顔料などの着色顔料、クロ
ム酸金属塩、リン酸金属塩、メタホウ酸金属塩などの防
錆顔料、分散剤、増粘剤などの添加剤およびエチレング
リコール、ブチルセロソルブなどの有機溶剤などを混合
することもできる。
本発明の耐チッピング用被覆組成物を金属製品表面に被
覆するには、エアレス塗装、エアスプレー塗装などを用
いて金属製品表面に塗布する。その後例えば80℃〜1
20℃の温度で10分〜30分乾燥し硬化させることに
より被膜を得る。なお本発明の耐チッピング用被覆組成
物を用いれば従来ほど厚膜にする必要なく、70μ〜2
00μ程度の薄膜でも十分な耐チッピング性を有する。
又従来と同様に300μ以上の厚膜とすることもでき
る。
[作用] 本発明の耐チッピング用被覆組成物は、充填剤として粉
質充填剤および繊維状充填剤が配合されている。ここで
繊維状充填剤は塗膜中に層状に近く配向し、粉質充填剤
とともに略最密充填状態となる。従って充填剤の配合合
計量を従来より多くしても従来と同様の耐チッピング性
を得ることができる。また充填剤が多くなることにより
脹れの発生が防止される。故に配合合計量を従来と略同
等量としても、同等の耐チッピング性を有しつつ膜厚を
薄くすることができ、かつ脹れは同等以上に防止され
る。従って被覆組成物の使用量および塗装回数を低減す
ることができ、コストの低減を図ることができる。さら
に繊維状充填剤は粉質充填剤の間で層状に近く配向した
状態となるため、小石などの衝撃力を分散させ耐チッピ
ング性が一層向上する。
[実施例] 以下実施例により具体的に説明する。なお以下にいう部
はすべて重量部を意味する。
(実施例1) (1)被覆組成物の調整 水分散性アクリル樹脂(AE331、日本合成ゴム社
製、固形分55%)180部、分散剤として、ポリズ5
30(花王社製)5部、防錆剤としてメタホウ酸バリウ
ム10部、および水70部を加えディスパーにて攪拌し
ながら炭酸カルシウム60部、カーボンブラック1部、
および繊維状充填剤としての繊維状マグネシウム化合物
(MOS、宇部興産社製、直径1μm、長さ10〜10
0μm)10部を徐々に加え、十分に攪拌して実施例1
の耐チッピング用被覆組成物を得た。
(2)塗板作成条件 鋼板に鉛−錫メッキが施されたターンシート板を用意
し、上気で得られた被覆組成物をエアレス塗装し、室温
で10分間セッテイングをおいた後80℃×10分+1
20℃×20分の条件で焼付乾燥した。なお膜厚として
は100μおよび200μの2種類を作成した。また膜
厚を厚く塗装した場合の乾燥時の脹れの生じ具合を調べ
たが、本実施例の被覆組成物では500μ塗装した場合
にもほとんど脹れは生じなかった。
(3)耐チッピング性試験 上記により得られた100μおよび200μの膜厚を有
する2種類の塗板につき、耐チッピング試験を施して耐
チッピング性能を測定した。なお試験方法としては、塗
板の塗膜表面に対して60度の角度でナット(M−6)
を2mの高さから連続して落下させ、素地が露出したと
きの落下したナットの総重量で評価した。結果は表に示
す。
(実施例2) 繊維状マグネシウム化合物を100部配合したこと以外
は実施例1と同様にして耐チッピング用被覆組成物を調
製し、同様に塗板を作成し耐チッピング性試験を行っ
た。結果を表に示す。なお本実施例の場合には800μ
以上の厚膜に塗装した 場合にも焼付時に脹れは全く生じなかった。
(実施例3) 炭酸カルシウムを10部および繊維状マグネシウム化合
物を100部としたこと以外は実施例1と同様にして被
覆組成物を調整し、同様に塗板を作成し耐チッピング性
試験を行った。結果を表に示す。なお本実施例の場合も
実施例2と同様に800μ以上の厚膜に塗装した場合に
も脹れは全く生じなかった。
(比較例1) 繊維状マグネシウム化合物を配合しないこと以外は実施
例1と同様にして被覆組成物を調整し、同様に塗板を作
成し耐チッピング性試験を行った。結果を表に示す。な
おこの比較例1の場合には膜厚が180μを超えると脹
れが発生した。
(比較例2) 炭酸カルシウムを70部とし、繊維状マグネシウム化合
物を配合しないこと以外は実施例1と同様にして被覆組
成物を調整し、同様に塗板を作成して耐チッピング性試
験を行った。結果を表に示す。
この比較例2の被覆組成物の場合は炭酸カルシウムが1
0部だけ比較例1よりも多くなっているが、膜厚が80
0μであっても脹れはほとんど生じなかった。
(比較例3) 炭酸カルシウム120部および繊維状マグネシウム化合
物を配合したいこと以外は実施例1と同様にして被覆組
成物を調整し、同様に塗板を作成して耐チッピング性試
験を行った。結果を表に示す。なおこの比較例3の被覆
組成物では膜厚が800μ以上となっても脹れはほとん
ど生じなかった。
(評価) 表より明らかに繊維状マグネシウム化合物が配合されて
実施例の被覆組成物は、膜厚が厚くなっても乾燥時に脹
れが生じず比較例に比べてはるかにすぐれている。一方
耐チッピング性は膜厚が100μ、200μと薄くと
も、2.5〜2.5kgの値を示し、比較例に比べて同
等以上の性能を有している。この効果は繊維状マグネシ
ウム化合物を配合したものによることが明らかである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水分散性アクリル樹脂が固形分で100重
    量部と、粉質充填剤10〜60重量部と繊維状充填剤1
    0〜100重量部と、からなり、該粉質充填剤と該繊維
    状充填剤の合計量は50〜160重量部であって、金属
    製品表面に被覆されて該金属製品をチッピングから保護
    することを特徴とする耐チッピング用被覆組成物。
  2. 【請求項2】繊維状充填剤の単繊維は長さ10〜200
    μmおよび断面の最大径が0.1〜3μmである特許請
    求の範囲第1項記載の耐チッピング用被覆組成物。
  3. 【請求項3】繊維状充填剤の単繊維はアスペクト比が5
    0〜200である特許請求の範囲第1項記載の耐チッピ
    ング用被覆組成物。
JP61073440A 1986-03-31 1986-03-31 耐チツピング用被覆組成物 Expired - Lifetime JPH064784B2 (ja)

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