JP3123380B2 - 耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板 - Google Patents

耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性に優れた塗料
組成物及びこの塗料組成物を塗装した塗装金属板に関す
るもので、特に、加工や運送時における塗装金属板のハ
ンドリング傷、加工・組立時の傷、施工後の風砂等によ
る傷等を生じにくい塗料組成物及びこれを塗布した塗装
金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、屋根や外壁材のような建物外装材
に使用される塗装金属板については、その耐久性に関す
る市場の要求が厳しさを増しており、メンテナンスフリ
ーの長期耐久性が要求されるようになってきた。このよ
うな要求に対応する塗装金属板用の塗料として、ポリフ
ッ化ビニリデン樹脂を70重量%以上含有させたフッ素
樹脂系塗料が開発され、これを塗膜として形成したフッ
素樹脂系塗装鋼板が耐久性が要求される建物外装材の主
流になっている。しかしながら、この塗装金属板は、塗
膜硬度が低いために施工時や施工後の環境中で塗膜に傷
がつきやすいという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、有機塗膜中
に硬質の添加材を添加して、塗膜の硬度を見掛け上増大
させることにより、塗膜に耐摩耗性と耐傷つき性を付与
できることが知られており、特開昭61−236869
号公報では、フッ素樹脂系塗料にガラス繊維を配合して
塗膜の強度と硬度を向上させ、耐傷つき性や耐摩耗性を
向上させた塗料が開示されている。しかし、この塗料は
非常に硬質の骨材を使用しているため、この塗料による
塗膜を形成した金属板の成形加工時に成形ロールを摩耗
させたり、切断時にシャーリング刃を摩耗させたりする
などの問題があり、必ずしも十分に満足できる物性を有
しているとは言い難い。
【0004】このような問題に対して、特開平4−11
672号では塗膜中にアクリル系樹脂微粒子を添加する
ことにより、また、特開平4−12842号では塗膜中
にフッ素系樹脂微粒子を添加することにより、成形加工
時や切断時における成形ロールやシャーリング刃の摩耗
を抑制しつつ耐摩耗性の向上を図るようにした塗装金属
板が開示されている。しかしながら、これらの塗装金属
板の耐摩耗性のレベルは必ずしも満足できるものではな
い。したがって本発明の目的は、優れた耐摩耗性、耐傷
つき性、加工性及び耐食性を示し、しかも、成形加工時
や切断時における成形ロールやシャーリング刃等の摩耗
を適切に抑えることができる塗料組成物及びこの塗料組
成物を塗装した塗装金属板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した問
題を解決すべく鋭意研究を重ね、その結果、ポリフッ化
ビニリデン樹脂とアクリル樹脂とからなる樹脂成分を主
成分とする塗料中に、有機骨材としてアクリルポリマー
ビーズ及び4フッ化エチレン樹脂粉末を、また、無機骨
材として炭化ケイ素及びガラスビーズをそれぞれ特定の
割合で複合添加することにより、優れた耐摩耗性、耐傷
つき性、加工性、耐食性を示す塗膜が得られること、さ
らに、この塗膜を形成した塗装金属板は、成形加工時や
切断時における成形ロールやシャーリング刃の摩耗を生
じさせにくいことを知見した。本発明はこのような知見
に基づきなされたもので、その特徴とする構成は以下の
通りである。
【0006】(1) ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル
樹脂とからなる樹脂成分を主成分とし、これに有機骨材
として、塗料組成物の全固形物中の割合でアクリルポリ
マービーズを1〜40重量%、4フッ化エチレン樹脂粉
末を1〜20重量%含有し、さらに無機骨材として、塗
料組成物の全固形物中の割合で炭化けい素を1〜20重
量%、ガラスビーズを1〜20重量%含有する塗料組成
物であって、塗料組成物の全固形分中の有機骨材と無機
骨材の合計含有量が10〜50重量%、全骨材中に占め
る無機骨材の割合が20〜80重量%であることを特徴
とする耐摩耗性に優れた塗料組成物。
【0007】(2) 金属板の少なくとも一方の面に、上記
(1)に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗
膜を有することを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属
板。 (3) 金属板の少なくとも一方の面に、化成処理皮膜を有
し、その上層に防錆顔料または防錆顔料と骨材とを含有
する下塗塗膜を有し、さらにその上層に上記(1)に記載
の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗膜を有する
ことを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属板。
【0008】
【作用】本発明の塗料組成物は、ポリフッ化ビニリデン
樹脂とアクリル樹脂とからなる樹脂成分を主成分とし、
これに潤滑性及び弾力性と適度な硬さを持つ有機骨材
と、非常に硬質な無機骨材を特定の割合で複合添加する
ことを特徴としている。本発明の塗料組成物において、
樹脂の主成分としてポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリ
ル樹脂とを混合して用いるのは、ポリフッ化ビニリデン
樹脂の結晶性を、相溶性の良好なアクリル樹脂によって
低下させることにより耐久性を向上させ、加えて、アク
リル樹脂の混合により塗装性および密着性を向上させる
ためである。
【0009】ポリフッ化ビニリデン樹脂としては、重量
平均分子量が150000以上、融点が150〜180
℃のものが特に好ましい。このようなポリフッ化ビニリ
デン樹脂としては、例えば、日本ペンウォルト(株)製
のカイナー 500(重量平均分子量:350000、
融点:160〜165℃)等が例示できる。
【0010】アクリル樹脂としては、これを構成してい
るモノマーユニットの70重量%以上が(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル等のアルキル基の炭素数が1〜
8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの中
から選ばれた少なくとも1種のモノマーからなるものが
好ましい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルモノマーが好適な理由は、ポリフッ化ビニリデン樹
脂との相溶性に優れ、しかも耐候性にも優れているから
である。
【0011】一方、アクリル樹脂の構成単位の残りの3
0重量%以下を形成するモノマーとしては、前記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合可能
なもの、例えば、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニ
ルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アク
リル酸アミド、塩化ビニル等が例示できる。また、アク
リル樹脂は、重量平均分子量が50000〜20000
0の範囲のものが特に好ましい。重量平均分子量が50
000未満では、樹脂塗膜としての物理的特性、例えば
加工性が大幅に低下するため好ましくない。一方、重量
平均分子量が200000を超えると、塗料としてのチ
クソトロピー性が上がり、塗装作業が低下するため好ま
しくない。
【0012】ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂
の重量比は90:10〜40:60の範囲が好ましい。
アクリル樹脂に対するポリフッ化ビニリデン樹脂の重量
比が90:10を超えるとチクソトロピー性が高まり、
塗料化が困難になるため好ましくない。一方、アクリル
樹脂に対するポリフッ化ビニリデン樹脂の重量比が4
0:60未満では、塗膜の加工性や耐候性が大きく低下
するので好ましくない。
【0013】以上の樹脂成分に対して、有機骨材として
アクリルポリマービーズ及び4フッ化エチレン樹脂粉末
が、また、無機骨材として炭化けい素及びガラスビーズ
がそれぞれ複合添加される。ここで、有機骨材としてア
クリルポリマービーズと4フッ化エチレン樹脂粉末を複
合添加することにより、以下のような作用効果が得られ
る。すなわち、アクリルポリマービーズと4フッ化エチ
レン樹脂粉末は適度な硬度を有しているため塗膜全体の
硬度を適度に増大させ、これによって成形加工時や切断
時における成形ロールやシャーリング刃の摩耗を抑制し
つつ塗膜の耐摩耗性、塗膜硬度を向上させる作用があ
り、同時に、これらの有機骨材は適度な弾力性を有し、
塗膜全体に弾力性を付与することから、塗膜中に含まれ
る硬質の無機骨材がロール成形時に成形ロールに食い込
むことを防止し、これによって成形ロールの摩耗防止に
寄与するものと考えられる。加えて、アクリルポリマー
ビーズは、塗膜形成時の焼付処理により表層がわずかに
溶融して塗料中の樹脂成分との一体性を強めることか
ら、塗膜の耐摩耗性、塗膜硬度、加工性の向上に寄与
し、一方、4フッ化エチレン樹脂粉末は化学的に不活性
であることから、摩耗物体との相互作用を少なくし、こ
れが塗膜の耐摩耗性、耐傷つき性の向上に寄与し、この
ようなアクリルポリマービーズと4フッ化エチレン樹脂
粉末による相乗的な作用により、優れた耐摩耗性、耐傷
つき性及び加工性が得られるものと考えられる。
【0014】また、無機骨材として炭化けい素とガラス
ビーズを複合添加することにより、以下のような作用効
果が得られる。すなわち、炭化けい素とガラスビーズは
非常に硬質であるため塗膜全体の硬度を増し、耐摩耗性
を向上させる作用効果があり、また、ガラスビーズは潤
滑作用を有しているため、成形加工時や切断時における
成形ロール、シャーリング刃の摩耗を抑制するという作
用効果があるが、炭化けい素とガラスビーズという粒形
状の異なる骨材を複合添加することにより、骨材の高い
充填密度が得られるため、各骨材の耐摩耗性が最大限に
発揮され、素地に達するような摩耗傷を大幅に抑制する
ことができる。
【0015】また、本発明では上記のような有機骨材と
無機骨材を複合添加することにより、塗膜の表面傷およ
び成形ロール等の摩耗については有機骨材によって、ま
た、素地金属に達するような激しい損傷や摩耗について
は無機骨材によってそれぞれ保護することが可能とな
り、従来の塗装金属板では得ることができなかった極め
て優れた耐傷つき摩耗性が得られる。
【0016】アクリルポリマービーズとしては、塗料組
成物や塗膜が有する優れた特性を損なわないものである
ことが必要であり、具体的には、塗料の溶剤に溶解しな
いこと、塗料の貯蔵中に変質や沈降固化がなく、安定性
が低下しないこと、塗料中のアクリル樹脂との親和性を
有することなどが要求される。このような観点から、ア
クリルポリマービーズとしては、メタクリル酸メチルの
モノマー成分が80〜90重量%、メタクリル酸メチル
と共重合可能なモノマー成分が18重量%以下、架橋性
モノマー成分(例えば、エチレングリコールジメタクリ
レート等)が2〜20重量%好ましくは5〜10重量
%、からなるものが好ましい。
【0017】アクリルポリマービーズの配合量は、塗料
組成物の全固形分中の割合で1〜40重量%とする。ア
クリルポリマービーズの配合量が1重量%未満では耐摩
耗性が十分でなく、また、硬質の無機骨材によるロール
成形時の成形ロール損傷を防止する効果が低下するので
好ましくない。一方、配合量が40重量%を超えると、
塗料としての長期安定性の低下を招くとともに、塗膜の
伸びが著しく低下し、塗装金属板の加工性が低下するの
で好ましくない。アクリルポリマービーズのより好まし
い配合量は2.5〜30重量%である。
【0018】4フッ化エチレン樹脂粉末の配合量は、塗
料組成物の全固形分中の割合で1〜20重量%とする。
4フッ化エチレン樹脂粉末の配合量が1重量%未満では
耐摩耗性が十分でなく、一方、20重量%を超えると塗
装作業性の低下を招くため好ましくない。なお、この4
フッ化エチレン樹脂粉末とともに、類似の他のフッ素系
樹脂、例えば、4フッ化エチレンと6フッ化プロピレン
の共重合体や4フッ化エチレンとエチレンの共重合体等
の微粉末を併用してもよい。
【0019】また、炭化ケイ素及びガラスビーズ配合量
は、塗装組成物の全固形分中の割合でそれぞれ1〜20
重量%とする。これらの配合量が1重量%未満では耐摩
耗性が十分でなく、一方、20重量%を超えると塗装作
業性が低下し、塗装金属板としての加工性が低下するの
で好ましくない。
【0020】塗料組成物の全固形分中の有機骨材と無機
骨材の合計含有量は10〜50重量%とする。有機骨材
と無機骨材の合計含有量が10重量%未満では塗膜全体
の硬度が不足し、所望の耐摩耗性が得られない。一方、
合計含有量が50重量%を超えると塗膜が硬くなり過ぎ
て伸びが著しく低下し、折り曲げ加工性、成形ロール摩
耗性が劣化する。また、全骨材中に占める無機骨材の割
合は20〜80重量%とする。全骨材中に占める無機骨
材の割合が20重量%未満では塗膜全体の硬度が不足
し、所望の耐摩耗性が得られない。一方、80重量%を
超えると塗膜が硬くなり過ぎて伸びが著しく低下し、折
り曲げ加工性、成形ロール摩耗性が劣化する。
【0021】各骨材の粒径については特別な制約はない
が、耐摩耗性を含めた塗装金属板の品質特性の面から、
それぞれ平均粒子径で、アクリルポリマービーズは10
〜50μm、4フッ化エチレン樹脂粉末は1〜5μm、
炭化ケイ素及びガラスビーズは5〜20μmの範囲であ
ることが好ましい。一般に各骨材の平均粒子径が上記の
下限値未満では耐摩耗性が低く、一方、各骨材の平均粒
子径が上記の上限値を超えると、塗装時に塗膜欠陥が発
生しやすくなるとともに、加工性の低下を招く。
【0022】骨材であるアクリルポリマービーズ、4フ
ッ化エチレン樹脂粉末、炭化ケイ素及びガラスビーズは
そのまま塗料中に混合してもよいが、塗料中での親和性
及び分散性を向上させ、骨材の沈降を防止する目的で、
混合前にアルミニウム系カップリング剤とよく馴染ませ
てから、塗料中に混合することが望ましい。アルミニウ
ム系カップリング剤としては、例えばアセトアルコキシ
アルミニウムジイソプロピレート(例えば、味の素
(株)製 プレンアクト ALM)を挙げることができ
る。骨材を塗料中に添加する具体的な方法としては、骨
材の合計重量の3重量%相当量のアルミニウム系カップ
リング剤をイソホロン等の溶剤中に溶解し、この溶剤中
に骨材を加えてよく接触させ、これを緩やかに撹拌され
ている塗料中に加え均一に混合すればよい。
【0023】本発明の塗料組成物においては、以上述べ
た必須成分以外に着色顔料、体質顔料、溶剤及び添加剤
等を必要に応じて配合することができる。着色顔料とし
ては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化
鉄、クロム酸鉛、金属粉末、焼成顔料、パール顔料等が
挙げられる。体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、クレイ、タルク、三酸化アンチモン、硫酸バリウ
ム、カオリン等が挙げられる。添加剤としては、例え
ば、消泡剤、顔料分散剤、たれ防止剤、傷つき防止剤等
が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブ系
溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、
ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等
が挙げられる。
【0024】次に、以上述べた塗料組成物を塗装した塗
装金属板について説明する。本発明の塗装金属板で用い
る被塗装金属板としては、溶融法または電解法等により
製造される亜鉛めっき鋼板、亜鉛−5%アルミニウム合
金めっき鋼板、亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼
板等の亜鉛系めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ス
テンレス鋼板、アルミニウム板、冷延鋼板等を用いるこ
とができる。上記の金属板は、通常は塗装を施す前に脱
脂処理が施され、場合によってはさらに酸洗を施された
後、クロメート処理やリン酸塩処理などの化成処理が施
される。
【0025】塗料組成物は上記の化成処理皮膜の上に直
接塗装することも可能であるが、耐食性や密着性などの
性能を向上させるためには、塗装金属板に通常用いられ
ている下塗り塗料、すなわち所謂プライマーを塗装して
焼き付けた上に、塗装することが望ましい。また、この
下塗塗膜には耐食性や耐摩耗性を向上させるため防錆顔
料または防錆顔料+骨材を含有させることが好ましい。
塗装方法については特に制限はなく、従来一般に行われ
ているロールコーター法、カーテンフローコーター法、
スプレー塗装、はけ塗り等の塗装法を適用できるが、塗
装金属板の塗装においてはロールコーター法が最も一般
的である。塗料組成物の乾燥塗膜厚は、通常5〜40μ
mである。塗膜厚が5μm未満では、塗膜中の骨材の保
持が困難になったり、塗膜の耐候性低下(紫外線透過性
が高まる)を招くので好ましくない。一方、40μmを
超えると、塗装作業性の低下や塗膜外観の低下を招き、
また、コストも上昇するため好ましくない。
【0026】塗料組成物を塗布した後の焼付処理は、3
0〜180秒間加熱して金属板温度を200℃以上に到
達させることによって行われる。焼付時間が30秒未満
では、樹脂成分の溶融硬化が不十分であり、一方、18
0秒を超えると、下塗り塗料成分を含めた熱劣化が始ま
り、いずれの場合にも塗料本来の性能が発揮されなくな
るため好ましくない。焼付時の加熱方法については特別
な制限はなく、熱風加熱方式、高周波加熱方式等の方法
を適用できる。
【0027】
【実施例】
〔実施例1〕金属板に塗布型クロメート処理を付着量が
金属クロム換算で30mg/m2になるように施し、次
いで、下塗り塗料としてエポキシ樹脂系塗料を乾燥塗膜
厚が5μmになるように塗布した後、約200℃で60
秒間焼き付け、次いで、上塗り塗料として下記により作
成した塗料組成物を乾燥塗膜厚が25μmになるよう塗
布した後、約250℃で60秒間焼き付け、得られた塗
装金属板を下記の各種試験に供した。その結果を、上塗
り塗料に添加した骨材の構成及び添加量とともに表1な
いし表4に示す。
【0028】(塗料組成物)ベース塗料としてポリフッ
化ビニリデン樹脂:アクリル樹脂=80:20(重量
比)を含む塗料(日本油脂(株) 製プレカラーNo.
8800ブラウン)を用い、これに表1及び表2に示す
配合量の骨材を添加して塗料組成物を得た。ベース塗料
中への骨材の添加は、骨材の合計重量の3重量%相当量
のアルミニウム系カップリング剤をイソホロンに溶解
し、その中に骨材を加えてよく接触させた後、緩やかに
撹拌されている上記ベース塗料中に加え均一に混合する
ことにより行った。
【0029】(被塗装金属板)被塗装金属板としては、
溶融亜鉛めっき鋼板(表中ではGIと略)、亜鉛−5%
アルミニウム合金めっき鋼板(表中ではGFと略)、亜
鉛−55%アルミニウム−1.6%シリコン合金めっき
鋼板(表中ではGLと略)を用いた。板厚はすべて0.
6mmとし、めっき付着量は、溶融亜鉛めっき鋼板及び
亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板については片面
当り130g/m2、亜鉛−55%アルミニウム−1.
6%シリコン合金めっき鋼板については片面当り100
g/m2とした。
【0030】(試験・評価方法) (1)加工性 20℃の室内にて180°の折り曲げを行い、クラック
なしの最少板はさみ枚数で評価した。この評価では、0
〜3Tを合格、4T以上を不合格とした。 (2)成形ロール摩耗性 幅500mm、長さ1000mmの試験片についてロー
ル成形機で成形加工を行い、試験片50枚成形後の成形
ロールの表面を観察し、下記により評価した。 ◎:全く異常なし ○:わずかに傷が発生 ×:異常有り
【0031】(3)テーバー摩耗性試験 摩耗輪CS−10を用い、摩耗輪に荷重1kgを加えて
試験し、プライマー露出までの回転数で評価した。この
評価では、2000回未満を不合格、2000回以上を
合格とした。 (4)落砂摩耗性試験 ASTM−D968に基づき、4号ケイ砂を落下させて
試験し、プライマー露出までの落砂量で評価した。この
評価では、10L未満を不合格、10L以上を合格とし
た。 (5)耐食性 JIS Z 2371の塩水噴霧試験を行い、2000時
間後の錆の程度を目視で観察し、下記により評価した。 ◎:全く発錆せず ○:わずかに発錆 ×:著しく発錆
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】〔実施例2〕リニア−ポリエステル系塗料
に防錆顔料として各種クロム酸塩を、また骨材としてホ
ウ酸アルミウイスカーを添加した塗料をプライマー(下
塗り塗料)として使用したこと以外は、実施例1と同様
にして試験材を作製し、同様の方法により試験及び評価
を行った。その結果を、プライマーの構成、上塗り塗料
に添加した骨材の構成及び添加量とともに表5ないし表
7に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、優れた耐摩
耗性、耐傷つき性、加工性及び耐食性が得られ、しかも
成形加工時や切断時における成形ロールやシャーリング
刃の摩耗を効果的に抑えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−11672(JP,A) 特開 平6−218325(JP,A) 特開 平7−150100(JP,A) 特開 平8−176494(JP,A) 特開 平8−176492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/16 C09D 133/06 B05D 7/14 B32B 15/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹
    脂とからなる樹脂成分を主成分とし、これに有機骨材と
    して、塗料組成物の全固形物中の割合でアクリルポリマ
    ービーズを1〜40重量%、4フッ化エチレン樹脂粉末
    を1〜20重量%含有し、さらに無機骨材として、塗料
    組成物の全固形物中の割合で炭化けい素を1〜20重量
    %、ガラスビーズを1〜20重量%含有する塗料組成物
    であって、塗料組成物の全固形分中の有機骨材と無機骨
    材の合計含有量が10〜50重量%、全骨材中に占める
    無機骨材の割合が20〜80重量%であることを特徴と
    する耐摩耗性に優れた塗料組成物。
  2. 【請求項2】 金属板の少なくとも一方の面に、請求項
    1に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗膜
    を有することを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属
    板。
  3. 【請求項3】 金属板の少なくとも一方の面に、化成処
    理皮膜を有し、その上層に防錆顔料または防錆顔料と骨
    材とを含有する下塗塗膜を有し、さらにその上層に請求
    項1に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗
    膜を有することを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属
    板。
JP06338947A 1994-12-29 1994-12-29 耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板 Expired - Fee Related JP3123380B2 (ja)

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