JP3000619B2 - 金属板用塗料 - Google Patents

金属板用塗料

Info

Publication number
JP3000619B2
JP3000619B2 JP2115506A JP11550690A JP3000619B2 JP 3000619 B2 JP3000619 B2 JP 3000619B2 JP 2115506 A JP2115506 A JP 2115506A JP 11550690 A JP11550690 A JP 11550690A JP 3000619 B2 JP3000619 B2 JP 3000619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
metal plate
fluororesin
fiber
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2115506A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0411671A (ja
Inventor
欣一 浜田
勝巳 田辺
弘司 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2115506A priority Critical patent/JP3000619B2/ja
Publication of JPH0411671A publication Critical patent/JPH0411671A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3000619B2 publication Critical patent/JP3000619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、亜鉛鉄板、アルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板など
金属板に用いられる金属板用塗料に関するものである。
[従来の技術] 従来、塗装の主たる目的は、被塗装物の保護及び美装
に置かれていた。しかしながら、近年の工業製品の高品
質化、高機能化に伴い、市場ニーズも、高級化、多様
化、個性化してきている。その流れとして、金属塗装板
のより長期耐久性化及び金属感を希薄化し、ソフト感覚
を付与する要望が強くなってきた。
金属基板にフッ素樹脂系塗料を塗装したフッ素樹脂塗
装金属は、フッ素樹脂塗膜のもつ優れた物理的及び化学
的特性、即ち、優れた耐候性や耐食性、耐薬品性、耐熱
性通を有するために、JIS規格Z25、Z27の亜鉛鉄板、ア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、ア
ルミニウム板、チタン板などの耐久性の優れた金属板と
して、屋根や壁などの建材材料に普及している。
しかしながら、このようなフッ素樹脂塗装金属板に使
用するフッ素樹脂塗料は、高価であるため塗膜の厚み
は、通常20〜30μmの薄い厚みに設定されている。フッ
素樹脂塗料をプレコートした金属板を屋根や壁などの建
築材料として使用する場合には、ロール成形やプレス成
形などの加工を施して、製品として仕上げている。しか
しながら、この加工時に、フッ素樹脂塗膜に摩擦衝撃や
引っ掻きによる傷が生じる可能性があり、一旦、塗膜に
傷が生じると、上記のように塗膜が薄いために、水分が
金属の表面に浸透し易く、例えば、金属板が亜鉛めっき
鋼板の場合は、塗膜を通して亜鉛イオンの溶出が避けら
れず、耐食性に問題が生ずることになる。こような場合
には、めっき層を厚くする必要が生じるが、めっき層を
厚くすると、ロールやプレスによる折れ曲げの加工の際
にめっき層に亀裂が生じ易くなって、塗膜に影響が及ぼ
されて、折り曲げ加工部分の耐食性が却って低下するこ
とになる。ステンレス鋼板やアルミニウム板の場合も塗
膜の傷つきや加工部分の塗膜の亀裂の欠陥は、同様に、
孔食を生じる場合もある。
一方、特公昭50−25485号公報及び特公昭51−8128号
公報などにおいて、提供されているように、金属板に塗
布する上塗り塗料に繊維状やフレーク状、ビーズ状のE
ガラスやCガラスを添加することによって、塗膜の強度
を上げると共に、高強度にし、耐傷付性や耐摩耗性を改
善する試みが為されている。また、このような塗料にお
いては、ガラス繊維が増量剤ともなって、コストダウン
することもできる。
特公昭63−2991号公報には、フッ素樹脂系塗料にガラ
ス繊維を添加することによって、塗膜の強度を上げると
共に、高強度にし、耐傷付性や耐摩耗性を改善できるこ
とが記載されている。しかしながら、ガラス繊維は、一
般に、その耐薬品性、特に、酸に弱い傾向が認められ、
これを添加したフッ素樹脂塗料も同様な傾向が認められ
る。
ガラス繊維に代えて、特開平1−236255号公報には、
セラミックス微粉末を含有するフッ素樹脂系塗料が記載
されている。しかしながら、セラミックス微粉末を含有
するフッ素樹脂系塗料からなる塗膜は、耐薬品性及び表
面平滑性において、必ずしも満足できるものではなかっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明が解決しようとする課題は、フッ素樹脂塗膜が
有する優れた物理的、化学的特性、即ち、優れた耐候
性、耐食性、耐薬品性、耐汚染性、耐熱性等を損なわず
に、昨今世間の注目を集めている酸性雨のような地球環
境の酸性化に対して有効な手段を確立し、フッ素樹脂塗
膜の長期耐久性能の向上、併せて低光沢化によるソフト
感覚化を実現できる金属板用塗料を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記課題を解決するために、アルミナ及び
シリカを主成分とするセラミック繊維が液状フッ素樹脂
系塗料に配合されて成ることを特徴とする金属板用塗料
を提供する。
本発明で使用するフッ素樹脂系塗料としては、例え
ば、フッ化ビニリデン塗料、フッ化ビニル塗料が挙げら
れる。これらのフッ素樹脂系塗料は、フッ素樹脂、顔
料、溶剤等から構成される。また、これらのフッ素樹脂
系塗料には、フッ素樹脂塗膜の性能を低下させない範囲
で、フッ素樹脂以外の塗膜形成性樹脂を含有していても
良い。
本発明で使用するセラミック繊維は、高純度のアルミ
ナとシリカを重量比でほぼ半々に配合し、電気炉で高温
熔融させ、熔融体を耐熱誠のノズルから取り出して繊維
化したものである。この繊維の平均繊維径は2〜5μm
であり、繊維長は、最長250mmもあり、このまま塗料中
に添加混合することはできない。また、一部には、繊維
化時に繊維になりきれなかったショットと呼ばれる粒子
径150〜250μm程度の球状粒子を含んでおり、塗膜のブ
ツ、すじ引きの原因となるので、好ましくない。塗料用
の原料としてセラミック繊維を充分に機能させるために
は、繊維長を短くして、分散性を改善し、また、塗料化
時に障害となるショットを取り除く工程が必要となる。
即ち、ノズルから取りだしたショットを含む粗繊維をボ
ールミル等で粉砕し、繊維長が150μm以下となるよう
に処理しなければならない。更に、これを振動篩い及
び、又はサイクロン等を用いて、分級、粒度管理、ショ
ットの除去工程を経て塗料への添加・分散が可能とな
る。
なお、本発明で使用するセラミック繊維としては、上
記のアルミナ及びシリカを主成分とするものの他、アル
ミナ、シリカ、ジルコニアを主成分とするものも使用可
能であり、後者が高度、化学的安定性の面で優れてい
る。後者を塗料用原料として使用する場合にも、前述の
粉砕、分級工程を要する。
本発明で使用するセラミック繊維の直径は、2〜5μ
mの範囲が好ましく、セラミック繊維の繊維長は、5〜
150μmの範囲が好ましい。
本発明のフッ素樹脂系塗料は、乾燥塗膜厚が、20〜30
μmと成るように塗布されるので、セラミック繊維の直
径が、5μmより大きくなると、塗膜表面にセラミック
繊維が配列して、塗装金属板の加工時に、塗膜に亀裂が
発生したり、セラミック繊維が塗膜から欠落したりし易
くなる傾向にあり、セラミック繊維の直径が2μmより
小さくなると、塗膜の強度の向上効果が十分でなくなる
傾向にあるのて、好ましくない。セラミック繊維の繊維
長が150μmより長くなると、繊維感の絡みが生じ易く
なり、その結果、セラミック繊維の分散が均一に行えな
くなる傾向にあり、セラミック繊維の繊維長が、5μm
より短くなると、塗膜の強度の向上効果が十分でなくな
る傾向にあるので、好ましくない。
セラミック繊維の配合量は、フッ素樹脂系塗料100重
量部に対して、1〜60重量部の範囲が好ましい。セラミ
ック繊維の配合量が1重量部より少ないと、セラミック
繊維の配合による塗膜の硬度向上による耐傷付性の効果
を十分に得にくくなる傾向にあり、また、セラミック繊
維の配合量が60重量部より多くなると、塗膜の延びが極
端に低下し、折り曲げ加工性が悪くなる傾向にあるの
で、好ましくない。
本発明の金属板用塗料は、上記フッ素樹脂を含有する
塗料に、上記セラミック繊維を配合して、十分に攪拌す
ることによって製造される。
通常、無機質材料を塗料用原料として使用する場合、
塗料との、ぬれ、なじみを良くし、分散性、均一性、沈
降などの保存安定性を保つ目的で、特公昭63−2991号公
報に開示されているように、予め、例えば、シランカッ
プリング剤等による一段又は複数の表面処理を施すの
が、通例であるが、本発明で使用するセラミック繊維
は、単繊維化し、繊維の直径を揃えたので、塗料とのぬ
れ性も良好であり、繊維系材料特有の繊維の絡みもな
く、後述の攪拌条件で容易に解繊し、また適度なチキソ
トロピー性を有すること等により、保存安定性が良好で
あり、格別に特殊な前処理を要しない特質を有する。
攪拌条件は、回転数1200〜1500RPM、攪拌温度30〜40
℃、攪拌時間5〜50分が好ましい。
上記のように調製した本発明の金属板用塗料は、プレ
コート用及びスプレーコート用の塗料として用いられ
る。
本発明の金属板用塗料を塗装する被塗装物としては、
例えば、亜鉛鉄板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼
板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板など金
属板が挙げられる。
本発明の金属板用塗料を塗装する前に、耐食性及び塗
料と金属板との密着性を改善するために、これらの金属
板に、下塗り塗料を塗装することが好ましい。
下塗り塗料の樹脂組成としては、例えば、アルキッド
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるが、
金属板との密着性の向上を図り、耐食性を改善するため
に、アルキッド樹脂としては、エポキシ変性アルキッド
樹脂、フェノール変性アルキッド樹脂、アクリル変性ア
ルキッド樹脂を用いることが好ましい。また、エポキシ
樹脂又はアクリル樹脂を用いる場合には、硬化剤と併用
することが好ましい。
下塗り塗料に用いるエポキシ樹脂の硬化剤としては、
例えば、アミノプラスト、ポリイソシアネート、ブロッ
クポリイソシアネート、ポリアミン等が挙げられる。
下塗り塗料に用いるアクリル樹脂の硬化剤としては、
例えば、アミノプラスト、ポリイソシアネート、ブロッ
クポリイソシアネート等が挙げられる。
下塗り塗料に用いる顔料成分としては、金属板の種類
により異なるが、金属板が鉄板又は亜鉛めっき鋼板であ
る場合には、鉛丹、シアナミド鉛の如き鉛系顔料、クロ
ム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウムの如きクロム酸塩系
顔料等の防錆顔料が好ましい。
下塗り塗料は、上記樹脂10〜60重量%、顔料0〜50重
量%及び溶剤10〜40重量%の範囲で含有するものが好ま
しい。
下塗り塗膜は、金属板の表面に、上記下塗り塗料を乾
燥塗膜厚が5μm程度になるように塗布乾燥させて形成
する。下塗り塗膜の乾燥塗膜厚が5μmより薄いと、防
錆性が不十分となる傾向にあり、下塗り塗膜の乾燥塗膜
厚が5μmより厚いと、防錆の点では有利となるが、加
工部に亀裂が生じ易くなる傾向にあるので、好ましくな
い。
本発明の金属板用塗料は、必要に応じて下塗り塗膜を
有する金属板上に、コイルコーター又はスプレー塗装に
より、塗装する。
本発明の金属板用塗料から成る塗膜の厚さは、厚くな
るほど塗膜物性面では有利となるが、わきの問題及び塗
装コスト等の面から、25〜30μmの範囲が好ましい。
本発明の金属板用塗料の塗装方法は、特段の技術を必
要とせず、従来のフッ素樹脂系塗料の塗装技術と何等変
わるものではない。
また、本発明の金属板用塗料は、高速追従性、泡、ハ
ジキ、表面外観の総合評価結果も優れたものであった。
本発明の金属板用塗料から成る塗膜の表面光沢は、60
度反射光沢で2%であり、セラミック繊維を含有しない
フッ素樹脂系塗料の光沢が30%であることと比較する
と、著しく光沢が低下し、また、セラミック繊維の添加
により、塗膜表面の凹凸感が生じ、その結果、塗装物に
ソフト感を与え、視触覚型、感性型外観を形成できるこ
とが理解できる。
一方、塗膜の表面硬度の面では、JIS D−0202に基
づいて試験を行った。試験結果は、セラミック繊維無添
加のフッ素樹脂系塗料から成る塗膜が、評価H、本発明
のセラミック繊維含有フッ素樹脂系塗料から成る塗膜
が、評価5Hであった。
次に、東洋ボールドウィン社製「レオバイブロン」を
使用し、動的粘弾性を測定した。この実験の目的は、セ
ラミック繊維を添加することによって、塗膜のガラス転
位温度がどのように変化するのか、また鉛筆硬度評価と
の整合性があるのか否かの追跡にある。なお、ここでい
うガラス転位温度(Tg)は、tanδ曲線の極大値を示す
温度を被測定物のガラス転位温度とした。セラミック繊
維無添加のフッ素樹脂系塗膜のTgは68℃であり、鉛筆硬
度の評価はHであった。セラミック繊維を5重量%、10
重量%、15重量%及び20重量%添加したフッ素樹脂系塗
膜のTg及び鉛筆硬度は、添加量5%の場合、70℃、2H;
添加量10%の場合、73℃、3H;添加量15%の場合、75
℃、4H;添加量20%の場合、78℃、5Hであり、セラミッ
ク繊維含有フッ素樹脂系塗料は無添加のものより、いず
れもTg及び鉛筆硬度の上昇が見られ、このTgと鉛筆硬度
との間には、明らかに相関関係が認められる。即ち、鉛
筆硬度が向上するに伴って、Tgも上昇しているのであ
る。これは、セラミック繊維を添加することによって、
単に塗膜表面硬度が向上するだけでなく、塗膜そのもの
の硬度及び強度が向上することを意味すると考えられ
る。
このように、フッ素樹脂を含有する塗料にセラミック
繊維を添加分散させることにより、塗膜の強度を上げる
と共に、高強度にし、かつ塗膜にソフト感を付与する技
術を確立し、上記機能を有する金属板用塗料を提供する
ことが可能となった。
[実施例] 次に、実施例及び比較例により、本発明を具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例に何等限定される
ものではない。なお、実施例及び比較例において「部」
及び「%」は、各々「重量部」及び「重量%」を表わ
す。
実施例1 「F−91」(大日本インキ化学工業社製フッ化ビニリ
デン系褐色塗料)100重量部に、「カオウール1400MFD」
(イソライト工業社製セラミック繊維)20重量部を配合
し、回転数1300RPM、温度35℃で20分間攪拌することに
よって、セラミック繊維入りフッ化ビニリデン系褐色塗
料「F−91C」を調製した。
なお、「カオウール1400MFD」は、アルミナ、シリカ
及びジルコニウムを主成分とするバルクを表粉砕し、更
に微粉砕を行い、粉砕度合を確認し、篩い分けにより粒
度分布を揃えたセラミック繊維である。このセラミック
繊維の繊維長さは5〜85μの範囲にあり、平均繊維長さ
は20μ、繊維径は2〜20μの範囲にあり、平均繊維径は
3μである。また、このセラミック繊維のモース硬度は
7、最高使用温度は1400℃である。
実施例2 実施例1において、「カオウール1400MFD」に代え
て、「カオウール1260ミドルファイバー」を使用した以
外は、実施例1と同様にしてセラミック繊維入りフッ化
ビニリデン系褐色塗料を調製した。
なお、「カオウール1260ミルドファイバー」は、アル
ミナ及びシリカを主成分とするバルクを「カオウール14
00MFD」と同様にして処理したセラミック繊維である。
このセラミック繊維の繊維長さは1〜85μの範囲にあ
り、平均繊維長さは20μ、繊維径は1〜20μの範囲にあ
り、平均繊維径は3μである。また、このセラミック繊
維のモース硬度は7、最高使用温度は1260℃である。
比較例1 セラミック繊維を配合しない「F−91」を比較例1の
フッ素樹脂系塗料とした。
比較例2 実施例1において、「カオウール1400MFD」に代え
て、チタネート系カップリング剤で表面処理し、次いで
シラン系カップリング剤で表面処理したガラス繊維を使
用した以外は、実施例1と同様にしてガラス繊維入りフ
ッ化ビニリデン系褐色塗料「F−91G」を調製した。
比較例3 実施例1において、「カオウール1400MFD」に代え
て、日本フェロー社製セラミック微粉末「01−4102M」
を使用した以外は、実施例1と同様にしてセラミック微
粉末入りフッ化ビニリデン系褐色塗料「F−91CP」を調
製した。
(試験用塗装鋼板の作製) 厚さ0.4mmのJIS規格Z27に適合した亜鉛メッキ鋼板の
表面に、日本パーカライジング社製「BT3310」を用いて
リン酸亜鉛化成処理を施し、更に、下塗り塗料として、
大日本インキ化学工業社製エポキシ樹脂系塗料「064Pプ
ライマー」を用いて、乾燥塗膜厚が5μとなるように塗
装し、180℃で、35秒間焼き付け乾燥させて、下塗り塗
膜を形成した。
次に、このようにして得た下塗り塗膜を有する亜鉛メ
ッキ鋼板に、各実施例及び各比較例で得たフッ化ビニリ
デン系褐色塗料の各々を用いて、乾燥塗膜厚が25μとな
るように塗装し、250℃で50秒間焼き付け乾燥させて、
塗装亜鉛メッキ鋼板を得た。
(塗料及び試験用塗料板の評価) 上記試験用塗装鋼板を用いて、下記の耐食性試験・塩
水噴霧試験、耐薬品性試験、耐傷付性試験及び加工性試
験を行ない、その結果を第1表に示した。また、各実施
例及び各比較例で得た塗料の分散安定性及び塗装作業性
について下記の評価を行ない、その結果も第1表に示し
た。
[耐食性試験・塩水噴霧試験] JIS Z−2371及びJIS K−5400に基づき、3000時間
試験を行ない、下記の3段階の評価を行った。また、ふ
くれの塗膜への侵入幅の大きさを併せて示した。
○:ふくれの発生がない。
△:ふくれの発生が30〜50%。
×:ふくれの発生が70%以上。
[耐薬品性試験] 試験片の切断面に作品が浸透しないようにシールを施
し、10%水酸化ナトリウム水溶液、10%硫酸、10%塩酸
中に各々浸せきして、25℃で150時間試験を行ない、下
記の3段階の評価を行った。
○:ふくれの発生がない。
△:ふくれの発生が30〜50%。
×:ふくれの発生が70%以上。
[耐傷付性試験] 「鉛筆硬度」は、三菱鉛筆社製鉛筆「ユニ」を使用
し、JIS D−0202に基づいて試験を行ない、また、
「コインスクラッチ」は、塗膜の表面を10円硬貨で45度
の角度で引っかくことによって試験を行ない、下記の5
段階の評価を行った。
5:下塗り塗膜に達していない。
4:10%下塗り塗膜に達していた。
3:30%下塗り塗膜に達していた。
2:70%下塗り塗膜に達していた。
1:100%下塗り塗膜に達していた。
「テーバー摩耗試験」は、JIS K6902に基づいて、摩
耗論をCS−17に、摩耗回数を1000回転、荷重を1kgに各
々設定して試験を行い、摩耗減量をg/m2換算して評価し
た。
[加工性試験] 「折り曲げ試験」は、0.4mmの鋼板を2枚の試験用塗
装鋼板の間に挟んで、180度折り曲げ、バイスにて締め
付けることによって、20℃で試験を行ない、折り曲げ部
に亀裂が生じなかった場合の鋼板の枚数で示した。
「衝撃性試験」は、JIS K−5400B法に準拠し、先端
丸みを1/2インチ、荷重を1kg高さ50cmに設定して20℃で
試験を行ない、塗膜に発生する亀裂の程度で下記の3段
階に評価した。
○:亀裂なし。
△:亀裂が30〜50%発生。
×:亀裂が70%以上発生。
「二次密着性試験」は、試験用塗装鋼板を沸騰水に15
時間浸せきし、取り出した後、1時間常温にて放置して
得た2枚の試験片の間に0.4mmの鋼板をを挟んで試験片
を180度折り曲げ、バイスにて締め付けることによっ
て、試験を行ない、折り曲げ部に亀裂が生じなかった時
の鋼板の枚数で示した。
[分散安定性試験] 各実施例及び各比較例で得た塗料を、フォードカップ
No.4で150秒に粘度を調整したものを、90日間放置した
後の沈澱の状態を観察し、下記の3段階に評価した。
○:沈澱が観察されない。
△:ソフトケーキ状の沈澱が観察される。
×:ハードケーキ状の沈澱が観察される。
[塗装作業性] 石田鉄工(株)製ストリップ用テストロールコーター
を用いて、塗装を行ない、高速追従性、泡、ハジキ、表
面外観等を総合評価し、下記の3段階に評価した。
○:ラインスピード20〜80m/分の範囲内で上記評価項
目を満たした。
△:ラインスピード20〜60m/分の範囲内で上記評価項
目を満たした。
×:ラインスピード40m/分以下の条件で上記評価項目
を満たした。
第1表に示した試験結果から、本発明の金属板用塗料
から成る塗膜は、硬度が高く、耐傷付性に優れていると
共に、他の試験項目においても比較例の塗料からなる塗
膜に見劣りする項目が無く、セラミック繊維を配合する
ことによって得られる効果が明らかである。
[発明の効果] 本発明の金属板用塗料は、低光沢化により、ソフト感
が付与され、かつ、フッ素樹脂塗膜が有する物理的、化
学的特性を損なうことなく、強度及び硬度が向上し、そ
の結果、化学的安定性が増加し、より長期耐久性能に優
れた塗膜を形成することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−106211(JP,A) 特開 平2−11666(JP,A) 特開 昭61−236869(JP,A) 特開 平2−85(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/16 C08L 27/16 C08K 7/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ及びシリカを主成分とするセラミ
    ック繊維が液状フッ素樹脂系塗料に配合されて成ること
    を特徴とする金属板用塗料。
  2. 【請求項2】前記したセラミック繊維が、アルミナ、シ
    リカ及びジルコニアを主成分とするセラミック繊維であ
    る請求項1に記載の金属板用塗料。
  3. 【請求項3】前記したセラミック繊維が、繊維の直径が
    2〜5μmの範囲にあり、繊維長が5〜150μmの範囲
    にあるセラミック繊維である請求項1又は2に記載の金
    属板用塗料。
  4. 【請求項4】前記したフッ素樹脂系塗料100重量部に対
    し、前記したセラミック繊維の配合量が1〜60重量部の
    範囲である請求項1〜3の何れかに記載の金属板用塗
    料。
  5. 【請求項5】前記したフッ素樹脂系塗料がフッ化ビニリ
    デン系塗料である請求項1〜4の何れかに記載の金属板
    用塗料。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れかに記載の金属板用塗
    料から成る塗膜を有することを特徴とする塗装物。
JP2115506A 1990-05-01 1990-05-01 金属板用塗料 Expired - Fee Related JP3000619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2115506A JP3000619B2 (ja) 1990-05-01 1990-05-01 金属板用塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2115506A JP3000619B2 (ja) 1990-05-01 1990-05-01 金属板用塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0411671A JPH0411671A (ja) 1992-01-16
JP3000619B2 true JP3000619B2 (ja) 2000-01-17

Family

ID=14664208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2115506A Expired - Fee Related JP3000619B2 (ja) 1990-05-01 1990-05-01 金属板用塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3000619B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020182A (ja) * 2000-07-04 2002-01-23 Dainippon Ink & Chem Inc 塗料用組成物および塗装窯業系建材
CN102858846B (zh) 2010-02-25 2015-10-07 陶氏环球技术有限责任公司 多官能聚甘油引发的聚醚多元醇及由其得到的高回弹性聚氨酯板材
CN104844992B (zh) * 2015-04-23 2017-03-01 海门市金麒麟红木投资发展有限公司 一种用于航空航天线缆的绝缘材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0411671A (ja) 1992-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6073155B2 (ja) 薄膜黒色塗装金属板
JPH0374908B2 (ja)
JP4585224B2 (ja) 高耐食性亜鉛系合金めっき鋼材用塗料
JP6030344B2 (ja) 塗装鋼板およびその製造方法、ならびに加工品および薄型テレビ用パネル
JP3000619B2 (ja) 金属板用塗料
JPH05220449A (ja) 傷部耐食性・加工性を兼ね備えた高耐久性塗装鋼板及びその製造方法
JPH07241954A (ja) 耐摩耗性,耐指紋性および耐白化性に優れた表面処理 鋼板
CN100398697C (zh) 无铬金属表面处理剂
JP3123380B2 (ja) 耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板
JPS63158246A (ja) 低光沢塗装鋼板
JP2004209720A (ja) 加工性および耐傷付き性に優れた塗装金属板
JPH07150100A (ja) 金属板用塗料
JP3183079B2 (ja) 耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板
KR100262494B1 (ko) 표면윤활성, 내식성및 도장성이 우수한 열경화성 수성 윤활수지용액 제조방법 및 이를 이용한 강판 표면처리방법
JP3757744B2 (ja) 意匠性と耐磨耗性とに優れた塗装金属板
JP3230439B2 (ja) 加工性と耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板
JPH09221621A (ja) 加工性と耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板
JP2000017223A (ja) フッ素樹脂系塗料及び塗装金属板
JPS61211373A (ja) 水性塗料組成物および塗膜形成方法
JP3439522B2 (ja) 金属板用塗料及びそれを用いた塗装金属板
JPH09279090A (ja) 加工性と耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板
JP2023540306A (ja) 三元系溶融亜鉛合金めっき鋼板用表面処理組成物、これを用いて表面処理された三元系溶融亜鉛合金めっき鋼板及びこの製造方法
JP2000355671A (ja) 耐傷付き性、耐塗膜かじり性および滑雪性を付与する金属板用の上塗り塗料、および金属板の表面処理方法、並びに耐傷付き性、耐塗膜かじり性および滑雪性に優れた塗装金属板
JPH01193373A (ja) 金属板用塗装組成物並びに塗装金属板
JPH09279089A (ja) 耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees