JPH09279090A - 加工性と耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板 - Google Patents

加工性と耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板

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JPH09279090A
JPH09279090A JP11132496A JP11132496A JPH09279090A JP H09279090 A JPH09279090 A JP H09279090A JP 11132496 A JP11132496 A JP 11132496A JP 11132496 A JP11132496 A JP 11132496A JP H09279090 A JPH09279090 A JP H09279090A
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aggregate
weight
coating composition
coating
coating film
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JP11132496A
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English (en)
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Yasuhide Yoshida
安秀 吉田
Keiji Yoshida
啓二 吉田
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた加工性と耐摩耗性を有し、且つ成形加
工時や切断時における成形ロールやシャーリング刃等の
摩耗を抑えること 【構成】 ポリエステル樹脂を主成分とし、これに無機
骨材として炭化珪素粉体を2〜30重量%、有機骨材と
して、メチルメタクリレートを80〜98重量%、メチ
ルメタクリレートと共重合可能なモノマーを2〜20重
量%含有するアクリルポリマービーズを1〜40重量
%、4フッ化エチレン樹脂粉末を1〜20重量%含有す
る塗料組成物であって、無機骨材と有機骨材の合計含有
量が10〜50重量%、全骨材中に占める無機骨材の割
合が20〜80重量%であることを特徴とし、上記無機
骨材と有機骨材の複合添加による相乗効果により優れた
加工性、耐摩耗性及び成形ロール等の耐摩耗性が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性と耐摩耗性
に優れた塗料組成物及びこの塗料組成物を塗装した塗装
金属板に関するもので、特に、厳しい成形加工に対して
も塗膜割れ等の損傷がなく、且つ加工や運送時における
塗装金属板のハンドリング傷、加工・組立時の傷、施工
後の風砂等による傷等を生じにくい塗料組成物及びこれ
を塗布した塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、屋根や外壁材のような建物外装材
に使用される塗装金属板については、その耐久性に関す
る市場の要求が厳しさを増しており、このような要求に
対応する塗装金属板として、厚目付の溶融亜鉛めっき鋼
板に高耐候性のポリエステル樹脂塗料を塗装した塗装鋼
板が主流になっている。しかしながら、従来のこの種の
塗装鋼板には加工性と塗膜硬度のバランスに優れたもの
がなく、加工性に優れた塗装鋼板は、塗膜高度が十分で
ないために施工時や施工後の環境中で塗膜に傷が付いた
り或いは塗膜が摩耗し、この傷や摩耗した部分から錆が
発生し易いという欠点があり、一方、塗膜高度の高い塗
装鋼板は、加工性が著しく劣るため成形加工時に塗膜に
クラックが発生し、このクラックを起点とした腐食を生
じ易いとう欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、有機塗膜中に
硬質の添加材を添加して塗膜の硬度を見掛け上増大させ
ることにより、塗膜に耐摩耗性と耐傷つき性を付与でき
ることが知られており、特開昭61−236869号公
報では、塗料中にガラス繊維を配合して塗膜の強度と硬
度を向上させ、耐傷つき性や耐摩耗性を向上させた塗料
が開示されている。しかし、この塗料は硬質の繊維系骨
材を使用しているため、この塗料による塗膜を形成した
塗装金属板の成形加工時に成形ロールを摩耗させたり、
切断時にシャーリング刃を摩耗させたりする等の問題が
あり、必ずしも十分に満足できる物性を有しているとは
言い難い。
【0004】このような問題に対して、特公平6−88
371号公報では塗膜中にフッ素樹脂微粒子を添加する
ことにより、また、特公平7−65016号公報では塗
膜中に特定の組成を有するアクリル樹脂微粒子を添加す
ることにより、成形加工時や切断時における成形ロール
やシャーリング刃の摩耗を抑制しつつ耐摩耗性の向上を
図るようにした塗装金属板が開示されている。しかしな
がら、これらの塗装金属板は耐摩耗性のレベルが低く、
決して満足できるものではない。加えて、微粒子の添加
により塗膜の加工性レベルが低下するという問題もあ
る。したがって本発明の目的は、優れた加工性と耐摩耗
性を有し、しかも成形加工時や切断時における成形ロー
ルやシャーリング刃等の摩耗を適切に抑えることができ
る塗料組成物及びこの塗料組成物を塗装した塗装金属板
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した問
題を解決すべく鋭意研究を重ね、その結果、ポリエステ
ル樹脂を主成分とする塗料組成物中に、無機骨材として
炭化珪素粉体を、また有機骨材として特定の組成のアク
リルポリマービーズと4フッ化エチレン樹脂粉末をそれ
ぞれ特定の割合で複合添加することにより、優れた加工
性と耐摩耗性を有する塗膜が得られること、さらにこの
塗膜を形成した塗装金属板は成形加工時や切断時におけ
る成形ロールやシャーリング刃の摩耗を生じさせにくい
ことを知見した。本発明はこのような知見に基づきなさ
れたもので、その特徴とする構成は以下の通りである。
【0006】(1) ポリエステル樹脂を主成分とし、これ
に無機骨材として、炭化珪素粉体[A]を塗料組成物の全
固形分中の割合で2〜30重量%含有し、さらに有機骨
材として、メチルメタクリレートを80〜98重量%、
メチルメタクリレートと共重合可能なモノマーを2〜2
0重量%含有するアクリルポリマービーズ[B]と4フッ
化エチレン樹脂粉末[C]を、塗料組成物の全固形分中の
割合で[B]:1〜40重量%、[C]:1〜20重量%含
有する塗料組成物であって、塗料組成物の全固形分中の
無機骨材と有機骨材の合計含有量が10〜50重量%、
全骨材中に占める無機骨材の割合が20〜80重量%で
あることを特徴とする加工性と耐摩耗性に優れた塗料組
成物。
【0007】(2) 金属板の少なくとも一方の面に、上記
(1)に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗
膜を有することを特徴とする加工性と耐摩耗性に優れた
塗装金属板。 (3) 金属板の少なくとも一方の面に、化成処理皮膜を有
し、その上層に防錆顔料または防錆顔料と骨材とを含有
する下塗塗膜を有し、さらにその上層に上記(1)に記載
の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗膜を有する
ことを特徴とする加工性と耐摩耗性に優れた塗装金属
板。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の塗料組成物は、ポリエス
テル樹脂を主成分とし、これに非常に硬質な無機骨材
と、潤滑性及び応力緩和効果をもつ有機骨材とを特定の
割合で複合添加することを特徴としている。本発明の塗
料組成物において用いられるポリエステル樹脂は、多価
アルコールと多塩基酸とを220〜280℃で縮合重合
させて得られる。多価アルコールのOH基と多塩基酸の
COOH基との当量比は1:1〜1.5:1とすること
が好ましい。多塩基酸のCOOH基に対する多価アルコ
ールのOH基の当量比が1:1未満では樹脂の合成時に
ゲル化する可能性が高く、一方、多塩基酸のCOOH基
に対する多価アルコールのOH基の当量比が1.5:1
を超えると、所定の分子量が得られない場合がある。
【0009】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール等の1種または2種以上を混合して使
用することができる。多塩基酸としては、マレイン酸、
フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
トリメット酸等の1種または2種以上を混合して使用す
ることができる。また、無水フタル酸のような酸無水物
を使用することもできる。なお、酸無水物を使用する際
は、そのCOOH当量は酸無水物が加水分解されて遊離
のCOOH基となったものとして計算する。
【0010】ポリエステル樹脂は、数平均分子量が10
00〜6000、望ましくは3000〜5000で、酸
価が5〜15、望ましくは8〜13のものを用いること
が好ましい。これは、この範囲が架橋剤として有効なメ
ラミン樹脂やブロック化イソシアネートとの反応性に優
れるからである。ポリエステル樹脂系塗料としては、架
橋成分として例えば一般に知られているメラミン樹脂や
ブロック化イソシアネート等を加えて使用される。以上
の樹脂成分に対して、無機骨材として炭化珪素粉体が、
また、有機骨材としてアクリルポリマービーズと4フッ
化エチレン樹脂粉末がそれぞれ複合添加される。無機骨
材である炭化珪素粉体は非常に硬質であるため、塗膜中
に添加すると塗膜全体の硬度を増大させ、耐摩耗性を向
上させる作用効果がある。
【0011】また、有機骨材としてアクリルポリマービ
ーズと4フッ化エチレン樹脂粉末を複合添加することに
より、以下のような作用効果が得られる。すなわち、ア
クリルポリマービーズと4フッ化エチレン樹脂粉末はそ
れぞれ適度な硬度を有しているため、それらの添加によ
り塗膜全体の硬度を適度に増大させ、これによって成形
加工時や切断時における成形ロールやシャーリング刃の
摩耗を抑制しつつ塗膜の耐摩耗性、塗膜硬度を向上させ
る作用があり、同時に、これらの有機骨材はそれぞれ適
度な弾力性を有し、塗膜全体に弾力性を付与することか
ら、塗膜中に含まれる硬質の無機骨材がロール成形時に
成形ロールに食い込むことを防止し、これによって成形
ロールの摩耗防止に寄与するものと考えられる。加え
て、アクリルポリマービーズは、塗膜形成時の焼付処理
により表層がわずかに溶融して塗料中の樹脂成分との一
体性を強めることから塗膜の耐摩耗性と塗膜硬度を高
め、さらに塗膜中のクラックの進行を抑え、加工性の向
上に寄与する。一方、4フッ化エチレン樹脂粉末は化学
的に不活性であることから、摩耗物体との相互作用を少
なくし、これが塗膜の耐摩耗性、耐傷つき性の向上に寄
与する。
【0012】このような効果は、アクリルポリマービー
ズの添加によって塗膜の硬度が高まり、塗膜の摩耗が減
少するために4フッ化エチレン樹脂粉末の脱落が防止さ
れ、一方、4フッ化エチレン樹脂粉末の添加によって摩
耗物体との接触部における摩擦が低下するためにアクリ
ルポリマービーズの摩耗が減少するというように、アク
リルポリマービーズと4フッ化エチレン樹脂粉末の相乗
的な作用により優れた耐摩耗性、耐傷つき性及び加工性
が得られるものと考えられる。
【0013】また、本発明では上記のような無機骨材と
有機骨材を複合添加することにより、塗膜の表面傷およ
び成形ロール等の摩耗については有機骨材によって、ま
た、素地金属に達するような激しい損傷や摩耗について
は無機骨材によってそれぞれ保護することが可能とな
り、従来の塗装金属板では得ることができなかった極め
て優れた耐傷つき性、耐摩耗性等が得られる。炭化珪素
粉体の配合量は、塗装組成物の全固形分中の割合で2〜
30重量%とする。炭化珪素粉体の配合量が2重量%未
満では耐摩耗性が十分でなく、一方、30重量%を超え
ると塗装作業性が低下し、また塗装金属板としての加工
性も低下するので好ましくない。また、これらの観点か
ら炭化珪素粉体のより好ましい配合量は2〜21重量%
である。
【0014】また、アクリルポリマービーズとしては、
適切な硬度と弾力性を保持し、且つ塗料組成物や塗膜が
有する優れた特性を損なわないものであることが必要で
あり、具体的には、塗料の溶剤に溶解しないこと、塗料
の貯蔵中に変質や沈降固化がなく、安定性が低下しない
こと、塗料中の樹脂との親和性を有することなどが要求
される。そのようなアクリルポリマービーズとしては、
メチルメタクリレートを80〜98重量%、メチルメタ
クリレートと共重合可能なモノマーを2〜20重量%含
有するものが最適である。アクリルポリマービースの主
成分としては、硬度及び耐久性等に優れたメチルメタク
リレートを用い、その含有量はビーズの硬度と塗料中に
おける安定性等の観点から80〜98重量%とする。
【0015】メチルメタクリレートと共重合可能なモノ
マーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、n・プロピルメタ
クリレート、n・プロピルアクリレート、イソプロピル
メタクリレート、イソプロピルアクリレート、n・ブチ
ルメタクリレート、n・ブチルアクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、イソブチルアクリレート、sec・
ブチルメタクリレート、sec・ブチルアクリレート、
t・ブチルメタクリレート、t・ブチルアクリレート、
メタクリル酸、アクリル酸、ラウリルメタクリレート、
ラウリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ス
テアリルアクリレート、ボルニルメタクリレート、ボル
ニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソ
ボルニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリル
アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニ
トリル、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2
−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチル
アクリレート、2−t・ブチルアミノエチルメタクリレ
ート、2−t・ブチルアミノエチルアクリレート、塩化
ビニル等が挙げられる。
【0016】これらのモノマーの配合量は2〜20重量
%であることが必要である。添加量が2重量%未満で
は、アクリルポリマービーズが硬くなり過ぎて塗膜の加
工性が低下し、一方、添加量が20重量%を超えるとア
クリルポリマービーズの硬度が不足する他、耐溶剤性等
の性能が著しく低下する。
【0017】アクリルポリマービーズの配合量は、塗料
組成物の全固形分中の割合で1〜40重量%とする。ア
クリルポリマービーズの配合量が1重量%未満では耐摩
耗性が十分でなく、また、硬質の無機骨材によるロール
成形時の成形ロール損傷を防止する効果が低下するので
好ましくない。一方、配合量が40重量%を超えると塗
料としての長期安定性の低下を招くとともに、塗膜の伸
びが著しく低下し、塗装金属板の加工性が低下するので
好ましくない。また、これらの観点からアクリルポリマ
ービーズのより好ましい配合量は2.5〜30重量%で
ある。
【0018】4フッ化エチレン樹脂粉末の配合量は、塗
料組成物の全固形分中の割合で1〜20重量%とする。
4フッ化エチレン樹脂粉末の配合量が1重量%未満では
耐摩耗性が十分でなく、一方、20重量%を超えると塗
装作業性の低下を招くため好ましくない。また、これら
の観点から4フッ化エチレン樹脂粉末のより好ましい配
合量は1〜10重量%である。なお、この4フッ化エチ
レン樹脂粉末とともに、類似の他のフッ素系樹脂粉末、
例えば4フッ化エチレンと6フッ化プロピレンの共重合
体や4フッ化エチレンとエチレンの共重合体等の微粉末
を併用してもよい。
【0019】塗料組成物の全固形分中の無機骨材と有機
骨材の合計含有量は10〜50重量%とする。有機骨材
と無機骨材の合計含有量が10重量%未満では塗膜全体
の硬度が不足し、所望の耐摩耗性が得られない。一方、
合計含有量が50重量%を超えると塗膜が硬くなり過ぎ
て伸びが著しく低下し、折り曲げ加工性、成形ロール摩
耗性が劣化する。また、これらの観点から有機骨材と無
機骨材の合計含有量のより好ましい範囲は10〜40重
量%である。また、全骨材中に占める無機骨材の割合は
20〜80重量%とする。全骨材中に占める無機骨材の
割合が20重量%未満では塗膜全体の硬度が不足し、所
望の耐摩耗性が得られない。一方、80重量%を超える
と塗膜が硬くなり過ぎて伸びが著しく低下し、折り曲げ
加工性、成形ロール摩耗性が劣化する。
【0020】各骨材の粒径については特別な制約はない
が、耐摩耗性を含めた塗装金属板の品質特性の面から、
それぞれ平均粒子径で、炭化珪素粉体は5〜20μm、
アクリルポリマービーズは10〜50μm、4フッ化エ
チレン樹脂粉末は1〜5μmの範囲であることが好まし
い。一般に各骨材の平均粒子径が上記の下限値未満では
耐摩耗性が低く、一方、各骨材の平均粒子径が上記の上
限値を超えると、塗装時に塗膜欠陥が発生しやすくなる
とともに、加工性の低下を招く。
【0021】骨材である炭化珪素粉体、アクリルポリマ
ービーズ及び4フッ化エチレン樹脂粉末はそのまま塗料
中に混合してもよいが、塗料中での親和性及び分散性を
向上させ、骨材の沈降を防止する目的で、混合前にカッ
プリング剤処理することが好ましい。カップリング剤と
しては、シラン系、アルミニウム系、チタン系、クロム
系等があり、それらのカップリング剤とよく馴染ませて
から塗料中に混合することが望ましい。シラン系カップ
リング剤としては、例えばγ−グリドキシオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン等を、また、アルミニウム系カップ
リング剤としては、例えばアセトアルコキシアルミニウ
ムジイソプロピレート等を挙げることができる。骨材を
塗料中に添加する具体的な方法としては、例えば、骨材
の合計重量の3重量%相当量程度のカップリング剤をイ
ソホロン等の溶剤中に溶解し、この溶剤中に骨材を加え
てよく接触させ、これを緩やかに撹拌されている塗料中
に加え均一に混合すればよい。
【0022】本発明の塗料組成物においては、以上述べ
た必須成分以外に着色顔料、体質顔料、溶剤及び添加剤
等を必要に応じて配合することができる。着色顔料とし
ては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、
クロム酸鉛、金属粉末、焼成顔料、パール顔料等が挙げ
られる。体質顔料としては、例えば炭酸カルシウム、ク
レイ、タルク、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、カオ
リン等が挙げられる。添加剤としては、例えば消泡剤、
顔料分散剤、たれ防止剤、傷つき防止剤等が挙げられ
る。また、溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブ系溶剤、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケ
トン、イソホロン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0023】次に、以上述べた塗料組成物を塗装した塗
装金属板について説明する。本発明の塗装金属板で用い
る被塗装金属板に特別な制約はなく、例えば、溶融めっ
き法または電解めっき法等により製造される亜鉛めっき
鋼板、亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、亜鉛−
55%アルミニウム合金めっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼
板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミ
ニウム板、冷延鋼板等を用いることができる。上記の金
属板は、通常は塗装を施す前に脱脂処理が施され、場合
によってはさらに酸洗を施された後、クロメート処理や
リン酸塩処理等の化成処理が施される。
【0024】塗料組成物は上記の化成処理皮膜の上に直
接塗装することも可能であるが、耐食性や下地密着性等
の性能を向上させるためには、塗装金属板に通常用いら
れている下塗り塗料、すなわち所謂プライマーを塗装し
て焼き付けた上に塗装することが望ましい。また、この
下塗塗膜には耐食性や耐摩耗性を向上させるため防錆顔
料または防錆顔料+骨材を含有させることが好ましい。
塗装方法については特に制限はなく、従来一般に行われ
ているロールコーター法、カーテンフローコーター法、
スプレー塗装、はけ塗り等の塗装法を適用できるが、塗
装金属板の塗装においてはロールコーター法が最も一般
的である。塗料組成物の乾燥塗膜厚は、通常5〜40μ
mである。塗膜厚が5μm未満では塗膜中の骨材の保持
が困難になったり、塗膜の耐候性低下(紫外線透過性が
高まる)を招くので好ましくない。一方、40μmを超
えると塗装作業性の低下や塗膜外観の低下を招き、ま
た、コストも上昇するため好ましくない。
【0025】塗料組成物を塗布した後の焼付処理は、3
0〜180秒間加熱して金属板温度を200℃以上に到
達させることによって行われる。焼付時間が30秒未満
では樹脂成分の溶融硬化が不十分であり、一方、180
秒を超えると下塗り塗料成分を含めた熱劣化が始まり、
いずれの場合にも塗料本来の性能が発揮されなくなるた
め好ましくない。焼付時の加熱方法については特別な制
限はなく、熱風加熱方式、高周波加熱方式等の方法を適
用できる。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕金属板に塗布型クロメート処理を付着量が
金属クロム換算で30mg/m2になるように施し、次
いで下塗り塗料としてエポキシ樹脂系塗料を乾燥塗膜厚
が5μmになるように塗布した後、約200℃で60秒
間焼き付け、次いで上塗り塗料として下記により作製し
た塗料組成物を乾燥塗膜厚が25μmになるよう塗布し
た後、約250℃で60秒間焼き付け、得られた塗装金
属板を下記の各種試験に供した。その結果を、上塗り塗
料に添加した骨材の構成及び添加量とともに表1ないし
表4に示す。
【0027】(塗料組成物)ベース塗料としてポリエス
テル樹脂:メラミン樹脂=80:20(重量比)を含む
ポリエステル系塗料を用い、これに表1及び表2に示す
配合量の骨材を添加して塗料組成物を得た。ベース塗料
中への骨材の添加は、骨材の合計重量の3重量%相当量
のアルミニウム系カップリング剤をイソホロンに溶解
し、その中に骨材を加えてよく接触させた後、緩やかに
撹拌されている上記ベース塗料中に加え均一に混合する
ことにより行った。
【0028】(被塗装金属板)被塗装金属板としては、
溶融亜鉛めっき鋼板(表中ではGIと略)、亜鉛−5%
アルミニウム合金めっき鋼板(表中ではGFと略)、亜
鉛−55%アルミニウム−1.6%シリコン合金めっき
鋼板(表中ではGLと略)を用いた。板厚はすべて0.
6mmとし、めっき付着量は、溶融亜鉛めっき鋼板及び
亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板については片面
当り130g/m2、亜鉛−55%アルミニウム−1.
6%シリコン合金めっき鋼板については片面当り100
g/m2とした。
【0029】(試験・評価方法) (1)加工性 20℃の室内にて180°の折り曲げを行い、クラック
なしの最少板はさみ枚数で評価した。この評価では、0
〜6Tを合格、7T以上を不合格とした。 (2)成形ロール摩耗性 幅500mm、長さ1000mmの試験片についてロー
ル成形機で成形加工を行い、試験片50枚成形後の成形
ロールの表面を観察し、下記により評価した。 ◎:全く異常なし ○:わずかに傷が発生 ×:異常有り
【0030】(3)テーバー摩耗性試験 摩耗輪CS−10を用い、摩耗輪に荷重1kgを加えて
試験し、プライマー露出までの回転数で評価した。この
評価では、1500回未満を不合格、1500回以上を
合格とした。 (4)落砂摩耗性試験 ASTM−D968に基づき、4号ケイ砂を落下させて
試験し、プライマー露出までの落砂量で評価した。この
評価では、4L未満を不合格、4L以上を合格とした。 (5)耐食性 JIS Z 2371の塩水噴霧試験を行い、2000時
間後の錆の程度を目視で観察し、下記により評価した。 ◎:全く発錆せず ○:わずかに発錆 ×:著しく発錆
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】〔実施例2〕リニア−ポリエステル系塗料
に防錆顔料として各種クロム酸塩を、また骨材としてホ
ウ酸アルミウイスカーを添加した塗料をプライマー(下
塗り塗料)として使用したこと以外は、実施例1と同様
にして試験材を作製し、同様の方法により試験及び評価
を行った。その結果を、プライマーの構成、上塗り塗料
に添加した骨材の構成及び添加量とともに表5ないし表
7に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、優れた加工
性、耐摩耗性、耐傷つき性及び耐食性が得られ、しかも
成形加工時や切断時における成形ロールやシャーリング
刃の摩耗を効果的に抑えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 127:18)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂を主成分とし、これに
    無機骨材として、炭化珪素粉体[A]を塗料組成物の全固
    形分中の割合で2〜30重量%含有し、さらに有機骨材
    として、メチルメタクリレートを80〜98重量%、メ
    チルメタクリレートと共重合可能なモノマーを2〜20
    重量%含有するアクリルポリマービーズ[B]と4フッ化
    エチレン樹脂粉末[C]を、塗料組成物の全固形分中の割
    合で[B]:1〜40重量%、[C]:1〜20重量%含有
    する塗料組成物であって、塗料組成物の全固形分中の無
    機骨材と有機骨材の合計含有量が10〜50重量%、全
    骨材中に占める無機骨材の割合が20〜80重量%であ
    ることを特徴とする加工性と耐摩耗性に優れた塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】 金属板の少なくとも一方の面に、請求項
    1に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗膜
    を有することを特徴とする加工性と耐摩耗性に優れた塗
    装金属板。
  3. 【請求項3】 金属板の少なくとも一方の面に、化成処
    理皮膜を有し、その上層に防錆顔料または防錆顔料と骨
    材とを含有する下塗塗膜を有し、さらにその上層に請求
    項1に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗
    膜を有することを特徴とする加工性と耐摩耗性に優れた
    塗装金属板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11302599A (ja) * 1998-04-27 1999-11-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd 塗装方法及び塗装品

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JPH11302599A (ja) * 1998-04-27 1999-11-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd 塗装方法及び塗装品

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