JP2003273398A - 半導体材料およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体材料およびそれを用いた半導体装置

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JP2003273398A
JP2003273398A JP2002077630A JP2002077630A JP2003273398A JP 2003273398 A JP2003273398 A JP 2003273398A JP 2002077630 A JP2002077630 A JP 2002077630A JP 2002077630 A JP2002077630 A JP 2002077630A JP 2003273398 A JP2003273398 A JP 2003273398A
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semiconductor
semiconductor layer
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less
aln
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JP2002077630A
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Makoto Kakazu
誠 嘉数
Yoshitaka Taniyasu
芳孝 谷保
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い結晶品質を有し、充分な移動度を持つ導
電性窒化アルミニウム等の半導体材料およびそれを用い
た半導体装置を提供する。 【解決手段】 半導体装置の基板1または半導体層に結
晶成長されたAlNを半導体とする半導体材料であっ
て、Al原料、N原料、およびSiドーパントを同時に
供給し、かつ、Si原子濃度が3×1017cm−3
上、5×1019cm−3以下の範囲内で、Siをドー
ピングして、前記AlNの半導体層2を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光デバイスや電
界効果トランジスタ等に用いられる半導体材料およびそ
れを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路作製では、極微細加工技
術の研究開発が進んでいる。半導体集積回路作製に用い
られる発光源として、より短波長のものが求められてい
る。現在で最も短波長の発光源はArFエキシマレーザ
ーである。ArFエキシマレーザーは波長193nmの
紫外光を発光する。しかし、エキシマレーザーは大型で
あり、発振が不安定である。そのため、同様な発振波長
を持ち、小型で安定した半導体レーザーが切望されてい
る。
【0003】紫外光域での半導体レーザーの材料の候補
はダイヤモンドや窒化ホウ素(BN)である。しかし、
これらの材料は間接遷移型のバンド構造を持っているの
で、物理的にレーザーのための材料には適さない。
【0004】それに対して、窒化アルミニウム(Al
N)は、エネルギーギャップが6.2eVであり、直接
遷移型のバンド構造を持っている。また、発光波長が2
00nmであることから、窒化アルミニウム(AlN)
は発光素子に非常に適した材料である。AlGa
1−xNは、Al組成xが20%を越えると高抵抗化
し、50%を越えると絶縁化する。このために、Al
Ga1−xNがn型、p型共に電気伝導性を有すること
は、極めて困難であった。以下にAlNで導電性を有す
る材料の報告例を述べる。
【0005】導電性AlN半導体材料に関しR.Zeisel他
(Phys. Rev. B61 R16283(2000))に記載されている報
告例について述べる。この報告例による発光素子を図1
2に示す。この作製例では、分子線エピタキシー(MB
E)法により、(0001)面サファイア基板101
に、原料であるAlおよびNを供給する。それと共に、
ドーパント材料である酸素(O)とシリコン(Si)の
両方を同時に供給する。サファイア基板101上にO、
SiドープAlN膜102を形成する。導電性を有する
条件は、Si原子濃度が3×1019cm−3であり、
酸素原子濃度が1×1018cm−3であった。
【0006】導電性AlN半導体材料についてM. Okamo
to 他(Diamond and Related Materials 10(2001)132
2)に記載されている報告例について述べる。この報告
例による発光素子を図13に示す。この作製例では、レ
ーザーアブレーション法により、(0001)面サファ
イア基板111上にAlとNの原料と共に、酸素
(O)、炭素(C)の濃度が3%(1.7×1021
−3に相当)以上になるように、酸素(O)と炭素
(C)を同時にドーピングする。これにより、サファイ
ア基板111上にO、CドープAlN膜112を形成す
る。導電性を有するための条件は、酸素濃度が10%
(5×1021cm−3に相当)であり、炭素濃度が3
%(1.7×1021cm−3に相当)以上であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図12に示す
作製例には、次のような問題点がある。この作製例で
は、導電性AlNを得るためにMBE法を用い、シリコ
ン(Si)と同時に酸素(O)をドーピングしなければ
ならなかった。しかし、シリコン(Si)と酸素(O)
とを同時に供給する方法では、ドーパントから生じる電
子の割合は極めて低く、室温での電子濃度は高々1×1
15cm−3未満である(R. Zeisel 他(Phys. Rev.
B61 R16283(2000))参照)。この電子濃度の値では、
デバイス応用は不可能である。また、酸素のドーピング
によって、母体であるAlNの結晶品質は著しく悪化し
てしまい、移動度の減少の要因にもなっていた。
【0008】図13に示す作製例には、次のような問題
点がある。この作製例では、導電性AlNを得るため
に、レーザーアブレーション法を用い、酸素(O)と炭
素(C)とを同時に供給しなければならなかった。この
方法では、電子濃度は1×10 13cm−3未満で測定
不能であり、移動度は10−2cm/Vsと極めて低
く、n型と判定できるまでには至らなかった。また、数
十%にも及ぶ酸素と炭素とのドーピングにより、結晶化
することすら困難であった。
【0009】この発明は、前記の課題を解決し、高い結
晶品質を有し、充分な移動度を持つ導電性窒化アルミニ
ウム等の半導体材料およびそれを用いた半導体装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、半導体装置の基板または半導体
層に結晶成長されたAlNを半導体とする半導体材料で
あって、Al原料、N原料、およびSiドーパントを同
時に供給し、かつ、Si原子濃度が3×10 cm
−3以上、5×1019cm−3以下の範囲内で、Si
をドーピングして、前記AlNを形成したことを特徴と
する半導体材料である。
【0011】請求項2の発明は、半導体装置の基板また
は半導体層に結晶成長されたAlNを半導体とする半導
体材料であって、Al原料、N原料、およびSiドーパ
ントを同時に供給し、かつ、Si原子濃度が1×10
18cm−3以上、2×10 cm−3以下の範囲内
で、Siをドーピングして、前記AlNを形成したこと
を特徴とする半導体材料である。
【0012】請求項3の発明は、半導体装置の基板また
は半導体層に結晶成長されたAlGa1−xNを半導
体とする半導体材料であって、Al原料、N原料、なら
びに、SiおよびGaドーパントを同時に供給し、か
つ、Al組成xが0.9以上、1.0未満の範囲内にあ
り、Si原子濃度が3×1017cm−3以上、5×1
19cm−3以下の範囲内で、Siをドーピングし
て、前記AlGa1−xNを形成したことを特徴とす
る半導体材料である。
【0013】請求項4の発明は、半導体装置の基板また
は半導体層に結晶成長されたAlGa1−xNを半導
体とする半導体材料であって、Al原料、N原料、なら
びに、SiおよびGaドーパントを同時に供給し、か
つ、Al組成xが0.9以上、1.0未満の範囲内にあ
り、Si原子濃度が1×1018cm−3以上、2×1
19cm−3以下の範囲内で、Siをドーピングし
て、前記AlGa1−xNを形成したことを特徴とす
る半導体材料である。
【0014】請求項5の発明は、半導体装置の基板また
は半導体層に結晶成長されたAlGa1−xNを半導
体とする半導体材料であって、Al原料、N原料、なら
びに、SiおよびGaドーパントを同時に供給し、か
つ、Al組成xが0.7以上、0.9未満の範囲内にあ
り、Si原子濃度が3×1017cm−3以上、5×1
19cm−3以下の範囲内で、Siをドーピングし
て、前記AlGa1−xNを形成したことを特徴とす
る半導体材料である。
【0015】請求項6の発明は、半導体装置の基板また
は半導体層に結晶成長されたAlGa1−xNを半導
体とする半導体材料であって、Al原料、N原料、なら
びに、SiおよびGaドーパントを同時に供給し、か
つ、Al組成xが0.7以上、0.9未満の範囲内にあ
り、Si原子濃度が1×1018cm−3以上、2×1
19cm−3以下の範囲内で、Siをドーピングし
て、前記AlGa1−xNを形成したことを特徴とす
る半導体材料である。
【0016】請求項7の発明は、半導体装置の基板また
は半導体層に結晶成長されたAlGa1−xNを半導
体とする半導体材料であって、Al原料、N原料、なら
びに、SiおよびGaドーパントを同時に供給し、か
つ、Al組成xが0.5以上、0.7未満の範囲内にあ
り、Si原子濃度が3×1017cm−3以上、5×1
19cm−3以下の範囲内で、Siをドーピングし
て、前記AlGa1−xNを形成したことを特徴とす
る半導体材料である。
【0017】請求項8の発明は、半導体装置の基板また
は半導体層に結晶成長されたAlGa1−xNを半導
体とする半導体材料であって、Al原料、N原料、なら
びに、SiおよびGaドーパントを同時に供給し、か
つ、Al組成xが0.5以上、0.7未満の範囲内にあ
り、Si原子濃度が1×1018cm−3以上、2×1
19cm−3以下の範囲内で、Siをドーピングし
て、前記AlGa1−xNを形成したことを特徴とす
る半導体材料である。
【0018】請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれ
か1項に記載の半導体材料において、前記AlNおよび
前記AlGa1−xNの中に含有する酸素原子濃度
が、1×1017cm−3未満であることを特徴とす
る。
【0019】請求項10の発明は、請求項1〜9のいず
れか1項に記載の半導体材料において、前記AlNおよ
び前記AlGa1−xNの中に含有する炭素原子濃度
が、1×1017cm−3未満であることを特徴とす
る。
【0020】請求項11の発明は、請求項1〜10のい
ずれか1項に記載の半導体材料において、前記AlNお
よび前記AlGa1−xNの形成の際に用いたSiの
代わりに、Ge、Sn、S、Se、またはTeを用いた
ことを特徴とする。
【0021】請求項12の発明は、請求項1〜11のい
ずれか1項記載の半導体材料において、前記AlNおよ
び前記AlGa1−xNを、(0001)面方位、S
i極性を有し、かつ、4Hまたは6Hの結晶構造を有す
るSiC基板上に成長したことを特徴とする。
【0022】請求項13の発明は、請求項1〜12のい
ずれか1項記載の半導体材料において、前記AlNおよ
び前記AlGa1−xNを有機金属気相成長法により
成長したことを特徴とする。
【0023】請求項14の発明は、発光ダイオードに対
して請求項1〜13に記載の半導体材料を用いた半導体
装置であって、基板上に形成されると共に、請求項1〜
13に記載した半導体材料による第1の半導体層と、前
記第1の半導体層に形成されると共に、p型AlNまた
はAlGa1−yN(0.5<y<1)による第2の
半導体層とを有することを特徴とする半導体装置であ
る。
【0024】請求項15の発明は、発光ダイオードに対
して請求項1〜13に記載の半導体材料を用いた半導体
装置であって、前記基板上に形成された、請求項1〜1
3に記載した半導体材料による第1の半導体層と、前記
第1の半導体層に形成されると共に、Mgをドープした
AlNまたはAlxAGa1−xAN(0.5<xA<
1)による第2の半導体層とを有することを特徴とする
半導体装置である。
【0025】請求項16の発明は、半導体レーザーに対
して請求項1〜13に記載した半導体材料を用いた半導
体装置であって、基板上に形成されると共に、請求項1
〜13に記載したAlx1Ga1−x1N(0.5<x
1≦1)による第1の半導体層と、前記第1の半導体層
に形成されると共に、請求項3〜13に記載したAl
x2Ga1−x2N(0.5<x2<1)による第2の
半導体層と、前記第2の半導体層に形成されると共に、
p型Aly1Ga1−y1N(0.5<y1<1)によ
る第3の半導体層と、前記第3の半導体層に形成される
と共に、p型Al y2Ga1−y2N(0.5<y2≦
1)による第4の半導体層とを有し、組成x1、x2お
よび組成y1、y2がx1>x2かつy1<y2の条件
を満たすことを特徴とする半導体装置である。
【0026】請求項17の発明は、半導体レーザーに対
して請求項1〜13に記載した半導体材料を用いた半導
体装置であって、基板上に形成されると共に、請求項1
〜13に記載したAlx1Ga1−x1N(0.5<x
1≦1)による第1の半導体層と、前記第1の半導体層
に形成されると共に、請求項3〜13に記載したAl
x2Ga1−x2N(0.5<x2<1)による第2の
半導体層と、前記第2の半導体層に形成されると共に、
MgドープAly1Ga1−y1N(0.5<y1<
1)による第3の半導体層と、前記第3の半導体層に形
成されると共に、MgドープAly2Ga1−y2
(0.5<y2≦1)による第4の半導体層とを有し、
組成x1、x2および組成y1、y2がx1>x2かつ
y1<y2の条件を満たすことを特徴とする半導体装置
である。
【0027】請求項18の発明は、電界効果トランジス
ターに対して請求項1〜13に記載した半導体材料を用
いた半導体装置であって、基板上に形成されると共に、
請求項1〜13に記載した半導体層を有し、前記半導体
層の上にソース電極、ゲート電極、およびドレイン電極
を形成したことを特徴とする半導体装置である。
【0028】請求項19の発明は、バイポーラトランジ
スターに対して請求項1〜13に記載した半導体材料を
用いた半導体装置であって、基板上に形成されると共
に、請求項1〜13に記載したAlxAGa1−xA
(0.5<xA≦1)による第1の半導体層と、前記第
1の半導体層に形成されると共に、p型AlxBGa
−xBN(0.5<xB≦1)による第2の半導体層
と、前記第2の半導体層に形成されると共に、請求項1
〜13に記載したAlxCGa1−xCN(0.5<x
C≦1)による第3の半導体層と、前記第1の半導体層
に形成されたコレクタ電極と、前記第2の半導体層に形
成されたベース電極と、前記第3の半導体層に形成され
たエミッター電極とを有することを特徴とする半導体装
置である。
【0029】請求項20の発明は、バイポーラトランジ
スターに対して請求項1〜13に記載した半導体材料を
用いた半導体装置であって、基板上に形成されると共
に、p型AlxAGa1−xAN(0.5<xA≦1)
による第1の半導体層と、前記第1の半導体層に形成さ
れると共に、請求項1〜13に記載したAlxBGa
−xBN(0.5<xB≦1)による第2の半導体層
と、前記第2の半導体層に形成されると共に、p型Al
xCGa1−xCN(0.5<xC≦1)による第3の
半導体層と、前記第1の半導体層に形成されたコレクタ
電極と、前記第2の半導体層に形成されたベース電極
と、前記第3の半導体層に形成されたエミッター電極と
を有することを特徴とする半導体装置である。
【0030】請求項21の発明は、電界放出素子に対し
て請求項1〜13に記載した半導体材料を用いた半導体
装置であって、基板上に形成されると共に、請求項1〜
13に記載したAlGa1−xN(0.5<x≦1)
による半導体層と、前記半導体層と空間的に分離した位
置に形成された櫛形の電極とを有することを特徴とする
半導体装置である。
【0031】この発明は、光学素子に係り、より詳細に
は、紫外光を発する発光素子の用途を有する半導体材料
に関するものである。また、この発明は電子素子に係
り、より詳細には、高周波動作可能な高周波増幅素子の
用途を有する半導体材料に関するものである。そして、
前記構成によれば、従来(図12の作製例)の1000
倍以上である10cm/Vsの移動度を有するn型の
窒化アルミニウム(AlN)および窒化アルミニウムガ
リウム(AlGa1−xN)を結晶成長することがで
きる。紫外光を発する発光素子、つまり、発光ダイオー
ド(LED)または半導体レーザーが実現し、高周波特
性に極めて優れた高周波増幅素子を作製することができ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて、図面を参照して詳しく説明する。
【0033】[実施の形態1]この発明の実施の形態1
による半導体材料について説明する。図1(a)に示す
ように、有機金属気相成長法(MOCVD法)により、
Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)を、
N原料としてNHを、Siドーパント原料として50
0ppm濃度のHベースのシラン(SiH)を、希
釈ガスとして水素ガスを同時に供給する。これによっ
て、(0001)面方位でSi極性を有するシリコンカ
ーバイド(SiC)基板1上に、シリコン(Si)をド
ーピングしたSi濃度1×1019cm−3の窒化アル
ミニウム(AlN)の半導体層2を成長する。また、図
1(b)に示すように、AlGa1−xNの半導体層
3を形成するために、原料としてGaが必要な場合に
は、トリメチルガリウム(TMGa)を用いた。成長温
度は1050〜1100℃であり、成長圧力は300T
orrである。SiC基板は、ウルツ鉱(六方晶)構造
という結晶構造を持っている。この構造の(0001)
面方位には、結晶学的に2種類の面、すなわち、Si
(極性)面とC(極性)面とがある。Si(極性)面と
は、表面のSi原子から垂直の1本の結合が出ている面
であり、C(極性)面とは、表面のC原子から垂直の1
本の結合が出ている面である(吉田貞史著「SiC素子
実用化に向けた研究の現状と将来展望」、表面科学20
00年12月号、3ページ、日本表面科学会編)。
【0034】AlGa1−xNのAl組成とSiドー
ピング濃度に対して、n型伝導が得られた条件を図2に
示す。図2では、AlGa1−xNのAl組成xを横
軸に(AlNは横軸のx=1に対応する)示し、Si濃
度を縦軸に示す。
【0035】図2では、成長したAlGa1−xNが
n型伝導性を示した条件を印◎または印○で示す。この
条件は、従来の方法では得られなかった条件である。移
動度が10cm/Vs以上の値を示した条件を印◎で
示す。この条件は、特性が非常に優れた条件である。n
型伝導性を示したが、移動度が1cm/Vs以上10
cm/Vs未満だった条件を印○で示す。この条件
は、特性が優れた条件である。また、従来の方法と変ら
ずに、n型を示さず絶縁性を示した試料を印×で示す。
【0036】AlGa1−xNの組成xが0.5から
0.7までの範囲、0.7から0.9までの範囲、0.9か
ら1までの範囲、さらに窒化アルミニウム(AlN)と
区別する理由は、組成xが増加するほど、n型伝導を得
るのが困難になるからである。n型伝導が最も困難なの
は窒化アルミニウム(AlN)である。その物理的な理
由は、組成xが大きくなると、バンドギャップが広くな
り、シリコン(Si)が形成するドナー準位の伝導帯底
からのエネルギーが大きくなるためである。3×10
17cm−3以上で5×1019cm−3以下の範囲内
でn型伝導性を示し、移動度は1cm/Vs以上であ
った。特に、Si原子濃度が1×1018cm−3
上、2×1019cm−3以下の範囲内にあるとき、移
動度は10cm/Vs以上にもなり、特にn型伝導特
性が非常に優れていた。
【0037】本発明の効果を図3を用いて説明する。窒
化アルミニウム(AlN)は、ほぼ同数のAl原子とN
原子とが交互に4本の結合で結合している結晶である。
しかし、我々の理論的に最も精度のよい計算方法である
第一原理計算法によれば、結晶中には、図3(a)で示
すように、N原子が抜けた「空乏」(図中では△印で囲
んだVで示し、以下、V△と記す)と呼ばれる状態が3
×1017cm−3の濃度で形成する。空乏V△は自由
電子を捕獲してしまう。
【0038】この理由は、3×1017cm−3の濃度
で空乏が形成された結晶の方が、空乏が全く形成されな
い結晶よりも、熱力学的に安定であるからである。Si
濃度が3×1017cm−3より低い場合(図3
(a))、元々のAl原子の位置に入ったSi原子(図
中では□印で囲んだSiで示し、以下、Si□と記す)
は、自由電子を結晶中に一旦、供給(放出)する。しか
し、その自由電子は全て空乏に捕獲されてしまうので、
結晶は絶縁体のままであり、n型を示さない。
【0039】図3(b)で示されるように、Si濃度が
3×1017cm−3より高い場合、Al原子位置のS
i原子(Si□)は空乏(V△)よりも多い。この結
果、十分に自由電子を結晶中に供給(放出)するため、
初めてn型半導体になる。これは、窒化アルミニウム
(AlN)および窒化アルミニウムガリウム(AlGa
N)がn型になるために、本願の発明者が示した効果の
機構に他ならない(Y. Taniyasu, M. Kasu, N. Kobayash
i, Applied Physics Letters 投稿予定)。
【0040】図3(c)で示されるように、Si濃度が
5×1019cm−3より高い場合、Si原子は、Al
位置だけでなく、N原子位置にも入るようになる。これ
を図中では、○印で囲んだSi(以下、Si○と記す)
で示す。Al原子位置のSi原子(Si□)が一旦結晶
中へ供給(放出)した自由電子を、このN原子位置のS
i原子(Si○)が捕獲してしまうため、再び結晶は絶
縁体になってしまう。Si濃度が5×1019cm−3
より高くなると、Si原子がAl原子位置よりN原子位
置に場所を変えるのは、本願の発明者が行なった第一原
理計算によれば、熱力学的にN原子位置の方が安定にな
るからである。
【0041】以上のように、Si濃度が3×1017
−3と5×1019cm−3の限られた範囲内でのみ
n型半導体になるのは、前記の第一原理計算で初めて示
された効果であり、実験結果でも定量的に確認すること
ができた。
【0042】以上の説明では窒化アルミニウム(Al
N)に対して行なったが、窒化アルミニウムガリウム
(AlGaN)では、Ga原子が一部のAl原子を置き
換えたものであり、我々の計算でも、先の図3(a)、
(b)、(c)の状態変化が起きる濃度はほとんど同じ
である。
【0043】以上の説明では、3×1017cm−3
ら5×1019cm−3の範囲で図3(b)の状態が起
こるとしたが、より厳密に第一原理計算を行なうと、1
×1018cm−3から2×1019cm−3の範囲で
図3(b)の状態がより効果的に起こることが示され
る。
【0044】以上の効果では、酸素原子や炭素原子がな
いことも重要である。なぜなら、酸素原子や炭素原子
は、前記の説明で、空乏と同じ役割をするので、n型半
導体になる図3(b)の状態の下限値を増加させてしま
う。つまり、図3(b)の状態の下限値が、上限値に達
してしまった場合、図3(b)の状態は全く形成されな
くなってしまう。SiドープAlN中の酸素濃度に対す
る移動度の変化を図4に示し、範囲Aでは、窒化アルミ
ニウム(AlN)中に含有する酸素原子濃度が1×10
17cm−3未満である。また、SiドープAlN中の
炭素濃度に対する移動度の変化を図5に示し、範囲Bで
は、窒化アルミニウム(AlN)中に含有する炭素原子
濃度が1×1017cm−3未満である。
【0045】前記の効果では、MOCVD法と呼ばれる
結晶成長方法を用いることが重要である。なぜなら、M
OCVD法以外の方法の1つであるMBE法では、炭素
原子や酸素原子が結晶に取り込まれやすいからである。
【0046】前記の効果では、基板に(0001)面方
位でSi極性を有するSiC基板を用いることが重要で
ある。他の材料の基板、例えば、サファイア基板の場
合、サファイアとAlN(またはAlGaN)の間の格
子定数の違い(格子不整合)が大きすぎ、空乏が増加す
るからである。また、SiC基板であっても他の面方
位、例えば(11−20)面方位を用いた場合、あるい
はC極性を用いた場合は、格子不整合が大きすぎ、空乏
が増加してしまう。この結果、n型半導体になる状態
(図3(b))の下限が上昇することにより、範囲が狭
くなってしまう。または、範囲が消滅してしまうことに
より、所望の効果を得ることができない。
【0047】なお、この実施の形態では、Siをドーパ
ント材料として用いた場合を説明したが、Siの代わり
に、ゲルマニウム(Ge)、すず(Sn)、硫黄
(S)、セレン(Se)、テルル(Te)を用いた場合
でも、移動度は落ちるが、図2で示した条件で、次の表
に示すように、n型伝導効果を得ることができた。
【0048】この表で、ゲルマニウム(Ge)とすず
(Sn)の方が移動度が大きいのは、シリコン(Si)
と同じIV族元素であり、VI族元素と違い、結晶欠陥を生
成しにくいからである。
【0049】この実施の形態では、MOVPE法を用
い、Al原料としてTMAを用いたが、トリエチルアル
ミニウム(TEA)でもn型伝導効果を得ることができ
る。また、Si原料としてSiHを用いたが、Si
ガスでもn型伝導効果を得ることができる。また、
Si原料としてトリエチルシラン(TESi)を用いた
場合は、移動度が数十%減少するが、同様な特性を示
す。
【0050】この実施の形態では、半導体薄膜の作製方
法としてMOVPE法を用いたが、MBE法を用いた場
合でも、移動度は数十%減少するが、n型伝導を示す。
MOVPE法はMBE法と異なり原料中に不純物が混入
しにくいので、良質な結晶ができ、良好なn型伝導を示
す。
【0051】この実施の形態では、基板としてSiCを
選んだが、サファイア基板を用いた場合は、移動度が半
分に落ちるが、それ以外はn型伝導を示す。4Hおよび
6H構造を有するSiC基板は、AlGaNおよびAl
Nと格子定数が近いので、結晶欠陥が少ないためであ
る。
【0052】この実施の形態では、SiC基板の面方位
を(0001)に選んだが、(11−20)または(1
−100)面方位を用いた場合でも、移動度がおよそ1
0分の1に落ちるが、それ以外はn型伝導特性を示す。
【0053】この実施の形態では、MOVPE法を用
い、原料としてTMA、TMGa、SiHを用いた
が、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリエチルガ
リウム(TEGa)、Siガス、トリエチルシラ
ン(TESi)を用いた場合でも、移動度がおよそ10
分の1に落ちるが、それでもn型伝導特性を示す。メチ
ル化合物は、エチル化合物と異なり、メチル基が分離し
やすく、不純物となって残留しないからである。
【0054】この実施の形態では、半導体薄膜の作製方
法としてMOVPE法を用いたが、他の方法、例えばM
BE法を用いた場合でも、移動度はおよそ10分の1に
なるが、それでもn型伝導特性を示す。MOVPE法
は、MBE法と異なり、原料内での不純物の混入が少な
く、不純物の混入が少ないためである。
【0055】[実施の形態2]この実施の形態では、発
光ダイオードの作製例について説明する。この実施の形
態による、波長200nmの紫外光の発光ダイオードを
図6に示す。この発光ダイオードでは、n型の(000
1)面方位、Si極性を有する(0001)面方位Si
C基板11の上に、Si濃度1×1019cm−3のS
iドープAlN層12を厚さ0.4ミクロン成長した。
【0056】SiドープAlNまたはAlGa1−x
N層12のAlN、AlGa1− Nとして、実施の
形態1の半導体材料、つまり、次の〔あ〕〜〔さ〕が用
いられる。
【0057】〔あ〕シリコン(Si)をドーピングした
窒化アルミニウム(AlN)半導体であり、シリコン
(Si)原子濃度が3×1017cm−3以上、5×1
19cm−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔い〕前記の(あ)のシリコン(Si)をドーピングし
た窒化アルミニウム(AlN)半導体であり、シリコン
(Si)原子濃度が1×1018cm−3以上、2×1
19cm−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔う〕シリコン(Si)をドーピングした窒化アルミニ
ウムガリウム(AlGa1−xN)半導体であり、A
l組成xが0.9以上、1.0未満の範囲内にあり、Si
原子濃度が3×1017cm−3以上、5×1019
−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔え〕前記〔う〕のシリコン(Si)をドーピングし
た、Al組成xが0.9以上、1.0未満の範囲内の窒化
アルミニウムガリウム(AlGa1−xN)半導体で
あり、Si原子濃度が1×1018cm−3以上、2×
1019cm−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔お〕シリコン(Si)をドーピングした窒化アルミニ
ウムガリウム(AlGa1−xN)半導体であり、A
l組成xが0.7以上、0.9未満の範囲内にあり、Si
原子濃度が3×1017cm−3以上、5×1019
−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔か〕前記〔お〕のシリコン(Si)をドーピングし
た、Al組成xが0.7以上0.9未満の範囲内の窒化ア
ルミニウムガリウム(AlGa1−xN)半導体であ
り、Si原子濃度が1×1018cm−3以上、2×1
19cm−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔き〕シリコン(Si)をドーピングした窒化アルミニ
ウムガリウム(AlGa1−xN)半導体であり、A
l組成xが0.5以上、0.7未満の範囲内にあり、Si
原子濃度が3×1017cm−3以上、5×1019
−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔く〕前記〔き〕のシリコン(Si)をドーピングした
Al組成xが0.5以上、0.7未満の範囲内の、窒化ア
ルミニウムガリウム(AlGa1−xN)半導体であ
り、Si原子濃度が1×1018cm−3以上、2×1
19cm−3以下の範囲内にある半導体材料。 〔け〕前記〔あ〕〜〔く〕における半導体材料中に含有
する酸素原子濃度が1×1017cm−3未満である半
導体材料。 〔こ〕前記〔あ〕〜〔け〕における半導体材料中に含有
する炭素原子濃度が1×1017cm−3未満である半
導体材料。 〔さ〕前記〔あ〕〜〔こ〕においてSiの代わりに、ゲ
ルマニウム(Ge)、すず(Sn)、硫黄(S)、セレ
ン(Se)、またはテルル(Te)を用いた半導体材
料。
【0058】このような半導体材料である、Siドープ
AlN層12の上に、p型不純物であるMgを1×10
20cm−3ドーピングしたAlN層13を成長し、導
電性基板裏面にAu/Ti電極14を形成し、AlN層
13であるp型半導体層上に、Au/Ni電極15を形
成して作製した。
【0059】p型側の電極(電極15)に正の電圧を印
加し、n型側の電極(電極14)に負の電圧を印加した
結果、ピーク波長200nmの発光が得られた。この波
長は、従来の半導体で得られた最も短い波長である。
【0060】なお、基板11にp型を用いる場合、p型
半導体層13、本発明のn型半導体層12の順に成長す
ればよい。また、基板11にサファイアなど絶縁性基板
を使う場合は、基板側の半導体層から直接電極を取り出
すことは言うまでもない。
【0061】[実施の形態3]この実施の形態では、ダ
ブルヘテロ接合発光ダイオードまたは半導体レーザーの
作製例について説明する。この実施の形態によるダブル
ヘテロ接合発光ダイオードまたは半導体レーザーを図7
に示す。
【0062】この半導体レーザーでは、n型の導電性を
有する(0001)面方位、Si極性を有するSiC基
板21上に、前記〔あ〕〜〔さ〕で述べたところの、S
iドープ(Si濃度1×1019cm−3)AlN(す
なわち、Alx1Ga1−x N、x1=1)半導体層
22、前記〔う〕〜〔さ〕で述べたところのSiドープ
Alx2Ga1−x2N(0.5<x2<1)半導体層
23、Mgドープ(Mg濃度1×1020cm−3)A
y1Ga1−y1N(0.5<y1<1)半導体層2
4、Mgドープ(Mg濃度1×1020cm−3)Al
N(すなわち、Aly2Ga1−y2N、y2=1)半
導体層25を順に成長する。ここで、組成x1=1、組
成x2=0.9、組成y1=0.9、組成y2=1、つま
り、x1>x2かつy1<y2の条件を満たすことが必
要である。
【0063】基板21裏面にAu/Ti電極26を形成
し、半導体層25上にAu/Ni電極27を形成して、
半導体レーザーを作製した。P型側の電極27に正の電
圧を印加し、n型側の電極26に負の電圧を印加した。
この結果、ピーク波長200nmの発光が得られた。こ
の波長は、従来の半導体で得られた最も短い波長であ
る。後述する実施の形態4と同様、基板にp型を用いる
場合、半導体層22から半導体層25までの順を逆にす
ればよい。また、基板にサファイアなどの絶縁性基板を
用いる場合、基板に最も近い半導体層に電極を直接形成
すればよい。
【0064】[実施の形態4]この実施の形態では、電
界効果トランジスター(FET)の作製例について説明
する。この実施の形態による電界効果トランジスター
(FET)を図8に示す。この電界効果トランジスター
(FET)では、基板、例えばn型導電性を有する(0
001)面方位Si極性SiC基板31の上に、前記
〔あ〕〜〔さ〕で述べたところのSiドープ(Si濃度
1×1019cm−3、厚さ1μm)AlN層32を成
長し、その面上に、ソースAu/Ti電極33、ゲート
Au/Al電極34、ドレインAu/Ti電極35を形
成した。
【0065】この電界効果トランジスター(FET)の
相互コンダクタンスgmは500mS/mmであり、従
来のAlGaNでできたFETの約6倍であった。
【0066】[実施の形態5]この実施の形態では、N
PNバイポーラートランジスターの作製例について説明
する。この実施の形態によるNPNバイポーラートラン
ジスターを図9に示す。このNPNバイポーラートラン
ジスターでは、(0001)面方位Si極性SiC基板
41の上に、前記〔あ〕〜〔さ〕で述べたところのSi
ドープ(Si濃度1×1019cm−3、厚さ1μm)
AlN半導体層42であるコレクター層、Mgをドーピ
ングした(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.5
μm)p型AlNまたはAlGa1−yN半導体層4
3であるベース層、前記〔あ〕〜〔さ〕で述べたところ
のSiドープ(Si濃度1×1019cm−3、厚さ
0.5μm)AlN半導体層44であるエミッター層を
順に成長した。つぎに、各々の層42〜44よりコレク
ターAu/Ti電極45、ベースAu/Ni電極46、
エミッタ-Au/Ti電極47を取り出す。
【0067】このNPNバイポーラートランジスターの
増幅率βは200であった。
【0068】[実施の形態6]この実施の形態では、P
NPバイポーラートランジスターの作製例について説明
する。この実施の形態によるPNPバイポーラートラン
ジスターを図10に示す。このPNPバイポーラートラ
ンジスターでは、(0001)面方位Si極性SiC基
板51の上に、Mgをドーピングした(Mg濃度1×1
20cm−3、厚さ1μm)p型AlN半導体層52
をコレクター層、前記〔あ〕〜〔さ〕で述べたところの
Siドープ(Si濃度1×1019cm−3、厚さ0.
5μm)AlN半導体層53をベース層、Mgをドーピ
ングした(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.5
μm)p型AlNまたはAlGa1−yN半導体層5
4であるエミッタ-層として成長した。つぎに、各々の
層52〜54よりコレクターAu/Ni電極55、Au
/Tiベース電極56、エミッタ-Au/Ni電極57
を取り出す。
【0069】このPNPバイポーラートランジスターの
増幅率βは150であった。
【0070】[実施の形態7]この実施の形態では、電
界放出(フィールドエミッション)素子の作製例につい
て説明する。この実施の形態による電界放出(フィール
ドエミッション)素子を図11に示す。この電界放出
(フィールドエミッション)素子では、n型伝導性を有
し(0001)面方位Si極性SiC基板61の上に、
前記〔あ〕〜〔さ〕で述べたところのSiドープ(Si
濃度1×1019cm−3、厚さ0.4μm)AlNま
たはSiドープAlGa1−xN半導体層62を成長
する。基板61が導電性を有する場合、図11のように
基板61の裏面にカソード電極63を形成する。また、
基板61が絶縁性の場合は、半導体層62にカソード電
極63を直接形成する。半導体層62と空間的に分離さ
れた位置に、櫛形のアノード電極64を設置した。
【0071】この電界放出(フィールドエミッション)
素子によれば、2V/μmの電界強度で、1.2A/c
の電流密度を得ることができた。これは従来の電界
効果放出素子の電流密度の最高値の6倍に相当する。
【0072】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、MOCVD法により酸素、炭素の混入を著しく低減
できる。そこで得られた最適な成長条件は、酸素や炭素
を含まず、またシリコン濃度も、極めて限定的な範囲で
ある。
【0073】これによって、従来の1000倍以上であ
る10cm/Vsの移動度を有するn型の窒化アルミ
ニウム(AlN)および窒化アルミニウムガリウム(A
Ga1−xN)を結晶成長することができる。紫外
光を発する発光素子、つまり、発光ダイオード(LE
D)または半導体レーザーが実現し、高周波特性に極め
て優れた高周波増幅素子を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を説明するための説明
図である。
【図2】AlGa1−xNのAl組成とSiドーピン
グ濃度に対して、n型伝導が得られた条件を示す相図で
ある。
【図3】本発明の効果を説明するための説明図である。
【図4】SiドープAlN中の酸素濃度に対する移動度
の変化である。
【図5】SiドープAlN中の炭素濃度に対する移動度
の変化である。
【図6】実施の形態2による発光ダイオードを示す断面
図である。
【図7】実施の形態3によるダブルヘテロ接合発光ダイ
オードまたは半導体レーザーを示す断面図である。
【図8】実施の形態4による電界効果トランジスターを
示す断面図である。
【図9】実施の形態5によるNPNバイポーラートラン
ジスターを示す断面図である。
【図10】実施の形態6によるPNPバイポーラートラ
ンジスターを示す断面図である。
【図11】実施の形態7による電界放出(フィールドエ
ミッション)素子を示す断面図である。
【図12】従来技術による作成例を示す断面図である。
【図13】従来技術による別の作成例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコンカーバイド(SiC)基板 2 AlNの半導体層 3 AlGa1−xNの半導体層 11、21、31、41、51、61 SiC基板 12 SiドープAlNまたはAlGa1−xN層 13 AlNまたはAlGa1−xN層 14、15 電極 22 SiドープAlNまたはAlx1Ga1−x1
半導体層 23 SiドープAlx2Ga1−x2N半導体層 24 MgドープAly1Ga1−y1N半導体層 25 MgドープAlNまたはAly2Ga1−y2
半導体層 32 SiドープAlN層 33 ソース電極 34 ゲート電極 35 ドレイン電極 42、44、53 SiドープAlNまたはSiドープ
AlGa1−xN半導体層 43、52、54 p型AlNまたはAlGa1−y
N半導体層 45、55 コレクター電極 46、56 ベース電極 47、57 エミッタ-電極 62 SiドープAlNまたはSiドープAlGa
1−xN半導体層 63 カソード電極 64 櫛形のアノード電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/737 H01L 29/72 H 29/812 H01S 5/323 610 (72)発明者 小林 直樹 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5F003 AZ01 BB01 BC01 BE01 BF06 BG06 5F041 AA02 CA34 CA40 CA48 CA56 CA57 CA58 CA65 5F073 AA55 CA07 CB07 DA05 DA11 EA14 5F102 GB01 GC01 GD01 GJ02 GK04 GR01 GS01 GT02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlNを半導体とする半導体材料であって、 Al原料、N原料、およびSiドーパントを同時に供給
    し、かつ、Si原子濃度が3×1017cm−3以上、
    5×1019cm−3以下の範囲内で、Siをドーピン
    グして、前記AlNを形成したことを特徴とする半導体
    材料。
  2. 【請求項2】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlNを半導体とする半導体材料であって、 Al原料、N原料、およびSiドーパントを同時に供給
    し、かつ、Si原子濃度が1×1018cm−3以上、
    2×1019cm−3以下の範囲内で、Siをドーピン
    グして、前記AlNを形成したことを特徴とする半導体
    材料。
  3. 【請求項3】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlGa1−xNを半導体とする半導体材
    料であって、 Al原料、N原料、ならびに、SiおよびGaドーパン
    トを同時に供給し、かつ、Al組成xが0.9以上、1.
    0未満の範囲内にあり、Si原子濃度が3×1017
    −3以上、5×1019cm−3以下の範囲内で、S
    iをドーピングして、前記AlGa1−xNを形成し
    たことを特徴とする半導体材料。
  4. 【請求項4】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlGa1−xNを半導体とする半導体材
    料であって、 Al原料、N原料、ならびに、SiおよびGaドーパン
    トを同時に供給し、かつ、Al組成xが0.9以上、1.
    0未満の範囲内にあり、Si原子濃度が1×1018
    −3以上、2×1019cm−3以下の範囲内で、S
    iをドーピングして、前記AlGa1−xNを形成し
    たことを特徴とする半導体材料。
  5. 【請求項5】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlGa1−xNを半導体とする半導体材
    料であって、 Al原料、N原料、ならびに、SiおよびGaドーパン
    トを同時に供給し、かつ、Al組成xが0.7以上、0.
    9未満の範囲内にあり、Si原子濃度が3×1017
    −3以上、5×1019cm−3以下の範囲内で、S
    iをドーピングして、前記AlGa1−xNを形成し
    たことを特徴とする半導体材料。
  6. 【請求項6】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlGa1−xNを半導体とする半導体材
    料であって、 Al原料、N原料、ならびに、SiおよびGaドーパン
    トを同時に供給し、かつ、Al組成xが0.7以上、0.
    9未満の範囲内にあり、Si原子濃度が1×1018
    −3以上、2×1019cm−3以下の範囲内で、S
    iをドーピングして、前記AlGa1−xNを形成し
    たことを特徴とする半導体材料。
  7. 【請求項7】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlGa1−xNを半導体とする半導体材
    料であって、 Al原料、N原料、ならびに、SiおよびGaドーパン
    トを同時に供給し、かつ、Al組成xが0.5以上、0.
    7未満の範囲内にあり、Si原子濃度が3×1017
    −3以上、5×1019cm−3以下の範囲内で、S
    iをドーピングして、前記AlGa1−xNを形成し
    たことを特徴とする半導体材料。
  8. 【請求項8】 半導体装置の基板または半導体層に結晶
    成長されたAlGa1−xNを半導体とする半導体材
    料であって、 Al原料、N原料、ならびに、SiおよびGaドーパン
    トを同時に供給し、かつ、Al組成xが0.5以上、0.
    7未満の範囲内にあり、Si原子濃度が1×1018
    −3以上、2×1019cm−3以下の範囲内で、S
    iをドーピングして、前記AlGa1−xNを形成し
    たことを特徴とする半導体材料。
  9. 【請求項9】 前記AlNおよび前記AlGa1−x
    Nの中に含有する酸素原子濃度が、1×1017cm
    −3未満であることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載の半導体材料。
  10. 【請求項10】 前記AlNおよび前記AlGa
    1−xNの中に含有する炭素原子濃度が、1×1017
    cm−3未満であることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか1項に記載の半導体材料。
  11. 【請求項11】 前記AlNおよび前記AlGa
    1−xNの形成の際に用いたSiの代わりに、Ge、S
    n、S、Se、またはTeを用いたことを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体材料。
  12. 【請求項12】 前記AlNおよび前記AlGa
    1−xNを、(0001)面方位、Si極性を有し、か
    つ、4Hまたは6Hの結晶構造を有するSiC基板上に
    成長したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1
    項記載の半導体材料。
  13. 【請求項13】 前記AlNおよび前記AlGa
    1−xNを有機金属気相成長法により成長したことを特
    徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の半導体材
    料。
  14. 【請求項14】 発光ダイオードに対して請求項1〜1
    3に記載の半導体材料を用いた半導体装置であって、 基板上に形成されると共に、請求項1〜13に記載した
    半導体材料による第1の半導体層と、 前記第1の半導体層に形成されると共に、p型AlNま
    たはAlGa1−yN(0.5<y<1)による第2
    の半導体層とを有することを特徴とする半導体装置。
  15. 【請求項15】 発光ダイオードに対して請求項1〜1
    3に記載の半導体材料を用いた半導体装置であって、 前記基板上に形成された、請求項1〜13に記載した半
    導体材料による第1の半導体層と、 前記第1の半導体層に形成されると共に、Mgをドープ
    したAlNまたはAl xAGa1−xAN(0.5<x
    A<1)による第2の半導体層とを有することを特徴と
    する半導体装置。
  16. 【請求項16】 半導体レーザーに対して請求項1〜1
    3に記載した半導体材料を用いた半導体装置であって、 基板上に形成されると共に、請求項1〜13に記載した
    Alx1Ga1−x1N(0.5<x1≦1)による第
    1の半導体層と、 前記第1の半導体層に形成されると共に、請求項3〜1
    3に記載したAlx2Ga1−x2N(0.5<x2<
    1)による第2の半導体層と、 前記第2の半導体層に形成されると共に、p型Aly1
    Ga1−y1N(0.5<y1<1)による第3の半導
    体層と、 前記第3の半導体層に形成されると共に、p型Aly2
    Ga1−y2N(0.5<y2≦1)による第4の半導
    体層とを有し、 組成x1、x2および組成y1、y2がx1>x2かつ
    y1<y2の条件を満たすことを特徴とする半導体装
    置。
  17. 【請求項17】 半導体レーザーに対して請求項1〜1
    3に記載した半導体材料を用いた半導体装置であって、 基板上に形成されると共に、請求項1〜13に記載した
    Alx1Ga1−x1N(0.5<x1≦1)による第
    1の半導体層と、 前記第1の半導体層に形成されると共に、請求項3〜1
    3に記載したAlx2Ga1−x2N(0.5<x2<
    1)による第2の半導体層と、 前記第2の半導体層に形成されると共に、MgドープA
    y1Ga1−y1N(0.5<y1<1)による第3
    の半導体層と、 前記第3の半導体層に形成されると共に、MgドープA
    y2Ga1−y2N(0.5<y2≦1)による第4
    の半導体層とを有し、 組成x1、x2および組成y1、y2がx1>x2かつ
    y1<y2の条件を満たすことを特徴とする半導体装
    置。
  18. 【請求項18】 電界効果トランジスターに対して請求
    項1〜13に記載した半導体材料を用いた半導体装置で
    あって、 基板上に形成されると共に、請求項1〜13に記載した
    半導体層を有し、 前記半導体層の上にソース電極、ゲート電極、およびド
    レイン電極を形成したことを特徴とする半導体装置。
  19. 【請求項19】 バイポーラトランジスターに対して請
    求項1〜13に記載した半導体材料を用いた半導体装置
    であって、 基板上に形成されると共に、請求項1〜13に記載した
    AlxAGa1−xAN(0.5<xA≦1)による第
    1の半導体層と、 前記第1の半導体層に形成されると共に、p型AlxB
    Ga1−xBN(0.5<xB≦1)による第2の半導
    体層と、 前記第2の半導体層に形成されると共に、請求項1〜1
    3に記載したAlxCGa1−xCN(0.5<xC≦
    1)による第3の半導体層と、 前記第1の半導体層に形成されたコレクタ電極と、 前記第2の半導体層に形成されたベース電極と、 前記第3の半導体層に形成されたエミッター電極とを有
    することを特徴とする半導体装置。
  20. 【請求項20】 バイポーラトランジスターに対して請
    求項1〜13に記載した半導体材料を用いた半導体装置
    であって、 基板上に形成されると共に、p型AlxAGa1−xA
    N(0.5<xA≦1)による第1の半導体層と、 前記第1の半導体層に形成されると共に、請求項1〜1
    3に記載したAlxBGa1−xBN(0.5<xB≦
    1)による第2の半導体層と、 前記第2の半導体層に形成されると共に、p型AlxC
    Ga1−xCN(0.5<xC≦1)による第3の半導
    体層と、 前記第1の半導体層に形成されたコレクタ電極と、 前記第2の半導体層に形成されたベース電極と、 前記第3の半導体層に形成されたエミッター電極とを有
    することを特徴とする半導体装置。
  21. 【請求項21】 電界放出素子に対して請求項1〜13
    に記載した半導体材料を用いた半導体装置であって、 基板上に形成されると共に、請求項1〜13に記載した
    AlGa1−xN(0.5<x≦1)による半導体層
    と、 前記半導体層と空間的に分離した位置に形成された櫛形
    の電極とを有することを特徴とする半導体装置。
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