JP4647287B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
<発光素子の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の模式的斜視図を示す。この発光素子10は、n型の導電性を示すβ−Ga2O3からなる基板(以下「Ga2O3基板」という。)11を有し、このGa2O3基板11の上に表面再配列層22、n型の導電性を示すn−GaNクラッド層13、多重量子井戸構造(MQW)を有するInGaN発光層14、p型の導電性を示すp−AlGaNクラッド層15、およびp型の導電性を示すp−GaNコンタクト層16を順次積層し、p−GaNコンタクト層16の上面にp電極17を形成し、Ga2O3基板11の下面にn電極18を形成したものである。
次に、Ga2O3基板11の形成方法について説明する。すなわち、Ga2O3基板11の素材となるβ−Ga2O3単結晶をFZ(フローティングゾーン)法により作製し、β−Ga2O3単結晶を所定の大きさに切断して基板を作製する。
次に表面再配列層22を形成する方法を説明する。まず、表面再配列層22を形成しようとする主面が現われるように、Ga2O3基板11を反応容器内に保持する。そして、Ga2O3基板11の表面の温度が500℃以上、好ましくは800℃±50℃となるように反応容器内の温度を調節する。反応容器内を窒素源として760torrのNH3を雰囲気として、所定の時間加熱して、Ga2O3基板11の表面を構成するβ−Ga2O3酸素原子の一部または全部を窒素原子と置換されたもので、Ga2O3基板11の表面は、β−Ga2O3とGaNとの入り混じった層あるいはGaNからなる層が形成される。表面再配列層22を成長させるGa2O3基板11の面方位は、(100)面であり、それぞれ各面に対して±15°の誤差が許容される。
上記n−GaNクラッド層13、InGaN発光層14、p−AlGaNクラッド層15、およびp−GaNコンタクト層16のGaN系化合物薄膜は、MOCVD法により形成する。n−GaNクラッド層13、p−GaNクラッド層15を形成するために、原料ガスとして、TMGおよびNH3を用い、InGaN発光層14を形成するために、原料ガスとしてTMI(トリメチルインジウム)、TMG(トリメチルガリウム)およびNH3を用い、p−AlGaNクラッド層15を形成するために、、原料ガスとしてTMA、TMGおよびNH3を用いる。また、キャリアガスは、前述した理由により、He等の不活性ガスを用いる。この場合、所定の温度範囲によりGaN系化合物薄膜の成長が促進される。このとき、上記のGaN系化合物薄膜は、N極性を有する。なお、Ga極性を有する面にする場合は、極性を変換するためのバッファ層を形成すればよい。
MOCVD装置により、n−GaNクラッド層13およびp−GaNコンタクト層16のように、GaNのキャリア濃度を変えるには、GaNに添加するn型ドーパントあるいはp型ドーパントの量を変えることにより行う。
この実施の形態に係る発光素子10によれば、以下の効果を奏する。
(イ)Ga2O3基板11のβ−Ga2O3単結晶の(100)面において、単位格子が6角形となり、GaNの結晶構造であるウルツ鉱型構造と近似する。ウルツ鉱型構造の結晶方位<11−20>とGa2O3基板11の結晶方位<010>がほぼ平行になるようにGaNの単結晶薄膜が成長する。このとき、格子定数が近似し、結晶性のよいGaN系化合物薄膜を得ることができる。したがって、結晶品質の劣化を抑えることができ、発光効率が高められた発光素子を得ることができる。
(ロ)N面を露出することにより、N面上に薄膜を成長させる各種の成長法を用いることができるため、用途に応じた半導体装置を得ることができる。
(ハ)Ga2O3基板11および表面再配列層22は、透光性を有するとともに、導電性を有するので、電極構造が垂直型の発光ダイオードを作ることができ、その結果、発光素子10の全体を電流通路にすることができることから電流密度を低くすることができ、発光素子10の寿命を長くすることができる。
(ニ)発光素子10は、多重量子井戸構造を有しているため、キャリアとなる電子と正孔とがInGaN発光層14に閉じこめられて再結合する確率が高くなるので、発光光率が大幅に向上する。
(ホ)N面を露出することにより、水素キャリアガスに侵食されず、良い単結晶膜が形成される。
Ga2O3基板11は、β−Ga2O3単結晶をb軸およびc軸に沿って平面方向に成長させ、a軸方向に沿って厚さ方向に成長させたものである。
この実施例1によれば、Ga2O3基板11の(100)面における結晶表面におけるβ−Ga2O3の結晶方位が〈010〉である場合、GaNの結晶表面における結晶方位は、〈11-20〉であった。
(2)窒素原子の1s電子に起因するピークが上昇する。
(3)Gaの3d電子に起因するピークは、余り変化していない。
Ga2O3基板11の成長法として、FZ法について説明したが、EFG(Edge-defined Film-fed Growth method)法等の他の成長法を適用しても、FZ法により製造するβ−Ga2O3単結晶と同様のβ−Ga2O3単結晶を製造することができ、これを切断することによりGa2O3基板11を製造することができる。
11 Ga2O3基板
13 n−GaNクラッド層
14 InGaN発光層
15 p−AlGaNクラッド層
16 p−GaNコンタクト層
17 n電極
18 p電極
22 表面再配列層
23 GaN系化合物薄膜層
30 半導体層
31 Al2O3基板
32 バッファ層
33 GaN成長層
Claims (4)
- 主面を有するβ−Ga2O3系単結晶からなる基板と、
前記主面上に形成され、前記基板を構成するβ−Ga2O3の一部または全部の酸素原子が窒素原子に置換され、c軸が前記主面に対しほぼ垂直であるウルツ鉱型構造GaN系化合物を含む表面再配列層とからなり、
前記基板は、(801)面を前記主面とするとき、前記基板の結晶方位〈010〉と前記表面再配列層の結晶方位〈11−20〉がほぼ平行であり、
前記表面再配列層は、N極性を有することを特徴とする半導体装置。 - 主面を有するβ−Ga2O3系単結晶からなる基板と、
前記主面上に形成され、前記基板を構成するβ−Ga2O3の一部または全部の酸素原子が窒素原子に置換され、c軸が前記主面に対しほぼ垂直であるウルツ鉱型構造GaN系化合物を含む表面再配列層と、
前記表面再配列層上に形成され、c軸が前記主面に対しほぼ垂直であるウルツ鉱型構造GaN系化合物からなる単結晶薄膜とを備え、
前記表面再配列層および前記単結晶薄膜が、N極性を有し、
前記基板は、(801)面を前記主面とするとき、前記基板の結晶方位〈010〉と前記表面再配列層および前記単結晶薄膜の結晶方位〈11−20〉がほぼ平行であることを特徴とする半導体装置。 - 前記基板は、前記表面再配列層と前記単結晶薄膜との間に、N極性とGa極性を反転させるためのバッファ層を備えることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
- 主面を有するβ−Ga2O3系単結晶からなる基板を準備する工程と、
前記基板上に成長させる成長層を構成する元素を含む所定の原料ガスの雰囲気において、前記基板を所定の温度に保つことにより、前記主面上にc軸が前記主面に対しほぼ垂直であるウルツ鉱型構造GaN系化合物を含む表面再配列層を形成する工程と、
前記表面再配列層上に、c軸が前記主面に対しほぼ垂直であるウルツ鉱型構造GaN系化合物からなる単結晶薄膜を形成する工程と
を備え、
前記基板は、(801)面を前記主面とするとき、前記基板の結晶方位〈010〉と前記表面再配列層および前記単結晶薄膜の結晶方位〈11−20〉がほぼ平行であり、
前記表面再配列層および前記単結晶薄膜は、N極性を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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