JP2007189028A - p型窒化ガリウム系半導体の製造方法及びAlGaInN系発光素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶成長後に電子線照射やアニーリング等の後処理を施さなくても、結晶品質が良好で低抵抗なMgドープのp型窒化ガリウム系半導体を低価格で得ることができ、後処理による素子の歩留まり低下を防ぐ方法を提供する。
【解決手段】基板上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体の製造方法において、水素及び窒素を含む雰囲気でV族原料として実質的にアンモニアのみを使用して、Mgをドープした前記p型窒化ガリウム系半導体104を結晶成長させる工程と、前記結晶成長工程後に窒素及び有機窒素原料を主体とし、水素の体積率が40%以下である雰囲気で冷却する工程とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体の製造方法において、水素及び窒素を含む雰囲気でV族原料として実質的にアンモニアのみを使用して、Mgをドープした前記p型窒化ガリウム系半導体104を結晶成長させる工程と、前記結晶成長工程後に窒素及び有機窒素原料を主体とし、水素の体積率が40%以下である雰囲気で冷却する工程とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、p型窒化ガリウム系の半導体の製造方法及びAlGaInN系発光素子の製造方法に係り、特に成長後に電子線照射やアニーリング等の特別な処理が不要なものに関する。
窒化ガリウム系半導体は、紫外から赤色までの発光が可能であり、発光ダイオード(LED)や、半導体レーザダイオード(LD)に応用されている。発光効率の高い発光素子を実現するためには、高効率で発光する活性層だけでなく、抵抗が十分小さいn型の窒化ガリウム系半導体層、p型の窒化ガリウム系半導体層が必要である。特に窒化ガリウム系半導体ではp型の低抵抗の結晶を得ることが非常に困難であり、窒化ガリウム系半導体デバイスの商業的実用化に時間がかかった要因の一つであった。
窒化ガリウム系半導体のp型層の低抵抗化、あるいは高キャリア濃度化のための手段としては、
(1)結晶に電子線を照射してアクセプタを活性化させる方法(例えば、特許文献1参照)、
(2)結晶成長後に該結晶を400℃以上でアニーリングする方法(例えば、特許文献2参照)、
(3)水素濃度が0.5容量%以下のキャリアガス中で結晶成長を行う方法(例えば、特許文献3参照)、
(4)分解されたアンモニアガスを水素吸蔵合金に接触させる方法(例えば、特許文献4参照)、
(5)結晶成長時の冷却工程で、p型ドーパントの不活性化を抑制できる程度の水素を含み、正孔キャリア濃度がその低抵抗性を維持できる程度に減少する冷却時間とする方法(例えば、特許文献5参照)
等が、提案されている。
なお、特許文献5に関連するものとして、冷却過程でのガス雰囲気を制御するという観点からは、半導体結晶の表面層の成長時、あるいはその成長後の降温時に水素ラジカルを生じる、上記半導体を構成する元素を有する材料ガスの使用を停止する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2003−133325号公報
特開平05−183189号公報
特開平08−325094号公報
特開平10−041544号公報
特開2001−119065号公報
特開平08−078788号公報
(1)結晶に電子線を照射してアクセプタを活性化させる方法(例えば、特許文献1参照)、
(2)結晶成長後に該結晶を400℃以上でアニーリングする方法(例えば、特許文献2参照)、
(3)水素濃度が0.5容量%以下のキャリアガス中で結晶成長を行う方法(例えば、特許文献3参照)、
(4)分解されたアンモニアガスを水素吸蔵合金に接触させる方法(例えば、特許文献4参照)、
(5)結晶成長時の冷却工程で、p型ドーパントの不活性化を抑制できる程度の水素を含み、正孔キャリア濃度がその低抵抗性を維持できる程度に減少する冷却時間とする方法(例えば、特許文献5参照)
等が、提案されている。
なお、特許文献5に関連するものとして、冷却過程でのガス雰囲気を制御するという観点からは、半導体結晶の表面層の成長時、あるいはその成長後の降温時に水素ラジカルを生じる、上記半導体を構成する元素を有する材料ガスの使用を停止する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
しかしながら、結晶に電子線を照射してアクセプタを活性化させる特許文献1の方法では、不活性だったアクセプタが活性化して低抵抗層を得ることができるものの、結晶全体に均一に電子線を照射することが難しいためデバイスの歩留まりを高めることが困難であること、電子線照射装置は高価であること、試料またはウェハ全体に電子線を照射するのは非常に時間がかかるため、低価格で量産する方法としてはこの方法の適用が難しいという問題があった。
結晶成長後に該結晶を400℃以上でアニーリングする特許文献2の方法は、単に適切な条件下でアニーリングするという比較的簡便な方法である。しかしながら一般に電極形成後にオーム性接触を得るための熱処理を行うことを考慮すると、結晶成長後に2回の熱処理工程があることになり、結晶表面が劣化し歩留まりを低下させることがあることが問題となっていた。更に結晶成長後にこの工程が必要であることから、低価格で量産する方法としては、この方法の適用が難しいという問題があった。
水素濃度が0.5容量%以下のキャリアガス中で結晶成長を行う特許文献3の方法では、キャリアガス中の水素濃度が極めて低いために結晶成長時における表面マイグレーションが十分でなく、均一性が十分で結晶品質が良好な結晶を得ることが困難であった。特に半導体レーザダイオードのクラッド層では一般にアルミニウムを含む窒化ガリウム系半導体を使用するため、この問題が一層顕著に現れるという問題があった。
分解されたアンモニアガスを水素吸蔵合金に接触させる特許文献4の方法では、一般にアンモニアガスの分解温度は約600℃以上であり、また窒化ガリウム系半導体の結晶成長温度は約600℃から1200℃程度であることから、水素吸蔵合金の温度は数百度以上とせざるを得ず、高温のため水素の吸蔵効率が十分でなかったり、また高価な水素吸蔵合金が容易に劣化し、低価格で量産する方法としてはこの方法の適用が難しいという問題があった。
結晶成長時の冷却工程で、p型ドーパントの不活性化を抑制できる程度の水素を含み、正孔キャリア濃度がその低抵抗性を維持できる程度に減少する冷却時間とする特許文献5の方法では、結晶成長後の降温過程を適切に維持することのみで目的を達することができるという点で量産の観点では有効な方法である。しかしながら比較的小型の結晶成長装置では低抵抗性を維持できるような冷却時間で降温することは容易であるが、量産に適した大型の結晶成長装置では反応炉近傍の熱容量を小さくすることが難しく、適切な冷却時間とすることが困難であり、目的とする低抵抗層を得ることが難しいという問題があった。
なお、半導体を構成する元素を有する材料ガスの使用を停止する特許文献6の方法では、窒化ガリウム系半導体に関しては具体的なガスに関する系統的な調査がなされていなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解消して、結晶成長後に例えば電子線照射やアニーリング等の後処理を特に施さなくても、結晶品質が良好で低抵抗なMgドープのp型窒化ガリウム系半導体を得ることができ、後処理による素子の歩留まり低下を防ぎつつ、しかも低価格とすることが可能なp型窒化ガリウム系半導体の製造方法及びAlGaInN系発光素子の製造方法を提供することにある。
第1の発明は、基板上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体の製造方法において、水素及び窒素を含む雰囲気でV族原料として実質的にアンモニアのみを使用して、Mgをドープした前記p型窒化ガリウム系半導体を結晶成長させる工程と、前記結晶成長工程後に窒素及び有機窒素原料を主体とし、水素の体積率が40%以下である雰囲気で冷却する工程と、を含むことを特徴とする。
上記の窒化ガリウム系結晶は、具体的にはAlxGa1-x-zInzN(ただし、0≦x≦1、0≦z≦1)である。また、上記の有機窒素原料はメチルヒドラジンまたはジメチルヒドラジンであることが好ましい。
上記の窒化ガリウム系結晶は、具体的にはAlxGa1-x-zInzN(ただし、0≦x≦1、0≦z≦1)である。また、上記の有機窒素原料はメチルヒドラジンまたはジメチルヒドラジンであることが好ましい。
第2の発明は、基板上にn型AlGaNクラッド層、GaNガイド層、InGaN活性層、及びGaNガイド層を順に形成した後、p型AlGaNクラッド層及びp型GaNコンタクト層からなるp型窒化ガリウム系半導体を形成してAlGaInN系発光素子を製造する方法において、前記p型窒化ガリウム系半導体を形成するに際して、請求項1または2に記載のp型窒化ガリウム系半導体の製造方法を用いることを特徴とする。
良好な結晶品質の膜を得るために、結晶成長時に供給するV族原料としてはアンモニアが選択される。アンモニアは従来より窒化ガリウム系半導体の製造用ガスとして一般的に使用されており、高純度なガスを入手できるという理由だけではない。アンモニアの代わりにヒドラジン等の有機窒素原料を使用した場合には低コストで良好な結晶品質の膜を得るのが難しいからである。これは電気特性を悪化させる深い不純物準位の原因となる、結晶中の残留炭素濃度を低くするためには約1000℃以上で結晶成長する必要があるが、この成長温度では有機V族原料の利用効率が低下するためである。
Mgドープ窒化ガリウムの低抵抗化を阻む大きな要因は結晶中のH濃度である。結晶成長後の、降温時のガス雰囲気は窒素及び有機窒素原料を主体とし、水素の体積率が40%以下である雰囲気とすることで結晶中の残留水素濃度を下げることができる。これは成長炉内での窒素ラジカル濃度を維持しつつ水素ラジカル濃度を下げることができるからであると考えられる。また結晶中に残留する水素濃度を十分低くするためには降温時の水素の体積率を規定する必要がある。なお冷却過程では結晶成長時のようにIII族元素のマイグレーションを考慮する必要は無いため水素の体積率を実質的にほぼ0%としても差し支えない。有機窒素原料としては、メチルヒドラジまたはジメチルヒドラジンを使用する。結晶中の残留水素の観点からこれらの原料が好ましい。
本発明によれば、結晶表面状態が良好となる一方、コスト上昇要因となる成長後の電子線照射や特別な熱処理等を行うことなく、結晶品質が良好で低抵抗なMgドープのp型窒化ガリウム系半導体を得ることができ、後処理による素子の歩留まり低下を防ぎつつ、しかも低価格な窒化ガリウム系発光素子の量産方法を得ることができる。
これにより従来製法と比較して特性に遜色がなく、しかも低コストで製造できる半導体レーザダイオードや発光ダイオードを得ることができる。
これにより従来製法と比較して特性に遜色がなく、しかも低コストで製造できる半導体レーザダイオードや発光ダイオードを得ることができる。
以下に本発明に実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態を示す概略図である。
図1に示すように、有機金属気相成長(MOVPE)法により、サファイア基板上101にバッファ層102を介しアンドープGaN層103を基板温度1100℃で3μm成長した。次いでその温度のままMgドープGaN層104を1μm成長した。Mg原料としてはCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を使用し、ガリウム(Ga)原料、窒素(N)原料としては、それぞれTMG(トリメチルガリウム)、NH3(アンモニア)を使用し、キャリアガスとしてはH2とN2の混合ガスを用いた。結晶成長時のMg原料の供給量は一定で結晶中のMg濃度が約6×1019cm−3となるようにした。結晶成長終了後、N2及び有機窒素原料A、B、Cを主体とし、それぞれについて水素の体積率が50%、40%、30%である雰囲気で結晶成長温度から降温した。
このとき使用した有機窒素原料A、B、Cは、それぞれジメチルヒドラジン、メチルヒドラジン、アンモニアである。なお結晶成長温度は1100℃に限定されるものではなく良好な結晶品質が得られる温度範囲であればよい。
図1に示すように、有機金属気相成長(MOVPE)法により、サファイア基板上101にバッファ層102を介しアンドープGaN層103を基板温度1100℃で3μm成長した。次いでその温度のままMgドープGaN層104を1μm成長した。Mg原料としてはCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を使用し、ガリウム(Ga)原料、窒素(N)原料としては、それぞれTMG(トリメチルガリウム)、NH3(アンモニア)を使用し、キャリアガスとしてはH2とN2の混合ガスを用いた。結晶成長時のMg原料の供給量は一定で結晶中のMg濃度が約6×1019cm−3となるようにした。結晶成長終了後、N2及び有機窒素原料A、B、Cを主体とし、それぞれについて水素の体積率が50%、40%、30%である雰囲気で結晶成長温度から降温した。
このとき使用した有機窒素原料A、B、Cは、それぞれジメチルヒドラジン、メチルヒドラジン、アンモニアである。なお結晶成長温度は1100℃に限定されるものではなく良好な結晶品質が得られる温度範囲であればよい。
その後、成長後の電子線照射や特別な熱処理等は行わずに2次イオン分析(SIMS)により結晶中のMg及びH濃度を測定し、4探針法により抵抗率を測定した。
表1は、上述したように結晶成長後の冷却条件(水素の体積率、有機窒素原料)のみを変化させて作製したMgドープ窒化ガリウム結晶を測定した抵抗率である。これらは成長後の電子線照射や特別な熱処理は行っていない。電気測定のためにインジウム電極を付けアルゴン雰囲気で340℃の温度で合金化しただけである。この結果から明らかなように、結晶成長後の冷却条件によって結晶中の水素濃度が大きく変化する。さらにそれに伴ってMgドープ窒化ガリウム結晶の抵抗率が大きく変化している。
有機窒素原料にジメチルヒドラジンを用いて水素の体積率を40%、30%の雰囲気とすることで、抵抗率が約3Ω・cm、約1Ω・cmと低いMgドープGaN層がそれぞれ得られた。また、メチルヒドラジンを用いたときも、同様に、抵抗率が約4Ω・cm、約1Ω・cmと低いMgドープGaN層がそれぞれ得られた。
これに対して水素の体積率を50%の雰囲気とすると、有機窒素原料にジメチルヒドラジンを用いた場合は、抵抗率が約10Ω・cm、メチルヒドラジンを用いた場合には約17Ω・cmと共に高くなった。また、有機窒素原料にアンモニアを用いた場合には、水素の体積率を50%、40%、30%と変えても、いずれも高抵抗のため測定不可となった。
すなわち、結晶成長後の、降温時のガス雰囲気は窒素及び有機窒素を主体とし、水素の体積率が40%以下である雰囲気とすることで結晶中の残留水素濃度を下げることができ、それによって高キャリア濃度・低抵抗を実現することができることが明らかとなった。
図2は、第2の実施の形態を示す概略図である。
図2に示すように、n型導電性のGaN基板201上に、有機金属気相成長(MOVPE)法により、半導体発光装置を作製した。まず成長炉にGaN基板201を配置し、基板温度1100℃でn型導電性を有しSiをドープしたGaNバッファ層202を形成した。このときのGa原料としてはTMGを、N原料としてはNH3を、Si原料としてはH2で希釈したSiH4(モノシラン)を使用したが、III族原料は特にこれらに限定されるものではなく、TMGの代わりに例えばTEG(トリエチルガリウム)を使用し、モノシランの代わりにジシランや置換アルキル化シラン等を使用しても良い。Siの代わりにGeやOをドーピングすることによってn型導電性を得るものであっても良い。なおGaN基板201の面方位は(0001)面を使用したが、面方位は特に限定されるものではなく、オフアングル(傾斜)基板を用いても良いし、Al2O3(サファイア)基板やSiC(炭化シリコン)基板を用いてもよい。また基板温度は1100℃に限定されるものではなく良質なSiドープGaN膜が成長可能な温度範囲であれば良い。
図2に示すように、n型導電性のGaN基板201上に、有機金属気相成長(MOVPE)法により、半導体発光装置を作製した。まず成長炉にGaN基板201を配置し、基板温度1100℃でn型導電性を有しSiをドープしたGaNバッファ層202を形成した。このときのGa原料としてはTMGを、N原料としてはNH3を、Si原料としてはH2で希釈したSiH4(モノシラン)を使用したが、III族原料は特にこれらに限定されるものではなく、TMGの代わりに例えばTEG(トリエチルガリウム)を使用し、モノシランの代わりにジシランや置換アルキル化シラン等を使用しても良い。Siの代わりにGeやOをドーピングすることによってn型導電性を得るものであっても良い。なおGaN基板201の面方位は(0001)面を使用したが、面方位は特に限定されるものではなく、オフアングル(傾斜)基板を用いても良いし、Al2O3(サファイア)基板やSiC(炭化シリコン)基板を用いてもよい。また基板温度は1100℃に限定されるものではなく良質なSiドープGaN膜が成長可能な温度範囲であれば良い。
次に基板温度1100℃においてSiドープAlGaNクラッド層203を形成した。このときのAl(アルミ)原料としてはTMA(トリメチルアルミニウム)を使用した。Ga、N、Si原料は既に述べた原料を使用した。AlN混晶比は0.09とし、厚さは1000nmとした。ここでもn型導電性を制御する不純物元素はSiに限定されるものではなく、基板温度は1100℃に限定されるものではなく良質なn型AlGaN膜が成長可能な温度範囲であれば良い。
次に基板温度800℃においてGaNガイド層204、InxGa1−xN/InyGa1−yN系歪量子井戸活性層205、GaNガイド層206を順次を形成した。InN混晶比はバリア層でx=0.02、井戸層でy=0.10とした。基板温度は800℃に限定されるものではなく良質なガイド層及び活性層が成長可能な温度範囲であれば良い。キャリアガス及びV族原料ガスは良質な結晶品質を得るためにN2及びNH3を用いた。
次に基板温度1000℃でMgドープp型Al0.15Ga0.85Nクラッド層207を形成し、次いでMgドープp型GaNコンタクト層208を形成した。キャリアガス及びV族原料ガスは良質な結晶品質を得るためにH2とN2の混合ガスとNH3を用いた。成長終了後、N2及びジメチルヒドラジンを主体とし、水素の体積率が40%以下である雰囲気で結晶成長温度から降温し、成長後の電子線照射や特別な熱処理は行うことなく、半導体レーザダイオード(LD)チップを作製した。チップの大きさは300μm×600μmとした。リッジ部分はリアクティブイオンエッチングにより形成した。GaN基板側の電極はTi/Al系電極を、エピタキシャル層の表面側はNi/Au系電極を用いた。LDチップの端面コートの反射率はAR10%、HR90%とした。
このLDチップをステム上に組み、定電流装置から電流を加えてレーザ発振させたところ、成長後の電子線照射や特別な熱処理は行わなかったが十分低抵抗であり、室温での駆動電圧は4〜5V程度であった。比較のため降温時のガス雰囲気を従来のようにN2とNH3を主体とするガスとし、成長後の電子線照射または窒素や酸素中での熱処理を施した場合と比較したが、駆動電圧、出力、寿命等に大きな差異は見られなかった。つまり成長後の電子線照射や特別な熱処理工程を行うことなく、従来製法と変わらぬ特性を有するLDを得ることができた。
なお、本実施例は半導体レーザダイオードについて述べたが、類似の素子構造を有する窒化物混晶系の発光ダイオード(LED)でも同様の効果が得られることを確認した。また基板材料に対する依存性も特に見受けられず、サファイア基板やSiC基板を用いた場合でも同様の効果が得られた。
101 サファイア基板
102 バッファ層
103 アンドープGaN層
104 MgドープGaN層(p型窒化ガリウム系半導体)
201 GaN基板
202 GaNバッファ層
203 n型AlGaNクラッド層
204 GaNガイド層
205 InxGa1-xN/InyGa1-yN系歪量子井戸活性層
206 GaNガイド層
207 Mgドープp型Al0.15Ga0.85Nクラッド層(p型窒化ガリウム系半導体)
208 Mgドープp型GaNコンタクト層(p型窒化ガリウム系半導体)
102 バッファ層
103 アンドープGaN層
104 MgドープGaN層(p型窒化ガリウム系半導体)
201 GaN基板
202 GaNバッファ層
203 n型AlGaNクラッド層
204 GaNガイド層
205 InxGa1-xN/InyGa1-yN系歪量子井戸活性層
206 GaNガイド層
207 Mgドープp型Al0.15Ga0.85Nクラッド層(p型窒化ガリウム系半導体)
208 Mgドープp型GaNコンタクト層(p型窒化ガリウム系半導体)
Claims (3)
- 基板上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体の製造方法において、
水素及び窒素を含む雰囲気でV族原料として実質的にアンモニアのみを使用して、Mgをドープした前記p型窒化ガリウム系半導体を結晶成長させる工程と、
前記結晶成長工程後に窒素及び有機窒素原料を主体とし、水素の体積率が40%以下である雰囲気で冷却する工程と、
を含むことを特徴とするp型窒化ガリウム系半導体の製造方法。 - 請求項1に記載の有機窒素原料はメチルヒドラジンまたはジメチルヒドラジンであることを特徴とするp型窒化ガリウム系半導体の製造方法。
- 基板上にn型AlGaNクラッド層、GaNガイド層、InGaN活性層、及びGaNガイド層を順に形成した後、p型AlGaNクラッド層及びp型GaNコンタクト層からなるp型窒化ガリウム系半導体を形成してAlGaInN系発光素子を製造する方法において、
前記p型窒化ガリウム系半導体を形成するに際して、請求項1または2に記載のp型窒化ガリウム系半導体製造方法を用いることを特徴とするAlGaInN系発光素子の製造方法。
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---|---|---|---|---|
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