JP2003266475A - 複合成形品の射出成形方法及びその金型 - Google Patents

複合成形品の射出成形方法及びその金型

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JP2003266475A
JP2003266475A JP2002072018A JP2002072018A JP2003266475A JP 2003266475 A JP2003266475 A JP 2003266475A JP 2002072018 A JP2002072018 A JP 2002072018A JP 2002072018 A JP2002072018 A JP 2002072018A JP 2003266475 A JP2003266475 A JP 2003266475A
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Abstract

(57)【要約】 【技術課題】 1次成形品と2次成形品との融着面積
(接触面積)を拡大して複合成形品の接合強度の高い複
合成形品を得る。 【解決手段】 金型は可動側金型4と固定側金型12及
び前記可動側金型4と固定側金型12の間に位置する中
間プレート10で構成する。1次成形は、型締めを行っ
た後、前記1次成形用キャビティ6、17、20内に樹
脂を充填して行い、次に、一旦型開きを行ったのち、1
次成形用入駒7を後退させて抜き出し、この1次成形用
入駒7に交替して先端に2次成形用キャビティ8を形成
した2次成形用入駒9を挿入すると共に再度型締めを行
って1次成形品の一部と2次成形用入駒9との間に2次
成形用キャビティ8を形成して、この2次成形用キャビ
ティ8内に樹脂を充填し、2次成形を行う。次に型開き
を行うと、1次成形品の凹部に2次成形品が一体に結合
された接合強度の高い複合成形品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック射出
成形において、1次成形用樹脂を金型に充填した後、金
型の一部を移動して2次成形用樹脂を金型に充填させて
1次成形品と2次成形品を金型内で融着させることによ
り、複合成形品を成形する射出成形方法及びその金型に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、異材複合成形品を得るためには、
一度射出成形にて得た成形品を、異なる金型にインサー
トし、異なる樹脂を充填する成形法が主なものであった
が、この成形法では、金型が2面必要となる、成形を2
回行う必要がある、最初に成形した成形品の寸法変化、
保管方法などに注意が必要など、効率の良い成形法であ
るとはいえなかった。そのため近年では、1個の金型
へ、複数の樹脂を充填することで複合成形品を得る成形
法について、いくつか提案されている。また、1次成形
後に金型内の入駒を移動して、1次成形品に隣接する空
間を作り、その空間へ2次樹脂を充填する方法がいくつ
か提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は、互いの樹脂の接合面形状を複雑な形状にできない問
題があった。さらには、2次樹脂を充填したときに、1
次成形品とキャビティの中に樹脂が入り込み、外観を悪
くするなどの問題があった。例えば、図21に示すよう
に、可動側キャビティ41と固定側キャビティ42およ
びスライドコア43によって囲まれた1次成形用キャビ
ティ44に1次樹脂46を充填し、固化させる。その
後、図22に示すようにスライドコア43を型開き方向
と直交方向に進入させることで、2次成形用キャビティ
45を1次樹脂46に隣接させ、2次樹脂47を充填
し、1次樹脂46と2次樹脂47を金型内で融着する成
形方法がある(特開平10−278076号)。
【0004】しかし、この成形方法によれば、スライド
コア43は型開き方向と直交方向に移動するため、型開
き方向へ凸形状となるキャビティを持つことができな
い。よって、例えば図2に示す1次成形品1の端面に存
在する溝形状3のためのキャビティを持つことができ
ず、接合面は単純な平面となるため、1次樹脂と2次樹
脂の接触面積を広くすることができず、接合強度を高め
ることが困難であった。
【0005】また、図23に示すように、可動側キャビ
ティ51と固定側キャビティ52およびスライドコア5
3によって囲まれた1次成形用キャビティ54に1次樹
脂56を充填し、固化させる。その後、図24に示すよ
うに、スライドコア53を型開き方向に後退させた後、
スライドコア58を型開き方向と直行方向に進入させる
ことで、2次成形用キャビティ55を1次樹脂56に隣
接させ、2次樹脂57を充填し、1次樹脂56と2次樹
脂57を金型内で融着する成形方法がある(特開平4−
193513号)。
【0006】しかし、図25に示すように、この成形法
によれば、1次樹脂56は充填完了直後より収縮を開始
するため、スライドコア58が移動し、1次樹脂56と
2次成形用キャビティ55を隣接したときには、1次樹
脂56の収縮が進行しているため、2次成形用キャビテ
ィ55との間、及び1次樹脂56と固定側キャビティ5
2の間に隙間が発生してしまう。そのまま2次成形を行
うと、2次樹脂が1次樹脂56と固定キャビティ56の
間に入り込み、外観不良を引き起こしてしまう場合があ
る。
【0007】本発明は以上の如き点に鑑みて提案される
ものであって、その第1の目的は、1次樹脂(1次成形
品)と2次樹脂(2次成形品)との融着面積(接触面
積)を拡大して複合成形品の接合強度を高めることであ
る。更に第2の目的は、2次樹脂の充填によって発生す
る外観不良の問題を解消することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、複合成形品の射
出成形方法において、金型は可動側金型と固定側金型及
び前記可動側金型と固定側金型の間に位置する中間プレ
ートで構成されていると共に1次成形用キャビティは、
前記中間プレートと固定側金型及び前記中間プレートに
設けた入駒貫通空間から前記1次成形用キャビティ内に
突出させた1次成形用入駒で構成し、1次成形は、型締
めを行った後、前記1次成形用キャビティ内に1次成形
用樹脂を充填して行い、次に、一旦型開きを行ったの
ち、前記空間内から1次成形用入駒を後退させて抜き出
し、この1次成形用入駒に交替して先端に2次成形用キ
ャビティ及びゲート並びにランナーを形成した2次成形
用入駒を挿入すると共に再度型締めを行って1次成形品
の一部と2次成形用入駒との間に2次成形用キャビティ
を形成して、この2次成形用キャビティ内に2次成形用
樹脂を充填することにより2次成形を行い、次に、型開
きを行って1次成形品の一部に2次成形品が一体に結合
された複合成形品を取り出すことを特徴とするものであ
る。
【0009】更に、請求項2に記載の発明においては、
請求項1に記載の発明において、1次成形後の型開き時
に、中間プレートと可動側金型のみを開き、2次成形後
の型開き時に中間プレートと固定側金型を開くことを特
徴とするものである。
【0010】更に、請求項3に記載の発明においては、
複合成形品成形用金型において、金型は、可動側金型と
固定側金型及び前記可動側金型と固定側金型の間に位置
する中間プレートで構成されていること、前記固定側金
型と中間プレートの対向面には、1次成形用キャビティ
が夫々形成されていること、前記固定側金型には、前記
1次成形用キャビティに続く1次ランナーとこれに続く
ゲートが形成されていると共にこの1次ランナーとは独
立して2次ランナーとキャビティ逃げが形成されている
こと、前記中間プレートには、前記1次成形用キャビテ
ィに続く入駒貫通空間と、この空間を間にして予備空間
が貫通して形成されていると共に前記空間に向けて2次
成形ランナーとゲートが形成されていること、前記可動
側金型には、中間プレートに接する面にスライド溝が形
成されていると共にこのスライド溝内にはスライドコア
が挿入されていて、このスライドコアからは、前記中間
プレートの空間を経由してその先端側が1次成形キャビ
ティ内に突出する1次成形用入駒と、この入駒が前記空
間内に挿入された時に、同時に予備空間内の一方に挿入
されると共に先端側に2次成形用キャビティとこのキャ
ビティに続くゲートと前記中間プレート側ランナーに接
合自在の入駒側ランナーが形成された2次成形用入駒が
形成されていること、を特徴とするものである。
【0011】更に、請求項4に記載の発明においては、
複合成形品成形用金型において、金型は、可動側金型と
固定側金型及び前記可動側金型と固定側金型の間に位置
する中間プレートで構成されていること、前記固定側金
型と中間プレートの対向面には、1次成形用キャビティ
が夫々形成されていること、前記固定側金型には、前記
1次成形用キャビティに続く1次ランナーとこれに続く
ゲートが形成されていると共にこの1次ランナーとは独
立して2次ランナーとキャビティ逃げが形成されている
こと、前記中間プレートには、回転入駒貫通空間が形成
されていること、前記可動側金型には、中間プレートに
接する面に回転入駒保持溝が形成されていると共にこの
回転入駒保持溝内には、回転自在に回転コアが組み込ま
れていると共にこの回転コアの正面には、型締めを行っ
たときにその先端側が1次成形キャビティ内に突出する
1次成形用入駒が突出して形成されていると共にこの入
駒から離れた位置に2次成形用キャビティとこのキャビ
ティに続くゲートと前記中間プレート側ランナーに接合
自在のランナーを形成した2次成形用入駒が突出して形
成されていること、を特徴とするものである。
【0012】更に、請求項5に記載の発明においては、
請求項3又は4に記載の発明において、2次成形用入駒
の先端に突形状を形成し、2次樹脂充填時に1次成形品
にこの突形状を圧接させることにより、収縮により発生
した隙間に2次樹脂が入り込まないように構成したこ
と、を特徴とするものである。
【0013】本発明に用いる金型は、3部品構造とし、
固定側金型に1次成形品用キャビティと、1次樹脂用ゲ
ート、2次樹脂用ゲートを具備している。可動側金型に
スライド(または回転)可能なスライドコア(または回
転コア)を有し、スライドコア(または回転コア)に1
次成形用入駒と2次成形用入駒を具備している。スライ
ドコア(または回転コア)に存在する1次成形用入駒に
は、1次成形品の端面を成すキャビティが存在し、2次
樹脂との接触面積を多くすることを目的とし、部分的に
凸形状を持っている。また、3分割された構造の金型を
開く時に、開く個所を制御することで、型開き量を最低
限に押さえることができる。詳しくは、1次成形完了後
の型開き時には、中間プレートと可動側金型の間のみを
開き、スライド動作を行う。一方、2次成形完了後の型
開き時には、中間プレートと固定側金型の間のみを開
き、成形品の取り出しを行う。このような金型開き動作
を制御することで、型開き量を低減することができ、よ
り小さな成形機での成形を可能とするとともに、成形に
要する時間を短縮することができる(請求項2)。
【0014】また、本発明に使用される樹脂は、1次成
形用に使用される樹脂として、一般の結晶性または非晶
性である熱可塑性樹脂はもちろんのこと、エンジニアプ
ラスチック熱可塑性樹脂を使用することができる。さら
に、2次成形用樹脂に使用される樹脂として、一般の結
晶性または非晶性である熱可塑性樹脂はもちろんのこ
と、エンジニアプラスチック熱可塑性樹脂、熱可塑性エ
ラストマーを使用することができる。
【0015】
【実施例1】図1に示す成形品は、機構部分を保護する
ためのカバーであり、図2に示すものは、図1に示す成
形品のA−A部断面をあらわしたものである。このカバ
ー1は、機構部分にゴミ等が入らないように、カバー1
端面の一部にダストシール2を一体に形成して、保護カ
バー1は硬質樹脂、ダストシール2は軟質樹脂を使用し
て複合成形した例である。このような成形品を成形する
ために必要な金型の構成は、図3のように、固定側金型
12、中間プレート10、可動側金型4の3プレート構
造となる。
【0016】詳しくは、金型は図3に示すように、可動
側金型4にスライド溝4aを形成し、このスライド溝4
aにスライドコア5が存在し、スライドコア5には、カ
バー1の端面を構成するためのキャビティ面6を持つ1
次成形用入駒7と、シール部を構成するための2次成形
用キャビティ8及び入駒ランナー9a、ゲート9bを持
つ2次成形用入駒9が存在する。次に、中間プレート1
0には、カバー成形用のキャビティ17の一部を有する
と共に、入駒貫通用空間11を設け、この入駒貫通用空
間11には1次成形用入駒7および2次成形用入駒9が
挿入可能である。また、前記入駒貫通空間11に続くよ
うに2次成形用ランナー10aが形成されている。さら
に、中間プレート10には、1次成形用入駒7と2次成
形用入駒9が型締めを行った時に1次成形用又は2次成
形用入駒7、9を逃げるための予備空間19が入駒貫通
用空間11を間にして2つ形成されている。また、固定
側金型12には、1次成形用ランナー13とゲート13
a及びそれに連続する1次成形用キャビティ20が形成
され、さらに、2次成形用ランナー15が形成されてい
る。12aはキャビティ逃げである。
【0017】以上説明した金型は、請求項3に記載した
金型の発明に対応している。次に、この金型を用いて行
う複合成形品の射出成形方法を図4〜8を用いて説明す
る。まず、図4に示すように、中間プレート10に存在
する入駒用空間11に、スライドコアにある1次成形用
入駒7へ、予備空間19には2次成形用入駒9を各挿入
しながら型締めを行う。次に、1次成形用ランナー13
より、1次成形用キャビティ20へ溶融した1次樹脂1
4(ポリプロピレン樹脂)を充填し、冷却固化を行い、
1次成形を完了する。
【0018】次に、図5に示すように、中間プレート1
0の入駒貫通用空間11内に挿入されている1次成形用
入駒7を抜きながら、型開きを行う。次に、図6に示す
ように、可動側金型4のスライドコア5を型開き方向と
直交方向に移動し、1次成形用入駒7が存在した個所に
2次成形用入駒9を存在させる。次に、図7に示すよう
に、中間プレート10に存在する入駒貫通用空間11
に、スライドコア5側の2次成形用入駒9を挿入しなが
ら、再び型締めを行う。
【0019】型締めを完了すると、2次成形用入駒9の
シール部を構成するためのキャビティ8は、既に冷却固
化を完了している1次樹脂14に接する事となる。この
とき、2次成形用入駒9の一部である1次樹脂14と接
触する部分において、図26に示すようにあらかじめ1
次樹脂14が収縮する寸法をみこした寸法の凸形状62
を形成したことで、1次樹脂14の端面14aと2次成
形用入駒9の先端の凸形状62が確実に接触している状
態を作る。
【0020】次に、2次成形成形用ランナー15→2次
成形用ランナー10a→入駒側ランナー9a→ゲート9
bと溶融した2次樹脂16(オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー)を2次成形用(ダストシール2成形用)キャ
ビティ8へ充填する。1次樹脂14の、2次樹脂16に
接する部分は、2次樹脂16の持つ熱量により再溶融が
行われ、1次樹脂14、2次樹脂16の間で溶着が行わ
れる。その後、1次樹脂14、2次樹脂16共に充分に
冷却固化を行った後、図8に示すように金型を開き、成
形品18を取り出す。このようにして成形された成形品
18は、カバー1とダストシール2が一体となって溶着
されており、機構部分の保護とゴミ入り防止の2つの機
能を持つことができる。更には、互いの樹脂の溶着強度
は充分なものであり、また、凸形状62の作用により、
樹脂のはみ出しが無く、外観上の問題がない。
【0021】
【実施例2】本実施例2は、実施例1と同じように、図
1、2に示したカバー1を成形するための金型構造であ
り、スライドコア5に替えて、回転コアとなし、この回
転コアに1次成形用入駒26と2次成形用キャビティと
を設けたものであり、請求項4に記載した金型の発明の
実施例である。先ず、金型の構成は、図9のように、固
定側金型32、中間プレート30、可動側金型24の3
プレート構造となる。
【0022】詳しくは、金型は図9に示すように、可動
側金型24に形成した溝24a内に回転コア(回転入
駒)25が存在し、回転コア25には、カバー1の端面
を構成するための1次成形品用入駒26と、ダストシー
ル2を構成するための2次成形用キャビティ28、2次
ランナー28a、ゲート28bが存在する。さらに、中
間プレート30にはカバー部キャビティ37の一部と入
駒貫通用空間31を設け、この空間31には回転コア2
5を挿入可能とする。また、固定側金型32には1次成
形用ランナー33、ゲート33aとそれに連続する1次
成形用キャビティ40を持ち、さらに、2次成形用ラン
ナー35を持つ。更に、キャビティ逃げ32aを持つ。
【0023】以上説明した実施例2の複合成形用金型を
用いて射出成形する例を次に説明する。まず、図10に
示すように、中間プレート30に存在する入駒用空間3
1に、回転コア25を挿入しながら型締めを行う。次
に、1次成形用ランナー33→ゲート33aより、1次
成形キャビティ37、40内に溶融した1次樹脂34
(ポリプロピレン樹脂)を充填し、冷却固化を行い、1
次成形を完了する。
【0024】次に、図11に示すように、中間プレート
30の入駒用空間31に挿入されている回転コア25を
抜きながら、型開きを行う。次に、図12に示すよう
に、可動側金型24の回転コア25を回転させ、1次成
形用キャビティ26が存在した位置に2次成形用キャビ
ティ28を存在させる。次に、図13に示すように、中
間プレート30に存在する入駒用空間31に、回転コア
25を挿入しながら、再び型締めを行う。
【0025】型締めを完了すると、2次成形用入駒のシ
ール部を構成するためのキャビティ28は、既に冷却固
化を完了している1次樹脂34に接する事となる。この
とき、1次樹脂34が成形収縮により収縮する寸法をみ
こし、2次成形用キャビティ28の一部である、1次樹
脂34と接触する部分の寸法を型締め方向に増やしてお
くことで、1次樹脂34の端面と2次成形用キャビティ
28の一部が確実に接触している状態を作る。
【0026】次に、2次成形成形用ランナー35より、
溶融した2次樹脂36(オレフィン系熱可塑性エラスト
マー)をランナー28a→ゲート28bからキャビティ
28へ充填する。1次樹脂34の、2次樹脂36に接す
る部分は、2次樹脂36の持つ熱量により再溶融が行わ
れ、1次樹脂34、2次樹脂36の間で溶着が行われ
る。
【0027】その後、1次樹脂34、2次樹脂36共に
充分に冷却固化を行った後、図14に示すように金型を
開き、成形品38を取り出す。このようにして成形され
た成形品38は、カバー部とシール部が一体となって溶
着されており、機構部分の保護とゴミ入り防止のふたつ
の機能を持つことができる。更には、互いの樹脂の溶着
強度は充分なものであり、樹脂のはみ出しが無く、外観
上の問題がない。
【0028】
【実施例3】本実施例3は、請求項2に記載の発明に対
応するもので、型開き時に開く金型を選択することで、
型開きストロークを短くした事以外は実施例1と同様の
成形を行う。この例を図15から図20に示す。使用し
た金型の構成は、実施例1で示したものと同じ構成を持
ち、図15のように、固定側金型12、中間プレート1
0、可動側金型4の3プレート構造となる。
【0029】初めに、図16に示すように型締めを行
う。このとき、予め可動側金型4と中間プレート10は
閉じた状態にしておく。次に、図16に示すように、1
次成形用ゲート13より、溶融した1次樹脂14(ポリ
プロピレン樹脂)を充填し、冷却固化を行い、1次成形
を完了する。次に、図17に示すよう、型開きを行う時
に、中間プレート10と可動側金型4の間のみを開き、
中間プレート10に挿入されていた1次成形用入駒7を
抜く。
【0030】次に、図18に示すよう、可動側金型4の
スライドコア5を移動し、1次成形用入駒7が存在した
個所に2次成形用入駒9を存在させる。次に、図19に
示すよう、再び型締めを行うとともに、中間プレート1
0に存在する入駒用空間11に、スライドコア5にある
2次成形用入駒9を挿入する。その後、実施例1に従
い、2次成形を行う。その後、図20に示すように、2
次樹脂が冷却固化した後に型開きを行うが、このとき中
間プレート10と固定側金型12の間のみを開き、成形
品18を取り出す。このような工程にて成形を行うこと
で、成形機の型開き量を約40%低減でき、成形機の選
択幅が広がったため、より小さな成形機での成形が可能
となる。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上のように、金型構造を固定
側金型と可動側金型及びこの間に中間プレートを有する
3プレートとし、固定側金型にスライドコアまたは回転
コアを有し、なおかつスライドコアまたは回転コアに、
1次成形用入駒(キャビティ)と2次成形用入駒(キャ
ビティ)を有し、1次成形用入駒と2次成形用入駒を入
れ替えることが可能な構造とすることで、溶融面積の拡
大を図り、融着強度の高い複合成形品を得ることができ
る(請求項1〜4)。また、2次成形用入駒(キャビテ
ィ)の先端に凸型部を形成することにより、1次成形樹
脂の収縮に起因する外観不良の問題を解消できる(請求
項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合成形品の説明図。
【図2】A−A´断面図。
【図3】実施例1における金型構造図および成形工程
(型開き状態)の説明図。
【図4】実施例1における金型構造図および成形工程
(1次成形)の説明図。
【図5】実施例1における金型構造図および成形工程
(最型開き状態)の説明図。
【図6】実施例1における金型構造図および成形工程
(スライド工程)の説明図。
【図7】実施例1における金型構造図および成形工程
(2次成形)の説明図。
【図8】実施例1における金型構造図および成形工程
(成形品取り出し)の説明図。
【図9】実施例2における金型構造図および成形工程
(型開き状態)の説明図。
【図10】実施例2における金型構造図および成形工程
(1次成形)の説明図。
【図11】実施例2における金型構造図および成形工程
(最型開き状態)の説明図。
【図12】実施例2における金型構造図および成形工程
(スライド工程)の説明図。
【図13】実施例2における金型構造図および成形工程
(2次成形)の説明図。
【図14】実施例2における金型構造図および成形工程
(成形品取り出し)の説明図。
【図15】実施例2における金型構造図および成形工程
(型開き状態)の説明図。
【図16】実施例2における金型構造図および成形工程
(1次成形)の説明図。
【図17】実施例2における金型構造図および成形工程
(最型開き状態)の説明図。
【図18】実施例2における金型構造図および成形工程
(スライド工程)の説明図。
【図19】実施例2における金型構造図および成形工程
(2次成形)の説明図。
【図20】実施例2における金型構造図および成形工程
(成形品取り出し)の説明図。
【図21】従来の複合成形品の成形例の説明図。
【図22】従来の複合成形品の成形例の説明図。
【図23】従来の複合成形品の成形例の説明図。
【図24】従来の複合成形品の成形例の説明図。
【図25】従来の入駒成形方法において、1次成形品が
収縮して隙間が発生している例の説明図。
【図26】2次成形用入駒の先端に凸形状を形成して1
次成形品の収縮に対応した例の説明図。
【符号の説明】
1 カバー部分 2 ダストシール 3 接合部の溝形状 4 可動側金型 5 スライドコア 6 1次成形用キャビティ 7 1次成形用入駒 8 2次成形用キャビティ 9 2次成形用入駒 10 中間プレート 11 入駒貫通用空間 12 固定側金型 13 1次成形用スプルー 15 2次成形用スプルー 24 可動側金型 25 回転コア 26 1次成形用キャビティ 28 2次成形用キャビティ 30 中間プレート 31 回転コア用空間 32 固定側金型 33 1次成形用スプルー 35 2次成形用スプルー
フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 CA11 CB01 CB28 CK02 CK06 CK43 CK54 CK67 4F206 AA11 AD05 AD25 AG03 AG27 AM32 AR075 JA07 JB28 JL02 JM06 JN12 JN33 JQ06 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型は可動側金型と固定側金型及び前記
    可動側金型と固定側金型の間に位置する中間プレートで
    構成されていると共に1次成形用キャビティは、前記中
    間プレートと固定側金型及び前記中間プレートに設けた
    入駒貫通空間から前記1次成形用キャビティ内に突出さ
    せた1次成形用入駒で構成し、1次成形は、型締めを行
    った後、前記1次成形用キャビティ内に1次成形用樹脂
    を充填して行い、次に、一旦型開きを行ったのち、前記
    空間内から1次成形用入駒を後退させて抜き出し、この
    1次成形用入駒に交替して先端に2次成形用キャビティ
    及びゲート並びにランナーを形成した2次成形用入駒を
    挿入すると共に再度型締めを行って1次成形品の一部と
    2次成形用入駒との間に2次成形用キャビティを形成し
    て、この2次成形用キャビティ内に2次成形用樹脂を充
    填することにより2次成形を行い、次に、型開きを行っ
    て、1次成形品の一部に2次成形品が一体に結合された
    複合成形品を取り出すことを特徴とする複合成形品の射
    出成形方法。
  2. 【請求項2】 1次成形後の型開き時に、中間プレート
    と可動側金型のみを開き、2次成形後の型開き時に中間
    プレートと固定側金型を開くことを特徴とする、請求項
    1に記載の複合成形品の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 金型は、可動側金型と固定側金型及び前
    記可動側金型と固定側金型の間に位置する中間プレート
    で構成されていること、 前記固定側金型と中間プレートの対向面には、1次成形
    用キャビティが夫々形成されていること、 前記固定側金型には、前記1次成形用キャビティに続く
    1次ランナーとこれに続くゲートが形成されていると共
    にこの1次ランナーとは独立して2次ランナーとキャビ
    ティ逃げが形成されていること、 前記中間プレートには、前記1次成形用キャビティに続
    く入駒貫通空間と、この空間を間にして予備空間が貫通
    して形成されていると共に前記空間に向けて2次成形ラ
    ンナーとゲートが形成されていること、 前記可動側金型には、中間プレートに接する面にスライ
    ド溝が形成されていると共にこのスライド溝内にはスラ
    イドコアが挿入されていて、このスライドコアからは、
    前記中間プレートの空間を経由してその先端側が1次成
    形キャビティ内に突出する1次成形用入駒と、この入駒
    が前記空間内に挿入された時に、同時に予備空間内の一
    方に挿入されると共に先端側に2次成形用キャビティと
    このキャビティに続くゲートと前記中間プレート側ラン
    ナーに接合自在の入駒側ランナーが形成された2次成形
    用入駒が形成されていること、を特徴とする複合成形品
    成形用金型。
  4. 【請求項4】 金型は、可動側金型と固定側金型及び前
    記可動側金型と固定側金型の間に位置する中間プレート
    で構成されていること、 前記固定側金型と中間プレートの対向面には、1次成形
    用キャビティが夫々形成されていること、 前記固定側金型には、前記1次成形用キャビティに続く
    1次ランナーとこれに続くゲートが形成されていると共
    にこの1次ランナーとは独立して2次ランナーとキャビ
    ティ逃げが形成されていること、 前記中間プレートには、回転入駒貫通空間が形成されて
    いること、 前記可動側金型には、中間プレートに接する面に回転入
    駒保持溝が形成されていると共にこの回転入駒保持溝内
    には、回転自在に回転コアが組み込まれていると共にこ
    の回転コアの正面には、型締めを行ったときにその先端
    側が1次成形キャビティ内に突出する1次成形用入駒が
    突出して形成されていると共にこの入駒から離れた位置
    に2次成形用キャビティとこのキャビティに続くゲート
    と前記中間プレート側ランナーに接合自在のランナーを
    形成した2次成形用入駒が突出して形成されているこ
    と、を特徴とする複合成形品成形用金型。
  5. 【請求項5】 2次成形用入駒の先端に突形状を形成
    し、2次樹脂充填時に1次成形品にこの突形状を圧接さ
    せることにより、収縮により発生した隙間に2次樹脂が
    入り込まないように構成したこと、を特徴とする請求項
    3又は4に記載の複合成形品成形用金型。
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