JP2009196181A - 射出成形方法、射出成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 溶融時間、射出時間および冷却時間を短縮することができる射出成形方法を提供すること。
【解決手段】 射出成形方法は、固体の熱可塑性樹脂(11)を溶融する溶融工程と、該溶融工程において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体の熱可塑性樹脂(11)を射出成形用金型内(7)に投入する固体樹脂投入工程と、該固体樹脂投入工程と同時またはそれ以後に、前記溶融工程において溶融した熱可塑性樹脂(10)を射出成形用金型内(7)に射出して、前記投入された固体の熱可塑性樹脂(11)と、前記溶融した熱可塑性樹脂(10)とを混ぜ合わせる射出工程と、該射出工程において混ぜ合わさった熱可塑性樹脂(A)を冷却する冷却工程と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 射出成形方法は、固体の熱可塑性樹脂(11)を溶融する溶融工程と、該溶融工程において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体の熱可塑性樹脂(11)を射出成形用金型内(7)に投入する固体樹脂投入工程と、該固体樹脂投入工程と同時またはそれ以後に、前記溶融工程において溶融した熱可塑性樹脂(10)を射出成形用金型内(7)に射出して、前記投入された固体の熱可塑性樹脂(11)と、前記溶融した熱可塑性樹脂(10)とを混ぜ合わせる射出工程と、該射出工程において混ぜ合わさった熱可塑性樹脂(A)を冷却する冷却工程と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体の熱可塑性樹脂を溶融する溶融工程と、前記溶融工程において溶融した熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に射出する射出工程と、該射出工程後に熱可塑性樹脂を冷却する冷却工程と、を具備する射出成形方法および射出成形装置に関する。
従来では、特許文献1に示す如く、射出成形する際、先ず、溶融部において成形品体積の全ての量に相当する量の固体の樹脂を溶融していた。次に、射出部によって前記溶融した樹脂を成形用金型に射出していた。そして、溶融した樹脂によって成形用金型の内部の全てを充填していた。その後、射出され充填された樹脂は冷却され固化していた。続いて、成形用金型が開くと共にエジェクタピンによって固化した樹脂が成形用金型から押し出されるように構成されていた。従って、固化した樹脂を成形品として取り出すことができる(以上、第1の従来態様)。
また、特許文献2に示す如く、先ず、第1成形用金型内に第1材料を射出して第1射出成形容器を成形する。次に、第2成形用金型内に予め前記第2射出成形容器をセットし、前記第1材料と異なる第2材料によって射出する。従って、二層から成る第2射出成形容器を得ることができる(以上、第2の従来態様)。
特開2004−230876号公報
特開平9−76380号公報
しかしながら、第1の従来態様は、成形品体積の全てについて、固体の樹脂を液状に溶融して射出し、その後、冷却して固化するように構成されていた。従って、溶融する樹脂が多い場合、溶融するために比較的時間を要する。また、溶融する樹脂が多ければ、射出するために比較的時間を要する。またさらに、射出した樹脂が多ければ、冷却するために比較的時間を要する。即ち、溶融時の加熱エネルギー、冷却時のエネルギーがそれぞれ大きい。従って、サイクルタイムを短縮することが困難である。
一方、第2の従来態様は、異なる材料を別々に射出した所謂、インサート成形である。多層構成の成形品を得ることができるが、サイクルタイムを短縮する目的ではなく、かえって長くなる虞がある。
一方、第2の従来態様は、異なる材料を別々に射出した所謂、インサート成形である。多層構成の成形品を得ることができるが、サイクルタイムを短縮する目的ではなく、かえって長くなる虞がある。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、溶融時間、射出時間および冷却時間を短縮することができる射出成形方法および射出成形装置を提供することである。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の射出成形方法は、固体の熱可塑性樹脂を溶融する溶融工程と、該溶融工程において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体の熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に投入する固体樹脂投入工程と、該固体樹脂投入工程と同時またはそれ以後に、前記溶融工程において溶融した熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に射出して、前記固体樹脂投入工程において投入された固体の熱可塑性樹脂と、前記溶融した熱可塑性樹脂とを混ぜ合わせる射出工程と、該射出工程において混ぜ合わさった熱可塑性樹脂を冷却する冷却工程と、を具備していることを特徴とする。
ここで、「同一材料」とは、材質が同じだけでなく、色も同じ材料をいう。
ここで、「同一材料」とは、材質が同じだけでなく、色も同じ材料をいう。
本発明の第1の態様によれば、前記射出成形方法は、前記固体樹脂投入工程と、前記射出工程と、を具備している。従って、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と比較して、前記射出成形用金型内に射出する溶融した熱可塑性樹脂の量を低減することができる。即ち、前記溶融工程において、溶融する熱可塑性樹脂の量を低減することができる。その結果、前記溶融工程における溶融時間を、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と比較して、短縮することができる。
さらに、前記射出工程における射出時間を、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と比較して、短縮することができる。またさらに、溶融した熱可塑性樹脂の量を低減することができるので、前記冷却工程における冷却時間を、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と比較して、短縮することができる。即ち、前記射出成形用金型内の熱可塑性樹脂の熱エネルギーが、少ない分、冷却時間を短縮することができる。
またさらに、材料における熱履歴を最小にすることができる。従って、熱による弊害を最小限にすることができる。その結果、品質向上に寄与することができる。
また、射出によって溶融した熱可塑性樹脂を充填する充填体積そのものが小さくなる。従って、充填する際のガス排出不良による不良率を低減することができる。
即ち、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と比較して、見た目が同等のものを効率的に短時間で精度良く成形することができる。
また、射出によって溶融した熱可塑性樹脂を充填する充填体積そのものが小さくなる。従って、充填する際のガス排出不良による不良率を低減することができる。
即ち、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と比較して、見た目が同等のものを効率的に短時間で精度良く成形することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記固体樹脂投入工程における前記固体の熱可塑性樹脂は、前記射出工程における射出装置から射出成形用金型内の製品部までの経路である案内部において固化した熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記固体樹脂投入工程における前記固体の熱可塑性樹脂は、前記射出工程における射出装置から射出成形用金型内の所謂、成形品である製品部までの経路である案内部において固化した熱可塑性樹脂、所謂、スプルー、ランナ等を含む。従って、射出成形をする際に発生する成形品以外の部分を利用することができ、効率がよい。即ち、資源を有効利用することができる。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記固体樹脂投入工程における前記固体の熱可塑性樹脂は、前記射出工程における射出装置から射出成形用金型内の所謂、成形品である製品部までの経路である案内部において固化した熱可塑性樹脂、所謂、スプルー、ランナ等を含む。従って、射出成形をする際に発生する成形品以外の部分を利用することができ、効率がよい。即ち、資源を有効利用することができる。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記射出工程によって前記射出成形用金型内が満たされた後に、前記射出成形用金型内に射出によって圧力を加える保圧工程を具備することを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記射出工程によって前記射出成形用金型内が満たされた後に、前記射出成形用金型内に射出によって圧力を加える保圧工程を具備する。従って、前記固体の熱可塑性樹脂と前記射出成形用金型との間を射出した熱可塑性樹脂で隙間なく埋めることができる。その結果、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と同様の強度を有する成形品を得ることができる。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記射出工程によって前記射出成形用金型内が満たされた後に、前記射出成形用金型内に射出によって圧力を加える保圧工程を具備する。従って、前記固体の熱可塑性樹脂と前記射出成形用金型との間を射出した熱可塑性樹脂で隙間なく埋めることができる。その結果、前記固体樹脂投入工程を具備していない場合と同様の強度を有する成形品を得ることができる。
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記固体樹脂投入工程において、前記射出成形用金型内部に比較的厚みが大の箇所と比較的厚みの小の箇所とがある場合、少なくとも前記比較的厚みの大の箇所に前記固体の熱可塑性樹脂を投入することを特徴とする。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記固体樹脂投入工程において、前記射出成形用金型内部に比較的厚みが大の箇所と比較的厚みの小の箇所とがある場合、少なくとも前記比較的厚みの大の箇所に前記固体の熱可塑性樹脂を投入する。従って、前記比較的厚みの大の箇所における前記固体の熱可塑性樹脂の割合を大きくすることができる。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記固体樹脂投入工程において、前記射出成形用金型内部に比較的厚みが大の箇所と比較的厚みの小の箇所とがある場合、少なくとも前記比較的厚みの大の箇所に前記固体の熱可塑性樹脂を投入する。従って、前記比較的厚みの大の箇所における前記固体の熱可塑性樹脂の割合を大きくすることができる。
その結果、前記比較的厚みの大の箇所において、熱可塑性樹脂が冷却される際に収縮する量を、前記固体の熱可塑性樹脂の割合がゼロの場合と比較して、低減することができる。成形品の表面が収縮によって凹む所謂、ヒケ対策に有効である。また、成形品の表面に表れない内部に気泡が発生する所謂、ボイド対策に有効である。
ここで、前記固体の熱可塑性樹脂が前記比較的厚みの大の箇所に対して小さい粉状、粒状、破片状等であれば、前記比較的厚みの大の箇所における前記固体の熱可塑性樹脂の割合を著しく高くすることができ、ヒケやボイドが発生することを防止することができる。
ここで、前記固体の熱可塑性樹脂が前記比較的厚みの大の箇所に対して小さい粉状、粒状、破片状等であれば、前記比較的厚みの大の箇所における前記固体の熱可塑性樹脂の割合を著しく高くすることができ、ヒケやボイドが発生することを防止することができる。
本発明の第5の態様の射出成形装置は、固体の熱可塑性樹脂を溶融する溶融部と、該溶融部において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体の熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に投入する固体樹脂投入手段と、を備え、該固体樹脂投入手段による投入と同時またはそれ以後に、前記溶融部において溶融した熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に射出して、前記固体樹脂投入手段において投入された固体の熱可塑性樹脂と、前記溶融した熱可塑性樹脂とを混ぜ合わせることを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、前記第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第5の態様によれば、前記第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(A)(B)に示すのは、本発明に係る射出成形装置を示す概略正面断面図である。このうち、図1(A)は型開き工程を示す図である。一方、図1(B)は粉末インサート工程を示す図である。
図1(A)(B)に示すのは、本発明に係る射出成形装置を示す概略正面断面図である。このうち、図1(A)は型開き工程を示す図である。一方、図1(B)は粉末インサート工程を示す図である。
図1(A)(B)に示す如く、本発明に係る射出成形装置1は、射出装置としての溶融部2と、型締装置としての射出成形用金型3とを有する。このうち、溶融部2は、固体の熱可塑性樹脂を溶融することができるように設けられている。そして、溶融部2は、射出成形用金型3までの経路である所謂、スプルー、ランナ、ゲート部である案内部5を介して射出成形用金型3の空間である所謂、キャビティ7へ溶融した熱可塑性樹脂(以下、溶融樹脂10という)を射出することができるように構成されている。
また、射出成形用金型3は、溶融部側(上側)である固定側プレート4と、下側である可動側プレート6とを有する。このうち、可動側プレート6は、図示しない作用部によって固定側プレート4に対して接離移動することができるように設けられている。また、可動側プレート6は、凹状に設けられている。そして、固定側プレート4および可動側プレート6が製品となる所定の空間であるキャビティ7を構成する。
尚、図1(A)(B)に示す状態は、可動側プレート6は、固定側プレート4から離間した状態である。即ち、射出成形用金型3の開状態である。
またさらに、射出成形装置1は、キャビティ内7に溶融してない熱可塑性樹脂(以下、固体樹脂11という)を投入する固体樹脂投入手段8を有している。
尚、図1(A)(B)に示す状態は、可動側プレート6は、固定側プレート4から離間した状態である。即ち、射出成形用金型3の開状態である。
またさらに、射出成形装置1は、キャビティ内7に溶融してない熱可塑性樹脂(以下、固体樹脂11という)を投入する固体樹脂投入手段8を有している。
続いて、本発明の射出成形装置1の各工程について説明する。
図1(A)に示すのは、型開き工程である。可動側プレート6が固定側プレート4から離間した状態であり、キャビティ内7には何もない状態である。
図1(B)に示すのは、粉末インサート工程である。型開き工程の状態から、固体樹脂投入手段8によって、キャビティ内7に粉状の固体樹脂11が投入される。
図1(A)に示すのは、型開き工程である。可動側プレート6が固定側プレート4から離間した状態であり、キャビティ内7には何もない状態である。
図1(B)に示すのは、粉末インサート工程である。型開き工程の状態から、固体樹脂投入手段8によって、キャビティ内7に粉状の固体樹脂11が投入される。
ここで、「固体樹脂」は、溶融部2で溶融される(溶融前の)熱可塑性樹脂と同一材料である。
また、「固体樹脂」の大きさは、射出成形用金型3が閉じたときに、キャビティ内7に収まるサイズであればよい。さらに、キャビティ内7の形状に対応すべく粉状や粒状であることが望ましい。
またさらに、「固体樹脂」は、スプルー、ランナ、ゲート部である案内部5の固化した樹脂であって、製品本体ではなく、従来において切り落とされて廃棄されていた部分であることが望ましい。係る場合、原材料の無駄を最小限にすることができ、効率的である。
また、「固体樹脂」の大きさは、射出成形用金型3が閉じたときに、キャビティ内7に収まるサイズであればよい。さらに、キャビティ内7の形状に対応すべく粉状や粒状であることが望ましい。
またさらに、「固体樹脂」は、スプルー、ランナ、ゲート部である案内部5の固化した樹脂であって、製品本体ではなく、従来において切り落とされて廃棄されていた部分であることが望ましい。係る場合、原材料の無駄を最小限にすることができ、効率的である。
図2(A)(B)に示すのは、型閉・樹脂射出工程の様子を示す概略正面断面図である。このうち、図2(A)は、型閉・樹脂射出工程を開始した際の様子である。一方、図2(B)は、型閉・樹脂射出工程が完了した際の様子である。
図2(A)(B)に示す如く、先ず、前述した粉末インサート工程の状態から可動側プレート6が固定側プレート4へ接近移動して、射出成形用金型3が閉状態となる。
図2(A)(B)に示す如く、先ず、前述した粉末インサート工程の状態から可動側プレート6が固定側プレート4へ接近移動して、射出成形用金型3が閉状態となる。
次に、溶融部2において溶融された溶融樹脂10が案内部5を介してキャビティ内7に射出される。そして、溶融樹脂10が射出されると、固体樹脂11と混ざり合う。
このとき、溶融樹脂10と固体樹脂11とは前述したように同一材料であるので、密に結合することができる。即ち、異なる材料が混ざり合う所謂、異物混入と異なる。従って、異物混入による不具合、例えば、薄利しやすい等の虞がない。
その後、さらに溶融樹脂10を射出してキャビティ内7を充填する。
このとき、溶融樹脂10と固体樹脂11とは前述したように同一材料であるので、密に結合することができる。即ち、異なる材料が混ざり合う所謂、異物混入と異なる。従って、異物混入による不具合、例えば、薄利しやすい等の虞がない。
その後、さらに溶融樹脂10を射出してキャビティ内7を充填する。
尚、本実施例において、予め「固体樹脂」をキャビティ内7に投入した後、「溶融樹脂」をキャビティ内7に射出したが、投入および射出を同時に開始してもよい。係る場合、一サイクルの時間を短縮することができる。
また、「固体樹脂」と「溶融樹脂」とを混ぜ合わせてからキャビティ内7に流入するように構成することも可能である。
また、「固体樹脂」と「溶融樹脂」とを混ぜ合わせてからキャビティ内7に流入するように構成することも可能である。
図3(A)に示すのは、保圧・冷却工程の様子を示す概略正面断面図である。また、 図3(B)に示すのは、型開・離型工程の様子を示す概略正面断面図である。
図3(A)に示す如く、前述した型閉・樹脂射出工程の状態から溶融部2によって溶融樹脂10を既に充填したキャビティ内7にさらに押し出そうとする。所謂、保圧をかけている状態である。従って、キャビティ内7のガスを排出することができる。また、キャビティ内7の隅々に溶融樹脂10を行き渡らせることができる。
その後、案内部5のゲートを閉じる。そして、固定側プレート4および可動側プレート6に設けられた冷却手段(図示せず)によってキャビティ内7の溶融樹脂10の冷却が実行される。
図3(A)に示す如く、前述した型閉・樹脂射出工程の状態から溶融部2によって溶融樹脂10を既に充填したキャビティ内7にさらに押し出そうとする。所謂、保圧をかけている状態である。従って、キャビティ内7のガスを排出することができる。また、キャビティ内7の隅々に溶融樹脂10を行き渡らせることができる。
その後、案内部5のゲートを閉じる。そして、固定側プレート4および可動側プレート6に設けられた冷却手段(図示せず)によってキャビティ内7の溶融樹脂10の冷却が実行される。
図3(B)に示す如く、前述した冷却工程の状態から、可動側プレート6が固定側プレート4から離間移動する。即ち、射出成形用金型3が開状態となる。この際、可動側プレート6が所定ストロークだけ離間する方向へ移動すると、可動側プレート側のキャビティ内7において、エジェクタピン9が固定側プレート側へ突出するように構成されている。従って、キャビティ内7で冷却され固化された成形品樹脂A、即ち、溶融樹脂10と固体樹脂11とが一体となって成形された成形品樹脂Aをキャビティ内7から取り出すことができる。
ここで、成形品樹脂Aは、本体部A1と、それ以外のランナ部B等と、を有する。そして、ランナ部B等は、製品とはならない箇所であるため、切り落とされる。切り落とされたランナ部B等は、所定以下のサイズに粉砕されて次回以降の粉末インサート工程において前述した「固体樹脂11」として使用される。
尚、射出成形用金型内部のキャビティ7において、比較的厚みの薄い箇所と、比較的厚みがある例えば、リブやボス等の箇所とがある場合、少なくとも、比較的厚みのある箇所に固体樹脂11を投入することが望ましい。冷却される際に溶融樹脂10が収縮する量を、固体樹脂11の割合の分だけ小さくすることができる。所謂、ヒケ対策に有効である。
尚、射出成形用金型内部のキャビティ7において、比較的厚みの薄い箇所と、比較的厚みがある例えば、リブやボス等の箇所とがある場合、少なくとも、比較的厚みのある箇所に固体樹脂11を投入することが望ましい。冷却される際に溶融樹脂10が収縮する量を、固体樹脂11の割合の分だけ小さくすることができる。所謂、ヒケ対策に有効である。
図4に示すのは、樹脂が有する熱量を本発明サイクルと従来発明サイクルと比較して示した図である。このうち、縦軸は樹脂が有する熱量を表す。一方、横軸は時間を表す。また、実線で示すのは、本願発明に係る射出成形方法である。一方、鎖線で示すのは、従来技術における射出成形方法である。
図4に示す如く、溶融部2における固体の熱可塑性樹脂を溶融(可塑化)する工程である溶融工程において、本願発明は、従来技術と比較して、溶融する固体の熱可塑性樹脂が粉末インサート工程において投入される固体樹脂11の分量だけ溶融する樹脂の量が少ない。従って、その分、溶融に必要な時間を、従来技術と比較して、短縮することができる。
また、溶融工程において、溶融する樹脂が少ない分、溶融のために樹脂に与える熱量は、従来技術と比較して、少なくてよい。
図4に示す如く、溶融部2における固体の熱可塑性樹脂を溶融(可塑化)する工程である溶融工程において、本願発明は、従来技術と比較して、溶融する固体の熱可塑性樹脂が粉末インサート工程において投入される固体樹脂11の分量だけ溶融する樹脂の量が少ない。従って、その分、溶融に必要な時間を、従来技術と比較して、短縮することができる。
また、溶融工程において、溶融する樹脂が少ない分、溶融のために樹脂に与える熱量は、従来技術と比較して、少なくてよい。
続いて、射出工程において、本願発明は、従来技術と比較して、固体の熱可塑性樹脂が粉末インサート工程において投入される固体樹脂11の分量だけ射出する溶融樹脂10の量が少ない。従って、その分、射出して充填するために必要な時間を、従来技術と比較して、短縮することができる。
また、冷却工程において、本願発明は、従来技術と比較して、キャビティ内7における溶融した固体の熱可塑性樹脂(溶融樹脂10)の量が少ない。従って、その分、冷却して熱量を奪うことに必要な時間を短縮することができる。
以上より、本願発明は、溶融工程の開始から冷却工程の終了までの一サイクルに要する時間を、従来技術と比較して大幅に短縮することができる。
また、冷却工程において、本願発明は、従来技術と比較して、キャビティ内7における溶融した固体の熱可塑性樹脂(溶融樹脂10)の量が少ない。従って、その分、冷却して熱量を奪うことに必要な時間を短縮することができる。
以上より、本願発明は、溶融工程の開始から冷却工程の終了までの一サイクルに要する時間を、従来技術と比較して大幅に短縮することができる。
本実施形態の射出成形方法は、固体の熱可塑性樹脂である固体樹脂11を溶融する溶融工程と、溶融工程において溶融する熱可塑性樹脂(固体樹脂11)と同一材料である固体の熱可塑性樹脂である固体樹脂11を射出成形用金型内のキャビティ7に投入する固体樹脂投入工程と、固体樹脂投入工程と同時またはそれ以後に、溶融工程において溶融した熱可塑性樹脂である溶融樹脂10を射出成形用金型内のキャビティ7に射出して、固体樹脂投入工程において投入された固体樹脂11と、溶融樹脂10とを混ぜ合わせる射出工程と、射出工程において混ぜ合わさった熱可塑性樹脂である成形品樹脂Aを冷却する冷却工程と、を具備することを特徴とする。
また、本実施形態において、固体樹脂投入工程における固体樹脂11は、射出工程における射出装置から射出成形用金型内の製品部としてのキャビティ7までの経路である案内部5において固化した熱可塑性樹脂であるランナ部Bを含むことを特徴とする。
またさらに、本実施形態において、射出工程によって射出成形用金型内のキャビティ7が満たされた後に、射出成形用金型内のキャビティ7に射出によって圧力を加える保圧工程を具備することを特徴とする。
またさらに、本実施形態において、射出工程によって射出成形用金型内のキャビティ7が満たされた後に、射出成形用金型内のキャビティ7に射出によって圧力を加える保圧工程を具備することを特徴とする。
また、本実施形態において、固体樹脂投入工程において、射出成形用金型内部のキャビティ7に比較的厚みが大の箇所と比較的厚みの小の箇所とがある場合、少なくとも前記比較的厚みの大の箇所に固体樹脂11を投入することを特徴とする。
本実施形態の射出成形装置1は、固体樹脂11を溶融する溶融部2と、溶融部2において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体樹脂11を射出成形用金型内のキャビティ7に投入する固体樹脂投入手段8と、を備え、固体樹脂投入手段8による投入と同時またはそれ以後に、溶融部2において溶融した溶融樹脂10を射出成形用金型内のキャビティ7に射出して、固体樹脂投入手段8において投入された固体樹脂11と、溶融樹脂10とを混ぜ合わせることを特徴とする。
本実施形態の射出成形装置1は、固体樹脂11を溶融する溶融部2と、溶融部2において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体樹脂11を射出成形用金型内のキャビティ7に投入する固体樹脂投入手段8と、を備え、固体樹脂投入手段8による投入と同時またはそれ以後に、溶融部2において溶融した溶融樹脂10を射出成形用金型内のキャビティ7に射出して、固体樹脂投入手段8において投入された固体樹脂11と、溶融樹脂10とを混ぜ合わせることを特徴とする。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1 射出成形装置、2 溶融部、3 射出成形用金型、4 固定側プレート、
5 案内部、6 可動側プレート、7 キャビティ、8 固体樹脂投入手段、
9 エジェクタピン、10 溶融樹脂、11 固体樹脂、A 成形品樹脂、
A1 本体部、B ランナ部
5 案内部、6 可動側プレート、7 キャビティ、8 固体樹脂投入手段、
9 エジェクタピン、10 溶融樹脂、11 固体樹脂、A 成形品樹脂、
A1 本体部、B ランナ部
Claims (5)
- 固体の熱可塑性樹脂を溶融する溶融工程と、
該溶融工程において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体の熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に投入する固体樹脂投入工程と、
該固体樹脂投入工程と同時またはそれ以後に、前記溶融工程において溶融した熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に射出して、前記固体樹脂投入工程において投入された固体の熱可塑性樹脂と、前記溶融した熱可塑性樹脂とを混ぜ合わせる射出工程と、
該射出工程において混ぜ合わさった熱可塑性樹脂を冷却する冷却工程と、を具備する射出成形方法。 - 請求項1に記載の射出成形方法において、前記固体樹脂投入工程における前記固体の熱可塑性樹脂は、前記射出工程における射出装置から射出成形用金型内の製品部までの経路である案内部において固化した熱可塑性樹脂を含む射出成形方法。
- 請求項1または2に記載の射出成形方法において、前記射出工程によって前記射出成形用金型内が満たされた後に、前記射出成形用金型内に射出によって圧力を加える保圧工程を具備する射出成形方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の射出成形方法において、前記固体樹脂投入工程において、前記射出成形用金型内部に比較的厚みが大の箇所と比較的厚みの小の箇所とがある場合、少なくとも前記比較的厚みの大の箇所に前記固体の熱可塑性樹脂を投入する射出成形方法。
- 固体の熱可塑性樹脂を溶融する溶融部と、
該溶融部において溶融する熱可塑性樹脂と同一材料である固体の熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に投入する固体樹脂投入手段と、を備え、
該固体樹脂投入手段による投入と同時またはそれ以後に、前記溶融部において溶融した熱可塑性樹脂を射出成形用金型内に射出して、前記固体樹脂投入手段において投入された固体の熱可塑性樹脂と、前記溶融した熱可塑性樹脂とを混ぜ合わせる射出成形装置。
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JPS4831388B1 (ja) * | 1969-07-04 | 1973-09-28 | ||
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