JP2003251131A - 微粉塵等の除去システム - Google Patents
微粉塵等の除去システムInfo
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Abstract
ができる微粉塵等の除去システムを提供する。 【解決手段】 少なくとも界面活性剤を含む薬液水溶液
を、粉塵に向けて気泡の形で吹付けて粉塵を気泡の層で
覆う気泡吹付け手段と、少なくとも界面活性剤を含む薬
液水溶液を、空中に浮遊する微粒子に向けて噴霧して霧
により浮遊微粒子を捕集して落下させる噴霧手段とを備
える。
Description
子の両者(以下、微粉塵等という)を除去するためのシ
ステムに関する。本発明は、詳細には、建造物解体現場
や廃棄物処理場や微粉末取扱現場等で微粉塵等の存する
屋外開放環境において、界面活性剤等を含む薬液水溶液
を気泡及び霧の形態で微粉塵等に対して吹付けることに
よって、微粉塵等を捕集するシステムに関する。
取扱現場等では、普段は地面や床面等に堆積しているも
のの風によって舞い上がったあと直ぐに沈降する比較的
大きなサイズの粉塵と、空中に浮遊し続けるために人体
に悪影響を及ぼす微粒子とが共存している。
ば、集塵機で微粒子を捕集したり、粉塵に散水したり、
霧を微粒子に吹付けたりすることが行われているが、こ
れらの除去方法にはそれぞれ以下のような問題がある。
子を吸引する集塵機捕集システムでは、地面や床面に堆
積した粉塵を除去することができない。また、集塵機捕
集システムは、大掛かりな設備投資、ランニングコス
ト、定期的メンテナンス等によって、多大な経費を要す
る。
は、散水ノズルから散布される水滴のサイズが大きいた
めに、地面や床面に堆積した粉塵を一時的に凝着・固定
することはできても、浮遊微粒子を捕集することはでき
ない。また、水というのは粉塵の凝着能力が低いために
多量の水を散布する必要があり、散布された多量の排水
を処理するための設備や費用も必要となる。
屋内に浮遊する微粒子に対して霧化された水を、建屋の
天井や内壁面等に設置されたノズルから吹出すシステム
が開示されている。当該噴霧システムは、小粒子径ゆえ
に長時間空中を浮遊する微粒子に対しては有効な方法で
ある。しかしながら、噴霧システムは、普段は地面や床
面等に堆積している比較的大きなサイズの粉塵に噴霧す
べき水を多量に必要とするので、粉塵に対してはあまり
現実的ではない。
両者を同時に除去することができるシステムは存在しな
い。
合、作業場所や風向きが変わることによって、微粉塵等
の発生・存在場所が時々刻々変わる。特開平11−34
3746号公報に開示された噴霧方式は、ノズルが建屋
内に固定的に設置されているので、屋外に存する微粉塵
等に対して適用することができない。したがって、開放
環境である屋外であっても微粉塵等を効果的に除去でき
る微粉塵等の除去システムの開発が望まれている。
めに、多量の水や薬液水溶液が使用される。その結果、
床面や地面や機械設備の表面が水や薬液水溶液でびっし
ょりと濡れてしまって、作業者が濡れた床面等の上で滑
って危険であるという問題もある。
着・固定されている。しばらくすると散布された水が蒸
発することによって凝着力が低下し、一時的に凝着・固
定された微粉塵等が再び飛散してしまうという問題もあ
る。
解決しようとする課題は、微粒子及び粉塵の両者を同時
に除去することができる微粉塵等の除去システムを提供
することである。
は、微粉塵等の発生・存在する場所が時々刻々変わる屋
外であっても使用可能な微粉塵等の除去システムを提供
することである。
は、濡れた床面等の上でも作業者等が滑りにくい微粉塵
等の除去システムを提供することである。
は、時間が経過しても微粉塵等が再び飛散しにくい微粉
塵等の除去システムを提供することである。
課題を解決するために、本発明は、少なくとも界面活性
剤を含む薬液水溶液を、粉塵に向けて気泡の形で吹付け
て粉塵を気泡の層で覆う気泡吹付け手段と、少なくとも
界面活性剤を含む薬液水溶液を、空中に浮遊する微粒子
に向けて噴霧して霧により浮遊微粒子を捕集して落下さ
せる噴霧手段とを備えることを特徴とする微粉塵等の除
去システムを提供するものである。
扱現場等では、普段は地面や床面等に堆積しているもの
の風によって舞い上がったあと直ぐに沈降する比較的大
きなサイズ(10〜100μm程度あるいは100μm
より大きいサイズ)の粉塵と、空中に浮遊し続けるため
に人体に悪影響を及ぼす微粒子(粒径が大略10μmよ
り小さい)とが共存している。
用いることによって、薬液水溶液の表面張力が大きく低
下して、微粉塵等に対して濡れ易く、すなわち微粉塵と
なじみ易くなる。粉塵及び浮遊微粒子に対しては、それ
ぞれ、気泡吹付け手段及び噴霧手段によって界面活性剤
を含む薬液水溶液が気泡及び霧の形態で吹出される。気
泡吹付け手段から吹出された気泡はおおよそ50μmよ
り大きなサイズであり、吹出された気泡によって、粉塵
上に液膜が形成されて、粉塵の飛散が防止される。ま
た、噴霧手段によって吹出された霧は、上記気泡より小
さくて、おおよそ5〜50μm、好ましくは10μm前
後である。吹出された霧は、非常に微小な粒子であるた
めに本来は表面張力が高いが、界面活性剤によって表面
張力が低下している。微小な霧粒子は、いわゆるブラウ
ン拡散運動を行いながら浮遊微粒子と頻繁に衝突するこ
とによって、浮遊微粒子を捕集する。したがって、粉塵
及び浮遊微粒子が界面活性剤を含む薬液水溶液に接し
て、粉塵同士、浮遊微粒子同士及び粉塵と浮遊微粒子と
が凝集することによって、微粉塵等が確実に捕集され
る。
泡吹付け手段の気泡噴出口及び前記噴霧手段の霧噴出口
の噴出方向をそれぞれ自在に制御することができる噴出
方向制御手段を備え、前記各噴出口は、粉塵及び浮遊微
粒子の発生及び存在する場所に対して気泡及び霧を噴出
する方向に自在に向けられている。
出手段の各噴出口から、気泡及び霧の噴出方向が適宜制
御されながら、粉塵及び浮遊微粒子の発生及び存在する
様々な場所に向けて気泡及び霧が吹出される。その結
果、微粉塵等の発生及び存在が的確且つ迅速に抑制され
る。
御手段は、矢倉のような高所に固定的に設置したり、作
業者が微粉塵等の発生場所及び存在場所に自在に持ち運
ぶことのできる可搬型にすることもできる。気泡噴出手
段、霧噴出手段及び噴出方向制御手段は、好ましくは、
クレーン車や掘削機やフォークリフトやトラック等の自
走式作業重機上に積載される。このように構成すること
により、微粉塵等の発生場所及び存在場所が時々刻々と
移動しても、微粉塵等の発生場所及び存在場所に追従し
て、気泡噴出手段及び霧噴出手段の各噴出口の噴出方向
を変えることができる。したがって、気泡及び霧を微粉
塵等に対して素早く且つ的確に吹付けることができるの
で、微粉塵等の発生及び存在の抑制領域が拡大する。
アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩、直鎖アル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸エ
ステルナトリウム塩、アニオン系のポリオキシエチレン
アルキルエーテル等の陰イオン界面活性剤が使用され
る。陰イオン界面活性剤を含む薬液水溶液から生成され
た霧は、末端基がマイナスに帯電している。一方、陽イ
オン流を浮遊微粒子に向けて噴流する陽イオン噴流手段
を設けることによって、噴流した陽イオン流と結合した
浮遊微粒子が、プラスに帯電する。マイナスに帯電した
霧とプラスに帯電した浮遊微粒子との間に静電引力が作
用するので、霧と浮遊微粒子とが結び付きやすくなる。
したがって、霧による微粉塵等の捕集能力が向上する。
分に解明されていないが、薬液水溶液がアルカリ性であ
る方が、微粉塵等の捕集能力が向上する。
含むことによって、微小な滑り止め粒子が薬液水溶液で
濡れた床面と作業者の靴との間に介在して、床面の摩擦
抵抗が高くなる。したがって、作業者が滑って転倒する
ことが防止される。
0nmである。
する被着剤をさらに含むことによって、吹付けられた微
粉塵等に薄い被膜が形成されるとともに、被膜で覆われ
た微粉塵等が床面や地面上に被着される。その結果、時
間が経過しても、微粉塵等が再び飛散することが防止さ
れる。被着剤としては、人体に対する毒性が低くて水溶
液に溶解する高分子材料、例えば、ポリエチレングリコ
ール、ポリビニルアルコール、メチルセルロース又は澱
粉等が使用可能である。
含むことによって、気泡の吹付けられた微粉塵等が環境
と良くマッチする色に着色されるので、看者に違和感を
与えることがなくなる。
明に係る微粉塵等の除去システムについて説明する。本
発明に係る微粉塵等の除去システムは、建造物解体工事
現場や砕石現場等で使用されて作業中に粉塵や微粒子を
発生させる各種自走式作業重機、すなわち、ブルドーザ
ーや掘削機や振動くい打ち機や自走式クレーン車等に配
設される。
の第1実施形態に係る微粉塵等の除去システムについて
説明する。図1は本発明に係る微粉塵等の除去システム
を自走式のクレーン車10に適用した状態を示す説明図
である。図3は、図1のシステムに使用されて薬液水溶
液を気泡及び霧の形で吹出す吹出し装置を示す図であ
る。
用いて気泡及び霧をそれぞれ噴出するための気泡吹付け
手段及び噴霧手段と、システム全体の動作を制御する制
御装置とから構成されている。
にしてその気泡を粉塵に向けて噴出するためのものであ
る。気泡吹付け手段は、具体的には、薬原液を貯蔵する
薬液タンクと、水を貯蔵する水タンクと、薬原液を発泡
器に送る薬液ポンプと、水を発泡器に送る水ポンプと、
圧縮空気を発泡器に供給するコンプレッサと、薬原液と
水と圧縮空気とを混合して気泡を発生させる発泡器と、
気泡噴出口としての気泡ノズル32を有する気泡用配管
30cと、前記の各構成要素の間をつなぐフレキシブル
チューブ36と、気泡ノズル32の噴出方向を自在に制
御する噴出方向制御装置とを備えている。
ンプとコンプレッサと発泡器とは、自走式クレーン車1
0の本体部側すなわち操縦室12やエンジン室14の周
りに設けられた気泡及び霧発生装置室16に収納されて
いる。また、フレキシブルチューブ36と気泡ノズル3
2と噴出方向制御装置とは、自走式クレーン車10の作
業部側、例えば作業用アタッチメント22(シャンクや
バケットやフォークやシャベル)又は作業用アタッチメ
ント22が取付けられるブーム支柱18の先端に設置さ
れている。自走式クレーン車10は駆動部11で建造物
解体工事現場や砕石現場等を自在に動き回ることができ
る。
にして浮遊微粒子に向けて噴霧するためのものである。
噴霧手段は、具体的には、薬原液を貯蔵する薬液タンク
と、水を貯蔵する水タンクと、薬原液を混合器に送る薬
液ポンプと、水を混合器に送る水ポンプと、圧縮空気を
霧ノズル34に供給するコンプレッサと、薬原液と水と
を混合する混合器と、薬液水溶液と圧縮空気とを混合し
て霧化する霧噴出口としての霧ノズル34を有する霧用
配管30dと、前記の各構成要素の間をつなぐフレキシ
ブルチューブ38と、霧ノズル34の噴出方向を自在に
制御する噴出方向制御装置とを備えている。
と水ポンプとコンプレッサと発泡器と混合器とは、自走
式作業重機の本体部側すなわち操縦室12やエンジン室
14の周りに設けられた気泡及び霧発生装置室16に収
納されている。また、フレキシブルチューブ38と霧ノ
ズル34と噴出方向制御装置とは、自走式作業重機の作
業部側、例えば作業用アタッチメント22(シャンクや
バケットやフォーク)又は作業用アタッチメント22が
取付けられるブーム支柱18の先端に設置されている。
的低圧の圧縮空気を供給する空気用チューブと、薬原液
や水や薬液水溶液を供給する液用チューブと、発泡器と
気泡用配管との間をつなぐ気泡用チューブと、混合器と
霧用配管との間をつなぐ霧用チューブとからなる。ま
た、フレキシブルチューブ36,38には、万が一、ノ
ズル32,34がゴミ等で目詰まりした場合や冬期の凍
結に備えて、ドレインが接続されている。各チューブの
途中部位には、薬原液、水、薬液水溶液及び圧縮空気の
各流量を計測する流量計と、弁の開閉を自動で行なう電
磁弁と、液体の逆流を防止するためのサイホン逆止弁と
が設けられている。これらの部材は上述した制御装置に
よって制御されている。
着剤や滑り止め粒子等が調合された薬原液が充填されて
いる。薬原液は、捕集・除去すべき微粉塵等に応じて、
液の成分や組成を気泡用又は霧用として適宜個別に調合
することもできるが、本実施形態では同じ成分や組成に
している。薬原液を水で薄められた薬液水溶液として
は、典型的には、界面活性剤として、例えば、AOS
(αオレフィンスルフォン酸ナトリウム塩)原液1(体
積で)に対して、水200(体積で)が加えられてい
る。
ケットやフォーク)の代りに、吹出し装置30が自走式
クレーン車10のアーム18の先端部に取付けられて、
吹出し装置30は、使用時にはアーム18が上向きに延
長して、高所に吊り上げられる。
位や形状あるいは除去すべき微粉塵等の領域によって適
宜決定されるが、例えば図3(A)に示すように、全体
として方形形状にすることができる。図3(A)に示し
た吹出し装置30においては、中央列に気泡用配管30
aが配置されるとともに、気泡用配管30aの両側に複
数の霧用配管30bが並列配置されている。気泡用配管
30aは、気泡供給支持配管30cと連通しているとと
もに、気泡供給支持配管30cで回動自在に支持されて
いる。同様に、霧用配管30bは、霧供給支持配管30
dと連通しているとともに、霧供給支持配管30dで回
動自在に支持されている。また、吹出し装置30は、気
泡用配管30a及び霧用配管30bを交互に配置した構
成とすることもできる。
管30dには、気泡用配管30a及び霧用配管30bを
回動させて気泡ノズル32及び霧ノズル34を別個独立
に首を振らせる噴出方向制御装置としての公知の首振り
機構がそれぞれ設けられている。その結果、気泡ノズル
32及び霧ノズル34の噴出方向はそれぞれ別個独立に
制御される。
の気泡ノズル32が直列配置されている。各霧用配管3
0bには、複数の2流体型の霧ノズル34が直列配置さ
れている。なお、霧ノズル34は、100μm程度の比
較的大きな霧でよい場合には1流体型ノズルも使用する
ことができる。しかしながら、圧縮空気及び薬液水溶液
の圧力及び流量を調節することによって、霧サイズを比
較的自由にコントロールでき、且つ、霧を50μmより
さらに微細化することのできる、2流体型ノズルが好ま
しい。
環形状にすることができる。図3(B)に示した吹出し
装置30においては、中央部に円環状の気泡用配管30
aが配置されるとともに、気泡用配管30aの外方部に
円環状の霧用配管30bが略同心に配置されている。気
泡用配管30aが気泡供給支持配管30cと連通してい
るとともに、霧用配管30bが霧供給支持配管30dと
連通している。気泡ノズル32及び霧ノズル34は、そ
れぞれを別個独立に首を振らせる噴出方向制御装置とし
ての公知の首振り機構を介して、気泡用配管30a及び
霧用配管30bに取り付けられている。また、吹出し装
置30は、円環状の気泡用配管30a及び霧用配管30
bを交互に同心に配置した構成とすることもできる。
泡器によって混合されて、AOSを含む気泡が発生す
る。発泡器で発生した気泡は低圧の圧縮空気によってフ
レキシブルチューブ配管36を通って気泡用配管30a
まで圧送されたあと、気泡ノズル32から下向きの気泡
吹出し方向6に気泡が噴出される。その結果、AOSを
含む気泡層が、10〜100μm程度あるいは100μ
mより大きいサイズの粉塵を覆うように形成されて、粉
塵が気泡層によって固定される。
圧縮空気をそれぞれ霧用チューブ及び空気用チューブで
圧送して、霧ノズル34の出口直前で合流させることに
よって、霧ノズル34から下向きの噴霧方向8に微細な
霧が噴出される。その結果、2流体型の霧ノズル34か
ら下向きに広がる円錐状噴霧ゾーンが、粉塵浮遊空間を
覆うように形成されて、浮遊する微粒子(粒径が大略1
0μmより小さい)がAOSを含む微細な霧によって捕
集されて落下する。
果は、以下のような方法で定量的に確認した。すなわ
ち、一つの気泡ノズル32当り、AOSを0.67体積
%含む薬液水溶液を20リットル/分、空気量25リッ
トル/分で、気泡ノズル32から粉塵に対して吹付ける
とともに、一つの霧ノズル34当り、水量0.4リット
ル/分、AOS原液を0.004リットル/分、空気量
94リットル/分で、霧ノズル34から薬液水溶液を浮
遊微粒子に対して噴霧した。そして、日本科学工業製の
光散乱式の高感度デジタル粉塵計(モデル3423)を
用いて、空中に浮遊する10μm以下の微粒子の1分間
のカウント数を計測した。その結果、微粒子の平均濃度
cpm(1分間のカウント数で表わす相対濃度)は、薬
液水溶液の噴霧前のそれよりも約1/10に低減してい
た。したがって、薬液水溶液を噴霧することによって、
大略10μmより小さい微粒子とともにそれより大きい
サイズの粉塵の濃度が大幅に低下した。
子を捕集する微細な霧との両者によって、建造物解体現
場や廃棄物処理場や微粉末取扱現場等の屋外の作業環境
に存する微粉塵等が確実に捕集される。
を下向きに吹付けているが、薬液水溶液を下方から上方
に向けて、横方向から、斜め下向きに、あるいは斜め上
向きに吹付けることもできる。
実施形態に係る微粉塵等の除去システムについて説明す
る。図2は、本発明に係るシステムを自走式のショベル
系掘削機10に適用した場合の説明図である。
以下の点で異なっている。すなわち、自走式掘削機10
のアーム20の先端には、作業用アタッチメント22
(シャンクやバケットやフォーク)が取付けられている
とともに、吹出し装置30がアーム20や操縦室12の
上に取付けられている。また、陽イオン噴流手段として
のイオナイザー24が作業用アタッチメント22の基端
側に設けられている。
管30aがアーム20を囲むように取付けられていると
ともに、霧用配管30が操縦室12の上に取付けられて
いる。
御装置としての公知の首振り機構を介して気泡ノズル3
2が取付けられている。気泡ノズル32は上下左右に首
を振ることができる。例えば、気泡が、気泡ノズル32
から下向きの気泡吹出し方向6に勢いよく噴出される。
その結果、気泡層が粉塵を覆うように形成されて、粉塵
が気泡層によって固定される。
装置としての公知の首振り機構を介して霧ノズル34が
取付けられている。霧ノズル34は上下左右に首を振る
ことができる。例えば、薬液を含む霧が、霧ノズル34
から横向きの噴霧方向8に勢いよく噴霧される。その結
果、薬液を含む霧が、浮遊微粒子に衝突して、浮遊する
微粒子が微細な霧によって捕集されて落下する。
4は、シャンクやバケットやフォーク等の作業用アタッ
チメント22の近傍に設けられており、作業用アタッチ
メント22の先で発生して浮遊する微粒子に向けてプラ
スに帯電した粒子がコンプレッサーからの低圧圧縮空気
によって噴出される。その結果、浮遊微粒子が陽イオン
に帯電する。ところで、界面活性剤として使用されるア
ルファスルホン酸ナトリウム塩は、アニオン系であり、
アルファスルホン酸ナトリウム塩を含む霧は、末端基が
陰イオンに帯電している。したがって、プラスに帯電し
た浮遊微粒子とマイナスに帯電した霧との間に静電引力
が作用するために、霧と浮遊微粒子とが結び付きやすく
なり、霧による微粒子の捕集能力が向上する。
果は、第1実施形態の場合と同様の方法で定量的に確認
した。その結果、平均微粒子濃度cpm(1分間のカウ
ント数で表わす相対濃度)は、薬液水溶液の噴霧前のそ
れよりも約1/10に低減していた。したがって、プラ
スに帯電した浮遊微粒子に対してマイナスに帯電した薬
液水溶液を噴霧することによって、大略10μmより小
さい微粒子とともにそれより大サイズの粉塵の濃度が大
幅に低下した。
に帯電した浮遊微粒子を捕集するマイナスに帯電した霧
との両者によって、建造物解体現場や廃棄物処理場や微
粉末取扱現場等の屋外の作業環境に存する微粉塵等がさ
らに確実に捕集される。
同じシステムを使用しているが、薬液水溶液が界面活性
剤としてのAOSをアルカリ電解水で薄めたものである
点で異なっている。
によって生成されたアルカリ水であって、水素イオン濃
度(pH)が約8.5〜9である。
りにアルカリ電解水を用いて、AOSを含むアルカリ電
解水溶液を微粉塵等に対して吹付けると、普通の水で薄
めて作った薬液水溶液と同程度の、微粉塵等の捕集力を
有していた。
同じシステムを使用しているが、気泡又は霧として噴出
される薬液水溶液が、界面活性剤及び被着剤を含むもの
である点で異なっている。
ールを使用する。本発明に係る水溶性被着剤は、吹付け
られた微粉塵等に薄い被膜を形成するとともに、被膜で
覆われた微粉塵等が床面や地面上に被着される。その結
果、時間が経過しても、微粉塵等が再び飛散することが
防止される。被着剤を含む薬液水溶液は、広い範囲に噴
霧されるために人に吸引される可能性があるので、人体
に対する毒性が低くて水溶液に溶解する高分子材料、例
えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース又は澱粉等が使用可能である。
及びポリエチレングリコールを含む薬液水溶液を微粉塵
等に対して吹付けると、普通の薬液水溶液と同程度の、
微粉塵等の捕集力を有していた。それとともに、捕集さ
れて地面3や床面の上に堆積した微粉塵等は、時間を経
ると乾燥する。しかしながら、被膜で覆われた微粉塵等
が床面や地面3の上に被着しているので、風が吹いて
も、床面や地面3の上に被着した微粉塵等が舞い上がる
ことがなく、新たな微粉塵等の飛散が防止される。
同じシステムを使用しているが、気泡又は霧として噴出
される薬液水溶液が、界面活性剤及び滑り止め粒子を含
むものである点で異なっている。
使用されている。滑り止め粒子は、例えば、日産化学
(株)製のスノーテックス30番であり、その粒子の直
径は、1〜100nm、好ましくは5〜30nmであ
る。滑り止め粒子は、薬液水溶液に対して、0.1〜1
0体積%、好ましくは0.5〜5体積%の割合で添加さ
れる。薬液水溶液に添加された微小な滑り止め粒子は、
薬液水溶液で濡れた地面や床面や機械設備の表面と作業
者の靴との間に介在して、床面等の摩擦抵抗を高くす
る。したがって、作業者が滑って転倒することが防止さ
れる。
着剤や滑り止め粒子が添加されているが、微粉塵等から
発せられる有害ガスや独特の臭気を除去する脱臭剤(例
えばオルガノ社製の植物系脱臭剤:サニクリーンシリー
ズ)を適宜添加することができる。また、界面活性剤を
含む薬液水溶液の気泡が微粉塵等に吹付けられると、吹
付けられた微粉塵等が白く泡立って目立ってしまうため
に、周りの者に違和感を与えてしまう。したがって、微
粉塵等の発生している環境に良く馴染んで落ち付いた
色、すなわち茶色やベージュ色(微粉塵が土系の場合)
や灰色(微粉塵がコンクリート系の場合)等の着色剤も
適宜添加することができる。着色剤としては、人体に害
の少ない食品用着色剤や入浴用着色剤、例えば、茶色で
あれば、カラメル、カロチン、チョコカラー、ブラウン
カラーLあるいはブラウンカラー500P等が使用され
る。
して定量的に調べた。すなわち、微粉塵が飛散する状態
を人工的に発生させて、地面から約4mの高さに設置し
たノズルから薬液水溶液を微粉塵等に向けて噴霧した。
そして、約2m離れた位置に設置した日本科学工業製の
光散乱式の高感度デジタル粉塵計(モデル3423)で
浮遊微粒子量(mg/m3)を1分間測定した。ここ
で、AOS溶液とは、1体積%のαオレフィンスルフォ
ン酸ナトリウム塩を水に溶解させたものである。アルカ
リ水とは、アルカリイオン電解水であって、水素イオン
濃度(pH)が約8.5〜9である。イオン化とは、ヒ
ューグルエレクトロニクス(株)のDC型イオナイザー
でプラスに帯電させた陽イオン流を微粉塵等に対して直
接吹付けた。DC型イオナイザーは、タングステン針又
はポリシリコン針を備えてなり、パルスDC方式とダブ
ルDC方式とに任意に設定できる。
場合では、浮遊微粒子が約33%低減した。AOS溶液
とイオナイザーとを組み合わせた場合では、浮遊微粒子
が約61%低減した。アルカリ電解水単独の場合では、
浮遊微粒子が約23%低減した。アルカリ電解水とイオ
ナイザーとを組み合わせた場合では、浮遊微粒子が約2
5%低減した。AOS溶液とアルカリ電解水とを組み合
わせた場合では、浮遊微粒子が約52%低減した。AO
S溶液とアルカリ電解水とイオナイザーとを組み合わせ
た場合では、浮遊微粒子が約61%低減した。
量的に調べた。すなわち、基板上に0.4gの微粉塵等
を均一に散布した状態で、以下に示す薬液水溶液を吹付
ける。そして、120度で約7分間乾燥した後の基板上
の微粉塵等の重量を測定する。斜め下方に吹付けるエア
ーブローを行った後の基板上に残った微粉塵等の重量を
測定する。エアーブローの前後で微粉塵等が減少した割
合を微粉塵変化率とした。ここで、AOS溶液とは、1
体積%のαオレフィンスルフォン酸ナトリウム塩を水に
溶解させたものである。また、PEGとは、ポリエチレ
ングリコール液であって、水に5体積%又は10体積%
を添加したものである。
場合には、エアーブローによって約21%の微粉塵等が
飛散したが、AOS溶液にPEGを体積%又は10体積
%を添加した場合には、エアーブローによって微粉塵等
の重量が全く変化していない。このように、AOS溶液
単独の場合には、乾燥によってAOS溶液の膜が消滅す
るが、AOS溶液にPEGを添加した場合には、微粉塵
上にPEGの被膜が形成されて、微粉塵が飛散しにくく
なっていると考えられる。
にして定量的に調べた。すなわち、アクリル板上にアク
リル円板(直径50mm×高さ10mm)を載置した状
態で、以下に示す薬液水溶液を吹付ける。そして、アク
リル板の一端を持ち上げてアクリル板を傾斜させて、ア
クリル円板がアクリル板上を滑り始めるときの傾斜角度
(傾斜開始角度)を測定する。傾斜開始角度を滑り易さ
の評価基準とした。つまり、傾斜開始角度が小さい方
が、滑りにくくことを表わしている。ここで、AOS溶
液とは、1体積%のαオレフィンスルフォン酸ナトリウ
ム塩を水に溶解させたものである。また、シリカの球形
粒子からなる滑り止め粒子を、AOS溶液に対して0.
5体積%、2.5体積%又は10体積%の割合で添加し
ている。
場合には、滑走開始角度が小さくなっていることから、
アクリル板上が滑りやすくなっている。これに対して、
滑り止め粒子をAOS溶液に添加すると、滑走開始角度
が少し大きくなっていることから、アクリル板の表面が
滑りにくくなっている。このように、AOS溶液単独の
場合には表面活性剤によって滑りやすくなっているのに
対して、AOS溶液に少量の滑り止め粒子を添加した場
合には、添加した滑り止め粒子のピン止め効果によって
アクリル板の表面の摩擦抵抗が高くなっていると考えら
れる。
ムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、以
下のように変形された構成にすることも可能である。
プと水ポンプとコンプレッサと発泡器と混合器等の気泡
及び霧の発生装置がトラック上に積載されるとともに、
それらとホースで接続された吹出し装置(気泡噴出手段
及び霧噴出手段)が、作業者によって微粉塵等の発生場
所及び存在場所に自在に持ち運ばれて使用される可搬型
にすることもできる。また、気泡及び霧の発生装置がト
ラック上に積載されるとともに、それらとホースで接続
された吹出し装置がフォークリフトのフォーク部に対し
て上下左右に回動自在に取付けられた構成とすることも
できる。
システムを示す説明図である。
システムを示す説明図である。
吹出し装置を示す斜視図である。(A)は直管タイプの
ものであり、(B)は円環タイプのものである。
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも界面活性剤を含む薬液水溶液
を、粉塵に向けて気泡の形で吹付けて粉塵を気泡の層で
覆う気泡吹付け手段と、 少なくとも界面活性剤を含む薬液水溶液を、空中に浮遊
する微粒子に向けて噴霧して霧により浮遊微粒子を捕集
して落下させる噴霧手段とを備えることを特徴とする微
粉塵等の除去システム。 - 【請求項2】 前記気泡吹付け手段の気泡噴出口及び前
記噴霧手段の霧噴出口の噴出方向をそれぞれ自在に制御
することができる噴出方向制御手段を備え、 前記各噴出口は、粉塵及び浮遊微粒子の発生及び存在す
る場所に対して気泡及び霧を噴出する方向に自在に向け
られることを特徴とする、請求項1記載の除去システ
ム。 - 【請求項3】 前記気泡噴出手段、霧噴出手段及び噴出
方向制御手段は、自走式作業重機上に積載されているこ
とを特徴とする、請求項2記載の除去システム。 - 【請求項4】 前記界面活性剤として陰イオン界面活性
剤が使用されるとともに、陽イオン流を浮遊微粒子に向
けて噴流する陽イオン噴流手段をさらに備えることを特
徴とする、請求項1記載の除去システム。 - 【請求項5】 前記薬液水溶液がアルカリ性であること
を特徴とする、請求項1記載の除去システム。 - 【請求項6】 前記薬液水溶液は微小な滑り止め粒子を
さらに含むことを特徴とする、請求項1記載の除去シス
テム。 - 【請求項7】 前記滑り止め粒子の直径が5〜30nm
であることを特徴とする、請求項6記載の除去システ
ム。 - 【請求項8】 前記薬液水溶液は微粉塵等を結合する被
着剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の除
去システム。 - 【請求項9】 前記薬液水溶液は着色剤をさらに含むこ
とを特徴とする、請求項1記載の除去システム。
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