JP6937790B2 - 作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、解体現場で建築物の壁などを把持して破砕する破砕機を備える作業機械に係わり、特にコンクリートなどを破砕する際に発生する粉塵を抑えるための散水装置を備えた作業機械に関する。
従来より、建築物に採用されているコンクリート製の壁など(以下、「対象物」と表記する。)を把持して破砕する破砕機を備える作業機械が知られている。このような作業機械を用いた解体作業では、砕けたコンクリートから粉塵が発生するので、例えば、散水により破砕対象表面を濡らすことで、粉塵の拡散を抑えるような対策が取られている(特許文献1参照)。
また、散水作業は、一時的にタンクに貯水し、タンクから水を吸いあげて散水するのが一般的である。しかしながら、水を無駄に使用すると、タンクに水を貯める手間がふえるため、極力節水することも求められる。そこで、特許文献1には、破砕機が閉じ始めるタイミングで散水を開始することによって、粉塵の拡散抑制と節水とを両立させる技術が開示されている。
特公平2−4345号公報
しかしながら、コンクリートの内部に水がしみこまないため、特許文献1の技術では、対象物の表面に付着した粉塵の拡散を抑制することはできるものの、対象物に亀裂が進展した際や砕けた際に発生する粉塵までは抑えることができない。特に、市街地で高層の建築物を解体する場合には、高所での破砕作業で発生したコンクリートの破砕物の飛散を防止するなど、周囲環境への影響を抑える必要がある。
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象物が破砕される過程で生じる粉塵の拡散を効率的に抑制可能な作業機械を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る作業機械の一態様は、作動油を圧送するメインポンプと、前記メインポンプから作動油の供給を受けて、把持した対象物を破砕する破砕機と、前記破砕機に供給される作動油の圧力を示す第1圧力信号を、所定の時間間隔で繰り返し出力する第1センサとを備える作業機械において、タンクから供給される水を前記対象物に向けて線状に噴射する第1ノズルと、前記タンクから供給される水を前記対象物の周りに霧状に噴射する第2ノズルと、前記第1センサから出力される前記第1圧力信号に基づいて、前記第1ノズル及び前記第2ノズルからの水の噴射を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記第1センサから繰り返し出力される前記第1圧力信号に基づいて、単位時間当たりの圧力の変化量を演算し、演算した前記変化量が閾値幅以上になった場合に、前記第1ノズルからの水の噴射を停止し、且つ前記第2ノズルからの水の噴射を開始することを特徴とする。
本発明によれば、対象物が破砕される過程で生じる粉塵の拡散を効率的に抑制することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本実施形態に係る解体車両を示す側面図である。 破砕機を駆動させる油圧回路を示す図である。 ATT作動圧及びパイロット圧の推移の例を示す図である。 図3の領域IVの拡大図である。 散水装置の回路図である。 散水破砕処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係る解体車両1の各実施形態について説明する。なお、各実施形態において同一の構成については同一符号を付して重複する説明を省略する。また、各実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲において、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る作業機械の代表例である解体車両1を示す側面図である。図1に示すように、解体車両1は、自走可能な下部走行体2と、下部走行体2に旋回可能に支持された上部旋回体3とを主に備える。
下部走行体2は、各々が前後方向に延びる左右一対の無限走行履帯を備える。エンジン(図示省略)の駆動力が油圧モータ(図示省略)を通じて無限走行履帯に伝達されることにより、下部走行体2が走行する。なお、図1ではクローラ式の解体車両1を図示しているが、装輪式でもよい。
上部旋回体3は、ベースとなる旋回フレーム4と、旋回フレーム4の前部中央に起伏可能に支持されたフロント装置5と、旋回フレーム4の前部左側に設けられたキャブ6と、エンジン(図示省略)、油圧回路(図2参照)、後述する散水装置30の駆動回路(図5参照)等を収容する建屋カバー8とを主に備える。
フロント装置5は、下ブーム9、中ブーム10、上ブーム11からなるマルチブームと、上ブーム11の先端に回動可能に連結されたミドルアーム12と、ミドルアーム12の先端側に回動可能に連結されたアーム13と、アーム13の先端に回動可能に連結された破砕機14とを主に備える。
このように、マルチブーム式のフロント装置5を備える解体車両1は、例えば、建築物等の地上高さが高い構造物を解体するのに好適に用いられる。但し、フロント装置5はマルチブーム式に限定されず、シングルブーム式であってもよい。
下ブーム9は、旋回フレーム4に前部中央に回動可能に連結されている。マルチブームは、下ブーム9と上部旋回体3との間に設けられたブームシリンダ15の伸縮によって、上部旋回体3に対して上下方向に起伏する。ミドルアーム12は、上ブーム11とミドルアーム12との間に設けられたミドルアームシリンダ16の伸縮によって、マルチブームに対して起伏する。アーム13は、ミドルアーム12とアーム13との間に設けられたアームシリンダ17の伸縮によって、ミドルアーム12に対して起伏する。
キャブ6には、解体車両1を操作するオペレータが搭乗する内部空間が形成されている。キャブ6の内部には、オペレータが着席するシート(図示省略)と、シートに着席したオペレータが操作する操作装置(ステアリング、ペダル、レバー、スイッチなど)が配置されている。キャブ7に搭乗したオペレータが操作装置を操作することによって、下部走行体2が走行し、上部旋回体3が旋回し、フロント装置5が動作する。また、操作装置は、後述する操作レバー27を含む。
破砕機14は、対象物を把持して破壊するアタッチメントである。破砕機14は、アーム13と破砕機14との間に設けられたチルトシリンダ18の伸縮によって、アーム13に対して起伏する。破砕機14は、図2に示すように、対象物を把持する一対の爪19と、一対の爪19を開閉させる開閉シリンダ20とを主に備える。
図2は、破砕機14を駆動させる油圧回路を示す図である。図2に示すように、解体車両1は、作動油タンク21と、メインポンプ22と、パイロットポンプ23と、リリーフ弁24、25と、方向切換弁26(バルブ)と、操作レバー27(操作装置)と、圧力センサ28、29とを主に備える。
メインポンプ22は、図示していないエンジンの駆動力が伝達されることによって、作動油タンク21に貯留された作動油を、方向切換弁26通じて開閉シリンダ20に圧送する。パイロットポンプ23は、図示していないエンジンの駆動力が伝達されることによって、作動油タンク21に貯留された作動油を、操作レバー27の操作量に比例した圧力のパイロット圧油として出力する2つのパイロット弁に圧送する。
リリーフ弁24は、メインポンプ22から圧送される作動油の圧力の上限(例えば、30MPa)を規制する。リリーフ弁25は、パイロットポンプ23から圧送されるパイロット圧油の圧力の上限(例えば、3MPa)を規制する。
方向切換弁26は、メインポンプ22から開閉シリンダ20に供給される作動油の供給方向及び供給量(流量)を制御する。方向切換弁26は、中立位置Aと、第1位置Bと、第2位置Cとに切換可能に構成されている。また、方向切換弁26は、第1パイロットポート26aと、第2パイロットポート26bとを備える。
中立位置Aの方向切換弁26は、メインポンプ22から開閉シリンダ20に至る作動油の流路を遮断する。第1位置Bの方向切換弁26は、開閉シリンダ20のボトム室に作動油を供給し、開閉シリンダ20のロッド室から作動油を流出させる。第2位置Cの方向切換弁26は、開閉シリンダ20のロッド室に作動油を供給し、開閉シリンダ20のボトム室から作動油を流出させる。方向切換弁26の初期位置は、中立位置Aである。
操作レバー27の操作に応じて一方のパイロット弁からのパイロット圧油が第1パイロットポート26aに供給されると、方向切換弁26は第1位置Bに切り換わる。一方、操作レバー27の操作に応じて他方のパイロット弁からのパイロット圧油が第2パイロットポート26bに供給されると、方向切換弁26は第2位置Cに切り換わる。また、方向切換弁26は、パイロットポート26a、26bに供給されるパイロット圧油の圧力が高いほど、開閉シリンダ20に供給する作動油の流量を増加させる。
操作レバー27は、オペレータによる操作方向(倒伏方向)によって、パイロットポンプ23から方向切換弁26へのパイロット圧油の供給方向を制御する。より詳細には、オペレータが操作レバー27を第1方向に倒伏させると、その操作量に応じて一方のパイロット弁から出力されたパイロット圧油が第1パイロットポート26aに供給される。一方、オペレータが操作レバー27を第2方向に倒伏させると、その操作量に応じて他方のパイロット弁から出力されたパイロット圧油が第2パイロットポート26bに供給される。
また、操作レバー27は、オペレータによる操作量(倒伏量)によって、方向切換弁26に供給するパイロット圧油の圧力を制御する。より詳細には、操作レバー27の倒伏量が大きいほど、パイロット弁から方向切換弁26に供給されるパイロット圧油の圧力が高くなる。一方、操作レバー27の倒伏量が小さいほど、パイロット弁から方向切換弁26に供給されるパイロット圧油の圧力が低くなる。すなわち、操作レバー27は、操作量に応じてパイロット圧油の圧力を増減させる。
以上のように、オペレータが操作レバー27を第1方向に倒伏させると(以下、「閉じ操作」と表記する。)、その操作量に応じて一方のパイロット弁から第1パイロットポート26aに供給されるパイロット圧油によって、方向切換弁26が第1位置Bに切り換えられる。これにより、開閉シリンダ20が伸長して、破砕機14の一対の爪19が閉じる。一方、オペレータが操作レバー27を第2方向に倒伏させると(以下、「開き操作」と表記する。)、その操作量に応じて他方のパイロット弁から第2パイロットポート26bに供給されるパイロット圧油によって、方向切換弁26が第2位置Cに切り換えられる。これにより、開閉シリンダ20が縮小して、破砕機14の一対の爪19が開く。
圧力センサ28(第1センサ)は、開閉シリンダ20のボトム室に供給される作動油の圧力(以下、「ATT作動圧」と表記する。)を検出する。換言すれば、圧力センサ28は、一対の爪19を閉じさせる向きの作動油の圧力を検出する。さらに換言すれば、圧力センサ28は、破砕機14が対象物に加える力の大きさを検出する。そして、圧力センサ28は、検出した圧力を示す第1圧力信号を、後述するコントローラ40(図5参照)に出力する。
圧力センサ29(第2センサ)は、方向切換弁26の第1パイロットポート26aに供給されるパイロット圧油の圧力を検出する。換言すれば、圧力センサ29は、一対の爪19を閉じさせようとするオペレータの操作量を検出する。そして、圧力センサ28は、検出した圧力を示す第2圧力信号をコントローラ40に出力する。
次に、図3及び図4を参照して、破砕機14が対象物を破壊する際のATT作動圧及びパイロット圧の推移を説明する。図3は、圧力センサ28、29によって検出される圧力(ATT作動圧、パイロット圧)の推移の例を示す図である。図4は、図3の領域IVの拡大図である。
まず、操作レバー27に対してオペレータが閉じ操作を開始すると(a)、パイロット圧が徐々に上昇し、これに連動してATT作動圧も徐々に上昇する。これにより、一対の爪19が閉じ始める。次に、一対の爪19が対象物を把持すると(c)、ATT作動圧が急上昇する。そして、一対の爪19に把持された対象物に亀裂が生じると(d)破壊が始まり、それによって負荷が小さくなると、ATT作動圧が急降下する。
その後、対象物が小破壊を繰り返す過程で(f、g、h)、ATT作動圧の上昇及び降下が繰り返される。なお、図5の(a)〜(i)までの間、操作レバー27に対する閉じ操作が継続している。そのため、上限値(3MPa)まで上昇したパイロット圧は一定する。そして、オペレータが操作レバー27に対する閉じ操作をやめると(i)、パイロット圧が降下し、これに連動してATT作動圧も降下する。
また、図1に示すように、解体車両1には、タンク31に貯留された水を散水する散水装置30が搭載されている。散水装置30は、タンク31と、ポンプ32と、ホース33と、第1ノズル34と、第2ノズル35と、散水バルブ36と、ノズル切換バルブ37とを主に備える。
本実施形態に係る散水装置30は、水を貯留するタンク31と、タンク31に貯留された水を汲み上げるポンプ32とが解体車両1外に設置されている。但し、タンク31及びポンプ32は解体車両1に搭載されていてもよい。
ホース33は、ポンプ32とノズル34、35とを接続する。すなわち、ホース33は、ポンプ32によって汲み上げられた水を、ノズル34、35に供給する。ホース33は、フロント装置5のブーム9〜11及びアーム12、13に沿って延設されている。また、ホース33は可撓性を有し、フロント装置5の起伏に追従して撓むことができる。
ノズル34、35は、アーム13の先端に破砕機14の方向を向けて取り付けられている。ノズル34、35は、ホース33を通じてタンク31から供給された水を、破砕機14が把持する対象物に向けて散水する。なお、対象物とは、解体の対象となる建築物の一部、破壊された瓦礫などを指す。また、対象物の材質は、コンクリート、レンガ、鉄など様々である。
第1ノズル34は、対象物に向けて線状の水を散水する。「線状」とは、例えば、水が大きく拡散せずに束になった状態を指す。一方、第2ノズル35は、対象物の周りに霧状の水を散水する。「霧状」とは、例えば、微小な水滴が多方向に拡散された状態を指す。
より詳細には、第1ノズル34は、単一の散水口から水を放出する。一方、第2ノズル35は、互いに異なる方向を向く複数の散水口から分散して水を放出する。そして、第2ノズル35の複数の散水口それぞれの直径は、第1ノズル34の散水口の直径より小さい。また、第2ノズル35の散水口の開口面積の合計は、第1ノズル34の散水口の開口面積より大きい。そのため、第2ノズル35は、第1ノズル34と比較して、放出する水の拡散率が高く、且つ放出する水の勢いが弱い。
第1ノズル34の向きは、破砕機14が把持する対象物に水が直接当たるように調整される。第2ノズル35の向きは、破砕機14が把持する対象物を水で包み込むように調整される。なお、ノズル34、35は、アーム13の先端に設置されることに限定されず、破砕機14に設置されてもよい。また、ノズル34、35は、チルトシリンダ18の伸縮に連動して(破砕機14の起伏に追従して)、向きを変更可能に構成されていてもよい。
図5は、散水装置30の回路図である。散水バルブ36及びノズル切換バルブ37は、タンク31からノズル34、35に至る流路に設けられている。本実施形態において、散水バルブ36は、ノズル切換バルブ37より水の流通方向の上流側に設けられている。散水バルブ36及びノズル切換バルブ37は、コントローラ40に制御されて、散水装置30の散水方法を切り換える。
散水バルブ36は、タンク31からノズル34、35に水を流通させるか否かを制御する電磁弁である。より詳細には、散水バルブ36は、タンク31からノズル34、35への水の流通を遮断する閉位置Dと、タンク31からノズル34、35への水の流通を許容する開位置Eとに切換可能に構成されている。散水バルブ36は、閉位置Dが初期位置であり、コントローラ40から制御電圧が印加されると開位置Eに切り換えられ、制御電圧の印加が停止すると閉位置Dに戻る。
ノズル切換バルブ37は、散水バルブ36を通過した水を、第1ノズル34及び第2ノズル35の一方に供給する電磁弁である。より詳細には、ノズル切換バルブ37は、第1ノズル34に水を供給する線状位置Fと、第2ノズル35に水を供給する霧状位置Gとに切換可能に構成されている。ノズル切換バルブ37は、線状位置Fが初期位置であり、コントローラ40から制御電圧が印加されると霧状位置Gに切り換えられ、制御電圧の印加が停止すると線状位置Fに戻る。
コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、及びRAM(Random Access Memory)43を備える。コントローラ40は、ROM42に格納されたプログラムコードをCPU41が読み出して実行することによって、後述する処理を実現する。RAM43は、CPU41がプログラムを実行する際のワークエリアとして用いられる。
但し、コントローラ40の具体的な構成はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。
本実施形態に係るコントローラ40は、散水バルブ36及びノズル切換バルブ37を切り換えることによって、第1ノズル34及び第2ノズル35からの水の噴射を制御する。より詳細には、コントローラ40は、圧力センサ28、29から圧力信号を取得し、取得した圧力信号に基づいてバルブ36、37に制御電圧を印加する。
次に、図6を参照して、コントローラ40が実行する散水破砕処理を説明する。図6は、散水破砕処理のフローチャートである。散水破砕処理は、破砕機14によって対象物を破砕する過程において、適切なタイミングでノズル34、35からの水の噴射を開始及び停止する処理である。なお、散水破砕処理の開始時点において、コントローラ40は、バルブ36、37に制御電圧を印加していないものとする。
まず、コントローラ40は、圧力センサ29から出力される第2圧力信号に基づいて、パイロット圧が閾値圧力Pth以上か否かを判定する(S11)。すなわち、コントローラ40は、圧力センサ29から第2圧力信号を取得し、取得した第2圧力信号で示されるパイロット圧と閾値圧力Pthとを比較する処理を、所定の時間間隔で繰り返し実行する。なお、閾値圧力Pthは、破砕機14で対象物を破壊するために、操作レバー27に対してオペレータが閉じ操作を行ったと判断できる値に設定される。
コントローラ40は、パイロット圧が閾値圧力Pth未満の間(S11:No)、ステップS12以降の処理に進まない。そして、コントローラ40は、パイロット圧が閾値圧力Pth以上になったと判定すると(S11:Yes)、散水バルブ36に制御電圧を印加する(S12)。一方、ノズル切換バルブ37には制御電圧が印加されない。
これにより、図3の(b)の時点において、散水バルブ36が閉位置から開位置に切り換わり、ノズル切換バルブ37が線状位置なので、第1ノズル34からの散水が開始される。そして、コントローラ40は、後述するステップS17までの間、散水バルブ36に制御電圧を印加し続ける。なお、ポンプ32は、散水破砕処理の開始時点で既に駆動されていてもよいし、ステップS12の時点で駆動開始されてもよい。
次に、コントローラ40は、第1ノズル34からの散水を開始した時点から、ATT作動圧の時間変化を監視する(S13、S14)。より詳細には、コントローラ40は、所定の時間ごとに圧力センサ28から第1圧力信号を取得し、取得した第1圧力信号で示されるATT作動圧をRAM43に記憶させる(S13)。また、コントローラ40は、RAM43に記憶させたATT作動圧の単位時間当たりの降下量ΔPを演算する。そして、コントローラ40は、演算した降下量ΔPが閾値幅ΔPth以上か否かを判定する(S14)。
例えば、図4の(d)〜(e)間の経過時間をΔT、ATT作動圧の降下量をΔPとすると、(d)〜(e)間における単位時間当たりのATT作動圧の降下量は、ΔP=(ΔP/ΔT)で表される。また、閾値幅ΔPthは、破砕機14によって把持された対象物に亀裂が生じたと判断できる値に設定される。
コントローラ40は、単位時間当たりのATT作動圧の降下量ΔPが閾値幅ΔPth未満の間(S14:No)、ステップS15以降の処理に進まない。そして、コントローラ40は、単位時間当たりのATT作動圧の降下量ΔPが閾値幅ΔPth以上になったと判定すると(S14:Yes)、ノズル切換バルブ37に制御電圧を印加する(S15)。
これにより、図4の(e)の時点において、ノズル切換バルブ37が線状位置から霧状位置に切り換わるので、第1ノズル34からの散水が停止し、第2ノズル35からの散水が開始される。そして、コントローラ40は、後述するステップS17までの間、ノズル切換バルブ37に制御電圧を印加し続ける。
次に、コントローラ40は、第2ノズル35からの散水を開始した時点から、パイロット圧が閾値圧力Pth未満か否かを判定する(S16)。すなわち、コントローラ40は、圧力センサ29から第2圧力信号を取得し、取得した第2圧力信号で示されるパイロット圧と閾値圧力Pthとを比較する処理を、所定の時間間隔で繰り返し実行する。なお、ステップS11、S16で用いる閾値圧力Pthは、同一の値でもよいし、異なる値でもよい。
コントローラ40は、パイロット圧が閾値圧力Pth以上の間(S16:No)、ステップS17以降の処理に進まない。そして、コントローラ40は、パイロット圧が閾値圧力Pth未満になったと判定すると(S16:Yes)、バルブ36、37への制御電圧の印加を停止する(S17)。これにより、図3の(j)の時点において、第2ノズル35からの散水が停止する。
本実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
上記の実施形態によれば、オペレータが破砕機14で対象物を破壊しようとしたタイミングで(図3の(b))、第1ノズル34から線状の水が噴射される。これにより、対象物の表面が濡れるので、破砕機14が対象物を把持した際の振動などによって、対象物の表面に付着した粉塵が拡散するのを防止することができる。
また、上記の実施形態によれば、破砕機14が把持した対象物に亀裂が生じたタイミングで(図4の(e))、第2ノズル35から霧状の水が噴射される。これにより、対象物が霧状の水で包み込まれるので、亀裂の内部から生じた粉塵が拡散するのを防止することができる。その結果、市街地で高層の建築物を解体する場合でも、高所での破砕作業で発生したコンクリートの破砕物の飛散を防止することができ、周囲環境への影響を最小限に抑えることができる。
そして、対象物が破砕される過程において(図3の(a)〜(j))、適切なタイミングで散水方法を切り換えることによって、粉塵の拡散を効率的に抑制することができる。なお、破砕機14が高所で対象物を破砕するマルチブーム式の解体車両1のように、破砕機14の近傍に作業員が近づけなかったり、破砕機14による解体の進捗状況を作業員が目視できない作業機械に本発明を適用すれば、特に有利な作用効果を奏する。
また、上記の実施形態によれば、パイロット圧が閾値圧力Pth以上になったタイミングで散水を開始し(図3の(b))、パイロット圧が閾値圧力Pth未満になったタイミングで散水を停止する(図3の(j))。これにより、粉塵の発生する確率が高い期間(図3の(b)〜(J))にだけ散水されるので、粉塵の拡散防止と節水とを両立させることができる。
[変形例]
散水方法を第1ノズル34から第2ノズル35に切り換えるタイミングは、図4の(e)に限定されない。他の例として、コントローラ40は、ステップS14において、単位時間当たりのATT作動圧の上昇量ΔPを演算し、演算した上昇量ΔPが閾値幅ΔPth以上か否かを判定してもよい。
例えば、図4の(c)〜(d)間の経過時間をΔT、ATT作動圧の上昇量をΔPとすると、(c)〜(d)間における単位時間当たりのATT作動圧の上昇量は、ΔP=(ΔP/ΔT)で表される。そして、コントローラ40は、単位時間当たりのATT作動圧の上昇量ΔPが閾値幅ΔPth以上になったと判定したタイミングで(S14:Yes)、ノズル切換バルブ37に制御電圧を印加してもよい(S15)。
これにより、図4の(d)の時点において、第1ノズル34からの散水が停止し、第2ノズル35からの散水が開始される。その結果、対象物に亀裂が生じる直前に霧状の水で対象物を包み込むことができるので、亀裂の内部から発生する粉塵の拡散をより効率的に防止することができる。
また、コントローラ40は、ステップS14において、単位時間当たりのATT作動圧の上昇量、及び単位時間当たりのATT作動圧の降下量の両方を監視してもよい。すなわち、コントローラ40は、単位時間当たりのATT作動圧の変化量(上昇量または降下量)が閾値幅ΔPth以上になったと判定したタイミングで(S14:Yes)、散水方法を第1ノズル34から第2ノズル35に切り換えればよい(S15)。
さらに、本発明は、下部走行体2を備えない作業機械にも適用可能である。すなわち、地面から上方に延びるポストの上端に、図1の上部旋回体3が旋回可能に支持される構成であってもよい。
1 解体車両(作業装置)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 旋回フレーム
5 フロント装置
6 キャブ
9 下ブーム
10 中ブーム
11 上ブーム
12 ミドルアーム
13 アーム
14 破砕機
15 ブームシリンダ
16 ミドルアームシリンダ
17 アームシリンダ
18 チルトシリンダ
19 一対の爪
20 開閉シリンダ
21 作動油タンク
22 メインポンプ
23 パイロットポンプ
24,25 リリーフ弁
26 方向切換弁(バルブ)
27 操作レバー(操作装置)
28,29 圧力センサ
30 散水装置
31 タンク
32 ポンプ
33 ホース
34 第1ノズル
35 第2ノズル
36 散水バルブ
37 ノズル切換バルブ
40 コントローラ
41 CPU
42 ROM
43 RAM

Claims (5)

  1. 作動油を圧送するメインポンプと、
    前記メインポンプから作動油の供給を受けて、把持した対象物を破砕する破砕機と、
    前記破砕機に供給される作動油の圧力を示す第1圧力信号を、所定の時間間隔で繰り返し出力する第1センサとを備える作業機械において、
    タンクから供給される水を前記対象物に向けて線状に噴射する第1ノズルと、
    前記タンクから供給される水を前記対象物の周りに霧状に噴射する第2ノズルと、
    前記第1センサから出力される前記第1圧力信号に基づいて、前記第1ノズル及び前記第2ノズルからの水の噴射を制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    前記第1センサから繰り返し出力される前記第1圧力信号に基づいて、単位時間当たりの圧力の変化量を演算し、
    演算した前記変化量が閾値幅以上になった場合に、前記第1ノズルからの水の噴射を停止し、且つ前記第2ノズルからの水の噴射を開始することを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記コントローラは、
    前記第1センサから繰り返し出力される前記第1圧力信号に基づいて、単位時間当たりの圧力の降下量を演算し、
    演算した前記降下量が前記閾値幅以上になった場合に、前記第1ノズルからの水の噴射を停止し、且つ前記第2ノズルからの水の噴射を開始することを特徴とする作業機械。
  3. 請求項1に記載の作業機械において、
    パイロットポンプと、
    前記パイロットポンプから供給されるパイロット圧油の圧力が高いほど、前記メインポンプから前記破砕機に供給される作動油の流量を増加させるバルブと、
    操作量に応じてパイロット圧油の圧力を増減させる操作装置と、
    前記バルブに供給されるパイロット圧油の圧力を示す第2圧力信号を出力する第2センサとを備え、
    前記コントローラは、前記第2圧力信号で示される圧力が閾値圧力以上になった場合に、前記第1ノズルからの水の噴射を開始することを特徴とする作業機械。
  4. 請求項3に記載の作業機械において、
    前記コントローラは、前記第2圧力信号で示される圧力が前記閾値圧力未満になった場合に、前記第2ノズルからの水の噴射を停止することを特徴とする作業機械。
  5. 請求項4に記載の作業機械において、
    前記タンクから前記第1ノズル及び前記第2ノズルに至る経路上に、
    水の流通を遮断する閉位置及び水の流通を許容する開位置に切換可能な散水バルブと、
    前記散水バルブを通過した水を、前記第1ノズルに供給する線状位置及び前記第2ノズルに供給する霧状位置に切換可能なノズル切換バルブとを備え、
    前記コントローラは、
    前記第2圧力信号で示される圧力が前記閾値圧力以上になった場合に、前記ノズル切換バルブを前記線状位置にした状態で、前記散水バルブを前記開位置に切り換え、
    演算した前記変化量が前記閾値幅以上になった場合に、前記ノズル切換バルブを前記霧状位置に切り換え、
    前記第2圧力信号で示される圧力が前記閾値圧力未満になった場合に、前記散水バルブを前記閉位置に切り換えることを特徴とする作業機械。
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