JP3090110B2 - 構築物破砕機及び該構築物破砕機に用いる給水システム - Google Patents

構築物破砕機及び該構築物破砕機に用いる給水システム

Info

Publication number
JP3090110B2
JP3090110B2 JP09329686A JP32968697A JP3090110B2 JP 3090110 B2 JP3090110 B2 JP 3090110B2 JP 09329686 A JP09329686 A JP 09329686A JP 32968697 A JP32968697 A JP 32968697A JP 3090110 B2 JP3090110 B2 JP 3090110B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water supply
water
crusher
arm
supply hose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09329686A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1136614A (ja
Inventor
五男 多川
Original Assignee
多川工業株式会社
三五重機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 多川工業株式会社, 三五重機株式会社 filed Critical 多川工業株式会社
Priority to JP09329686A priority Critical patent/JP3090110B2/ja
Publication of JPH1136614A publication Critical patent/JPH1136614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3090110B2 publication Critical patent/JP3090110B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F9/00Component parts of dredgers or soil-shifting machines, not restricted to one of the kinds covered by groups E02F3/00 - E02F7/00
    • E02F9/20Drives; Control devices
    • E02F9/22Hydraulic or pneumatic drives
    • E02F9/2264Arrangements or adaptations of elements for hydraulic drives
    • E02F9/2275Hoses and supports therefor and protection therefor
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F3/00Dredgers; Soil-shifting machines
    • E02F3/04Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven
    • E02F3/96Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven with arrangements for alternate or simultaneous use of different digging elements
    • E02F3/965Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven with arrangements for alternate or simultaneous use of different digging elements of metal-cutting or concrete-crushing implements

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚の側板から成
るアーム支持体に枢着支持された一対の破砕アームを油
圧シリンダで駆動し、構築物を挟圧破砕する構築物破砕
及び該構築物破砕機に用いる給水システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建設工事等に伴う既存建造物の解
体作業等において、コンクリート建造物を破砕撤去する
場合、エアハンマ形式の削岩機による破砕や大鋼球の打
ち付けによる破壊等の手段が用いられていたが、これら
の工法では激しい騒音や振動を伴って公害問題を惹起
し、或いは危険を伴う等種々の欠点があった。そこで、
近年、油圧力等によって建造物を挟圧して破砕する形式
の構築物破砕機をパワーショベル等の作業機のアタッチ
メントとして取り付けて使用する工法が、広く採用され
るに至っている。ところで、この構築物破砕機を使用す
る工法において、鉄筋コンクリート構築物を解体する作
業では、コンクリート構築物を破壊する大割作業と、さ
らに、破壊したままの状態ではコンクリート破片が大き
過ぎて搬出作業に支障をきたすと共に再利用することも
できないことから、破壊した後生じるコンクリート破片
を細かく破砕する小割作業とが必要である。
【0003】即ち、図1に示すように、まず、解体すべ
きコンクリート構築物の壁、床、柱、梁等を、大割用破
砕機80を用いて、それぞれ略3m以下の大きさのブロ
ック82になるよう破壊し、地上に落下させる。そし
て、図示はしていないが、通常、地上に落下したブロッ
ク82を再び大割用破砕機80を用いて、それぞれ略6
0cm以下のブロック塊に砕く。次に、これら略60c
m以下のブロック塊を小割用破砕機84を用いて、それ
ぞれ略20cm以下の大きさの小片86に細かく砕きな
がら、コンクリート破片と鉄筋等を分離する。尚、分離
された鉄筋等はまとめられ、運搬車両に積み込まれて搬
出され、例えば、産業廃棄物として処理される。また、
細かく砕かれた小片86は、例えば、解体現場に敷き詰
められて再利用される。
【0004】大割用破砕機80には、一般に、アーム先
端にコンクリート構築物を挟圧して破砕する圧壊刃を備
えると共に、アーム中間部の枢着点近傍に、鉄筋コンク
リート構築物のコンクリートを圧壊刃で圧壊した時露出
する鉄筋、鉄骨等を切断する剪断刃を備えた構築物破砕
機が用いられる。一方、小割用破砕機84には、開閉す
る一対のアームの枢着部より先端部の中間部に透孔部を
設けた構築物破砕機が用いられ、かかる構築物破砕機に
より上述した各ブロック82を圧壊し、小割りする作業
を行っている。
【0005】一方、コンクリート建造物を挟圧して破砕
する際には、粉塵が発生し飛散することは避けられず、
住宅密集地域における既存建造物の解体作業に伴う新た
な公害問題を生じてしまう。このような問題を解決する
ために、従来は、現場作業員が地上から或いは解体中の
ビルの高所に上がり、散水器につながれたホース等を用
いて構築物破砕機の付近に水を噴流状に噴出させ、粉塵
の飛散を防止していた。しかし、例えば5階建ての鉄筋
コンクリートビルの5階部分の破砕等の高所作業では、
現場作業員が地上からホース等で構築物破砕機の付近に
水を噴射させるのは困難であり、やむをえず、解体中の
ビルの高所に作業員が上がり、ホース等で構築物破砕機
の付近に水を噴射させる場合には、ビルが解体中である
ことから大きな危険がつきまとうことになる。また、地
上からホース等で水を噴射させる場合でも、コンクリー
ト塊が作業員の頭上から落下する虞れがあった。そこ
で、近年、構築物破砕機に噴射散水装置を取り付け、給
水タンクから送水ホースを介して送水した水を、この噴
射散水装置によって粉塵発生箇所に散水する構築物破砕
機が開発され、公知となっている。
【0006】かかる構築物破砕機の一例を図2に示す。
即ち、この従来の構築物破砕機は、図2に示すように、
構築物破砕機51の破砕アーム52の根本部に幅方向に
わたって複数の噴水パイプ53が設けられ、各噴水パイ
プ53の先端には内側を向くように散水ノズル54が取
り付けられている。
【0007】この構築物破砕機を用いるには、従来よ
り、例えば図3に示すように、油圧ショベルカーのアー
ムに張設されショベルカーの後方に伸びる送水ホース5
5を介してポンプ56、更に給水タンク57に連結する
ようにしている。そして、油圧ショベルカーの運転席
(キャビン)から作業員がスイッチ58をONにする
と、モータバルブ59の弁が開状態になり、ポンプ56
により給水タンク57から汲み上げられた水が、送水ホ
ース55を介して、図2に示した構築物破砕機の噴水パ
イプ53に供給され、散水ノズル54より破砕アーム5
2の先端方向に向かって噴流となって噴射散水される。
【0008】一方、上記以外の給水システムを採用した
ものとしては、例えば、油圧ショベルカーの後端部に給
水タンクとポンプを搭載し、該ポンプにより給水タンク
から油圧ショベルカーのアームのみに張設された送水ホ
ースを介して構築物破砕機に水を供給し、その先端方向
に向かって噴射散水するものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、鉄筋コンクリート構築物を解体するには、コ
ンクリート構築物を破壊する大割作業、該破壊作業によ
って生じたコンクリート破片と鉄筋等の分離作業、さら
にコンクリート破片を小割りする作業が必要である。特
に破壊によって生じたコンクリート破片が大きいと、コ
ンクリート破片と鉄筋等が結合した状態となる場合が多
く、コンクリート破片の小割り作業が困難となる。ま
た、大割作業、コンクリート破片と鉄筋等の分離作業を
含むコンクリート破片を小割りする作業とを同時に進め
るためには、最低3台の油圧ショベルカー等の作業機械
とそれぞれの作業に適するアタッチメントとしての3台
の構築物破砕機、更に最低3人のオペレータ(構築物破
砕機の操作者)を必要とするが、狭い解体現場ではこの
ような3台もの油圧ショベルカー等を同時に使用するの
は困難であった。また、3人のオペレータが必要なた
め、工賃が高くなり、結果として解体コストが増大して
しまう。一方、1台の油圧ショベルカー等を用いて、こ
れらの作業をすべて行おうとすれば、それまでの構築物
破砕機を取り外し、次の作業に適したアタッチメントと
しての構築物破砕機に交換する作業に時間を要するた
め、解体効率が著しく減少する。また、多数のアタッチ
メントを必要とするので、経済的でもない。
【0010】一方、上述した従来の構築物破砕機におけ
る散水は、散水器よりホースをつなぎ、直接、人手によ
り散水するのが主体となっているが、4〜5階建て等の
中高層鉄筋コンクリート構築物解体工事での破砕時に発
生するホコリ防止の散水では、地上からの場合、必要と
する部分に水が上手く届かない、風にも影響される、上
階からは遠くからの散水となり思う場所に水が届かな
い、さらに危険度も高いなど問題点が多い。また、図2
に示した噴射散水装置付きの構築物破砕機でも、破砕ア
ームの先端方向に向かって水を噴流状に噴射するだけな
ので、必要とする部分に水が上手く届かないという問題
は十分には解決されない。更に、必要とする部分以外に
多量の水を使ってしまうので、この噴射散水装置付きの
構築物破砕機では、水を不経済に使用し過ぎるという問
題がある。特に、水不足が心配される夏場には、破砕現
場においても節水に協力する必要があるが、この構築物
破砕機では、節水効果という点については、何等の考慮
もなされていなかった。また、従来の噴射散水装置付き
の構築物破砕機では、給水パイプの保護が不充分なた
め、構築物との干渉や衝突によってこの給水パイプが破
損する可能性があった。更に、散水ノズルが側板の外側
に露出して取り付けられていたため、散水ノズルを保護
するためのノズルカバーが必要であった。しかし、ノズ
ルカバー自体、側板とは別の部材で構成された外付け部
材であることに変わりはなく、強度の衝撃が作用した場
合、これらの部材が基部から破損して千切れ飛ぶといっ
た可能性も否定できなかった。
【0011】更に、これら構築物破砕機に用いる給水シ
ステムとして、図3に示した従来の給水システムでは、
油圧ショベルカーの移動により送水ホース55が地面を
引きずったり、障害物に引っ掛かってしまうことがあ
り、送水ホース55が傷みやすい。また、送水ホース5
5が引っ掛かったまま油圧ショベルカーの移動に連れて
引っ張られ、負荷がかかった状態で急に外れると、送水
ホース付近で作業中の作業員に跳ね返ることがあるの
で、危険である。更に、油圧ショベルカーのバック走行
では送水ホース55を踏んで引きちぎってしまう等の問
題があった。このため、油圧ショベルカーの運転者と送
水ホース付近の作業者は常に送水ホースの状況に気を配
らなければならず、大きな負担であった。
【0012】一方、上述した油圧ショベルカーに給水タ
ンクとポンプを搭載したシステムでは、油圧ショベルカ
ー1台に対し給水タンクとポンプが1つずつ必要なた
め、コストが高くなる。また、大量の水が入った給水タ
ンクとポンプを油圧ショベルカーに載せるため重心が高
くなり、しかも給水タンク内は大量の流体が自由に動き
回ることになるので、不安定な足場での作業や走行で
は、危険が伴うのは避けられない。更に、後端部に搭載
した給水タンクの存在がわざわいして、後方視界が悪く
なるという問題もある。また、油圧ショベルカーの積載
可能な重量との関係で、搭載できる給水タンクの大きさ
も限られてしまうので、給水タンクが空になる度に、作
業を止め、給水タンクそのものへの給水をしなければな
らず、能率が悪かった。
【0013】そこで、本発明の第1の目的は、鉄筋コン
クリート構築物の壁や天井等の平板の解体が容易で効率
的にできる上に被破砕箇所に安全且つ的確に水を届かせ
ることにより大幅な節水が可能な構築物破砕機を提供す
ることにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、上記第1の
目的を達成できる構築物破砕機及び構築物解体工法であ
って、更に、散水ノズルや給水パイプに損傷や故障を生
じにくい耐久性のある噴射散水構造を備えた構築物破砕
を提供することにある。
【0015】更に、本発明の第3の目的は、送水ホース
が地面を引きずったり障害物に引っ掛かってしまうこと
が無い上に、水道栓のそばの大きな給水タンクから水を
送水ホースを介して構築物破砕機に安全且つ能率良く供
給できる給水システムを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1記載の構築物破砕機は、アーム支持体
に中間部を枢着支持された一対のアームを有し、該アー
ムの先端部の前記枢着支持部近傍に切断対象物を切断す
る剪断刃が取り付けられていると共に該先端部の中間部
には複数の透孔部が形成され、最先端部は複数に分割さ
れて先端に爪が取り付けられ、該アームの後端部には該
アームを開閉させる如く作動するリンク機構が連結さ
れ、該リンク機構を介して油圧シリンダで前記アームの
後端部を駆動しアーム先端部を開閉させて対象物をアー
ム幅領域全体で破砕し、更に、被破砕箇所から発生する
粉塵の飛散を防止するために、噴射散水手段により前記
アームの先端方向に向かって水を前記被破砕箇所を覆い
包むようなミスト状に噴射することを特徴としている。
【0017】また、請求項2記載の構築物破砕機では、
前記噴射散水手段は、旋回バネを通すことにより前記水
を旋回流として放出する散水ノズルを有することを特徴
としている。また、請求項3記載の構築物破砕機では、
前記散水ノズルは、前記リンク機構の回動部よりも先端
側に設けられていることを特徴としている。
【0018】上記第2の目的を達成するため、請求項4
記載の構築物破砕機は、請求項2記載の構築物破砕機に
おいて、更に、前記アーム支持体の下端部に孔部を形成
し、前記散水ノズルを前記孔部に埋め込んで固設するこ
とにより、前記アーム支持体を前記散水ノズルのプロテ
クターとして利用したことを特徴としている。また、請
求項5記載の構築物破砕機では、前記アーム支持体の下
端部には前記散水ノズルに連結された給水路を埋設し、
該給水路を前記アーム支持体の内側を這い回した給水パ
イプに接続したことを特徴としている。更に、請求項6
記載の構築物破砕機では、前記孔部と嵌合する交換可能
な中空のカバー部材を有し、該カバー部材により前記散
水ノズルを保護することを特徴としている。
【0019】上記第3の目的を達成するため、請求項7
記載の給水システムは、給水タンクから伸長する送水ホ
ースを作業機械の後端部から作業機械のアームに張設し
て前記構築物破砕機の噴射散水手段に水を供給するシス
テムにおいて、前記作業機械の後端部の所定の高さ位置
に取り付けられ前記送水ホースを保持する第1の送水ホ
ース保持手段と、前記給水タンク側に設けられ前記送水
ホースを所定の高さ位置に保持する第2の送水ホース保
持手段とを備え、前記第1の送水ホース保持手段は、前
記送水ホースを自動的に巻き取る自動巻き取り部と、前
記作業機械の向きに拘らず前記自動巻き取り部が前記第
2の送水ホース保持手段側を向くように該自動巻き取り
部を回動自在に支持する回動支持部とを有することを特
徴としている。尚、請求項8記載の給水システムでは、
前記第1の送水ホース保持手段と前記第2の送水ホース
保持手段とは、前記送水ホースを保持する所定の高さを
調節可能に構成されていることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図4〜10を参照して本発
明の第1の実施形態に係る構築物破砕機について説明す
る。図4は、本実施形態の構築物破砕機1の斜視図、図
5は、構築物破砕機1の正面図、図6は、構築物破砕機
1の側面図、図7は、構築物破砕機1の正面の一部を切
欠いて示す図である。図4〜10に示されるように、構
築物破砕機1は、概略において、一対のアーム2a,2
bとリンク機構3および油圧シリンダ4と作業機用ブラ
ケット5並びにアーム支持体を構成する2枚の側板6
a,6bによって構成される。一対のアーム2a,2b
の各々は略「く」字型の鉤爪状に形成されている。アー
ム2aの最先端部には、図5に示されるように、爪7
a,7a´,7aがアーム2aの厚み方向に重合して複
数併設され、アーム2bの最先端部には、爪7b,7b
がアーム2bの厚み方向に重合して複数併設されてい
る。アーム2aの最先端部の中心部に取り付けられた爪
7a′は他の爪7aよりも、やや大きく形成され、その
先端部の向きが内側に向き、他方のア一ム2bの挟圧面
に対して他の爪7aより近い距離にある。ア一ム2a,
2bの挟圧面の略中央には、それぞれ爪9a,9bが設
けられている。尚、アーム2a,2bの各々には、図4
〜7に示すように、適所に透孔部(肉抜き部)8が設け
られている。これらの透孔部8は、小割り作業において
透孔部8を挿通して下に落下する大きさの土やコンクリ
ート塊は解体現場の土地に敷詰めてリサイクル可能であ
るのに対しそれ以上の大きさのコンクリート塊等はリサ
イクル不能なものとしてトラック等で現場から運び出す
ので、その振分けをする機能を持っている。また、同時
に透孔部8は、アーム2a,2bの挟圧面に土砂等が詰
まってしまうのを防止する機能を有し、更に、アーム2
a,2bの軽量化を図るのにも役立っている。48a,
48bは、鉄筋等を切断するための剪断刃であり、刃こ
ぼれ等の損傷が生じた場合には適宜交換可能である。
【0021】図6に示す通り、アーム支持体を構成する
側板6a,6bは相互に間隔を置いて環状フランジ9と
一体に形成された略矩形の板状体であり、アーム2a,
2bの各々は、側板6a,6bを貫通して取り付けられ
たピン10,10を介して側板6a,6bの下端部に回
動自在に軸支されている。また、アーム2a,2bの外
側部には、ピン11,11を介して連結杆12,12の
一端が枢着され、更に、連結杆12,12の他端がピン
13,13を介してリンク片14の両側に枢着されてい
る。つまり、アーム2a,2bを開閉駆動するためのリ
ンク機構3は、連結杆12,12とリンク片14および
ピン11,13により構成される。リンク片14は、そ
の中央部を貫通するピン(図示せず)を介して油圧シリ
ンダ4のピストンロッド16の先端に固着されている。
【0022】図8(a)に示すように、側板6a,6b
を備えた環状フランジ9の中央部には、油圧シリンダ4
のシリンダ外筒4aを通すための貫通孔17が設けら
れ、他の環状フランジ19にはもう1つの貫通孔18が
設けられている。環状フランジ19とシリンダ外筒4a
(の外周フランジ20)とは溶接により接合されてい
る。環状フランジ9と環状フランジ19とはボルト21
を介して固着され、側板6a,6bを備えた環状フラン
ジ9とシリンダ外筒4aおよび環状フランジ19とが一
体化される。作業機用ブラケット5は、図4〜7及び図
8(a)に示されるように、環状体22の両側にステー
部材23,23を固設した構造を有し、ステ−部材2
3,23の各々には作業機のブーム先端に接合するため
の装着孔24,25が穿設されている。環状体22は油
圧シリンダ4のシリンダ外筒4aを包囲するようにして
シリンダ外筒4aに回転自在に取り付けられ、シリンダ
外筒4aの上端部、要するに、シリンダボトムの近傍に
螺合されたナット26,27により軸方向に固定されて
いる。つまり、作業機用ブラケット5は、側板6a,6
bを備えた環状フランジ9及びこれと一体のシリンダ外
筒4aに対して回転自在であり、軸方向には移動不能で
ある。油圧シリンダ4は、図8(a)に示す通り、ピス
トン28を一体に備えたピストンロッド16とシリンダ
外筒4a、及び、シリンダヘッド29によって構成され
る。
【0023】図8(a)に示す通り、シリンダ外筒4a
のシリンダボトムには円柱状の突出部30が設けられ、
この突出部30の外周面に2条の環状溝31,32が設
けられている。一方の環状溝31はシリンダ外筒4aの
周壁内を長手方向に貫通する油路33を経て油圧シリン
ダ4のピストンロッド側油室に連絡し、また、他方の環
状溝32は油圧シリンダ4のシリンダボトムを貫通する
油路34を介してピストン側油室に連絡している。円柱
状の突出部30には、リング35,36が回転可能に嵌
挿されて、Oリング37,37およびOリング38,3
8を介して突出部30の周りを円滑に回転し得るように
なっており、更に、抜け止めを構成するスナップリング
39で軸方向の移動を禁止されている。リング35の側
面には、環状溝31に対向する圧油供給口40が開けら
れ、また、リング36の側面には、環状溝32に対向す
る圧油供給口41が開けられて、作業機の油圧源からの
油圧ホースが接続される。従って、アーム2a,2bを
備えた側板6a,6bと油圧シリンダ4が作業機用ブラ
ケット5に対して旋回した場合でも、圧油供給口40,
41に接続したホースに捩じれ等を生じることなく、つ
まり、リング35,36が作業機用ブラケット5に対し
て回転することなく、環状溝31,32に対する圧油の
供給が確保される。
【0024】リング35の圧油供給口40から油を送り
込めば、油路33を介して油圧シリンダ4のピストンロ
ッド側油室に油が供給され、縮退するピストンロッド1
6がリンク片14を引き付けて連結杆12,12がアー
ム2a,2bの外側部を引いてアーム2a,2bを開
き、ピストン側油室の油が油路34及び圧油供給口41
を介して作業機側のオイルタンクに返還される。また、
リング36の圧油供給口41から油を送り込めば、油路
34を介して油圧シリンダ4のピストン側油室に油が供
給され、突出するピストンロッド16がリンク片14及
び連結杆12,12を介してアーム2a,2bの外側部
を押してアーム2a,2bを閉じ、ピストンロッド側油
室の油が油路33及び圧油供給口40を介して作業機側
のオイルタンクに返還される。更に、円柱状の突出部3
0の中心には該突出部30を軸方向に貫通する給水孔4
2が穿設され、シリンダボトム内を径方向に横切って、
図7及び図8(a)に示すように、シリンダ外筒4aの
周壁内を長手方向に貫通する管路43に連絡する。管路
43はシリンダ外筒4aの下端部にて側方に開口し、こ
の開口部に給水パイプ44が接続されている。また、給
水孔42の開口部には、回転継手を介して、後述するよ
うに、作業機側から給水用のホースが接続される。
【0025】シリンダ外筒4aの周壁内に設けた油路3
3及び管路43は略直角に屈曲しているが、これらは、
シリンダ外筒4aの周壁部に軸方向及び径方向のキリ穴
を穿設した後、不要な開口部をテーパネジや溶接等の手
段で塞いだものである。シリンダ外筒4aの周壁の厚み
を図8(b)において破線で示す。シリンダ外筒4aの
下端部に接続した給水パイプ44は、更に、図6に破線
で示すように、側板6bの裏面を這うようにして側板6
bの下端部近傍まで至る。そして、給水パイプ44は、
そのまま側板6bの裏面を這うようにして下降し、最終
的に、側板6b,6aの下端部に埋設されている散水ノ
ズル46,46に接続する。このように、散水ノズル4
6,46は、リンク機構3の回動部3a,3b,3cよ
りも先端側に設けられている。従って、回動部3a,3
b,3cに噴霧された水がかかって、回動部3a,3
b,3cのグリスを洗い落としてしまうことが無い。
【0026】図9に、散水ノズル46,46の埋設構造
の詳細を示す。散水ノズル46,46は、図9に示す通
り、側板6a,6bにより構成されるアームボックス7
0の下端部70A(鋳物により中実に構成される)に設
けられた孔部47,47に埋め込んで固設されている。
また、アームボックス70の下端部70Aには、散水ノ
ズル46,46に連結された給水路50も埋設されてお
り、給水路50は、上述したように側板6bの裏面を這
い回した給水パイプ44に接続されている。給水パイプ
44は、ゴム又はビニールホース等から成り、側板6b
に固定された金属管72内を挿通することにより、この
金属管72によりガードされている。また、孔部47,
47には、交換可能なカバー部材49,49が嵌合され
ており、これらカバー部材49,49は、中央がくり抜
かれていることにより、カバー部材49,49を介して
散水ノズル46,46から水が噴出されるようになって
いる。
【0027】図10(a)〜(c)に、各散水ノズル4
6の構造を示す。各散水ノズル46は、図10(a),
(b)及び(c)に示すように、旋回バネ46aと噴出
口46bを有しており、圧力をかけた水を旋回バネ46
aに通すことにより、高速の旋回流がつくられ、この高
速の旋回流が噴出口46bから放出されることにより、
均一な細かい水粒から成る霧(ミスト)状の水がアーム
2a,2b(図4〜7参照)の中央部から噴射される。
【0028】さて、本実施形態の構築物破砕機に水を供
給するには、例えば、図3に示した従来の給水システム
を用いることも可能である。この場合には、上述した給
水孔42の開口部を回転継手を介して、図3に示したの
と同様に、油圧ショベルカーのアームに張設されショベ
ルカーの後方に伸びる送水ホース55を介してポンプ5
6、更に給水タンク57に連結する。そして、例えば、
油圧ショベルカーの運転席(キャビン)から作業員がス
イッチ58をONにすると、モータバルブ59の弁が開
状態になり、ポンプ56により給水タンク57から汲み
上げられた水が、送水ホース55を介して、図4〜7に
示す構築物破砕機の給水孔42に供給され、この水は、
管路43、給水パイプ44、給水パイプ45を介し、高
い水圧をかけられて、散水ノズル46,46に流入す
る。この高水圧がかかった水は旋回バネ46aにより高
速の旋回流とされて各散水ノズル46の噴出口46bか
ら放出され、各カバー部材49のくり抜かれた中央部を
通って、均一な細かい水粒から成る霧(ミスト)状に噴
射される。
【0029】また、スイッチ58やモータバルブ59等
は設けずに、送水ホース55に弁とその開閉用のレバー
ハンドルを設け、作業員が油圧ショベルカーの運転席
(キャビン)からレバーハンドルを適宜操作して、給水
するようにしても良い。
【0030】しかしながら、油圧ショベルカーの移動に
より送水ホースが地面を引きずったり障害物に引っ掛か
ってしまう等の問題を解消し、水道栓のそばの大きな給
水タンクから水を送水ホースを介して構築物破砕機に安
全且つ能率良く供給するためには、図11に示す給水シ
ステムを用いるのが好適である。尚、図11において、
図3に示した従来の給水システムと同様の部分には、同
様の参照符号を付してある。即ち、この好適な実施形態
は、図11に示すように、給水タンク57から伸長する
送水ホース55を油圧ショベルカー61の後端部61A
から油圧ショベルカー61のアーム61Bに張設して構
築物破砕機1の給水孔42に供給する給水システムに関
し、油圧ショベルカー61の後端部61Aの所定の高さ
位置に取り付けられ送水ホース55を保持する第1の送
水ホース保持具63と、給水タンク57側に設けられ送
水ホース55を所定の高さ位置に保持する第2の送水ホ
ース保持具としての送水ホース固定用杭65とを備えて
いる。第1の送水ホース保持具63は、送水ホース55
を自動的に巻き取る自動巻き取り部としてのオートリー
ル63Aと、油圧ショベルカー61の向きに拘らずオー
トリール63Aが送水ホース固定用杭65側を向くよう
にオートリール63Aを回動自在に支持する回動支持部
としての回転取付台63Bとを有し、回転取付台63B
が油圧ショベルカー61の後端部61A上に取り付けら
れている。オートリール63Aは、内部のぜんまいの作
用により送水ホース55を巻き取る方向に緩やかに付勢
されている。尚、図11に示す例では、油圧ショベルカ
ー61の後端部61Aの上面は、地上から略1.4mの
位置にあるものとし、オートリール63Aと回転取付台
63Bの第1の送水ホース保持具63全体が略60cm
の高さを有するように構成した。また、第2の送水ホー
ス保持具としての送水ホース固定用杭65は略2.3m
の高さを有し、アダプター65aを用いて送水ホース5
5の給水タンク57側を略2.0mの高さ位置に保持し
得るように構成した。従って、第1の送水ホース保持具
63と第2の送水ホース保持具としての送水ホース固定
用杭65間は、送水ホース55が地上から略2.0mの
高さYに張られるように保持され、地上を這うように放
置されることが無い。また、例えば油圧ショベルカー6
1が前進すると、オートリール63Aに巻かれた部分が
自動的に引き出され、反対に油圧ショベルカー61がバ
ック(後進)すると、張力の緩んだ送水ホース55はオ
ートリール63Aに自動的に巻き取られる。従って、図
3に示した従来の給水システムと異なり、送水ホース5
5が油圧ショベルカー61の移動により地面を引きずっ
たり、障害物に引っ掛かってしまうことが無いので、送
水ホース55が傷むのを防ぐことが可能であり、油圧シ
ョベルカーのバック走行で送水ホース55を踏んで引き
ちぎってしまうことも無くなる。尚、運転者の操作によ
り油圧ショベルカー61の後端部61Aを含むキャビン
等が回転しても、回転取付台63Bによりオートリール
63Aが回動し、油圧ショベルカー61の向きに拘らず
送水ホース固定用杭65側を向くようになるので、オー
トリール63Aによる送水ホース55の巻き取りと引き
出しに不具合を生じることはない。
【0031】更に、送水ホース55が引っ掛かったまま
油圧ショベルカーの移動に連れて引っ張られるようなこ
とも無くなるので、送水ホース55が急に外れて送水ホ
ース付近で作業中の作業員に跳ね返る危険も防止でき
る。よって、油圧ショベルカーの運転者と送水ホース付
近の作業者が常に送水ホースの状況に気を配る必要も無
くなる。一方、前述した油圧ショベルカーに給水タンク
等を搭載したシステムと異なり、1つの給水タンクとポ
ンプを複数の油圧ショベルカー(及び該油圧ショベルカ
ーの先端に取り付けられた構築物破砕機)で共通に使用
できるため、コストを低減できる。また、油圧ショベル
カーの重心も低く、大量の流体が動き回ることも無いの
で、不安定な足場での作業や走行でも危険は少ない上
に、後方視界が悪くなるという問題も無い。また、給水
タンクの水が減ってきた時は、水道栓67を開いて給水
タンク57に水を補給すれば良いので、油圧ショベルカ
ーに給水タンクを搭載したシステムと異なり、いちいち
作業を中断する必要も無い。以上により、好適な実施形
態として図11に示す給水システムを用いれば、送水ホ
ース55の損傷を防止できる上に、水道栓67のそばの
大きな給水タンク57から水を送水ホース55を介して
構築物破砕機1に安全且つ能率良く、低コストに供給で
きる。
【0032】尚、送水ホース55を地上から略2.0m
の高さYに張られるように保持したのは、障害物のひと
つとして、現場における地上の作業員が送水ホース55
に引っ掛かってしまうことが無いようにするためであ
る。従って、例えば、小型トラックが第1の送水ホース
保持具63と第2の送水ホース保持具としての送水ホー
ス固定用杭65間を自由に通れるようにするためには、
送水ホース55が地上から略3.0mの高さY´(図示
せず)に張られるように保持すれば良い。このための変
形例として、第1の送水ホース保持具63と第2の送水
ホース保持具としての送水ホース固定用杭65を、送水
ホース55を保持する高さを調節可能に構成したものが
考えられる。具体的には、オートリール63Aやアダプ
ター65aの高さ位置が地上から略2〜3mの範囲で変
えられるように、回転取付台63Bや送水ホース固定用
杭65を多段ロッド型の伸縮可能なテレスコピック状に
構成すれば良い。
【0033】さて、図12に、本実施形態の構築物破砕
機1による噴射散水状態を示す。図12から明らかなよ
うに、各散水ノズル46(図9〜10参照)からは、図
2に示した従来の構築物破砕機のように、直接アーム2
a,2bの衝合部または破砕対象物に向けて水が散布さ
れるものではない。本実施形態の構成によれば、噴霧さ
れた霧(ミスト)状の水500がアーム2a,2bおよ
び破砕対象物を、図12に示すように、霧のカーテンの
ようにして外側から包み込むようになる。従って、破砕
作業で生じた塵や埃が遠くにまで飛散するのが防止され
る。即ち、破砕アームの中央部から霧状の水500を噴
射して、破砕対象物の鉄筋コンクリート部分より発生す
るミクロに近いホコリまで広く包み込むように覆い、破
砕作業で生じた塵や埃を幅広く抑えることができる。従
って、散水される水に無駄が無くなり、従来方法の散水
に比べ70%以上の節水が可能である。
【0034】図13に、本実施形態の構築物破砕機1に
よる他の噴射散水状態を示す。図13は、例えば、5階
建ての中高層鉄筋コンクリート構築物の解体工事におい
て、4階部分を本実施形態の構築物破砕機1により破砕
している状況を示す。本実施形態の構築物破砕機等を用
いた中高層鉄筋コンクリート構築物の解体工事において
は、上の階から下の階に順に壊していく工法が一般的に
採用されており、図13は、ちょうど4階部分を壊して
いるところを示している。このように4階部分400を
壊している時には、3階部分300の床300a上に瓦
礫100や細かい土・埃200等がどんどん溜まってい
き、3階の床300aの厚さよりも厚い層に堆積してい
くのが普通である。このような場合、後で、3階部分3
00を壊す時に、構築物破砕機1のアーム2a,2bで
挟んで3階の床300aを破壊する時に、上述した瓦礫
100や細かい土・埃200等の厚い層が、どっと落下
しながら周囲に粉塵をまき散らす場合が多い。従って、
3階部分300を壊す前から、できるだけかかる瓦礫1
00や土・埃200等の層に水をかけておくのが望まし
い。上述した図13に示した噴射散水状態からも明らか
なように、本実施形態の構築物破砕機1によれば、4階
部分400を壊している時に、作業員がスイッチ58
(図11参照)をONにすれば、4階部分400の被破
砕箇所のみならず、3階の床300a上の瓦礫100や
土・埃200等の層にも、噴霧された霧(ミスト)状の
水500が、霧のカーテンのようにしてさんさんと降り
注ぐことになる。従って、後で、構築物破砕機1のアー
ム2a,2bで挟んで3階の床300aを破壊した時
に、瓦礫100や細かい土・埃200等の層が、どっと
落下しながら周囲に粉塵をまき散らすのを有効に防止し
得る。また、4階部分400を壊している時に噴霧され
た水が、4階部分400にかからなくても、下の3階の
瓦礫100や土・埃200等の層にかかることになるの
で、散水される水に全く無駄が無くなり、更に節水効果
を高めることも可能である。
【0035】尚、本実施形態の構築物破砕機1によれ
ば、図9に示したように、散水ノズル46,46は側板
6a,6bにより構成されるアームボックス70の下端
部70Aに設けられた孔部47,47に埋め込んで固設
されているので、破砕対象となる構築物等に直に衝突す
ることはなく、各散水ノズル46の噴出口46bの潰れ
や変形といった損傷が回避される。散水ノズル46,4
6を保護するプロテクターは側板6a,6bそれ自体の
一部によって構成されているので極めて丈夫であり、根
元から千切れ飛ぶようなこともない。更に、散水ノズル
46,46に水を供給する管路の一部はシリンダ外筒4
aの内部に直に形成されているので、実質的に破壊不能
であり、また、残りの部分を構成する給水パイプ44,
45も側板6b,6aの裏面を這うようにして配管され
ているので、破砕対象物と直接的に接触することはな
く、むやみに損傷はしない。
【0036】また、本実施形態の構築物破砕機1によれ
ば、図9に示したように、孔部47,47に、交換可能
なカバー部材49,49が嵌合されるので、鉄筋コンク
リート構築物等の解体・破砕中に、アームボックス70
の先端部70A側が、例えば、H型鋼を含む柱や梁等に
ぶつけられても、孔部47,47はカバー部材49,4
9によりカバーされているので、孔部47,47がすぐ
につぶれてしまうことはない。カバー部材49,49が
つぶれて、散水ノズル46,46からの水の噴出が妨げ
られるようになれば、破砕現場において、つぶれたカバ
ー部材49,49を新しいものと簡単に交換することが
できるので、これにより、耐久性のある噴射散水構造と
なっている。
【0037】以上の構成を有する構築物破砕機1を用い
て、鉄筋コンクリート構築物を解体する一方法として、
以下本発明の第2の実施形態に係る構築物解体工法につ
いて説明する。本第2の実施形態の構築物解体工法にお
いては、鉄筋コンクリート壁や天井等の平板を圧壊する
には、構築物破砕機1のアーム2a,2bを開いた姿勢
で構築物破砕機1を移動させ、散水ノズル46から水を
霧(ミスト)状に噴霧しながら、壁や天井等の鉄筋コン
クリート平板を開いたアーム2a,2bの中央に位置づ
けた状態でアーム2a,2bの先端部を閉じ挟圧する。
コンクリートは幅広のアーム2a,2b全面によって圧
壊され、小片となったコンクリート破片は構築物破砕機
1のアーム2a,2bに設けられた透孔部8を通って落
下する。従来の構築物破砕機を用いた解体工法では、図
14に示すように、破壊されたが、小さい破片とならな
かったコンクリート破片90が生じ、該破片が大きいこ
とから、鉄筋に付着して落下しない場合が多かった。従
来の解体工法では、このような場合、コンクリート破片
90が付着している鉄筋を(従来の)構築物破砕機に設
けられた剪断刃によって切断することにより、コンクリ
ート破片90を地上に落下させていた。このため、コン
クリート破片90が地上に落下した時の衝撃により、大
きな振動と騒音を発生してしまうという問題があった。
本第2の実施形態の解体工法では、上述したように、ア
ーム支持体6a,6bに中間部を枢着支持された一対の
(幅広の)アーム2a,2bを有し、アーム2a,2b
の先端部の前記枢着支持部近傍に切断対象物を切断する
剪断刃10a,10bが取り付けられていると共に該先
端部の中間部には複数の透孔部11が形成され、最先端
部は複数に分割されて先端に爪7a,7a´,7bが取
り付けられ、アーム2a,2bの後端部を油圧シリンダ
で駆動しアーム先端部を開閉させて対象物をアーム2
a,2bの幅領域全体で破砕する構築物破砕機1を用い
て、鉄筋コンクリート平板を幅広のアーム2a,2b全
面によって圧壊するので、従来の構築物破砕機を用いた
解体工法と異なり、図14に示すような、破壊された
が、小さい破片とならなかったコンクリート破片90が
生じにくい。従って、コンクリート破片90が地上に落
下した時の衝撃により、大きな振動と騒音を発生してし
まうのを防止できる。また、仮に、そのようなコンクリ
ート破片90が一部に生じた場合でも、再度この大きな
コンクリー卜破片90を構築物破砕機1のアーム2a,
2bで圧壊することによってコンクリー卜破片90を小
さな破片にして落下させることが可能である。従って、
小さな破片がバラバラと落ちるだけなので、大きな振動
と騒音は発生させない。
【0038】再び図13を参照して、散水ノズル46か
ら水を霧(ミスト)状に噴霧しながら、構築物破砕機1
を壁や天井等の鉄筋コンクリート平板の一側に沿って移
動させながら、鉄筋コンクリート平板を噛み砕き、鉄筋
コンクリート平板の一側を圧壊させた後は鉄筋のみとな
る。そこで、この鉄筋を構築物破砕機1に設けられた剪
断刃48a,48bによって切断し、さらに、構築物破
砕機1で同様に鉄筋コンクリート平板の一側を圧壊さ
せ、次に鉄筋を切断する。この作業を繰り返すことによ
って、鉄筋コンクリートの壁や天井の平板は、破壊さ
れ、小さなコンクリート破片と、鉄筋に分離されること
になる。コンクリート破片はすでに小さな片になってい
るから、新たな小割り作業を必要としない。また、小割
りが必要な場合でもわずかなものであり、構築物破砕機
1でこの小割りが必要なコンクリート破片を掬い圧壊す
ることによって小さな破片にすることができる。この場
合でも、コンクリート破片が落下していることは、コン
クリート破片と鉄筋が分離されていることを意味するの
で、この小割り作業も容易に行うことができる。
【0039】鉄筋コンクリート壁を立設した状態でその
まま圧壊し破壊することが周囲の状況等から困難な場合
には、壁と該壁を支える柱を孤立させた後、図15に示
すように、柱の根元の倒壊させる方の一部コンクリート
を破砕し、かつ鉄筋も一部切断した後、壁若しくは柱の
上部を構築物破砕機1のアーム2a,2bで把持し、図
15に示すように、倒壊させる方向に引張り、或いは倒
壊させる方向に押圧し、壁と柱を共に倒壊させる。その
後、上述した鉄筋コンクリート平板の破砕と同様な方法
等によって該壁を破砕し、小さなコンクリート破片と鉄
筋とに分離する。
【0040】以下、本第2の実施形態の構築物解体工法
について、図13〜16を参照して、更に詳細に説明す
る。まず、図13を参照して、鉄筋コンクリート構築物
の天井(各階を区分するフロア)を解体する解体工法を
説明する。上述した構築物破砕機1を作業機用ブラケッ
ト5を介して、例えば、図示しない油圧ショベルカーに
取り付け、アーム2a,2bが破壊しようとする天井の
鉄筋コンクリート平板400を略直角に挟持するよう
に、アーム2a,2bの一方を固定物に当接させて押圧
して作業機用ブラケット5に対してアーム支持体(側
板)6a,6bを回転させて該アーム支持体6a,6b
の回転位置を決める。この場合、アーム支持体6a,6
bの回動中心軸に対して左右対称に重量がバランスが取
られているから、アーム2a,2bを水平方向に開いて
も、ア一ム等の重量により回転モーメントが生じること
なく(若しくは、生じても小さく、アーム支持体と作業
機用ブラケット5間の回動抵抗よりも小さい)、アーム
支持体6a,6bは回動することなくそのアームを開い
た姿勢を維持することができる。そして、この構築物破
砕機1を移動させて、散水ノズル46から水を霧(ミス
ト)状に噴霧しながら、アーム2a,2b最先端の爪7
a,7a´,7bで鉄筋コンクリート平板400を挟持
して破砕作業を行う。アーム2a,2bは鉤爪状に屈曲
して形成されているので、アーム2a,2bを大きく開
いて構築物を挟持した場合であっても爪7a,7a´,
7bの先端部のみが鉄筋コンクリート平板400を捕捉
する。特に、アーム2aの最先端部の中心部に取り付け
られた爪7a′は他の爪7aよりもその先端部の向きが
内側に向き、他方のア一ム2bの挟圧面に対して他の爪
7aより近い距離にあるため、アーム2a,2bを閉じ
ると、アーム2a側では、他の爪7aよりも中央の爪7
a´がまず鉄筋コンクリート平板400に当接する。ま
た、他方のアーム2b側では爪7b若しくはその近傍さ
らには爪9bが鉄筋コンクリート平板400に当接す
る。さらにアーム2a,2bを閉じると、アーム2a側
では、中心の爪7a′のみが鉄筋コンクリート平板50
に当接し、他方のアーム2bと共働して挟圧することに
なるから、鉄筋コンクリート平板400には、中心の爪
7a´の当接位置に集中して応力が加わることになり、
この位置より、鉄筋コンクリート平板400にはひび若
しくは亀裂が生じ、脆弱となる。そして、さらにアーム
2a,2bの閉じが進むと、全ての爪7a,7a´,7
bが鉄筋コンクリート平板400に当接し、挟圧する部
分の面積が増大するが、既に、ひび若しくは亀裂が入り
脆弱となっているこの挟圧部分は、簡単に圧壊されるこ
とになる。
【0041】このように、中心の爪7a´で鉄筋コンク
リート平板400に対して集中的に力を加えることによ
って強力な挟圧力を集中させ、まず、鉄筋コンクリート
平板400にひびや亀裂を生じせしめて脆弱化し、次
に、全ての爪7a,7a´,7b,9a,9bで脆弱と
なった鉄筋コンクリート平板400を挟圧しアーム幅全
領域に渡って幅広く(両アームの幅によって幅広く)鉄
筋コンクリート平板400を圧壊する。そのため、破砕
されたコンクリート破片は小さなものとなり、アームに
設けられた透孔部8を通って流れ落ち、この透孔部8の
孔の大きさ以下の小片とすることができる。一方、アー
ム2a,2bの挟圧部以外の周辺箇所において、アーム
2a,2bの圧壊作用の影響によりひびや亀裂が生じコ
ンクリートが破砕されても、そのコンクリート破片は大
きい場合が多い。コンクリート破片が大きいと鉄筋と分
離しない場合が多く、また、鉄筋は天井位置に保持され
ていることから、図13に示したように、鉄筋と分離し
ない大きなコンクリート破片が天井からぶらさがった状
態となる。この場合には、再度この大きなコンクリート
破片を構築物破砕機1で圧壊する。これにより、この大
きなコンクリート破片を砕いて小さなコンクリート破片
にし、落下させることができる。
【0042】このようにして、鉄筋コンクリート平板4
00を圧壊した後、アーム2a,2bを開き、天井の平
板400の一側にそって構築物破砕機1を移動し、上述
した動作と同様に、鉄筋コンクリート平板400を圧壊
する。以下、天井の鉄筋コンクリート平板400の一側
を一端から他端まで圧壊した後(図13では天井の鉄筋
コンクリート平板400の左端から右方向に順次圧壊・
破砕した状態を示す)、露出した鉄筋を構築物破砕機1
の剪断刃48a,48bによって切断する。この場合、
鉄筋コンクリート平板400を圧壊する一側の辺方向に
走る鉄筋(図13で左から右に走る鉄筋)410は構築
物破砕機1の姿勢を変えずに切断できるが、鉄筋410
と直交する方向に走る鉄筋420は、剪断刃48a,4
8bの向き(切断刃の長さ方向)と同一になるから、こ
の鉄筋420は、構築物破砕機1のアーム先端等で上方
向、若しくは下方向に押圧して折り曲げ、構築物破砕機
1のアーム支持体6a,6bを作業機用ブラケット5に
対して回転させて、アーム2a,2bの開閉方向を鉄筋
コンクリート平板400の面の方向と一致させ、鉄筋4
20を切断する。
【0043】このようにして、コンクリートを破砕した
後に露出する鉄筋410,420を切断した後は、前述
したように、鉄筋コンクリート平板400の一端から他
端、若しくは他端から一端まで圧壊し、鉄筋410,4
20を露出させ、鉄筋を切断する。以下この作業を繰り
返し実行し、鉄筋コンクリート平板400を破砕し解体
する。また、壁のような立設する鉄筋コンクリート平板
を破砕する場合も、該壁の一側の一端から他端まで圧
壊、破砕し小さなコンクリート破片にすると共に、露出
した鉄筋を剪断刃48a,48bで切断し、この壁の一
側辺を圧壊、破砕し、露出した鉄筋を切断する作業を繰
り返し実行することによって壁の鉄筋コンクリート平板
を破砕、解体する。このようにして、鉄筋コンクリート
平板400を圧壊、破砕し、落下したコンクリート破片
は、小さな破片となっているが、たまには大きな破片が
混ざり合っている場合がある。このような場合には、構
築物破砕機1のアームを開いた状態にしてアーム2a,
2bによって大きなコンクリート破片を掬い、コンクリ
ート破片の小割りを行なう。アーム2a,2bは幅が広
いからコンクリート破片等をスムーズに掬い上げること
ができる。コンクリート破片を掬い上げ、アームを閉じ
ることによって構築物の破片を押し込むようにして挟圧
する。挟圧されたコンクリート破片は、透孔部8を通っ
て流れ落ち、この透孔部8の孔の大きさ以下の小片とす
ることができる。特に、鉄筋コンクリート平板400の
破壊によって生じたコンクリー卜破片が、大きなもので
あれば、前述したように爪7a,7a´,7bによる挟
圧によって圧壊してもよいが、両アーム2a,2bの挟
圧面で挟持できるような大きさのものであれば、該挟圧
面で挟持するとき、アーム2aの先端部の中間部に配置
する爪9a,9bがまずこのコンクリート破片に当たり
挟圧することになるから、この場合も爪9a,9bによ
り集中的に力がコンクリート破片に加えられるので、破
片は簡単に圧壊することができる。特に、コンクリート
破片を破砕する破砕力は、ピン10からの距離が短い
分、爪7a,7a´,7bよりも爪9a,9bの方が大
きいので、コンクリート破片を簡単に破砕することがで
きる。このようにして、コンクリート圧壊物を小割りす
ることによって、所定の大きさ以下の小片にし、再利用
を図ることができる。
【0044】以上のように、本実施形態の解体工法にお
いては、鉄筋コンクリートの壁や天井等の平板を圧壊破
砕して解体するとき、この圧壊破砕によってコンクリー
ト破片がほとんど小さな破片に砕かれるから、圧壊破砕
した後再度コンクリート破片を小割りする必要がない。
また、鉄筋コンクリート平板の圧壊破砕によって小さな
コンクリート破片にされ、落下し、鉄筋のみが残るから
鉄筋とコンクリート破片の分離も同時にできる。そのた
め、構築物を解体し、コンクリート破片を再利用するた
めに小さなコンクリート破片にすると共に鉄筋とコンク
リート破片を分離して収集するまでの作業を効率的に行
うことができる。
【0045】さて、解体しようとする構築物の周囲環境
によっては、鉄筋コンクリート壁を立設したまま圧壊、
破砕し解体することができない場合がある。例えば、解
体しようとする構築物に隣接して他の構築物があるた
め、壁を立設状態で圧壊、破砕し解体することが困難な
場合や、解体しようとする構築物の敷地が小さく、解体
するときのコンクリート破片や鉄筋が隣接する他の敷地
に飛散するような場合である。また、その後の搬出作業
等を考慮すれば、解体したときコンクリート破片や鉄筋
が飛散するのを防止して所定の領域内に収めることが望
ましい。そこで、このような場合、鉄筋コンクリート壁
を立設状態で圧壊、破砕せず、該鉄筋コンクリート壁及
び該壁を支える柱を、圧壊、破砕しても問題が生じない
方向に倒壊させ、その後該壁を圧壊、破砕し解体する。
【0046】図15及び16を参照して、この壁及び柱
を倒壊させて解体する解体工法を説明する。まず、倒壊
させようとする壁及び柱に連設する他の壁、天井等を解
体し、倒壊させようとする壁及びこの壁を支える柱のみ
が立設する孤立した状態とする。そして、図15に示す
ように、散水ノズル46から水を霧(ミスト)状に噴霧
しながら、柱の根元の倒壊させようとする側のコンクリ
ートを構築物破砕機1によって一部圧壊し、破砕する。
また、圧壊、破砕することによって露出した鉄筋の一部
を構築物破砕機1の剪断刃48a,48bによって切断
する。倒壊させようとする壁を支える全ての柱に対して
同様の作業を行い、柱の根元部分で倒壊させようとする
方向に倒壊しやすいようにする。次に、図16に示すよ
うに、倒壊させようとする壁及び柱の上部端部を構築物
破砕機1のアーム2a,2bで挟持し、散水ノズル46
から水を霧(ミスト)状に噴霧しながら、倒壊させよう
とする方向にゆっくり引張り、引き倒す。また構築物破
砕機1を取り付けた油圧ショベルカーの位置によって
は、壁600若しくは柱610を構築物破砕機1のアー
ム2a,2bで挟持してゆっくり押圧して倒壊させる。
【0047】壁600、柱610を倒壊させたとき、す
でに構築物の他の部分を圧壊破砕したときに生じたコン
クリート破片等が、倒壊面620に散在するので(若し
くは積極的にコンクリート破片を散在させておく)、こ
のコンクリート破片等がダンパーの役割をなし、また、
壁600や柱610は根元部分の鉄筋で他の部分と接続
されていることから、倒壊する壁600、柱610は安
全にゆっくりと倒壊させることができる。このようにし
て、壁600及び柱610を倒壊させた後、上述した天
井を圧壊・破砕・解体した要領で、この壁を圧壊・破砕
する。また柱610も構築物破砕機1によって同様に圧
壊・破砕し、解体する。また、構築物を破壊することに
よって生じ、地上又はフロア面に落ちた鉄筋等の長尺物
等は、アーム2a,2bの先端がホーク状に分かれ、か
つ幅広く形成されているから、アーム2a,2bを開
き、アーム最先端部の爪7a,7bを地上面又はフロア
面に沿って移動させることによって、これら長尺物を高
率良く収集することができる。更に、収集され山状に堆
積した長尺物を別の場所に移動させるときや、トラック
等の荷台に積み込むときなどは、これら長尺物を両アー
ム2a,2bで挟持してトラック等の荷台まで搬送した
後、荷台上で挟持を解くことにより荷台に積み込むこと
ができる。特に、アーム2a,2bの幅が広く、ほぼ同
一幅であるから、これら長尺物の把持、搬送を安定して
行うことができる。
【0048】以上の解体工法においては、立設する鉄筋
コンクリートの壁を希望する方向へ倒壊させた後、該壁
を圧壊破砕するようにしたから、立設した状態で壁を圧
壊破砕することが難しいときにも、簡単に壁を解体する
ことができる。また、圧壊破砕、鉄筋の切断により発生
するコンクリート破片、鉄筋を飛散させず所定の領域内
に収めることができるので、解体後の作業が容易で効率
的である。
【0049】尚、以上に述べた第2の実施形態に係る解
体工法では、図13〜16に示すように、散水ノズル4
6から水を霧(ミスト)状に噴霧しながら、解体を行っ
たが、構築物破砕機1は、図11に示した給水システム
等と組み合わせることなく、使用することも可能であ
る。この場合、散水ノズル46から水は噴霧されない
が、構築物破砕機1を用いて、第2の実施形態に係る解
体工法と略同様の効果を得ることができる。即ち、アー
ム支持体に中間部を枢着支持された一対のアーム2a,
2bを有し、アーム2a,2bの先端部の前記枢着支持
部近傍に切断対象物を切断する剪断刃48a,48bが
取り付けられていると共に該先端部の中間部には複数の
透孔部8が形成され、最先端部は複数に分割されて先端
に爪7a,7a´,7bが取り付けられ、アーム2a,
2bの後端部には該アームを開閉させる如く作動するリ
ンク機構3が連結され、リンク機構3を介して油圧シリ
ンダ4でアーム2a,2bの後端部を駆動しアーム先端
部を開閉させて対象物をアーム2a,2bの幅領域全体
で破砕する構築物破砕機1を用い、散水ノズル46から
水が噴霧されない点を除いて、第2の実施形態に係る解
体工法と全く同様の解体を実施することができる。従っ
て、鉄筋コンクリート構築物の壁や天井等の平板の解体
を容易且つ効率的に行うことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アーム支持体に中間部を枢着支持された一対のアームを
有し、該アームの先端部の前記枢着支持部近傍に切断対
象物を切断する剪断刃が取り付けられていると共に該先
端部の中間部には複数の透孔部が形成され、最先端部は
複数に分割されて先端に爪が取り付けられ、該アームの
後端部には該アームを開閉させる如く作動するリンク機
構が連結され、該リンク機構を介して油圧シリンダで前
記アームの後端部を駆動しアーム先端部を開閉させて対
象物をアーム幅領域全体で破砕するので、鉄筋コンクリ
ート構築物の壁や天井等の平板の解体を容易且つ効率的
に行うことができる。更に、破砕アームの中央部から霧
状化された水を噴射して、破砕対象物の鉄筋コンクリー
ト部分より発生するミクロに近いホコリまで広く包み込
むように覆い、幅広く抑えることができるので、散水さ
れる水に全く無駄が無くなり、従来方法の散水に比べ7
0%以上の節水が可能である。従って、鉄筋コンクリー
ト構築物の壁や天井等の平板の解体を容易且つ効率的に
行うことができる上に被破砕箇所に安全且つ的確に水を
届かせることにより大幅な節水が可能な構築物破砕機
提供することができる。
【0051】また、本発明の構築物破砕機は、シリンダ
外筒の内部に設けた管路と側板の内側を這い回して配管
した給水パイプとを介して側板下端部の散水ノズルに水
を供給するようにしているので、構築物破砕機を手荒に
扱った場合でも散水ノズルに水を供給するための管路に
損傷を生じることがない。また、散水ノズルは側板の下
端部の間に設けられた孔部に埋め込んで固設されている
ので、散水ノズルが直に破砕対象物と干渉することはな
く、ノズルの変形や潰れも防止される。散水ノズルを保
護するプロテクターは側板によって一体的に形成されて
いるので極めて頑丈であり、従来使用されていた外付け
型のノズルカバーやノズルホルダーのように破砕対象物
に引っ掛かることもなく、また、プロテクター自体が損
傷することもない。また、散水ノズルは、リンク機構の
回動部よりも先端側に設けられているので、回動部に噴
霧された水がかかって、回動部のグリスを洗い落として
しまうことが無い。更に、交換可能なカバー部材により
散水ノズルが保護される。従って、散水ノズルや給水パ
イプに損傷や故障を生じにくい耐久性のある噴射散水構
造を備えた構築物破砕機を提供することができる。
【0052】更に、本発明の給水システムによれば、給
水タンクから伸長する送水ホースを作業機械の後端部か
ら作業機械のアームに張設して構築物破砕機の噴射散水
手段に給水するシステムにおいて、作業機械の後端部の
所定の高さ位置に取り付けられ送水ホースを保持する第
1の送水ホース保持手段と、給水タンク側に設けられ送
水ホースを所定の高さ位置に保持する第2の送水ホース
保持手段とを備え、第1の送水ホース保持手段は、送水
ホースを自動的に巻き取る自動巻き取り部と、作業機械
の向きに拘らず自動巻き取り部が第2の送水ホース保持
手段側を向くように回動自在に支持する回動支持部とを
有するので、送水ホースの損傷を防止できる上に給水タ
ンクから送水ホースを介して構築物破砕機に安全且つ能
率良く、低コストに給水できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の構築物破砕機による大割り及び小割り作
業を示す図である。
【図2】従来の構築物破砕機による噴射散水状態を示す
図である。
【図3】構築物破砕機への従来の一般的な給水システム
を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る構築物破砕機の
全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4に示した構築物破砕機の正面図である。
【図6】図4に示した構築物破砕機の側面図である。
【図7】図4に示した構築物破砕機の全体構成におい
て、一部を切り欠いて示す正面図である。
【図8】図4に示した構築物破砕機の要部を拡大して示
す図である。
【図9】図4に示した構築物破砕機の散水ノズルの埋込
み構造を示す図である。
【図10】図4に示した構築物破砕機の散水ノズルの構
成を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその
断面図、(c)はその正面図である。
【図11】本発明の好適な実施形態としての給水システ
ムの構成を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る構築物破砕機
の噴射散水状態の一例を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る構築物破砕機
の噴射散水状態の他の一例を示すと共に、天井を解体す
るときの本発明の第2の実施形態の解体工法を説明する
ための図である。
【図14】天井を解体するときに、鉄筋と分離しない大
きなコンクリート破片が天井からぶらさがった状態を示
す図である。
【図15】壁を解体するときの本発明の第2の実施形態
の解体工法の説明図である。
【図16】同じく、壁を解体するときの本発明の第2の
実施形態の解体工法の説明図である。
【符号の説明】
1 構築物破砕機 2a アーム 2b アーム 3 リンク機構 3a 回動部 3b 回動部 3c 回動部 4 油圧シリン
ダ 4a シリンダ外筒 5 作業用ブラ
ケット 6a 側板 6b 側板 7a 爪 7b 爪 8 透孔部(肉抜き部) 9 環状フラン
ジ 10 ピン 11 ピン 12 連結杆 13 ピン 14 リンク片 15 ピン 16 ピストンロッド 17 段付き貫通
孔 18 段付き貫通孔 19 環状フラン
ジ 20 外周フランジ 21 ボルト 22 環状体 23 ステー部材 24 装着孔 25 装着孔 26 ナット 27 ナット 28 ピストン 29 シリンダヘ
ッド 30 円柱状突出部 31 環状溝 32 環状溝 33 油路 34 油路 35 リング 36 リング 37 Oリング 38 Oリング 39 スナップリ
ング 40 圧油供給口 41 圧油供給口 42 給水孔 43 管路 44 給水パイプ 45 給水パイプ 46 散水ノズル 46a 旋回バネ 46b 噴出口 47 孔部 48a 剪断刃 48b 剪断刃 49 カバー部材 50 給水路 51 構築物破砕機 52 破砕アーム 53 噴水パイプ 54 散水ノズル 55 送水ホース 56 ポンプ 57 給水タンク 58 スイッチ 59 モータバルブ 61 油圧ショベ
ルカー 61A 後端部 61B 油圧ショベ
ルカーのアーム 63 第1の送水ホース保持具 63A 自動巻き取り部(オートリール) 63B 回動支持部(回転取付台) 65 第2の送水ホース保持具(送水ホース固定用
杭) 67 水道栓 Y 高さ Y´ 高さ 70 アームボックス 70A 下端部 72 金属管 90 コンクリー
ト破片 100 瓦礫 200 細かい土・
埃 300 3階部分 300a 床 400 4階部分(鉄筋コンクリート平板) 410 鉄筋 420 鉄筋 500 霧(ミスト)状の水 600 壁 610 柱 620 倒壊面
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/08 E02F 3/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーム支持体に中間部を枢着支持された
    一対のアームを有し、該アームの先端部の前記枢着支持
    部近傍に切断対象物を切断する剪断刃が取り付けられて
    いると共に該先端部の中間部には複数の透孔部が形成さ
    れ、最先端部は複数に分割されて先端に爪が取り付けら
    れ、該アームの後端部には該アームを開閉させる如く作
    動するリンク機構が連結され、該リンク機構を介して油
    圧シリンダで前記アームの後端部を駆動しアーム先端部
    を開閉させて対象物をアーム幅領域全体で破砕する構築
    物破砕機であって、更に、被破砕箇所から発生する粉塵
    の飛散を防止するために前記アームの先端方向に向かっ
    て水を噴射散水する噴射散水手段を備え、該噴射散水手
    段は、前記水を前記被破砕箇所を覆い包むようなミスト
    状に噴射することを特徴とする構築物破砕機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の構築物破砕機において、
    前記噴射散水手段は、旋回バネを通すことにより前記水
    を旋回流として放出する散水ノズルを有することを特徴
    とする構築物破砕機。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の構築物破砕機において、
    前記散水ノズルは、前記リンク機構の回動部よりも先端
    側に設けられていることを特徴とする構築物破砕機。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の構築物破砕機において、
    前記アーム支持体の下端部に孔部を形成し、前記散水ノ
    ズルを前記孔部に埋め込んで固設することにより、前記
    アーム支持体を前記散水ノズルのプロテクターとして利
    用したことを特徴とする構築物破砕機。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の構築物破砕機において、
    前記アーム支持体の下端部には前記散水ノズルに連結さ
    れた給水路を埋設し、該給水路を前記アーム支持体の内
    側を這い回した給水パイプに接続したことを特徴とする
    構築物破砕機。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の構築物破砕機において、
    更に、前記孔部と嵌合する交換可能な中空のカバー部材
    を有し、該カバー部材により前記散水ノズルを保護する
    ことを特徴とする構築物破砕機。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の構築物破砕機に用いる給
    水システムであっ て、給水タンクから伸長する送水ホー
    スを作業機械の後端部から作業機械のアームに張設して
    前記構築物破砕機の噴射散水手段に水を供給する給水シ
    ステムにおいて、前記作業機械の後端部の所定の高さ位
    置に取り付けられ前記送水ホースを保持する第1の送水
    ホース保持手段と、前記給水タンク側に設けられ前記送
    水ホースを所定の高さ位置に保持する第2の送水ホース
    保持手段とを備え、前記第1の送水ホース保持手段は、
    前記送水ホースを自動的に巻き取る自動巻き取り部と、
    前記作業機械の向きに拘らず前記自動巻き取り部が前記
    第2の送水ホース保持手段側を向くように該自動巻き取
    り部を回動自在に支持する回動支持部とを有することを
    特徴とする給水システム。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の給水システムにおいて、
    前記第1の送水ホース保持手段と前記第2の送水ホース
    保持手段とは、前記送水ホースを保持する所定の高さを
    調節可能に構成されていることを特徴とする給水システ
    ム。
JP09329686A 1997-05-23 1997-11-14 構築物破砕機及び該構築物破砕機に用いる給水システム Expired - Fee Related JP3090110B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09329686A JP3090110B2 (ja) 1997-05-23 1997-11-14 構築物破砕機及び該構築物破砕機に用いる給水システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16937297 1997-05-23
JP9-169372 1997-05-23
JP09329686A JP3090110B2 (ja) 1997-05-23 1997-11-14 構築物破砕機及び該構築物破砕機に用いる給水システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1136614A JPH1136614A (ja) 1999-02-09
JP3090110B2 true JP3090110B2 (ja) 2000-09-18

Family

ID=26492733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09329686A Expired - Fee Related JP3090110B2 (ja) 1997-05-23 1997-11-14 構築物破砕機及び該構築物破砕機に用いる給水システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3090110B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111236676A (zh) * 2020-02-26 2020-06-05 江苏工程职业技术学院 一种自动铲墙皮机器人

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1287899A1 (en) * 2001-08-30 2003-03-05 Tim Goodman Ground watering spray system for backhoe machines
JP4737751B2 (ja) * 2005-08-26 2011-08-03 株式会社とわに スクラップ解体機
WO2010133862A2 (en) * 2009-05-19 2010-11-25 Michael John Williams Pile cropping apparatus
JP6496131B2 (ja) * 2014-11-27 2019-04-03 鈴健興業株式会社 加工ユニット及び加工方法
JP6653465B2 (ja) * 2018-07-05 2020-02-26 株式会社ナベカヰ 散水装置及びこれを備えた解体重機
CN113413944B (zh) * 2021-07-29 2024-01-09 中冶节能环保有限责任公司 一种钢渣表面结壳破碎装置与方法
CN113967498A (zh) * 2021-09-03 2022-01-25 杭州宏德智能装备科技有限公司 一种用于固定式液压破碎机的环保型液压锤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111236676A (zh) * 2020-02-26 2020-06-05 江苏工程职业技术学院 一种自动铲墙皮机器人

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1136614A (ja) 1999-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3090110B2 (ja) 構築物破砕機及び該構築物破砕機に用いる給水システム
US6764139B1 (en) System for and method of demolition
CN110512895A (zh) 一种高层现浇混凝土建筑拆除施工方法
CN111550079B (zh) 建筑物破拆设备及其施工方法
KR20210007555A (ko) 무진동 무소음 할암 시스템 및 이를 이용한 연속 할암 방법
JP6937790B2 (ja) 作業機械
KR100252487B1 (ko) 구축물파쇄기및상기구축물파쇄기를이용한구축물해체공법
JP2001082071A (ja) トンネル拡幅工法および装置
WO1992018708A1 (en) Concrete deck pulverizer
JPH10238140A (ja) 構築物破砕機の噴射散水装置
JPH054522Y2 (ja)
JP2004169495A (ja) トロンメルバケット
JP3217038B2 (ja) 地盤掘下げ装置および筒状地下構造体の形成法
JP4343063B2 (ja) 作業車両を吊り下げ式の構造物解体機に改造する方法
KR102055552B1 (ko) 건설폐기물 선별방법
JPH08260512A (ja) 噴霧装置付建設作業機
JP3082844B2 (ja) バケット式圧砕機
JPH09302659A (ja) 高圧水噴射式変形場所打杭等の抜き工法とその装置
CN216532494U (zh) 基于园林环保的土壤改良装置
KR20220162653A (ko) 버블분사를 이용한 건물철거 장치 및 건물철거 방법
JP7162923B2 (ja) 高圧散水装置
KR960009279B1 (ko) 해머드릴을 이용한 암반지층의 수평 타격 파괴식 터널 굴진 방법 및 그 장치
EP0973984B1 (fr) Procede de demolition d'un immeuble et equipement pour la mise en oeuvre de ce procede
JP2004121910A (ja) チゼルと破砕機
JPH0676689B2 (ja) 既設杭の除去方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees