JP2003237235A - 多色発色型可逆性感熱記録媒体、その印字・消去方法及び書き換え装置 - Google Patents

多色発色型可逆性感熱記録媒体、その印字・消去方法及び書き換え装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1パスの熱印加で多色画像の書き替えが可能
な、発色剤と顕色剤との間の反応を利用した多色発色型
可逆性感熱記録媒体、その印字・消去方法及び書き換え
装置の提供。 【解決手段】 (1)支持体上に、発色色調の異なる第
1の記録層と第2の記録層を直接又はバリアー層を介し
て順に積層した多色発色型可逆性感熱記録媒体であっ
て、第2の記録層は、印加エネルギーの低い第1のエネ
ルギーによって発色する物性を有し、更に第1及び第2
の記録層は、第1のエネルギーよりも印加エネルギーの
高い第2のエネルギーによって発色し、両層共通の消色
温度範囲に加熱すると消色する物性を有する事を特徴と
する多色発色型可逆性感熱記録媒体、及びその印字・消
去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
多色発色型可逆性感熱記録媒体、その印字・消去方法及
び書き換え装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発
色剤とも言う)と電子受容性化合物(以下、顕色剤とも
言う)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く
知られ、電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、自
動券売機、科学計測機のプリンター、CRT医療計測用
プリンター等に広く応用されている。しかし、従来の製
品は何れもその発色が不可逆的なもので、発色と消色を
交互に繰り返し行わせることができない。一方、特許公
報によれば、発色剤と顕色剤との間の発色反応を利用し
た感熱記録媒体において、発色と消色を可逆的に行わせ
るものも幾つか提案されている。例えば、特開昭60−
193691号公報によれば、顕色剤として没食子酸と
フルオルグルシノールとの組合せを用いたものが開示さ
れており、この記録媒体を熱発色させて得られる発色体
は水又は水蒸気で消色させることができる。しかし、こ
の感熱記録媒体の場合、その耐水化に困難が伴う上に記
録保存性に難点があり、更に発色体を消色させるための
消色装置が大型になるという問題がある。
【0003】特開昭61−237684号公報には、顕
色剤にフェノールフタレイン、チモールフタレイン、ビ
スフェノール等の化合物を用いた書換型光記録媒体が開
示されている。この記録媒体は、加熱後に徐冷すること
により発色体を形成し、一方、発色体を一旦発色温度よ
りも高い温度に加熱した後に急冷すると消色させること
ができる。しかし、発色及び消色の工程が複雑である上
に発色体を消色させて得られる消色体に未だ幾分の着色
が見られ、コントラストの良い発色画像を得ることがで
きない。特開昭62−140881号公報、特開昭62
−138568号公報及び特開昭62−138556号
公報には、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質
相溶体を用いた記録媒体が開示されている。この記録媒
体は低温で完全着色状態、高温で完全消色状態を示し、
それらの中間温度で着色又は消色状態を保持させること
ができるので、サーマルヘッドで印字することにより、
着色地肌(発色体)の上に白色文字(消色体)を記録す
ることができる。しかし、この記録媒体の場合には、記
録される画像がネガ画像のためにその用途が限定される
上、記録画像保存のために画像を特定温度範囲内に保持
する必要がある。
【0004】特開平2−188294号公報及び特開平
2−188293号公報には、それぞれ、顕色剤として
顕色作用と減色作用を可逆的に行う没食子酸と高級脂肪
族アミンとの塩、及びビス(ヒドロキシフェニル)酢酸
又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いた記録媒体が
開示されている。この記録媒体は、特定温度域で熱発色
させ、それより高温での加熱により消色させることがで
きるが、その顕色作用と減色作用とは競合的に起るた
め、これらの作用を熱的に制御することが難かしく、良
好な画像コントラストを得難い。以上のように、発色剤
と顕色剤との反応を利用した従来の可逆的感熱記録媒体
は種々の問題点を含み、未だ不満足のものであった。そ
こで、本発明者らは特開平5−124360号公報、特
開平10−95175号公報などにおいて長鎖アルキル
型顕色剤を用いた可逆性感熱記録媒体を提案し、比較的
簡単な熱の制御によって発色及び消色ができる記録媒体
を提案した。
【0005】一方、従来から多色記録に対する要望は大
きく、特開平6−79970号公報、特開平6−305
247号公報(以上、本出願人の出願)、特開2001
−162941号公報などで、積層された消色開始温度
の異なる複数の色調の異なる記録層を設けることを特徴
とする提案や、加熱後の冷却速度の違いによる発色消色
特性を利用した多色型の可逆性感熱記録媒体が提案され
ている。これらの記録媒体は何れも多色化が可能である
が、印字・消去の際の工程が複雑で、例えば特開200
1−162941号公報では、冷却温度勾配の異なる2
つの印字条件を得るために、消去バーを駆動させながら
サーマルヘッドでエネルギーを印加する事により第1の
記録層を発色させ、続いて消去バーを駆動させずにサー
マルヘッドのみを駆動させて第2の記録層を発色させる
ことにより印字後の冷却速度を変えて、2色の発色画像
を得ている。以上のように何れの提案も書き換えの際に
印字の工程数が2工程必要となり、書き換えの処理時間
の短縮化に対応できないという問題を持っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1パスの熱
印加で多色画像の書き替えが可能な、発色剤と顕色剤と
の間の反応を利用した多色発色型可逆性感熱記録媒体、
その印字・消去方法及び書き換え装置の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のように、従来の多
色発色型可逆性感熱記録媒体の書き替えに際しては、発
色条件又は消色条件によってそれぞれの色を発色消色さ
せる必要があり、工程が複雑になったり、長くなったり
する問題があった。これに対し本発明者らは、種々の検
討の結果、書き替え工程において、印字のエネルギーを
変化させて発色条件を変えることは比較的簡単な制御で
可能であり、例えば、パルスの印加時間やパルスの数を
変えたり、或いは電圧を変えたりする方法で行うことが
できること、このような方法により、エネルギー印加量
を制御すれば、発色特性(色調)の異なる記録層をそれ
ぞれ選択的に発色させることが可能であり、更に消去の
際には、それぞれの記録層に共通の消色温度領域に加熱
することにより、1パスの工程で消去と多色記録が可能
な書き替えができることを見出し本発明に到達した。
【0008】即ち、上記課題は、次の1)〜10)の発
明によって解決される。 1) 支持体上に、発色特性(色調)の異なる第1の記
録層と第2の記録層を直接又はバリアー層を介して順に
積層した多色発色型可逆性感熱記録媒体であって、第2
の記録層は、印加エネルギーの低い第1のエネルギーに
よって発色する物性を有し、更に第1及び第2の記録層
は、第1のエネルギーよりも印加エネルギーの高い第2
のエネルギーによって発色し、両層共通の消色温度範囲
に加熱すると消色する物性を有する事を特徴とする多色
発色型可逆性感熱記録媒体。 2) 支持体上に、発色特性(色調)の異なる第1の記
録層と第2の記録層を直接又はバリアー層を介して順に
積層した多色発色型可逆性感熱記録媒体であって、第2
の記録層は、印加エネルギーの低い第1のエネルギーに
よって発色する物性を有し、更に第1及び第2の記録層
は、第1のエネルギーよりも印加エネルギーの高い第2
のエネルギーによって第1の記録層が発色すると共に第
2の記録層が消色し、両層共通の消色温度範囲に加熱す
ると消色する物性を有する事を特徴とする多色発色型可
逆性感熱記録媒体。 3) 記録層の樹脂とバリアー層の樹脂とが架橋されて
いることを特徴とする1)又は2)記載の多色発色型可
逆性感熱記録媒体。 4) 可逆性感熱記録部と磁気記録層又はICからなる
情報記憶部を有することを特徴とする1)〜3)の何れ
かに記載の多色発色型可逆性感熱記録媒体。 5) カード状、シート状、又はロール状に加工されて
いることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の多色
発色型可逆性感熱記録媒体。 6) 着色層或いは印刷部分を有することを特徴とする
1)〜5)の何れかに記載の多色発色型可逆性感熱記録
媒体。 7) 印加エネルギーの低い第1のエネルギーで第2の
記録層を発色させ、第1のエネルギーよりも印加エネル
ギーの高い第2のエネルギーで第1及び第2の記録層を
発色させる印字工程と、第1及び第2の記録層を両層共
通の消色温度範囲に加熱して消色する消去工程を有する
事を特徴とする1)及び3)〜6)の何れかに記載の多
色発色型可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法。 8) 印加エネルギーの低い第1のエネルギーで第2の
記録層を発色させ、第1のエネルギーよりも印加エネル
ギーの高い第2のエネルギーで第1の記録層を発色させ
ると共に第2の記録層を消色させる印字工程と、第1及
び第2の記録層を両層共通の消色温度範囲に加熱して消
色する消去工程を有する事を特徴とする2)〜6)の何
れかに記載の多色発色型可逆性感熱記録媒体の印字・消
去方法。 9) 支持体上に発色特性(色調)の異なる第1の記録
層と第2の記録層を直接又はバリアー層を介して順に積
層した多色発色型可逆性感熱記録媒体に対し、印加エネ
ルギーの低い第1のエネルギーを加えて第2の記録層を
発色させ、第1のエネルギーよりも印加エネルギーの高
い第2のエネルギーを加えて第1及び第2の記録層を発
色させるか、又は第1の記録層を発色させると共に第2
の記録層を消色させる印字工程を遂行する手段、並びに
第1及び第2の記録層を両層共通の消色温度範囲に加熱
して消色する消去工程を遂行する手段を備えた事を特徴
とする多色発色型可逆性感熱記録媒体の書き換え装置。 10) 消去工程を遂行する手段の熱源が、サーマルヘ
ッド、セラミックヒーター、ヒートローラーから選ばれ
るヒーターであることを特徴とする9)記載の多色発色
型可逆性感熱記録媒体の書き換え装置。
【0009】以下、上記本発明について詳しく説明す
る。まず、第1のエネルギーと第2のエネルギーは、第
1及び第2の記録層の発色条件を明瞭に区別することが
できる程度の差を有する必要があるが、通常、印加エネ
ルギーの高い第2のエネルギーを、印加エネルギーの低
い第1のエネルギーの1.5〜3倍程度とすることが望
ましい。本発明における第1及び第2の可逆性感熱記録
層は、長鎖アルキル基をもった顕色剤とロイコ染料を用
いたものである。発色の色調はロイコ染料の分子構造に
よって決まり、黒、赤、青、緑、黄などの様々な色調の
ロイコ染料が、単独で又は混合して用いられ、色調を選
択することができる。また、本発明において記録媒体の
上部に形成される第2の記録層が、より大きな第2のエ
ネルギーが加わった際に発色を維持するか消色するかは
顕色剤の特性によって決まる。顕色剤としては、代表例
として、特開平5−124360号公報、特開平6−2
10954号公報、特開平10−95175号公報など
に記載のものが用いられる。これらの顕色剤は、分子内
にロイコ染料を発色させる顕色能を持つ構造、例えばフ
ェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基などと、分
子間の凝集力を制御する構造、例えば長鎖炭化水素基が
連結した構造をそれぞれ一つ以上持つ化合物である。連
結部分にはヘテロ原子を含む2価以上の連結基を有して
いても良く、また長鎖炭化水素基中に同様の連結基及び
/又は芳香族基が含まれていても良い。このような可逆
性顕色剤の具体例は前記の公開公報のほか、特開平9−
290563号公報、特開平11−188969号公
報、特開平11−99749号公報などにも開示されて
いる。
【0010】顕色剤の特性は、分子構造によって大きく
変わり、特に長鎖アルキルの数と鎖の長さ、連結基の種
類と位置、顕色能基の酸性度などによって発色を維持す
るか消色するかが決まる。大きなエネルギーを加えた際
に消色し易い顕色剤としては、連結基の水素結合性が低
いとか、顕色能基の酸性度が低いというような構造のも
のがある。このような顕色剤の具体例としては、N−
[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′
−n−ドコサノヒドラジドや、p−ヒドロキシ−n−ノ
ナデカンアニリドが挙げられる。一方、発色を維持する
顕色剤としては、水素結合性の強い連結基が適切な位置
にあり、適切なアルキル鎖長を持つ化合物がある。この
ような化合物の具体例としては、N−[11−(p−ヒ
ドロキシフェノキシ)ウンデカノ−N′−n−デカノヒ
ドラジド、N−ステアリル−N′−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)エチルウレア、N−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−6−[(N−オクタデシルカルバモイル)アミ
ノ]ヘキサンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)
−11−[(N−オクタデシルカルバモイル)アミノ]ウ
ンデカンアミドが挙げられる。
【0011】また、第1及び第2の記録層で用いられる
ロイコ染料は、求める色調によって従来公知の材料を単
独で又は混合して用いればよい。このようなロイコ染料
としては、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フル
オラン化合物などが挙げられ、その具体例としては、特
開平5−124360号公報、特開平6−210954
号公報、特開平10−230680号公報などに記載の
ロイコ染料が挙げられる。中でも特に好ましい例として
は、黒染料として、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N
−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−
p−トルイジノ)フルオランなどが、青染料として、3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−7−アザフタリドなどが、赤染料
として、2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ンなどが挙げられる。
【0012】発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物
の組合せにより適切な範囲が変化するが、概ね発色剤1
モルに対し顕色剤が0.1〜20モルの範囲であり、好
ましくは0.2〜10モルの範囲である。この範囲より
顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問
題となる。また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中
に内包して用いることもできる。記録層中の発色成分と
樹脂の割合は、発色成分1重量部に対して0.1〜10
重量部が好ましく、これより少ないと記録層の熱強度が
不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題
となる。更に、本発明においては、色調の異なる記録層
を積層し、3色以上の発色画像を得ることも可能であ
る。例えば、第1、第2、第3の記録層を有する場合に
おいて、低エネルギーで発色する上側の層(第3の記録
層)について、第2の記録層が発色する高エネルギーを
掛けた際に消色するようにすれば第2の記録層の色画像
が得られ、消色しないで発色を維持するようにすれば、
第2の記録層と第3の記録層の混色画像が得られる。更
に、第1の記録層が発色する高エネルギーを掛けた際
に、第2及び第3の記録層の特性により、単独の色画像
を得ることも、混色画像を得ることも出来る。
【0013】本発明の記録層には、必要に応じて塗布特
性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を
加えることができる。このような添加剤としては、界面
活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、発色安定化剤、
消色促進剤、発色消色制御剤などが挙げられる。発色消
色制御剤として好ましいのは、アミド又は尿素結合など
のヘテロ原子を含む2価の基と炭素数8以上のアルキル
鎖を有する化合物であったり、N,N−2置換のアミド
基を有する化合物であったりするが、これらの化合物に
限定されるものではない。また、消色促進剤、発色消色
制御剤の配合割合は顕色剤に対し0.1〜300重量%
が好ましく、より好ましくは3〜100重量%である。
【0014】次に本発明の多色発色型可逆性感熱記録媒
体に含まれる可逆性感熱発色組成物の基本的な発色消色
現象について説明する。図1はこの記録媒体の発色濃度
と温度との関係を示したものである。始め消色状態
(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める
温度Tで発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶
融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に
下げることができ、固まった固体発色状態(C)とな
る。固体発色状態が得られるかどうかは、溶融状態から
の降温の速度に依存しており、急冷すれば固体発色状態
(C)となるが、徐冷では降温の過程で消色が起き、始
めと同じ消色状態(A)又は固体発色状態(C)より相
対的に濃度の低い状態が形成される。一方、固体発色状
態(C)から再び昇温していくと発色温度より低い温度
で消色が起き(DからE)、ここから降温すると始
めと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色
温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化する
ので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃
度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するもの
ではなく、異なる場合もある。
【0015】本発明の記録層に用いられる樹脂として
は、従来公知の樹脂が広く用いられ、中でも繰り返し耐
久性の点から架橋可能な樹脂が好ましく用いられる。架
橋可能な樹脂としては熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂などが挙げられるが、中でも熱硬
化性樹脂が好ましく、特に水酸基を有する樹脂をイソシ
アネート系架橋剤で硬化した樹脂などが好ましい。具体
例としては、特開平10−230680号公報などに記
載されているアクリル系ポリマー、スチレン系ポリマ
ー、ポリエステル系ポリマーなどが架橋剤と共に用いら
れる。また、これらの樹脂は単独で又は紫外線吸収性ポ
リマーと併用して用いることができる。記録層中の発色
成分と樹脂の割合は、発色成分1重量部に対して0.1
〜10重量部が好ましく、これより少ないと記録層の熱
強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下し
て問題となる。また、第1の記録層と第2の記録層の間
には、加熱時に両層の材料が混合することを防止するた
めバリアー層を設けることが望ましい。バリアー層の材
料としては、上記記録層に用いられるものと同様な樹脂
を用いることができる。更に、繰り返し書き換えに伴う
熱や圧力に対する耐久性を向上させるため、記録層の樹
脂とバリアー層の樹脂を架橋させることが望ましい。
【0016】記録層の形成には、顕色剤、発色剤、種々
の添加剤、バインダー及び塗液溶媒からなる混合物を均
一に混合分散させて調製した塗液を用いる。塗液調製に
用いられる溶媒の具体例としては、水、メタノール、イ
ソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブ
タノン、エチルアミルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、
酢酸アミルなどのエステル類;トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素類;その他にアミド類、エーテル類、
グリコールエーテルアセテート類、脂肪族炭化水素類、
ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、ピロリドン類
等を挙げることができる。なお、イソシアネート系架橋
剤を用いた場合にはケトン類、エステル類、芳香族炭化
水素類などが好ましく用いられる。
【0017】塗液調製はペイントシェーカー、ボールミ
ル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サ
ンドミル等の公知の塗液分散装置を用いて行うことがで
きる。また、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中
に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散したのち
混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解したのち急冷又は徐
冷して析出させても良い。記録層を設ける塗工方法につ
いては特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗
工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カー
テン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗
工、ディップ塗工、ダイ塗工等の公知の方法を用いるこ
とができる。
【0018】記録層上には保護層を形成しても良く、必
要に応じて複数の保護層を設けることもできる。保護層
の材料としては、前述の記録層の場合と同様な樹脂が用
いられ、特に架橋性の樹脂が好ましく用いられる。また
保護層中には紫外線吸収剤を添加してもよく、従来公知
の有機、無機の紫外線吸収剤が用いられる。紫外線吸収
剤の例としては、ベンゾトリアゾール骨格やベンゾフェ
ノン骨格を有する有機低分子紫外線吸収剤;酸化亜鉛超
微粒子などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール骨
格やベンゾフェノン骨格を有するモノマーを共重合させ
た高分子紫外線吸収剤などが好ましく用いられる。
【0019】また、印加した熱を有効に利用するため、
支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設け
たり、支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記録
層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設け
ることもできる。これらの層に用いられる樹脂としては
前述の記録層用の樹脂が挙げられる。また、本発明にお
いては、搬送性の向上等のためにバックコート層を設け
ても良く、アンダーコート層と同様の樹脂を用いること
ができる。
【0020】記録層、保護層、アンダーコート層、バッ
クコート層には必要に応じてフィラーを添加しても良
く、フィラーとしては無機フィラーと有機フィラーの何
れを用いてもよい。無機フィラーとしては、炭酸カルシ
ウム、シリカ、水酸化アルミなどが、有機フィラーとし
てはシリコーン樹脂などが用いられる。これらのフィラ
ーの形状としては、球状、板状、針状などのものが用い
られる。記録層、保護層、アンダーコート層、バックコ
ート層には必要に応じて滑剤を添加しても良く、滑剤の
具体例としては、合成ワックス類、植物性ワックス類、
動物性ワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、
高級脂肪酸エステル類、アミド類などが挙げられる。
【0021】上記各層は、塗布・乾燥後、必要に応じて
熱硬化処理を行う。熱硬化処理は、例えば恒温槽等を用
いて比較的高温で短時間行っても良いし、比較的低温で
長時間行っても良い。熱硬化処理による架橋反応の具体
的な条件としては、反応性の面から30〜130℃程度
の温度で1分〜150時間程度加温することが好まし
く、次に説明する理由から40〜100℃の温度で2分
〜120時間程度加温することが特に好ましい。即ち、
支持体としてPET(ポリエチレンテレフタレート)フ
ィルムを用いることが多いが、PETフィルムの耐熱性
から130℃以上での乾燥は困難であるため、乾燥条件
程度では十分に架橋させることはできない。従って、乾
燥過程とは別に架橋工程を設ける必要がある。更に、架
橋温度を非常に高温にした場合、架橋は急速に進行する
が、層表面の塗れ性が極端に劣化し、塗工不良が起きた
り、積層した層間の接着性が悪化するという問題を生じ
る。故に、架橋に際しては、40〜100℃の温度で2
分〜120時間程度加温することが特に好ましい。
【0022】本発明の支持体としては記録層を保持でき
るものであればよいが、紙、PETフィルムなどの樹脂
フィルム、合成紙などが好ましく用いられる。また、適
当な厚さの支持体を単独で又は貼り合わせるなどして、
必要に応じて数μmから数mm程度の厚さの支持体とし
て用いる。特に支持体として紙を用いる場合には、高平
滑度のものが好ましい。高平滑度の紙を用いることによ
り、発色画像の均一性、画像のエッジ部の発色性、細線
の発色性などが良好なものとなる。このような高平滑度
の紙としては、コート紙、アート紙のような塗工紙を用
いても良いし、アンダー層を塗工しても良く、更にキャ
レンダー処理するなどして平滑度を向上させても良い。
また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、可逆性感熱記録
部の他に磁気記録層やICなどからなる情報記録部を有
していてもよく、該磁気記録層は可逆性感熱記録層と同
一面及び/又は反対面に設けることができる。また、本
発明の可逆性感熱記録媒体は、粘着層等を介して他の媒
体へ貼り付けても良い。更には、PETフィルムなどの
支持体の片面にバックコート層を設け、該バックコート
層の反対面に、熱転写リボンに用いられる剥離層、本発
明の感熱記録層、紙、樹脂フィルム、PETフィルムな
どに転写できる樹脂層をこの順に設けた構成とし、熱転
写プリンターを用いて転写させても良い。
【0023】本発明の可逆性感熱記録媒体は、シート状
又はカード状に加工されていても良く、その形状につい
ても任意の形状に加工することができる。また、ロール
状に加工して、電子黒板や掲示板などの用途に用いるこ
ともできる。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、非
可逆の感熱記録層を併用しても良く、このときそれぞれ
の記録層の発色色調は同じでも異なっても良い。また、
本発明の可逆性感熱記録媒体の表面の一部又は全面に、
オフセット印刷、グラビア印刷などによって、或いはイ
ンクジェットプリンター、熱転写プリンター、昇華型プ
リンターなどによって任意の絵柄などを施した着色層或
いは印刷部分を設けても良く、更に着色層或いは印刷部
分上の一部又は全面に硬化性樹脂を主成分とするOPニ
ス層を設けても良い。
【0024】本発明の多色発色型可逆性感熱記録媒体を
印字・消去する装置としては、2つの記録層を発色させ
る第1及び第2のエネルギー印加のためサーマルヘッド
などによって高温加熱/急冷する印字工程と、消去の際
に印字の温度よりも少し低い、2つの記録層に共通の消
色温度領域に加熱する消去工程の遂行手段を有していれ
ばよい。消去工程を遂行する加熱手段としては、サーマ
ルヘッド、ヒートローラー、セラミックヒーターなどが
挙げられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は何れ
も重量を基準とするものである。
【0026】 実施例1 <第1の記録層の作製> (1)3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エ トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 2部 (2)下記の構造の顕色剤 8部
【化1】 (3)下記の構造の発色消色制御剤 2部
【化2】 (4)アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、LR−503) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 上記(1)〜(4)の組成物をボールミルを用いて平均
粒径0.1〜3μmまで粉砕分散した。得られた分散液
に日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘ
キサメチレンジイソシアネートの75%酢酸エチル溶
液)20部を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製し
た。この記録層塗布液を、厚さ188μmの白色PET
フィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で
2分乾燥した後、60℃で24時間加熱して、膜厚約
8.0μmの第1の記録層を設けた。
【0027】 <第2の記録層の作製> (1)2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 2部 (2)下記の構造の顕色剤 8部
【化3】 (3)アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、LR−503) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 上記(1)〜(3)の組成物をボールミルを用いて平均
粒径0.1〜3μmまで粉砕分散した。得られた分散液
に日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘ
キサメチレンジイソシアネートの75%酢酸エチル溶
液)20部を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製し
た。この記録層塗布液を、前記の第1の記録層上にワイ
ヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分乾燥した後、
60℃で24時間加熱して、膜厚約8.0μmの第2の
記録層を設けた。
【0028】 <保護層の作製> (1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 15部 (大日本インキ社製、C7−157) (2)フィラー(水澤化学社製、P527) 3部 (3)酢酸エチル 85部 上記(1)〜(3)の組成物を、よく攪拌し保護層塗布
液を調製した。この保護層塗布液を、第2の記録層上に
ワイヤーバーを用いて塗工し90℃で1分乾燥した後、
照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/
分の搬送速度で通して硬化し、膜厚2μmの保護層を設
けて本発明の可逆性感熱記録媒体を得た。
【0029】作製した可逆性感熱記録媒体に対し、松下
電子部品社製EUX−ET8A9AS1端面型サーマル
ヘッド(抵抗値1152オーム)を用いた八城製作所製
感熱印字シミュレーターを用いて次の条件で書き換えを
行った。 「パルス幅2ms、ライン周期2.86ms、印字速度
43.10mm/s、副走査密度8dot/mm」電圧
15Vの条件で印字したところ、可逆性感熱記録媒体上
に赤発色の画像が記録された。次に電圧21Vの条件で
印字したところ青色の画像が記録された。更に、これら
の画像を120℃1秒の条件で消去したところ、発色画
像は何れも消色した。
【0030】 実施例2 <第1の記録層の作製> (1)2−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン 2部 (2)下記の構造の顕色剤 8部
【化4】 (3)下記の構造の発色消色制御剤 2部
【化5】 (4)アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、LR−503) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 上記(1)〜(4)の組成物をボールミルを用いて平均
粒径0.1〜3μmまで粉砕分散した。得られた分散液
に日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘ
キサメチレンジイソシアネートの75%酢酸エチル溶
液)20部を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製し
た。この記録層塗布液を、厚さ188μmの白色PET
フィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で
2分乾燥した後、60℃で24時間加熱して、膜厚約
8.0μmの第1の記録層を設けた。
【0031】 <第2の記録層の作製> (1)2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 2部 (2)下記の構造の顕色剤 8部
【化6】 (3)アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、LR−503) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 上記(1)〜(3)の組成物をボールミルを用いて平均
粒径0.1〜3μmまで粉砕分散した。得られた分散液
に日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘ
キサメチレンジイソシアネートの75%酢酸エチル溶
液)20部を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製し
た。この記録層塗布液を、前記の第1の記録層上にワイ
ヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分乾燥した後、
60℃で24時間加熱して、膜厚約8.0μmの第2の
記録層を設けた。
【0032】 <保護層の作製> (1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 15部 (大日本インキ社製、C7−157) (2)フィラー(水澤化学社製、P527) 3部 (3)酢酸エチル 85部 上記(1)〜(3)の組成物を、よく攪拌し保護層塗布
液を調製した。この保護層塗布液を、第2の記録層上に
ワイヤーバーを用いて塗工し90℃で1分乾燥した後、
照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/
分の搬送速度で通して硬化し、膜厚2μmの保護層を設
けて本発明の可逆性感熱記録媒体を得た。
【0033】作製した可逆性感熱記録媒体を実施例1と
同様の装置を用いて評価した。電圧15Vの条件で印字
したところ、可逆性感熱記録媒体上に赤発色の画像が記
録された。次に電圧21Vの条件で印字したところ緑と
赤の混色の画像が記録された。更に、これらの画像を1
20℃1秒の条件で消去したところ、発色画像は何れも
消色した。
【0034】実施例3 実施例1の第1の記録層と第2の記録層の間に下記のバ
リアー層を設けた点以外は、実施例1と同様にして可逆
性感熱記録媒体を作製した。 <バリアー層の作製>アクリルポリオール樹脂(三菱レ
イヨン社製、LR−503)の15%テトラヒドロフラ
ン(THF)溶液150部と日本ポリウレタン社製コロ
ネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネー
トの75%酢酸エチル溶液)20部を良く攪拌しバリア
ー層形成液を調整した上記のバリアー層形成液を、第1
の記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で
2分乾燥した後、60℃で24時間加熱して、膜厚約
2.0μmのバリアー層を設けた。
【0035】作製した可逆性感熱記録媒体を実施例1と
同様の装置を用いて評価した。電圧15Vの条件で印字
したところ、可逆性感熱記録媒体上に鮮明な赤発色の画
像が記録された。次に電圧21Vの条件で印字したとこ
ろ鮮明な青色の画像が記録された。この赤及び青の発色
画像は実施例1の発色画像よりも鮮やかなものであっ
た。更に、これらの画像を120℃1秒の条件で消去し
たところ、赤及び青の発色の画像は何れも消色した。
【0036】 比較例1 <第1の記録層の作製> (1)2−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン 2部 (2)下記の構造の顕色剤 8部
【化7】 (3)アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、LR−503) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 上記(1)〜(3)の組成物をボールミルを用いて平均
粒径0.1〜3μmまで粉砕分散した。得られた分散液
に日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘ
キサメチレンジイソシアネートの75%酢酸エチル溶
液)20部を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製し
た。この記録層塗布液を、厚さ188μmの白色PET
フィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で
2分乾燥した後、60℃で24時間加熱して、膜厚約
8.0μmの第1の記録層を設けた。
【0037】 <第2の記録層の作製> (1)2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 2部 (2)下記の構造の顕色剤 8部
【化8】 (3)アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、LR−503) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 上記(1)〜(3)の組成物をボールミルを用いて平均
粒径0.1〜3μmまで粉砕分散した。得られた分散液
に日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘ
キサメチレンジイソシアネートの75%酢酸エチル溶
液)20部を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製し
た。この記録層塗布液を、前記の第1の記録層上にワイ
ヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分乾燥した後、
60℃で24時間加熱して、膜厚約8.0μmの第2の
記録層を設けた。
【0038】 <保護層の作製> (1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 15部 (大日本インキ社製、C7−157) (2)フィラー(水澤化学社製、P527) 3部 (3)酢酸エチル 85部 上記(1)〜(3)の組成物を、よく攪拌し保護層塗布
液を調製した。この保護層塗布液を、第2の記録層上に
ワイヤーバーを用いて塗工し90℃で1分乾燥した後、
照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/
分の搬送速度で通して硬化し、膜厚2μmの保護層を設
けて本発明の可逆性感熱記録媒体を得た。
【0039】作製した可逆性感熱記録媒体を実施例1と
同様の装置を用いて評価した。電圧15Vの条件で印字
したところ、可逆性感熱記録媒体上に赤発色の画像が記
録された。次に電圧21Vの条件で印字したところ緑と
赤の混色の画像が記録された。更に、これらの画像を1
20℃1秒の条件で消去したところ、緑の画像が残像と
して確認された。また、同様に印字した画像を130℃
1秒の条件で消去したところ、緑の画像の残像と赤の発
色画像が確認され、消色は不十分であった。このような
結果になったのは、実施例1及び実施例2の第1及び第
2の記録層は、それぞれの顕色剤と発色消色制御剤によ
って、発色のエネルギーは異なるものの、共通の消色温
度領域を持っているのに対し、比較例1の第1及び第2
の記録層は、消色温度が共通でないことによるものであ
る。
【0040】
【発明の効果】1パスの熱印加で多色画像の書き替えが
可能な、発色剤と顕色剤との間の反応を利用した、実用
性の高い多色発色型可逆性感熱記録媒体、その印字・消
去方法及び書き換え装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多色発色型可逆性感熱記録媒体の発色濃度と温
度との関係の説明図である。
【符号の説明】
A 消色状態 B 溶融発色状態 C 固体発色状態 D 消色が起きる過程 E 消色が起きる過程 T 溶融し始める温度 T 発色温度より低い温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 恭治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 AA14 AA21 AA28 BB01 CC10 FF03 FF13 FF24 FF25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、発色特性(色調)の異なる
    第1の記録層と第2の記録層を直接又はバリアー層を介
    して順に積層した多色発色型可逆性感熱記録媒体であっ
    て、第2の記録層は、印加エネルギーの低い第1のエネ
    ルギーによって発色する物性を有し、更に第1及び第2
    の記録層は、第1のエネルギーよりも印加エネルギーの
    高い第2のエネルギーによって発色し、両層共通の消色
    温度範囲に加熱すると消色する物性を有する事を特徴と
    する多色発色型可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体上に、発色特性(色調)の異なる
    第1の記録層と第2の記録層を直接又はバリアー層を介
    して順に積層した多色発色型可逆性感熱記録媒体であっ
    て、第2の記録層は、印加エネルギーの低い第1のエネ
    ルギーによって発色する物性を有し、更に第1及び第2
    の記録層は、第1のエネルギーよりも印加エネルギーの
    高い第2のエネルギーによって第1の記録層が発色する
    と共に第2の記録層が消色し、両層共通の消色温度範囲
    に加熱すると消色する物性を有する事を特徴とする多色
    発色型可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録層の樹脂とバリアー層の樹脂とが架
    橋されていることを特徴とする請求項1又は2記載の多
    色発色型可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 可逆性感熱記録部と磁気記録層又はIC
    からなる情報記憶部を有することを特徴とする請求項1
    〜3の何れかに記載の多色発色型可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 カード状、シート状、又はロール状に加
    工されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに
    記載の多色発色型可逆性感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 着色層或いは印刷部分を有することを特
    徴とする請求項1〜5の何れかに記載の多色発色型可逆
    性感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】 印加エネルギーの低い第1のエネルギー
    で第2の記録層を発色させ、第1のエネルギーよりも印
    加エネルギーの高い第2のエネルギーで第1及び第2の
    記録層を発色させる印字工程と、第1及び第2の記録層
    を両層共通の消色温度範囲に加熱して消色する消去工程
    を有する事を特徴とする請求項1及び3〜6の何れかに
    記載の多色発色型可逆性感熱記録媒体の印字・消去方
    法。
  8. 【請求項8】 印加エネルギーの低い第1のエネルギー
    で第2の記録層を発色させ、第1のエネルギーよりも印
    加エネルギーの高い第2のエネルギーで第1の記録層を
    発色させると共に第2の記録層を消色させる印字工程
    と、第1及び第2の記録層を両層共通の消色温度範囲に
    加熱して消色する消去工程を有する事を特徴とする請求
    項2〜6の何れかに記載の多色発色型可逆性感熱記録媒
    体の印字・消去方法。
  9. 【請求項9】 支持体上に発色特性(色調)の異なる第
    1の記録層と第2の記録層を直接又はバリアー層を介し
    て順に積層した多色発色型可逆性感熱記録媒体に対し、
    印加エネルギーの低い第1のエネルギーを加えて第2の
    記録層を発色させ、第1のエネルギーよりも印加エネル
    ギーの高い第2のエネルギーを加えて第1及び第2の記
    録層を発色させるか、又は第1の記録層を発色させると
    共に第2の記録層を消色させる印字工程を遂行する手
    段、並びに第1及び第2の記録層を両層共通の消色温度
    範囲に加熱して消色する消去工程を遂行する手段を備え
    た事を特徴とする多色発色型可逆性感熱記録媒体の書き
    換え装置。
  10. 【請求項10】 消去工程を遂行する手段の熱源が、サ
    ーマルヘッド、セラミックヒーター、ヒートローラーか
    ら選ばれるヒーターであることを特徴とする請求項9記
    載の多色発色型可逆性感熱記録媒体の書き換え装置。
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