JP3007945B2 - 可逆的感熱記録媒体 - Google Patents

可逆的感熱記録媒体

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JP3007945B2
JP3007945B2 JP9144706A JP14470697A JP3007945B2 JP 3007945 B2 JP3007945 B2 JP 3007945B2 JP 9144706 A JP9144706 A JP 9144706A JP 14470697 A JP14470697 A JP 14470697A JP 3007945 B2 JP3007945 B2 JP 3007945B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物との間の反応を利用した可逆的感熱記録媒
体(本発明の、可逆性感熱記録媒体にはいわゆる可逆性
感熱表示体も含まれ、以下記録媒体および表示体あるい
は記録媒体または表示体ともいう)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以下、顕色剤と
も言う)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広
く知られ、電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、
自動券売機、科学計測機のプリンター、CRT医療計測
用プリンター等に広範囲に応用されている。しかし、従
来の製品はいずれもその発色が不可逆的なもので、発色
と消色を交互に繰り返し行わせることはできない。一
方、特許公報によれば、発色剤と顕色剤との間の発色反
応を利用した感熱記録媒体において、発色と消色を可逆
的に行わせるものもいくつか提案されている。例えば、
特開昭60−193691号によれば、顕色剤として没
食子酸とフロログルシノールとの組合せを用いたものが
示されている。このものを熱発色させて得られる発色体
は水又は水蒸気で消色するものである。しかし、この感
熱記録媒体の場合、その耐水化に困難が伴う上に記録保
存性に難点があり、さらに発色体を消色させるための消
色装置が大型になるという問題がある。特開昭61−2
37684号には、顕色剤にフェノールフタレン、チモ
ールフタレン、ビスフェノール等の化合物を用いた書換
形光記録媒体が示されている。このものは、これを加熱
し徐冷することにより発色体を形成し、一方、発色体を
発色濃度よりもいったん高い温度に加熱した後、急冷す
ることにより消色させることができる。しかし、この記
録媒体の場合、その発色及び消色の工程が複雑である
上、発色体を消色させて得られる消色体に未だ幾分の着
色が見られ、コントラストの良い発色画像を得ることが
できない。特開昭62−140881号、特開昭62−
138568号及び特開昭62−138556号には、
発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの三成分からなる
可逆発色組成物が示されている。このものは低温で完全
着色状態、高温で完全消色状態を示し、それらの中間温
度で着色又は消色状態を保持させることができるもの
で、この媒体にサーマルヘッドで印字することにより、
着色地肌(発色体)の上に白色文字(消色体)を記録す
ることができる。従って、この記録媒体の場合、記録さ
れる画像がネガ画像であることから、その用途が限定さ
れる上、記録画像の保存のために画像を特定の温度範囲
内に保持する必要がある。特開平2−188294号及
び特開平2−188293号には、それぞれ発色剤に対
して、顕色作用と減色作用を可逆的に行う没食子酸と高
級脂肪族アミンとの塩、またはビス(ヒドロキシフェニ
ル)酢酸又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いた可
逆性感熱記録媒体が示されている。このものは、特定温
度以上への加熱および急冷で発色し、同様の温度への加
熱および徐冷で消色する。しかしその顕色作用と減色作
用とは競争的に起るため、これらの作用を熱的に制御す
ることがむずかしく、良好な画像コントラストが得られ
にくい。以上のように、発色剤と顕色剤との反応を利用
した従来の可逆的感熱記録媒体は種々の問題点を含み、
実用上満足できるものではなかった。
【0003】本発明者らは、先に、特定のフルオラン化
合物とアスコルビン酸−6−O−アシル誘導体とを主成
分とする可逆性記録材料を提案した(特開昭63−17
3684号)。この記録材料は、一時的に90℃以上の
高温に加熱することにより発色状態とすることができ、
さらに65〜90℃の範囲の高温に再び加熱することに
より消色状態とすることができるものであり、熱だけで
記録と消去が繰り返せるという特徴を持っていた。しか
し、この記録材料の発色状態は、必ずしも安定とは言い
難く、たとえば、発色状態の記録媒体面に水などが付着
するとすぐに消色して画像が消えてしまったり、高湿下
で保存すると消色が進み画像濃度が低下していくという
問題があった。さらに、紙や多孔性の支持体を用いた場
合、発色組成物のしみ込みが生じ、消色時の消し残りが
ある等消色も十分とは言えず、地肌部と同じレベルまで
は濃度が下らず、画像残りの問題もあった。更にまた、
支持体と記録層との接着が不十分な場合、耐久性にも問
題があった。したがって、実用化のためにはこれらの問
題点を解決する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した可逆的熱発色性組成物を用
いた可逆的感熱記録媒体および表示体において従来技術
に見られる前記の問題点を解決し、発色と消色を加熱の
みで容易に行なわせることができ、しかもその発色状態
と消色状態を常温において安定に保持することが可能
で、安定した発色状態と、発色組成物の支持体へのしみ
込みがなく消し残りのない消色状態が得られ、発色と消
色の繰り返しが安定して行なえる耐久性に優れた可逆的
感熱記録媒体および表示体を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を行なった結果、発色組成物の支持体へのしみ込みを防
止した層構成にすることによって、前記課題を解決しう
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、支持体上に、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆
的熱発色性組成物とバインダー樹脂からなる記録層を設
けてなり、該記録層は該組成物の溶融温度以上への加熱
と冷却で発色状態を形成し、溶融温度以下への加熱で消
色し、この消色状態は冷却により維持され、かつこの発
色・消色状態が繰り返される可逆的感熱記録媒体であっ
て、該電子受容性化合物として、炭素数12以上の脂肪
族基をもつ、ホスホン酸、脂肪族カルボン酸及びフェノ
ール化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を用い
ると共に電子受容性化合物と電子供与性呈色性化合物を
急冷して得た発色状態の混合物の示差走査熱量分析また
は示差熱分析における昇温過程で発熱ピークを示す電子
受容性化合物と電子供与性呈色性化合物の組み合わせを
用い、さらに該支持体と該記録層との間にアンダーコー
ト層が設けられたものであることを特徴とする可逆性感
熱記録媒体が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における記録層は、電子供
与性呈色性化合物(発色剤)と電子受容性化合物(顕色
剤)とを含有する、発色と消色を加熱のみで行なわせる
ことができ、しかもその発色状態と消色状態を冷却によ
り、例えば常温において安定に維持することができ、そ
して可逆的に発色・消色を繰り返すことができるを顕色
剤を使用する。該顕色剤としては、基本的に分子内に発
色剤を発色させることができる顕色能を示す構造と、分
子間の凝集力をコントロールする長い脂肪族鎖状構造部
分を合わせ持つ化合物であり、炭素数12以上の脂肪族
基を持つホスホン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物あ
るいはフェノール化合物である。脂肪族基は、直鎖状ま
たは分枝状のアルキル基、アルケニル基が包含され、ハ
ロゲン、アルコキシ基、エステル基等の置換基を有して
いてもよい。
【0008】ホスホン酸化合物としては、下記一般式
(1)で表される化合物が用いられる。 R1−PO(OH)2 (1) (ただし、R1は炭素数12以上の脂肪族基を表わす)
一般式(1)で表されるホスホン酸化合物の具体例とし
ては、たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルホス
ホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホ
ン酸、オクタデシルホスホン酸、エキコシルホスホン
酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘ
キサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸。
【0009】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪酸類が用い
られる。 R2−CH(OH)−COOH (2) (ただし、R2は炭素数12以上の脂肪族基を表わす) 一般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボ
ン酸化合物としては、たとえば以下のものが挙げられ
る。α−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラ
デカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロ
キシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、
α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン
酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘ
キサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
【0010】脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲ
ン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位またはβ
位の炭素にハロゲン元素を持つものが用いられる。この
ような化合物の具体例としては、たとえば以下のものを
挙げることができる。2−ブロモヘキサデカン酸、2−
ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2
−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、2−ブ
ロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−
ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン
酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカ
ン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオク
タデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロ
ドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオ
クタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨード
オクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸等。
【0011】脂肪族カルボン酸化合物としては、炭素鎖
中にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を有する
脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位
またはγ位の炭素がオキソ基となっているものが用いら
れる。このような化合物の具体例としては、たとえば以
下のものを挙げることができる。2−オキソドデカン
酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカ
ン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサ
ン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン
酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデカ
ン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサ
ン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサデ
カン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソドコサ
ン酸等。
【0012】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(3)で表わされる二塩基酸が用いられる。 (ただし、R3は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、
Xは酸素原子またはイオウ原子を表わし、Xが酸素原子
の場合はnは1、またXがイオウ原子の場合はnは1ま
たは2を表わす) 一般式(3)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば、以下のものが挙げられる。2−(ドデシルオ
キシ)こはく酸、2−(テトラデシルオキシ)こはく
酸、2−(ヘキサデシルオキシ)こはく酸、2−(オク
タデシルオキシ)こはく酸、2−(エイコシルオキシ)
こはく酸、2−(ドコシルオキシ)こはく酸、2−(テ
トラコシルオキシ)こはく酸、2−(ドデシルチオ)こ
はく酸、2−(テトラデシルチオ)こはく酸、2−(ヘ
キサデシルオキシ)こはく酸、2−(オクタデシルチ
オ)こはく酸、2−(エイコシルチオ)こはく酸、2−
(ドコシルチオ)こはく酸、2−(テトラコシルチオ)
こはく酸、2−(ドデシルジチオ)こはく酸、2−(テ
トラデシルジチオ)こはく酸、2−(ヘキサデシルジチ
オ)こはく酸、2−(オクタデシルジチオ)こはく酸、
2−(エイコシルジチオ)こはく酸、2−(ドコシルジ
チオ)こはく酸、2−(テトラコシルジチオ)こはく酸
等。
【0013】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(4)で表わされる二塩基酸が用いられる。 (ただし、R4,R5,R6は水素又は脂肪族基を表わ
し、このうち少なくとも1つは炭素数12以上の脂肪族
基である) 一般式(4)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルこはく酸、
トリデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデ
シルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこは
く酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこは
く酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−
3−ドデシルこはく酸、2−メチル−3−テトラデシル
こはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2
−メチル−3−ドデシルこはく酸、2−エチル−3−ド
デシルこはく酸、2−プロピル−3−ドデシルこはく
酸、2−オクチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−テ
トラデシル−3−オクタデシルこはく酸等。
【0014】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(5)で表わされる二塩基酸が用いられる。 (ただし、R7,R8は水素又は脂肪族基を表わし、この
うち少なくとも1つは炭素数12以上の脂肪族基であ
る) 一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルマロン酸、
テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタ
デシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン
酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテ
トラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオク
タデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシル
マロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコ
シルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラ
コシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチル
エイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチル
テトラコシルマロン酸等。
【0015】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(6)で表わされる二塩基酸が用いられる。 (ただし、R9は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、
nは0または1を表わし、mは1,2または3を表わ
し、nが0の場合、mは2または3であり、nが1の場
合はmは1または2を表わす) 一般式(6)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば以下のものが挙げられる。2−ドデシルグルタ
ル酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシル
グルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、2−ドコシル
グルタル酸、2−ドデシルアジピン酸、2−ペンタデシ
ルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイ
コシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸等。
【0016】脂肪族カルボン酸化合物としては、長鎖脂
肪酸によりアシル化されたクエン酸などの三塩基酸も用
いられる。その具体例としては、たとえば以下のものが
挙げられる。
【0017】フェノール化合物としては、下記一般式
(7)で表わされる化合物が用いられる。
【化1】 (ただし、Yは−S−,−O−,−CONH−又は−C
OO−を表わし、R10は炭素数12以上の脂肪族基を表
わし、nは1,2または3の整数である)。一般式
(7)で表わされるフェノール化合物の具体例として
は、たとえば以下のものが挙げられる。p−(ドデシル
チオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノー
ル、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オク
タデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フ
ェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テ
トラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)
フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、
p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタ
デシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)
フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−
(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカル
バモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフ
ェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、
p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコ
シルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイ
ルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノー
ル、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オクタデ
シルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食子酸
ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル等。
【0018】本発明における記録層は、基本的に前記顕
色剤に対して発色剤を組合せることによって構成される
ものである。本発明で用いる発色剤は電子供与性を示す
ものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体で
あり、特に限定されず、従来公知のもの、たとえばトリ
フェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合
物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合
物、インドリノフタリド系化合物などが用いられる。そ
の発色剤の具体例を以下に示す。
【0019】本発明に用いる好ましい発色剤として下記
一般式(8)または(9)の化合物がある。
【化2】
【化3】 (ただし、R3は水素または炭素数1〜4のアルキル
基、R4は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル
基または置換されていてもよいフェニル基を示す。フェ
ニル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基な
どのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコ
キシ基またはハロゲン等が示される。R5は水素、炭素
数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲンを
表わす。R6は水素、メチル基、ハロゲンまたは置換さ
れていてもよいアミノ基を表わす。アミノ基に対する置
換基としては、例えば、アルキル基、置換されていても
よいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基を
示す。ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン、アルコ
キシ基などである)。このような発色剤の具体例として
は、たとえば次の化合物が挙げられる。
【0020】3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフ
ルオラン、3−ジメチルアミノ−6,7−ジメチルフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン、3−(N−プロピル−N−メチル)アミノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジブチルア
ミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3
−(N−n−プロピル−N−イソプロピル)アミノ−6
−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−
エチル−N−sec−ブチル)アミノ−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(m−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラ
ン、3−(N−n−アミル−N−エチル)アミノ−6−
メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−n−オク
チルアミノ−7−(p−クロルフェニル)アミノフルオ
ラン、3−n−パルミチルアミノ−7−(p−クロルフ
ェニル)アミノフルオラン、3−ジ−n−オクチルアミ
ノ−7−(p−クロルフェニル)アミノフルオラン、
3−(N−n−アミル−N−n−ブチル)アミノ−7−
(p−メチルカルボニルフェニル)アミノフルオラン、
3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−フ
ェニルアミノフルオラン、
【0021】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと、以下の通りである。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラ
クトン)、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
エチルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、 3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリ
ド、 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 3−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミ
ノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−7−(o−ク
ロルアニリノ)キサンチル}安息香酸ラクタム、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロ
ロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、 3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジアルミノ)フルオラン、 ベンゾロイコメチレンブルー、 6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ス
ピロピラン、 6′−ブロモ−2′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ス
ピロピラン、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメトキシアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)
フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)
フタリド、 3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−
メトキシフェニル)フタリド、 3−モルホリノ−7−(N−プロピルートリフルオロメ
チルアニリン)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチ
ルアミノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェ
ニルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフ
ェニルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、 3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフノレオラン、 3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、 3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−
5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロ
モフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′,5′−ベンゾフルオラン、 3−N−メチル−N−イソブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、 3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−
ジメチルアニリノ)フルオラン、
【0022】3−シクロヘキシルアミノ−6−ブロモフ
ルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、 3−ジプロピルアミノ−7−クロルフルオラン、 3−ピロリジノ−6−クロル−7−フェニルアミノ−フ
ルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−(m−トリフロ
ロメチルフェニル)アミノ−フルオラン、 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル−7−(o−ク
ロルフェニル)アミノ−フルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−(2′,3′ジ
クロルフェニル)アミノ−フルオラン、 3−ジブチルアミノ−6−クロル−7−エトキシエチル
アミノ−フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−ブロモフェニル)アミ
ノ−フルオラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロフェニル)ア
ミノ−フルオラン、 3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−
クロルフェニル)フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)
フタリド、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−ク
ロルフェニル)アミノーキサンチル}安息香酸ラクタ
ム、 3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−7−クロルフ
ルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフロロ
メチルアニリノフルオラン、 3−ピロリジノ−6−メチル−7−m−トリフロロメチ
ルアニリノフルオラン3−(N−シクロヘキシル−N−
メチル)アミノ−6−メチル−7−m−トリフロロメチ
ルアニリノフルオラン、 3−モルホリノ−7−(N−n−プロピル−N−m−ト
リフロロメチルフェニル)アミノフルオラン、
【0023】3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)
−7−アミノ−フルオラン、3−(N−エチル−N−フ
ェニルアミノ)−7−アミノ−フルオラン、3−(N−
プロピル−N−フェニルアミノ)−7−アミノ−フルオ
ラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−エチル
−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−プロピル−N−(p−メチルフ
ェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N
−メチル−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−エ
チルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3
−{N−プロピル−N−(p−エチルフェニル)アミ
ノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N
−(2′,4′−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ア
ミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(2′,
4′−ジメチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フル
オラン、3−{N−プロピル−N−(2′,4′−ジメ
チルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3
−{N−メチル−N−(p−クロルフェニル)アミノ}
−7−アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−
(p−クロルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオ
ラン、3−{N−プロピル−N−(p−クロルフェニ
ル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−(N−メ
チル−N−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−フル
オラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7
−メチルアミノ−フルオラン、3−(N−プロピル−N
−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−フルオラン、
3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミ
ノ}−7−エチルアミノ−フルオラン、3−{N−エチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ベンジ
ルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−
(2′,4′−ジメチルフェニル)アミノ}−7−メチ
ルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−
(2′,4′−ジメチルフェニル)アミノ}−7−エチ
ルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−
(2′,4′−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ベン
ジルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−
(2′,4′−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ベン
ジルアミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フェ
ニルアミノ)−7−ジメチルアミノ−フルオラン、3−
(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−ジメチルアミ
ノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチル
フェニル)アミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラン、3−(N−
メチル−N−フェニルアミノ)−7−ジプロピルアミノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−
7−ジプロピルアミノフルオラン、3−{N−メチル−
N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ジベンジル
アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メ
チルフェニル)アミノ}−7−ジベンジルアミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−7−ジ(p−メチルベンジル)アミノ−
フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−7−アセチルアミノ−フルオラン、3
−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}
−7−ベンゾイルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−(o−
メトキシベンゾイル)アミノ−フルオラン、3−{N−
メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メ
チル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−t−
ブチル−7−(p−メチルフェニル)アミノ−フルオラ
ン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−6−メ
チル−7−(N−エチル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ−フルオラン、3−{N−プロピル−N−(p−
メチルフェニル)アミノ}−6−メチル−7−{N−メ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−5−メチル−7−ベンジルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−5−クロロ−7−ジベンジルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−5−メトキシ−7−ジベンジルアミノ−フルオ
ラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−6−メチル−フルオラン、3−{N−エチル
−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−5−メトキシ
−フルオラン、
【0024】3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフル
オラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−
7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n
−オクチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−
N,N−ジブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−7,
8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−P−メ
チルフェニルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3
−N,N−ジアリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラ
ン、3−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)−
7,8−ベンゾフルオラン等。
【0025】次に本発明の可逆的感熱記録媒体の記録層
の基本的な発色・消色現象の例として、前記例示の顕色
剤・発色剤からなる可逆的熱発色組成物を用いた場合を
代表として説明する。図1に前記した発色状態組成物の
発色濃度と温度の関係を示す。この図の横軸は温度を示
し、縦軸は発色濃度を示している。図中Aは常温で消色
状態にある組成物を示し、Bはこの組成物が加熱・溶融
状態にあり発色した状態を示す。また、Cは常温にある
この組成物の発色状態を示している。はじめこの組成物
がAの状態にあるとし、この状態から昇温していくと、
混合・溶融(共融)しはじめる温度T1で濃度が上りB
の状態に達する。Bの状態から冷却すると、この発色状
態を維持したまま、常温に戻りCに達する(図中の実線
の経路)。Cの状態から再び昇温していくと、温度T2
で濃度が低下し、ついには消色状態となりDに達する。
Dの状態から冷却し降温するとそのまま消色状態Aに戻
る(図中の鎖線の経路)。図1に示された温度T1は発
色開始温度であり、T2は消色開始温度である。また、
2からT1までの温度が消色温度領域となる。図1から
もわかるように、本発明において、可逆的感熱記録層に
用いる可逆的熱発色組成物が示す発色・消色現象の特徴
は、溶融して発色する温度より低い温度領域に消色温度
範囲があり、常温発色状態からこの範囲に加熱すること
により消色できることである。また、発色と消色の現象
は異なる温度への加熱と冷却を交互に行なうことによっ
て繰り返すことができる。なお、図1は本発明における
可逆的熱発色組成物の代表的な発色と消色の仕方を示し
たものであり、発色開始温度及び消色開始温度は用いる
材料の組合わせで異なる。また、溶融して発色している
状態Bの濃度と、その状態から冷却して得た発色状態C
における濃度は必らずしも一致するものではなく、異な
る場合もある。たとえば、顕色剤と発色剤の組合せによ
っては溶融状態Bにおける発色濃度がきわめて低いが、
冷却過程で濃度が高くなり室温では高濃度の発色状態を
呈する組成物もある。
【0026】本発明の上記例の可逆的感熱記録層におけ
る発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物の物性によ
って適切な比率を選択する必要がある。その範囲はおお
むね、モル比で発色剤1に対し顕色剤が1〜20の範囲
であり、好ましくは2〜10の範囲であり、重量比では
発色剤1に対して顕色剤が0.5〜5、好ましくは2〜
4である。この範囲より顕色剤が少なくとも、また多く
ても発色状態の濃度が低くなり実用上の問題となる。ま
た、上記の好ましい範囲にあっても、発色剤と顕色剤の
割合によって消色特性は変化し、比較的顕色剤が多い場
合には消色開始温度が低くなり、比較的少ない場合には
消色が温度に対してシャープになる。したがって、この
割合は用途や目的に応じて適当に選択しなければならな
い。更にまた、このような発色剤と顕色剤の組成比によ
る発色・消色性の変化は、用いる発色剤と顕色剤の組合
せによって大きく変化するので、それぞれに対して適し
た混合比を調べる必要がある。とくに、この組成物を記
録媒体として用いる場合には、単に添加量の比だけでは
なく、記録層中における顕色剤と発色剤の分布を考慮し
なければならない。したがって、記録媒体では最適な添
加量の比が上記の範囲にあるとは限らない。本発明にお
ける可逆的感熱記録層は、基本的に顕色剤と発色剤によ
って成り立つものであるが、種々の特性、たとえば消色
性や保存性などの改善を目的として、顕色剤の結晶化を
コントロールする効果のある添加剤を含有させることが
できる。
【0027】本発明の可逆的感熱記録媒体(なお、以下
の説明において本発明の記録媒体は、表示体も包含する
ものである。)は、支持体上にアンダーコート層を設
け、更にその上に前記の可逆的熱発色性組成物を含む記
録層を設けたものである。記録媒体の基本的構成を図2
に示す。図中、1は支持体、2は記録層、3は保護層、
4はアンダーコート層を表わす。ここで用いられる支持
体としては、たとえば、紙、合成紙、プラスチックフィ
ルムあるいはこれらの複合体、ガラス板などであり、記
録層を保持できるものであればよい。可逆的感熱記録層
は、前記の可逆的熱発色性組成物が存在すれば、どのよ
うな態様のものでもよい。通常よく行なわれるように、
層としての形態をとらせるために、必要に応じてバイン
ダー樹脂を用いて顕色剤と発色剤を支持体上に保持させ
たものである。バインダー樹脂としては、たとえばポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノ
キシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウ
レタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル
類、ポリメタクリル酸エステル類、アクリル酸共重合
体、マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコールなどが
ある。顕色剤および発色剤は、マイクロカプセル中に内
包して用いることができる。顕色剤、発色剤のマイクロ
カプセル化は、コアセルベーション法、界面重合法、イ
ンサイチュ重合法など公知の方法によって行なうことが
できる。記録層の形成は、従来公知の方法に従い、発色
剤および顕色剤をバインダー樹脂と共に水または有機溶
剤により均一に分散もしくは溶解して、これを支持体上
に塗布・乾燥することによって行なう。またバインダー
樹脂を用いない場合、顕色剤と発色剤を混合・溶融して
膜とし、冷却して記録層とすることができる。記録層の
バインダー樹脂の役割は、発色・消色の繰り返しによっ
て可逆的熱発色性組成物を均一に分散させた状態を保持
することにある。特に、発色時の熱印加で組成物が集合
して不均一化することが多いから、バインダー樹脂は耐
熱性の高いものが好ましい。
【0028】次に記録層の形成にあたり、特に有用なバ
インダー樹脂の使用例について示す。バインダー樹脂と
してフェノキシ樹脂または芳香族ポリエステルを用いる
ことにより、記録層の繰り返し耐久性を向上させること
ができる。これは、これら樹脂の優れた耐熱性の為、サ
ーマルヘッド等で印加される熱、圧力に対して耐久性が
向上し、また機械的強度及び硬度が大きい為変形しにく
く、バインダー樹脂中の発色剤と顕色剤との反応で形成
される発色体の破損を防止し、高濃度画像を維持できる
ものと推測される。感熱記録層のバインダー樹脂にフェ
ノキシ樹脂を用いた場合、繰り返しによる発色濃度の低
下がなく、安定した消色性を示す記録層を得ることがで
きる。その上フェノキシ樹脂は透明性が良く、機械的に
安定で成膜性が良いことに加えて高温での熱安定性が良
いため、サーマルヘッド等を用いて記録−消去を繰り返
す場合のように圧力下で加熱する場合においても、バイ
ンダー樹脂の変形が少なく、そのため記録層の耐久性が
向上し、画像欠陥を防ぐことができる。一方、芳香族ポ
リエステルを用いた場合は、芳香族ポリエステルの透明
性の良さ及び成膜性の良さに加えて、強さや硬さのため
に、サーマルヘッド等を用いて記録−消去を繰り返すよ
うな熱と共に圧力を加える場合においても、バインダー
樹脂の変形が少ないから記録層の耐熱性が向上し、画像
欠陥を防止することができる。
【0029】本発明の可逆的感熱記録媒体の記録層にバ
インダー樹脂として好ましく用いられるフェノキシ樹脂
は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから得ら
れる高分子量樹脂であり、耐熱性に優れている。フェノ
キシ樹脂には、例えばユニオンカーバイド社製PKH
C、PKHJ、PKHHなどがある。
【0030】また、芳香族ポリエステルとしては次のよ
うな一般式で示されるものが好ましい。
【化4】 (前記式中、R1,R2はアルキル、シクロアルキルを示
し、R3,R4はアルキル、アルコキシ、ハロゲンを示
す) 前記芳香族ポリエステルには、例えばユニカチ(株)製
の商品名のU−100、U−400、P−100、P−
1001、U−1060、U−4015、U−500
1、U−6000等がある。本発明では、これらの1種
でも使用できるが、2種以上混合して使用してもよい。
【0031】本発明の可逆的感熱記録媒体の記録層に
は、顕色剤、発色剤のバインダー樹脂として硬化性樹脂
を用いることができる。この硬化性樹脂には、熱硬化性
樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が包含さ
れるが、バインダー樹脂としてこれらの硬化性樹脂を用
いた場合、支持体等の上に、未架橋、或いは一部架橋し
た、即ち最終架橋前の状態の低分子化合物、或いは高分
子化合物である硬化性樹脂を塗布し、熱や、光、電子線
等のエネルギー線によって、最終架橋状態を形成させ硬
化させることにより、これら硬化性樹脂は、記録層中で
は硬化した状態で存在する。このような硬化性樹脂を用
いることにより、サーマルヘッド等のように圧力を加
え、同時に加熱するような加熱手段による画像形成−消
去の繰り返しに対する耐久性が向上し、しかも高濃度な
画像を形成できる可逆的感熱記録媒体を得ることができ
る。本発明で記録層のバインダー樹脂として用いられる
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、キシレン樹脂、
グアナミン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ウレタン樹脂、ポ
リ−p−ヒドロキシ安息香酸、マレイン酸樹脂、メラミ
ン樹脂、ユリア樹脂などが挙げられる。また、紫外線硬
化性樹脂としては、紫外線照射により重合反応を起し、
硬化樹脂となるモノマー又はオリゴマー(又はプレポリ
マー)であれば全て使用できる。このようなモノマー又
はオリゴマーとしては、(ポリ)エステルアクリレー
ト、(ポリ)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリ
レート、メラミンアクリレート等がある。(ポリ)エス
テルアクリレートとしては、1,6−ヘキサジオール、
プロピレングリコール(ポリプロピレンオキサイド)、
ジエチレングリコール等の多価アルコールと、アジピン
酸、無水フタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸とアク
リル酸とを反応させたものなどがある。その例を(a)
〜(c)に示す。
【0032】(a)アジピン酸/1,6−ヘキサンジオ
ール/アクリル酸
【化5】 (b)無水フタル酸/ポリプロピレンオキサイド/アク
リル酸
【化6】 (c)トリメット酸/ジエチレングリコール/アクリル
【化7】
【0033】(ポリ)ウレタンアクリレートは、トリレン
ジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネートを
基を有する化合物にヒドロキシ基を有するアクリレート
を反応させたものである。その例を(d)に示す。尚、
HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、HDOは
1,6−ヘキサンジオール、ADAはアジピン酸を各々
示す。 (d)HEA/TDI/HDO/ADA/HDO/TD
I/HEA
【化8】
【0034】エポキシアクリレートは、その構造から大
別してビスフェノールA型、ノボラック型、脂環型があ
り、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエ
ステル化して官能基をアクリロイル基としたものであ
る。その例を(e)〜(g)に示す。 (e)ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型/アク
リル酸
【化9】 (f)フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型/
アクリル酸
【化10】 (g)脂環型/アクリル酸
【化11】
【0035】ポリブタジエンアクリレートは、末端OH
基含有1,2−ポリブタジエンにイソシアネートや1,
2−メルカプトエタノール等を反応させてから、更にア
クリル酸等を反応させたものである。その例を(h)に
示す。 (h)
【化12】
【0036】シリコーンアクリレートは、例えば、有機
官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロ
キサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタク
リル変性したものであり、その例を(i)に示す。 (i)
【化13】
【0037】本発明においては、バインダー樹脂として
水性エマルジョン化疎水性高分子を用いることができ
る。本発明の顕色剤の場合、従来一般に用いられている
水溶性高分子をバインダー樹脂として用いると、該樹脂
は分散性が悪い上に塗布液の発泡や増粘が起り、濾過性
も悪化し、塗布液を紙支持体に塗布乾燥した時に、発色
濃度が低く、しかも発色と消色の可逆性も損なわれると
いう問題のあることが判明した。本発明によれば、この
ような問題は水性エマルジョン化疎水性高分子を用いる
ことにより解決される。水性エマルジョン化された疎水
性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニ
ル−塩化ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン等が挙げられる。これらの疎水
性高分子の水性エマルジョンのpHは6.0〜9.0に
保持される。6.0未満のpHでは塗布液のかぶりの発
生が生じ、一方、9.0を超えると記録層の発色性が低
下する。水性エマルジョン化疎水性高分子に対しては、
慣用の水溶性高分子を併用することができる。水溶性高
分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、澱粉、ポリア
クリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
アミド、各種マレイン酸共重合体、各種アクリル酸共重
合体等が挙げられる。水溶性高分子を併用する場合、疎
水性高分子の使用量は、バインダー樹脂の全量に対して
50重量%以上になるように規定するのがよい。本発明
において、バインダー樹脂の使用割合は、発色剤1重量
部に対して0.5〜10重量部、好ましくは2〜5重量
部である。
【0038】本発明の可逆的感熱記録媒体において、そ
の耐光性は、光安定化剤を記録層中に含有させることに
より向上させることができる。本発明に使用される光安
定化剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止
剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの
消光剤等が挙げられる。
【0039】紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシル
オキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−
4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,
4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−メトキシ−4′−メチルベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−ヘプトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−3,6−ジクロル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロル−4−エトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキ
シ−3−メチルアクリルオキシ)プロポキシベンゾフェ
ノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2−
ヒドロキシ−5−トリル)ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3
−tert−ブチル−5−トリル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−
ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tertブチ
ル−5−トリル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)ベンゾト
リアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレ
ート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、カ
ルボキシフェニルサリシレート、トリルサリシレート、
ドデシルフェニルサリシレートなどのサリチル酸フェニ
ルエステル系紫外線吸収剤、あるいはp−メトキシベン
ジリデンマロン酸ジメチルエステル、2−エチルヘキシ
ル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、
エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレー
ト、3,5−ジ−tert−ブチル−p−ヒドロキシ安
息香酸、紫外線により転位してベンゾフェノンとなるレ
ゾシノールモノベンゾエート、2′,4′−ジ−ter
t−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンゾエート等がある。
【0040】酸化防止剤、老化防止剤としては、例え
ば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール、
2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、スチ
レン化フェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチ
ル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−イ
ソプロピリデンビスフェノール、2,6−ビス(2−ヒ
ドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジ
ル)−4−クレゾール、4,4′−チオビス−(3−メ
チル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス
−{メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシハイドロシンナメート)}メタン、p−ヒドロ
キシフェニル−3−ナフチルアミン、2,2,4−トリ
メチル−1,2−ジヒドロキノリン、チオビス(β−ナ
フトール)、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト
ベンズイミダゾール、アルドール−2−ナフチルアミ
ン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジルベンゾエート、ジラウリル−3,3′−チ
オジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジ
ブロミネート、トリス(4−ノニルフェニル)ホスファ
イト等がある。
【0041】一重項酸素の消光剤としては、カロテン
類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体
類、スルフィド類等がある。これらの具体例としては、
例えば、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタ
ン、β−カロテン、1,3−シクロヘキサジエン、2−
ジエチルアミノメチルフラン、2−(N−メチル)アニ
リノフラン、9−ジエチルアミノメチルアントラセン、
5−ジエチルアミノメチル−6−フェニル−3,4−ジ
ヒドロキシピラン、ニッケルジメチルジチオカルバメー
ト、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケル
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−o
−エチルホスホナート、ニッケル3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル−o−ブチルホスホナー
ト、ニッケル{2,2′−チオビス(4−t−オクチル
フェノラート)}(n−ブチルアミン)、ニッケル
{2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノラー
ト)}(2−エチルヘキシルアミン)、ニッケルビス
{2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノラー
ト)}、ニッケルビス{2,2′−スルホンビス(4−
オクチルフェノラート)}、ニッケルビス(2−ヒドロ
キシ−5−メトキシフェニル−N−n−ブチルアルドイ
ミン)、ニッケルビス(ジチオベンジル)、ニッケルビ
ス(ジチオビアセチル)等がある。スーパーオキシドア
ニオンの消光剤としては、スーパーオキシドジスムター
ゼとコバルト〔III〕及びニッケル〔II〕の錯体等があ
るが、これらの例が本発明を限定するものではない。こ
れらは単独又は2種以上混合して使用される。
【0042】本発明の可逆的感熱記録媒体のヘッドマッ
チング性は、記録層中に、有機又は無機フィラー及び滑
剤を含有させることにより向上させることができる。本
発明に使用される有機フィラーとしては、ポリオレフィ
ン粒子、ポリスチレン粒子、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂粒子、プラスチック微小中空球体等が挙げられる。無
機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、重質及び軽
質炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウ
ム、シリカゲル、コロイダルシリカ(10〜50n
m)、アルミナゲル(10〜200nm)、活性白土、
タルク、クレー、カオリナイト、焼成カオリナイト、ケ
イソウ土、合成カオリナイト、ジルコニウム化合物、ガ
ラス微小中空球体等が挙げられる。滑剤としては、ワッ
クス類があり、例えばステアリン酸アミド、ステアリン
酸亜鉛、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウ
リン酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、メチレ
ンビスステアリルアミド、メチロールステアリルアミ
ド、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、更に
は、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステ
ル、シリコーン系化合物等が挙げられる。これらは、単
独又は2種以上混合して使用される。その添加量はバイ
ンダー樹脂に対し、1〜50重量%程度である。
【0043】本発明においては、耐薬品性、耐水性、耐
摩擦性、耐光性及びヘッドマッチング性にすぐれた感熱
記録媒体を得るために、記録層の上面にオーバーコート
層として保護層を設けることができる。この保護層に
は、水溶性高分子や疎水性高分子化合物の水性エマルジ
ョンを主体として形成された被膜や、紫外線硬化性樹脂
や電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を主体として形成し
た被膜等が包含される。尚、保護層の形成に、これら硬
化性樹脂を用いた場合、記録層の上に、未架橋、或いは
一部架橋した、即ち最終架橋前の状態の低分子化合物、
或いは高分子化合物である硬化性樹脂を塗布し、熱や、
光、電子線等のエネルギー線によって、最終架橋状態を
形成させ硬化させることにより、これら硬化性樹脂は、
保護層中では硬化した状態で存在する。このような保護
層の形成により、有機溶剤、可塑剤、油、汗、水等の接
触によっても、温度変化による画像の形成及び消去を問
題なく繰り返すことのできる記録媒体を得ることができ
る。また保護層中に光安定化剤を含有させることによ
り、画像及び地肌の耐光性が著しく改良された記録媒体
を得ることができ、さらに保護層に有機又は無機フィラ
ー及び滑剤を含有させることにより、サーマルヘッド等
との接触で生ずるスティッキングなどの問題もなく、信
頼性及びヘッドマッチング性にすぐれた感熱記録媒体を
得ることができる。ここで用いられる有機または無機の
フィラーおよび滑剤には、たとえば前記した記録層に用
いるものと同様のものがあげられる。
【0044】次に、本発明の感熱記録媒体の保護層につ
いて詳述する。保護層被膜形成用の水溶性高分子及び高
分子水性エマルジョンは、その種類は制限されず、従来
公知の種々のものを用いることができる。水溶性高分子
の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、セルロ
ース誘導体(メチルセルロース、メトキシセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等)、カゼイン、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ
変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルア
ミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。水性
エマルジョン用高分子としては、例えば、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ス
チレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢
酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは、単独もし
くは混合して使用され、更に必要に応じては硬化剤を添
加して樹脂を硬化させても良い。
【0045】紫外線硬化性樹脂としては、その種類は制
限されず、従来公知の種々のものを用いることができ
る。紫外線硬化性樹脂を使用する時には、溶剤等を使用
する場合があるが、この場合の溶剤としては、例えば、
テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、トルエン、ベンゼン等の有機溶剤が挙げられる。ま
た、これらの溶剤の代わりに、取り扱いを容易にするた
め反応性希釈剤として光重合性モノマーを使用すること
ができる。
【0046】光重合性モノマーとしては、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ブ
トキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリット
トリアクリレート等が挙げられる。保護層に用いられる
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線照射により重合反応
を起こし、硬化して樹脂となるモノマーまたはオリゴマ
ーあるいはプレポリマーであれば全て使用でき、たとえ
ば、前記の記録層に関して示した樹脂と同様の樹脂を用
いることができる。
【0047】更に、本発明の感熱記録媒体の耐光性向上
は、光安定化剤を保護層中に含有させることによっても
達成される。本発明に使用される光安定化剤としては、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素の
消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光剤が用いられ
る。これらは前記記録層に関して示したものと同様のも
のが用いられる。保護層の塗工方法、塗工量には特別な
制限はないが、塗工量については、保護層としての性能
及び経済性を考慮すると、記録媒体上に塗布厚が0.1
〜20μmの範囲、更に望ましくは塗布厚が0.5〜1
0μmの範囲が、保護層としての性能が充分発揮され、
記録媒体の性能を落さない厚さ範囲である。
【0048】本発明の可逆的感熱記録媒体では、支持体
と記録層との間にアンダーコート層を設けることができ
る。記録媒体の作成に当っては、支持体上に前記の顕色
剤、発色剤および樹脂を含む溶液、分散液からなる塗布
液を塗布するが、このときの塗布特性の改善、支持体へ
のしみ込みの防止が必要になる場合がある。また、記録
媒体の記録時には、加熱により溶融した発色体が、支持
体に吸着してしまう場合がある。このような支持体への
しみ込みや、吸着が起こってしまうと、消色が十分に行
なわれなくなることがあり、画像残りの原因となる。こ
れらの現象は下記のアンダーコート層を設けることによ
り解決できる。アンダーコート層は記録層塗布液の溶剤
に対し、溶解あるいは膨潤しないものであることが好ま
しい。
【0049】記録層に用いる樹脂が、有機溶剤可溶性の
樹脂で塗布液に有機溶剤を用いる場合には、有機溶剤に
対し溶解、膨潤しない水溶性高分子のアンダーコート層
が好ましい。また記録層が水溶性高分子またはエマルジ
ョンを用いた水系の塗布液で形成される場合には、耐水
性の樹脂たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル樹
脂などを用いるか、水溶性樹脂と耐水化剤を用いること
が好ましい。また、アンダーコート層としては、疎水性
高分子エマルジョンによって形成された層も用いられ
る。
【0050】疎水性高分子エマルジョンとしては、スチ
レン/ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリ
ル/ブタジエン/スチレン共重合体ラテックスの他、酢
酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチ
レン/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体、アクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂
等のエマルジョンが挙げられる。特にスチレン/ブタジ
エン共重合体ラテックス、ポリ塩化ビニリデン又はポリ
酢酸ビニルのエマルジョンを用いることが好ましい。
【0051】一方、前記水溶性高分子としては例えば、
ポリビニルアルコール、デンプンおよびその誘導体、メ
トキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロ
ース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリ
ドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、
アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチ
ン、カゼイン等が挙げられる。
【0052】水溶性高分子を耐水化させるための耐水化
剤としては、前記水溶性高分子と縮合あるいは架橋反応
等をして硬化させ耐水化せしめるものであればよく、例
えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、クロム明ば
ん、メラミン、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等が
挙げられる。このように、アンダーコート層の形成に硬
化作用を有する耐水化剤を併用した硬化性樹脂を用いた
場合、支持体上に、未架橋、或いは一部架橋した、即ち
最終架橋前の状態の低分子化合物或いは高分子化合物で
ある硬化性樹脂を塗布し、熱や、光、電子線等のエネル
ギー線によって、最終架橋状態を形成させ硬化させるこ
とにより、硬化性樹脂は、アンダーコート層中では硬化
状態で存在する。これらの耐水化剤は水溶性高分子に対
して20〜100重量%の割合で添加されるのが好まし
い。
【0053】次に本発明の可逆的感熱記録方法および表
示方法について説明する。本発明の可逆的感熱記録媒体
を用いて可逆的な記録または表示を行うには、記録媒体
及び表示体に対し、記録層中の発色剤と顕色剤を発色温
度に一時的に加熱することにより発色状態を得る工程
と、発色状態の記録層を消色温度に加熱することにより
消色状態を得る工程があればよい。
【0054】本発明の記録媒体または表示体に形成され
る画像には、消色状態の地肌部に対し発色状態の画像を
形成したものと、逆に発色状態の地肌部に対し消色状態
の画像を形成したものがある。どちらの場合にも画像状
に熱を印加するときは、熱ペン、サーマルヘッド、レー
ザー光加熱など部分的に熱を加えられる手段を用いれば
よい。また、全面消色あるいは全面発色を行なう場合は
ヒートローラー、全面ヒーターなどに接触させるか、温
風を吹き付けるか、加熱された恒温槽内に入れるか、赤
外線を照射するなどの方法がある。もちろんサーマルヘ
ッドで全面に熱を加えてもよい。図3に本発明の記録方
法の説明図を示す。図3(A)は記録工程を示す説明
図、図3(B)は消色工程を示す説明図である。図中、
1は支持体、2は記録層、4はサーマルヘッド、5は加
熱ロールを示す。記録媒体および表示体の記録層は、前
記の発色・消色現象の説明どおり、顕色剤と発色剤が溶
融して発色する温度より低温側に消色温度領域を持つ。
そして、それぞれの材料の組合わせにより消色温度、発
色温度は変化するので、それに合わせて発熱体の温度、
印加エネルギーの調節を行なう。発色状態の記録層を消
色温度に加熱し消色状態を作る場合、発色状態を作った
条件により消色性が異なる場合があり、特に、溶融状態
からの冷却が急冷になるほど消色性が低下する場合があ
る。このような場合は、発色時の冷却速度をコントロー
ルすることが好ましい。例えば、サーマルヘッドにより
発色状態を作るときには次の方法により解決できる。発
色状態を作るための加熱手段としてサーマルヘッドを用
い、これとは別の加熱手段により、記録層全体を溶融温
度以下の温度に加熱しながら、サーマルヘッドにより画
像状に熱を加えて溶融温度以上として画像状の発色状態
を得る。この方法によって、溶融状態からの冷却速度が
ゆるやかになり、発色状態の消色性は良好なものとな
る。具体的な方法としては、サーマルヘッドに対して記
録媒体をはさむように設置されるプラテンロールを温度
制御可能なものとする方法がある。プラテンロールの温
度は発色開始温度以下に設定されるが、溶融状態からの
冷却時に消色温度領域を通過する時間が長くなりすぎな
いように、消色温度領域より低温に設定するのが好まし
い。表面温度制御用のプラテンロールは種々あるが、金
属芯金を中空にしてその内部に加熱用ランプを設けたも
のがある。また、加熱用ランプの代りに面抵抗体や電子
冷却加熱素子を設け、摺動通電部を介してプラテンロー
ルを通電発熱又は冷却する方式のものあるいは温度制御
されたロールを圧着させてプラテンロールを加熱・冷却
させる温度制御方式のものがある。
【0055】本発明の記録媒体及び表示体には、前記の
可逆的感熱記録層と他の記録層が同じ支持体上に設置さ
れた複合型のものも含まれる。例えば、その代表的な例
は可逆的感熱記録層と磁気記録層を持つ記録媒体であ
る。従来の磁気記録のプリペイドカード、クレジットカ
ード、預貯金カードあるいはノート類は磁気記録部分だ
けで、記録の内容は磁気読取機を通して始めて知ること
ができた。磁気記録層と共に本発明の感熱可逆感熱記録
層を備えていれば、必要な情報を可視化することができ
るので、プリペイドカードの残額表示などが容易に行な
えるので便利である。特に本発明の記録層では、種々の
色の表示や多色表示も可能であり、従来のこの種の複合
化された記録媒体に用いられる記録層よりも著しく優れ
ている。
【0056】本発明の可逆的感熱記録層と磁気記録層の
複合化された記録媒体について具体的に説明する。同一
の支持体上に上記二種類の記録層が区分されて配置され
ていてもよいが、記録面積やデサイン上の問題から考え
れば、支持体上に磁気記録層を設け、その上に可逆的熱
記録層を設けた積層型の記録媒体が好ましい。図4に示
したように、支持体1上に設けた磁気記録層5上に直接
可逆的感熱記録層2を設けることにより、同一スペース
に磁気記録と画像記録を独立に行なうことができる。磁
気記録では、磁気ヘッドから磁気記録層までの距離は、
磁気での書込み消去、読取りを支障なく行なうためには
約10μm以下であることが望ましい。したがって、例
えば図4に示したように画像記録層上にさらに保護層3
を設けたり、或いは磁気記録層と画像記録層、画像記録
層と保護層との間に接着層などの中間層を設けるなどし
た場合には、それらの合計が約10μm以下、好ましく
は8μm以下であることが必要である。本発明に用いる
磁気記録層は、磁性材料を真空蒸着、スパッタリングな
どの方法で付着・堆積させるか、或いは磁性材料をバイ
ンダー樹脂と共に塗布することによって形成することが
できる。磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、
及びそれらの合金や化合物など慣用の磁性材料が挙げら
れる。またバインダー樹脂としては、これも慣用の各種
熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂、熱可塑性樹脂などが挙
げられる。保護層材料としては慣用の上記樹脂類、透明
金属酸化物等の無機材料が挙げられる。溶剤を用いての
塗布では溶剤が画像記録層に対して影響のないような溶
剤と材料を選択することが必要である。
【0057】本発明の可逆的感熱記録媒体は、支持体と
記録層の間にアンダーコート層を設けているため、発色
した組成物が支持体へしみ込むようなことがなく、消色
時の消し残りのない高品質な画像を与える。特に紙など
の多孔性の支持体に対しては効果が大きい。また支持体
と記録層との接着性も向上する。これらの効果により、
実使用において耐久性が向上する。さらに、アンダーコ
ート層中に硬化性樹脂を含有させたものは、上記効果が
高められ、耐久性はさらに向上し、しかも記録層形成の
際に耐水性を向上させることができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、さらに詳細
に説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はい
ずれも重量を基準とするものである。
【0059】実施例1〜8、比較例1、2 支持体として52g/m2の上質紙を用い、表2に示す
材料及び処方のアンダーコート層形成用塗布液を乾燥付
着量4g/m2となるように塗布し、キャレンダー掛け
を行なって各アンダーコート層を設け、さらに、その上
に表2に示す各記録層を設けた。これらの記録層は以下
の方法により形成し、本発明の各可逆的感熱記録媒体を
作成した。また、比較のために、支持体として48g/
cm2の上質紙を用い表2に示すアンダーコート層を設
けない比較例の可逆的感熱記録媒体を作成した。
【0060】記録層(1) 下記の可逆的熱発色性組成物をボールミルを用いて粒径
1〜4μmまで粉砕・分散して記録層形成用塗布液を調
製し、アンダーコート層上にワイヤーバーを用いて塗布
し、乾燥して、膜厚約6.0μmの記録層を設けた。 発色剤 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルフェニル) アミノフルオラン 10部 顕色剤 オクタデシルホスホン酸 30部 樹脂 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (ユニオンカーバイト社製 VYHH) 45部 溶剤 トルエン 200部 メチルエチルケトン 200部
【0061】記録層(2) 下記の処方に基づく組成物をそれぞれボールミルで粒径
1〜4μmまで粉砕・分散してA液、B液、C液を調製
し、各液30部を混合して記録層形成用塗布液とし、ア
ンダーコート層上に乾燥付着量5g/m2となるように
塗布し、乾燥後カレンダー掛けを行ない記録層を設け
た。 A液 発色剤 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルフェニル) アミノフルオラン 10部 ポリビニルアルコール10%水溶液 10部 水 30部 B液 顕色剤 2−(エイコシルチオ)こはく酸 10部 ポリビニルアルコール10%水溶液 10部 水 30部 C液 炭酸カルシウム 10部 メチルセルロース 10部 水 30部
【0062】記録層(3) B液の顕色剤として、オクタデシルホスホン酸 10部
を用いた以外は、上記記録層(2)と同様にして記録層
を設けた。
【0063】これらの記録媒体を、熱傾斜試験機(東洋
精機製作所製)の加熱条件を温度130℃、圧力1kg
/cm、1秒間として、発熱体に接触させて、発色状
態とし、発色濃度を測定した。濃度の測定にはマクベス
濃度計RD−918を使用した。各記録媒体の発色濃度
を表2に示す。次に、この発色した記録媒体を表2に示
した消色温度の恒温槽中に約20秒間入れて消色させ、
消色濃度を測定した。各記録媒体の消色濃度を表2に示
す。
【0064】
【表2】
【0065】これらの結果より、アンダーコート層を設
けることにより消色濃度が低下し、消し残りのない良好
な消色状態が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆的感熱記録媒体の記録層に含有さ
せる可逆的熱発色性組成物の発色、消色と温度の関係を
示す。
【図2】本発明の可逆的感熱記録媒体の構成図である。
【図3】本発明の可逆的感熱記録媒体の記録と消色を示
す説明図である。この図において、(A)は発色工程説
明図、(B)は消色工程説明図である。
【図4】本発明の可逆的感熱記録層と磁気記録層を合わ
せ持つ複合化された情報記録媒体の構成図である。
【符号の説明】
(図1) A 常温で消色状態にある組成物 B 加熱・溶融して発色状態の組成物 C 常温下でも発色した状態にある組成物 D 加熱下に消色状態にある組成物 T1 発色開始温度 T2 消色開始温度 (図2) 1 支持体 2 記録層 3 保護層 4 アンダーコート層 (図3) 1 支持体 2 未発色の記録層 3 発色した記録層 4 サーマルヘッド 5 加熱ロール (図4) 1 支持体 2 感熱記録層 3 保護層 4 アンダーコート層 5 磁気記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−138476 (32)優先日 平成3年5月14日(1991.5.14) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−155440 (32)優先日 平成3年5月31日(1991.5.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−185242 (32)優先日 平成3年6月29日(1991.6.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−195997 (32)優先日 平成3年7月10日(1991.7.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−198901 (32)優先日 平成3年7月12日(1991.7.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−229572 (32)優先日 平成3年8月15日(1991.8.15) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−258552 (32)優先日 平成3年9月10日(1991.9.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−258553 (32)優先日 平成3年9月10日(1991.9.10) (33)優先権主張国 日本(JP) 早期審査対象出願 (72)発明者 後藤 寛 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 丸山 勝次 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 久保 敬司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 江間 英昭 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 山口 岳人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 久保山 浩紀 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 澤村 一郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 谷口 圭司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭63−173684(JP,A) 特開 平3−79386(JP,A) 特開 昭57−103892(JP,A) 特開 昭61−279590(JP,A) 特開 平2−194991(JP,A) 国際公開90/11898(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆的熱
    発色性組成物とバインダー樹脂からなる記録層を設けて
    なり、該記録層は該組成物の溶融温度以上への加熱と冷
    却で発色状態を形成し、溶融温度以下への加熱で消色
    し、この消色状態は冷却により維持され、かつこの発色
    ・消色状態が繰り返される可逆的感熱記録媒体であっ
    て、該電子受容性化合物として、炭素数12以上の脂肪
    族基をもつ、ホスホン酸、脂肪族カルボン酸及びフェノ
    ール化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を用い
    ると共に電子受容性化合物と電子供与性呈色性化合物を
    急冷して得た発色状態の混合物の示差走査熱量分析また
    は示差熱分析における昇温過程で発熱ピークを示す電子
    受容性化合物と電子供与性呈色性化合物の組み合わせを
    用い、さらに該支持体と該記録層との間にアンダーコー
    ト層が設けられたものであることを特徴とする可逆性感
    熱記録媒体。
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