JP2003234168A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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JP2003234168A JP2002029242A JP2002029242A JP2003234168A JP 2003234168 A JP2003234168 A JP 2003234168A JP 2002029242 A JP2002029242 A JP 2002029242A JP 2002029242 A JP2002029242 A JP 2002029242A JP 2003234168 A JP2003234168 A JP 2003234168A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理鍋である被加熱物の違いによる、調理性
能の差を小さくし、失敗することなく調理を行うことの
できる誘導加熱調理器を提供する。 【解決手段】 被加熱物を加熱する加熱コイル3と、被
加熱物の温度を検出する複数の温度センサー4a、4
b、4cと、前記加熱コイル3への出力を制御する加熱
出力制御手段5を備え、前記温度センサーの検出する温
度により温度差を求め、この温度差が所定値になると前
記加熱出力制御手段が加熱出力を制御することにより、
被加熱物底面の温度差を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱調理器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱調理器は、高周波電流を加熱コ
イルに供給することにより、この加熱コイルに磁気結合
されている被加熱物、例えば調理鍋を加熱している。ま
た、加熱コイルと被加熱物との間に位置するプレートの
内部に温度センサーを設けることによって、調理鍋の温
度を検出している。調理鍋は、熱源の熱を直接調理物に
伝える役割をするので、使用する鍋の受熱特性によって
調理の出来映えに差が生じる。
【0003】従来、誘導加熱調理器における温度センサ
ーは、一般的に加熱コイルの中央に位置し、1箇所で加
熱制御するための温度を検出していた。複数の温度セン
サーを有する場合には、鍋の温度を数箇所で検知するこ
とによって、鍋の温度をより正確に捉え揚げ物調理等で
異常温度上昇にならないよう加熱制御を行っていた。
【0004】しかし、従来の誘導加熱調理器の構成で
は、調理鍋等である被加熱物の種類や大きさにより、前
記被加熱物底面の温度上昇が部分的に異なることを考慮
した加熱制御が行なわれていなかった。従って、調理す
る被加熱物の底面に温度差(加熱むら)が生じていて
も、その温度差をなくすための加熱制御が行なわれてい
ないため調理性能が悪くなり、それにもかかわらず不適
当な加熱が続けられていることもあった。さらに、最近
では誘導加熱調理器で使用できる調理鍋が多く売り出さ
れており、形状、厚み、重さ、材質等さまざまな種類が
あり、調理鍋の性質により温度の上昇度合が異なって調
理性能が大きく異なるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被加熱物の
被加熱部分の温度差によって加熱制御を行うことによ
り、誘導加熱調理器の欠点である加熱むらを小さくし、
被加熱物の違いによる調理性能の差を軽減することがで
きる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数の温度センサーを設け、前記温度セン
サーの少なくとも2つの検知する温度差が所定値以下と
なるよう加熱コイルの出力を制御する加熱出力制御手段
を備えたもので、加熱むらを小さくするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、被加熱
物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物の温度を
検知する複数の温度センサーと、前記加熱コイルの出力
を制御する加熱出力制御手段とを備え、前記加熱出力制
御手段は前記複数の温度センサーの少なくとも2つの検
知する温度差が所定値以下となるよう前記加熱コイルの
出力を制御することにより、被加熱物底面の温度差を小
さくし調理性能を向上させることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1の記載
の構成において、温度センサーの1つは加熱コイルの中
央付近上部に配置し、加熱出力制御手段は、前記温度セ
ンサーと他の温度センサーの検知する温度差に応じて前
記加熱コイルの出力を制御することにより、鍋中央の温
度を検出して他の温度センサーの位置からはずれて被加
熱物がプレートの上に置かれた場合や、径の小さい被加
熱物を使用した場合でも、それに応じた加熱制御を適切
に行うことができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2の記載の構成において、温度センサーの1つは
加熱コイルの幅中央付近上部に配置し、加熱出力制御手
段は、この温度センサーと他の温度センサーの検知する
温度差に応じて前記加熱コイルの出力を制御することに
より、前記加熱コイルによって加熱される被加熱物の最
高温度を検出し、被加熱物の底面が熱伝導率の小さい場
合でも調理性能を向上させることができる。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれか1項の記載の構成において、温度センサ
ーを3つ以上有し、1つは1組として加熱コイルの中央
付近上部に配置し、少なくとも2つは1組として加熱コ
イルの幅中央付近上部に配置し、加熱出力制御手段は少
なくとも前記温度センサーの検出する2組の温度差に応
じて前記加熱コイルの出力を制御することにより、前記
加熱コイルの中央付近上部の温度センサーの検出する温
度と、前記加熱コイルの幅中央付近上部の温度センサー
の検出する温度との少なくとも2組の温度差から、被加
熱物底面の熱伝導率に関わらず適切な加熱制御を行い、
被加熱物内の調理物の過加熱を防ぐことができる。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求
項4のいずれか1項の記載の構成において、加熱時間を
測定する計時手段を備え、加熱出力制御手段は前記計時
手段の出力する情報と、複数の温度センサーの検知する
温度差に応じて加熱コイルの出力を制御することによ
り、計測した時間と温度差に応じた加熱制御を行い、被
加熱物が部分的に温度上昇するの抑え、被加熱物底面の
厚みに関わらず、被加熱物内の調理物に加熱むらが生じ
るのを防ぐことができ、また、厚みが薄い被加熱物の過
加熱による変色、変形等を防止することができる。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求
項5のいずれか1項に記載の構成において、加熱時間を
計測する計時手段を備え、加熱出力制御手段は、前記計
時手段の計測した時間が所定時間を越えると、複数の温
度センサーの検出する温度に応じて制御を行うようにす
ることにより、被加熱物内の調理物の焦げ付きを防ぐこ
とができる。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求
項6のいずれか1項に記載の構成において、火力段階を
表示する表示手段を備え、前記表示手段は使用中の火力
を表示するとともに、加熱出力制御手段が温度センサー
によって検出された温度に応じて制御を開始したことを
表示することにより、調理者に使用中の火力を知らせる
とともに、前記加熱出力制御手段が温度センサーによっ
て制御を開始したことを知らせるので、火力が変化して
も調理者に違和感なく調理をしてもらうことができる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0015】(実施例1)図1は、本発明の誘導加熱調
理器における調理鍋を載置した本体部分の断面および電
気回路をブロックで示す図である。図1において、1は
誘導加熱調理器の本体トッププレート、2は被加熱物で
ある調理鍋で、クラッド材で形成している。3は本実施
例では電磁誘導加熱方式を使用した加熱手段である加熱
コイル、4aは調理鍋2の底面中央部分の温度を検知す
る温度センサーで、加熱コイル3の中央付近上部に配置
されるように本体トッププレート1の裏面に設けてい
る。
【0016】4b、4cも調理鍋2の底面外周部分の温
度を検知する温度センサーで、加熱コイル3の幅中央付
近上部に配置されるように、本体トッププレート1の裏
面に設けている。5は加熱コイル3の加熱出力を制御す
る加熱出力制御手段で、加熱コイル3の加熱出力を制御
プログラムに従い制御するもので、本実施例では後述す
る図2に示す制御プログラムを格納したマイクロコンピ
ュータを主体に構成している。そして、加熱出力制御手
段5は、複数の温度センサー4a、4b、4cの検出温
度を取り込み、その検出温度によって加熱コイル3の加
熱を制御する。
【0017】以下本実施例における動作について説明す
る。調理鍋2は本体トッププレート1の中央に載置され
ているので、温度センサー4b、4cは略同様の温度を
検出する。図2は本実施例において、誘導加熱調理器の
各温度センサーの検出する温度と、加熱出力値の関係を
示す図である。図2において、加熱コイル3に高周波電
流を供給して調理鍋2の加熱開始後、温度センサー4a
と温度センサー4b、4cの検出する各温度から温度差
ΔT1が所定値に達した場合、加熱出力制御手段5が加
熱コイル3の加熱出力を今までより低下させる制御をす
る。
【0018】そして、加熱出力値を小さくすることによ
って時間の経過とともに、それぞれの温度センサー4
a、4b、4cの傾きが小さくなる。特に、温度センサ
ー4b、4cの傾きが小さくなることから、温度差ΔT
1は更に小さくなり、調理鍋2の底面の温度差全体が小
さくなるので、加熱むらが軽減され調理性能を向上させ
ることができる。
【0019】本実施例では、調理鍋2として、ステンレ
ス、アルミ、ステンレスの3層クラッド材で形成した鍋
を用いて、ホットケーキを焼く場合の例を示す。なお、
前記調理鍋2はアルミ層を含むことから、各温度センサ
ーの検出する温度差は比較的小さい。まず、ホットケー
キミックス100[g]、卵50[g]、牛乳75[g]を混
ぜ合わせ、生地を作る。次に調理鍋2を予熱し始める。
このとき、温度差ΔT1=40[℃]に達した時点から、
出力値を200[W]に下げる。そうすることによって、
温度センサー4aと温度センサー4bおよび4cの差が
小さくなり、調理鍋全体の温度差が小さくなる。調理鍋
が十分予熱されたところで、ホットケーキミックスの生
地を調理鍋2に流す。そして、調理鍋表面の温度差が小
さくなっていることから、ホットケーキをきれいに焼く
ことができる。
【0020】以上のように本実施例では、薄焼き卵や、
ホットケーキなど温度差が生じると焼き色にむらができ
やすい調理でも、きれいに焼くことができる。なお、本
実施例で用いた上記温度差、下げる出力値は一例であっ
て他の値をとっても構わない。
【0021】(実施例2)図3は、本発明の誘導加熱調
理器における調理鍋を載置した本体部分の断面および電
気回路をブロックで示す図である。本実施例は、温度セ
ンサーの配置位置を加熱コイルとの関係で特定し、かつ
それによる加熱制御プログラムに設定した加熱出力制御
手段が実施例1の発明と異なり、それ以外の同一構成お
よび作用効果を奏する部分には同一符号を付して詳細な
説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0022】図3に示すように、温度センサー4aは、
加熱コイル3の中央上部付近に配置されるよう本体トッ
ププレート1の裏面に設け、温度センサー4dは、加熱
コイル3の外側付近に配置されるよう本体トッププレー
ト1の裏面に設けている。そして、加熱出力制御手段5
3は、温度センサー4a、4dの検知した温度を取り込
んで加熱コイル3の加熱出力を制御する図4に示す制御
プログラムを格納したマイクロコンピュータを主体に構
成している。調理鍋7は小鍋を使用する。
【0023】以下に本実施例の動作を説明する。図3に
示すように、調理鍋7の径が小さいことから、温度セン
サー4dの検知する温度は略室温に等しい。図4は本実
施例において、各温度センサーの検出する温度と、加熱
出力値の関係を示す図である。加熱コイル3に高周波電
流を供給して調理鍋7の加熱開始後、図4に示すように
温度センサー4aと温度センサー4dの検出する各温度
から温度差ΔT2が所定値に達した場合、加熱出力制御
手段5が加熱コイル3の加熱出力を今までより低下させ
て制御する。
【0024】このように、加熱コイル3の出力値を小さ
くすることによって、温度センサー4aの温度上昇が緩
やかになる。そして、調理鍋7はその径が小さい小鍋な
ので、加熱出力値が小さくても、十分に加熱されて円滑
に調理が行なわれるのである。従って、大きな加熱出力
値で調理鍋7内の調理物を加熱してしまい、過加熱して
しまうようなことがなくなる。
【0025】本実施例では、煮魚を調理する場合の例を
示す。調理鍋7に、水1カップ(200[g])、醤油、
酒を各大さじ2ずつ入れ、煮立たせる。煮汁が煮立った
ら、魚を並べ入れ落し蓋をする。温度差ΔT2=90
[℃]に達した時点から加熱出力を300[W]に下げる。
そうすることによって、温度センサー4aの温度上昇が
緩やかになり、径の小さな鍋に対して余計な出力をせ
ず、適切な出力値を得られることから、魚の身を煮崩れ
させることなく調理することができる。なお、本実施例
で用いた、温度差ΔT2、このΔT2が所定値に達した
場合、下げる出力値は一例であって他の値をとっても構
わない。
【0026】(実施例3)図5は、本発明の誘導加熱調
理器における調理鍋を載置した本体部分の断面および電
気回路をブロックで示す図である。本実施例は、実施例
1の発明に計時手段の情報を取り込んで制御する加熱出
力制御手段を備えた処が実施例1の発明と異なり、それ
以外の同一構成および作用効果を奏する部分には同一符
号を付して詳細な説明を省略し、異なる部分を中心に説
明する。
【0027】計時手段6は、加熱開始後の調理時間を計
測する。加熱出力制御手段55は、温度センサー4a、
4b、4cの検知した温度と計時手段6の情報を取り込
んで加熱コイル3の加熱出力を制御する次の表1に示す
テーブルと図6に示す制御プログラムを格納したマイク
ロコンピュータを主体に構成している。調理鍋8はステ
ンレスの1層のものを使用する。
【0028】以下本実施例の動作を説明する。次の表1
は、本実施例における温度センサー4aと温度センサー
4b、4cの検知した温度の差ΔT3が所定値に達する
までの加熱時間t1と、制御する加熱出力値との関係を
示す表である。
【0029】
【表1】 調理鍋8は本体トッププレート1の中央に載置されてい
るので、温度センサー4b、4cは略同様の温度を検出
する。図6は本実施例において、各温度センサーの検出
する温度と加熱出力値および時間の関係を示す図であ
る。加熱コイル3に高周波電流を供給して調理鍋8の加
熱開始後、図6に示すように温度センサー4aと温度セ
ンサー4b、4cの検出する各温度から温度差ΔT3が
所定値に達し、この所定値の温度差ΔT3と、それに要
した時間t1により加熱出力制御手段55が加熱コイル
3の加熱出力を制御する。
【0030】この時、温度差ΔT3に達するまでにかか
る時間t1を、計時手段6によって計測する。この時間
t1が短いほど調理鍋8の厚さは薄いので、加熱出力制
御手段55は表1に示すテーブルに従いこの時の加熱コ
イル3の加熱出力値をさらに小さくする。これにより、
調理鍋8の厚みによらず、調理鍋底面全体の温度の温度
差を小さくすることができる。
【0031】本実施例では、ステンレスの1層で底面厚
さ1.5[mm]の調理鍋8を用いて、肉じゃがを調理す
る場合の例を示す。前記調理鍋は、ステンレス1層の調
理鍋であることから、かなり熱伝導率が悪く、温度セン
サー4aと温度センサー4b、4cの検出する温度に大
きな差が生じる。しかも、調理鍋の厚みが薄いため、温
度センサー4b、4cの示す温度上昇は速くなる。温度
差ΔT3=40℃に時間t1=10[s]で達した場合、
表1より500[W]加熱出力値を下げる。
【0032】そうすることによって、調理鍋8内の温度
差を小さくすることができる。鍋が十分予熱されたとこ
ろで、肉200[g]を炒める。このとき、調理鍋内の温
度差が小さいことから、加熱コイル3の上方における調
理鍋底に肉がこびりつくことなく、炒めることができ
る。肉の色が変わったら、じゃがいも500[g]、人参
100[g]、しらたき200[g]を炒め合わせ、水、調
味料を加えて調理する。以上のようなことから、調理鍋
内で炒め物をする場合に、加熱コイルの上方における調
理鍋8の底に焦げ付くといったような失敗をせずに調理
することが可能になる。
【0033】さらに、本実施例では温度センサー4bと
4cの値が大きく異なった場合は調理鍋8が中央からず
れているので、温度センサー4bと4cの差も大きくな
る。この場合も、加熱出力制御手段55が加熱出力値を
制御することによって部分的に過加熱になることを防止
できる。なお、本実施例で用いた温度差ΔT3、この温
度差ΔT3に達する時間t1で下げる加熱出力値は一例
であって他の値をとっても構わない。
【0034】(実施例4)図7は、本発明の誘導加熱調
理器における調理鍋を載置した本体部分の断面および電
気回路をブロックで示す図である。本実施例は、実施例
1の発明に加熱時間が所定値を超えた計時手段の情報を
取り込んで制御する加熱出力制御手段を備えた処が実施
例1の発明と異なり、それ以外の同一構成および作用効
果を奏する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略
し、異なる部分を中心に説明する。
【0035】計時手段6は、加熱開始後の調理時間を計
測する。加熱出力制御手段57は、温度センサー4a、
4b、4cの検知した温度と、加熱時間が所定値を超え
た時の計時手段6の情報を取り込んで加熱コイル3の加
熱出力を制御する図8に示す制御プログラムを格納した
マイクロコンピュータを主体に構成している。
【0036】以下本実施例における動作について説明す
る。調理鍋2は図7に示すように本体トッププレート1
の中央に載置されているので、図8に示すように温度セ
ンサー4b、4cは略同様の温度を検出する。加熱コイ
ル3に高周波電流を供給して調理鍋2を加熱する。そし
て、調理開始後における計時手段6の計時した時間t2
分の経過後において、温度センサー4aと温度センサー
4b、4cが検出した温度の差ΔT4において、いずれ
かの温度が100℃を超えていた場合、加熱出力制御手
段57によって、100℃以下になるまでは加熱コイル
3への通電をオフする。
【0037】そして、時間t2分の経過後は100℃を
超えないように、加熱コイル3の出力を制御しながら、
調理を続ける。以上のように長時間の煮込み料理の場合
も、いずれかの温度センサーの検出する温度が100℃
を超えないようにすることによって、調理鍋2の鍋底面
に焦げ付きが生じることなく調理をすることができる。
【0038】本実施例では、ステンレス、アルミ、ステ
ンレスの3層のクラッド材で形成した鍋を用い、カレー
を調理した場合の例を示す。なお本実施例では時間t2
=480[s]とする。まず、肉200[g]、玉ねぎ25
0[g]、人参100[g]、じゃがいも200[g]を食べ
やすい大きさに切り、炒める。水700[g]を加え、煮
込む。この、煮込み途中で、時間t2=480[s]は経
過する。この時から、調理鍋2の底面が100[℃]を超
えないように、加熱出力制御手段57は加熱出力値を制
御する。カレールーを溶かした後も、100[℃]を超え
ないように制御されていることから、調理鍋の底面が焦
げ付くことなく調理をすることができる。なお、本実施
例で用いた、温度差ΔT4、時間t2は一例であって他
の値をとっても構わない。
【0039】(実施例5)図9は、本発明の誘導加熱調
理器における本体の要部を切欠いて示す斜視図で、図1
0(a)、(b)は誘導加熱調理器における加熱力の表
示手段が制御経過に応じて表示を変えた状態を示す図で
ある。本実施例は、実施例1の発明で採用している図
1、図2に示す構成と同じ構成を採用しているので、こ
れを利用して説明する。そして、9は加熱力を示す表示
手段で、調理者に使用中の火力を知らせるために表示を
するとともに、通電開始の制御段階では図10(a)に
示す表示を行ない、温度センサーの温度の差に基く制御
段階では図10(b)に示す表示を行なうものである。
【0040】上記実施例において、調理者が図10
(a)に示すの火力段階で調理を始めたとする。その
後、複数の温度センサー4a、4b、4cによって温度
差が所定値まで達したと判断し、加熱出力制御手段5に
よって制御が始まると、変化した火力に応じて図10
(b)の表示に変わる。すなわち、図10(b)の表示
は、図10(a)の表示が点灯であるのに対して、変化
した火力の分だけ点滅に代わっているということであ
る。このように、制御段階により火力段階が変化したこ
とを調理者に表示することによって、違和感なく調理を
続けることができる。なお、本実施例で用いた火力表示
は一例であって他の火力表示を用いても構わない。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明の誘導加熱調理器
は、被加熱物に生じていた温度むらを小さくできるとと
もに、調理鍋の材質や、厚みの差によらない調理性能を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における調理鍋を載置した誘
導加熱調理器の本体部分の断面および電気回路をブロッ
クで示す図
【図2】同実施例1における誘導加熱調理器の温度セン
サーの検出温度と加熱出力値の関係を示す特性図
【図3】同実施例2における調理鍋を載置した誘導加熱
調理器の本体部分の断面および電気回路をブロックで示
す図
【図4】同実施例2における誘導加熱調理器の温度セン
サーの検出温度と加熱出力値の関係を示す特性図
【図5】同実施例3における調理鍋を載置した誘導加熱
調理器の本体部分の断面および電気回路をブロックで示
す図
【図6】同実施例3における誘導加熱調理器の温度セン
サーの検出温度と加熱出力値および時間の関係を示す特
性図
【図7】同実施例4における調理鍋を載置した誘導加熱
調理器の本体部分の断面および電気回路をブロックで示
す図
【図8】同実施例4における誘導加熱調理器の温度セン
サーの検出温度と加熱出力値および時間の関係を示す特
性図
【図9】同実施例5における誘導加熱調理器の本体の要
部を切欠いて示す斜視図
【図10】(a)同実施例5における加熱制御の経過に
対応して火力表示を示す図 (b)同実施例5における加熱制御の経過に対応して火
力表示を示す図
【符号の説明】
2、7、8 調理鍋(被加熱物) 3 加熱コイル(加熱手段) 4a、4b、4c、4d 温度センサー 5、53、55、57 加熱出力制御手段 6 計時手段 9 表示手段 ΔT1、ΔT2、ΔT3、ΔT4 温度差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 暦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 金澤 和美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AA08 AB04 AB14 AC33 AC35 AD05 AD12 BD24 CD03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記被加熱物の温度を検知する複数の温度センサーと、
    前記加熱コイルの出力を制御する加熱出力制御手段とを
    備え、前記加熱出力制御手段は前記複数の温度センサー
    の少なくとも2つの検知する温度差が所定値以下となる
    よう前記加熱コイルの出力を制御する誘導加熱調理器。
  2. 【請求項2】 温度センサーの1つは加熱コイルの中央
    付近上部に配置し、加熱出力制御手段は、前記温度セン
    サーと他の温度センサーの検知する温度差に応じて前記
    加熱コイルの出力を制御する請求項1に記載の誘導加熱
    調理器。
  3. 【請求項3】 温度センサーの1つは加熱コイルの幅中
    央付近上部に配置し、加熱出力制御手段は、前記温度セ
    ンサーと他の温度センサーの検知する温度差に応じて前
    記加熱コイルの出力を制御する請求項1または請求項2
    に記載の誘導加熱調理器。
  4. 【請求項4】 3つ以上の温度センサーを有し、1つは
    1組として加熱コイルの中央付近上部に配置し、少なく
    とも2つは1組として加熱コイルの幅中央付近上部に配
    置し、加熱出力制御手段は少なくとも前記温度センサー
    の検出する2組の温度差に応じて前記加熱コイルの出力
    を制御する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の
    誘導加熱調理器。
  5. 【請求項5】 加熱時間を測定する計時手段を備え、加
    熱出力制御手段は前記計時手段の出力する情報と、複数
    の温度センサーの検知する温度差に応じて加熱コイルの
    出力を制御する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の誘導加熱調理器。
  6. 【請求項6】 加熱時間を計測する計時手段を備え、加
    熱出力制御手段は、前記計時手段の計測した時間が所定
    時間を越えると、複数の温度センサーの検出する温度に
    応じて制御を行うようにする請求項1〜請求項5のいず
    れか1項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 【請求項7】 火力段階を表示する表示手段を備え、前
    記表示手段は使用中の火力を表示するとともに、加熱出
    力制御手段が温度センサーによって検出された温度に応
    じて制御を開始したことを表示する請求項1〜請求項6
    のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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