JP2006120552A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】炒め物調理性能を確保しつつ揚げ物調理時に過度に油温が上昇するのを防ぐようにすること。
【解決手段】底の反った鍋2で揚げ物調理を行うために入力手段5を操作して加熱手段3の通電を開始しても、制御手段8は第2の制御温度系列を制御温度として選択するので、鍋2の油温が過度に上昇するのを防ぐことができる。また、加熱手段3の通電を開始した後に炒め物調理を行うために入力手段5を操作すると、制御手段8は制御温度を第2の制御温度系列よりも高い第1の制御温度系列に変更するので、制御温度を高めて炒め物調理性能を確保することができる。
【選択図】図1
【解決手段】底の反った鍋2で揚げ物調理を行うために入力手段5を操作して加熱手段3の通電を開始しても、制御手段8は第2の制御温度系列を制御温度として選択するので、鍋2の油温が過度に上昇するのを防ぐことができる。また、加熱手段3の通電を開始した後に炒め物調理を行うために入力手段5を操作すると、制御手段8は制御温度を第2の制御温度系列よりも高い第1の制御温度系列に変更するので、制御温度を高めて炒め物調理性能を確保することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、家庭用キッチンや業務用等に用いられる加熱調理器に関するものである。
従来、この種の加熱調理器は、設定した火力で鍋を加熱しているときも、鍋自体や鍋内の油の温度を過度に上昇させないように、温度センサで検知する温度に基づき加熱量を低減するといった温度調節制御を行うのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
なお、温度調節制御の1つの方法として、温度センサで検知する温度が加熱量に応じた制御温度を越える度に加熱量を低減していく制御方法(例えば、特許文献1参照)の他に、温度センサで検知する温度と制御温度との温度差と、温度センサで検知する温度の上昇勾配の2つを入力パラメータとしたファジィ制御が広く知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、最近では、温度センサで検知する温度に基づき所定のパターンにて加熱量を制御したときの温度センサで検知する温度の振る舞いに基づき、多層鍋、炒め物調理、鍋底の反りを検知して、以後の温度センサで検知する温度に加減算補正して温度調節制御の制御温度を変化させる方法が紹介されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−7752号公報
特開2002−367764号公報
特開2003−272823号公報
しかしながら、前記従来の構成、例えば特許文献1では、鍋底が平らなフライパンを250℃程度にて温度制御させて炒め物調理性能を確保できるように最上位の制御温度を設定すると、鍋底が反った鍋に油を入れて加熱したときに油の温度が過度に上昇してしまう。
この問題を解決する方法として特許文献3が紹介されているが、随時加熱量を変更可能な使用状態において特許文献3を採用すると、所定のパターンにて加熱量を制御したときの温度センサで検知する温度の振る舞いに基づき鍋底の反りを検知している(特許文献3では3kWで加熱し150℃に到達すると1.6kWに下げ、更に160℃以上になると0.6kWに下げている)ので、この間に出力調整用のダイアルを操作して加熱量を調整してしまうと温度センサで検知する温度の振る舞いが変わってしまい、鍋底の反りを正確に検知できなくなってしまう恐れがあるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、炒め物調理に適した制御温度と、茹でる、煮物・揚げ物調理に適した制御温度とを切り替え可能にして、炒め物調理性能を確保しつつ揚げ物調理時に過度に油温が上昇するのを防ぐようにした加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、制御温度として第1の制御温度と、前記第1の制御温度よりも低い第2の制御温度を備えて、入力手段より入力する信号に基づき加熱手段を通電開始するときは前記制御温度を前記第2の制御温度とし、その後、前記入力手段より入力する信号に基づき前記制御温度を前記第1の制御温度に変更可能としたものである。
これによって、機器を使用する者が入力手段を操作して加熱手段への通電を開始すると、制御手段は第2の制御温度を制御温度として選択し、鍋の種類、形状によらず鍋自体や鍋内の油の温度が過度に上昇するのを防ぐ。また、機器を使用する者が炒め物調理を行う場合には、加熱手段への通電を開始した後に入力手段を操作すると、制御手段は制御温度を第2の制御温度よりも高い第1の制御温度に変更し、制御温度を高める。
本発明の加熱調理器は、加熱開始時には第2の制御温度を選択して鍋底が反った鍋で揚げ物調理を行っても過度に油温が上昇するのを防ぐとともに、炒め物調理のときは第1の制御温度に変更して炒め物調理性能を確保することができる。
第1の発明は、加熱手段と、温度センサと、入力手段と、設定された火力にて前記加熱手段を通電制御し、前記温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき前記加熱手段の出力を前記設定された火力よりも低く制御する制御手段を備えた構成において、前記制御手段は、複数の設定火力を備えて前記入力手段より入力する信号に基づき選択可能とし、前記制御温度として第1の制御温度と、前記第1の制御温度よりも低い第2の制御温度を備えて、前記入力手段より入力する信号に基づき前記加熱手段を通電開始するときは前記制御温度を前記第2の制御温度とし、その後、前記入力手段より入力する信号に基づき前記制御温度を前記第1の制御温度に変更可能とすることにより、例えば、第1の制御温度を炒め物調理に適した温度、第2の制御温度を鍋底が反った鍋で揚げ物調理しても油の温度が過度に上昇しない温度に設定した場合、機器を使用する者が入力手段を操作して加熱手段への通電を開始すると、制御手段は第2の制御温度を制御温度として選択するので、鍋底が反った鍋で揚げ物調理を行っても過度に油温が上昇するのを防ぐことができる。
また、機器を使用する者が炒め物調理を行う場合には、加熱手段への通電を開始した後に入力手段を操作すると、制御手段は制御温度を第2の制御温度よりも高い第1の制御温度に変更可能なので、制御温度を高めて炒め物調理性能を確保することができる。
さらに、制御手段は、温度センサで検知する温度が制御温度との関係に基づき加熱手段の出力を設定された火力よりも低く制御する状態まで至っていないときは、入力手段から入力する信号に基づき選択した火力にて加熱手段を出力させることができるので、機器を使用する者は、炒め物調理の出来映えを確認しながら火力を自分好みに調節することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段を、第1の制御温度を選択しているときに、温度センサで検知する温度が制御温度に一度到達するまでは、選択可能な設定火力を制限するとすることにより、機器を使用する者が、入力手段を操作して第1の制御温度を選択し、調理物が入っていない空の鍋を予熱している間は、制御手段は選択可能な最大火力を抑えて加熱手段を通電制御するので、制御温度が高くかつ火力が強すぎて鍋が熱変形してしまうのを防ぐことができる。
また、制御手段は、温度センサで検知する温度が制御温度に一度到達するのを検知すると、前記設定火力の制限を解除して機器としての最大火力を選択することができるので、機器を使用する者が鍋を予熱終了後に調理物を入れて調理するときは、入力手段を操作し最大火力で行うことができる。
さらに、制御手段は、第2の制御温度を選択しているときは、温度センサで検知する温度が制御温度に到達しない場合でも最大火力にて加熱手段を通電制御することができるので、機器を使用する者は、煮る、茹でる、温める等の調理のときは第2の制御温度を選択して、いつでも最大火力で調理することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の制御手段を、制御温度を第1の制御温度に変更しても、温度センサで検知する温度に基づき前記第1の制御温度が相応しくないと検知すると、前記制御温度を第2の制御温度に戻すとすることにより、水を主成分とした調理物を煮る、茹でる、温める、または油を使った揚げ物調理のような場合は、機器を使用する者が入力手段を操作して制御温度を第2の制御温度から第1の制御温度に変更しても、制御手段が、温度センサで検知する温度に基づき第1の制御温度が相応しくない調理と検知して、制御温度を第2の制御温度に戻すので、調理の種類や状況に適した制御温度にて調理性能の確保および安全性の向上を図ることができる。
第4の発明は、特に、第3の発明の制御手段を、温度センサで検知する温度に基づき第1の制御温度が相応しくないと検知するための判定値を、加熱手段を通電開始するときの温度センサで検知する温度に対応し変更するとすることにより、制御手段は、調理開始時の温度状況に応じた判定値にて第1の制御温度に相応しくないか否かを検知できるので、例えば、機器を使用する者が、鍋の加熱を一旦終了し、その後すぐに鍋の加熱を再開するような場合での検知精度を向上し、鍋内または鍋内の調理物温度のオーバーシュートをより低く抑えることができる。
第5の発明は、特に、第3の発明の制御手段を、制御温度を第1の制御温度に変更後、所定の設定火力に限定し加熱手段へ通電開始して温度センサで検知する温度上昇勾配に基づき加熱する鍋の底が反っているか否かを検知し、前記鍋底の反り検知を終了すると前記設定火力の限定を解除するとともに、鍋の底が反っていると検知した場合は、前記第1の制御温度が相応しくないと判断して前記制御温度を第2の制御温度に戻すとすることにより、機器を使用する者が入力手段を操作して第1の制御温度を選択すると、制御手段は、所定の設定火力に限定して加熱手段を通電制御するので、温度センサで検知する温度の上昇勾配は鍋の反り量に応じた特定の振る舞いとなり、前記温度上昇勾配と規定値との比較により鍋底が反っているか否かを検知することができる。故に、底が反った鍋に油を入れて加熱開始し制御温度を第1の制御温度に変更しても、制御手段は、温度センサで検知する温度の上昇勾配に基づき鍋底が反っていると検知して制御温度を第2の制御温度に戻すので、油の温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。
また、制御手段は、鍋底の反り検知を終了した後は前記設定火力の限定を解除し、入力手段より入力する信号に基づき任意の設定火力を選択可能なので、機器を使用する者は、鍋底の反り検知が終了した後は、入力手段を操作して任意の火力にて鍋を加熱することができ、火力を上げて鍋自体または鍋内の油の予熱に要する時間を短縮する、予熱終了後に調理の出来映えを確認しながら火力を調節する、または、火力を下げて煮込み調理を行うなど調理の種類や状況に応じた設定火力を選択することができる。
第6の発明は、特に、第5の発明の制御手段を、温度センサで検知する温度上昇勾配に基づき加熱する鍋の底が反っているか否かを検知するための判定値を、制御温度を第1の制御温度に変更したときの温度センサで検知する温度に対応し変更するとすることにより、制御手段は、第1の制御温度に変更した時の温度状況に応じた判定値にて鍋の底が反っているか否かを検知できるので、例えば、機器を使用する者が、加熱手段への通電を開始し、しばらく経ってから制御温度を第1の制御温度に変更するような場合での検知精度を向上することができる。
第7の発明は、特に、第5または第6の発明の制御手段を、鍋の底が反っているか否かを検知しているので入力手段にて設定火力を変更できない旨を報知するとすることにより、機器を使用する者は、設定火力を限定して温度センサで検知する温度の上昇勾配に基づき鍋底が反っているか否かを検知している間は入力手段を操作しても設定火力を変更できないと知ることができる。
第8の発明は、特に、第3〜7のいずれか1つの発明の制御手段を、第1の制御温度が相応しくないと検知すると制御温度を第1の制御温度に変更できないようにするとすることにより、例えば、機器を使用する者が、鍋底の反った鍋で揚げ物調理を行っているときに入力手段を操作して制御温度を第1の制御温度に変更しようとしても、制御手段は制御温度を第2の制御温度に維持するので、油の温度が過度に上昇しない状態を維持することができる。
第9の発明は、特に、第3〜8のいずれか1つの発明を、表示手段で第1の制御温度が相応しくないことを表示するとすることにより、機器を使用する者は、鍋底が反っている等で制御温度を第1の制御温度に変更できないことを表示手段にて確認することができる。
第10の発明は、特に、第1〜9のいずれか1つの発明を、表示手段で、制御温度が第1の制御温度と第2の制御温度のどちらであるかを表示するとすることにより、機器を使用する者は、第1の制御温度と第2の制御温度のどちらを選択して調理しているかを表示手段にて確認することができる。
第11の発明は、特に、第1〜10いずれか1つのの発明を、表示手段で、制御温度を数字で表示するとすることにより、機器を使用する者は、具体的に何℃の制御温度で調理しているかを表示手段にて確認することができる。
第12の発明は、特に、第1〜11のいずれか1つの発明を、表示手段で、温度センサで検知する温度が制御温度に到達したか否かを表示するとすることにより、機器を使用する者は、例えば炒め物調理するためにフライパンを予熱している場合に、予熱が終了し食材を入れて調理を開始するタイミングを表示手段にて確認することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器のブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器のブロック図である。
図1において、加熱手段3は、整流器31、加熱コイル32、スイッチング素子33、インバータ回路34で構成されており、整流器31は商用電源1を入力源とし全波整流してインバータ回路34へ出力し、スイッチング素子33のオンオフによってインバータ回路34から加熱コイル32へ高周波電流を供給し、加熱コイル32と磁気結合する鍋2を誘導加熱する。
入力手段5は、加熱入/切キー51、揚げ物入/切キー52、ダウンキー53、アップキー54、時キー55、分キー56、取消キー57、制御温度選択キー58の8キーで構成されている。表示手段6は、液晶表示素子(以後、LCDと称する)等で構成されており、音響手段7はブザー等で構成されている。
そして、制御手段8は、上記構成手段を統括的に制御し、入力手段5より入力する信号に基づき加熱手段3の出力を制御し、表示手段6および音響手段7を制御して機器の状態を報知する。
また、図2は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の操作表示部の外観を示す図である。図2に示すように、入力手段5の各キーは表示手段6の下部にまとめて配置されている。
以上のように構成された加熱調理器の概略動作について、図3〜図4を用いて説明する。図3は本発明の実施の形態1におけるタイマー加熱モードのときの表示を示す図、図4は同、揚げ物モードのときの表示を示す図である。
まず、制御手段8の動作全般について説明する。制御手段8は、動作モードとして、初期モード、タイマー設定モード、加熱モード、タイマー加熱モード、および揚げ物モードの5つのモードを備えている。
動作モードが初期モードのときは、制御手段8は、加熱手段3の出力オフを維持し、表示手段6を全消灯するとともに、入力手段5の時キー55を受け付けて動作モードをタイマー設定モードの設定時間「1時間00分」に、分キー56を受け付けて動作モードをタイマー設定モードの設定時間「1分」に、加熱入/切キー51を受け付けて動作モードを加熱モードの設定火力「5」に、揚げ物入/切キー52を受け付けて動作モードを揚げ物モードの設定温度「180℃」に移行させる。
動作モードがタイマー設定モードのときは、制御手段8は、加熱手段3の出力オフを維持し、表示手段6にてタイマー機能の設定時間を表示するとともに、入力手段5の時キー55および分キー56を受け付けて前記設定時間を変更し、取消キー57を受け付けて動作モードを初期モードに、加熱入/切キー51を受け付けて動作モードをタイマー調理モードの設定火力「5」に移行させる。
動作モードが加熱モードのときは、「弱」〜「強」まで8段階の設定火力を備えて選択された設定火力に基づき加熱手段3の出力を制御し、表示手段6にて前記選択された設定火力を表示するとともに、入力手段5のダウンキー53を受け付けて設定火力を1段階下げ、アップキー54を受け付けて設定火力を1段階上げ、時キー55を受け付けて動作モードをタイマー加熱モードの設定時間「1時間00分」に、分キー56を受け付けて動作モードをタイマー加熱モードの設定時間「1分」に、加熱入/切キー51を受け付けて動作モードを初期モードに移行させる。
動作モードがタイマー加熱モードのときは、設定時間内は前記加熱モードと同じ動作にて加熱手段3の出力を制御し、図3に示すように、表示手段6にて選択された設定火力および設定時間を表示するとともに、入力手段5のダウンキー53を受け付けて設定火力を1段階下げ、アップキー54を受け付けて設定火力を1段階上げ、時キー55および分キー56を受け付けて前記設定時間を変更し、取消キー57を受け付けて動作モードを加熱モードに、加熱入/切キー51を受け付けて動作モードを初期モードに移行させる。
動作モードが揚げ物モードのときは、140℃〜200℃まで10℃間隔で7段階の設定温度を備えて、温度センサ4で検知する温度と選択された制御温度との関係に基づき加熱手段3の出力を自動制御し、図4に示すように、表示手段6にて揚げ物モードである旨の表示および選択されている設定温度を数字にて表示するとともに、入力手段5のダウンキー53を受け付けて設定温度を1段階下げ、アップキー54を受け付けて設定温度を1段階上げ、揚げ物入/切キー52を受け付けて動作モードを初期モードに移行させる。また、制御手段8は、揚げ物入/切キー52を受け付けて揚げ物モードを開始してから、温度センサ4で検知する温度が選択された制御温度に到達するまでは、表示手段6にて予熱中である旨の表示を行う。
なお、加熱モードおよびタイマー加熱モードでの各設定火力における加熱手段3の出力値を表1に示す。
次に、加熱モードおよびタイマー加熱モードでの制御手段8の温度調節制御について、図5〜図9を用いて説明する。図5は本発明の実施の形態1における加熱調理器の制御温度選択を示すフローチャート、図6は同、第1の制御温度系列を選択しているときの表示を示す図、図7は同、第1の制御温度系列を選択しているときの別の表示を示す図、図8は同、第2の制御温度系列を選択しているときの別の表示を示す図、図9は同、第1の制御温度系列を選択し予熱中であるときの表示を示す図である。
さて、制御手段8は、加熱モードおよびタイマー加熱モードのときは、基本的には選択された設定火力に基づき加熱手段3の出力を制御するが、例えば空のフライパンを加熱しても熱変形させない、または鍋2内に油を入れて揚げ物モードを使用せずに加熱モードで予熱しても油発火させないように、安全機能としての温度調節制御も合わせて行っている。この温度調節制御の方法としては、制御手段8は「弱」〜「強」までの8段階の設定火力毎に制御温度を備えて、表示手段6では選択された設定火力に対応する表示を維持しつつ、現在の制御温度=(選択された火力に対応する制御温度)として、温度センサ4で検知する温度>現在の制御温度になると加熱手段3が実際に出力する火力を1段階下げ、かつ現在の制御温度=(1段階下げた後の火力に対応する制御温度)として以後同じ動作を繰り返し、鍋2または鍋2内の油の温度が所定温度を維持するように加熱手段3の出力を制御する。なお、この制御温度は全て120℃以上とし、煮る、茹でる、温める等の調理では作用しないような温度に設定している。
さらに、制御手段8は、前記の「弱」〜「強」までの8段階の設定火力に対応する制御温度として、1つはフライパンを鍋2としたときに鍋2が250℃前後を維持するような温度とした第1の制御温度系列、もう1つは鍋底が平坦な鍋2にて揚げ物調理を行ったときに鍋2内の油の温度が180℃前後を維持するような温度とした第1の制御温度系列よりも低い第2の制御温度系列といった2系統の制御温度としている。なお、各設定火力における第1の制御温度系列および第2の制御温度系列の制御温度を表2に示す。
そして、図5に示すように、制御手段8は、動作モードが初期モードまたはタイマー設定モードのときは、ステップ51〜53を経由してステップ57へ分岐し、制御温度を第2の制御温度系列とする。これにより、制御手段8は、入力手段5の加熱切/入キー51を受け付けて、動作モードを初期モード→加熱モード、タイマー設定モード→タイマー加熱モードに変更するときは、第2の制御温度系列を採用したまま動作モードを変更する。その後、入力手段5の制御温度選択キー58を受け付けると、ステップ55および56にて、制御温度を第2の制御温度系列→第1の制御温度系列に変更し、さらに入力手段5の制御温度選択キー58を受け付ける度に、ステップ55〜57にて、制御温度を第1の制御温度系列と第2の制御温度系列で交互に切り替える。
以上の構成により、機器を使用する者が入力手段5の加熱入/切キー51を操作して加熱モードまたはタイマー加熱モードを選択し加熱手段3の出力を開始すると、制御手段8は第2の制御温度系列を制御温度として選択するので、第1の制御温度系列を選択したときよりも鍋2または鍋2内の油の温度を低く抑えて、例えば、揚げ物モードを使用せずに加熱モードにて鍋底が反った鍋2で揚げ物調理を行った場合でも過度に油温が上昇するのを防ぐことができる。
また、炒め物調理を行う場合には、機器を使用する者が入力手段5の加熱入/切キー51を操作して加熱モードまたはタイマー加熱モードを選択し加熱手段3の出力を開始した後に入力手段5の制御温度選択キー58を操作すると、制御手段8は制御温度を第2の制御温度系列から第1の制御温度系列に変更するので、制御温度を高めて炒め物調理性能を確保することができる。
また、揚げ物モードのような温度センサ4で検知する温度と制御温度との関係に基づき加熱手段3の出力を自動制御する状態とは異なり、加熱モードおよびタイマー加熱モードでは、機器を使用する者は、温度調節制御が作用しない状態で入力手段5を操作し選択した火力通りに加熱手段3を出力させることができるので、炒め物の出来映えを確認しながら火力を自分好みに調節し調理することができる。
さらに、制御手段8は、表示手段6に表示要素として「炒め物」を設け、図6に示すように、第2の制御温度系列を制御温度として選択しているときは表示手段6の「炒め物」表示を消灯し、第1の制御温度系列を制御温度として選択しているときは表示手段6の「炒め物」を点灯する構成とすると、機器を使用する者は、第1の制御温度系列と第2の制御温度系列のどちらを選択して調理しているかを表示手段6にて確認できるとともに、第1の制御温度系列を選択したときの最適な調理メニューが炒め物調理であることを認識することができる。
さらに、制御手段8は、図7〜図8に示すように、第2の制御温度系列を制御温度として選択しているときは表示手段6に「180」と表示し、第1の制御温度系列を制御温度として選択しているときは表示手段6に「250」と表示する構成とすると、機器を使用する者は、具体的に何℃の制御温度で調理しているかを表示手段6にて確認することができる。なお、タイマー加熱モードのときは、設定時間(すなわち、図3に示す「残り」と「1時間12分」)と制御温度(すなわち、図7に示す「250」または図8に示す「180」)を交互に点滅表示する。また、図6と図7〜図8を合わせて、第2の制御温度系列を制御温度として選択しているときは表示手段6に「180」を点灯し、かつ「炒め物」表示を消灯し、第1の制御温度系列を制御温度として選択しているときは表示手段6に「250」と点灯し、かつ「炒め物」を点灯させることも可能である。
さらに、制御手段8は、表示手段6に表示要素として「予熱中」を設け、予熱終了温度=(表1に示した第1の制御温度系列で設定火力「弱」のときの制御温度)として、図9に示すように、第1の制御温度系列を制御温度として選択してから、温度センサ4で検知する温度>予熱終了温度になるまでの間は、表示手段6の「予熱中」を点滅する構成とすると、機器を使用する者は、例えば炒め物調理するためにフライパンを予熱している場合などで、予熱が終了し調理物を入れて調理を開始するタイミングを表示手段6にて確認することができる。
なお、予熱終了温度を、第1の制御温度系列の中で、設定火力「弱」のときの制御温度よりも低い温度とすることにより、予熱が終了し調理物を入れて調理を開始するタイミングを早めて、鍋2の温度のオーバーシュートを低く抑えることもできる。
(実施の形態2)
図1は、本発明の実施の形態2における加熱調理器のブロック図であり、実施の形態1と同一の構成手段からなる。実施の形態1と異なる点は、制御手段8が、加熱モードまたはタイマー加熱モードにおいて、第1の制御温度系列を選択しているときは、一度でも温度センサ4で検知する温度>(表1に示した設定火力「弱」のときの制御温度)になって加熱手段3の出力をオフするまでの間は、表示手段6にて「予熱中」を点滅するとともに、選択可能な設定火力を「6」までに制限するようにしたことである。
図1は、本発明の実施の形態2における加熱調理器のブロック図であり、実施の形態1と同一の構成手段からなる。実施の形態1と異なる点は、制御手段8が、加熱モードまたはタイマー加熱モードにおいて、第1の制御温度系列を選択しているときは、一度でも温度センサ4で検知する温度>(表1に示した設定火力「弱」のときの制御温度)になって加熱手段3の出力をオフするまでの間は、表示手段6にて「予熱中」を点滅するとともに、選択可能な設定火力を「6」までに制限するようにしたことである。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。機器を使用する者が入力手段5の加熱切/入キー51を操作して動作モードを初期モード→加熱モード、またはタイマー設定モード→タイマー加熱モードに変更すると、制御手段8は、制御温度=第2の制御温度系列とし、設定火力=「5」にて加熱手段3の出力を開始する。この状態では、制御手段8は、入力手段5のアップキー54より入力する信号に基づき設定火力を最大火力である「強」まで変更することが可能である。
ここで、制御手段8は、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力すると、制御温度を第2の制御温度系列→第1の制御温度系列に変更し、表示手段6にて「予熱中」を点滅するとともに、設定火力≦「6」の場合はそのときの設定火力を維持するが、設定火力=「強」の場合は強制的に「6」に変更する。そして、制御手段8は、設定火力=「6」で入力手段5のアップキー54より信号を入力しても、設定火力を「強」に変更せずに「6」を維持し、音響手段7を駆動して機器を使用する者にアップキー54の操作が無効であることを報知する。
そして、温度センサ4で検知する温度>(第1の制御温度系列で設定火力「弱」のときの制御温度)を検知し加熱手段3の出力をオフすると、制御手段8は、表示手段6の「予熱中」を消灯して、選択可能な設定火力の制限を解除する。以後は、制御手段8は、設定火力=「6」で入力手段5のアップキー54より信号を入力すると、設定火力を「強」に変更する。
以上の構成により、機器を使用する者が、食材が入っていない空のフライパンを第1の制御温度系列を選択し予熱している間は、制御手段8は加熱手段3の出力を設定火力「6」までに抑えるので、制御温度が高くかつ火力が強すぎてフライパンが熱変形してしまうのを防ぐことができる。また、前記空のフライパンの予熱が終了すると、制御手段8は設定火力「強」を選択できるので、機器を使用する者は設定火力「強」を使って炒め物調理を行うことができる。さらに、機器を使用する者は、煮る、茹でる、温める等の調理のときは第2の制御温度系列を選択して、温度センサ4で検知する温度<(第2の制御温度系列で現在の火力に対応する制御温度)の場合でも設定火力「強」を使って調理することができる。
(実施の形態3)
図1は、本発明の実施の形態3における加熱調理器のブロック図であり、実施の形態1と同一の構成手段からなる。実施の形態1と異なる点は、制御手段8が、入力手段5の加熱入/切キー51より入力する信号に基づき動作モードを初期モード→加熱モード、またはタイマー設定モード→タイマー加熱モードに変更した後、入力手段5の制御温度選択キー58より入力する信号に基づき制御温度を第2の制御温度系列→第1の制御温度系列に変更すると、表示手段6にて「不適鍋」と「検知中」を点滅表示しつつ、所定時間だけ加熱手段3の出力をオフして温度センサ4で検知する温度を安定させた後に設定火力を「5」に限定して加熱手段3を40秒だけ通電し、この間の温度センサ4で検知する温度の二次微分値に基づき鍋底の反り量を反りランク=1〜4の4段階で検知する反り鍋検知動作を行う。その後、制御手段8は、前記設定火力の限定を解除して、反りランク=1の場合は反りが小さいので第1の制御温度系列を継続し、反りランク=2〜4の場合は反りが大きいので制御温度を第2の制御温度系列に戻し表示手段6にて「不適鍋」を点灯表示するとともに、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力しても第2の制御温度系列を維持して音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知する。また、制御手段8は、前記反り鍋検知動作の間は、入力手段5のダウンキー53またはアップキー54より信号を入力しても設定火力「5」を維持して音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知するようにしたことである。
図1は、本発明の実施の形態3における加熱調理器のブロック図であり、実施の形態1と同一の構成手段からなる。実施の形態1と異なる点は、制御手段8が、入力手段5の加熱入/切キー51より入力する信号に基づき動作モードを初期モード→加熱モード、またはタイマー設定モード→タイマー加熱モードに変更した後、入力手段5の制御温度選択キー58より入力する信号に基づき制御温度を第2の制御温度系列→第1の制御温度系列に変更すると、表示手段6にて「不適鍋」と「検知中」を点滅表示しつつ、所定時間だけ加熱手段3の出力をオフして温度センサ4で検知する温度を安定させた後に設定火力を「5」に限定して加熱手段3を40秒だけ通電し、この間の温度センサ4で検知する温度の二次微分値に基づき鍋底の反り量を反りランク=1〜4の4段階で検知する反り鍋検知動作を行う。その後、制御手段8は、前記設定火力の限定を解除して、反りランク=1の場合は反りが小さいので第1の制御温度系列を継続し、反りランク=2〜4の場合は反りが大きいので制御温度を第2の制御温度系列に戻し表示手段6にて「不適鍋」を点灯表示するとともに、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力しても第2の制御温度系列を維持して音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知する。また、制御手段8は、前記反り鍋検知動作の間は、入力手段5のダウンキー53またはアップキー54より信号を入力しても設定火力「5」を維持して音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知するようにしたことである。
以上のように構成された加熱調理器の反り鍋検知動作について、図10〜図13を用いて説明する。図10は本発明の実施の形態3における反り鍋検知動作を示す図、図11は同、反り鍋検知動作中の表示を示す図、図12は同、反り鍋と検知したときの表示を示す図、図13は同、反り鍋検知の温度依存性を示す図である。
さて、制御手段8は、動作モードが加熱モードまたはタイマー加熱モードにて、まだ反り鍋検知動作を終了していないときに、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力し制御温度を第2の制御温度系列→第1の制御温度系列に変更すると、所定時間だけ加熱手段3の出力をオフして温度センサ4で検知する温度を安定させた後に設定火力を「5」に限定して反り鍋検知動作を開始するとともに、図11に示すように、表示手段6にて制御温度が第1の制御温度系列であることを示す「250」、設定火力「5」、「炒め物」の点灯、「予熱中」の点滅(すなわち図9)に加えて、「不適鍋」と「検知中」を点滅させる。この表示により、機器を使用する者に、機器は設定火力を「5」に限定して反り鍋検知動作を行っている最中であり、入力手段5を操作しても設定火力を変更できない旨を報知することができる。
また、反り鍋検知動作の40秒間は、制御手段8は、入力手段5のダウンキー53またはアップキー54より信号を入力しても設定火力「5」を維持するので、この間に加熱手段3の出力する積算電力量は一定となり、油を鍋2内に入れて加熱した場合、温度センサ4で検知する温度の上昇勾配は鍋2の反り量に応じた特定の振る舞いとなるので、制御手段8は、前記温度上昇勾配と規定値との比較により鍋底が反っているか否かを検知することができる。
また、その際、音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知するので、機器を使用する者に、入力手段5を操作しても設定火力を変更できない旨の報知を行うことができる。
そして、制御手段8は、この状態を40秒間だけ維持し、設定火力「5」にて加熱手段3を通電開始してから10秒間の温度センサ4で検知する温度の上昇値Δθaと、前記通電開始30秒後から40秒後までの10秒間の温度センサ4で検知する温度の上昇値Δθbを測定し、d2θ=Δθb−Δθaを計算する。
すなわち、図10に示すように、鍋2の鍋底が平坦なときのd2θ=Δθ2−Δθ1は、鍋2の鍋底が反ったときのd2θ=Δθ3−Δθ1よりも大きくなり、d2θの値は鍋底の反り量に依存した値となる。ここで、制御手段8は、d2θに基づき鍋底の反り量を反りランク=1〜4の4段階にて検知し、その後、設定火力「5」に限定する動作を解除する。
そして、反りランク=1の場合は、反りが小さいので制御手段8は、表示手段6の「不適鍋」と「検知中」表示のみ消灯(すなわち図9と同じ)し、第1の制御温度系列を制御温度として継続する。
しかしながら、反りランク=2〜4の場合は、反りが大きいので制御手段8は、制御温度を第2の制御温度系列に変更し、図12に示すように、表示手段6にて「炒め物」、「予熱中」、「検知中」を消灯し、制御温度が第2の制御温度系列であることを示す「180」、設定火力「5」および「不適鍋」を点灯表示とともに、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力しても第2の制御温度系列を維持し、音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知する。
なお、鍋2が内部の調理物との熱交換性に優れた物質・構成のもの(例えば鉄、ホーロー鍋)で、かつ調理物が水を主成分としたものである場合、反り鍋検知動作の40秒間における温度センサ4で検知する温度はほぼ経過時間に比例した上昇となって、鍋底が平坦な鍋2でもd2θは極めて小さな値となり反りランク=2〜4と同じ扱いになってしまうが、この場合は、もともと温度センサ4で検知する温度は水の沸点である100℃前後に収まるので、制御手段8は制御温度が第2の制御温度系列でも温度調節制御が作動することはなく何ら支障はない。
以上の構成により、機器を使用する者が、鍋底が反った鍋2に油を入れて加熱開始した後に制御温度を第1の制御温度系列に変更しても、制御手段8は、温度センサ4で検知する温度の上昇勾配に基づき鍋底が反っていると検知して制御温度を第2の制御温度系列に戻すので、油の温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。このとき、更に入力手段5の制御温度選択キー58を操作して制御温度を第1の制御温度系列に変更しようとしても、制御手段8は制御温度を第2の制御温度系列に維持するので、油の温度が過度に上昇しない状態を維持することができる。
また、機器を使用する者は、反り鍋検知動作が終了したことを表示手段6の「検知中」点滅表示の消灯にて確認することができ、その後は入力手段5を操作し「強」を含めた任意の火力を選択して、調理の種類や状況に応じた設定火力にて鍋2を加熱することができる。
さらに、機器を使用する者は、鍋底が反っているので制御温度を第1の制御温度系列に変更することができないことを表示手段6の「不適鍋」点灯表示にて確認することができる。
なお、図13に示すように、反り鍋検知動作を開始したときの温度θsが高いほど、d2θは小さくなる傾向にあるので、反りランク=1〜4を検知するための判定値1〜3を、温度θsに基づき変更することによって、鍋底の反り量を検知する精度を向上することができる。
また、実施の形態3では、温度センサ4で検知する温度の二次微分値に基づき鍋2の底が反っているか否かを検知しているが、温度センサ4で検知する温度を使ったその他の検知方法を採用することもできる。
(実施の形態4)
図1は、本発明の実施の形態4における加熱調理器のブロック図であり、実施の形態1と同一の構成からなる。実施の形態1と異なる点は、制御手段8が、加熱手段3の出力を開始してからの積算電力量が70Wh(20kWで2分強)以上になったときの温度センサ4で検知する温度上昇値が70K未満の場合は、制御温度を第2の制御温度系列とし、表示手段6にて「不適鍋」と点灯表示するとともに、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力しても第2の制御温度系列を維持して音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知するようにしたことである。
図1は、本発明の実施の形態4における加熱調理器のブロック図であり、実施の形態1と同一の構成からなる。実施の形態1と異なる点は、制御手段8が、加熱手段3の出力を開始してからの積算電力量が70Wh(20kWで2分強)以上になったときの温度センサ4で検知する温度上昇値が70K未満の場合は、制御温度を第2の制御温度系列とし、表示手段6にて「不適鍋」と点灯表示するとともに、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力しても第2の制御温度系列を維持して音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知するようにしたことである。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。制御手段8は、入力手段5の加熱切/入キー51より信号を入力し、動作モードを初期モード→加熱モード、またはタイマー設定モード→タイマー加熱モードに変更して加熱手段3の出力を開始するときに、温度センサ4で検知する温度をTsとして記憶し、積算電力量を初期化して測定を開始する。なお、制御手段8は、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力し制御温度を第2の制御温度系列→第1の制御温度系列に変更する、またはダウンキー53やアップキー54より信号を入力し設定火力を変更しても、前記積算電力量の測定を継続する。
そして、積算電力量≧70Whになったときの温度センサ4で検知する温度をTeとして温度上昇値=Te−Tsを計算し、温度上昇値≧70Kの場合は第1の制御温度系列を選択可能であるが、温度上昇値<70Kの場合は制御温度が第1の制御温度系列であっても第2の制御温度系列に変更し、表示手段6にて「不適鍋」と点灯表示するとともに、入力手段5の制御温度選択キー58より信号を入力しても第2の制御温度系列を維持して音響手段7を駆動しキー操作が無効であることを報知する。
以上の構成により、機器を使用する者が、フライパンを使った炒め物や焼き物調理ではなく、水を主成分とした調理物を煮る、茹でる、温める、または油を使った揚げ物調理のときに制御温度を第1の制御温度系列に変更しても、制御手段8は、温度センサ4で検知する温度に基づき第1の制御温度系列が相応しくないと検知して、制御温度を第2の制御温度系列に戻すので、揚げ物調理で過度に油の温度が上昇するのを防ぐとともに、制御手段8が前記第1の制御温度系列が相応しくないと検知した後は、制御温度を第1の制御温度系列に変更することができないことを表示手段6の「不適鍋」点灯表示にて報知することができる。
なお、積算電力量の判定値である70Wh、および温度上昇値に基づく判定値である70Kについて、加熱手段3を出力開始したときの温度センサ4で検知する温度Tsに対応して変更する構成にすると、高温状態にて加熱手段3を出力開始したときの検知精度を向上し、鍋2内または鍋2内の油温のオーバーシュートをより低く抑えることができる。
また、実施の形態4では、所定の積算電力量での温度センサ4で検知する温度上昇値に基づき第1の制御温度系列が相応しくないと検知しているが、温度センサ4で検知する温度が所定温度に到達するまでの時間など、温度センサ4で検知する温度を使ったその他の方法を採用することもできる。
さらに、実施の形態1〜4において、入力手段5は、加熱手段3への通電開始および終了を入力するための加熱入/切キー51、加熱手段3の設定出力を変更するためのダウンキー53およびアップキー54、および制御温度を変更するための制御温度選択キー58と、それぞれ別々に設けられているが、例えば、加熱手段3の設定出力を変更するためのダウンキー53またはアップキー54を長押しすることにより制御温度を変更するといったように、1つのキーで複数の機能を共有することもできる。
さらに、実施の形態1〜4において、第1の制御温度および第2の制御温度を、「弱」〜「強」までの8段階の設定火力に対応し制御温度系列として備えた構成としているが、制御温度系列の段階数を減少させる、または温度調節制御特有の出力設定を設けて制御温度系列の段階数を増加しても同様の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態1〜4において、温度調節制御の方法として、温度センサで検知する温度が制御温度を越える度に加熱手段の出力を低減していく制御方法としているが、温度センサで検知する温度と制御温度との温度差と、温度センサで検知する温度の上昇勾配の2つを入力パラメータとしたファジィ制御など、温度センサで検知する温度に基づくその他の制御方法を採用しても同様の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態1〜4において、制御手段8は、揚げ物調理に最適な動作モードとして油の温度を設定された温度に維持する揚げ物モードを備えているが、ステーキ、ハンバーグ、餃子等を焼くのに最適な動作モードとしてフライパン等の鍋2の温度を設定された温度に維持する焼き物モード、炊飯のためのモード、あるいは湯沸かしのためのモード等、その他の動作モードを備えた構成としても同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、基本的に所定の火力で加熱手段を出力制御する状態での安全機能としての温度制御において、制御温度を切り替え可能にして、鍋底が反った鍋で揚げ物調理を行っても過度に油温が上昇するのを防ぎ、かつ、炒め物調理のときは第1の制御温度を選択して炒め物調理性能を確保することが可能となるので、一般家庭用キッチンおよび業務用の誘導加熱調理器や、ラジェントヒータやニクロムヒータを利用した加熱調理器等の用途に適用できる。
2 鍋
3 加熱手段
4 温度センサ
5 入力手段
6 表示手段
7 音響手段(報知手段)
8 制御手段
3 加熱手段
4 温度センサ
5 入力手段
6 表示手段
7 音響手段(報知手段)
8 制御手段
Claims (12)
- 加熱手段と、温度センサと、入力手段と、設定された火力にて前記加熱手段を通電制御し、前記温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき前記加熱手段の出力を前記設定された火力よりも低く制御する制御手段を備えた構成において、前記制御手段は、複数の設定火力を備えて前記入力手段より入力する信号に基づき選択可能とし、前記制御温度として第1の制御温度と、前記第1の制御温度よりも低い第2の制御温度を備えて、前記入力手段より入力する信号に基づき前記加熱手段を通電開始するときは前記制御温度を前記第2の制御温度とし、その後、前記入力手段より入力する信号に基づき前記制御温度を前記第1の制御温度に変更可能とした加熱調理器。
- 制御手段は、第1の制御温度を選択しているときに、温度センサで検知する温度が制御温度に一度到達するまでは、選択可能な設定火力を制限する請求項1に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、制御温度を第1の制御温度に変更しても、温度センサで検知する温度に基づき前記第1の制御温度が相応しくないと検知すると、前記制御温度を第2の制御温度に戻す請求項1に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、温度センサで検知する温度に基づき第1の制御温度が相応しくないと検知するための判定値を、加熱手段を通電開始するときの温度センサで検知する温度に対応し変更する請求項3に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、制御温度を第1の制御温度に変更後、所定の設定火力に限定し加熱手段へ通電して温度センサで検知する温度上昇勾配に基づき加熱する鍋の底が反っているか否かを検知し、前記鍋底の反り検知を終了すると前記設定火力の限定を解除するとともに、鍋の底が反っていると検知した場合は、前記第1の制御温度が相応しくないと判断して前記制御温度を第2の制御温度に戻す請求項3に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、温度センサで検知する温度上昇勾配に基づき加熱する鍋の底が反っているか否かを検知するための判定値を、制御温度を第1の制御温度に変更したときの温度センサで検知する温度に対応し変更する請求項5に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、鍋の底が反っているか否かを検知しているので入力手段にて設定火力を変更できない旨を報知する請求項5または6に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、第1の制御温度が相応しくないと検知すると制御温度を第1の制御温度に変更できないようにする請求項3〜7に記載の加熱調理器。
- 表示手段にて、第1の制御温度が相応しくないことを表示する請求項3〜8のいずれか1項に記載の加熱調理器。
- 表示手段にて、制御温度が第1の制御温度と第2の制御温度のどちらであるかを表示する請求項1〜9のいずれか1項に記載の加熱調理器。
- 表示手段にて、制御温度を数字で表示する請求項1〜10のいずれか1項に記載の加熱調理器。
- 表示手段にて、温度センサで検知する温度が制御温度に到達したか否かを表示する請求項1〜11のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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