JP2003227594A - 真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents
真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫Info
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Abstract
レタンのリサイクル率向上を図りつつ熱伝導率の向上及
び熱伝導率の経時劣化防止を図ると共に外観品質を優れ
たものとする。 【解決手段】廃ウレタン微粉砕物14に少量のバインダ
ー剤を混練して形成したコア材15と、超極細のガラス
短繊維材を層状に形成したガラス繊維層6とを積層して
ゲッタ剤4と共にガスバリア性フィルム2中に収納し、
これらを芯材13としてガスバリア性フィルム2内を真
空封止して真空断熱パネル11を形成する。
Description
びこれを用いた冷蔵庫に係り、特に廃ウレタンを微粉砕
して芯材に用いる真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵
庫に好適なものである。
の消費電力量削減及びリサイクル率の向上の必要性が高
まっている。
サイクルの効率と共に、庫内からの熱漏洩量に関係する
断熱材の断熱性能によってその大部分が決まる。そこ
で、冷蔵庫においては、消費電力量削減のために、断熱
材の性能向上を図る努力がなされつつある。
リサイクルが難しいとされる熱硬化性樹脂の発泡ポリウ
レタンが用いられており、冷蔵庫が使用済みになった後
に回収される廃ウレタンの多くは埋立て処分されてい
る。一般的な冷蔵庫では、発泡ポリウレタンが冷蔵庫重
量に占める割合は約9%にもなっている。そこで、冷蔵
庫においては、リサイクル率を向上するために、廃ウレ
タンのマテリアルリサイクルに関する要素技術を構築
し、現在埋立て処分されている廃ウレタンのリサイクル
を図る努力がなされつつある。
びこれを用いた冷蔵庫としては、特開平10−3003
31号公報に示されているように、優れた断熱性能を確
保し、取扱性及び強度的にも優れた真空断熱パネル及び
これを用いた冷蔵庫を得るために、アルミニュームをラ
ミネートしたガスバリア性フィルムによって内部を真空
に保持されると共に芯材によって形状を保持されてなる
真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫において、廃ウ
レタンの粉砕品と、熱反射率に優れる板状充填材と、こ
れらを接着するバインダー剤と、を含む混合物から成る
多孔体でコア材を構成し、このコア材を前述した芯材と
して用いるようにしたものがある。
では、熱反射率に優れる板状充填材を用いて輻射による
伝熱量を抑制することが示されているが、板状充填材で
あるために板状充填材間の接触が面接触になって板状充
填材を介しての伝熱量が大きくなり、熱伝導率が大きく
なってしまうおそれがあるという課題があった。
るようにバインダー剤を多量に用いたコア材とすること
が考えられるが、その場合には、ウレタン粉砕品の連通
化が阻害されて十分な真空度が得られなくなると共に、
バインダー剤を介しての伝熱量が大きくなり、これらに
よって熱伝導率が大きくなってしまうおそれがあり、更
にはバインダー剤から徐々に放出されるガスにより熱伝
導率が経時劣化するおそれがあるという課題が生ずる。
バインダー剤を用いたコア材とすることが考えられる
が、その場合には、コア材は脆くて強度が弱くなるた
め、このコア材をガスバリア性フィルム中に収納して真
空封止した真空断熱パネルは表面に凹凸状の窪みが発生
して外観品質が劣り、また、冷蔵庫箱体中にこの真空断
熱パネルを挿入して発泡ポリウレタンを充填した場合に
も冷蔵庫箱体の外観ひずみ等が生じ易いという課題が生
ずる。
ンのリサイクル率向上を図りつつ熱伝導率の向上及び熱
伝導率の経時劣化防止が図れると共に外観品質が優れた
真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫を提供すること
にある。
述から明らかにされる。
に、本発明の真空断熱パネルは、ガスバリア性フィルム
中に芯材を収納して真空封止した真空断熱パネルにおい
て、前記芯材は、廃ウレタン微粉砕物に少量のバインダ
ー剤を混練して形成したコア材と、超極細のガラス短繊
維材を層状に形成し且つ前記コア材に積層したガラス繊
維層と、ゲッタ剤とを備えた構成としたものである。
庫は、外箱と内箱との間に真空断熱パネルを配置し、前
記真空断熱パネルが前記外箱に接触するように前記外箱
と前記内箱との間にウレタンを発泡して充填した冷蔵庫
において、前記真空断熱パネルは、ガスバリア性フィル
ム中に芯材を収納し、内部を真空封止して形成し、前記
芯材は、廃ウレタン微粉砕物に少量のバインダー剤を混
練して形成したコア材と、前記ガスバリア性フィルムの
前記外箱に接触する面の内側に接触し且つ前記コア材に
積層したガラス繊維層と、ゲッタ剤とを備え、前記ガラ
ス短繊維層は超極細のガラス短繊維材を層状に形成した
構成としたものである。
から明らかにされる。
びこれを用いた冷蔵庫の実施形態を図を用いて説明す
る。
ル及び冷蔵庫の構成及び製造方法を図1から図4を参照
しながら説明する。
クルするために、リサイクルプラントなどに搬入され
(ステップ20)、必要な部品などが取外されて分解さ
れる(ステップ21)。
投入され(ステップ22)、破砕されると共に(ステッ
プ23)、断熱材中のフロンなどが回収され(ステップ
24)、且つ金属・プラスチックなどが種類別に回収さ
れる(ステップ25)。
圧縮されて円板状の廃ウレタン圧縮材として形成され、
リサイクルプラントから排出される(ステップ26)。
この廃ウレタン圧縮材は、具体的には、数mm〜10m
m角で一片の重量が重いプラスチック粉や細かく砕かれ
た微量の金属異物が混ざったものを圧縮して固めたもの
で脆く崩れやすい状態である。この廃ウレタン圧縮材に
は、廃発泡ウレタンの破砕物以外に、廃発泡ウレタンと
比重が近くて風力選別で除去されなかったポリプロピレ
ン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル
・ブタジェン・スチレン共重合物(ABS)や金属等の
異物が含まれている。
圧縮材を真空断熱パネル11のコア材に用いると、異物
がコア材の連通化を阻害して熱伝導率の低減化に支障を
きたすばかりでなく、経時的なガス放出源となる。そこ
で、本実施形態では、真空断熱パネル11のコア材15
における熱伝導率の低減及び熱伝導率の経時劣化を改良
するために、後述するように廃ウレタン圧縮材から廃ウ
レタン以外の不純物を高精度に分別除去し、芯材15に
用いるようにしている。
フロンもしくはシクロペンタンの揮発性ガスを含む廃ウ
レタンを破砕・粗粉砕されて形成されるが、粒径が約
0.6〜1.3mmと大きく、独立気泡が全て破砕され
ている状態ではない。このような独立気泡が含まれてい
る廃ウレタン圧縮材を真空断熱パネル11のコア材15
に用いると、独立気泡がコア材15の連通化を阻害して
熱伝導率の低減化に支障をきたすばかりでなく、経時的
なガス放出源となる。そこで、本実施形態では、真空断
熱パネル11のコア材15における熱伝導率の低減及び
熱伝導率の経時劣化を改良するために、後述するように
廃ウレタン圧縮材を微粉砕して廃ウレタン微粉砕物と
し、芯材15に用いるようにしている。
高純度化処理を説明する。
ン圧縮材は、真空断熱パネル製造プラントに搬送され、
微粉砕・異物選別システムに投入される(ステップ3
0)。微粉砕・異物選別処理システムでは、廃ウレタン
圧縮材はまず粗粉砕され(ステップ31)、その廃ウレ
タン粗粉砕物からプラスチック粉や鉄系粉末などの金属
異物が選別されて取り除かれる(ステップ32)。
別において、廃ウレタン圧縮材はロータリ型の特殊カッ
タによる一軸せん断式で5mm程度のチップに破砕さ
れ、その粗粉砕物は選別コンベアで高速搬送されて風力
差で重量の重いプラスチック粉が選別され、取り除かれ
る。残った粗粉砕物からスパイラルマグネットを用いて
鉄系粉末の金属異物が選別されて取り除かれる。
ン粗粉砕物は、さらに細かく微粉砕されると共に(ステ
ップ33)、廃ウレタン微粉砕物14として微粉砕・選
別システムから排出される(ステップ35)。これによ
って、600μm以上の粒径比率のものが50%を超え
バラツキも大きかった微粉砕処理前の廃ウレタン圧縮材
は、微粉砕処理後に平均粒径が100μm以下となり、
異物選別処理前に69〜85%であったウレタン純度の
廃ウレタン圧縮材は、異物選別処理後にウレタン純度が
95%以上を有するバラツキの少ない安定した廃ウレタ
ン微粉砕物14となることが判明した。なお、廃ウレタ
ン微粉砕物14の粒子径は、レーザー回折・散乱法によ
るマイクロトラック粒度分析計を用いて測定した。
のバインダー剤と混練されてコア材15が形成される
(ステップ40)。少量のバインダー剤を用いることに
よって、廃ウレタン微粉砕物14の連通化の阻害及びバ
インダー剤からのガス放出を抑制することが可能とな
り、熱伝導率の向上及び熱伝導率の経時劣化防止を図る
ことができる。特に、5〜20重量%のバインダー剤を
混練することにより、熱伝導率の向上及び熱伝導率の経
時劣化防止が図れることが後述する実施例1〜5で明ら
かになった。なお、バインダー剤としては、フェノール
樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂等が使用できる。
状にしたガラス繊維層6が形成される(ステップ4
1)。ガラス繊維層6は、具体的には、平均径3μm以
下で且つ平均長さ10mm以下のガラス短繊維材が用い
られ、ウール状、フェルト状またはシート状に形成され
る。ガラス短繊維材の平均長さは5〜10mm程が特に
好ましい。
(ステップ42)。このゲッタ剤4としては、モレキュ
ラーシーブス、シリカゲル、酸化カルシウム、ゼオライ
ト、活性炭等、炭酸ガスを吸着除去するアルカリ金属と
しては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム等が用いられる。そして、ゲッタ剤は通常平均20
〜300μm程度の粒径を有し、通気性を有するポリエ
チレン製、ポリプロレン製、ポリエチレンテレフタレー
ト製等の不織布に充填されている。
積層され、ガスバリア性フィルム2中にゲッタ剤4と共
に収納されて芯材13が形成される。この芯材13が収
納された状態でガスバリア性フィルム2が真空封止され
る(ステップ43)。このガスバリア性フィルム2とし
ては、例えば片面にポリエチレンテレフタレートの表面
保護層、中間層がアルミ箔で熱シール層が高密度ポリエ
チレンからなるラミネートフィルム、もう一方の面に
は、表面保護層がポリエチレンテレフタレート、中間層
がエチレンービニルアルコール共重合樹脂の内層側にア
ルミ蒸着を施したフィルム層、熱シール層が高密度ポリ
エチレンからなるラミネートフィルムが用いられる。
ガスバリア性フィルム2に収納されるため、コア材15
の角部などでガスバリア性フィルム2を損傷してしまう
ことを防止でき、確実な真空封止を行なうことができ
る。また、真空封止される際に、コア材15がガラス繊
維層6で保護され、真空断熱パネル11の表面に外観ひ
ずみが発生することを防止できる。
11が作製される。この真空断熱パネル11は薄形直方
体に形成され、図示例では寸法400mm×450mm
×15mmである。真空断熱パネル11の厚さ方向が伝
熱方向として用いられ、この伝熱方向に交叉する両面の
内側に接触するようにガラス繊維層6が配置されてい
る。換言すれば、このガラス繊維層6の間にコア材15
が配置され、これらはサンドイッチ状態に形成されてい
る。なお、2層以上の積層構造とは、コア材15と異な
るガラス繊維層6がサンドイッチされている構成を言
う。
ル11は、冷蔵庫製造プラントに搬入され(ステップ5
0)、冷蔵庫を構成する鉄板製外箱7の平坦面内側に貼
り付けられる(ステップ51)。次いで、冷蔵庫を構成
するプラスチック製内箱8が外箱7に組み合わされて冷
蔵庫箱体10が形成され、外箱7と内箱8との間に発泡
ポリウレタン9が充填され(ステップ51)、図3及び
図4に示す冷蔵庫が完成される。
基本原料としてシクロペンタンと水、整泡剤、反応触媒
の存在下でイソシアネートを反応させて得られるもので
ある。係る発泡ポリウレタンを更に具体的に説明する。
ン(2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジア
ミン)及びo−トリレンジアミン(2,3−トリレンジ
アミン、3,4−トリレンジアミン)から成る開始剤を
プロピレンオキサイドの付加物を主に用いている。他の
開始剤は、2価アルコールのプロピレングリコール,ジ
プロピレングリコール、3価アルコールのグリセリン,
トリメチロールプロパン、多価アルコールのジグリセリ
ン,メチルグルコシド,ソルビトール,シュークロー
ズ,アルキレンポリアミンのエチレンジアミン,ジエチ
レントリアミン、アルカノールアミンのモノエタノール
アミン,ジエタノールアミン,イソプロパノールアミ
ン、その他のジアミノジフェニルメタン,ビスフェノー
ルA,ポリメチレンポリフェニルポリアミンを種々のア
ルキレンオキサイドで付加物としたポリオールを用いて
いる。
ルメタンイソシアネート多核体を主に使用している。ジ
フェニルメタンジイソシアネート多核体を用いたイソシ
アネートは、ポリエーテルポリオール溶液と粘度差が小
さいので、ポリエーテルポリオールとの相溶性が向上す
る。ジフェニルメタンジイソシアネート多核体を用いる
ことによって、初期反応は比較的速くなりゲル化や硬化
が遅くなるので、脱形時のフォーム膨れ量を小さくす
る。少量であればトリレンジイソシアネート異性体混合
物、2,4−体100部、2,4−体/2,6−体=8
0/20,65/35(重量比)はもちろん、商品名三
井コスモネートTRC,武田薬品のタケネート4040
プレポリマーのウレタン変性トリレンジイソシアネー
ト,アロファネート変性トリレンジイソシアネート,ビ
ウレット性トリレンジイソシアネート,イソシアヌレー
ト変性トリレンジイソシアネート等も使用できる。4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートとしては、主
成分とする純品の他3核体以上の多核体を含有する商品
名三井コスモネートM−200,武田薬品製のミリオネ
ートMRのジフェニルメタンイソシアネート多核体を使
用できる。
のシクロペンタン及び水を用いる。ポリオール混合物1
00重量部に対し、12〜18重量部のシクロペンタン
及び1.0〜1.8重量部の水を組み合わせる。一般に
シクロペンタンと水を多く用いれば容易に低密度化でき
るが、水が多いと気泡セル内の炭酸ガスの分圧が増加し
て膨れ量が大きくなり、シクロペンタンが多いと圧縮強
度や寸法安定性が劣ってくる。
キサメチレンジアミン,ペンタメチルジエチレントリア
ミン、3量化触媒を併用して高速反応化とキュアー性を
高められる。反応触媒の配合量は、ポリオール成分10
0重量部に対し、2〜5重量部が好ましい。それ以外
に、第3級アミンのトリメチルアミノエチルピペラジ
ン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジア
ミン、3量化触媒のトリス(3−ジメチルアミノプロピ
ル)ヘキサヒドローS−トリアジン、遅効性触媒のジプ
ロピレングリコール,酢酸カリジエチレングリコール
等、反応性が合致すれば使用することができる。
気泡セルの大きさがそろうので、フォームは一様に膨
れ、一様な強度を有する。整泡剤の配合量は、ポリオー
ル成分が100重量部あたり1.5〜4重量部である。
製泡剤としては、例えばゴールドシュミット製のB−8
461,B−8462,信越化学製のX−20−161
4,X−20−1634,日本ユニカ製のSZ−112
7,SZ−1671を用いる。
ーム9を発泡する。発泡機は、例えばプロマート社製P
U−30型発泡機が用いられる。発泡条件は、発泡機の
種類によって多少異なるが通常は液温18〜30℃、吐
出圧力80〜150kg/cm2、吐出量15〜30k
g/min、型箱の温度は35〜45℃が好ましい条件
である。
製造プラントから搬送され(ステップ53)、一般家庭
などで使用される。
に少量のバインダー剤を混練して形成したコア材15
と、超極細のガラス短繊維材を層状に形成したガラス繊
維層6とを積層してゲッタ剤4と共にガスバリア性フィ
ルム2中に収納して芯材としたことにより、発泡ポリウ
レタンのリサイクル率の向上を図りつつ熱伝導率の向上
及び熱伝導率の経時劣化防止が図れると共に外観品質が
優れたものとすることができる。
する。通常の平均繊維径が大きいグラスウール等を芯材
に用いた場合には、熱伝導率が高くなるとともに熱伝導
率の経時劣化が大きくなってしまう。平均繊維径が3μ
m以上になると、繊維が同一方向に配列し易く、繊維の
接触が線接触に近くなって接触熱抵抗が小さくなるた
め、接触した繊維を通しての伝熱量が大きくなって断熱
性能が低下してしまう。また、繊維どうしがサイジング
材やバインダー剤で2重に接着されることになるが、平
均繊維径が大きいほどこれらを介する面積が大きくなっ
て接触熱抵抗が小さくなくなるため、サイジング材やバ
インダー剤を通しての伝熱量が大きくなって断熱性能が
低下してしまう。更には、平均繊維径が大きくなるほど
サイジング材とバインダー剤の有機成分よりガスの放出
量が多くなって熱伝導率の経時劣化が大きくなってしま
う。
3μm以下で且つ平均長さ10mm以下のガラス短繊維
材を用いたガラス繊維層6とすることにより、伝熱方向
に不連続で素材間の接触熱抵抗を有効に活用することが
でき、しかも、接触熱抵抗の他に熱流路がジグザグとな
り、それによって熱抵抗が増大して熱伝導率が低くでき
ると共に、サイジング材やバインダー材の接触面積が減
少して熱伝導率が低くでき、ガス放出量が低減して熱伝
導率の経時劣化を防止することができる。
表1を参照しながら詳細に説明する。各実施例及び各比
較例の真空断熱パネル及び冷蔵庫の作製内容は、以下に
述べる各実施例及び各比較例の説明と表1に示す内容の
差異とを除いて、基本的には上述した実施形態と同一で
ある。
率、廃ウレタン微粉砕物14の粒径(ウレタン粉粒
径)、廃ウレタン微粉砕物14の純度(ウレタン粉純
度)、ガラス短繊維材の繊維径、コア材15の層数、コ
ア材15の成形温度、真空断熱パネル11の熱伝導率、
冷蔵庫の熱漏洩量低減率、真空断熱パネル11及び冷蔵
庫の外観品質を示す。 (実施例1)この実施例1の硬質ポリウレタンフォーム
9は、ポリオールとして、平均水酸基価が450のm−
トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポ
リエーテルポリオールを40重量部、平均水酸基価が4
70のo−トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを
付加したポリエーテルポリオールを30重量部、平均水
酸基価が380のo−トリレンジアミンにプロピレンオ
キサイドを付加したポリエーテルポリオールを30重量
部の混合ポリオール成分100重量部に、シクロペンタ
ン15重量部に水1.5部及び反応触媒としてテトラメ
チルヘキサメチレンジアミン1.2重量部とトリメチル
アミノエチルピペラジン2部、整泡剤として有機シリコ
ーン化合物X−20−1614を2重量部、イソシアネ
ート成分としてミリオネートMRのジフェニルメタンイ
ソシアネート多核体を125部用いて発泡充填されたも
のである。
11へ廃ウレタンをマテリアルリサイクルすることを実
現するため、粗粉砕・異物選別・微粉砕を行い、廃ウレ
タン微粉砕物14の作製処理を行ったものである。その
処理工程及び測定評価は、以下の内容で行った。
泡体、プラスチック破砕物が含まれており、まず廃ウレ
タン圧縮材中の任意の3ヶ所から10gを採取して総重
量測定を行った後、プラスチック破砕物の選別を行なっ
た。このプラスチック破砕物から外観色目が異なる3点
(白色片/灰色片/半透明片)をFT−IR分析した結
果、廃発泡ウレタン以外のABS樹脂とPP樹脂が含ま
れていることが判明した。プラスチック破砕物の重量を
測定し、総重量とプラスチック破砕物重量との差を発泡
ポリウレタンの重量とした。
重量比は、強熱残分測定における減量分を樹脂部分とし
た。強熱残分測定は、試料を凍結粉末粉砕法で微粉砕し
真空乾燥(70℃/3時間)を行い、四分法を用いてサ
ンプル1gを採取し均一試料とした。電気炉中で強熱
(800℃/3時間)し残分の重量を測定した。また、
蛍光X線分析を用いて強熱残分をポリエステルフィルム
で保持して測定した。強熱残分の重量と金属組成比か
ら、試料全体に対する各金属成分の重量比を計算した。
上記方法で異物選別処理前の廃ウレタン圧縮材には、1
2〜26%のウレタン以外の樹脂と3〜5%の金属異物
が含まれ、異物選別処理後の廃ウレタン微粉砕物14に
は、約1.5%のウレタン以外の樹脂と約2%の金属異
物が含まれていることが判った。これより異物選別は、
プラスチック粉選別回収率が約92%、金属異物選別回
収率が約51%であった。また、廃ウレタン純度は、異
物選別処理前が69〜85%から異物選別処理後が96
%になることを確認した。
は、レーザー回折・散乱法によるマイクロトラック粒度
分析計を用いて測定した。微粉砕処理前の廃ウレタン圧
縮材は、0.6mm以上の粒径比率が50%を超えバラ
ツキも大きいものであった。しかし、微粉砕後の廃ウレ
タン微粉砕物14は、平均粒径が60μmであり、10
0μm以下の粒径比率も95%以上でバラツキも少なく
安定した粒径のものであった。
は、微粉砕化した廃ウレタン微粉砕物14にフェノール
樹脂粉末のバインダー剤を5重量部配合して、V字型混
合機を用いて混合したものである。芯材13の熱伝導率
を低減するには、粒径が小さく純度が高い方が好ましい
ため、微粉砕化した廃ウレタン微粉砕物14は平均粒径
が60μm、純度96%の廃物を使用した。係る混合物
を金型内に必要量を投入し、180℃の温度で20分
間、49kPaの圧縮力で成形しコア材15を作製し
た。コア材15に含まれる脱ガス及び水が熱伝導率に影
響するため、110℃で1時間のエージング処理を行っ
た。
ス短繊維層6でサンドイッチし、その層数を3層として
芯材13とし、この芯材13をガスバリア性フィルム2
に収納し、更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラ
ーシーブス13X/活性炭)をガスバリア性フィルム2
に収納する。この状態で、真空包装機のロータリーポン
プで10分、拡散ポンプで10分、ガスバリア性フィル
ム2の内部圧力が1.3Paになるまで排気した後、ガ
スバリア性フィルム2の端部をヒートシールで封止して
真空断熱パネル11を作製した。
1の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて
測定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期で
5.5mW/m・K、1ヶ月後には6.2mW/m・K
となった。また、作製した真空断熱パネル11の3枚を
冷蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、後述する比較例
1に対して熱漏洩量の低減率が3.5%であり、外観ひ
ずみも発生せず良好であった。 (実施例2)この実施例2は、実施例1と比較して、以
下の点が相違する。廃ウレタン微粉砕物14には平均粒
径が70μm、純度99%のものを用いた。また、ガラ
ス短繊維材6には1.5μm径のものを用いた。
導率を英弘精機(株)製のAUTO−Λにて測定した結
果を表1に示す。熱伝導率は、初期で5.8mW/m・
K、1ヶ月後には6.5mW/m・Kとなった。また、
作製した真空断熱パネル11の3枚を冷蔵庫箱体10中
に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対して熱漏洩量の低減
率が3.2%であり、外観ひずみも発生せず良好であっ
た。 (実施例3)この実施例3は、実施例1と比較して、以
下の点が相違する。廃ウレタン微粉砕物14には平均粒
径が80μm、純度95%のものを用いた。そして、真
空断熱パネル11のコア材15として、廃ウレタン微粉
砕物14の90重量部にフェノール樹脂粉末のバインダ
ー剤を10重量部配合し、V字型混合機を用いて混合
し、この混合物を金型内に必要量を投入し、170℃の
温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形した。さら
には、ガラス短繊維材6には2.0μm径のものを用
い、芯材13の層数は5層としたものである。
導率を英弘精機(株)製のAUTO−Λにて測定した結
果を表1に示す。熱伝導率は、初期で6.0mW/m・
K、1ヶ月後には6.8mW/m・Kとなった。また、
作製した真空断熱パネル11の3枚を冷蔵庫箱体10中
に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対して熱漏洩量の低減
率が3.0%であり、外観ひずみも発生せず良好であっ
た。 (実施例4)この実施例4は、実施例1と比較して、以
下の点が相違する。廃ウレタン微粉砕物14には平均粒
径が90μm、純度97%のものを用いた。そして、真
空断熱パネル用11のコア材15として、廃ウレタン微
粉砕物14の85重量部にフェノール樹脂粉末のバイン
ダー剤を15重量部配合して、V字型混合機を用いて混
合し、その混合物を金型内に必要量を投入し、160℃
の温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形した。ガ
ラス短繊維材6には2.5μm径のものを用いた。
導率を英弘精機(株)製のAUTO−Λにて測定した結
果を表1に示す。熱伝導率は、初期で6.3mW/m・
K、1ヶ月後には7.0mW/m・Kとなった。また、
作製した真空断熱パネル11の3枚を冷蔵庫箱体10中
に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対して熱漏洩量の低減
率が2.8%であり、外観ひずみも発生せず良好であっ
た。 (実施例5)この実施例5は、実施例1と比較して、以
下の点が相違する。廃ウレタン微粉砕物14には平均粒
径が100μm、純度97%のものを使用した。そし
て、真空断熱パネル11のコア材15として、廃ウレタ
ン微粉砕物14の80重量部にフェノール樹脂粉末のバ
インダー剤を20重量部配合して、V字型混合機を用い
て混合し、その混合物を金型内に必要量を投入し、17
0℃の温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形し
た。また、ガスバリア性フィルム2にコア材15を3.
0μm径のガラス短繊維材6でサンドイッチし、芯材1
3の層数を2層とし、更にガスを吸着するゲッタ剤4
(モレキュラーシーブス13X/活性炭)を詰めたもの
である。
導率を英弘精機(株)製のAUTO−Λにて測定した結
果を表1に示す。熱伝導率は、初期で6.5mW/m・
K、1ヶ月後には7.3mW/m・Kとなった。また、
作製した真空断熱パネル11の3枚を冷蔵庫箱体10中
に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対して熱漏洩量の低減
率が2.5%であり、外観ひずみも発生せず良好であっ
た。 (比較例1)比較例1の真空断熱パネルのコア材には、
微粉砕化及び異物選別を遂行していない廃ウレタン粉砕
物(平均粒径150μm、純度80%の廃物)を用い
た。廃ウレタン粉砕物にフェノール樹脂粉末のバインダ
ー剤を5重量部配合して、V字型混合機を用いて混合し
た。その後、混合物を金型内に必要量を投入し、160
℃の温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形しコア
材15を作製した。更にガスを吸着するゲッタ剤4(モ
レキュラーシーブス13X/活性炭)を詰め、真空包装
機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、
真空断熱パネルの内部圧力が1.3Paになるまで排気
した後、端部をヒートシールで封止して真空断熱パネル
を作製した。ガラス短繊維材は使用せず芯材は1層とし
た。
熱パネルの熱伝導率を英弘精機(株)製のAUTO−Λ
にて測定した結果を表1に示す。熱伝導率は、初期が2
0.5mW/m・Kと高く、1ヶ月後には32.5mW
/m・Kと更に高くなった。また、この真空断熱パネル
を3枚冷蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、熱漏洩量
の低減の基準としており、外観ひずみが発生した。 (比較例2)比較例2の真空断熱パネルのコア材には、
微粉砕化及び異物選別を遂行していない廃ウレタン粉砕
物(平均粒径500μm、純度85%の廃物)を用い
た。廃ウレタン粉砕物にフェノール樹脂粉末のバインダ
ー剤を50重量部配合して、V字型混合機を用いて混合
した。その後、混合物を金型内に必要量を投入し、18
0℃の温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形しコ
ア材を作製した。更に、ガスバリア性フィルムにコア材
を平均繊維径が4.0μmのガラス短繊維材6でサンド
イッチし、芯材の層数を3層とし、更にガスを吸着する
ゲッタ剤4(モレキュラーシーブス13X/活性炭)を
詰め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポ
ンプで10分、真空断熱パネルの内部圧力が1.3Pa
になるまで排気した後、端部をヒートシールで封止して
真空断熱パネルを作製した。
熱パネルの熱伝導率を英弘精機(株)製のAUTO−Λ
にて測定した結果を表1に示す。熱伝導率は、初期が1
6.5mW/m・Kと高く、1ヶ月後には28.5mW
/m・Kと更に高くなった。また、この真空断熱パネル
を3枚冷蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、比較例1
に対して熱漏洩量の低減が見られなかった。 (比較例3)比較例3の真空断熱パネルのコア材には、
微粉砕化及び異物選別を遂行していない廃ウレタン粉砕
物5(平均粒径300μm、純度88%の廃物)を用い
た。廃ウレタン粉砕物5にフェノール樹脂粉末のバイン
ダー剤を30重量部に配合して、V字型混合機を用いて
混合した。その後、混合物を金型内に必要量を投入し、
170℃の温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形
しコア材を作製した。更に、ガスバリア性フィルムにコ
ア材を平均繊維径が6.0μmのガラス短繊維層でサン
ドイッチし、芯材の層数を5層とし、更にガスを吸着す
るゲッタ剤4(モレキュラーシーブス13X/活性炭)
を詰め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散
ポンプで10分、真空断熱パネルの内部圧力が1.3P
aになるまで排気した後、端部をヒートシールで封止し
て真空断熱パネルを作製した。
熱パネルの熱伝導率を英弘精機(株)製のAUTO−Λ
にて測定した結果を表1に示す。熱伝導率は、初期が1
1.2mW/m・Kと高く、1ヶ月後には16.5mW
/m・Kと更に高くなった。また、この真空断熱パネル
を3枚冷蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫では、比較例
1に対して熱漏洩量の低減はほとんど見られなかった。
タンのリサイクル率向上を図りつつ熱伝導率の向上及び
熱伝導率の経時劣化防止が図れると共に外観品質が優れ
た真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫を提供するこ
とができる。
を用いた冷蔵庫の製造工程を示すフローチャート図であ
る。
である。
体の斜視模式図である。
である。
繊維層、7…外箱、8…内箱、9…発泡ポリウレタン、
10…冷蔵庫箱体、11…真空断熱パネル、13…芯
材、14…廃ウレタン微粉砕物、15…コア材。
Claims (9)
- 【請求項1】ガスバリア性フィルム中に芯材を収納して
真空封止した真空断熱パネルにおいて、 前記芯材は、廃ウレタン微粉砕物に少量のバインダー剤
を混練して形成したコア材と、超極細のガラス短繊維材
を層状に形成し且つ前記コア材に積層したガラス繊維層
と、ゲッタ剤とを備えたことを特徴とする真空断熱パネ
ル。 - 【請求項2】請求項1において、前記バインダー剤はコ
ア材混合比率で5〜20重量%の範囲内としたことを特
徴とする真空断熱パネル。 - 【請求項3】請求項1において、前記ガラス繊維層は平
均径が3μm以下で且つ平均長が10mm以下の前記ガ
ラス短繊維材を用いてウール状、フェルト状またはシー
ト状に形成したことを特徴とする真空断熱パネル。 - 【請求項4】請求項1において、前記廃ウレタン微粉砕
物は平均粒径が100μm以下で95%以上のウレタン
純度を有する廃ウレタンを用いたことを特徴とする真空
断熱パネル。 - 【請求項5】請求項1において、前記ガラス短繊維層
は、前記コア材を挟持するように複数層で形成すると共
に、少なくとも一つの層が前記ガスバリア性フィルムの
一面に接触するように配置したことを特徴とする真空断
熱パネル。 - 【請求項6】請求項1において、前記バインダー剤はコ
ア材混合比率で5〜20重量%の範囲内とし、前記ガラ
ス繊維層は平均長が5〜10mmの前記ガラス短繊維を
用いてウール状、フェルト状またはシート状に形成し、
前記廃ウレタン微粉砕物は平均粒径が100μm以下で
95%以上のウレタン純度を有する廃ウレタンを用いた
ことを特徴とする真空断熱パネル。 - 【請求項7】廃冷蔵庫などから回収された廃ウレタンを
微粉砕し、この微粉砕された廃ウレタン微粉砕物に少量
のバインダー剤を混錬してコア材を形成し、超極細のガ
ラス短繊維材を層状にしたガラス繊維層を形成し、前記
コア材と前記ガラス繊維層とを積層してゲッタ剤と共に
ガスバリア性フィルム中に芯材として収納し、前記ガス
バリア性フィルムを真空封止したことを特徴とする真空
断熱パネルの製造方法。 - 【請求項8】外箱と内箱との間に真空断熱パネルを配置
し、前記真空断熱パネルが前記外箱に接触するように前
記外箱と前記内箱との間にウレタンを発泡して充填した
冷蔵庫において、 前記真空断熱パネルは、ガスバリア性フィルム中に芯材
を収納し、内部を真空封止して形成し、 前記芯材は、廃ウレタン微粉砕物に少量のバインダー剤
を混練して形成したコア材と、前記ガスバリア性フィル
ムの前記外箱に接触する面の内側に接触し且つ前記コア
材に積層したガラス繊維層と、ゲッタ剤とを備え、 前記ガラス短繊維層は平均径が3μm以下から成る超極
細のガラス短繊維材を層状に形成したことを特徴とする
冷蔵庫。 - 【請求項9】請求項8において、前記バインダー剤は5
〜20重量%のコア材混合比率とし、前記廃ウレタン微
粉砕物は平均粒径が100μm以下で95%以上のウレ
タン純度を有する廃発泡ウレタンを用いたことを特徴と
する冷蔵庫。
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JP2002028521A JP4223724B2 (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | 真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫 |
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KR101205812B1 (ko) | 2011-07-26 | 2012-11-28 | 한국신발피혁연구소 | 샌드위치 패널 및 그 제조방법 |
CN105216401A (zh) * | 2015-09-22 | 2016-01-06 | 苏州维艾普新材料股份有限公司 | 一种可弯折异型真空绝热板的制备方法 |
CN107639920A (zh) * | 2017-09-20 | 2018-01-30 | 宣汉正原微玻纤有限公司 | 一种低导热系数复合干法热压真空绝热板芯材及其制备方法 |
CN115231896A (zh) * | 2022-07-13 | 2022-10-25 | 泰山玻璃纤维有限公司 | 一种真空绝热板生产方法 |
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- 2002-02-05 JP JP2002028521A patent/JP4223724B2/ja not_active Expired - Fee Related
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