JPH071477A - 断熱性構造体の製造方法 - Google Patents

断熱性構造体の製造方法

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JPH071477A
JPH071477A JP5169543A JP16954393A JPH071477A JP H071477 A JPH071477 A JP H071477A JP 5169543 A JP5169543 A JP 5169543A JP 16954393 A JP16954393 A JP 16954393A JP H071477 A JPH071477 A JP H071477A
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JP
Japan
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heat insulating
insulating structure
enclosure
foaming
resin material
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JP5169543A
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Hiromitsu Takeyasu
弘光 武安
Ichiro Kamemura
一郎 亀村
Chikashi Tateyama
親志 立山
Minako Aoyanagi
美奈子 青柳
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複雑な形状を有する真空断熱方式の断熱性構造
体を生産性及び歩留りよく製造する方法を提供する。 【構成】独立気泡率が50%以下の発泡性樹脂12を与
える発泡性樹脂原料を、通気性を有しない表面材2、3
からなる中空の包囲体1内に注入し、発泡硬化させたの
ち、包囲体1内部を大気圧以下に減圧脱気し、開口部を
封止して密封する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば容器形状やパネ
ル形状をなす真空断熱方式の断熱性構造体を生産性よく
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷蔵庫など高い断熱性を要求さ
れる機器の断熱材には、熱伝導率が0.025kcal
/m・hr・℃未満の高断熱性構造体が用いられてい
る。
【0003】従来、このような断熱性構造体としては、
硬質ウレタンフォーム等の発泡性熱硬化性樹脂を、包囲
材で覆って包囲体としたものが用いられてきた。こうし
た発泡性熱硬化性樹脂は、CFC(クロロフルオロカー
ボン)、HCFC(ヒドロクロロフルオロカーボン)、
PFC(パーフルオロカーボン)、HFC(ヒドロフル
オロカーボン)など熱伝導率の極めて低い物質を発泡剤
として使用し、かつ独立気泡率を高めて発泡させること
により、独立気泡の内部に発泡剤をガスとして残留さ
せ、その熱伝導率の低さを利用して、優れた断熱性を持
たせるものであった(例えば特開平3−243614号
公報参照)。
【0004】しかし、CFCは、成層圏のオゾン層を破
壊したり温室効果を増長する地球環境の破壊物質とし
て、近年世界的に問題となっており、生産量及び消費量
が規制されることになった。また、CFCの代替品とさ
れるHCFCやPFC、HFC等も、オゾン層破壊や温
室効果増長への影響が懸念され、大量に使用することに
ついて問題を残している。
【0005】以上のような事情から、硬質ウレタンフォ
ームなど発泡性熱硬化性樹脂製造における発泡剤として
は、含フッ素化合物以外の発泡剤である水、塩化メチレ
ン、有機溶媒等が用いられるようになっているが、これ
らはいずれもCFC類に比べて熱伝導率が高いため、上
記のような独立気泡率を高めて発泡する方法では、従来
のCFC類で発泡したものほどの高断熱性を得ることは
難しい。
【0006】一方、断熱性構造体としては、上記のよう
な低熱伝導率のガスを利用したものの他に、真空断熱方
式によるものがある。これは、連通気泡率の高い有機発
泡体や無機粉体等の形状保持材を、プラスチック薄膜、
金属薄膜などの薄膜からなる包囲材で覆って包囲体と
し、次いで真空排気等の手段により内部を真空に脱気し
た後、脱気口をふさいで密封することにより、断熱性構
造体を得るものである(例えば特開平3−294778
号公報参照)。
【0007】上記のような製造方法では、例えば曲面や
多数の曲折部分を有するような複雑な形状の構造体を製
造することは難しいため、例えば容器形状に成形する場
合には、パネル状の構造体を複数個結合して、全体とし
て容器形状に成形したり、あるいは、予め成形された容
器の壁面に、パネル状の断熱性構造体(以下、真空パネ
ルと記載することがある)を取付ける等の方法が用いら
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
な、真空パネルを用いて断熱性容器を製造する方法で
は、真空パネルどうしを結合したり、容器の壁面に接着
させる際に、構造体が破損して真空度が低下し、断熱性
を損ねることがあった。更に、製造工程が複雑であり、
製造コストも高いなど、生産性の点で問題があった。
【0009】したがって、本発明の目的は、例えば容器
形状やパネル形状をなす真空断熱方式の断熱性構造体を
生産性よく製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明における断熱性構造体の製造方法は、独立気
泡率が50%以下の発泡体を与える発泡性樹脂原料を、
通気性を有さない材料からなる中空の包囲体内に注入
し、発泡硬化させたのち、前記包囲体内部を大気圧以下
に減圧脱気し、次いで開口部を封止して密封することを
特徴とする。
【0011】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0012】まず、本発明に用いる発泡性樹脂原料とし
ては、独立気泡率が50%以下の発泡体を得られるよう
に調製された樹脂原料が用いられる。発泡体の独立気泡
率が50%を超えるものは、減圧時に断熱性構造体の内
部が一様に真空になりにくいため、好ましくない。具体
的には、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂
等の熱硬化性樹脂を与える原料が好ましく、水のみを発
泡剤としたウレタン樹脂原料が特に好ましい。
【0013】ウレタン樹脂を与える原料としては、活性
水素化合物、ポリイソシアネート化合物等の主剤に、触
媒、発泡剤、整泡剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃
剤、その他の添加剤を適宜配合したものが用いられる。
【0014】活性水素化合物としては、水酸基やアミノ
基などの活性水素基を2以上有する化合物を、単独又は
混合して使用する。また、必要に応じて、ポリアミンや
モノアルカノールアミンなどのアミノ基含有化合物を配
合してもよい。
【0015】2以上の水酸基を有する化合物としては、
ポリオールが好ましいが、2以上のフェノール性水酸基
を有する化合物、例えばフェノール樹脂初期縮合物など
も使用できる。
【0016】ポリオールとしては、ポリエーテル系ポリ
オール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、
水酸基含有ジエン系ポリマーなどがあり、特にポリエー
テル系ポリオールを1種類又は2種類以上混合して用い
ることが好ましい。また、ポリエーテル系ポリオールを
主成分として、ポリエステル系ポリオール、多価アルコ
ール、ポリアミン、アルカノールアミン、その他の活性
水素化合物を適宜配合したものを用いてもよい。
【0017】ポリエーテル系ポリオールとしては、多価
アルコール、糖類、アルカノールアミン、芳香族ポリア
ミン、多価フェノールその他のイニシエーターに環状エ
ーテル、特にプロピレンオキシドやエチレンオキシドな
どのアルキレンオキシドを付加して得られるものが好ま
しい。また、ポリオールとしてポリマーポリオールある
いはグラフトポリオールと呼ばれる主にポリエーテル系
ポリオール中にビニルポリマーの微粒子が分散したポリ
オール組成物も使用できる。
【0018】ポリエステル系ポリオールとしては、多価
アルコール−多価カルボン酸縮合系のポリオールや環状
エステル開環重合体系のポリオールがある。
【0019】なお、上記多価アルコールとしてはエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトールなどを使用で
きる。
【0020】また、糖類としては、シュークロース、デ
キストロース、ソルビトールなどがある。アルカノール
アミンとしてはジエタノールアミン、トリエタノールア
ミンなどを使用できる。
【0021】更に、ポリアミンとしては、エチレンジア
ミン、トルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ポリメチレンポリフェニルアミンなどを使用できる。
【0022】更にまた、多価フェノールとしては、ビス
フェノールA、ビスフェノールS、フェノール樹脂系初
期縮合物などを使用できる。
【0023】なお、本発明において、上記ポリオールの
水酸基価は200〜800が好ましい。
【0024】上記活性水素化合物と反応させるポリイソ
シアネート化合物としては、イソシアネート基を2以上
有する芳香族系、脂肪環族系、あるいは脂肪族系のポリ
イソシアネート、それら2種以上の混合物、及びそれら
を変性して得られる変性ポリイソシアネートがある。具
体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート
やそれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウ
レア変性体などがある。
【0025】また、触媒としては、活性水素基とイソシ
アネート基の反応を促進させる有機スズ化合物などの金
属化合物系触媒やトリエチレンジアミンなどの3級アミ
ン触媒が使用される。また、カルボン酸金属塩などのイ
ソシアネート基どうしを反応させる多量化触媒が目的に
応じて使用される。
【0026】整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡
剤や、含フッ素化合物系整泡剤などが使用される。
【0027】なお、上記触媒及び/又は整泡剤として
は、分子中にイソシアネート基と反応しうる活性水素基
を含有する化合物を、それらの一部又は全量として用い
ることが好ましい。例えばシリコーン系整泡剤では、ポ
リジメチルシロキサン鎖へのグラフトポリオールの末端
に水酸基を有するものなどが挙げられる。
【0028】発泡剤としては、CFC、HCFC、PF
C、HFC等の含フッ素化合物や、水、塩化メチレン、
有機溶媒類等を用いることができるが、水を単独で用い
るのが特に好ましい。
【0029】次に、フェノール樹脂を与える原料として
は、フェノール、o,m,p−クレゾール、キシレノー
ル、カチコール、レゾルシン、ビスフェノールA等のフ
ェノール類と、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、フ
ルフラール等のアルデヒド類とを、アルカリ触媒又は酸
性触媒で付加重合して得られる樹脂、又はこれらを変性
した樹脂に、硬化剤、発泡剤、その他の添加剤を配合し
たものが用いられる。なお、前記フェノール樹脂はレゾ
ール型、ノボラック型のどちらでもよいが、レゾール型
が特に好ましい。
【0030】上記硬化剤としては、通常使用される塩
酸、硫酸、リン酸、フェノールスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、トルエンスルホン酸、メタクレゾールスルホ
ン酸、レゾルシノールスルホン酸等を使用することがで
きる。硬化剤の添加量は、フェノール樹脂100重量部
に対し1〜40重量部が好ましい。
【0031】また、上記発泡剤としては、R123
(1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタ
ン)、R22(クロロジフルオロメタン)、R141b
(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)等のHCF
Cや、R134a(1,1,1,2−テトラフルオロエ
タン)等のHFC、ペンタン等の炭化水素類、ジクロロ
メタン等のハロゲン化炭化水素類などを1〜50重量部
添加して使用できる。
【0032】スチレン系樹脂を与える原料としては、ス
チレン系単量体の重合体又は共重合体、スチレン系単量
体と他の単量体との共重合体を得るものが用いられる。
ここで、スチレン系単量体とは、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等であり、
他の単量体としては、ジビニルベンゼン、アクリロニト
リル、メチルメタクリレート等のビニル系単量体等であ
る。また、発泡剤には、上記フェノール樹脂原料と同様
のものを使用できる。
【0033】これらの発泡樹脂原料を容器に注入するた
めの注入機としては、低圧発泡機、高圧発泡機のどちら
を用いてもよい。一般に、ウレタン樹脂原料を用いる場
合には高圧発泡機が好ましく、フェノール樹脂原料、ス
チレン系樹脂原料を用いる場合には低圧発泡機が好まし
い。また、樹脂の注入速度は、100〜1000g/秒
程度が好ましい。
【0034】また、上記発泡性樹脂原料は、注入前に予
め脱気して、溶存ガス等を除去したのち、包囲体内に注
入するのが好ましい。これによって、発泡体中に残存す
る溶存ガス等が真空脱気後の包囲体内部で遊離すること
による真空度の低下を防止できる。
【0035】更に、上記発泡性樹脂原料が硬化したの
ち、例えば活性炭、ゼオライト等のガス吸着性物質を包
囲体内に入れることが好ましい。これによって、発泡体
内に残存していた発泡剤、モノマー、副生成物等が真空
下で気化することによる真空度の低下を防止できる。
【0036】本発明における包囲体は、通気性を有さな
い材料で形成され、特に、空気の成分である酸素、窒
素、二酸化炭素等に対して不透過性のものが用いられ
る。このような包囲体としては、例えば、ステンレスな
どガス不透過性の材料を単独で用いてもよく、また、金
属箔等のガス不透過性に優れた材料と、合成樹脂フィル
ム等の補強材料とを貼り合わせたものであってもよい。
具体的には、ポリエチレンフィルムと、アルミニウム箔
を4枚ずつ交互に積層し、熱ロールを用いて140℃で
熱融着して作製した薄膜を、袋状に成形したもの等を用
いることができ、この他にも、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS樹脂、F
RPなどのプラスチックや、アルミニウム、金、銀、
銅、軟鋼、クロム、ニッケルなどの金属からなる薄膜あ
るいは板を、単独又は組み合わせて使用できる。
【0037】なお、上記包囲体の形状は、内部に樹脂を
配置できる中空を有するものであればよく、例えば、全
体として棒状のものや、扁平な板状のもの、あるいは曲
面や凹凸を有するもの、更には1箇所以上の湾曲、曲折
部分を有し、全体として箱状や瓶状等の容器を形成する
ようなものなども使用できる。
【0038】上記包囲体内に樹脂原料を注入し、発泡硬
化させたのち、ロータリーポンプ、拡散ポンプ、ブース
ターポンプ、あるいはアスピレータ等の脱気装置を用い
て、容器内部を大気圧以下に脱気する。より高い断熱性
を得たいときには、圧力が360Torr以下になるま
で脱気を行うことが好ましい。
【0039】所定の圧力まで脱気を行ったのち、脱気装
置を取外し、開口部をシールして包囲体を密封する。こ
うして得られた断熱性構造体を単独で、あるいは組み合
わせて用いることにより、所望の形状の断熱性構造体が
得られる。
【0040】
【作用】本発明の製造方法によれば、発泡性樹脂原料
を、通気性を有さない包囲体に注入して硬化させ、次い
で包囲体内部を脱気したのち、密封するので、所望の形
状の断熱性構造体を生産性及び歩留りよく、容易に製造
できる。
【0041】また、発泡性樹脂原料として、独立気泡率
が50%以下の発泡体を得られるように調製されたもの
を用いることにより、減圧時に断熱性構造体の内部が一
様に真空になり、優れた断熱性能を有する断熱性構造体
が得られる。
【0042】
【実施例】
実施例1 包囲体として、図2、3に示すような形状のものを用い
た。すなわち、この包囲体1は、アルミニウムからなる
ガス不透過性膜4を接着剤を介してABS樹脂5で覆っ
てなる内側の表面材2と、上記ガス不透過性膜4をステ
ンレス鋼板6で覆ってなる外側の表面材3とで、内部に
厚み50mmの中空11を形成したものである。この包
囲体1で1面を除く他の5面を囲み、内部を2層に仕切
って、2つの空間7を有する直方体状の箱体10を形成
し、この空間7に物品を収納できる構造になっている。
なお、図示していないが、この箱体10は、包囲体1で
囲まれていない1面に開閉扉を設け、空間7の部分を封
するようにして、冷蔵庫用の箱体として用いられる。な
お、この包囲体1には、表面材2、3の間の中空11に
発泡性樹脂原料を注入するための注入口8と、内部を大
気圧以下に脱気するための脱気口9が形成されている。
【0043】上記包囲体1内に、シュークロースとモノ
エタノールアミンの混合物に水酸化カリウムを触媒とし
てプロピレンオキシド、エチレンオキシドを付加した水
酸基価450、エチレンオキシド含量10重量%のポリ
オール65部と、m−トルイレンジアミンを開始剤とし
て、プロピレンオキシドを付加した水酸基価450のポ
リオール20部と、グリセリンに水酸化カリウムを触媒
としてプロピレンオキシド、エチレンオキシドを付加し
た水酸基価110、エチレンオキシド含量15重量%の
ポリオール15部と、水7部と、整泡剤2.0部と、ア
ミン触媒2.5部の混合物と、当量の1.10倍のイソ
シアネート「MR−200」(商品名、日本ポリウレタ
ン工業社製)とを、それぞれの原料を使用前に30℃、
5Torrで脱気した後、高圧発泡機(PEC社製、商
品名「プロマート50」)にて注入口8より注入して、
発泡硬化させた。次いで吸着剤23としてゼオライトを
包囲体1内に入れ、脱気口9を残してシールして、図1
に示されるように、表面材2、3の間の中空11に、多
数の気泡を含有する発泡性樹脂12と吸着剤23が充填
された包囲体を得た。
【0044】この包囲体1の脱気口9を真空ポンプに接
続して、内部を10Torrに減圧脱気し、脱気口9を
シールして密閉した。以上のようにして製造した断熱性
構造体を、実施例1とする。
【0045】比較例1 実施例1と同様のウレタン樹脂原料をフリー発泡し、密
度23kg/m3 のスラブフォームを得た。このスラブ
フォームを所定の形状に切断して、図2、3に示す包囲
体内の中空に配置し、内部を10Torrに減圧脱気し
て、密閉した。以上のようにして製造した断熱性構造体
を、比較例1とする。
【0046】実施例2 レゾール型フェノール樹脂100重量部に対し、シリコ
ーン系整泡剤を3部、R141bを36部、塩化メチレ
ンを12部、酸性硬化剤18部を、二液型の低圧発泡機
で実施例1と同様に図2、3に示す包囲体内に注入し、
硬化後、ゼオライトを入れ、20Torrに減圧脱気し
て密閉した。以上のようにして製造した断熱性構造体
を、実施例2とする。
【0047】比較例2 実施例2と同様のフェノール樹脂原料をフリー発泡し、
密度29kg/m3 のスラブフォームを得た。このスラ
ブフォームを所定の形状に切断して、図2、3に示す包
囲体内に配置し、内部を20Torrに減圧脱気して密
閉した。以上のようにして製造した断熱性構造体を、比
較例2とする。
【0048】実施例3 包囲体として、図4に示すような形状のものを用いた。
この包囲体20は、全体としてパネル形状をなし、アル
ミニウムからなるガス不透過性膜を接着剤を介してAB
S樹脂で覆ってなる表面材21によって、内部に厚さ1
5mmの中空22を形成して構成されている。なお、図
2に示した包囲体と同様に、中空22の内部に発泡性樹
脂原料を注入するための注入口8と、内部を大気圧以下
に脱気するための脱気口9が形成されている。
【0049】この包囲体20に、実施例1と同様のウレ
タン樹脂原料を減圧脱気処理した後注入し、発泡硬化さ
せたのち、内部を10Torrに減圧脱気して密閉し
た。以上のようにして製造した断熱性構造体を、実施例
3とする。
【0050】比較例3 実施例1と同様のウレタン樹脂原料をフリー発泡し、密
度23kg/m3 のスラブフォームを得た。このスラブ
フォームをスライスしてパネル形状とし、図4に示す包
囲体内に配置し、内部を20Torrに減圧脱気して密
閉した。以上のようにして製造した断熱性構造体を、比
較例3とする。
【0051】実施例1〜3及び比較例1〜3で得た断熱
性構造体について、製造直後及び1年後における、断熱
性構造体の熱伝導率(単位:kcal/m・hr・℃)
を、常法によって測定し、熱伝導率の経時変化を比較し
た。また、構造体1台の製造に要する時間(単位:分)
を比較した。その結果を、表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1に示されるように、本発明の断熱性構
造体は、短時間で製造でき、また、製造後1年を経過し
ても、熱伝導率の経時変化がほとんど見られず、製造直
後の高い断熱性を長期にわたり維持できることがわかっ
た。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望の形状の断熱性構造体を、生産性及び歩留りよく、
容易に製造することができる。また、優れた断熱性能を
長期にわたって維持できる断熱性構造体を得ることがで
きる。したがって、家庭用、車両用、その他の産業用と
して用いられる冷蔵庫、保冷庫、断熱パネル等の製造に
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる断熱性構造体の一実施例
を示す部分断面図。
【図2】本発明に使用される包囲体の一実施例を示す斜
視図。
【図3】上記包囲体の断面図。
【図4】本発明に使用される包囲体の他の実施例を示す
斜視図。
【符号の説明】
1、20:包囲体 2、3、21:表面材 8:注入口 9:脱気口 10:箱体 11、22:中空 12:発泡性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青柳 美奈子 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地2 旭硝子株式会社玉川分室内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】独立気泡率が50%以下の発泡体を与える
    発泡性樹脂原料を、通気性を有さない材料からなる中空
    の包囲体内に注入し、発泡硬化させたのち、前記包囲体
    内部を大気圧以下に減圧脱気し、次いで開口部を封止し
    て密封することを特徴とする断熱性構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記発泡性樹脂原料が、熱硬化性樹脂原料
    である請求項1記載の断熱性構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記発泡性樹脂原料が、発泡剤として水の
    みを用いるウレタン樹脂原料である請求項2記載の断熱
    性構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記発泡硬化後、包囲体内にガス吸着性物
    質を入れ、次いで減圧脱気を行う請求項1〜3のいずれ
    か1つに記載の断熱性構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記発泡性樹脂原料を脱気して、溶存ガス
    等を除去したのち、前記包囲体内に注入する請求項1〜
    4のいずれか1つに記載の断熱性構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】容器形状又はパネル形状の断熱性構造体を
    製造する請求項1〜5のいずれか1つに記載の断熱性構
    造体の製造方法。
JP5169543A 1993-06-16 1993-06-16 断熱性構造体の製造方法 Pending JPH071477A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7332214B2 (en) 2000-09-13 2008-02-19 Nissei Kabushiki Kaisha Biodegradable molded article, manufacturing method thereof, and composition for expansion molding

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7332214B2 (en) 2000-09-13 2008-02-19 Nissei Kabushiki Kaisha Biodegradable molded article, manufacturing method thereof, and composition for expansion molding

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