JPH07156313A - 断熱構造体及びその製造方法 - Google Patents

断熱構造体及びその製造方法

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JPH07156313A
JPH07156313A JP5305502A JP30550293A JPH07156313A JP H07156313 A JPH07156313 A JP H07156313A JP 5305502 A JP5305502 A JP 5305502A JP 30550293 A JP30550293 A JP 30550293A JP H07156313 A JPH07156313 A JP H07156313A
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JP
Japan
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enclosure
gas
heat insulating
sealed
insulating structure
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JP5305502A
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English (en)
Inventor
Minako Aoyanagi
美奈子 青柳
Hiromitsu Takeyasu
弘光 武安
Ichiro Kamemura
一郎 亀村
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】密閉された気体透過性のない包囲体1内に形状
保持材と低熱伝導率ガスが封入されてなる断熱構造体、
並びに、密閉可能な気体透過性のない包囲体1内に、発
泡性樹脂12の原料を注入し、発泡硬化させた後、包囲
体内を大気圧以下に減圧し、次いで低熱伝導率ガスを封
入し、さらに包囲体を密閉することを特徴とする断熱構
造体の製造方法。 【効果】製造直後の高い断熱性を長期にわたって維持す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な高性能断熱構造体
に関するものであり、特に製造直後の高い断熱性を長期
にわたって維持することができる真空断熱構造体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に冷蔵庫などの高い断熱性能を要求
される機器の断熱材には熱伝導率が0.25kcal/
m・Hr℃未満の高性能断熱構造体が用いられている。
従来、このような断熱構造体としては、硬質ポリウレタ
ンフォーム等の発泡性熱硬化性樹脂を表面材で覆って包
囲体としたものが用いられてきた。こうした発泡性熱硬
化性樹脂としては、CFC(クロロフルオロカーボン)
等の熱伝導率の極めて低い物質を発泡剤として使用し、
かつ、独立気泡率を高めて発泡させることにより、気泡
の内部に発泡剤ガスとして残留させ、その熱伝導率の低
さを利用して、優れた断熱性能を持たせるものであっ
た。なお、上記に関連する従来技術としては、例えば特
開平3−243614号公報等が挙げられる。
【0003】しかしながら、CFCは、成層圏のオゾン
層を破壊したり、温室効果を増長する地球環境の破壊物
質として、近年世界的に問題となっており、生産量及び
消費量が規制されることになった。また、CFCの代替
品とされるHCFC(ヒドロクロロフルオロカーボン)
やPFC(パーフルオロカーボン)、HFC(ヒドロフ
ルオロカーボン)等もオゾン層破壊や温室効果増長への
影響が懸念され、大量に使用することについて問題を残
している。
【0004】以上のような事情から、硬質ポリウレタン
フォーム等発泡性熱硬化性樹脂製造における発泡剤とし
ては、含フッ素化合物以外の発泡剤である水、塩化メチ
レン、有機溶媒等を用いることが好ましいが、これらは
いずれもCFC類に較べて熱伝導率が高いため、従来の
CFC類で発泡したものほどの高断熱性を得ることは難
しい。
【0005】一方、断熱性構造体としては、上記のよう
な低熱伝導率のガスを利用したものの他に、真空断熱方
式によるものがある。これは、粉体や連続気泡の多孔質
構造体や繊維質等の形状保持材をプラスチック薄膜、金
属薄膜等の薄膜からなる表面材で覆って包囲体とし、次
いで真空廃棄等の手段により内部を真空に脱気し、その
後で脱気口をふさいで密閉することにより、断熱構造体
を得るものである。なお、このような真空断熱性構造体
に関連する従来技術としては、特開平3−294778
号公報等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
真空断熱方式では、シール部分の劣化や、外部からの機
械的衝撃等によって表面材にピンホールが生じ、機密性
が失われて断熱性が低下することがある。また、形状保
持材によってはそれに付着、あるいは溶存していたモノ
マーや溶剤、副生成物等が真空下で徐々に包囲体内に飛
散し、真空度の低下を招くという問題もあり、製造直後
の断熱性を長期にわたって維持することが困難であっ
た。
【0007】したがって、本発明の目的は、製造直後の
高い断熱性を長期にわたって維持することができる真空
断熱方式の断熱性構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされた下記の発明である。密閉された気体
透過性のない包囲体内に形状保持材と空気より熱伝導率
が低い気体が封入されてなる断熱構造体。密閉可能な気
体透過性のない包囲体内に形状保持材を入れ、包囲体内
を大気圧以下に減圧した後、空気より熱伝導率が低い気
体を封入して、次いで包囲体を密閉することを特徴とす
る断熱構造体の製造方法。
【0009】本発明の好ましい態様においては、熱伝導
率が低い気体(以下低熱伝導率ガスという)が封入され
た包囲体内部の圧力は大気圧(760Torr)以下で
保たれるようにする。
【0010】本発明における断熱構造体は低い真空度で
高い断熱性能を長期間安定に得ることができることを特
徴とする。高い真空度下においては、前述のように形状
保持材に付着、あるいは溶存していたモノマーや溶剤、
副生成物等が気化して徐々に包囲体内に飛散し、真空度
の低下を招き、断熱性能の経時劣化につながるが、あら
かじめ低熱伝導率ガスを封入して内圧を高めに設定する
ことにより、形状保持材からの飛散物がでる可能性が低
くなる。
【0011】内部に封入する低熱伝導率ガスとしては前
述のHCFC、HFC、PFC等が可能である。これら
の物質は大量に大気中に飛散すれば環境破壊につながる
可能性があるが、ガス透過性のない密閉包囲体内に封入
されることにより、飛散が防止され、また回収も容易と
なる。これらの物質の例としては1,1−ジクロロ−
2,2,2−トリフルオロエタン(R−123)、1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141b)、
モノクロロジフルオロメタン(R−22)、1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(R−134b)、1−
クロロ−1,1−ジフルオロエタン(R−142b)、
1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロ−3,3,3−
トリフルオロブタン(R−225ca)、1−クロロ−
1,1−ジフルオロ−2,2−ジフルオロ−3−クロロ
−3−フルオロブタン(R−225cb)、ペンタフル
オロエタン(R−125)、1,1,2−トルフルオロ
エタン(R−143)、1,1,1−トリフルオロエタ
ン(R−143a)、1,1−ジフルオロエタン(R−
152a)、テトラフルオロプロパン、1,1,1,
2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R−236e
a)、及びその異性体、1,1,1,2,2,3−ペン
タフルオロプロパン(R−245ca)及びその異性
体、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン
(R−356mff)及びその異性体等が挙げられる。
【0012】また大気圧との差が小さく抑えられるた
め、外部からの機械的な衝撃によってピンホールが生じ
る可能性も低くなる。
【0013】また、前記形状保持材としては、粉体、連
続気泡の多孔質構造体、繊維質等が挙げられる。粉体と
しては好ましくはシリカ粉末等の無機粉末である。連続
気泡の多孔質構造体としては独立気泡率50%以下の発
泡合成樹脂が好ましい。繊維質としては天然又は人工の
有機繊維やガラス繊維等の無機繊維が好ましい。独泡率
50%以下の発泡合成樹脂としては、連続気泡の硬質ポ
リウレタンフォームやフェノールフォーム、スチレンフ
ォーム等が好ましい。
【0014】上記硬質ポリウレタンフォームは、イソシ
アネート基と反応しうる活性水素含有基を2以上有する
活性水素化合物とポリイソシアネート化合物を発泡剤及
び触媒及びシリコン製泡剤及びその他の助剤の存在下反
応させることによって得られる。
【0015】上記活性水素化合物は1種、あるいは2種
以上の混合物でもよい。特に2以上の水酸基を有する化
合物1種以上を使用することが好ましい。少量のポリア
ミン等を含んでいてもよい。
【0016】2以上の水酸基を有する化合物としては、
広く使用されているポリオールが好ましいが、2以上の
フェノール性水酸基を有する化合物(例えばフェノール
樹脂初期縮合物)等も使用できる。
【0017】ポリオールとしてはポリエーテル系ポリオ
ール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、水
酸基含有ジエチレン系ポリマーなどがある。特にポリエ
ーテル系ポリオールの1種以上のみからなるか、それを
主成分としてポリエステル系ポリオール、多価アルコー
ル、ポリアミン、アルカノールアミン、その他の活性水
素化合物との併用が好ましい。
【0018】ポリエーテル系ポリオールとしては多価ア
ルコール、糖類、アルカノールアミン、その他のイニシ
エーターに環状エーテル、特にプロピレンオキシドやエ
チレンオキシド、ブチレンオキシドを付加して得られる
ポリエーテル系ポリオールが好ましい。
【0019】また、ポリオールとしてはポリマーポリオ
ールあるいはグラフトポリオールと呼ばれる主にポリエ
ーテル系ポリオール中にビニルモノマーの微粒子が分散
したポリオール組成物を使用することもできる。ポリエ
ステル系ポリオールとしては多価アルコール、多価カル
ボン酸縮合系のポリオールや環状エステル開館重合体型
ポリオールがある。
【0020】上記多価アルコールとしてはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスルトール、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等がある。
【0021】2以上のフェノール性水酸基を有する化合
物としてはフェノール類をアルカリ触媒の存在下で過剰
のホルムアルデヒド類と縮合結合させたレゾール型初期
縮合物、レゾール型初期縮合物を合成する際に、非水系
で反応させたベンジリックエーテル型初期縮合物を合成
する際に、非水系で反応させたベンジリックエーテル型
初期縮合物、過剰のフェノール類を酸触媒の存在下でホ
ルムアルデヒド類と反応させたノボラック型初期縮合物
がある。
【0022】これらの初期縮合物の分子量は200〜1
0000のものが好ましい。ここでフェノール類とはベ
ンゼン環を形成する骨格の1個以上の炭素原子が直接水
酸基と結合した物を意味し、その同一構造内に他の置換
結合基を有するものも含まれる。
【0023】フェノール類の代表的なものとしてはフェ
ノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノー
ル等がある。また、ホルムアルデヒド類は特に限定しな
いがホルマリン、パラホルムアルデヒドが好ましい。
【0024】上記活性水素化合物と反応させるポリイソ
シアネート化合物としては、イソシアネート基を2以上
有する芳香族系、脂肪環族系、あるいは脂肪族系のポリ
イソシアネート、それら2種以上の混合物、及びそれら
を変性して得られる変性ポリイソシアネートがある。具
体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート
やそれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウ
レア変性体などがある。
【0025】また、触媒としては、活性水素基とイソシ
アネート基の反応を促進させる有機スズ化合物などの金
属化合物系触媒やトリエチレンジアミンなどの3級アミ
ン触媒が使用される。また、カルボン酸金属塩などのイ
ソシアネート基どうしを反応させる多量化触媒が目的に
応じて使用される。
【0026】整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡
剤や、含フッ素化合物系整泡剤などが使用される。
【0027】なお、上記触媒及び/又は整泡剤として
は、分子中にイソシアネート基と反応しうる活性水素基
を含有する化合物を、それらの一部又は全量として用い
ることが好ましい。例えばシリコーン系整泡剤では、ポ
リジメチルシロキサン鎖へのグラフトポリオールの末端
に水酸基を有するものなどが挙げられる。
【0028】発泡剤としては、R11(トリクロロフル
オロメタン)、R12(ジフルオロジクロロメタン)等
のCFC、R123、R22、R141b等のHCF
C、CF4 、C26 、C38 等のPFCならびにR
134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)等
のHFC等の含フッ素化合物や、水、塩化メチレン等を
用いることができるが、水を単独で用いるのが好まし
い。
【0029】次に、フェノールフォームを与える原料と
しては、フェノール、o,m,p−クレゾール、キシレ
ノール、カチコール、レゾルシン、ビスフェノールA等
のフェノール類と、ホルマリン、パラホルムアルデヒ
ド、フルフラール等のアルデヒド類とを、アルカリ触媒
又は酸性触媒で付加重合して得られる樹脂、又はこれら
を変性した樹脂に、硬化剤、発泡剤、その他の添加剤を
配合したものが用いられる。なお、前記フェノール樹脂
はレゾール型、ノボラック型のどちらでもよいが、レゾ
ール型が特に好ましい。
【0030】上記硬化剤としては、通常使用される塩
酸、硫酸、リン酸、フェノールスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、トルエンスルホン酸、メタクレゾールスルホ
ン酸、レゾルシノールスルホン酸等を使用することがで
きる。
【0031】また、発泡剤としては、R123、R2
2、R141b等のHCFC、R134a等のHFC、
ペンタン等の炭化水素類、ジクロロメタン等のハロゲン
化炭化水素類などを1〜50重量%添加して使用でき
る。
【0032】スチレン系樹脂を与える原料としては、ス
チレン系単量体の重合体又は共重合体、スチレン系単量
体と他の単量体との共重合体を得るものが用いられる。
ここで、スチレン系単量体とは、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等であり、
他の単量体としては、ジビニルベンゼン、アクリロニト
リル、メチルメタクリレート等のビニル系単量体等であ
る。また、発泡剤には、上記フェノール樹脂原料と同様
のものを使用できる。
【0033】これらの発泡樹脂原料を包囲体に注入する
ための注入機としては、低圧発泡機、高圧発泡機のどち
らを用いてもよい。一般に、ウレタン樹脂原料を用いる
場合には高圧発泡機が好ましく、フェノール樹脂原料、
スチレン系樹脂原料を用いる場合には低圧発泡機が好ま
しい。また、樹脂の注入速度は、500〜3000g/
秒程度が好ましい。
【0034】また、上記発泡性樹脂原料は、注入前に予
め脱気して、溶存ガス等を除去したのち、包囲体内に注
入するのが好ましい。これによって、発泡体中に残存す
る溶存ガス等が真空脱気後の包囲体内部で遊離すること
による真空度の低下を防止できる。
【0035】本発明における包囲体は、気体透過性のな
い材料で形成され、特に、空気の成分である酸素、窒
素、二酸化炭素等に対して不透過性のものが用いられ
る。このような包囲体としては、例えば、ステンレスな
ど気体不透過性の材料を単独で用いてもよく、また、金
属箔等の気体不透過性に優れた材料と、合成樹脂フィル
ム等の補強材料とを貼り合わせたものであってもよい。
具体的には、ポリエチレンフィルムと、アルミニウム箔
を4枚ずつ交互に積層し、熱ロールを用いて140℃で
熱融着して作製した薄膜を、袋状に成形したもの等を用
いることができ、この他にも、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS樹脂、F
RPなどのプラスチックや、アルミニウム、金、銀、
銅、軟鋼、クロム、ニッケルなどの金属からなる薄膜あ
るいは板を、単独又は組み合わせて使用できる。
【0036】なお、上記包囲体の形状は、内部に樹脂を
配置できる中空を有するものであればよく、例えば、全
体として棒状のものや、扁平な板状のもの、あるいは曲
面や凹凸を有するもの、更には1箇所以上の湾曲、曲折
部分を有し、全体として箱状や瓶状等の容器を形成する
ようなものなども使用できる。
【0037】本発明の断熱構造体の製造方法は特に限定
されないが、好ましい製造方法としては、前記包囲体内
に形状保持材を入れ、包囲体内を大気圧以下に減圧した
後、低熱伝導率ガスを封入して、次いで包囲体を密閉す
る方法が挙げられる。
【0038】例えば、上記包囲体内に樹脂原料を注入し
発泡硬化させたもの、もしくは包囲体内に粉体、繊維質
を配置したものをロータリーポンプ、拡散ポンプ、ブー
スターポンプ、あるいはアスピレータ等の脱気装置を用
いて、容器内部を0〜10Torrまで減圧脱気する。
所定の圧力まで脱気を行ったのち、内部に前記の低熱伝
導率ガスを封入し、包囲体を密閉する。低熱伝導率ガス
を封入した後の包囲体内の圧力は大気圧(760Tor
r)以下になるようにする。こうして得られた断熱性構
造体を単独で、あるいは組み合わせて用いることによ
り、所望の形状の断熱性構造体が得られる。
【0039】本発明によれば、発泡性樹脂原料を気体透
過性を有さない包囲体に注入して硬化させた後あるいは
粉体、繊維質を包囲体に配置した後、次いで包囲体内部
を脱気し、低熱伝導率ガスを注入して密閉するので、所
望の形状の断熱性構造体を生産性及び歩留りよく、容易
に製造できる。
【0040】また、発泡性樹脂原料として、独立気泡率
が50%以下の発泡体を得られるように調製されたもの
を用いることにより、減圧時に断熱性構造体の内部が一
様に真空になり、優れた断熱性能を有する断熱性構造体
が得られる。
【0041】
【実施例】
(実施例1)包囲体として、図2、3に示すような形状
のものを用いた。すなわち、この包囲体1は、図3に示
すようにアルミニウムからなるガス不透過性膜4を接着
剤を介してABS樹脂5で覆ってなる内側の表面材2
と、上記ガス不透過性膜4をステンレス鋼板6で覆って
なる外側の表面材3とで、内部に厚み50mmの中空1
1を形成したものである。図2に示すようにこの包囲体
1で1面を除く他の5面を囲み、内部を2層に仕切っ
て、2つの空間7を有する直方体状の箱体10を形成
し、この空間7に物品を収納できる構造になっている。
なお、図示していないが、この箱体10は、包囲体1で
囲まれていない1面に開閉扉を設け、空間7の部分を封
するようにして、冷蔵庫用の箱体として用いられる。な
お、この包囲体1には、表面材2、3の間の中空11に
発泡性樹脂原料を注入するための注入口8と、内部を大
気圧以下に脱気するための脱気口9が形成されている。
【0042】上記包囲体1内に、シュークロースとモノ
エタノールアミンの混合物に水酸化カリウムを触媒とし
てプロピレンオキシド、エチレンオキシドを付加した水
酸基価450、エチレンオキシド含量10重量%のポリ
オール65部(重量部、以下同じ)と、m−トルイレン
ジアミンを開始剤として、プロピレンオキシドを付加し
た水酸基価450のポリオール20部と、グリセリンに
水酸化カリウムを触媒としてプロピレンオキシド、エチ
レンオキシドを付加した水酸基価110、エチレンオキ
シド含量15重量%のポリオール15部と、水7部と、
整泡剤2.0部と、アミン触媒2.5部の混合物と、当
量の1.10倍のイソシアネート「MR−200」(商
品名、日本ポリウレタン工業社製)とを、それぞれの原
料を使用前に30℃、5Torrで脱気した後、高圧発
泡機(PEC社製、商品名「プロマート50」)にて注
入口8より注入して、発泡硬化させた。脱気口9を残し
てシールして、図1に示されるように、表面材2、3の
間の中空11に、多数の気泡を含有する発泡性樹脂12
が充填された包囲体を得た。
【0043】この包囲体1の脱気口9を真空ポンプに接
続して、内部を10Torrに減圧脱気し、720To
rrになるまで内部に1,1,1,2,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン(R236ea)を圧入し、脱気口9
をシールして密閉した。
【0044】以上のようにして製造した断熱性構造体
を、実施例1とする。
【0045】(比較例1)実施例1と同様にして得られ
た、内部を発泡性樹脂で充填された包囲体の内部を10
Torrまで減圧脱気し、脱気口9をシールして密閉し
た。
【0046】(実施例2)レゾール型フェノール樹脂1
00重量部に対し、シリコーン系整泡剤を3部、R14
1bを36部、塩化メチレンを12部、酸性硬化剤18
部を、二液型の低圧発泡機で実施例1と同様に図2、3
に示す包囲体内に注入し、硬化後、20Torrに減圧
脱気し、760TorrまでR236eaを圧入して密
閉した。
【0047】以上のようにして製造した断熱性構造体
を、実施例2とする。
【0048】(比較例2)実施例2と同様にして得られ
た、発泡合成樹脂で内部を充填された包囲体の内部を2
0Torrにまで減圧脱気し、密閉した。
【0049】(実施例3)包囲体として、図4に示すよ
うな形状のものを用いた。この包囲体20は、全体とし
てパネル形状をなし、アルミニウムからなるガス不透過
性膜を接着剤を介してABS樹脂で覆ってなる表面材2
1によって、内部に厚さ15mmの中空22を形成して
構成されている。なお、図2に示した包囲体と同様に、
中空22の内部に発泡性樹脂原料を注入するための注入
口8と、内部を大気圧以下に脱気するための脱気口9が
形成されている。
【0050】この包囲体20に、実施例1と同様のウレ
タン樹脂原料を減圧脱気処理した後注入し、発泡硬化さ
せたのち、内部を10Torrに減圧脱気し、内部に7
60TorrまでR236eaを圧入した後、密閉し
た。
【0051】(比較例3)実施例3と同様にして得られ
た、発泡合成樹脂で内部を充填された包囲体の内部を1
0Torrにまで減圧脱気し、密閉した。
【0052】(実施例4)包囲体として、図4に示すよ
うな形状のものを用いた。この包囲体20に、ガラス繊
維を配置した後、内部を10Torrに減圧脱気した。
内部に760TorrまでR236eaを圧入した後、
密閉した。
【0053】(比較例4)実施例4と同様にして得られ
た、ガラス繊維で内部を充填された包囲体の内部を10
Torrにまで減圧脱気し、密閉した。
【0054】(実施例5)包囲体として、図4に示すよ
うな形状のものを用いた。この包囲体20内に、かさ密
度0.20、平均粒径30μのファインシリカを充填し
たポリエチレン製の袋を配置し、内部を10Torrに
減圧脱気した。内部に760TorrまでR236ea
を圧入した後、密閉した。
【0055】(比較例5)実施例5と同様にして得られ
た、ファインシリカで内部を充填された包囲体の内部を
10Torrにまで減圧脱気し、密閉した。
【0056】実施例1〜5及び比較例1〜5で得た断熱
性構造体について、製造1日後、1年後、5年後及び1
0年後における、断熱性構造体の熱伝導率(単位:kc
al/m・hr・℃)を、常法によって測定し、熱伝導
率の経時変化を比較した。その結果を、表1に示す。
【0057】表1に示されるように、本発明の断熱性構
造体は、製造後10年を経過しても、熱伝導率の経時変
化がほとんど見られず、製造直後の高い断熱性を長期に
わたり維持できることがわかった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望の形状の断熱性構造体を、生産性及び歩留りよく、
容易に製造することができる。また、優れた断熱性能を
長期にわたって維持できる断熱性構造体を得ることがで
きる。したがって、家庭用、車両用、その他の産業用と
して用いられる冷蔵庫、保冷庫、断熱パネル等の製造に
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる断熱性構造体の一実施例
を示す部分断面図。
【図2】本発明に使用される包囲体の一実施例を示す斜
視図。
【図3】上記包囲体の断面図。
【図4】本発明に使用される包囲体の他の実施例を示す
斜視図。
【符号の説明】
1、20:包囲体 2、3、21:表面材 8:注入口 9:脱気口 10:箱体 11、22:中空 12:発泡性樹脂

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉された気体透過性のない包囲体内に形
    状保持材と空気より熱伝導率が低い気体が封入されてな
    る断熱構造体。
  2. 【請求項2】包囲体内の圧力が大気圧以下である、請求
    項1の断熱構造体。
  3. 【請求項3】形状保持材が、連続気泡の硬質ポリウレタ
    ンフォーム、シリカあるいはガラス繊維であることを特
    徴とする、請求項1あるいは請求項2の断熱構造体。
  4. 【請求項4】空気より熱伝導率が低い気体が、1,1−
    ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−
    ジクロロ−1−フルオロエタン、モノクロロジフルオロ
    メタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1−
    クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジクロロ
    −2,2−ジフルオロ−3,3,3−トリフルオロブタ
    ン、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−ジフル
    オロ−3−クロロ−3−フルオロブタン、ペンタフルオ
    ロエタン、1,1,2−トルフルオロエタン、1,1,
    1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、
    テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘ
    キサフルオロプロパンとその異性体、1,1,1,2,
    2,3−ペンタフルオロプロパンとその異性体、及び
    1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタンとその
    異性体からなる群より選ばれる、請求項1〜3から選ば
    れる1項に記載の断熱構造体。
  5. 【請求項5】密閉可能な気体透過性のない包囲体内に形
    状保持材を入れ、包囲体内を大気圧以下に減圧した後、
    空気より熱伝導率が低い気体を封入して、次いで包囲体
    を密閉することを特徴とする請求項1〜4から選ばれる
    1項に記載の断熱構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】空気より熱伝導率が低い気体を封入した後
    の包囲体内の圧力が大気圧以下であることを特徴とす
    る、請求項5の断熱構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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