JP2004115772A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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長谷川 幹
Tatsuya Mano
真野 達也
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Abstract

【課題】オゾン層を破壊せず環境に害のない発泡剤である水を使用した硬質ポリウレタンフォームの、低密度の時の接着性、および寸法安定性を改良する。
【解決手段】アニリンにアルキレンオキサイドを重合したポリオールを使用することにより、低密度でも接着性、および寸法安定性を著しく向上させることができる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発泡剤にオゾン層を破壊せず環境に無害な水を使用する、100%水発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、その他の助剤、および発泡剤を混合することにより得られる硬質ポリウレタンフォームは、自己接着力がある構造材として使用でき、成形加工性に優れた材料として広く使用されている。
しかし現在発泡剤として一般的に使用されている、1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)のようなハイドロクロロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊することから規制を受けている。次世代発泡剤として提案されている、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)のようなハイドロフルオロカーボンは、オゾン層は破壊しないが、温室効果ガスであり環境保護の面から多量の使用は好ましくなく、いずれ規制を受ける可能性がある。また現在電気冷蔵庫等で使用されているシクロペンタンや、n−ペンタンのようなハイドロカーボンは引火点が低く危険物であり、多大な設備投資を要する。
【0003】
水とポリイソシアネートとの反応から生ずる炭酸ガスで発泡された100%水発泡硬質ポリウレタンフォームは以前から知られており、上記の発泡剤に比し熱伝導率が多少悪いことから用途が限定されてきたが、前述のような問題がないことから、特に高度な断熱性が要求されない分野における必要性は今後増大していくと考えられる。
【0004】
100%水発泡硬質ポリウレタンフォームに関する特許は多数出されているが、例えば水発泡処方の寸法安定性について記載されたものとして、特開平6−184340、あるいは特開平11−279254などがあり、アニリン系ポリオールに関しては、特開2001−354743、特開2001−354744がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
100%水発泡硬質ポリウレタンフォームは、従来のHCFC−141bで発泡されたフォームに比べ、低密度のレベルでは寸法安定性が悪くなることが知られている。このようなフォームは常温下に放置しておくと、長期間にわたり徐々に収縮していき、最終的に製品の外観異常となる可能性がある。この原因としては、フォームの気泡中の炭酸ガスがポリウレタン樹脂膜を透過し易いため、外部に放出され易いことと相関があることが知られている。
【0006】
また100%水発泡硬質ポリウレタンフォームの問題点の1つとして、従来と比し接着性が劣化しやすい点があげられる。水はポリイソシアネートと反応し、最終的に尿素結合を生成するが、尿素結合は通常のウレタン結合より生成エネルギーが高いため重合が十分進みにくく、特に温度条件が十分でない場合等、比較的低分子量のフォームを形成しやすい。特に硬質ポリウレタンフォームが接触する面は、熱を奪われやすいため、結果として強度の低いフォームとなり、接着不良を生じやすい。
【0007】
今後100%水発泡硬質ポリウレタンフォームを広範に使用していくためには、上記のような実用上要望される必要性能を十分満足することが大きな課題となっている。本発明は低密度なレベルにおいて、接着性、および寸法安定性を改良した100%水発泡硬質ポリウレタンフォームを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は、100%水発泡硬質ポリウレタンフォーム用に適したポリオールを得るため、アニリン系ポリオールに着目し鋭意検討を行なった。その結果、アニリンに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを重量比20〜100:0〜80で重合させ、水酸基価を150〜450mgKOH/g、望ましくは200〜400mgKOH/gとしたアニリン系ポリオールを、ポリオール100重量部のうち20重量部以上使用し、かつ水をポリオール100重量部に対し1.0〜8.0重量部使用した処方から得られた100%水発泡硬質ポリウレタンフォームは、接着性に優れ、常温下における収縮の促進試験になると考えられる、50℃95%関係湿度湿熱条件下の寸法安定性が良好となることを見出した。
【0009】
常温下における寸法変化は傾向が現れるまで時間を要するため、評価には促進試験が必要である。常温下の寸法変化の促進試験に関しては、日本工業規格その他で規定された方法はなく各社各様と思われるが、本発明の発明者等は50℃95%RH湿熱条件下での寸法変化率の評価を促進試験として使用している。常温下で寸法変化を起こし易い硬質ポリウレタンフォームは、オーバーパック率100%のフォームを常温下で放置すると約100日後に明白な収縮を示すが、同じフォームを50℃95%関係湿度雰囲気下に放置すると、約2週間後に同様な収縮の傾向を示す。100℃ドライ条件下にても同様な収縮が発生することがあるが多くの場合傾向が異なるため、本発明の発明者等は耐湿熱寸法変化率の測定によって各処方の常温下の寸法安定性を評価している。
【0010】
当該アニリン系ポリオールは、従来のトルエンジアミン系ポリオールのような芳香族ポリオールに比し、同一の水酸基価のポリオールを得るのにアルキレンオキサイドのモル数が比較的少なくて済み、分子中の芳香族環の分子量比率が高くなるため、比較的分子構造が強固と考えられる。またアルキレンオキサイドの分子内のエーテル結合は比較的加水分解を受けやすいが、当該アニリン系ポリオールはアルキレンオキサイドの付加モル数が少ないため、得られたフォームは加水分解を受けにくく、従来のポリオールに比し良好な耐湿熱寸法安定性を有すると考えられる。
【0011】
一般に接着性の評価は、面材に対する硬質ポリウレタンフォームの自己接着力の測定、日本工業規格で規定されたフライアビリティー(脆性)の判定等があるが、フライアビリティーを評価する簡便な方法として、指の触感による判定がある。型から取り出したフォームを指触し、フォームが粉状に脆く崩れやすければフライアビリティーは「あり」で、この状態であれば経験的に接着性は期待できない。フォームがしっとりとして粉状に崩れる気配がなければフライアビリティーは「なし」で、接着性が期待できる。
【0012】
鋭意検討の結果、フライアビリティーと耐湿熱寸法安定性は、ポリオールのエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重量比、および水酸基価と相関があり、エチレンオキサイドの重量比が高いほど、また水酸基価が低いほどフライアビリティーは少なくなるが、耐湿熱寸法安定性は悪くなり、逆にエチレンオキサイドの重量比が低いほど、また水酸基価が高いほど耐湿熱寸法安定性は良好となるがフライアビリティーは発生しやすくなることが判った。
【0013】
アニリンに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを重量比20:80で重合させ、水酸基価を450mgKOH/gとしたアニリン系ポリオールを使用した処方から得られた、100%水発泡硬質ポリウレタンフォームはフライアビリティーが発生しており、フォームの接着性に重要な問題が生じる限界と考えられる。同様にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重量比が20:80、水酸基価が400mgKOH/gのとき、フライアビリティーは「なし」であり、望ましくは水酸基価の上限は400mgKOH/gと考えられる。エチレンオキサイドを更に減らし、プロピレンオキサイドを増やす方向は更にフライアビリティーを増す方向となるため、エチレンオキサイドの重量比は20%が下限と考えられる。
【0014】
またアニリンに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを重量比10
0:0で重合させ、水酸基価を150mgKOH/gとしたアニリン系ポリオールを使用した処方から得られた、100%水発泡硬質ポリウレタンフォームは50℃耐湿熱寸法安定性が大きく劣化し、水酸基価の下限と考えられ、200mgKOH/g以上が望ましいと考えられる。同様にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重量比が100:0ではフォーム密度の増加が見られ、最適の条件はもう少しプロピレンオキサイドの重量比を増加させたところと考えられるが、本発明の目的のフライアビリティーと耐湿熱寸法安定性の観点から、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重量比の上限は100:0と考えられる。
【0015】
また、このようにして得られた当該アニリン系ポリオールを、ポリオール100重量部のうち20重量部以下で使用した場合、得られた硬質ポリウレタンフォームの耐湿熱寸法安定性は良好とならないため、本課題を解決するためには当該アニリン系ポリオールを必ず20重量部以上使用する必要がある。
【0016】
硬質ポリウレタンフォームの密度は水の重量部数によって変化させることができる。水の部数が少ないと硬質ポリウレタンフォームの強度、寸法安定性等は向上するが、成形品の密度を十分下げることができずコストアップとなる。逆に水の部数が多すぎると密度が低くなりすぎ寸法安定性が悪くなるため、水部数には適正な範囲がある。当該アニリン系ポリオールを使用したとき、水部数をポリオール100重量部に対し、1.0〜8.0重量部の範囲で使用することにより、フォーム性能が良好で適正な密度範囲を有する硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0017】
硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性は、水の部数、および密度によって異なり、一般に水部数が多いほど炭酸ガスの濃度が高くなるため寸法安定性は劣化しやすい。密度は発泡剤の水部数と相関するが水部数が一定であっても、発泡条件、成形品の形状等によって異なり、密度は治具温度が高い方が低い方より低くなり、成形品の厚さが薄いほど、また大きさが大きいほど密度は高くなり、厚さが厚く大きさが小さいほど密度は低くなる。密度が高くなるほど寸法安定性は向上するがコストアップとなるため、本発明の低密度化の利点を生かすためには適正な密度範囲があり、当該アニリン系ポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームの密度は、0.02〜0.20g/cm、望ましくは0.025〜0.15g/cmが望ましいと考えられる。
【0018】
本発明で使用される原料のうち、ポリイソシアネートは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを30〜50%の範囲で含むポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの使用が最も望まし。その一部に、トリレンジイソシアネート(TDI)、またはジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のプレポリマーに置き換えたポリイソシアネートを使用すると、それなりの改質効果は期待できるが一般に寸法安定性が損なわれる方向となり、この目的のためには置き換えるとしても少量とする方が好ましい。
【0019】
本発明で当該アニリン系ポリオールと組み合わせが可能なポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、フェノール系縮合物、その他複数の活性水素を有する化合物があげられる。
【0020】
ポリエーテルポリオールとしては、開始剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類、しょ糖、α−メチルグルコシドなどの糖類、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン類等にアルキレンオキサイドを付加重合して得られたものが使用でき、水酸基価が150〜850mgKOH/gのものが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリンなどがあげられる。
【0021】
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸の縮合物などが使用でき、多価アルコールはジオールが好ましく、多価カルボン酸は無水フタル酸、またはテレフタル酸が好ましく、更に水酸基価は150〜450mgKOH/gが好ましい。フェノール系縮合物としては、レゾール型縮合物、ベンジリック型縮合物、ノボラック型縮合物が使用でき、分子量が500〜10,000程度のものが好ましい。
【0022】
本発明で使用される硬質ポリウレタンフォーム用触媒は、一般の硬質ポリウレタンフォームで使用されている第3級アミン化合物、有機金属塩、アミン塩等が使用でき、その他の助剤として通常のシリコーン系整泡剤、難燃剤、その他一般的に使用されている助剤等を使用することができる。
【0023】
本発明の方法により製造された100%水発泡硬質ポリウレタンフォームは、主たる用途として建材、断熱材等に使用でき、接着性、および寸法安定性等種々の性能を満足することができる。発泡方法については注入、スプレー、連続ラミネート等、種々の方法があるが特に限定されない。
【0024】
【発明の実施の形態】
ポリオール、助剤、および発泡剤は、電動ミキサー、またはスタティックミキサーのような周知の方法によって、混合しプレミックス液とすることができる。
得られたプレミックス液は、既存の発泡機、またはミキサーによって、ポリイソシアネートと混合することができ、それによって硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。本発明は硬質ポリウレタンフォームのための発泡機、またはミキサーの種類に限定されず、市販の周知のものが使用できる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
実施例1
表1に比較例の処方1、および実施例の処方2〜4を示す。東邦化学工業製ポリオール、水、花王製第3級アミン触媒カオーライザーNo.1(TMHDA)、日本ユニカー製シリコーン整泡剤L−5420を、それぞれ内容積500cmの紙製カップに仕込み、十分均一になるよう混合しプレミックス液とした。プレミックス液の原液温度を20℃に合わせ、この中にあらかじめ原液温度を20℃に合わせた三井化学製コスモネートM−200を注入し、特殊機化工業製電動ミキサーによって7,000rpmの回転速度で4秒間攪拌した。あらかじめポリエチレン製離型シートを貼り付けた厚さ2.5cm、50cm角のアルミ製縦形パネル中に、この混合物を速やかに投入し発泡させた。クリームタイム、ゲルタイムを測定した後、6分後に得られた硬質ポリウレタンフォームを取り出して密度を測定し、指触によりフライアビリティーを判定した。発泡後1日以上経過したのち、そのパネルフォームから長さ35cm、幅7cmのサンプルを切り出し、スタート時の厚さを尾崎製作所製ダイヤルキャリパーゲージLO−1にて測定した。そのサンプルを50℃95%RH雰囲気下に放置して、2週間後の最大寸法変化量を測定し、最大寸法変化率を算出した。
【0026】
表1に示した比較例の処方1、および実施例の処方2〜5は、いずれもポリオール以外の原料の種類が同一で、硬質ポリウレタンフォームの処方中の原料である、水、および整泡剤について処方中の重量含有率を同一とし、触媒重量はゲルタイムが35〜55秒の範囲になるように調節した。比較例1の処方では、ポリオールに東邦化学工業製トルエンジアミン系ポリオール、トーホーポリオールAR−750を使用し、実施例の処方2〜5では、東邦化学工業製アニリン系ポリオールを使用している。また、イソシアネートについては同一の種類を使用し、所要重量はイソシアネートインデックスを1.10として算出した。これらの処方について、それぞれクリームタイム、ゲルタイム、密度、寸法変化率を測定し、フライアビリテイーを判定した。
【0027】
これらの性能を対比してみると比較例1のトルエンジアミン系ポリオールを使用した処方では、フライアビリティーが大きく、50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率が−37%と大きく収縮しているのに対し、実施例2〜実施例5のアニリン系ポリオールを使用した処方では、50℃95%湿熱寸法変化率が−13〜−34%と向上しており、フライアビリティーも改善されている。
【0028】
【表1】
Figure 2004115772
【0029】
アニリンに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを重量比20:80で重合させ、水酸基価を450mgKOH/gのアニリン系ポリオールを使用した、実施例2の処方と重量比が20:80、水酸基価が400mgKOH/gの実施例3の処方を対比させてみると、実施例3の処方ではフライアビリティーが「なし」であるのに対し、実施例2の処方では「あり」となっており接着性に差があると考えられる。一般に、エチレンオキサイドの重量比が低いほど、また水酸基価が高いほどフライアビリティーは出やすくなるため、実施例2の処方のフライアビリティーが既に限界であることから、水酸基価は450mgKOH/g以下、望ましくは400mgKOH/g以下が良いと考えられる。同様に、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重量比はエチレンオキサイドが20%以上、プロピレンオキサイドが80%以下とする必要があると考えられる。
【0030】
またアニリンに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを重量比が100:0で重合させ、、水酸基価を200mgKOH/gとしたアニリン系ポリオールを使用した、実施例4の処方と重量比が100:0、水酸基価が150mgKOH/gの実施例5の処方を対比させてみると、実施例4では50℃95%湿熱寸法変化率が−30%と多少向上しているのに対し、実施例5の処方ではフライアビリティーは良好であるが、50℃95%湿熱寸法変化率が−34%と比較例の−37%と大差がなかった。従って、水酸基価には下限があると考えられ、150mgKOH/g以上、望ましくは200mgKOH/g以上が良いと考えられる。
【0031】
比較例1の処方の、トーホーポリオールAR−750のアルキレンオキサイドのモル数は12モルで、実施例4〜5の11〜14モルとあまり変わらないが、これに対して実施例2〜3の処方のポリオールでは3モル前後であり、50℃95%湿熱寸法安定性は明らかに向上がみられる。また、水酸基価が高いほど50℃95%湿熱寸法変化率は小さい値になっていて向上している。この理由の1つとして、アルキレンオキサイドの付加モル数が少ないほど、得られたフォームは加水分解を受けにくいためと考えられる。
【0032】
実施例2
表2に比較例の処方6、および実施例の処方7〜10を示す。硬質ポリウレタンフォームの製造方法、およびフォーム性能の測定方法は実施例1と同様である。
【0033】
表2に示した比較例の処方6、および実施例の処方7〜10は、いずれもポリオール以外の原料の種類が同一で、整泡剤については処方中の重量含有率を同一とし、触媒重量はゲルタイムが35〜55秒の範囲になるように調節した。比較例の処方6では、ポリオールポリオールに東邦化学工業製しょ糖系ポリオール、トーホーポリオールOB−880を使用し、実施例の処方7〜8では、東邦化学工業製アニリン系ポリオールAB−371を使用し、ポリオール重量部数を変化させており、実施例の処方9〜10では、東邦化学工業製アニリン系ポリオールAB−252,およびAB−451を使用し、水重量部数を変化させている。またイソシアネートについては同一の種類を使用し、所要重量はイソシアネートインデックスを1.10として算出した。これらの処方について、それぞれクリームタイム、ゲルタイム、密度、寸法変化率を測定し、フライアビリテイーを判定した。
【0034】
これらの性能を対比してみると、比較例6のしょ糖系ポリオールの処方では、フライアビリティーは良好であるが、50℃95%湿熱寸法変化率が、−46%と大きく収縮しているのに対し、実施例7〜10のアニリン系ポリオールの処方では、いずれも50℃95%湿熱寸法変化率は同等以下である。
【0035】
比較例6の処方に比し、実施例7のアニリン系ポリオールAB−371の部数が100重量部の処方では、湿熱寸法安定性が良好であるが、実施例8のアニリン系ポリオールの部数が20重量部の処方では、湿熱寸法安定性が劣化し多少良い程度である。実施例8の添加部数では、アニリン系ポリオール添加の効果は限界と考えられ、アニリン系ポリオールの部数はポリオール100重量部のうち20重量部以上にする必要があると考えられる。
【0036】
実施例9の水部数が1.0重量部の処方では、フライアビリティーもなく湿熱寸法安定性も極めて良好であるが、密度が86kg/mと相当高くなっており、低密度化の効果が少なくなっている。実施例9の水部数が8.0重量部の処方では、フライアビリティーの発生がみられ、湿熱寸法安定性も比較例6のしょ糖系ポリオールの処方と同レベルで大差がないことから、いずれも限界と考えられ、水部数はポリオール100重量部に対し、1.0〜8.0重量部が望ましい。
【0037】
【表2】
Figure 2004115772
【0038】
実施例9〜10では、水重量部数1.0〜8.0部のとき、密度が25〜86kg/m(0.025〜0.086g/cm)となっているが、密度は発泡条件、成形品の形状等により異なる可能性があるため、密度の適性範囲は0.02〜0.20g/cm、望ましくは0.025〜0.10g/cmが良いと考えられる。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、オゾン層を破壊する物質であるフロン系発泡剤を使用せず、炭酸ガスを発泡剤とした、低密度で高性能な硬質ポリウレタンフォームを得ることが可能となる。本発明の組成による硬質ポリウレタンフォームは、適正なアルキレンオキサイドの種類を選択し、適正な量を重合させたアニリン系ポリオールを使用することにより、従来のポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームに比し寸法安定性が向上する。

Claims (2)

  1. アニリンに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを重量比20〜100:0〜80で重合させ、水酸基価を150〜450mgKOH/gとしたアニリン系ポリオールを、ポリオール100重量部のうち20重量部以上使用し、かつ水をポリオール100重量部に対し1.0〜8.0重量部使用することを特徴とする、100%水発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 密度が、0.02〜0.20g/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の100%水発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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