JP2001354744A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法

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JP2001354744A
JP2001354744A JP2000211913A JP2000211913A JP2001354744A JP 2001354744 A JP2001354744 A JP 2001354744A JP 2000211913 A JP2000211913 A JP 2000211913A JP 2000211913 A JP2000211913 A JP 2000211913A JP 2001354744 A JP2001354744 A JP 2001354744A
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polyurethane foam
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Tatsuya Mano
達也 真野
Miki Hasegawa
幹 長谷川
Kiyoshi Hasegawa
清 長谷川
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾン層を破壊しない発泡剤である、シクロ
ペンタンを使用し、熱伝導率を向上させ、かつ低密度の
とき常温下で収縮を起こし難い断熱材用途の硬質ポリウ
レタンフォームを得る。 【解決手段】 冷蔵庫等の断熱材用途における、硬質ポ
リウレタンフォームにおいて、アニリン、およびしよ糖
にアルキレンオキサイドを付加重合したポリオールを使
用し、シクロペンタンを発泡剤とすることにより、フォ
ームの気泡径が微細化して熱伝導率を向上させることが
でき、また常温下の寸法変化の促進試験方法と考えられ
る耐湿熱性を著しく向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断熱材として使用さ
れ、発泡剤にオゾン層を破壊せず環境に無害な、シクロ
ペンタンを使用する硬質ポリウレタンフォームの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイソシアネート、ポリオール、触
媒、整泡剤、その他の助剤、および発泡剤を混合するこ
とにより得られる硬質ポリウレタンフォームは、自己接
着力がある構造材として使用でき、成形加工性に優れた
断熱材として広く使用されている。しかし、従来硬質ポ
リウレタンフォーム用発泡剤として大量に使用されてき
たトリクロロフルオロメタン(CFC−11)のような
クロロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊するため既
に製造中止となっており、現在主に使用されている1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141
b)のようなハイドロクロロフルオロカーボンも同様に
規制を受けている。オゾン層を破壊することなく、環境
特性上将来にわたり使用が可能と考えられるのは、炭酸
ガス、ハイドロカーボン、またはハイドロフルオロカー
ボンであるが、いずれもクロロフルオロカーボン、また
はハイドロクロロフルオロカーボンに比し、種々の欠点
を有している。
【0003】断熱材用途の硬質ポリウレタンフォームは
熱伝導率、常温下における寸法安定性の他、成形性、強
度、およびフォーム流動性等種々のフォーム性能が要求
されており、また、使用数量の多い冷蔵庫、保冷庫、自
動販売機、およびショーケース等に使用されることか
ら、低コストであることが求められている。
【0004】硬質ポリウレタンフォームにおいて、ポリ
オールの選択はこれらに大きな影響がありフォーム性能
上重要である。従来技術を例示すると、特公平4−10
491、特公平5−79689、特開平4−8716、
特表2000−502132などにおいて、脂肪族アミ
ン類、およびトルエンジアミン等にプロピレンオキサイ
ド、およびエチレンオキサイドなどを使用しており、ま
たUSP4137625、特公昭58−50617、特
公平1−60463、特開平4−173826、および
特開平8−301963などにおいて、含窒素のマンニ
ッヒ系ポリオールなどの使用が記載されている。
【0005】従来から、硬質ポリウレタンフォームの発
泡剤としてシクロペンタン、および水が使用されてお
り、例えばEncyclopedia of poly
merScience and Engineerin
g、2巻、第434〜437(1985年)、公開平0
2−91132、USP−4555442などに記載さ
れている。しかしながら、シクロペンタンを発泡剤と
し、硬質ポリウレタンフォームの成形品の密度を実用的
で低密度な範囲としたとき、気泡径が小さく十分断熱性
が良好で、かつ常温下の寸法変化が優れるなど、実用上
要望される必要性能を十分満足する断熱材用の硬質ポリ
ウレタンフォームは得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】炭酸ガス、またはイソ
ブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、イソペンタ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、イソヘキサン、お
よびヘプタンのようなハイドロカーボン、または1,
1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−2
45fa)、および1,1,1,2−テトラフルオロエ
タン(HFC−134a)のようなハイドロフルオロカ
ーボンで発泡された硬質ポリウレタンフォームは、クロ
ロフルオロカーボン等で発泡されたフォームに比べ、蒸
気の熱伝導率が高いため断熱性が悪化することが知られ
ている。
【0007】気泡径が十分小さい時熱伝導率は、気泡中
の蒸気の熱伝導率、気泡を構成する気泡骨格と気泡膜か
らなる固層部分の熱伝導率、および気泡膜から気泡膜へ
の輻射による熱伝導率の和で表され、特に輻射による熱
伝導率に関しては、気泡径が小さいほど小さくなること
が知られている。従って、硬質ポリウレタンフォームで
は断熱材の用途において、熱伝導率を低くする目的で気
泡径を小さくする検討が実施されてきた。
【0008】また、水とポリイソシアネートとの反応か
ら生ずる炭酸ガス、およびシクロペンタンで発泡された
硬質ポリウレタンフォームは、CFC−11で発泡され
たフォームに比べ、低密度のレベルでは常温下の寸法変
化率が大きくなり寸法安定性が悪くなることが知られて
いる。このようなフォームは常温下に放置しておくと、
長期間にわたり徐々に収縮していき、最終的に製品の外
観異常となる可能性がある。この原因としては、フォー
ムの気泡中の炭酸ガスがポリウレタン樹脂膜を透過し易
いため、外部に放出され易いことと相関があることが知
られている。従って、炭酸ガスのみを発泡剤とする10
0%水発泡は特にその傾向が著しい。
【0009】またシクロペンタンは、ポリオールと溶解
性が悪いため分離し易く、CFC−11やHCFC−1
41b等に比べプレミックス中に多く混合できない。こ
のようなシステムで密度を更に下げようとする場合には
水を比較的多く併用する必要があるが、水を増加させる
と水とポリイソシアネートの反応により発生する炭酸ガ
スが増加するため、同様に常温下で収縮を起こし易くな
る。本発明は、硬質ポリウレタンフォームの気泡径を小
さくし断熱性を向上させる方法、および常温下の寸法安
定性の問題に解決の方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等はポリ
オールにアニリンを主要な開始剤として使用したポリオ
ールのうち、アニリン1モルに対し、エチレンオキサイ
ドを1.0〜5.7モル、望ましくは1.5〜4.5モ
ルの範囲で付加重合させ、プロピレンオキサイドを0〜
5.4モル、望ましくは0.3〜3.8モルの範囲で付
加重合させ、水酸基価が250〜550mgKOH/
g、望ましくは300〜500mgKOH/gの範囲と
なるように合成したアニリン系ポリオールを、硬質ポリ
ウレタンフォームの処方においてポリオール100重量
部のうち、20〜100重量部、望ましくは30〜70
重量部の範囲で使用し、かつ水酸基価が250〜550
mgKOH/gの範囲となるように合成したしょ糖系ポ
リオールを、硬質ポリウレタンフォームの処方において
ポリオール100重量部のうち、80〜0重量部、望ま
しくは70〜30重量部の範囲で使用することによっ
て、気泡径が非常に微細となり、かつ良好な寸法安定性
を有するフォームが得られることを見出した。
【0011】また、本発明の発明者等は当該アニリン系
ポリオールを、しょ糖系ポリオールと組み合わせたと
き、冷蔵庫、保冷庫、自動販売機、およびショーケース
等に使用される硬質ポリウレタンフォームにおいて、要
望される種々のフォーム性能を満足するが、しょ糖系ポ
リオール以外のポリオールとの組み合わせでは、何らか
の性能劣化が伴なうことを見出した。例えば一般的に使
用されている、トルエンジアミン系ポリオール等多くの
ポリオールとの組み合わせでは、生産性に関係する脱型
時間を長くする必要が生じ問題がある。また、しょ糖系
以外の殆どのポリオールとの組み合わせはコストアップ
となる。
【0012】アニリン系ポリオールにおいて、アニリン
1モルに対し、エチレンオキサイドを1.0モル以下付
加重合させた場合、得られた硬質ポリウレタンフォーム
の寸法安定性は十分良好とならず、5.7モル以上付加
重合させた場合においても、得られた硬質ポリウレタン
フォームの寸法安定性は十分良好とならない。また、水
酸基価を550mgKOH/g以上とした場合、得られ
た硬質ポリウレタンフォームのフライアビリテイー(も
ろさ)が悪くなり、水酸基価を250mgKOH/g以
下とした場合、得られた硬質ポリウレタンフォームは寸
法安定性が十分良好とならない。水酸基価とエチレンオ
キサイドの付加モル数が限定されるため、プロピレンオ
キサイドの付加モル数も0〜5.4モルの範囲に限定さ
れる。
【0013】また、このようにして得られた当該アニリ
ン系ポリオールを使用し、硬質ポリウレタンフォームを
得ようとしたとき、硬質ポリウレタンフォームの処方に
おいてポリオール100重量部のうち、アニリン系ポリ
オールを20重量部以下で使用した場合、得られた硬質
ポリウレタンフォームの気泡は十分微細とならず熱伝導
率も低く良好とならないため、本課題を解決するために
はアニリン系ポリオールを必ず20重量部以上使用する
必要がある。
【0014】発泡剤のシクロペンタンの重量部数が少な
いと、硬質ポリウレタンフォームの成形品の密度を十分
下げることができず、シクロペンタンの重量部数が多す
ぎると分離安定性が悪くなるため、その重量部数には適
正な範囲があると考えられる。本発明の発明者等は、当
該アニリン系ポリオールを使用したとき、シクロペンタ
ンを、硬質ポリウレタンフォームの処方においてポリオ
ール100重量部に対し、10〜20重量部の範囲で使
用することにより、低密度で分離安定性が良く、かつフ
ォーム性能が良好となることを見出した。
【0015】同様に、発泡剤として働く水の重量部数に
も適正な範囲があると考えられ、本発明の発明者等は、
当該アニリン系ポリオールを使用したとき、水を硬質ポ
リウレタンフォームの処方においてポリオール100重
量部に対し、0.3〜3.0重量部の範囲で使用するこ
とにより低密度で、かつフォーム性能が良好となること
を見出した。
【0016】更に、本発明の発明者等は当該アニリン系
ポリオールを使用したフォームは、常温下における収縮
の促進試験になると考えられる50℃95%RH湿熱条
件下の寸法安定性が、他のポリオールを使用したフォー
ムに比し良好であることを見出した。硬質ポリウレタン
フォーム用のポリオールとして市販されており、通常使
用されているポリエステルポリオール等を使用した場
合、気泡は微細化するが、発泡剤の量を増加させ密度を
下げていくと50℃95%RH湿熱条件下の寸法安定性
が劣化し、密度37kg/mでは収縮に至る。これに
対しアニリン系ポリオールを使用したフォームは、密度
35kg/mにおいても収縮の発生がなく、低コスト
化につながる低密度化の可能性がある。
【0017】実際に使用されている断熱材の密度は、成
形品の厚さによって異なる。本発明の当該アニリン系ポ
リオールを使用したフォームは、厚さ25mm、密度3
5kg/mにおいて収縮の発生がないことから、更に
厚さが厚い場合の使用に十分耐えうると考えられる。厚
さが厚い場合の密度は更に低くなるため、硬質ポリウレ
タンフォームの成形品の密度として、0.020〜0.
200g/cmの範囲が適正と考えられる。
【0018】常温下の寸法変化は傾向が現れるまで時間
を要するため、促進試験が必要である。常温下の寸法変
化の促進試験に関しては、日本工業規格その他で規定さ
れた方法はなく各社各様と思われるが、本発明の発明者
等は50℃95%RH湿熱条件下での寸法変化率の評価
を促進試験として使用している。常温下で寸法変化を起
こし易い硬質ポリウレタンフォームは、オーバーパック
率100%のフォームを常温下で放置すると約100日
後に明白な収縮を示すが、同じフォームを50℃95%
RH湿熱条件下に放置すると、約2週間後に同様な収縮
の傾向を示す。100℃ドライ条件下にても同様な収縮
が発生することがあるが多くの場合傾向が異なるため、
本発明の発明者等は耐湿熱性の測定によって各処方の常
温下の寸法変化特性を判定している。
【0019】本発明で使用される原料のうち、ポリイソ
シアネートはポリメリックMDIの使用が望ましいが、
その一部に、トリレンジイソシアネート(TDI)、ま
たはジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の
プレポリマーに置き換えたポリイソシアネートを使用し
ても支障はない。
【0020】本発明で使用されるポリオールとして、当
該アニリシ系ポリオールを硬質ポリウレタンフォームの
処方においてポリオール100重量部のうち、20〜1
00重量部、望ましくは30〜70重量部の範囲で使用
し、かつ水酸基価が250〜550mgKOH/gの範
囲となるように合成したしょ糖系ポリオールを、硬質ポ
リウレタンフォームの処方においてポリオール100重
量部のうち、80〜0重量部、望ましくは70〜30重
量部の範囲で使用することによって、気泡が微細化し更
に寸法安定性が向上する。
【0021】本発明で使用される発泡剤として一般的に
は、HCFC−141bのようなハイドロクロロフルオ
ロカーボンや、HFC−245faのようなハイドロフ
ルオロカーボンが含まれ、これらは蒸気の熱伝導率が比
較的低く断熱性が良好であるために、本発明のような工
夫を特に必要とせず、一般的なポリオールで対応が可能
である。しかし、これらの発泡剤は既に将来的に規制さ
れているか、地球温暖化に関し炭酸ガスよりも高い温室
効果を有しているため、近い将来使用できなくなる可能
性がある。
【0022】発泡剤のうち本発明で指定した、水トイソ
シアネートとの反応から発生する炭酸ガス、およびシク
ロペンタンは、蒸気の熱伝導率が比較的高く断熱性が悪
いため、気泡が微細化する本発明において効果が最も発
揮される。当該アニリン系ポリオールを使用したとき、
シクロペンタンを、硬質ポリウレタンフォームの処方に
おいてポリオール100重量部に対し、10〜20重量
部の範囲で使用することにより、低密度で分離安定性が
良く、かつフォーム性能が良好となる。また、水を硬質
ポリウレタンフォームの処方においてポリオール100
重量部に対し、0.3〜3.0重量部の範囲で使用する
ことにより低密度で、かつフォーム性能が良好となる。
【0023】本発明で使用されるウレタン用触媒は、一
般の硬質ポリウレタンフォームで使用されている第3級
アミン化合物等が使用でき、その他の助剤として一般に
市販されている通常の整泡剤、難燃剤等を使用すること
ができる。
【0024】これらの原料を使用し製造された硬質ポリ
ウレタンフォームは、冷蔵庫、保冷庫、自動販売機、お
よびショーケースに使用したとき、断熱性、フォーム流
動性、および寸法安定性等種々の性能を満足する。
【0025】
【発明の実施の形態】ポリオール、助剤、および発泡剤
は、電動ミキサー、またはスタティックミキサーのよう
な周知の方法によって、混合しプレミックス液とするこ
とができる。得られたプレミックス液は、既存の発泡
機、またはミキサーによって、ポリイソシアネートと混
合することができ、それによって硬質ポリウレタンフォ
ームを製造することができる。本発明は硬質ポリウレタ
ンフォームのための発泡機、またはミキサーの種類に限
定されず、市販の周知のものが使用できる。
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】実施例1 表1に比較例の処方1〜2、および実施例の処方3〜4
を示す。東邦化学工業製ポリオール、水、花王製第3級
アミン触媒カオーライザーNo.1(TMHDA)、日
本ユニカー製シリコーン整泡剤L−5420を、それぞ
れ内容積500cmの紙製カップに仕込み、十分均一
になるよう混合しプレミックス液とした。プレミックス
液の原液温度を20℃に合わせ、この中にあらかじめ原
液温度を20℃に合わせた三井化学製コスモネートM−
200を注入し、特殊機化工業製電動ミキサーによって
7,000rpmの回転速度で4秒間攪拌した。あらか
じめポリエチレン製離型シートを貼り付けた厚さ2.5
cm、50cm角のアルミ製縦形パネル中に、この混合
物を速やかに投入し発泡させた。クリームタイム、ゲル
タイムを測定した後、5分後に得られた硬質ポリウレタ
ンフォームを取り出し、オーバーパック率100%時の
密度を測定した。発泡した翌日、その縦形パネルから長
さ35cm、幅7cmのサンプルを3ケ切り出し、スタ
ート時の厚さを尾崎製作所製ダイヤルキャリパーゲージ
LO−1にて測定後、それぞれ−30℃、100℃、お
よび50℃95%RH雰囲気下に放置して、4週間後の
最大寸法変化量を測定し、最大寸法変化率を算出した。
熱伝導率は発泡した翌日、その縦形パネルから長さ20
cm、幅20cm、厚さ1.5cmのサンプルを切り出
し、英弘精機製オートラムダHC−073で測定した。
【0028】表1に示した比較例の処方1〜2、および
実施例の処方3〜4は、いずれもポリオール以外の原料
の種類が同一で、硬質ポリウレタンフォームの処方中の
原料である、水、シクロペンタン、および整泡剤につい
て処方中の重量含有率を同一とし、触媒重量はゲルタイ
ムが35〜55秒の範囲になるように調節した。ただ
し、比較例の処方2のみシクロペンタンの重量を増加し
てある。比較例1の処方では、ポリオールに東邦化学工
業製トルエンジアミン系ポリオール、トーホーポリオー
ルAR−2589を使用し、実施例の処方3〜4では、
2つの東邦化学工業製アニリン系ポリオールを使用して
いる。また、イソシアネートについては同一の種類を使
用し、所要重量はイソシアネートインデックスを1.1
0として算出した。これらの処方について、それぞれク
リームタイム、ゲルタイム、密度、寸法変化率、フライ
アビリテイー(もろさ)、気泡径、および熱伝導率を測
定した。
【0029】
【表1】
【0030】これらの性能を対比してみると比較例1の
トルエンジアミン系ポリオールを使用した処方では、熱
伝導率が0.0220W/m℃であるのに対し、実施例
3、および実施例4のアニリン系ポリオールを使用した
処方では、熱伝導率が0.0204〜0.0206W/
m℃と向上しており、同時に気泡径も比較例1の処方が
350μmであるのに対し、実施例3、および実施例4
の処方では、200〜210μmと小さくなっているの
が判る。また、比較例2の処方はシクロペンタンの重量
を増加させ、比較例1の処方より約10%低密度化させ
た。比較例1の処方と比較例2の処方の性能を対比して
みると、比較例2の処方では密度が低くなったため−3
0℃、および50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化
率が、著しく大きく寸法安定性が悪化している。
【0031】これに対し、実施例3、および実施例4の
処方では、密度がそれぞれ比較例1の処方より約10%
低密度化しているにもかかわらず、−30℃では、いず
れも−0.8%、50℃95%では0.4%〜−1.0
%となっており、比較例2の処方の−12.5%、−1
0.3%に比して向上していることがわかる。
【0032】実施例2 表2に比較例の処方5、および実施例の処方6〜8を示
す。硬質ポリウレタンフォームの製造方法、およびフォ
ーム性能の測定方法は実施例1と同様である。
【0033】表2に示した比較例の処方5、および実施
例の処方6〜8は、いずれもポリオール以外の原料の種
類が同一で、硬質ポリウレタンフォームの処方中の原料
である、水、シクロペンタン、および整泡剤について処
方中の重量含有率を同一とし、触媒重量はゲルタイムが
35〜55秒の範囲になるように調節した。比較例5の
処方では、ポリオールポリオールに東邦化学工業製しょ
糖系ポリオール、トーホーポリオールO−850と、東
邦理化工業製硬質ポリウレタンフォーム用ポリエステル
ポリオール、ファントールPL−305を1:1の重量
比率で使用し、実施例の処方6〜8では、トーホーポリ
オールO−850と東邦化学工業製アニリン系ポリオー
ルAB−250の重量比率を変えて使用した。また、イ
ソシアネートについては同一の種類を使用し、所要重量
はイソシアネートインデックスを1.10として算出し
た。これらの処方について、それぞれクリームタイム、
ゲルタイム、密度、寸法変化率、フライアビリテイー
(もろさ)、気泡径、および熱伝導率を測定した。
【0034】これらの性能を対比してみると、比較例5
のしょ糖系ポリオールと従来使用されているポリエステ
ルポリオールを組み合わせた処方では、気泡径が200
μmと小さく、熱伝導率も0.0204W/m℃と低く
良好であるが、50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変
化率が、−7.8%と大きく収縮しているのに対し、実
施例6〜8のしょ糖系ポリオールとアニリン系ポリオー
ルを組み合わせた処方では、いずれも気泡径が十分小さ
く熱伝導率も低く良好であり、かつ50℃95%関係湿
度雰囲気下の寸法変化率も−1.5〜0.4%と小さく
良好である。
【0035】
【表2】
【0036】ここで、アニリン系ポリオールの含有量と
性能を対比してみると、気泡径、熱伝導率、および50
℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率のいずれも、実
施例8のアニリン系ポリオールが50部の処方、実施例
7のアニリン系ポリオールが30部の処方、実施例6の
アニリン系ポリオールが20部の処方と、アニリン系ポ
リオールが少ない順に悪くなっているのが判る。それら
の程度の差からアニリン系ポリオールの使用量の下限
は、ポリオール100重量部のうち20部であり、望ま
しくは30部以上であると考えられる。
【0037】実施例3 表3にアニリン系ポリオールを使用した実施例の処方9
〜11を示す。硬質ポリウレタンフォームの製造方法、
およびフォーム性能の測定方法は実施例1と同様であ
る。
【0038】表3に示した実施例の処方9〜11は、い
ずれも東邦化学工業製アニリン系ポリオールを使用し、
その他の原料の種類が同一で、硬質ポリウレタンフォー
ムの処方中の原料である、水、シクロペンタン、および
整泡剤について処方中の重量含有率を同一とし、触媒重
量はゲルタイムが35〜55秒の範囲になるように調節
した。実施例の処方9〜11では、アニリン系ポリオー
ルの水酸基価、またはエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドの重量比を変えたものを合成し使用した。ま
た、イソシアネートについては同一の種類を使用し、所
要重量はイソシアネートインデックスを1.10として
算出した。これらの処方について、それぞれクリームタ
イム、ゲルタイム、密度、寸法変化率、フライアビリテ
イー(もろさ)、気泡径、および熱伝導率を測定した。
【0039】これらの性能を対比してみると、実施例9
のエチレンオキサイドを2.1モル、プロピレンオキサ
イドを0.3モル付加重合し、水酸基価550mgKO
H/gとしたアニリン系ポリオール、トーホーポリオー
ルAB−204を使用した処方では、実施例8のエチレ
ンオキサイドを2モル、プロピレンオキサイドを1.2
モル付加重合し、水酸基価450mgKOH/gとした
アニリン系ポリオール、トーホーポリオールAB−25
0を使用した処方の性能に比し、気泡径、熱伝導率、お
よび50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率はいず
れも大差なく良好であるが、フライアビリテイーがあ
り、もろさが発生していることから、アニリン系ポリオ
ールの水酸基価の上限は550mgKOH/gであり、
望ましくは500mgKOH/gであると考えられる。
【0040】
【表3】
【0041】また、実施例10のエチレンオキサイドを
5.7モル、プロピレンオキサイドを1.8モル付加重
合し、水酸基価250mgKOH/gとしたアニリン系
ポリオール、トーホーポリオールAB−450を使用し
た処方では、実施例8の処方の性能に比し、フライアビ
リテイーは実施例9の処方の性能より良好となっている
が、気泡径、熱伝導率、および50℃95%関係湿度雰
囲気下の寸法変化率のいずれも、良好ではあるがやや悪
くなっている。この状況は実施例11のエチレンオキサ
イドを1.0モル、プロピレンオキサイドを5.4モル
付加重合し、水酸基価250mgKOH/gとしたアニ
リン系ポリオール、トーホーポリオールAB−449を
使用した処方と同様である。このことから、水酸基価の
下限は250mgKOH/gであり、望ましくは300
mgKOH/gであると考えられる
【0042】更に、実施例12のエチレンオキサイドを
使用せず、プロピレンオキサイドのみを6.2モル付加
重合し、水酸基価250mgKOH/gとしたアニリン
系ポリオール、トーホーポリオールAB−451を使用
した処方では、フライアビリテイーは同様に良好である
が、気泡径、熱伝導率、および50℃95%関係湿度雰
囲気下の寸法変化率のいずれもかなり悪く、比較例5の
従来使用されてきたポリエステルポリオールを使用した
処方より悪くなっている。このことから、エチレンオキ
サイドの付加モル数の下限は1.0モルであり、望まし
くは1.5モルであると考えられ、上限は5.7モルで
あり、望ましくは4.5モルであると考えられる。
【0043】水酸基価とエチレンオキサイドの付加モル
数が限定されるため、プロピレンオキサイドの付加モル
数も自ずから0〜5.4モル、望ましくは0.3〜3.
8モルの範囲に限定される。
【0044】
【発明の効果】本発明により、冷蔵庫等の断熱材用途に
おける硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、
オゾン層を破壊する物質であるフロン系発泡剤を使用せ
ず、炭酸ガス、およびシクロペンタンを発泡剤とした、
低密度で高性能な硬質ポリウレタンフォームを得ること
が可能となる。本発明の組成による硬質ポリウレタンフ
ォームは、適正なアルキレンオキサイドの種類を選択
し、適正な量を付加させたアニリン系ポリオールをしょ
糖系ポリオールと組み合わせて使用することにより、従
来のポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームに
比し、フォームの気泡を微細化することによって熱伝導
率を低くすることができるため断熱性が向上する。更
に、重大な外観変形につながる常温下の寸法安定性が大
きく改良され、またフォーム流動性がより良好となって
低密度となり、その結果低コスト化の効果が期待でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA07 DA01 DB03 DB07 DG03 DG04 DG09 DG14 DG23 HA01 HA02 HA06 HA07 HC12 HC61 HC63 HC64 HC67 HC71 KA01 KB02 KD12 KE02 NA02 NA03 NA06 QA02 QB01 QB14 QB16 QC01 RA03 RA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分とポリイソシアネート成
    分からなり、さらに発泡剤を必要に応じ含む硬質ポリウ
    レタンフォームの製造方法において、アニリン1モルに
    対し、エチレンオキサイドを1.0〜5.7モル、プロ
    ピレンオキサイドを0〜5.4モルの範囲で付加重合さ
    せ、水酸基価が250〜550mgKOH/gの範囲と
    なるように合成したアニリン系ポリオールを、硬質ポリ
    ウレタンフォームの処方においてポリオール100重量
    部のうち、20〜100重量部の範囲で使用することを
    特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 【請求項2】 水酸基価が250〜550mgKOH/
    gの範囲となるように合成したしょ糖系ポリオールを、
    硬質ポリウレタンフォームの処方においてポリオール1
    00重量部のうち、80〜0重量部の範囲で使用するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフ
    ォームの製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡剤としてシクロペンタンを、硬質ポ
    リウレタンフォームの処方においてポリオール100重
    量部に対し、10〜20重量部の範囲で使用し、かつ水
    を、硬質ポリウレタンフォームの処方においてポリオー
    ル100重量部に対し、0.3〜3.0重量部の範囲で
    使用することを特徴とする、請求項1、2に記載の硬質
    ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 【請求項4】 硬質ポリウレタンフォームの成形品の密
    度として、0.020〜0.200g/cmの範囲で
    あることを特徴とする、請求項1〜3に記載の硬質ポリ
    ウレタンフォームの製造方法。
  5. 【請求項5】 用途として、冷蔵庫、保冷庫、自動販売
    機、ショーケース用断熱材に使用されることを特徴とす
    る、請求項1〜4に記載の硬質ポリウレタンフォームの
    製造方法。
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