JPH1129652A - 断熱箱体 - Google Patents

断熱箱体

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JPH1129652A
JPH1129652A JP9186228A JP18622897A JPH1129652A JP H1129652 A JPH1129652 A JP H1129652A JP 9186228 A JP9186228 A JP 9186228A JP 18622897 A JP18622897 A JP 18622897A JP H1129652 A JPH1129652 A JP H1129652A
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JP
Japan
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rigid polyurethane
polyurethane foam
weight
polyol
cyclopentane
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Pending
Application number
JP9186228A
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English (en)
Inventor
Hisashi Morooka
寿至 師岡
Hisao Yokokura
久男 横倉
Yutaka Ito
伊藤  豊
Kuninari Araki
邦成 荒木
Katsumi Fukuda
克美 福田
Kosuke Tanaka
孝介 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1129652A publication Critical patent/JPH1129652A/ja
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、発泡剤としてCFC,HCF
Cを全く使用せず、その代替物としてシクロペンタンを
用いて、軽量で、かつ、断熱性,圧縮強度,寸法安定性
に優れた断熱箱体を提供することにある。 【解決手段】発泡剤の硬質ポリウレタンフォームのフォ
ーム密度が35kg/cm3 以下で、かつ、熱伝導率が1
8.5mW/m・K 以下であり、さらに、空気中で70
℃あるいは−20℃で24時間放置したときの寸法変化
率が2%以下で、圧縮強度が0.1MPa 以上である硬
質ポリウレタンフォームを用いたことを特徴とする断熱
箱体。 【効果】発泡剤として、オゾン層破壊係数が0である炭
化水素系のシクロペンタンを使用して形成した硬質ポリ
ウレタンフォームを用いて、軽量で、かつ、断熱性,圧
縮強度,寸法安定性に優れた断熱箱体を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡剤としてシク
ロペンタンを用いた硬質ポリウレタンフォームを用いた
断熱箱体および応用製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷蔵庫および冷凍庫の断熱部
には、軽量で、断熱性に優れた硬質ポリウレタンフォー
ムを用いている。硬質ポリウレタンフォームは、通常ポ
リオール成分とイソシアネート成分とを、発泡剤,反応
触媒,整泡剤の存在下において反応させることによって
得られる。一般に、独立気泡を有する硬質ポリウレタン
フォームの製造においては、優れた断熱性を有するもの
を生産性良く得るために、上記発泡剤として、ガスの熱
伝導率が極めて小さく、低沸点で、かつ常温で液体であ
り、不燃性で低毒性である等の優れた特性を持つトリク
ロロモノフルオロメタンが、用いられてきた。なお、こ
の種の硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する従
来技術としては、例えば、特開昭59−84913 号公報等が
挙げられる。
【0003】発泡剤として使用されてきたトリクロロモ
ノフルオロメタンは、難分解性のCFC[クロロ フル
オロ カーボン(Chloro Fluoro Carbons)の略で、炭化
水素のクロロフルオロ完全置換体]の一つである。この
種の難分解性のCFCが大気中に放出されると、成層圏
におけるオゾン層破壊や温室効果による地表の温度上昇
が生じるとされ、近年世界的な環境汚染問題となってい
る。このため、段階的にこれらの難分解性のCFCの生
産量および消費量が規制され、代替品の選択が世界的に
進められてきた。
【0004】これまでに、代替発泡剤として易分解性の
HCFC[ハイドロ クロロ フルオロ カーボン(Hyd
ro Chloro Fluoro Carbons)]である1,1−ジクロロ
−1−モノフルオロエタンが検討され、これを用いた硬
質ポリウレタンフォームが実用化された。しかし、HC
FCはオゾン破壊係数が0でないことから規制対象とな
っており、現時点では2020年に全廃予定である。し
たがって、オゾン層を破壊しない発泡剤の開発が必要と
なってきている。
【0005】オゾン層を破壊する物質は揮発性が高く、
分子中に臭素または塩素を含み、さらに大気中の寿命が
長いものである。従って、フロン規制に対応したノンフ
ロン発泡剤の候補としては、水,HFC[ハイドロ フ
ルオロ カーボン(HydroFluoro Carbon)],炭化水素
等を挙げることができる。しかし、水を単独で発泡剤と
して用いる場合、気泡を形成するのは化学反応で生成す
る二酸化炭素であるが、この二酸化炭素の熱伝導率が高
く、高性能断熱材としての実用化は難しい。一方、HF
C系の化合物は毒性データが少ないこと、供給体制が確
立されていない等、現時点では問題点が多い。したがっ
て、ノンフロン発泡剤としては、オゾン層破壊係数が0
の炭化水素系化合物の中で、ガスの熱伝導率が低く、硬
質ポリウレタンフォームの発泡に適した沸点を持つシク
ロペンタンが主流となりつつある。シクロペンタンを単
独で発泡剤として用いた場合、フォームの圧縮強度や低
温寸法安定性が劣ることから、通常、シクロペンタン発
泡剤は少量の水と組み合わせて用いられる。
【0006】一方、ノンフロン断熱材の候補として、空
隙が連通構造を持つコア材とゲッター剤とを容器に詰
め、該容器内部を脱気した後密封して作製される真空断
熱材を挙げることができる。しかし、真空断熱材は、断
熱性能は非常に高いが、現状では硬質ポリウレタンフォ
ームと比べて重い。また、真空断熱材単体では、冷蔵庫
箱体のような断熱箱体の強度を保持できないことから、
硬質ポリウレタンフォームと組み合わせて用いられるの
が普通である。したがって、真空断熱材と硬質ポリウレ
タンフォームとで充填して形成される断熱システムは、
硬質ポリウレタンフォームと比べて重くなるのが現状で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した硬質ポリウレ
タンフォームの発泡において、ノンフロン発泡剤として
用いられるシクロペンタンは、1,1−ジクロロ−1−
モノフルオロエタンと比べてガスの熱伝導率が高く、常
温での蒸気圧が低い。このため、シクロペンタンで発泡
した硬質ポリウレタンフォームは、1,1−ジクロロ−
1−モノフルオロエタンで発泡した場合と比べて、熱伝
導率が高く、圧縮強度,寸法安定性が低くなる。
【0008】したがって、シクロペンタンで発泡した硬
質ポリウレタンフォームを断熱箱体に用いる際に、1,
1−ジクロロ−1−モノフルオロエタンで発泡した硬質
ポリウレタンフォームを用いた場合と同等の断熱性、お
よび圧縮強度,寸法安定性を得るためには、断熱部を厚
くし、フォーム密度を高くしなければならず、断熱箱体
が重くなる,断熱箱体の容積効率が低くなる等の問題が
あった。
【0009】本発明の目的は、発泡剤としてシクロペン
タンを用いて、軽量で、かつ、断熱性,圧縮強度,寸法
安定性に優れた断熱箱体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の本発明の目的は、
発泡剤として水およびシクロペンタンを用い、ポリオー
ル成分とイソシアネート成分とを、反応触媒,整泡剤の
存在下において反応させて得られる硬質ポリウレタンフ
ォームにおいて、形成された硬質ポリウレタンフォーム
の密度がパネル発泡密度で35kg/m3 以下で、かつ、
熱伝導率が18.5mW/m・K 以下である硬質ポリウ
レタンフォームを用いて断熱部を形成することによって
達成される。
【0011】さらに、空気中、70℃あるいは−20℃
で24時間放置したときの寸法変化率が2%以下、圧縮
強度が0.1MPa 以上であることを特徴とする硬質ポ
リウレタンフォームを用いて断熱部を形成することによ
り達成される。
【0012】特に、該ポリオール成分が、(A)トリレ
ンジアミンにプロピレンオキシドを付加して得られるO
H価350〜500のポリオール40〜60重量%、
(B)トリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを
付加して得られるOH価400〜850のポリオール1
0〜20重量%、(C)シュークローズにプロピレンオ
キシドを付加して得られるOH価350〜550のポリ
オール5〜15重量%、(D)ビスフェノールAにエチ
レンオキシドあるいはプロピレンオキシドを付加して得
られるOH価180〜300のポリオール5〜15重量
%を含む混合物からなり、かつ、該ポリオール混合物の
平均OH価が350〜550であるポリオール成分を用
いて、該ポリオール混合物と反応させるイソシアネート
中のイソシアネート基を31〜33重量%とし、発泡剤
として、該ポリオール混合物100重量部に対して1〜
2重量部の水と15〜20重量部のシクロペンタンを組
み合わせて使用し形成した硬質ポリウレタンフォームを
用いることにより、発泡剤として水およびシクロペンタ
ンを用いても、軽量で、かつ、断熱性,圧縮強度,寸法
安定性に優れた断熱箱体を得ることができる。
【0013】なお、ここでOH価とは、試料1gから得
られるアセチル化物に結合している酢酸を中和するのに
必要な水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)である。
【0014】本発明は、上述のとおり、発泡剤として水
およびシクロペンタンを用い、ポリオール成分とイソシ
アネート成分とを、反応触媒,整泡剤の存在下において
反応させて得られる硬質ポリウレタンフォームにおい
て、形成された硬質ポリウレタンフォームのフォーム密
度が35kg/m3以下で、かつ、熱伝導率が18.5mW
/m・K以下である硬質ポリウレタンフォームを用い
て、軽量で、かつ、断熱性,圧縮強度,寸法安定性に優
れた断熱箱体を形成することを特徴とするものである。
【0015】さらに、ポリオール成分とイソシアネート
成分とを、発泡剤として水およびシクロペンタンを用
い、反応触媒,整泡剤の存在下において反応させて得ら
れる硬質ポリウレタンフォームにおいて、形成された硬
質ポリウレタンフォームのフォーム密度が35kg/m3
以下で、かつ、熱伝導率が18.5mW/m・K 以下で
あり、さらに、空気中で70℃あるいは−20℃で24
時間放置したときの寸法変化率が2%以下で、圧縮強度
が0.1MPa 以上である硬質ポリウレタンフォームを
用いて、軽量で、かつ、断熱性,圧縮強度,寸法安定性
に優れた断熱箱体を形成することを特徴とするものであ
る。
【0016】特に、特定の組成の混合ポリオール組成物
を用いて、かつ、発泡剤として特定量の水と、シクロペ
ンタンを組み合わせて使用し形成した硬質ポリウレタン
フォームを用いることにより、軽量で、かつ、断熱性,
圧縮強度,寸法安定性に優れた断熱箱体を得ることがで
きる。また、このように組成物を組み合わせて使用する
ことにより得られる硬質ポリウレタンフォームは、密度
がパネル発泡密度で35kg/m3 以下で、かつ、熱伝導
率が18.5mW/m・K 以下、特に断熱材料として好
ましい18.2mW/m・K 以下に保つことができる。
また、空気中で70℃あるいは−20℃で24時間放置
したときの寸法変化率が2%以下、圧縮強度が0.1M
Pa以上、特に冷蔵庫箱体材料として好ましい0.13
MPa以上に保つことができる。さらに脱型時間は6分
以下、特にプロセス上好ましい5分以下に保つことがで
きる。
【0017】本発明において、断熱箱体に使用する硬質
ポリウレタンフォームの原料の混合ポリオール組成物
は、上述のとおり、トリレンジアミンから得られるポリ
オール,トリメチロールプロパンから得られるポリオー
ル,シュークローズから得られるポリオール、およびビ
スフェノールAから得られるポリオールを含む混合物か
らなることが望ましい。
【0018】さらに、該ポリオール成分が、(A)トリ
レンジアミンにプロピレンオキシドを付加して得られる
OH価350〜500のポリオール40〜60重量%、
(B)トリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを
付加して得られるOH価400〜850のポリオール1
0〜20重量%、(C)シュークローズにプロピレンオ
キシドを付加して得られるOH価350〜550のポリ
オール5〜15重量%、(D)ビスフェノールAにエチ
レンオキシドあるいはプロピレンオキシドを付加して得
られるOH価180〜300のポリオール5〜15重量
%を含む混合物からなり、かつ、該ポリオール混合物の
平均OH価が350〜550であることが望ましい。
【0019】上記の混合ポリオール組成物において、各
ポリオール成分の役割は、以下のような作用効果を有し
ているものと考えられる。
【0020】(A)成分は、熱伝導率の保持に有効、
(B)成分は、気泡の微細化に有効、(C)成分は、熱
伝導率の改善や、低温寸法安定性の向上に有効、(D)
成分は、低温寸法安定性,圧縮強度および脱型性の向上
に有効、また、混合ポリオール組成物の平均OH価は、
350を下回ると低温寸法安定性が低下し、550を越
えるとフォームがもろくなり、いずれも製品の不良とな
り生産性が低下する。このため、OH価は350〜55
0であることが安定した硬質ポリウレタンフォームを製
造するうえで好ましい。
【0021】本発明の硬質ポリウレタンフォームは、上
記ポリオール成分を基本原料として、発泡剤,反応触媒
および整泡剤の存在下でイソシアネートと反応させて得
られるものである。
【0022】発泡剤としては、本発明ではポリオール成
分100重量部に対して1〜2重量部の水を使用するこ
とが必要であり、さらに、シクロペンタンを組み合わせ
て使用し、ポリオール100重量部に対して15〜20
重量部使用する。なお、ポリオール成分100重量部に
対する水の使用量が1重量部を下回ると圧縮強度や低温
寸法安定性が劣り、また2重量部を越えると熱伝導率が
著しく低下するため、いずれの場合も本発明の目的は達
成されない。したがって、前述の通り、ポリオール成分
100重量部に対して1〜2重量部の水を使用すること
が重要であり、特に1.2〜1.8重量部の水を使用する
ことが好ましい。
【0023】本発明に用いられる反応触媒としては、た
とえばテトラメチルヘキサメチレンジアミン,トリメチ
ルアミノエチルピペラジン,ペンタメチルジエチレント
リアミン,トリエチレンジアミン等を代表とする、第3
級アミンを使用することができる。また、これらと有機
スズ化合物等を併用しても良い。反応触媒の量は、ポリ
オール成分100重量部あたり、1〜7重量部、好まし
くは2〜5重量部使用される。
【0024】さらに整泡剤としては、通常用いられてい
る有機シリコーン系化合物,フッ素系化合物などが使用
でき、ポリオール成分100重量部あたり、0.5〜1
0 重量部、好ましくは1.5〜3重量部使用される。
【0025】また、イソシアネートとしては、トリレン
ジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシネート,
ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート等を代表とする芳香族系
あるいは脂肪族系の多官能イソシアネート、ならびにウ
レタン変成トリレンジイソシアネート,カルボジイミド
変成ジフェニルメタンジイソシネート等を代表とする変
成イソシアネートを使用することができる。これらの多
官能イソシアネートは、単独で、または2種類以上の混
合物として用いることができる。なお、イソシアネート
の特性として、下式(1)で定義されるイソシアネート
中のイソシアネート基の重量%(NCO%)を挙げるこ
とができる。
【0026】 NCO%=([NCO]×f(iso)/Mw(iso))×100 (1) ここで、[NCO]はイソシアネート基の分子量、f(i
so)はイソシアネート基の官能基数、Mw(iso)はイソ
シアネートの分子量を表す。イソシアネートのNCO%
は、31を下回ると流動性が低下し33を越えると低温
寸法安定性が低下する。このため、NCO%は31〜3
3であることが安定した硬質ポリウレタンフォームを製
造する上で好ましい。
【0027】本発明の硬質ポリウレタンフォームは、ワ
ンショット法,準プレポリマー法,プレポリマー法,ス
プレー法、その他種々の周知の方法によって製造するこ
とができる。その中でも、ワンショット法が好ましく用
いられる。
【0028】また、ポリウレタンフォームの発泡は、当
業界で用いられている通常の発泡機で行えば良く、たと
えばプロマート社製PU−30型発泡機が用いられる。
発泡条件は、発泡機の種類によって多少異なるが、通
常、液温18〜30℃,吐出圧力80〜150kg/c
m2 ,吐出量15〜30kg/min ,型の温度は35〜4
5℃が好ましく、さらに好ましくは、液温20℃,吐出
圧力100kg/cm2 ,吐出量25kg/min 、型の温度は
40℃である。
【0029】このようにして得られた硬質ポリウレタン
フォームは、密度がパネル発泡密度で35kg/m3 以下
で、かつ、熱伝導率が18.5mW/m・K 以下、特に
断熱材料として好ましい18.2mW/m・K 以下に保
つことができる。また、空気中で70℃あるいは−20
℃で24時間放置したときの寸法変化率が2%以下、圧
縮強度が0.1MPa以上、特に冷蔵庫箱体材料として
好ましい0.13MPa以上に保つことができる。さら
に脱型時間は6分以下、特にプロセス上好ましい5分以
下に保つことができる。このため、該硬質ポリウレタン
フォームを用いた断熱箱体は、軽量で、かつ、断熱性に
優れ、さらに圧縮強度,寸法安定性が高い。このため、
該硬質ポリウレタンフォームを用いて作製した断熱箱体
は、軽量で、かつ、断熱性,圧縮強度,寸法安定性に優
れている。さらに、真空断熱材と硬質ポリウレタンフォ
ームとで充填して形成される断熱システムに用いた場
合、断熱性,機械的強度を低下させることなく、断熱シ
ステムを軽量化することができる。
【0030】したがって、特に冷蔵庫等の断熱材として
極めて優れており、さらにその他の電気機械器具,構造
建築物や車両等の断熱材あるいは断熱成型品として有効
に使用することができる。さらにまた、これら断熱材と
しての用途のほか、比重が小さく、かつ硬質であること
を利用して、漁業用ブイ、その他の浮力材としても有効
に使用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を比較例と
対比しながら、さらに詳細に説明する。なお、実施例の
説明の中で特にことわりのない限り、「部」および
「%」は重量による。
【0032】〔実施例1〜6〕 〔比較例1〜3〕平均OH価が350〜550の混合ポ
リオール成分100重量部(ただし、POはプロピレン
オキシド、EOはエチレンオキシドを示す)を用いて、
発泡剤として、水とシクロペンタン(日本ゼオン社
製)、反応触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジア
ミン(花王社製)1.5 部とペンタメチルジエチレント
リアミン(花王社製)0.8 部とを、整泡剤として有機
シリコーン化合物(商品名:SZ−1671、日本ユニ
カー社製)2部,イソシアネート成分としてポリメチレ
ンポリフェニルジイソシアネート(NCO%=31)を
使用し、発泡し硬質ポリウレタンフォームを作製した。
結果を表1に示す。なお、表1の各特性は次のようにし
て調べた。
【0033】
【表1】
【0034】パネル発泡密度:内寸法400W(幅)×
600L(長さ)×35T(厚さ)mmの材質がアルミ製
金型の中で発泡した場合の密度(kg/cm3 ) 熱伝導率:200W×200L×35Tmmのパネルフォ
ームを栄弘精機社製auto−Λ(HC−071H)を用
い、平均温度10.0℃で測定した。
【0035】圧縮強度:50φ(直径)×35Tmmのフ
ォームを10%圧縮したときの強度。
【0036】寸法変化率:400W×600L×35T
mmのパネルフォームを、空気中、70℃あるいは−20
℃で24時間放置したときの厚さ寸法の変化率。
【0037】脱型時間:注入開始から脱型までの時間。
【0038】比較例1に示すように、ポリオール成分が
本発明の範囲を外れたのでは、目的とする断熱箱体を得
るのに必要な硬質ポリウレタンフォームの物性は得られ
ない。すなわち、比較例1のように、主成分のトリレン
ジアミンにプロピレンオキシドを付加して得られるポリ
オールのOH価が400よりも小さい場合、作製した硬
質ポリウレタンフォームの熱伝導率が高くなることがわ
かる。
【0039】実施例1〜6に示すように、本発明のポリ
オール混合物を使用し、かつ、発泡剤として特定量の水
と、シクロペンタンを使用することで、熱伝導率が1
8.0〜18.5mW/m・Kと低く、パネル発泡密度も
35.0kg/cm3 以下であり、さらに圧縮強度,低温寸
法変化率,脱型時間等も優れた特性を示すことがわかっ
た。特に、実施例3に示す組成で発泡した硬質ポリウレ
タンフォームが熱伝導率が18.0mW/m・Kと低
く、パネル発泡密度34.5kg/cm3 であり、圧縮強
度,低温寸法安定性,脱型性のバランスが良いことがわ
かる。
【0040】しかし、比較例2および3に示すように、
ポリオール成分が本発明の範囲内であっても、水の使用
量が本発明の有効な1.0〜2.0部の範囲を外れたので
は目的とする物性は得られない。すなわち、ポリオール
成分100部に対する水の使用量が1.0部に満たない
0.5部の比較例2においては、圧縮強度が0.08MPa
と低く、低温寸法変化率が−1.5%と大きい。また、
水の使用量が2.0部以上の3.0部の比較例3において
は、熱伝導率が19.5mW/m・Kと著しく大きくな
り、ともに好ましくないことがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明は、
発泡剤として、オゾン層破壊係数が0である炭化水素系
のシクロペンタンを使用して形成した硬質ポリウレタン
フォームを用いて、軽量で、かつ、断熱性,圧縮強度,
寸法安定性に優れた断熱箱体を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 邦成 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部栃木本部内 (72)発明者 福田 克美 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部栃木本部内 (72)発明者 田中 孝介 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部栃木本部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡剤として水およびシクロペンタンを用
    い、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、反応触
    媒,整泡剤の存在下において反応させて得られる硬質ポ
    リウレタンフォームにおいて、形成された硬質ポリウレ
    タンフォームのフォーム密度が35kg/m3 以下で、か
    つ、熱伝導率が18.5mW/m・K 以下である硬質ポ
    リウレタンフォームを用いたことを特徴とする断熱箱
    体。
  2. 【請求項2】発泡剤として水およびシクロペンタンを用
    い、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、反応触
    媒,整泡剤の存在下において反応させて得られる硬質ポ
    リウレタンフォームにおいて、形成された硬質ポリウレ
    タンフォームのフォーム密度が35kg/m3 以下で、か
    つ、熱伝導率が18.5mW/m・K 以下であり、さら
    に、空気中で70℃あるいは−20℃で24時間放置し
    たときの寸法変化率が2%以下で、圧縮強度が0.1M
    Pa 以上である硬質ポリウレタンフォームを用いたこ
    とを特徴とする断熱箱体。
  3. 【請求項3】発泡剤として水およびシクロペンタンを用
    い、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、反応触
    媒,整泡剤の存在下において反応させて得られる硬質ポ
    リウレタンフォームにおいて、形成された硬質ポリウレ
    タンフォームのフォーム密度が35kg/m3 以下で、か
    つ、熱伝導率が18.5mW/m・K 以下であり、さら
    に、空気中で70℃あるいは−20℃で24時間放置し
    たときの寸法変化率が2%以下で、圧縮強度が0.1M
    Pa 以上である硬質ポリウレタンフォームを用いて断
    熱部を構成したことを特徴とする冷凍庫および冷蔵庫。
  4. 【請求項4】発泡剤として水およびシクロペンタンを用
    い、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、反応触
    媒,整泡剤の存在下において反応させて得られる硬質ポ
    リウレタンフォームにおいて、該ポリオール成分の原料
    が、トリレンジアミン,トリメチロールプロパン,シュ
    ークローズ、およびビスフェノールAであるポリオール
    を含む混合物からなり、発泡剤として、該ポリオール混
    合物100重量部に対して1〜2重量部の水と15〜2
    0重量部のシクロペンタンを組み合わせて使用し形成し
    た硬質ポリウレタンフォームを用いたことを特徴とする
    断熱箱体。
  5. 【請求項5】発泡剤として水およびシクロペンタンを用
    い、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、反応触
    媒,整泡剤の存在下において反応させて得られる硬質ポ
    リウレタンフォームにおいて、該ポリオール成分の原料
    が、トリレンジアミン,トリメチロールプロパン,シュ
    ークローズ、およびビスフェノールAであるポリオール
    を含む混合物からなり、発泡剤として、該ポリオール混
    合物100重量部に対して1〜2重量部の水と15〜2
    0重量部のシクロペンタンを組み合わせて使用し形成し
    た硬質ポリウレタンフォームを用いて断熱部を構成した
    ことを特徴とする冷凍庫および冷蔵庫。
  6. 【請求項6】発泡剤として水およびシクロペンタンを用
    い、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、反応触
    媒,整泡剤の存在下において反応させて得られる硬質ポ
    リウレタンフォームにおいて、該ポリオール成分が、
    (A)トリレンジアミンにプロピレンオキシドを付加し
    て得られるOH価350〜500のポリオール40〜6
    0重量%、(B)トリメチロールプロパンにプロピレン
    オキシドを付加して得られるOH価400〜850のポ
    リオール10〜20重量%、(C)シュークローズにプ
    ロピレンオキシドを付加して得られるOH価350〜5
    50のポリオール5〜15重量%、(D)ビスフェノー
    ルAにエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドを
    付加して得られるOH価180〜300のポリオール5
    〜15重量%を含む混合物からなり、かつ、該ポリオー
    ル混合物の平均OH価が350〜550であるポリオー
    ル成分を用いて、該ポリオール混合物と反応させるイソ
    シアネート中のイソシアネート基を31〜33重量%と
    し、発泡剤として、該ポリオール混合物100重量部に
    対して1〜2重量部の水と15〜20重量部のシクロペ
    ンタンを組み合わせて使用し形成した硬質ポリウレタン
    フォームを用いたことを特徴とする断熱箱体。
  7. 【請求項7】発泡剤として水およびシクロペンタンを用
    い、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、反応触
    媒,整泡剤の存在下において反応させて得られる硬質ポ
    リウレタンフォームにおいて、該ポリオール成分が、
    (A)トリレンジアミンにプロピレンオキシドを付加し
    て得られるOH価350〜500のポリオール40〜6
    0重量%、(B)トリメチロールプロパンにプロピレン
    オキシドを付加して得られるOH価400〜850のポ
    リオール10〜20重量%、(C)シュークローズにプ
    ロピレンオキシドを付加して得られるOH価350〜5
    50のポリオール5〜15重量%、(D)ビスフェノー
    ルAにエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドを
    付加して得られるOH価180〜300のポリオール5
    〜15重量%を含む混合物からなり、かつ、該ポリオー
    ル混合物の平均OH価が350〜550であるポリオー
    ル成分を用いて、該ポリオール混合物と反応させるイソ
    シアネート中のイソシアネート基を31〜33重量%と
    し、発泡剤として、該ポリオール混合物100重量部に
    対して1〜2重量部の水と15〜20重量部のシクロペ
    ンタンを組み合わせて使用し形成した硬質ポリウレタン
    フォームを用いて断熱部を構成したことを特徴とする冷
    凍庫および冷蔵庫。
  8. 【請求項8】空隙が連通構造を持つコア材とゲッター剤
    とを容器に詰め、該容器内部を少なくとも300Pa以
    下に脱気した後密封した真空断熱材と、発泡剤として水
    およびシクロペンタンを用い、ポリオール成分とイソシ
    アネート成分とを、反応触媒,整泡剤の存在下において
    反応させて得られる硬質ポリウレタンフォームとで充填
    した断熱システムにおいて、該硬質ポリウレタンフォー
    ムとして、形成された硬質ポリウレタンフォームのフォ
    ーム密度が35kg/m3 以下で、かつ、熱伝導率が1
    8.5mW/m・K以下であり、さらに、空気中で70
    ℃あるいは−20℃で24時間放置したときの寸法変化
    率が2%以下で、圧縮強度が0.1MPa以上である硬
    質ポリウレタンフォームを用いたことを特徴とする断熱
    システム。
  9. 【請求項9】空隙が連通構造を持つコア材とゲッター剤
    とを容器に詰め、該容器内部を少なくとも300Pa以
    下に脱気した後密封した真空断熱材と、発泡剤として水
    およびシクロペンタンを用い、ポリオール成分とイソシ
    アネート成分とを、反応触媒,整泡剤の存在下において
    反応させて得られる硬質ポリウレタンフォームとで充填
    した断熱システムにおいて、該硬質ポリウレタンフォー
    ムとして、形成された硬質ポリウレタンフォームのフォ
    ーム密度が35kg/m3 以下で、かつ、熱伝導率が1
    8.5mW/m・K以下であり、さらに、空気中で70
    ℃あるいは−20℃で24時間放置したときの寸法変化
    率が2%以下で、圧縮強度が0.1MPa以上である硬
    質ポリウレタンフォームを用いた断熱システムにより断
    熱部を構成したことを特徴とする冷凍庫および冷蔵庫。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010051304A (ko) * 1999-10-29 2001-06-25 가나이 쓰토무 경질 폴레우레탄 폼 및 이를 사용한 냉장고
CN103665295A (zh) * 2012-09-21 2014-03-26 上海东大聚氨酯有限公司 组合聚醚、原料组合物、聚氨酯泡沫及其制备方法和用途
WO2014109216A1 (ja) * 2013-01-09 2014-07-17 東洋ゴム工業株式会社 ポリウレタンフォームパネル
CN115181240A (zh) * 2022-08-03 2022-10-14 福建冠翔日用塑料制品有限公司 一种耐磨隔热的聚氨酯硬质泡沫塑料及其制备方法

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