JPH07102104A - 硬質ポリウレタンフォームを使用した断熱箱体 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームを使用した断熱箱体

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JPH07102104A
JPH07102104A JP5245564A JP24556493A JPH07102104A JP H07102104 A JPH07102104 A JP H07102104A JP 5245564 A JP5245564 A JP 5245564A JP 24556493 A JP24556493 A JP 24556493A JP H07102104 A JPH07102104 A JP H07102104A
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JP
Japan
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fluorocarbon
weight
polyol
rigid polyurethane
polyurethane foam
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Application number
JP5245564A
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English (en)
Inventor
Ryoji Ogoshi
良二 大越
Koichi Tomuro
浩一 戸室
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Thermal Insulation (AREA)
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 規制フロンを使用することなく、特にフルオ
ロカーボンを混ぜた発泡剤を使用して断熱性や接着性に
優れた断熱箱体を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の断熱箱体の硬質ポリウレタンフォー
ムは、ポリオールの開始剤が、脂肪族系で平均官能基数
2〜4のもの20〜70重量部、平均官能基数3〜5の
もの15〜60重量部、及び芳香族アミン系で平均官能
基数3〜5のもの65重量部以下の混合物であり、この
混合物にアルキレンオキサイドを付加して得られる水酸
基価350〜500mgKOH/gのポリオールを使用
し、発泡剤としてモノクロロジフルオロメタン(R−2
2)と1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−1
42b)とフルオロカーボン(FC)の混合物であって
その混合比がモノクロロジフルオロメタン33重量%以
上でかつフルオロカーボン5重量%以下のものを、ポリ
オール100重量部当り、5〜55重量部使用して発泡
成形されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫やショーケース
等に使用される断熱箱体に係わり、特に硬質ウレタンフ
ォームの製造に使用される発泡剤として規制フロンを使
用しない断熱箱体を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷蔵庫等を構成する断熱箱体
は、例えば(I)実公昭60−11430号公報等に示さ
れる如く、外箱と内箱との間に、ポリオール成分とイソ
シアネート成分とを発泡剤の存在下で反応させて成る硬
質ポリウレタンフォームを充填して形成される。ここ
で、硬質ポリウレタンフォームは、通常、ポリオール成
分とイソシアネート成分とを、発泡剤、反応触媒、及び
整泡剤の存在下において反応させることにより得られ
る。また、独立気泡を有する硬質ポリウレタンフォーム
は、断熱性に優れかつ生産性良く得られることを考慮し
て、上記の発泡剤としては、ガスの熱伝導率が極めて小
さく、また低沸点でかつ常温で液体であり、不燃性、低
毒性である等優れた特性を有するトリクロロモノフルオ
ロメタン(R−11)が常用されている((II)特開昭6
2−81414号参照)。
【0003】一方、オゾン破壊係数(ODP)が0であ
るフルオロカーボン(FC)を発泡剤として使用する技
術が(III)特開昭52−59358号公報に開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の(I)(II)で示さ
れる硬質ポリウレタンフォームには、以下に述べるよう
な問題があり、早急なる対応策が要望されている。即
ち、上記従来技術で発泡剤として常用されているトリク
ロロモノフルオロメタン(R−11)は、難分解性CF
C(Chloro Fluoro Carbonの略、
炭化水素のクロロフルオロ置換体)の一つであり、この
種の難分解性CFCが大気中に放出されると成層圏にお
けるオゾン層への悪影響や温室効果による地表温度上昇
が生じるとされ、近年世界的な環境汚染問題となり、こ
れらの難分解性CFCの生産及び消費を規制する動きが
高まっている。このため、代替品の選択が世界的に進め
られており、発泡剤としては例えば易分解性CFCであ
る1,1−ジクロロ−2,2,2トリフルオロエタン
(R−123)が最も有望な候補としてあがった。
【0005】しかし、上述のR−123は、従来のR−
11に比べ、ガスの熱伝導率が約10%大きいことか
ら、硬質ポリウレタンフォームに使用した場合、断熱性
が1割程度劣るという欠点がある。また、R−123は
R−11に比べて沸点が高いことから、R−11を使用
するときと同じ温度下での反応性が遅くなり、圧縮強度
や寸法安定性の低下、更には脱型時間が長くなる等の物
性低下を生じる不具合がある。
【0006】このため、規制外の冷媒(フロン)であっ
てかつ沸点が低く、ある程度の断熱性が期待できる発泡
剤としてクロロジフルオロメタン(R−22)と1−ク
ロロ−1,1−ジフルオロエタン(R−142b)の混
合物による発泡技術の研究が始めらている。しかし、こ
の混合冷媒による発泡は、従来のR−11を使った発泡
に比べてポリエーテルポリオールへの混合性が悪く、フ
ォーミング時にガスが飛散してしまい易く、ウレタンフ
ォームの断熱性が悪くなりやすいという問題がある。即
ち、斯るポリウレタンフォームの熱伝導率は、現在のと
ころ0.0165kcal/mh℃(23.8℃平均温
度)程度であり、例えば、庫内温度を−20℃程度に維
持する必要がある冷凍機器には放熱が大きく実用化でき
ないものであった。
【0007】一方、上述の(III)に示されるフルオロカ
ーボン(FC)は、世界温暖化係数(GWP)が大きい
ことからこのFCを単独の発泡剤として使用することは
断念されていた。しかしながら、規制外フロン[例えば
1,1−ジクロロ−2,2,2トリフルオロエタン(R
−123)や1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
(R−141b)]にこのフルオロカーボン(FC)を
混合して発泡剤に使用することにより熱伝導率が小さく
なることが報じられている。その理由は解明されていな
いが、R−123やR−142b等はPPGに溶解しや
すいのでフォーム形成後のウレタン樹脂内に(化学的に
分子配列の中に)浸透していること、及びFCはポリエ
ーテルの主原料であるポリプロピレングリコール(PP
G)に溶解せずしかもウレタン樹脂内にも浸透しないこ
とから、断熱材中の泡の大きさ(以下セル径という)が
微細になるためと考えられる。しかし、PPGに溶解し
ないFCはウレタン発泡の工程上、扱いが面倒である。
【0008】そこで本発明では、規制フロンを使用する
ことなく、特にフルオロカーボンを混ぜた発泡剤を使用
して断熱性や接着性に優れた断熱箱体を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の断熱箱体は、外
箱と内箱との間に、ポリオールとイソシアネートとを発
泡剤の存在下で反応させて成る硬質ポリウレタンフォー
ムを充填しているものであって、前記発泡剤が1,1−
ジクロロ−2,2,2トリフルオロエタン(R−12
3)とフルオロカーボン(FC)の混合物であってその
混合比がフルオロカーボン5重量%以下に設定されたも
のである。
【0010】請求項2の断熱箱体は、発泡剤が1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタンとフルオロカーボンの混
合物であってその混合比がフルオロカーボン5重量%以
下に設定されたものである。
【0011】請求項3の断熱箱体は、発泡剤がモノクロ
ロジフルオロメタンとフルオロカーボンの混合物であっ
てその混合比がフルオロカーボン5重量%以下に設定さ
れたものである。
【0012】請求項4の断熱箱体の硬質ポリウレタンフ
ォームは、ポリオールの開始剤が、脂肪族系で平均官能
基数2〜4のもの20〜70重量部、平均官能基数3〜
5のもの15〜60重量部、及び芳香族アミン系で平均
官能基数3〜5のもの65重量部以下の混合物であり、
この混合物にアルキレンオキサイドを付加して得られる
水酸基価350〜500mgKOH/gのポリオールを
使用し、発泡剤としてモノクロロジフルオロメタン(R
−22)と1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R
−142b)とフルオロカーボン(FC)の混合物であ
ってその混合比がモノクロロジフルオロメタン33重量
%以上でかつフルオロカーボン5重量%以下のものを、
ポリオール100重量部当り、5〜55重量部使用して
発泡成形されているものである。
【0013】
【作用】本発明の請求項1の断熱箱体は、発泡剤が1,
1−ジクロロ−2,2,2トリルオロエタン(R−12
3)とフルオロカーボン(FC)の混合物であってその
混合比がフルオロカーボン5重量%以下に設定されたも
のであるから、R−123を単独で使用したときの断熱
特性よりも5%程度向上させることができるうえ、PP
Gに溶解しやすいR−123にFCが混ざっているので
扱いにくかったFCを利用しても既存の(特にR−12
3用の)発泡機がそのまま適用できる。
【0014】請求項2の断熱箱体は、発泡剤が1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141b)とフル
オロカーボンの混合物であってその混合比がフルオロカ
ーボン5重量%以下に設定されたものであるから、R−
141bを単独で使用したときの断熱特性を5%程度向
上させることができるうえ、PPGに溶解しやすいR−
141bにFCが極少量混ざっているだけなので扱いに
くかったFCを利用しても既存の発泡機がそのまま適用
できる。
【0015】請求項3の断熱箱体は、発泡剤がモノクロ
ロジフルオロメタンとフルオロカーボンの混合物であっ
てその混合比がフルオロカーボン5重量%以下に設定さ
れたものであるから、R−22を単独で使用したときの
断熱特性よりも5%程度向上させることができるうえ、
PPGに溶解しやすいR−22にFCが極少量混ざって
いるだけなので扱いにくかったFCを利用しても既存の
(特にR−22用の)発泡機がそのまま適用できる。
【0016】請求項4の断熱箱体は、ポリオールに特殊
混合物を使用し、発泡剤としてモノクロロジフルオロメ
タンと1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンとフルオ
ロカーボンの混合物であってその混合比がモノクロロジ
フルオロメタン33重量%以上でかつフルオロカーボン
5重量%以下に設定されているものであるから、接着性
に優れた硬質ポリウレタンフォームを形成でき、発泡剤
にクロロジフルオロメタンと1−クロロ−1,1−ジフ
ルオロエタンの混合物を使用したものよりも断熱性の面
で5%程度向上する。
【0017】
【実施例】一般に、硬質ポリウレタンフォームの発泡の
反応式は以下の通りである。 R−OH + R´−NCO → R−NH−COOR
´ ここで、 R−OH:ポリエーテルポリオール R´−NCO:イソシアネート R−NH−COOR´:硬質ポリウレタン
【0018】従来は、発泡剤としてR−11を使用して
ポリエーテルポリオールを希釈しポリエーテルポリオー
ルの粘度を下げると共に、ポリエーテルポリオールとイ
ソシアネートとの反応熱を利用してR−11をガス化し
てフォームに封じ込めることにより、硬質ポリウレタン
フォームを成形するものであった。
【0019】これに対し、本発明ではR−11を含めた
規制フロンは一切使わず、発泡剤としてモノクロロジフ
ルオロメタン(R−22)と1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン(R−142b)とフルオロカーボン(F
C)の混合物であってその混合比がモノクロロジフルオ
ロメタン33重量%以上でかつフルオロカーボン5重量
%以下に設定されており、ポリエーテルポリオールの開
始剤に、脂肪族系で平均官能基数2〜4のもの20〜7
0重量部、平均官能基数3〜5のもの15〜60重量
部、及び芳香族アミン系で平均官能基数3〜5のもの6
5重量部以下の混合物であり、この開始剤混合物にアル
キレンオキサイドを付加して得られる水酸基価350〜
500mgKOH/gのポリオールを使用し、発泡剤と
して上記混合物を、ポリオール100重量部当り、5〜
55重量部使用して発泡成形したものである。
【0020】フルオロカーボン(FC)としては、住友
スリーエム(株)製品のC5F12(以下C5系という)、C
6F14(以下C6系という)、C8F18(以下C8系とい
う)等があり、それぞれの沸点及び熱伝導度(25℃)
の関係からC5系若しくはC6系が望ましい。因みにそれ
ぞれの沸点及び熱伝導度(cal/cm・sec・℃)は、C5系が
30℃,0.00013cal/cm・sec・℃で、C6系が56℃,0.00014
cal/cm・sec・℃で、C8系が102℃,0.00015cal/cm・sec・
℃である。
【0021】モノクロロジフルオロメタン(R22)
は、沸点−41℃、蒸気熱伝導率0.0091Kcal
/mhr℃、21℃での蒸気圧9.5Kg/cm2、不
燃性ガスの特徴を持ち、1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン(R142b)は、沸点−9℃、蒸気熱伝導率
0.0095Kcal/mhr℃、21℃での蒸気圧
3.1Kg/cm2、可燃性ガスの特徴を持っている。
【0022】一方、硬質ポリウレタンフォームの原料の
具体例は、以下のとおりである。 ポリオール:ショ糖と、ペンタエリスリトールと、トル
エンジアミンと、グリセリンとを4:2:2:2の割合
で混合した開始剤の混合液にプロピレンオキサイドを付
加して得られた水酸基価450mgKOH/gのポリオ
ール イソシアネート:コスモネートM−200 三井東圧化
学(株)製品 ポリメックMDI NCO 31.3% 有機ポリイソシアネートとしては、公知のものがすべて
使用できるが、最も一般的なのはトルエンジイソシアネ
ート(TDI)及びジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)である。TDIは異性体の混合物、即ち2,
4−体100%品、2,4−体/2,6−体=80/2
0,65/35(それぞれ重合比)等はもちろん、商品
名三井コスモネートTRC、武田薬品のタケネート40
40等として知られる多官能性のタールを含有する所謂
粗TDIも使用できる。また、MDIとしては、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナートを主成分とす
る純品の他に、3核体以上の多角体を含有する商品名三
井コスモネートM−200、武田薬品のミリオネートM
R等のポリメックMDIが使用できる。尚、有機ポリイ
ソシアネートと後述のレジン液中の活性水素のNCO/
H(活性水素)=0.70〜5.00(当量比)が特に
好適である。
【0023】触媒:花王(株)製品 カオライザーN
O.1(テトラメチルヘキサメチレンジアミン) 触媒としては、上記の他トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のア
ミン系ウレタン化触媒が使用できる。これらの触媒は、
単独で又は混合して用いることができ、その使用量は活
性水素を持つ化合物100部に対して0.0001〜1
0.0部が適当である。
【0024】整泡剤:日本ユニカー(株)製品 SZ−
1653 整泡剤としては、公知の有機珪素界面活性剤が用いら
れ、上記の他に例えば、日本ユニカー(株)製のL−5
420、SZ−1645、信越化学工業(株)製のF−
343、F−348等が適当である。この整泡剤の使用
量は、活性水素を持つ化合物と有機ポリイソシアネート
の総和100に対して0.1〜10部である。その他、
難燃剤、可塑剤、安定剤、着色剤を必要に応じて添加す
る。
【0025】そして、上記したポリエーテルポリオール
と触媒と整泡剤と水と発泡剤を密閉容器に所定量作り、
高圧発泡機に密閉状態で移液してレジンとした。レジン
及び有機ポリイソシアネート(コスモネートM−20
0)の液を20℃に調整し、高圧発泡機の吐出量を30
Kg/分とし、下述する所定の割合でレジンと有機ポリ
イソシアネートの発泡液を箱体(金属製外箱とABS樹
脂製内箱)内の空間に注入し、7分後に脱型した。
【0026】ここで、上記配合物の配合比は、ポリエー
テルポリオールを100とした場合に、イソシアネート
(コスモネートM−200)が、125、触媒が4.
0、整泡剤が1.5、水が0.4、R−22が12、R
−142bが16.5、FCが1.5重量部である。
【0027】得られた硬質ポリウレタンフォームは、熱
伝導率が0.0138kcal/mh℃(23.8℃平
均温度)、フリー発泡密度が27.2kg/m3、反応
性が40秒、低温寸法安定性がmax−0.5%(−3
0℃、48時間の寸法変化)、脱型時間が7分程度、接
着性は良好であった。従って、以上の実施例により、本
発明の処方で得られる硬質ポリウレタンフォームは、従
来のR−11を多量使用したものに比べて、一般特性を
損なうことなく、略同等の優れた寸法安定性、断熱性能
及び接着性を示すことが判った。
【0028】詳述すれば、本実施例の硬質ポリウレタン
フォームは、ポリエーテルポリオールに分子量数及び官
能基数の異なる最低3種のポリエーテルポリオール開始
剤を使用することにより、各ポリエーテルポリオール開
始剤の特性の利点である低粘度、高い接着性を発揮しつ
つ、欠点である発泡剤の飛散ロスや反応速度の遅延を相
互に補うことができる。また、発泡剤としてクロロジフ
ルオロメタン(R−22)と1−クロロ−1,1−ジフ
ルオロエタン(R−142b)とフルオロカーボン(F
C)の混合物を使用することにより、熱伝導率が0.0
145kcal/mh℃に比べて5%程度向上した0.
0138kcal/mh℃(23.8℃平均温度)とい
う高断熱性能の硬質ポリウレタンフォームを有する断熱
箱体が得られる。このため、規制フロンを使用すること
なく、環境保護に寄与できると共に、整泡剤や難燃剤等
の他の助剤は従来のものをそのまま使用することがで
き、しかも、従来既存の発泡機をそのまま使用して発泡
成形することができる。加えて、発泡機の管理液温は、
従来の20℃程度から25〜30℃又はそれ以上でも使
用することが可能となり、一層の低粘度化や触媒の使用
量削減効果が得られる。
【0029】また、上記硬質ポリウレタンフォームを発
泡する場合に、断熱箱体を構成する内箱と外箱の間に発
泡注入することにより、断熱性や強度に優れ、しかも規
制冷媒はもとより規制外冷媒さえも使用することなく、
断熱箱体を形成することができ、フロンの消費量が多か
った冷蔵庫等の製品に応用することができる。
【0030】また発泡剤としての混合比がモノクロロジ
フルオロメタン33重量%以上でかつフルオロカーボン
5重量%以下のものを、ポリオール100重量部当り、
5〜55重量部使用することにより、1−クロロ−1,
1−ジフルオロエタンを不燃域に保ちつつ、モノクロロ
ジフルオロメタン及びフルオロカーボンの取扱を容易化
できる。即ち、R−22に比してR−142bの割合を
多くすることにより、ガスエージング性が一層良好とな
り、断熱箱体の面材(金属製外箱とABS樹脂製内箱と
の双方)に対するシール材が簡略化できる。また、ポリ
エーテルポリオールに上記の混合物を採用したので、各
々の良い特性部分を利用することができ、特殊な触媒を
使用せずに反応速度の制御を行うことができる。
【0031】最後に、脂肪族系で平均官能基数2〜4の
ポリオール開始剤により、1−クロロ−1,1−ジフル
オロエタン(R−142b)のレジン液中での溶解性を
向上することができる。上記低官能基数のポリオール開
始剤の混入により反応性が低下するという問題がある
が、平均官能基数3〜5のポリオール開始剤及び芳香族
アミン系で平均官能基数3〜5のポリオール開始剤によ
り、反応性を向上してセル径を小さくすることにより断
熱性を向上でき、又、分子構造の緻密化により樹脂強度
を向上することができ、−30℃時でのフォームシュリ
ンクの発生を防止して低温寸法安定性を向上できると共
に、70℃時のガス抜けを抑制してシュリンクの発生を
防ぎ、ガスエージング性を改善できる。
【0032】ここで、脂肪族系で平均官能基数2〜4の
開始剤が20部未満であると、ポリオールの粘度及び活
性が強くなり、70部を越えると寸法安定性及び断熱性
能が悪化し、いずれも実用的でない。平均官能基数6〜
8のポリオール開始剤が15部未満であると、寸法安定
性が悪化し、60部を越えると断熱性能が悪化し、いず
れも実用的でない。芳香族アミン系で平均官能基数3〜
5の開始剤が65部を越えると接着性が悪化し、実用的
でない。ポリオールの水酸基価が、350mgKOH/
g未満であると、寸法安定性が著しく悪化し、500m
gKOH/gを越えると接着性及びイソシアネートとの
相溶性が悪化し、いずれも実用的でない。高圧ガス規制
法、取扱いの容易さを考えた場合、R142bを単独で
使用することが望ましいが、R142bは可燃性ガスで
あるため、既設の設備の大幅な変更が必要となる。そこ
で、R142bとR22を所定割合で混合することによ
り、R142bを不燃域に維持することができる。即
ち、混合発泡剤中のR22が35重量%未満であると、
不燃域が維持されず実用的でない。また、混合発泡剤の
使用量が、ポリオール100部当り、5部未満であると
効果がなく、55部を越えると寸法安定性が悪化し、い
ずれも実用的でない。
【0033】以上の発泡剤の他の実施例としては、PP
Gに溶解しやすい冷媒[例えばR−22、1,1−ジク
ロロ−2,2,2トリフルオロエタン(R−123)、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141
b)のいずれか一つ]に対してフルオロカーボン(F
C)が0.1〜5.0重量%以下になるように混合した
ものを用いてもよい。これらの各実施例によれば、混合
するフルオロカーボンの存在によって、冷媒単独で発泡
剤に使用したときの熱伝導度に比べてその熱伝導度が若
干(約5%程度)向上することが確認された。これは混
合比に比例(相当)するものと判断される。しかも、ポ
リプロピレングリコール(PPG)に溶解しないフルオ
ロカーボン(FC)をPPGに溶解しやすい冷媒に混合
させて使用することから、FC単独で使用する場合に比
してその取り扱いが極めて簡単に行える。
【0034】因みに、1,1−ジクロロ−2,2,2ト
リフルオロエタン(R−123)は、沸点27.7℃、
蒸気熱伝導率0.0087Kcal/mhr℃、飽和蒸
気圧0.9Kg/cm2、不燃性ガスの特徴を持ち、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141
b)は、沸点32.2℃、蒸気熱伝導率0.0090K
cal/mhr℃、飽和蒸気圧0.8Kg/cm2、不
燃性ガスの特徴を持っている。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1の断熱箱
体によれば、発泡剤が1,1−ジクロロ−2,2,2ト
リフルオロエタン(R−123)とフルオロカーボン
(FC)の混合物であってその混合比がフルオロカーボ
ン5重量%以下に設定されたものであるから、R−12
3を単独で使用したときの断熱特性よりも5%程度向上
させることができるうえ、PPGに溶解しやすいR−1
23にFCが混ざっているので扱いにくかったFCを利
用しても既存の(特にR−123用の)発泡機がそのま
ま適用できる。
【0036】請求項2の断熱箱体によれば、発泡剤が
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141
b)とフルオロカーボンの混合物であってその混合比が
フルオロカーボン5重量%以下に設定されたものである
から、R−141bを単独で使用したときの断熱特性を
5%程度向上させることができるうえ、PPGに溶解し
やすいR−141bにFCが極少量混ざっているだけな
ので扱いにくかったFCを利用しても既存の発泡機がそ
のまま適用できる。
【0037】請求項3の断熱箱体によれば、発泡剤がモ
ノクロロジフルオロメタンとフルオロカーボンの混合物
であってその混合比がフルオロカーボン5重量%以下に
設定されたものであるから、R−22を単独で使用した
ときの断熱特性よりも5%程度向上させることができる
うえ、PPGに溶解しやすいR−22にFCが極少量混
ざっているだけなので扱いにくかったFCを利用しても
既存の(特にR−22用の)発泡機がそのまま適用でき
る。
【0038】請求項4の断熱箱体によれば、ポリオール
に特殊混合物を使用し、発泡剤としてモノクロロジフル
オロメタンと1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンと
フルオロカーボンの混合物であってその混合比がモノク
ロロジフルオロメタン33重量%以上でかつフルオロカ
ーボン5重量%以下に設定されているものであるから、
接着性に優れた硬質ポリウレタンフォームを形成でき、
発泡剤にクロロジフルオロメタンと1−クロロ−1,1
−ジフルオロエタンの混合物を使用したものよりも断熱
性の面で5%程度向上する。このため、規制フロンを使
用することなく、環境保護に寄与できると共に、整泡剤
や難燃剤等の他の助剤は従来のものをそのまま使用する
ことができ、しかも、従来既存の発泡機をそのまま使用
して発泡成形することができる。また、上記硬質ポリウ
レタンフォームを発泡する場合に、断熱箱体を構成する
内箱と外箱の間に発泡注入することにより、断熱性や強
度に優れ、しかも規制冷媒はもとより規制外冷媒さえも
使用することなく、断熱箱体を形成することができ、フ
ロンの消費量が多かった冷蔵庫等の製品に応用すること
がてきる。さらに、発泡剤として使用する冷媒は両者と
も低沸点冷媒なので、発泡時に生ずるウレタン特有の反
応熱を抑制することができ、脱型時間を短縮できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 101:00) C08L 75:04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外箱と内箱との間に、ポリオールとイソ
    シアネートとを発泡剤の存在下で反応させて成る硬質ポ
    リウレタンフォームを充填している断熱箱体であって、
    前記発泡剤が1,1−ジクロロ−2,2,2トリフルオ
    ロエタンとフルオロカーボンの混合物であってその混合
    比がフルオロカーボン5重量%以下であることを特徴と
    する硬質ポリウレタンフォームを使用した断熱箱体。
  2. 【請求項2】 外箱と内箱との間に、ポリオールとイソ
    シアネートとを発泡剤の存在下で反応させて成る硬質ポ
    リウレタンフォームを充填している断熱箱体であって、
    前記発泡剤が1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンと
    フルオロカーボンの混合物であってその混合比がフルオ
    ロカーボン5重量%以下であることを特徴とする硬質ポ
    リウレタンフォームを使用した断熱箱体。
  3. 【請求項3】 外箱と内箱との間に、ポリオールとイソ
    シアネートとを発泡剤の存在下で反応させて成る硬質ポ
    リウレタンフォームを充填している断熱箱体であって、
    前記発泡剤がモノクロロジフルオロメタンとフルオロカ
    ーボンの混合物であってその混合比がフルオロカーボン
    5重量%以下であることを特徴とする硬質ポリウレタン
    フォームを使用した断熱箱体。
  4. 【請求項4】 外箱と内箱との間に、ポリオールとイソ
    シアネートとを発泡剤の存在下で反応させて成る硬質ポ
    リウレタンフォームを充填している断熱箱体であって、
    前記硬質ポリウレタンフォームは、前記ポリオールの開
    始剤が、脂肪族系で平均官能基数2〜4のもの20〜7
    0重量部、平均官能基数3〜5のもの15〜60重量
    部、及び芳香族アミン系で平均官能基数3〜5のもの6
    5重量部以下の混合物であり、この混合物にアルキレン
    オキサイドを付加して得られる水酸基価350〜500
    mgKOH/gのポリオールを使用し、発泡剤としてモ
    ノクロロジフルオロメタンと1,1−ジクロロ−1−フ
    ルオロエタンとフルオロカーボンの混合物であってその
    混合比がモノクロロジフルオロメタン33重量%以上で
    かつフルオロカーボン5重量%以下のものを、ポリオー
    ル100重量部当り、5〜55重量部使用して発泡成形
    されていることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム
    を使用した断熱箱体。
JP5245564A 1993-09-30 1993-09-30 硬質ポリウレタンフォームを使用した断熱箱体 Pending JPH07102104A (ja)

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