JP2011063655A - 難燃性ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた断熱性を有し、しかも、衝撃を受けた後も、高い難燃性が維持される難燃性ポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】平均気泡径が0.01〜0.2mmであり、連続気泡率が80%以上の硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物が付着してなる、難燃性ポリウレタンフォーム。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性ポリウレタンフォームに関し、特に硬質ポリウレタンフォームを使用した難燃性ポリウレタンフォームに関する。
硬質ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性能、施工性等から、冷蔵庫、冷凍庫、建築材料、自動車等の車両、等における断熱材或いは軽量構造材として広範囲に利用されている。そして、通常、かかる断熱材や軽量構造材においては難燃性が要求されることから、ポリウレタンフォームは、通常、難燃剤によって変性されなければならない。
従来一般の硬質ポリウレタンフォームは独立気泡構造であるため、難燃性を付与するには、水酸化アルミニウムや三酸化アンチモン等の無機化合物を原料中に配合する方法、リン酸トリス(クロロエチル)、リン酸トリス(クロロイソプロピル)およびリン酸トリス(2,3−ジクロロイソプロピル)等の有機リン系難燃剤を原料中に配合する方法がよく知られている。しかし、無機化合物等の固体の難燃剤を使用する場合、計量に関する技術的な問題が生じ、発泡系の変更、すなわち複雑な再構成および適応措置が必要とされることが多い。また、有機リン系難燃剤は、原料系に配合が容易であり、現在多く使用されているが、高いレベルの難燃性、いわゆる不燃性まで要求される用途については、添加量を増やすことによる発泡工程への影響が生じるため、添加量を増やすことが困難であり、使用されていない。
一方、独立気泡構造の硬質ポリウレタンフォームは、高温下において、気泡内ガス圧と発泡構造の強度とのバランスがくずれ、ポリウレタンフォームの寸法安定性が低下するという欠点があり、かかる欠点を解消するために、連続気泡構造の硬質ポリウレタンフォームが提案されている(例えば、特許文献1等)。かかる連続気泡構造の硬質ポリウレタンフォームの場合、軟質ポリウレタンフォームと同様に後加工、すなわち、難燃剤を含む薬液をフォームに含浸させ、乾燥することで難燃性を付与することができる。高い難燃性を得るために、難燃剤をフォームに充分量付着させるには、ポリウレタンフォームの気泡径をある程度大きくする必要があるが、気泡径を大きくすると硬質ポリウレタンフォーム本来の断熱性が低下してしまうという問題がある。また、本発明者等の見出したところによれば、処理後に充分量の難燃剤が付着していても、フォームの運搬や梱包作業、或いは、寸法調整のためのフォームの切断作業等でのフォームに加わる衝撃により、難燃剤がフォームから脱落し、充分に満足できる難燃性が得られないことが分かった。
特公平7−21035号公報 特開平8−157551号公報 特開2004−360900号公報 特許第3160510号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、優れた断熱性を有し、しかも、衝撃を受けた後も、高い難燃性が維持される難燃性ポリウレタンフォームを提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、難燃剤としてホウ素化合物を使用し、ホウ素化合物水溶液を、微細な気泡の硬質ポリウレタンフォームに含浸させることで、乾燥後にポリウレタンフォームに付着したホウ素化合物がポリウレタンフォームが衝撃を受けても脱落しにくいものとなることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)平均気泡径が0.01〜0.2mmであり、連続気泡率が80%以上の硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物が付着してなる、難燃性ポリウレタンフォーム。
(2)ホウ素化合物が、ホウ酸及びホウ砂を含むものである、上記(1)記載の難燃性ポリウレタンフォーム。
(3)上記(1)又は(2)記載の難燃性ポリウレタンフォームの少なくとも片面に、シート状面材を積層してなる断熱材。
(4)一対の対向内面を有する中空のパネル本体内に上記(3)記載の断熱材を収容してなる断熱パネル。
本発明によれば、優れた断熱性と高い難燃性(不燃性)を有し、衝撃を受けた後も、高い難燃性(不燃性)が維持される、高耐久性の難燃性ポリウレタンフォームを得ることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
本発明は、平均気泡径が0.01〜0.2mmであり、連続気泡率が80%以上の硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物が付着してなる、難燃性ポリウレタンフォームであり、かかる構成によって、優れた耐熱性と高い難燃性を有し、しかも、難燃剤であるホウ素化合物がフォームが衝撃を受けても脱離しにくいため、衝撃を受けた後も高い難燃性が維持される、高耐久性の難燃性ポリウレタンフォームを実現している。
[硬質ポリウレタンフォーム]
本発明で使用する硬質ポリウレタンフォームは、平均気泡径が0.01〜0.2mmであり、かつ、連続気泡率が80%以上の硬質ポリウレタンフォームである。なお、当該ポリウレタンフォームの平均気泡径が0.01〜0.2mmという気泡が微細化された状態は、軟質ポリウレタンフォームの構造を示すときに通常使用されるセル数(JISK6400−1:2004附属書)、すなわち1インチ(25mm)の長さ(直線)当たりのセル数で表すと、概ね150〜1500個/25mm程度に相当する。従って、本発明で使用する硬質ポリウレタンフォームは、セル数が150〜1500個/25mmであり、連続気泡率が80%以上の硬質ポリウレタンフォームとも定義することができる。
本発明の難燃性ポリウレタンフォームは、後述のとおり、基材である硬質ポリウレタンフォームに難燃剤であるホウ素化合物を含浸加工することで作製される。従って、硬質ポリウレタンフォームは、断熱性及びホウ素化合物含有薬液の含浸性の点から、80%以上の連続気泡率を有することが必要であり、連続気泡率は好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、とりわけ好ましくは95〜100%である。連続気泡率が80%未満では、ホウ素化合物の付着量が不足し、難燃性能が低下する傾向となる。
一般に連続気泡構造の硬質ポリウレタンフォームに難燃剤(無機化合物)を含浸加工する場合、難燃剤(無機化合物)を含む薬液の含浸性の点からは、気泡径は大きいほうが好ましい。また、フォームへの難燃剤(無機化合物)の付着力の点からは難燃剤(無機化合物)とバインダー樹脂を含む薬液を含浸させ、乾燥する処理が一般的である。これに対し、本発明では、平均気泡径が0.01〜0.2mm(セル数が150〜1500個/25mm)という微細な気泡の連続気泡構造からなる硬質ポリウレタンフォームであり、通常含浸加工としては用いないウレタンフォームを使用していながら、後述の特定の含浸方法の採用により、バインダー樹脂等を使用せずに、充分量のホウ素化合物を硬質ポリウレタンフォームに付着させることができ、しかも、付着したホウ素化合物は、硬質ポリウレタンフォームの気泡が平均気泡径が0.01〜0.2mm(セル数が150〜1500個/25mm)という微細な気泡であることから、フォームが衝撃を受けても脱落しにくく、その結果、高耐久性の難燃性ポリウレタンフォームを実現することができる。また、バインダー樹脂を使用していないため、バインダー樹脂による悪影響(例えば、難燃性能の低下、含浸性能の低下)を受けることもない。なお、難燃性能に問題ない範囲でバインダーを使用することは差し支えない。
硬質ポリウレタンフォームにおける平均気泡径が0.01mm未満の場合(セル数が1500個/25mmを超える場合)、ホウ素化合物を充分量付着させることが困難になる。一方、平均気泡径が0.2mmを超える場合(セル数が150個/25mm未満場合)、ホウ素化合物の付着量をより増大させることができるが、フォームが衝撃を受けたときに、フォームからのホウ素化合物の脱落が顕著になり、充分に高い難燃性を示さなくなってしまう。また、フォームの断熱効果も低下してしまう。
本発明において、硬質ポリウレタンフォームの好ましい平均気泡径は0.05〜0.15mmであり、特に好ましい平均気泡径は0.07〜0.12mmである。また、好ましいセル数は200〜700個/25mmであり、特に好ましくは250〜500個/25mmである。
本発明で使用する硬質ポリウレタンフォームの密度は特に限定はされないが、断熱パネルとしての使用に耐えうる強度・重量を必要とする観点から、35〜80kg/mが好ましく、45〜60kg/mが特に好ましい。
本発明で使用する硬質ポリウレタンフォームの厚みは、目的の難燃性ポリウレタンフォームの用途によっても異なるが、通常、8〜100mm程度の範囲から選択される。なお、含浸加工性の観点からは、8〜50mm程度が均一性を出すうえで好ましい。
本発明で使用する硬質ポリウレタンフォームは、特公平7−21035号公報(特許文献1)、特開平8−157551号公報(特許文献2)等に記載の公知方法で作製することができる。
具体的には、イソシアナート成分と活性水素成分とを反応触媒、主発泡剤、発泡助剤、整泡剤、乳化分散剤およびその他の助剤の存在下に反応させる。尚、発泡助剤は、他の成分の配合組成によっては、未使用でもよい。この際、活性水素成分100重量部に対し、主発泡剤として水を0.5重量部以上10重量部以下、発泡助剤としてパーフルオロカーボン類1重量部以上60重量部以下、整泡剤としてシリコーン系界面活性剤1重量部以上5重量部以下、乳化分散剤としてフッ素系界面活性剤0.5重量部以上20重量部以下を使用し、かつ、活性水素成分として、数平均分子量が3000以上10000未満で平均官能基数が2以上4以下である一種類以上のポリエーテルポリオールを全ポリエーテルポリオール中5〜30重量部含有させる。
活性水素成分と共に用いるイソシアナート成分としては、公知のものがすべて使用でき、最も一般的なものは、トルエンジイソシアナート(TDI)およびジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)である。TDIは、異性体の混合物も使用できる、すなわち2,4−体100%品、2,4−体/2,6−体=80/20,65/35(重量比)等や、多官能性のタールを含有するいわゆる粗TDIも使用できる。また、MDIとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートを主成分とする純品のほかに、3核体以上の多核体を含有する三井コスモネートM−200等のいわゆるポリメリックMDIが使用できる。また、これらイソシアナートの変性体も使用でき、変性剤としてモノアルキルエーテルモノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエーテルポリオール等が使用できる。中でも、MDI特に3核体以上の多核体を含有する三井コスモネートM−200のいわゆるポリメリックMDIが好適である。イソシアナート成分とポリエーテルポリオール、反応触媒、発泡剤、発泡助剤、整泡剤、乳化分散剤、およびその他の助剤の混合物中のイソシアナート基と反応し得る活性水素基との当量比は、NCO/OH(活性水素)=0.60以上、5.00以下が特に好適である。
反応触媒としては、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、アルキルイミダゾール等のアミン系ウレタン化反応触媒が使用でき、これらは、単独で、または混合して用いることができる。使用量は活性水素を有する化合物100重量部に対して0.0001重量部以上10.0重量部以下である。また、整泡剤としては、従来公知の有機珪素界面活性剤が用いられ、例えば、信越化学工業(株)製のF−343、F−345、F−347、F−348、F−350S等、東レ・ダウコーニング(株)製SH−190、SH−193、SF2936F、SF2945F、L−5420、L−5421、L−5340、SZ−1642、SZ−1923等が適当である。整泡剤の使用量は、活性水素成分100重量部に対して1重量部以上5重量部以下である。また、発泡助剤としては、住友スリーエム(株)製PF−5050(パーフルオロペンタン)、PF−5060(パーフルオロヘキサン)、PF−5070(パーフルオロヘプタン)、PF−5080(パーフルオロオクタン)、PF−5052(パーフルオロメチルモルフォリン)の1種類または2種類以上5種類以下の混合物が適当である。使用量は、活性水素成分100重量部に対して1重量部以上60重量部以下である。使用量が1重量部未満では、発泡助剤による気泡粒径の微細化作用が得られにくい場合があり、60重量部を超えるとフォームの密度低下を招き、強度不足となる。
乳化分散剤としては、住友スリーエム(株)製FC−430、FC−431等が適当である。これら乳化分散剤の使用量は、活性水素成分100重量部に対して0.5重量部以上20重量部以下である。使用量が0.5重量部未満であれば気泡粒径の微細化は達成されず、20重量部を超えるとフッ素含有量が増加し、密度が高くなる。その他、難燃剤、可塑剤、安定剤、着色剤等を必要に応じて添加することができる。
[ホウ素化合物]
本発明で使用するホウ素化合物は難燃剤として知られているホウ素化合物であれば特に制限なく使用することができるが、ホウ酸(オルトホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸(HBO2)、四ホウ酸(H2B4O7)等)、酸化ホウ素、ホウ酸塩、ホウ酸エステル、フェニルホウ酸及びボロキシン等から選ばれる1種または2種以上を使用するのが好ましい。中でも、難燃効果、硬質ポリウレタンフォームへの含浸付着性等の点から、ホウ酸及び/又はホウ酸塩がより好ましく、特に好ましくはホウ酸(オルトホウ酸(H3BO3))とホウ砂(Na2B4O5(OH)4・8H2O)の併用である。本発明におけるホウ素化合物は市販品を使用することができ、例えば、オルトホウ酸(H3BO3)とホウ砂(Na2B4O5(OH)4・8H2O)の混合物である「ファイアレスB」(トラストライフ社製)を挙げることができる。
本発明の難燃性ポリウレタンフォームにおいて、硬質ポリウレタンフォームへのホウ素化合物の付着量(固形分付着量)は、難燃性の点から、好ましくは50g/L以上であり、より好ましくは150g/L以上である。なお、付着量が300g/Lを超える場合、不燃性は十分クリアできるものの、均一な含浸加工が極めて難しくなってしまう。従って、その上限は300g/L以下が好ましい。特に好ましいホウ素化合物の付着量(固形分付着量)の範囲は、150〜250g/Lである。
[ホウ素化合物の付着加工]
本発明の難燃性ポリウレタンフォームにおいて、ホウ素化合物の硬質ポリウレタンフォームへの付着加工は、以下の[1]〜[3]のいずれかの方法で、硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物水溶液を含浸させた後、乾燥処理を施すことで行われる。
[1]真空包装体含浸法
ホウ素化合物濃度を10〜30重量%程度に調製した温度が85℃以上(好ましくは90℃〜99℃)のホウ素化合物の水溶液に、硬質ポリウレタンフォームを真空包装した真空包装体を浸漬し、該水溶液中で真空包装体を開封して約1〜10分程度保持することで、ホウ素化合物水溶液をフォーム内へ含浸させる。
なお、ここでいう「真空包装体」とは、硬質ポリウレタンフォームをガスバリアー性フィルムで包装後、包装体の内部を減圧して封止した包装体(内部の圧力は、0.01〜0.05Torr程度である)を意味する。
[2]加圧含浸法
ホウ素化合物濃度を10〜30重量%程度に調整した温度が常温(15〜25℃)のホウ素化合物の水溶液に硬質ポリウレタンフォームを浸漬し、加圧雰囲気下に1〜10分程度置くことで、ホウ素化合物をフォーム内へ含浸させる。ここで、加圧雰囲気とは、圧力が3000〜10000hPa程度の常温の雰囲気である。なお、含浸を促進させるために、加圧及び加熱雰囲気としてもよく、加圧及び加熱雰囲気としては、圧力が3000〜5000hPa程度で、温度が50〜80℃程度の雰囲気が好ましい。
[3]煮沸含浸法
ホウ素化合物濃度を10〜30重量%程度に調整した温度が85〜99℃程度のホウ素化合物の水溶液に硬質ポリウレタンフォームに浸漬し、ホウ素化合物水溶液を煮沸することで、ホウ素化合物をフォーム内へ含浸させる。なお、ここでの煮沸とは、ホウ素化合物水溶液を沸騰させ、その状態を1〜20分程度継続することである。
その他製造法として、前記[1]真空包装含浸法と同様の方法であるが、密閉容器に硬質ポリウレタンフォームをセットし、密閉後容器内部を、0.01〜0.1Torr程度の真空にした後に、ホウ素化合物濃度を10〜30重量%程度に調整したホウ素化合物水溶液を密閉容器内に注入し、含浸させる方法も採用できる。
ホウ素化合物水溶液を含浸させた硬質ポリウレタンフォームの乾燥処理は、通常、80〜120℃で、3〜8時間程度行う。かかる乾燥処理により、ホウ素化合物は硬質ポリウレタンフォームに付着担持される。
このようにして得られる本発明の難燃性ポリウレタンフォームは、微細な気泡の連続気泡構造からなる硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物が充分量(好ましくは50g/L以上、より好ましくは150g/L以上)付着し、高い難燃性を有するものとなる。しかも、フォームが衝撃を受けてもホウ素化合物は脱落しにくく、高耐久性の難燃性ポリウレタンフォームを達成する。
[断熱材及び断熱パネル]
本発明では、上記難燃性ポリウレタンフォームを、そのまま断熱材・断熱パネルパネルとして使用することもできるが、いわゆる硬質ウレタンサンドイッチパネル(例えば、倉敷紡績社製「クランパネル」、同「クランボード」等)において通常使用される面材、例えばクラフト紙面材、ポリエチレンコートクラフト面材、アルミ面材、ポリエチレンコートアルミ面材を難燃性ポリウレタンフォームの少なくとも片面に積層し、断熱材・断熱パネルとして使用しても良い。
また、本発明では、上記の断熱材を一対の対向内面を有する中空のパネル本体内に収容することで断熱パネルを提供することができる。
断熱パネルの製造は、通常、上記の断熱材がパネル本体内に収容し、さらに、発泡原液をパネル本体内に注入し、パネル本体内で発泡原液を発泡することで行われ、発泡原液の発泡により得られた発泡体がパネル本体内に充填されることでパネル本体と断熱材が一体化される。断熱パネルの製造方法については、特開2004−360900号公報(特許文献3)を参照することができる。
パネル本体は通常偏平ケースとふたからなり、偏平ケースは上面に形成された開口部を有する。ふたが偏平ケースの開口部に被せられ、偏平ケースの底面によって一対の対向内面のうちの一方の内面が形成され、ふたの内面によって一対の対向内面のうちの他方の内面が形成される。真空断熱材が偏平ケースの底面に沿って配置され、発泡体によって偏平ケース、断熱材およびふたが一体化される。なお、ここでの発泡体とは、硬質ウレタン発泡原液を偏平ケース内に注入し、発泡させたものである。
ふたは通常金属(ステンレス、アルミニウム等)製またはセラミック製であり、木製またはプラスチック製であってもよい。偏平ケースも通常金属(ステンレス、アルミニウム等)製またはセラミック製である。
なお、電線を介して温度制御装置に電気的に接続された面状発熱体をふたと断熱材間に配置し、偏平ケースの周壁に形成した切り欠き部から電線を外部に引き出し、この状態でふたをして、発泡体により、偏平ケース、断熱材、面状発熱体およびふたを一体化することで、面状発熱体を含む複合パネルとすることもできる。ここでいう面状発熱体とは、特許第3160510号公報(特許文献4)に記載されているところのもので、薄い電気皮膜からなる。
かかる複合パネルの場合、パネル外部の温度制御装置により面状発熱体を発熱させることで複合パネルに加熱および保温機能をもたせることができる。しかも、断熱材および発泡体によって断熱作用が得られ、面状発熱体の熱が逃げないので、その加熱および保温効果は高い。
本発明の難燃性ポリウレタンフォーム、断熱材及び断熱パネルは、冷蔵庫、冷凍庫、建築材料、車両(自動車、電車等)等における断熱材或いは軽量構造材として広範囲に利用することができる。
以下、実施例と比較例を示して本発明をより詳しく説明する。
実施例および比較例で使用した原料は次の通りである。
コスモネートM−200:三井化学(株)製のポリメリックMDI NCO31.3%
ポリエーテルポリオールA:三井化学(株)製の水酸基価33mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオールB:三井化学(株)製の水酸基価230mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオールC:三井化学(株)製の水酸基価560mgKOH/gのポリエーテルポリオールと、水酸基価450mgKOH/gのポリエーテルポリオールを75/25(重量比)で混合した数平均分子量350のポリエーテルポリオール。
発泡助剤:住友スリーエム(株) 製品PF−5060
乳化分散剤:住友スリーエム(株) 製品FC−430
整泡剤:東レ・ダウコーニング(株) 製品 SH−190
反応触媒:日本乳化剤(株) 製品 ミニコR−9000
硬質ポリウレタンフォームの諸特性値の測定条件は次の通りである。
平均気泡径(mm):特開平8−157551号公報に記載の方法に従って、CCD画像の分級解析により測定(難燃剤付着前の硬質ポリウレタンフォームで測定を行う)。
セル数(個/25mm):JIS K6400−1:2004付属書1(参考)(軟質ウレタンフォーム試験方法)に準拠。ただし、1mm巾にある気泡の数を測定し、その気泡数を25倍にして算出する(難燃剤付着前の硬質ポリウレタンフォームで測定を行う)。
連続気泡率:ASTM D−2856による(難燃剤付着前の硬質ポリウレタンフォームで測定を行う)。
密度:JIS K7222による(難燃剤付着前の硬質ポリウレタンフォームのコア部の密度を測定する)。
難燃剤付着量:含浸工程における乾燥後の重量変化から計算により求めた。なお、表1に記載する付着量は、後述するコンクリート床への落下衝撃(10回)を加えていない状態での付着量である。
実施例1〜4及び比較例1、2をまとめて表1に示す。表中の配合処方における数字は特に断るもの以外、重量部を表わす。
[硬質ポリウレタンフォーム]
表1に示したポリエーテルポリオール、反応触媒、発泡剤、発泡助剤、整泡剤、乳化分散剤を所定量混合調整し20℃に保った。上記混合液と予め20℃に調整しておいた所定量のイソシアナート成分を用い、ダブルコンベアを用いた通常の硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法に基づいて、厚み200mm、幅1000mm、長さ1000mmのブロック状硬質ポリウレタンフォームを作成した。得られた硬質ポリウレタンフォームの諸特性値は表1の通りである。
[難燃処理]
実施例1〜4及び比較例1については、難燃剤として、「ファイアレスBパウダー」(トラストライフ社製、ホウ酸(H3BO3)約44%とホウ砂(Na2B4O5(OH)4・8H2O)約56%の混合物)を使用し、下記の処理1又は処理2により、硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物を付着させた。また、比較例2については、難燃剤として、水酸化アルミニウムを使用し、下記の処理1と同様の方法により、硬質ポリウレタンフォームに水酸化アルミニウムを付着させた。
処理1:ブロック状硬質ウレタンフォームから切り出した、厚さ10mm×幅300mm×長さ300mmの平面形状が矩形の板状に加工した硬質ポリウレタンフォームをポリエチレンテレフタレートフィルム/アルミ箔/高密度ポリエチレンフィルムの3層構造のラミネートフィルムで包装した包装体の内部を真空度0.01Torrとなるように減圧し、ラミネートフィルムを封止して真空包装体を作製する。この真空包装体を「ファイアレスBパウダー」を23重量%溶解させた水溶液(90℃)の中に浸漬し、水溶液中で真空包装体を開封して、10分間保持する。この後、水溶液中からポリウレタンフォームを取り出し、110℃で4時間乾燥する。
処理2:「ファイアレスBパウダー」を30重量%溶解させた水溶液を、温度95℃に調整し、該水溶液に、ブロック状硬質ウレタンフォームから切り出した、厚さ10mm×幅300mm×長さ300mmの平面形状が矩形の板状に加工した硬質ポリウレタンフォームを浸漬し、約10分間煮沸する。この後、水溶液中からポリウレタンフォームを取り出し、110℃で4時間乾燥する。
なお、乾燥後において、実施例1の硬質ウレタンフォームについては、接着剤により両面にポリエチレンコートアルミ面材(300mm×300mm)を積層した。実施例2の硬質ウレタンフォームは実施例1の硬質ウレタンフォームと同じものであり、乾燥後にポリエチレンコートアルミ面材の接着を行っていないものである。
[難燃性評価試験]
難燃処理後の硬質ポリウレタンフォームをその長さ方向の軸線が鉛直方向と平行となるように向けて、1.5mの高さからコンクリート製の床面に10回落下させて衝撃を加え、かかる衝撃を加えた後の硬質ポリウレタンフォームをから厚さ10mm×幅100mm×長さ100mmのサンプルを切り出し、該サンプルについて、ISO5660 Part1に準拠して、コーンカロリー試験を行った。
試験装置:コーンカロリーメータIII 形式 C3
サンプル面積:0.008840m
加熱条件:輻射量 50kw/m、加熱時間 20分
合格判定基準:(1)総発熱量が8MJ/mを超えない。(2)200kW/mを超える発熱速度が10秒を超えて継続しない。(3)防火上有害な変形・溶融・き裂が生じない。
なお、本発明において、「難燃性」とは、硬質ポリウレタンフォームに難燃剤を付着させ、未付着のものより燃焼しにくくしたものをいい、「不燃性」とは、(1)総発熱量が8MJ/mを超えない、(2)200kW/mを超える発熱速度が10秒を超えて継続しない、(3)防火上有害な変形・溶融・き裂が生じない、という(1)〜(3)の条件を全て具備するものをいう。本発明の硬質ポリウレタンフォームであれば、難燃性のみならず、不燃性を達成する。
Figure 2011063655
表1の実施例2〜4から、本発明の難燃性ポリウレタンフォームは、微細気泡径の連続気泡構造からなる硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物が充分量付着し、フォームが衝撃を受けた後にも極めて高い難燃性(不燃性)を有しており、ホウ素化合物がポリウレタンフォームに高い付着力で保持されていることが分かる。また、実施例1からポリエチレンコートアルミ面材の積層によって、さらに難燃性に優れる断熱材を実現できることが分かる。一方、比較例1は連続気泡構造の硬質ポリウレタンフォームの気泡径が大きいものであり、難燃剤(ホウ素化合物)の付着量は実施例1〜4と同等でありながら、フォームが衝撃を受けた後の難燃性が実施例1〜4に比べて著しく低下しており、ホウ素化合物の付着保持性が悪いことが分かる。また、比較例2から難燃剤に水酸化アルミニウムした場合は、微細気泡径の連続気泡構造からなる硬質ポリウレタンフォームには少量しか付着させることができず、高い難燃性の難燃性ポリウレタンフォームを得ることができないことがわかる。
本発明の難燃性ポリウレタンフォームは、断熱性に優れるとともに、高い難燃性を有し(好ましくは不燃性を有し)、しかも、フォームが衝撃を受けても、その高い難燃性(不燃性)が持続する、耐久性を備える。従って、冷蔵庫、冷凍庫、建築材料、車両(自動車、電車等)等における断熱材或いは軽量構造材として好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 平均気泡径が0.01〜0.2mmであり、連続気泡率が80%以上の硬質ポリウレタンフォームにホウ素化合物が付着してなる、難燃性ポリウレタンフォーム。
  2. ホウ素化合物が、ホウ酸及びホウ砂を含むものである、請求項1に記載の難燃性ポリウレタンフォーム。
  3. 請求項1又は2に記載の難燃性ポリウレタンフォームの少なくとも片面に、シート状面材を積層してなる断熱材。
  4. 一対の対向内面を有する中空のパネル本体内に請求項3に記載の断熱材を収容してなる断熱パネル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012233039A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JP2018090816A (ja) * 2013-01-20 2018-06-14 積水化学工業株式会社 難燃性ウレタン樹脂組成物
CN114836023A (zh) * 2022-04-22 2022-08-02 福州大学 一种阻燃抗静电tpu复合材料

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