JP2012233039A - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】(A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
(C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部
を含有することを特徴とする深部硬化性に優れた室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【効果】本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、良好な速硬化性、深部硬化性、を有すると共に、硬化収縮が殆どないため、微小部品や寸法成型性が求められる用途に適している。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコーン系シーリング剤、接着剤、コーティング剤として有用な、硬化性、特には深部硬化性が良好な室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物により接着された物品に関するものである。
縮合硬化型の室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物については、従来、架橋剤を極限まで減量して加水分解による架橋速度を向上させた一液タイプのもの、架橋剤と硬化剤を別梱包とした二液タイプのものが知られている。しかし、一液タイプの前記組成物は、表面からの硬化速度が速いというだけであり、深部硬化には一定の時間が必要であり、速硬化性とは言い難い。二液タイプの前記組成物においては、深部硬化性は比較的優れているものの、二液混合する割合が1:1でないため取り扱いが面倒であり、また、自動混合機などに適合しにくいという欠点がある。更に、深部まで完全に硬化させるには架橋剤と硬化剤の添加量を厳密に規定するか、深部硬化剤として水を加えることが必要である。
しかし、縮合硬化型の場合、硬化時に発生するガスによる収縮が避けられない。一方、付加硬化型のオルガノポリシロキサン組成物においては、硬化時の収縮が極めて小さいものの、二液混合する割合が1:1であり、作業性に優れるが、通常、硬化には加熱炉が必要である。また付加毒の存在下で硬化触媒が被毒されるため、作業環境が限定されるという欠点がある。
これら課題の解決には、組成物の系内で水を発生させることが有効である。特許第2811134号公報(特許文献1)では、一分子中に少なくとも1個のC=O基を有する有機化合物と一分子中に少なくとも1個のNH2基を有する有機化合物のケチミン化反応で副生する水を深部硬化剤として使用することが提案されている。特許第2841155号公報(特許文献2)では、アルケノキシシランから発生するケトン化合物と第一級アミン化合物のケチミン化反応で副生する水を深部硬化剤として使用することが提案されている。特許第3121188号公報(特許文献3)では、βケトエステル化合物と一分子中に少なくとも1個のNH2基を有する有機化合物のマイケル付加反応により副生する水を深部硬化剤として使用することが提案されている。しかし、これらの組成物では二液を混合機により十分に撹拌混合することが必要であり、物品、特には微小な物品に少量の接着剤を適用する場合には塗布量制御、混合比率制御、作業性等に問題があった。
特開2002−338811号公報(特許文献4)では、分子内にアシルオキシ基を少なくとも2個有する加水分解性シラン又はその部分加水分解物の加水分解により生成するカルボン酸と無機質充填剤の中和反応により生成する水を深部硬化剤として使用することが提案されている。しかし、カルボン酸を生成する硬化型は金属腐食の問題からその応用範囲が非常に狭い。
特開2002−12767号公報(特許文献5)では、水分含有湿式シリカの配合により組成物に直接水分を供給し、深部硬化剤として使用することが提案されている。しかし、水分の直接供給を行うと硬化反応の速度的制御が困難となり、作業性の確保が非常に困難となる。
特許第2811134号公報 特許第2841155号公報 特許第3121188号公報 特開2002−338811号公報 特開2002−12767号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、硬化収縮の殆どない、速硬化性、深部硬化性に優れた室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物により接着された物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、各種添加剤を鋭意検討した結果、ポリホウ酸ナトリウムを適用することで、予想外にも、良好な速硬化性、深部硬化性が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びこの組成物により接着された物品を提供するものである。
請求項1:
(A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
(C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部
を含有することを特徴とする深部硬化性に優れた室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項2:
(A)成分を含有する第一液と(B)成分を含有する第二液を使用時に混合する二液形態である請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項3:
第一液に、(D)一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項4:
(B)ポリホウ酸ナトリウムが、ホウ酸とホウ砂とが質量比10/90〜90/10の割合で混合してなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項5:
請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物で基材を接着してなる物品。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、良好な速硬化性、深部硬化性、を有すると共に、硬化収縮が殆どないため、微小部品や寸法成型性が求められる用途に適している。
本発明の実施例における接着強度の測定方法を説明する概略図である。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明においては、下記(A)〜(C)成分、好ましくは(A)〜(D)成分を含有してなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いることができる。
(A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
(C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部、
好ましくは、(D)一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物:0.5〜30質量部。
[(A)成分]
(A)成分の分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンは、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するものである。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記一般式(1)又は(2)で表される分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンが用いられる。
(式中、Rは置換又は非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、Xは酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であり、bは2又は3であり、mはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000mPa・sとする数である。)
上記式中、Rの置換又は非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基、また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Xは、酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、二価炭化水素基としては、−(CH2p−(pは1〜8を表す)で表される。これらの中でも酸素原子、−CH2CH2−が好ましい。
Yは、上記ジオルガノポリシロキサンの分子鎖末端における加水分解性基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基、ビニロキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sが好ましく、より好ましくは300〜500,000mPa・s、特に好ましくは500〜100,000mPa・s、とりわけ1,000〜80,000mPa・sである。上記ジオルガノポリシロキサンの粘度が100mPa・s未満であると、物理的・機械的強度に優れた硬化物を得ることが困難となる場合があり、1,000,000mPa・sを超えると組成物の粘度が高くなりすぎて使用時における作業性が悪くなる場合がある。ここで、粘度は回転粘度計による数値である。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
(式中、m、R、Yは上記と同様であり、b’は0又は1である。)
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、1種単独でも構造や分子量の異なる2種以上を組み合わせても使用することができる。
[(B)成分]
(B)成分であるポリホウ酸ナトリウムは、本発明の組成物に硬化性を付与する必須成分である。特に限定されるものではないが、ホウ酸とホウ砂との混合物が好ましい。ホウ酸としてはH3BO3で表され、ホウ砂としては、例えばNa2[B45(OH)4]・8H2Oで表されるものが例示される。
ホウ酸とホウ砂の混合物の比率は、質量比10/90〜90/10、特に25/75〜75/25の範囲であることが好ましい。この範囲であると、硬化性がより優れたものとなる。
(B)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜70質量部、より好ましくは1〜50質量部である。(B)成分が0.1質量部未満では、十分な硬化性が得られず、逆に100質量部より多くすると、この組成物の硬化時における収縮率が大きくなり、この硬化物の弾性も低くなるので、0.1〜100質量部の範囲とする必要がある。
[(C)成分]
(C)成分の分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンは(A)成分の分子鎖両末端がトリアルキルシリル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンであり、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の希釈ポリマーである。(C)成分は、任意成分であり、(A)成分と共に第一液に含まれていても、(B)成分と共に第二液に含まれていても両方に含まれていてもよいが、少なくとも第二液に含まれることが好ましい。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、上記(A)成分の一般式(1)又は(2)で表される分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基をトリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基に置き換え封鎖された非反応性のジオルガノポリシロキサンが用いられる。好ましくは、両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンである。
(C)成分のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が10〜1,000,000mPa・sが好ましく、より好ましくは30〜100,000mPa・s、特に好ましくは50〜50,000mPa・s、とりわけ100〜20,000mPa・sである。上記ジオルガノポリシロキサンの粘度が10mPa・s未満であると粘度が低くなりすぎて、二液混合性が悪くなる場合があり、1,000,000mPa・sを超えると組成物の粘度が高くなりすぎて二液混合性、及び使用時における作業性が悪くなる場合がある。ここで、粘度は回転粘度計による数値である。
(C)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して0〜100質量部、好ましくは0〜80質量部、より好ましくは0〜70質量部である。(C)成分が100質量部より多い場合は、硬化物の弾性が低くなるので、0〜100質量部の範囲とする必要がある。なお、(C)成分の配合効果を得るためには、2質量部以上、特に5質量部以上配合することが好ましい。
[(D)成分]
(D)成分である一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物は、本発明の組成物を硬化させるために有用な成分であって、一分子中に珪素原子に結合する加水分解可能な基を少なくとも2個有することが必要とされる。このような有機珪素化合物としては、下記式で表されるシラン又はその部分加水分解縮合物を例示することができる。
aSiZ4-a
(式中、Rは前記と同様、Zは独立に加水分解性基であり、aは0〜2の整数である。)
上記加水分解性基(Z)としては、上記(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子鎖末端における水酸基以外の加水分解性基(Y)として挙げたものが同様に例示されるが、アルコキシ基、ケトオキシム基、イソプロペノキシ基が好ましく、特にケトオキシム基が好ましい。
この(D)成分であるシラン又はその部分加水分解縮合物は、分子中に前記したような加水分解可能な基を少なくとも2個有することが必須である他には特に制限はないが、好適には3個以上有することが好ましく、また、珪素原子には加水分解可能な基以外の基が結合していてもよく、更に、その分子構造はシラン又はシロキサン構造のいずれであってもよい。特に、シロキサン構造のものにあっては直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
上記の加水分解可能な基以外の基(R)は、置換又は非置換の炭素原子数1〜12、特に1〜8の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基が好ましい。
本発明の(D)成分である有機珪素化合物の具体例としては、例えば、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、プロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、3−クロロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジメチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(メチルイソプロピルケトキシム)シラン、トリ(シクロへキサノキシム)シラン等、及びこれらの部分加水分解縮合物が挙げられ、特にメチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、プロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジメチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(メチルイソプロピルケトキシム)シラン、トリ(シクロへキサノキシム)シランが好ましい。
これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(D)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部、特に好ましくは3〜15質量部である。(D)成分が0.5質量部未満では、この組成物への配合効果が不十分となることがあり、逆に30質量部より多くすると、この組成物の硬化時における収縮率が大きくなり、この硬化物の弾性も低くなることがある。
(D)成分を配合する場合は、(A)成分と共に第一液に配合することが好ましい。
[接着付与剤]
当業界で公知のアミン系シランカップリング剤も好適に使用される。具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、エチレンジアミノプロピルトリメトキシシラン、エチレンジアミノプロピルトリエトキシシラン、エチレンジアミノプロピルメチルジメトキシシラン、エチレンジアミノプロピルメチルジエトキシシラン、α−アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
一級アミノ基を有する有機化合物として有機アミンも適用可能であるが、その腐食性、臭気等の点から一級アミノ基を有するポリマー、オリゴマー、一級アミノ基を官能基として有するシランカップリング剤又はその部分加水分解物等であることが好ましい。その配合量は(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
[硬化促進剤]
本発明においては、従来公知の縮合反応触媒を使用することも有効であり、これらは1種を単独で使用しても2種以上の混合物として使用してもよい。
具体例としては、スズジオクトエート、ジメチルスズジバーサテート、ジブチルジメトキシスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジベンジルマレート、ジオクチルスズジラウレート、スズキレート等のスズ触媒、グアニジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)等の強塩基化合物及びそれらの基を有するアルコキシシラン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物等が例示される。その配合量は(A)成分100質量部に対して0.001〜20質量部、特に0.01〜10質量部が好ましい。
[その他の成分]
本発明の組成物において、上記成分以外に室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の添加剤として公知の添加剤を添加してもよい。例えば、充填剤としては、煙霧質シリカ、湿式シリカ、沈降性シリカ、炭酸カルシウム等の補強性充填剤、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属水酸化物、カーボンブラック、ガラスビーズ、ガラスバルーン、樹脂ビーズ、樹脂バルーンなどが挙げられる。これらの充填剤は表面処理されていなくても、公知の処理剤で表面処理されていてもよい。また、チキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としてイソパラフィン、架橋密度向上剤としてのトリメチルシロキシ単位とSiO2単位とからなる網状ポリシロキサン等も挙げられる。更に、必要に応じて、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、防かび剤、抗菌剤、ゴキブリ忌避剤、海洋生物忌避剤等の生理活性添加剤、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤を添加してもよい。
また必要に応じて、塗布性を向上させるためのトルエン、キシレン、溶剤揮発油、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、低沸点イソパラフィン等の有機溶剤、揮発性シラン、揮発性シロキサン等の希釈剤も同時に混合することができる。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、(A)成分を含む第一液と(B)成分を含む第二液との二液形態とし、使用時に第一液と第二液とを混合して使用することが好ましい。
(C)成分を配合する場合は、(A)成分及び/又は(B)成分に配合してもよいが、少なくとも(B)成分に配合することが好ましい。また、(D)成分を配合する場合は(A)成分に配合することが好ましい。接着付与剤、硬化促進剤等の添加剤は、第一液及び/又は第二液に添加することができる。
第一液と第二液の混合割合は、質量比で100:50〜100:150、特に100:70〜100:130で混合し、使用することが好ましい。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化収縮が小さいことから、微小な物品に少量の接着剤を適用する場合でも対応が可能となる。特に接着剤厚みが薄膜(250μm以下)である場合に速硬化性、深部硬化性、接着性が良好となる。
[組成物の用途]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、シーリング剤、接着剤、コーティング剤等に好適に用いられ、特に基材を良好に接着することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、粘度は回転粘度計により測定した25℃における値を示す。
[実施例1]
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン100質量部を用いた(組成物1−1)。
第二液
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・sのジメチルポリシロキサン95質量部、ポリホウ酸ナトリウム(ホウ酸とホウ砂の質量比44:56の混合物、商品名ソウファBパウダー)5質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物1−2)。
[実施例2]
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン50質量部、炭酸カルシウム50質量部、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン8質量部、ジブチル錫ジラウレート0.1質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物2−1)。
第二液
実施例1で調製した第二剤を使用した。
[評価方法]
円筒型ガラスシャーレ(サイズ、内径約30mm、深さ約20mm)に、第一液と第二液とを質量比1:1で混合した組成物を充填し、23℃,50%RHで24時間養生後の硬化状態を確認した。
全体を100とし、硬化している部分の体積を表示した。
[装置]
12段スタティックミキサー付き二連カートリッジに第一液と第二液を充填し、専用ガンで混合吐出した。
[実施例3]
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部、比表面積が120m2/gで表面がジメチルジクロロシランで処理された煙霧質シリカ10質量部、ビニルトリスイソプロペノキシシラン8質量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物3−1)。
第二液
実施例1で調製した第二液を使用した。
[実施例4]
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン50質量部、炭酸カルシウム50質量部、ビニルトリメトキシシラン8質量部、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)2質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物4−1)。
第二液
実施例1で調製した第二液を使用した。
[評価方法]
円筒型ガラスシャーレ(サイズ、内径約30mm、深さ約20mm)に、第一液と第二液とを質量比1:1で混合した組成物を充填し、23℃,50%RHで24時間養生後の硬化状態を確認した。
全体を100とし、硬化している部分の体積を表示した。
[実施例5,6]
第一液
実施例2で調製した第一液を使用した(組成物2−1)。
第二液
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・sのジメチルポリシロキサンと、上記ポリホウ酸ナトリウムを下記表の比率で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[評価方法]
円筒型ガラスシャーレ(サイズ、内径約30mm、深さ約20mm)に、第一液と第二液とを質量比1:1で混合した組成物を充填し、23℃,50%RHで24時間養生後の硬化状態を確認した。
全体を100とし、硬化している部分の体積を表示した。
[実施例7]
第一液
実施例2の組成物(2−1)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを1質量部加え均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物5−1)。
第二液
実施例1で調製した第二液を使用した。
[評価方法]
接着強度;
図1に示すように、アルミニウム板2(サイズ:25×50×1tmm、以下、アルミ−2という)に第一液と第二液とを質量比1:1で混合した実施例、比較例のオルガノポリシロキサン組成物3を塗布し、次いでアルミニウム板1,1’(サイズ:25×50×1tmm、以下、アルミ−1,アルミ−1’という)とを厚みが100μmになるように貼り合わせ、23℃,50%RHで24時間養生後にプッシュプルゲージ4にて接着強度を測定した。また、破断面の硬化性を下記の評価基準により確認した。
硬化状態;
貼り合わせたアルミ−1,アルミ−1’とアルミ−2の面積の合計を100%とし、硬化している面積を表示した。
1 アルミニウム板
1’ アルミニウム板
2 アルミニウム板
3 オルガノポリシロキサン組成物(硬化物)
4 プッシュプルゲージ

Claims (5)

  1. (A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
    (C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部
    を含有することを特徴とする深部硬化性に優れた室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (A)成分を含有する第一液と(B)成分を含有する第二液を使用時に混合する二液形態である請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. 第一液に、(D)一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. (B)ポリホウ酸ナトリウムが、ホウ酸とホウ砂とが質量比10/90〜90/10の割合で混合してなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物で基材を接着してなる物品。
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