JP2012233039A - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Abstract
(B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
(C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部
を含有することを特徴とする深部硬化性に優れた室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【効果】本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、良好な速硬化性、深部硬化性、を有すると共に、硬化収縮が殆どないため、微小部品や寸法成型性が求められる用途に適している。
【選択図】図1
Description
請求項1:
(A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
(C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部
を含有することを特徴とする深部硬化性に優れた室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項2:
(A)成分を含有する第一液と(B)成分を含有する第二液を使用時に混合する二液形態である請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項3:
第一液に、(D)一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項4:
(B)ポリホウ酸ナトリウムが、ホウ酸とホウ砂とが質量比10/90〜90/10の割合で混合してなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
請求項5:
請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物で基材を接着してなる物品。
本発明においては、下記(A)〜(C)成分、好ましくは(A)〜(D)成分を含有してなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いることができる。
(A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
(C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部、
好ましくは、(D)一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物:0.5〜30質量部。
(A)成分の分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンは、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するものである。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記一般式(1)又は(2)で表される分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンが用いられる。
(B)成分であるポリホウ酸ナトリウムは、本発明の組成物に硬化性を付与する必須成分である。特に限定されるものではないが、ホウ酸とホウ砂との混合物が好ましい。ホウ酸としてはH3BO3で表され、ホウ砂としては、例えばNa2[B4O5(OH)4]・8H2Oで表されるものが例示される。
ホウ酸とホウ砂の混合物の比率は、質量比10/90〜90/10、特に25/75〜75/25の範囲であることが好ましい。この範囲であると、硬化性がより優れたものとなる。
(C)成分の分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンは(A)成分の分子鎖両末端がトリアルキルシリル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンであり、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の希釈ポリマーである。(C)成分は、任意成分であり、(A)成分と共に第一液に含まれていても、(B)成分と共に第二液に含まれていても両方に含まれていてもよいが、少なくとも第二液に含まれることが好ましい。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、上記(A)成分の一般式(1)又は(2)で表される分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基をトリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基に置き換え封鎖された非反応性のジオルガノポリシロキサンが用いられる。好ましくは、両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンである。
(D)成分である一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物は、本発明の組成物を硬化させるために有用な成分であって、一分子中に珪素原子に結合する加水分解可能な基を少なくとも2個有することが必要とされる。このような有機珪素化合物としては、下記式で表されるシラン又はその部分加水分解縮合物を例示することができる。
RaSiZ4-a
(式中、Rは前記と同様、Zは独立に加水分解性基であり、aは0〜2の整数である。)
これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(D)成分を配合する場合は、(A)成分と共に第一液に配合することが好ましい。
当業界で公知のアミン系シランカップリング剤も好適に使用される。具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、エチレンジアミノプロピルトリメトキシシラン、エチレンジアミノプロピルトリエトキシシラン、エチレンジアミノプロピルメチルジメトキシシラン、エチレンジアミノプロピルメチルジエトキシシラン、α−アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
本発明においては、従来公知の縮合反応触媒を使用することも有効であり、これらは1種を単独で使用しても2種以上の混合物として使用してもよい。
具体例としては、スズジオクトエート、ジメチルスズジバーサテート、ジブチルジメトキシスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジベンジルマレート、ジオクチルスズジラウレート、スズキレート等のスズ触媒、グアニジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)等の強塩基化合物及びそれらの基を有するアルコキシシラン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物等が例示される。その配合量は(A)成分100質量部に対して0.001〜20質量部、特に0.01〜10質量部が好ましい。
本発明の組成物において、上記成分以外に室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の添加剤として公知の添加剤を添加してもよい。例えば、充填剤としては、煙霧質シリカ、湿式シリカ、沈降性シリカ、炭酸カルシウム等の補強性充填剤、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属水酸化物、カーボンブラック、ガラスビーズ、ガラスバルーン、樹脂ビーズ、樹脂バルーンなどが挙げられる。これらの充填剤は表面処理されていなくても、公知の処理剤で表面処理されていてもよい。また、チキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としてイソパラフィン、架橋密度向上剤としてのトリメチルシロキシ単位とSiO2単位とからなる網状ポリシロキサン等も挙げられる。更に、必要に応じて、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、防かび剤、抗菌剤、ゴキブリ忌避剤、海洋生物忌避剤等の生理活性添加剤、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤を添加してもよい。
(C)成分を配合する場合は、(A)成分及び/又は(B)成分に配合してもよいが、少なくとも(B)成分に配合することが好ましい。また、(D)成分を配合する場合は(A)成分に配合することが好ましい。接着付与剤、硬化促進剤等の添加剤は、第一液及び/又は第二液に添加することができる。
第一液と第二液の混合割合は、質量比で100:50〜100:150、特に100:70〜100:130で混合し、使用することが好ましい。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、シーリング剤、接着剤、コーティング剤等に好適に用いられ、特に基材を良好に接着することができる。
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン100質量部を用いた(組成物1−1)。
第二液
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・sのジメチルポリシロキサン95質量部、ポリホウ酸ナトリウム(ホウ酸とホウ砂の質量比44:56の混合物、商品名ソウファBパウダー)5質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物1−2)。
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン50質量部、炭酸カルシウム50質量部、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン8質量部、ジブチル錫ジラウレート0.1質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物2−1)。
第二液
実施例1で調製した第二剤を使用した。
円筒型ガラスシャーレ(サイズ、内径約30mm、深さ約20mm)に、第一液と第二液とを質量比1:1で混合した組成物を充填し、23℃,50%RHで24時間養生後の硬化状態を確認した。
全体を100とし、硬化している部分の体積を表示した。
12段スタティックミキサー付き二連カートリッジに第一液と第二液を充填し、専用ガンで混合吐出した。
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部、比表面積が120m2/gで表面がジメチルジクロロシランで処理された煙霧質シリカ10質量部、ビニルトリスイソプロペノキシシラン8質量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物3−1)。
第二液
実施例1で調製した第二液を使用した。
第一液
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン50質量部、炭酸カルシウム50質量部、ビニルトリメトキシシラン8質量部、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)2質量部を均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物4−1)。
第二液
実施例1で調製した第二液を使用した。
円筒型ガラスシャーレ(サイズ、内径約30mm、深さ約20mm)に、第一液と第二液とを質量比1:1で混合した組成物を充填し、23℃,50%RHで24時間養生後の硬化状態を確認した。
全体を100とし、硬化している部分の体積を表示した。
第一液
実施例2で調製した第一液を使用した(組成物2−1)。
第二液
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・sのジメチルポリシロキサンと、上記ポリホウ酸ナトリウムを下記表の比率で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[評価方法]
円筒型ガラスシャーレ(サイズ、内径約30mm、深さ約20mm)に、第一液と第二液とを質量比1:1で混合した組成物を充填し、23℃,50%RHで24時間養生後の硬化状態を確認した。
全体を100とし、硬化している部分の体積を表示した。
第一液
実施例2の組成物(2−1)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを1質量部加え均一になるまで混合して組成物を調製した(組成物5−1)。
第二液
実施例1で調製した第二液を使用した。
接着強度;
図1に示すように、アルミニウム板2(サイズ:25×50×1tmm、以下、アルミ−2という)に第一液と第二液とを質量比1:1で混合した実施例、比較例のオルガノポリシロキサン組成物3を塗布し、次いでアルミニウム板1,1’(サイズ:25×50×1tmm、以下、アルミ−1,アルミ−1’という)とを厚みが100μmになるように貼り合わせ、23℃,50%RHで24時間養生後にプッシュプルゲージ4にて接着強度を測定した。また、破断面の硬化性を下記の評価基準により確認した。
硬化状態;
貼り合わせたアルミ−1,アルミ−1’とアルミ−2の面積の合計を100%とし、硬化している面積を表示した。
1’ アルミニウム板
2 アルミニウム板
3 オルガノポリシロキサン組成物(硬化物)
4 プッシュプルゲージ
Claims (5)
- (A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ポリホウ酸ナトリウム:0.1〜100質量部、
(C)分子鎖両末端がアルキル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:0〜100質量部
を含有することを特徴とする深部硬化性に優れた室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - (A)成分を含有する第一液と(B)成分を含有する第二液を使用時に混合する二液形態である請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 第一液に、(D)一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (B)ポリホウ酸ナトリウムが、ホウ酸とホウ砂とが質量比10/90〜90/10の割合で混合してなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物で基材を接着してなる物品。
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