JP5780203B2 - 放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び放射線遮蔽構造物 - Google Patents

放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び放射線遮蔽構造物 Download PDF

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Description

本発明は、放射線遮蔽構造物に使用されるシリコーンシーリング材として有用な、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物によりシールされた構造物に関するものである。
室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物から得られるシリコーンゴムは、他の有機系ゴムと比較して優れた耐候性、耐久性、耐熱性、耐寒性等を具備することから種々の分野で使用され、特に建築分野においては、ガラス同士の接着用、金属とガラスとの接着用、鋼板の目地シール用、コンクリートの目地シール用等に多用されている。
例えば、特開2010−202794号公報(特許文献1)では、平板状硫酸バリウムを配合することにより、耐溶剤性、耐油性に優れたガスケット用の室温硬化性オルガノシロキサン組成物が得られることを開示している。
また、特表2005−507071号公報(特許文献2)では、γ線遮蔽物質、中性子吸収物質、熱伝導率向上物質、耐熱性向上物質、電気伝導性向上物質、水素ガス吸収物質を配合することにより、高放射性容器に充填しても、優れた耐性が得られることを開示している。
しかしながら、これらの組成物は、放射線遮蔽構造物に対応する放射線遮蔽性能、あるいは構造物のシーリング性能を満足するものではなかった。
特開2010−202794号公報 特表2005−507071号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、シーリング性能が良好で、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物によりシールされた放射線遮蔽構造物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、各種配合成分を鋭意検討した結果、特定の組成に安価な硫酸バリウムを高充填することで、良好な作業性、硬化性、接着性、及び放射線遮蔽性が得られることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、下記の放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び放射線遮蔽構造物を提供する。
〔1〕 (A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)硫酸バリウム:120〜1,000質量部、
(C)BET法比表面積が10m2/g以上のシリカ:0.5〜100質量部、
(D) RaSiZ4-a
(式中、Rは炭素原子数1〜12の一価炭化水素基、Zは独立に加水分解性基であり、aは0〜2の整数である。)で表される一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物:0.5〜30質量部
(F)接着付与剤:0.1〜20質量部
を含有することを特徴とする放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔2〕 (B)成分の硫酸バリウムの平均粒径が0.5〜30μm、水分含有量が1質量%未満であることを特徴とする〔1〕に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔3〕 更に、(E)γ線遮蔽物質、中性子吸収物質、熱伝導率向上物質、水素ガス吸収物質から選択される1種類以上の粉末を含有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔4〕 (E)成分の中性子吸収物質がB4Cであることを特徴とする〔3〕に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔5〕 (F)成分が、アミノ基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、及びメルカプト基含有シランカップリング剤から選ばれるシランカップリング剤である〔1〕〜〔4〕のいずれかに項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物でシールされた放射線遮蔽構造物。
〔7〕 放射線遮蔽構造物に対して〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなる厚さ0.1〜10cmのシール層を形成する工程を含むことを特徴とする放射線遮蔽構造物のシーリング方法。
〔8〕 シーリング対象物である放射線遮蔽構造物がコンクリートである〔7〕記載のシーリング方法。
本発明の放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、良好な作業性、硬化性、接着性及び放射線遮蔽性を有することから、放射線遮蔽構造物のシーリング材に適している。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に係る放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、下記(A)〜(D)成分、更には好ましくは後述する(E)、(F)成分を含有してなる。
(A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)硫酸バリウム:120〜1,000質量部、
(C)BET法比表面積が10m2/g以上のシリカ:0.5〜100質量部、
(D) RaSiZ4-a
(式中、Rは炭素原子数1〜12の一価炭化水素基、Zは独立に加水分解性基であり、aは0〜2の整数である。)で表される一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物:0.5〜30質量部
[(A)成分]
(A)成分の分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンは、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するものである。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記一般式(1)又は(2)で表される分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンが用いられる。
Figure 0005780203
(式中、Rは置換又は非置換の炭素原子数1〜12、好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、Xは酸素原子又は炭素原子数1〜8、好ましくは1〜6の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であり、bは2又は3であり、mはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000mPa・sとする数である。)
上記式中、Rの置換又は非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基、また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Xは、酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、二価炭化水素基としては、−(CH2p−(pは1〜8の整数を表す)で表されるものが好ましい。これらの中でも酸素原子、−CH2CH2−が好ましい。
Yは、上記ジオルガノポリシロキサンの分子鎖末端における加水分解性基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基、ビニロキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sが好ましく、より好ましくは300〜500,000mPa・s、特に好ましくは500〜100,000mPa・s、とりわけ1,000〜80,000mPa・sである。上記ジオルガノポリシロキサンの粘度が100mPa・s未満であると、物理的・機械的強度に優れた硬化物を得ることが困難となる場合があり、1,000,000mPa・sを超えると組成物の粘度が高くなりすぎて使用時における作業性が悪くなる場合がある。ここで、粘度は回転粘度計による数値である。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0005780203
(式中、m、R、Yは上記と同様であり、b’は0又は1である。)
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、1種単独でも構造や重合度の異なる2種以上を組み合わせても使用することができる。
[(B)成分]
(B)成分である硫酸バリウムは、本発明の組成物に放射線遮蔽性能を付与する必須成分である。硫酸バリウムは、比重が重く、物理的、化学的に安定であり、医薬用(X線造影剤)等でも使用されており、中性子吸収に有用な成分である。天然のバライト鉱物粉砕品(バライト粉)と、化学反応で製造される沈降性硫酸バリウムが存在するが、組成物への高充填性、安定性が必要であることから、粒子径をコントロールでき、水分量を管理できる、沈降性硫酸バリウムが好ましい。
(B)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して120〜1,000質量部、好ましくは150〜750質量部である。(B)成分が120質量部未満では、十分な放射線遮蔽性能が得られず、逆に1,000質量部より多くすると、この組成物の硬化物のシーリング性能が低下し、更に経時変化が大きいため、120〜1,000質量部の範囲とする必要がある。
粒径は特に限定されるものではないが、平均粒径0.5〜30μmが好ましく、高充填性を考慮すると、平均粒径1〜20μmが更に好ましい。また、水分含有量が1質量%未満であるものが好ましく、組成物の経時変化を考慮すると、水分含有量が0.5質量%未満であることが更に好ましい。
なお、本発明において、平均粒径はレーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めた値である。
[(C)成分]
(C)成分はBET法比表面積が10m2/g以上、好ましくは30〜800m2/g、より好ましくは50〜400m2/gのシリカであり、この組成物から形成される硬化物に十分な機械的強度を与えるものである。このシリカとしては公知のものを使用することができ、例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ等が例示され、煙霧質シリカが好ましい。これらはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のクロロシラン化合物、ヘキサメチルシラザン等のシラザン化合物、あるいはオクタメチルシクロテトラシロキサン等のシロキサン化合物等の有機珪素化合物で表面処理されているものが好ましい。
(C)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して0.5〜100質量部であり、好ましくは1〜80質量部、特に好ましくは5〜60質量部である。0.5質量部未満ではこの組成物から得られる硬化物が十分な機械的強度を示さず、また、100質量部よりも多いと、組成物の粘度が増大して作業性が悪くなるばかりでなく、硬化後のゴム強度が低下してゴム弾性が得難くなる。
[(D)成分]
(D)成分は、下記式
aSiZ4-a
(式中、Rは炭素原子数1〜12の一価炭化水素基、Zは独立に加水分解性基であり、aは0〜2の整数である。)で表される一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物であり、本発明の組成物を硬化させるために有用な成分である。
上記加水分解性基(Z)としては、上記(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子鎖末端における水酸基以外の加水分解性基(Y)として挙げたものが同様に例示されるが、アルコキシ基、ケトオキシム基、イソプロペノキシ基が好ましく、特にケトオキシム基が好ましい。
上記の加水分解可能な基以外の基(R)は、置換又は非置換の炭素原子数1〜12、特に1〜8の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基が好ましい。
aは、0〜2の整数であり、0又は1が好ましい。
本発明の(D)成分である有機珪素化合物の具体例としては、例えば、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、プロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、3−クロロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジメチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(メチルイソプロピルケトキシム)シラン、トリ(シクロへキサノキシム)シラン等、及びこれらの部分加水分解縮合物が挙げられ、特にメチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、プロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジメチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(メチルイソプロピルケトキシム)シラン、トリ(シクロへキサノキシム)シランが好ましい。
これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(D)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部、特に好ましくは3〜15質量部である。(D)成分が0.5質量部未満では、この組成物への配合効果が不十分となり、30質量部より多くすると、この組成物の硬化時における収縮率が大きくなり、この硬化物の弾性も低くなる。
[(E)成分]
本発明の組成物には更に(E)成分としてγ線遮蔽物質、中性子吸収物質、熱伝導率向上物質、水素ガス吸収物質を配合することが好ましい。(E)成分は、本発明の組成物に放射線(α線、β線、γ線、x線、中性子線)遮蔽性能、耐熱性、水素耐性等を更に付与する成分である。
即ち、γ線遮蔽物質としては、タングステン、鉛、スズ、アンチモン、インジウム及びビスマスから選択することができ、中性子吸収物質としては、ホウ素、炭化ホウ素、酸化ホウ素、カドミウム、酸化カドリニウム及びガドリニウムから選択することができ、熱伝導率向上物質としては、ダイアモンド粉末を選択することができ、水素ガス吸収物質としては、パラジウム、リチウム、カルシウム、チタン、スカンジウム、リチウムニッケル化合物、ランタンニッケル化合物、イットリウムニッケル化合物、サマリウムコバルト化合物及びイットリウムコバルト化合物から選択することができる。
これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(E)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して好ましくは1〜500質量部、より好ましくは3〜450質量部である。配合量が少なすぎると、配合効果が不十分となるおそれがあり、多すぎると、この組成物のシーリング性能が低下し、更に経時変化を起こしやすくなる場合がある。
[(F)成分]
本発明の組成物には更に(F)成分として接着付与剤を添加することが好ましい。接着付与剤としては、シランカップリング剤を好適に使用することができる。シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、エチレンジアミノプロピルトリメトキシシラン、エチレンジアミノプロピルトリエトキシシラン、エチレンジアミノプロピルメチルジメトキシシラン、エチレンジアミノプロピルメチルジエトキシシラン、α−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シランカップリング剤等が例示され、アミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤は、部分加水分解物であるオリゴマーであってもよい。また、これらは2種以上併用してもよい。
(F)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.5〜10質量部であることが好ましい。接着付与剤の配合量が少なすぎると、接着性向上効果が不十分となる場合があり、多すぎると、硬化後の強度が低下してシーリング材としての弾性が得られないおそれがある。
[(G)成分]
また、本発明の組成物には更に(G)成分として硬化促進剤を添加することが好ましい。(G)成分は、従来公知の縮合反応触媒を使用することが有効であり、これらは1種を単独で使用しても2種以上の混合物として使用してもよい。具体例としては、スズジオクトエート、ジメチルスズジバーサテート、ジブチルジメトキシスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジベンジルマレート、ジオクチルスズジラウレート、スズキレート等のスズ触媒、グアニジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)等の強塩基化合物及びそれらの基を有するアルコキシシラン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物等が例示される。
(G)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して0.001〜20質量部、特に0.01〜10質量部が好ましい。配合量が少なすぎると、架橋剤の種類によっては組成物の硬化性が不十分となる場合があり、多すぎると、組成物の貯蔵安定性が低下するおそれがある。
[その他の成分]
本発明の組成物において、上記成分以外に室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の添加剤として公知の添加剤を添加してもよい。充填材としては、けいそう土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの金属酸化物、あるいはこれらの表面をシラン処理したもの、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛などの金属炭酸塩、アスベスト、ガラスウール、カーボンブラック、微粉マイカ、溶融シリカ粉末、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、樹脂ビーズ、樹脂バルーンなどが挙げられる。また、チキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としてのイソパラフィンや非反応性シリコーンオイル、架橋密度向上剤としてのトリメチルシロキシ単位とSiO2単位とからなる網状ポリシロキサン等も挙げられる。更に、必要に応じて、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、防かび剤、抗菌剤、ゴキブリ忌避剤、海洋生物忌避剤等の生理活性添加剤、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤を添加してもよい。
また必要に応じて、塗布性を向上させるためのトルエン、キシレン、溶剤揮発油、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、低沸点イソパラフィン等の有機溶剤、揮発性シロキサン等の希釈剤も同時に混合することができる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、一液型室温硬化性組成物として、通常、上記した(A)〜(D)成分、必要に応じてその他の成分を品川ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー等の混合機を用いて、乾燥もしくは減圧雰囲気中、即ち実質的に無水の条件下で均一に混合することにより得られる。得られた組成物は、空気中に暴露されると、空気中の湿気(水分)により架橋硬化し、ゴム状弾性体となる。従って、使用するまでの間、得られた組成物を空気から遮断した密閉容器中で保管する。
[組成物の用途]
本発明の放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、シーリング材、接着剤等に好適に用いられ、特に放射線遮蔽構造物のシーリングに適している。
本発明の組成物を用いて放射線遮蔽構造物をシーリングする際のシールの厚さは、放射線遮蔽構造物の形状や大きさにより適宜選択すればよいが、通常0.1〜10cm程度である。
シーリング対象物は、特に制限されないが、例えばコンクリート、Al、ステンレス鋼、鉄などの金属材料、あるいは樹脂材料等であり、特にコンクリートに対して好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、粘度は回転粘度計により測定した25℃における値を示す。
[実施例1]
両末端が水酸基で封鎖された粘度50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された粘度100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部、更にジメチルジクロロシランで表面処理されたBET法比表面積が120m2/gの煙霧状シリカ10質量部、平均粒子径12μm、水分含有量0.2質量%である硫酸バリウム(C−300、竹原化学工業製)200質量部を均一になるまで混合した。更に、ビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン5質量部と、ジオクチルスズジラウレート0.5質量部と、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を加えて0.04〜0.06MPaの減圧下、30〜40℃にて均一になるまで混合して組成物を調製した。
[実施例2]
実施例1において、硫酸バリウムの量を100質量部とした。
[実施例3]
実施例1において、硫酸バリウムの量を500質量部とした。
[実施例4]
実施例1の組成物に、更にB4Cを20質量部加えた。
[比較例1]
実施例1の組成物から硫酸バリウム(C−300、竹原化学工業製)を除いた組成物を調製した。
[比較例2]
実施例1において、硫酸バリウム(C−300、竹原化学工業製)を60質量部とした。
[比較例3]
実施例1において、硫酸バリウム(C−300、竹原化学工業製)を1,000質量部とした。
[比較例4]
実施例1の組成物から煙霧状シリカを除いた組成物を調製した。
次に、各実施例及び比較例で調製された調製直後の各組成物を厚さ2mmのシート状に押し出し、23℃,50%RHに7日間放置して得た硬化物の物性(初期物性)を、JIS K−6249に準拠して測定した。なお、硬さは、JIS K−6249のデュロメーターA硬度計を用いて測定した。
また、各実施例及び比較例で調製された調製直後の各組成物を密閉容器に入れて、70℃の温度で7日間放置したもの、及び23℃で6ヶ月間放置したものから作った厚さ2mmのシートについても同様の物性測定を行った。
放射能汚染されたコンクリート上に、実施例1〜4及び比較例1、2、4の組成物を厚み1mmとなるように施工した。施工した組成物を約20℃の外気で1日間硬化後、JIS Z4504に準じた放射性表面汚染の測定方法により、計数率(count per minute、cpm)を測定した。このとき、測定機器としてGMサーベイメータ(テクノヒル(株)製、RDS−30)を用い、測定試料表面とGM管プローブ間の距離を5mm一定、走査速度一定として測定を行った。なお、放射能汚染されたコンクリートを測定したところ、計数率は約200cpmであった。
以上の測定結果を表1に示す。なお、より高濃度の放射能汚染に対しては、本発明の組成物の施工厚みを厚くすればよく、放射線遮蔽の効果の増大が期待できる。
Figure 0005780203

Claims (8)

  1. (A)分子鎖両末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)硫酸バリウム:120〜1,000質量部、
    (C)BET法比表面積が10m2/g以上のシリカ:0.5〜100質量部、
    (D) RaSiZ4-a
    (式中、Rは炭素原子数1〜12の一価炭化水素基、Zは独立に加水分解性基であり、aは0〜2の整数である。)で表される一分子中に加水分解性基を2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物:0.5〜30質量部
    (F)接着付与剤:0.1〜20質量部
    を含有することを特徴とする放射線遮蔽構造物シール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (B)成分の硫酸バリウムの平均粒径が0.5〜30μm、水分含有量が1質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. 更に、(E)γ線遮蔽物質、中性子吸収物質、熱伝導率向上物質、水素ガス吸収物質から選択される1種類以上の粉末を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. (E)成分の中性子吸収物質がB4Cであることを特徴とする請求項3に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. (F)成分が、アミノ基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、及びメルカプト基含有シランカップリング剤から選ばれるシランカップリング剤である請求項1乃至4のいずれか1項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物でシールされた放射線遮蔽構造物。
  7. 放射線遮蔽構造物に対して請求項1乃至5のいずれか1項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなる厚さ0.1〜10cmのシール層を形成する工程を含むことを特徴とする放射線遮蔽構造物のシーリング方法。
  8. シーリング対象物である放射線遮蔽構造物がコンクリートである請求項7記載のシーリング方法。
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