JP2016069290A - プライマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコーンゴムを各種の被着体に良好に接着させることが可能なプライマーを提供する。【解決手段】(A)有機チタン化合物、及び(B)溶媒を含むプライマー組成物であって、(A)有機チタン化合物が、加水分解性シリル基含有β−ケトエステルとテトラアルコキシチタンの反応生成物である平均組成式(I)で表されるプライマー組成物。(A)成分の含有量が(B)成分100質量部に対して、1〜40質量部であるプライマー組成物。Ti(OR1)4-a(Y3Si-A-O-CO-CH=C(O)R)a(I)(Rは置換又は非置換のC1〜12の一価炭化水素基;R1は置換又は非置換のC1〜12の一価炭化水素基;AはC1〜6の二価炭化水素基;Yは加水分解性基;aは0.5≦a≦2.5の数)【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンゴムと被着体とを良好に接着させることが可能な新規なチタン化合物を含有するプライマー組成物に関し、より詳細には、アルコキシチタンと加水分解性シリル基含有β−ケトエステルとの反応生成物である有機チタン化合物を含む、特に縮合硬化タイプのシリコーンゴムを各種被着体に接着させることが出来るプライマー組成物に関する。
シリコーンゴムは耐熱性、耐寒性、耐紫外線などに優れることから、電気絶縁材、ポッティング剤といった電子部品材料、建築用シーリング材など一般的に広く用いられており、普通、シリコーンゴムを各種の被着体に接着させるために、各種のプライマー組成物を塗布する方法が採用されている。
従来、縮合硬化タイプのシリコーンゴム用のプライマー組成物としては、シランカップリング剤やその縮合物、またそれらの反応生成物、及びアルコキシチタンやチタネート系カップリング剤等の有機チタン化合物などが知られている(特許文献1〜3)。
しかし、上記の接着性成分として用いられるシランカップリング剤やアルコキシチタンは、それぞれ単独に接着作用を発揮しており、互いに相補的な役割は持っておらず、そのため接着性が不十分である場合がある。
従って、アルコキシチタンとシランカップリング剤の接着性を相補的に引出し、シリコーンゴムを各種の被着体に良好に接着させることが可能なプライマーの開発が求められていた。
特公昭61−2107号公報 特開平11−209702号公報 特開2006−131830号公報
従って、本発明の課題は、アルコキシチタンとシランカップリング剤のそれぞれの接着性を相補的に引出し、シリコーンゴムを各種被着体に良好に接着させることが可能なプライマー組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を持つ有機チタン化合物をプライマーとして用いることにより、シリコーンゴムを各種の被着体に良好に接着させることが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、下記のプライマー組成物を提供するものである。
<1>
(A)下記に表される新規な有機チタン化合物、及び(B)溶媒を含むプライマー組成物であって、
上記(A)有機チタン化合物が、平均組成式(I):
Ti(OR1)4-a(Y3Si-A-O-CO-CH=C(O)R)a (I)
(式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Aは炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であり、aは0.5≦a≦2.5の数である)で表される、プライマー組成物。
<2>
上記(A)有機チタン化合物が、
(A1)下記一般式(1):
Figure 2016069290

(式(1)中、R、A、Yは前記のとおりである。)
で表される加水分解性シリル基含有β‐ケトエステルと、
(A2)下記一般式(2):
Figure 2016069290

(式(2)中、Rは前記の通りである。)
で表されるテトラアルコキシチタンとの反応生成物であって、(A1)該加水分解性シリル基含有有機ケイ素化合物のチタンに対する平均配位数が0.5〜2.5であることを特徴とする、<1>に記載のプライマー組成物。
<3>
前記(A)成分の含有量が、前記(B)成分100質量部に対して1〜40質量部であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のプライマー組成物。
<4>
前記(B)成分が、芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びパラフィン系溶媒から選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合物であることを<1>〜<3>のいずれか1つに記載のプライマー組成物。
<5>
前記(B)成分が、芳香族炭化水素系溶媒であることを特徴とする<4>に記載のプライマー組成物。
<6>
前記プライマー組成物がシリコーンゴムを被着体に接着させるためのものである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のプライマー組成物。
<7>
前記シリコーンゴムが縮合硬化型の室温硬化性シリコーンゴムである、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のプライマー組成物。
本発明のプライマー組成物は、シリコーンゴムを各種の被着体に良好に接着させることができる。
合成例1で得られた有機チタン化合物のH NMRチャートである。 合成例2で得られた有機チタン化合物のH NMRチャートである。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[プライマー組成物]
前述の通り、本発明のプライマー組成物は、
(A)前記有機チタン化合物、及び
(B)溶媒、
を含むものである。
前記プライマー組成物中の前記(A)成分の含有量は、(B)成分100質量部に対して、1〜40質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜35質量部であり、更に5〜30質量部が好ましく、特に10〜25質量部であることが好ましい。本発明のプライマー組成物は、下記の(A)成分及び(B)成分、場合によっては下記のその他の成分を均一に混合することにより調製することができる。
[(A)成分]
(A)成分の有機チタン化合物は、前述の通り、
(A1)下記一般式(1):
Figure 2016069290
(式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Aは炭素数1〜6、好ましくは3〜6、の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基である。)
で表される加水分解性シリル基含有β‐ケトエステルと、
(A2)下記一般式(2):
Figure 2016069290
(式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基である。)
で表されるテトラアルコキシチタンとの反応生成物であり、(A1)加水分解性シリル基含有β-ケトエステルのチタンに対する平均配位数は0.5〜2.5である。
ここで、上記一般式(1)において、Rで表される置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基等の、炭素数1〜4、更に1〜3、特に1〜2の低級アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(1)において、Aで表される炭素数1〜6、好ましくは3〜6の二価炭化水素基のうち、炭素数1〜6の二価炭化水素基は、−(CH−(pは1〜6である)で表される直鎖状のアルキレン基、又は分岐状のアルキレン基等の飽和脂肪族二価炭化水素基であることが好ましく、−(CH−(pは3〜6である)で表される直鎖状のアルキレン基がより好ましい。これらの中でも、特に−(CH−が好ましい。
上記一般式(1)において、Yは加水分解性基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基、ビニロキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基、エトキシ基等の、炭素数1〜4、更に1〜3、特に1〜2の低級アルコキシ基が好ましい。
次に、上記一般式(2)において、Rで表される置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の低級アルキル基が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
このような有機チタン化合物は、例えば、下記平均組成式(I):
Ti(OR1)4-a(Y3Si-A-O-CO-CH=C(O)R)a (I)
で表すことができ、ここで、チタンに対する加水分解性シリル基含有β‐ケトエステルの平均配位数aは0.5〜2.5であり、R、R、Y及びAは、一般式(1)又は(2)において定義した通りである。
このような有機チタン化合物の具体例としては、下記の構造式で表されるチタンジイソプロポキシビス(トリメトキシシリルプロピルアセトアセテート)、チタンジイソプロポキシビス(トリエトキシシリルプロピルアセトアセテート)等が挙げられる。
上記チタンジイソプロポキシビス(トリメトキシシリルプロピルアセトアセテート)の構造式を以下に示す。
Figure 2016069290
上記チタンジイソプロポキシビス(トリエトキシシリルプロピルアセトアセテート)の構造式を以下に示す。
Figure 2016069290
(A1)の調製
一般式(1)で表される前記(A1)加水分解性シリル基含有β‐ケトエステルは、例えば、下記一般式(3):
Figure 2016069290

(式中、Rは前記の通りであり、Aは炭素数1〜4の二価炭化水素基である)
で表される不飽和脂肪族基含有β-ケトエステルと、
下記一般式(4):
Figure 2016069290

(式中、Yは前記の通りである)
で表される加水分解性シラン化合物とを反応させる等、公知の方法(特開2005-314325号公報)を参照して調製することができる。なお、Aは、一般式(1)中のAからエチレン基(−(CH−)を除いた基に該当する。
上記一般式(3)において、Aで表される炭素数1〜4の二価炭化水素基は、−(CH−で表される直鎖状のアルキレン基又は分岐状のアルキレン基等の飽和脂肪族二価炭化水素基であることが好ましく、−(CH−(pは1〜4である)で表される直鎖状のアルキレン基がより好ましい。これらの中でも、特に−(CH)−が好ましい。
(A)成分の有機チタン化合物は、プライマー処方前にあらかじめ調製しても、プライマー処方時に系内で調製しても良い。
[(B)成分]
前記(B)成分の溶媒は、プライマー組成物中の各成分を任意の割合で溶解し、同時に揮発性を有するものであればよい。具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチル等のアルコール系溶媒;例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;例えば、リグロイン、酢酸エチル等のエステル系溶媒;例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等のパラフィン系溶媒が例示され、これらは1種単独でも2種以上の混合溶媒としても使用することが出来る。これらの中で、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、特にトルエンが好ましい。
[その他の成分]
本発明のプライマー組成物は、上述した成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲において、各種アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、シランカップリング剤、金属アルコキシド等の1種または2種以上を配合することができる。該アルコキシシラン又はシランカップリング剤としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、エチルシリケート、メチルシリケート等のアルコキシシラン類又はその部分加水分解縮合物、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルケニル官能性基含有アルコキシシラン類;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性基含有アルコキシシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性基含有アルコキシシラン類;又はイソシアネート官能性基含有アルコキシシラン等のシランカップリング剤(カーボンファンクショナル官能性基含有加水分解性シラン類)を例示することができる。これらのアルコキシシラン又はシランカップリング剤は、プライマー組成物全体に対して0〜20質量%、特に0〜10質量%の量で配合できる。該金属アルコキシドとしては、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等のチタンテトラアルコキシド類に代表されるチタンアルコキシド類;ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトラ‐n‐ブトキシド、ジルコニウムテトラ‐tert‐ブトキシド等のジルコニウムテトラアルコキシド類に代表されるジルコニウムアルコキシド類などが例示できる。該金属アルコキシドの配合量は、プライマー組成物全体に対して0〜40質量%、特に0〜20質量%である。
なお、本発明のプライマー組成物は、それ自身は硬化性を有さないものであり、従って、例えば、分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基(シラノール基)及び珪素原子結合加水分解性基から選ばれる室温硬化性の官能性基を有するオルガノポリシロキサン成分(ベースポリマー)等の室温硬化性樹脂成分を含有しないものである点において、いわゆる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物(RTVシリコーンゴム組成物)とは本質的に相違するものである。
本発明のプライマー組成物は、金属配位性シランカップリング剤である加水分解性シリル基含有β‐ケトエステルと、テトラアルコキシチタンとの反応生成物である有機チタン化合物を含むことで、金属配位性シランカップリング剤とアルコキシチタンの双方の接着性を相補的に引き出し、特に縮合硬化型のシリコーンゴム、好ましくは室温硬化性のシリコーンゴムを、各種被着体、例えばアルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属基板、ポリカーボネート樹脂のような樹脂基板、に良好に接着させることが出来る。
上記縮合硬化型のシリコーンゴムは、分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基(シラノール基)又は加水分解性基から選ばれる硬化性官能基を有するものであって、好ましくは25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・s、より好ましくは300〜500,000mPa・s、特に好ましくは500〜100,000mPa・s、とりわけ1,000〜80,000mPa・sのものである。ここで、粘度は回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)による数値である。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、常圧は1気圧、室温は25±5℃を意味する。
[合成例1]
常圧、室温で、50mLナス型フラスコにチタンテトライソプロポキシド14.2g(0.05mоl)を仕込み、これに、撹拌しながらアリルアセトアセテートとトリメトキシシランとの反応生成物であるトリメトキシシリルプロピルアセトアセテート26.4g(約0.10mоl、但し、異性体等の不純物を極微量含む。以下、同様。)を滴下した。常圧、室温で24時間撹拌した後、副生したイソプロパノールを留出させ、濃黄色液体の、代表的な平均構造がチタンジイソプロポキシビス(トリメトキシシリルプロピルアセトアセテート)(以下、「有機チタン化合物1」と云う)である生成物34.2g(収率99%)を得た。
上記生成物の平均の構造を確認するために、H−NMRスペクトルの測定を行った(図1)。
H-NMRスペクトル:
δ0.51〜0.53(H比4、SiCHCHCH
δ1.12〜1.14(H比12、Ti−OCH(CH
δ1.61(H比4、SiCHCHCH
δ1.90(H比6、CH3C(O)=CH)
δ3.45〜3.51(H比18、Si(OCH
δ3.87〜3.88(H比2、Ti−OCH(CH
δ4.15〜4.16(H比4、SiCHCHCH
δ4.89〜4.96(H比2、CH3C(O)=CH)
H−NMRスペクトルの測定の結果から、ここで得られた生成物は、式(7)の構造のチタンジイソプロポキシビス(トリメトキシシリルプロピルアセトアセテート)を代表的な平均構造とするものであると考えられる。
Figure 2016069290
[合成例2]
50mLナス型フラスコにチタンテトライソプロポキシド14.2g(0.05mоl)を仕込み、撹拌しながらアリルアセトアセテートとトリエトキシシランとの反応生成物であるトリエトキシシリルプロピルアセトアセテート30.6g(約0.10mоl)を滴下した。室温で24時間撹拌した後、副生したイソプロパノールを留出させ、濃黄色液体の、代表的な平均構造がチタンジイソプロポキシビス(トリエトキシシリルプロピルアセトアセテート)(以下、「有機チタン化合物2」と云う)である生成物38.4g(収率99%)を得た。
上記生成物の平均の構造を確認するためにH−NMRスペクトルの測定を行った(図2)。
H-NMRスペクトル:
δ0.53〜0.54(H比4、SiCHCHCH
δ1.12〜1.14(H比30、Ti−OCH(CH、Si(OCHCH
δ1.63(H比4、SiCHCHCH
δ1.90(H比6、CH3C(O)=CH)
δ3.74〜3.80(H比12、Si(OCHCH
δ4.70〜4.71(H比6、Ti−OCH(CH、SiCHCHCH
δ4.91〜4.94(H比2、CH3C(O)=CH)
H−NMRスペクトルの測定の結果から、ここで得られた生成物は、式(8)の構造のチタンジイソプロポキシビス(トリエトキシシリルプロピルアセトアセテート)を代表的な平均構造とするものであると考えられる。
Figure 2016069290
[実施例1〜2、及び比較例1〜3]
下記の実施例及び比較例において、以下の各成分を使用した。
(A)成分
有機チタン化合物1:チタンジイソプロポキシビス(トリメトキシシリルプロピルアセトアセテート(合成例1の反応生成物)、又は
有機チタン化合物2:チタンジイソプロポキシビス(トリエトキシシリルプロピルアセトアセテート)(合成例2の反応生成物)。
比較用(A’)成分
TC−750(商品名):マツモトファインケミカル(株)社製、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、
TA−30(商品名):マツモトファインケミカル(株)社製、テトラオクチルチタネート、又は
不飽和基含有β−ケトエステルとトリアルコキシシランとの反応生成物:アリルアセトアセテートとトリメトキシシランとの1:1反応生成物
(B)成分
トルエン
以下の表1に示すように各成分を、溶媒としてのトルエンと混合して、プライマー組成物であるプライマー1〜5を調製した。
Figure 2016069290
[試験例]
上記実施例及び比較例で調製されたプライマー1〜5を、幅25mm、長さ100mmの被着体(アルミニウム、銅、ステンレス鋼(SUS)又はポリカーボネート樹脂(PC)に、はけ塗りにより薄く塗布し、このプライマー塗膜面にメタノールを放出する縮合硬化型の室温硬化性シリコーンエラストマーを塗布し、23℃、50%RHで7日間養生して接着面積2.5mm、接着厚さ1mmの剪断接着試験体を作製し、JIS K−6249に準じて剪断接着力を測定した(剪断接着試験)。
これらの結果を下記表2に示した。なお、上記縮合硬化型の室温硬化性シリコーンエラストマーは下記の組成、処方で得た。
≪組成≫
・25℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がトリメトキシシリル基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン;100質量部
・表面疎水化処理されたヒュームドシリカ(MU−215、BET比表面積;120m2/g、信越化学工業(株)製);13質量部
・メチルトリメトキシシラン(KBM-13、信越化学工業(株)製);6質量部
・テトラオクチルチタネート(TA-30、マツモトファインケミカル(株)製);2質量部
≪処方≫
25℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がトリメトキシシリル基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン;100質量部に表面疎水化処理されたヒュームドシリカ(MU−215、BET比表面積;120m2/g、信越化学工業(株)製);13質量部を加えて常圧下にて30分間混合した後、減圧下にて更に15分間混合した。減圧混合終了後、テトラオクチルチタネート(TA-30、マツモトファインケミカル(株)製));2質量部を加え、減圧下に60分間均一に混合して、脱メタノールタイプの縮合硬化型シリコーンエラストマー組成物を得た。
Figure 2016069290
表2に示されるように、接着成分として上述の一般式(1)で表される有機チタン化合物を含有する実施例1又は2のプライマー1又は2は、比較例1〜3のプライマー3〜5と比べて、高い接着強度と高い凝集破壊率を示した。
以上のことから、テトラアルコキシチタンと加水分解性シリル基含有β‐ケトエステルとの反応生成物である特定の有機チタン化合物を用いた本発明のプライマー組成物は、その他の有機チタン化合物を使用した場合よりも、接着性が良好であることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (7)

  1. (A)有機チタン化合物、及び
    (B)溶媒
    を含むプライマー組成物であって、
    上記(A)有機チタン化合物が、平均組成式(I):
    Ti(OR1)4-a(Y3Si-A-O-CO-CH=C(O)R)a (I)
    (式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Aは炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であり、aは0.5≦a≦2.5の数である)
    で表されるプライマー組成物。
  2. 上記(A)有機チタン化合物が、
    (A1)下記一般式(1):
    Figure 2016069290

    (式(1)中、R、A及びYは前記の通りである。)
    で表される加水分解性シリル基含有β‐ケトエステルと、
    (A2)下記一般式(2):
    Figure 2016069290

    (式(2)中、Rは前記の通りである。)
    で表されるテトラアルコキシチタンとの反応生成物であって、前記(A1)加水分解性シリル基含有β-ケトエステルのチタンに対する平均配位数が0.5〜2.5であることを特徴とする、請求項1に記載のプライマー組成物。
  3. 前記(A)成分の含有量が、前記(B)成分100質量部に対して1〜40質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプライマー組成物。
  4. 前記(B)成分が、芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びパラフィン系溶媒から選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
  5. 前記(B)成分が、芳香族炭化水素系溶媒であることを特徴とする請求項4に記載のプライマー組成物。
  6. 前記プライマー組成物がシリコーンゴムを被着体に接着させるためのものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
  7. 前記シリコーンゴムが縮合硬化型の室温硬化性シリコーンゴムである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
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