JP2002226777A - プライマー組成物 - Google Patents

プライマー組成物

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JP2002226777A JP2001030121A JP2001030121A JP2002226777A JP 2002226777 A JP2002226777 A JP 2002226777A JP 2001030121 A JP2001030121 A JP 2001030121A JP 2001030121 A JP2001030121 A JP 2001030121A JP 2002226777 A JP2002226777 A JP 2002226777A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被接着体、特にシリコーンエラストマーを接
着対象とし、優れた接着性及び接着耐久性を有するプラ
イマー組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式 【化1】 (式中、R1は水素原子、フェニル基又はハロゲン化フェ
ニル基、R2は水素原子またはメチル基、R3は同一又は異
なってもいてもよい置換又は非置換の一価炭化水素基、
Xは加水分解性基、Z1は−R4−、−R4O−又は、−R4(C
H3)2SiO−(R4は同一又は異なってもいてもよい置換又は
非置換の二価炭化水素基)、Z2は酸素原子又は同一若し
くは異なってもいてもよい置換若しくは非置換の二価炭
化水素基、mは0、1又は2であり、nは0、1又は2
である。)で表される有機ケイ素化合物を含有すること
を特徴とするプライマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、塗装金属、
各種樹脂等の接着用基体上に適用すれば、シリコーンエ
ラストマー等の被接着体を良好に接着させるために有用
なプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築用の外壁材としては耐候性、
外観などの面から金属材の表面にフッ素樹脂系、ウレタ
ン樹脂系、アクリル樹脂系の塗料を塗布したものが汎用
されており、この種の塗装金属にはこれに縮合型の室温
硬化性シリコーンエラストマーからなるシーラント材な
どを接着・接合させることも行われている。
【0003】また、電気・電子用に使用されるポリカー
ボネート、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、A
BS樹脂、アクリル樹脂などに対しても同様に室温硬化性
又は加熱硬化性シリコーンエラストマーを接着させるこ
とが行われている。
【0004】このように近年、多くの用途に多種多様の
素材が使用されており、特にプラスチックスの各産業へ
の浸透は著しく、これに伴いシリコーンエラストマーを
これらの基体に接着させる必要性が生じている。
【0005】しかし、シリコーンエラストマーは塗装金
属、ポリカーボネート、PBT樹脂、アクリル樹脂、プラ
スチック等に対する接着性が十分とは言い難い。そこで
一般的には、基体に前もって各種シラン又はその加水分
解縮合物等を主成分とするプライマー組成物を塗布して
からシリコーンエラストマーを接着させるという方法が
採られている。
【0006】従来、このようにシリコーンエラストマー
を接着対象にしたプライマー組成物は数多く提案されて
おり、例えば特開昭52-32030号公報にはテトラオルガノ
チタネート、エポキシ基含有アルコキシシラン、不飽和
結合含有有機珪素化合物、白金化合物、有機溶剤に可溶
な重合体、有機溶剤からなる組成物が開示されており、
特公昭61-2107号公報にはアルコキシ基含有有機珪素化
合物、有機チタン化合物、ヒドロシリル基含有有機珪素
化合物からなる組成物がそれぞれ開示されている。
【0007】しかしながら、このようなプライマー組成
物を使用しても満足な接着性が得られない場合がある
上、最近では接着後の接着耐久性の要求も高くなってお
り、それ故、接着性及び接着耐久性がより優れたプライ
マー組成物の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、金属、塗装金属、各種樹脂等の基体
上に適用すれば、シリコーンエラストマー等の被接着体
を満足に接着させ得る上、接着耐久性に優れるプライマ
ー組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意検討を行った結果、下記の一般式
(1)に示す化合物をプライマー組成物中に含有させる
と、上記課題を解決できるという知見を得、本発明に到
達した。すなわち、本発明は、下記一般式
【0010】
【化2】 (式中、R1は水素原子、フェニル基又はハロゲン化フェ
ニル基、R2は水素原子又はメチル基、R3は同一又は異な
ってもいてもよい炭素原子数1〜10の置換若しくは非置
換の一価炭化水素基、Xは加水分解性基、Z1は−R4−、
−R4O−又は、−R4(CH3)2SiO−(R4は同一又は異なって
もいてもよい炭素原子数1〜10の置換若しくは非置換の
二価炭化水素基)、Z2は酸素原子又は同一若しくは異な
ってもいてもよい炭素原子数1〜10の置換若しくは非置
換の二価炭化水素基、mは0、1又は2であり、nは
0、1又は2である。)で表される有機ケイ素化合物を
含有することを特徴とするプライマー組成物を提供す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる一般式(1)で
示される有機ケイ素化合物は、1分子中にケイ素原子を
二つ以上含有していて、光重合性基と縮合硬化性基をそ
れぞれ別個のケイ素原子に結合させてそれぞれに光重合
と縮合硬化を分担させることで、光重合性と縮合硬化性
のバランスを上手くとることができる化合物である。
【0012】本発明で用いられる一般式(1)で示される
有機ケイ素化合物において、式中、R 1は水素原子、フェ
ニル基又はハロゲン化フェニル基であり、R2は水素原子
又はメチル基である。R3は同一又は異なっていてもよい
炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜6の置換若
しくは非置換の一価炭化水素基であり、R3において置換
一価炭化水素基としては、クロロメチル基、2−クロロ
エチル基、2−ブロモエチル基、1,1-ジクロロプロピ
ル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプ
ロピル基等のハロゲン化アルキル基等のハロゲン置換一
価炭化水素基等が挙げられ、非置換の一価炭化水素基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、
デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアル
ケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基、ベン
ジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基等が挙げら
れ、好ましくはアルキル基、アリール基である。
【0013】Xは加水分解性基であり、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキ
シエトキシ基等のアルコキシ基、ビニルオキシ基、アリ
ルオキシ基、プロペノキシ基、イソプロペノキシ基、ブ
テニルオキシ基等のアルケニルオキシ基等の炭素原子数
1〜6、特に炭素原子数1〜4程度の低級アルコキシ基
や低級アルケニルオキシ基等が好ましいものとして挙げ
られ、さらにジメチルケトオキシム基、メチルエチルケ
トオキシム基等のケトオキシム基やアセトキシ基等のア
シルオキシ基等が挙げられる。
【0014】Z1は−R4−、−R4O−又は−R4(CH3)2SiO−
で表わされ、R4は同一又は異なっていてもよい炭素原子
数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜6の置換若しくは
非置換の二価炭化水素基であり、R4において置換二価炭
化水素基としてはクロロメチレン基、ジクロロメチレン
基、クロロエチレン基等のハロゲン置換アルキレン基等
が挙げられ、非置換二価炭化水素基としてはメチレン
基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等の
アルキレン基やフェニレン基等のアリーレン基等が挙げ
られる。Z2は酸素原子又は同一若しくは異なっていても
よい炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜6の
置換若しくは非置換の二価炭化水素基であり、Z2におい
て置換の二価炭化水素基としては前記R4で例示したもの
と同じものが挙げられ、非置換の二価炭化水素基として
は前記R4で例示したものと同じものが挙げられる。また
mは0、1又は2であり、nは0、1又は2である。
【0015】一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物
としては、例えば、1分子中に1〜3個の(メタ)アク
リロイルオキシ基とケイ素原子に結合した1〜3個のア
ルコキシ基、アルケニルオキシ基等の加水分解性基とを
有する1分子中のケイ素原子数が2〜5個のオルガノシ
ラン、オルガノシルアルキレン、オルガノシルアリーレ
ン、オルガノシロキサン等の有機ケイ素化合物が挙げら
れる。
【0016】一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物
の具体的な構造を次に例示するが、これらに限定されな
い。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】 上記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物は、単独
で使用してもよいし、併用してもよい。これら一般式
(1)で表わされる有機ケイ素化合物は、例えば次式に示
すようにして製造される。
【0024】
【化10】 上式中-CH2-CH2-A-は一般式(1)における-Z2-に相当し、
Aは単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基であ
り、アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基等が挙げられる。また、例えば次
式に示すようにして製造される。
【0025】
【化11】
【0026】さらに、本発明のプライマー組成物には、
有機金属化合物を配合することが好ましい。有機金属化
合物は、プライマー組成物を硬化させ、風乾性を良好に
させるだけでなく、密着性の向上に著しく効果のある作
用を有するもので、この有機金属化合物としては、例え
ば、有機チタン化合物、有機錫化合物等が好適に用いら
れる。
【0027】前記、有機チタン化合物としては、例え
ば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブ
チルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2
−エチルヘキシル)チタネート、ジエトキシチタンアセ
チルアセトナート、チタンジアセチルアセトナート、チ
タンオクチルグリコート、チタンラクテート、チタンラ
クテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネ
ート、これらの部分加水分解縮合物等のチタン酸エステ
ル類、チタンの部分アルコキシ化キレート化合物、チタ
ンキレート化合物、チタンの珪酸エステルやそのキレー
ト化物などが例示される。また、有機錫化合物として
は、一般に縮合型室温硬化性シリコーン組成物に用いら
れるものであればよく、ジブチル錫ジラウレート、ジブ
チル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫ジオクトエー
ト、ジオクチル酸錫、ジ−n−ブチルジメトキシ錫、ビ
スエチルマレイルジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ベ
ンジルマレート、テトラブチルビス(エチルマレート)ジ
錫オキサイド、ジブチル錫ビス(イソオクチルフタレー
ト)、ジブチル錫ビス(3-メチル-3-メトキシブチルマレ
ート)、ジオクチル錫ビス(ベンジルマレート)、ジオク
チル錫ジラウレートなどが例示される。なお、これらは
単独で使用してもよいし二種以上を併用することもでき
る。
【0028】有機金属化合物の配合量は、一般式(1)で
示される有機ケイ素化合物100重量部に対して、通常、5
00重量部以下(0〜500重量部)とすることができる
が、10〜500重量部、特に10〜200重量部とすることが好
ましい。配合量が10重量部に満たないと接着が悪くなる
場合があり、500重量部を超えると経済的に不利になる
場合がある。
【0029】本発明のプライマー組成物には、さらに、
下記平均組成式(2) R5 aR6 b(R7O)cSiO(4-a-b-c)/2 (2) (式中、R5は同一又は異なってもいてもよい置換若しく
は非置換の一価炭化水素基、R6は同一又は異なってもい
てもよい水素原子又は付加反応性基若しくは縮合反応性
基を含有する置換若しくは非置換の一価炭化水素基、R7
は同一又は異なってもいてもよい置換若しくは非置換の
一価炭化水素基であり、a、b及びcは、それぞれ0≦a
≦3、0≦b≦3、2≦c≦4、2≦a+b+c≦4を満足する数で
ある。)で示される有機ケイ素化合物を配合することが
好ましく、この有機ケイ素化合物は1分子中にケイ素原
子に結合するアルコキシ基を少なくとも2個有してお
り、この化合物の添加により接着性及び接着耐久性をよ
り向上させることができる。
【0030】平均組成式(2)において、R5としては、例
えばメチル、エチル、プロピル等のアルキル基、ビニ
ル、アリル、ブテニル等のアルケニル基、フェニル、ト
ルイル等のアリール基、及びこれらの基の水素原子をハ
ロゲン原子やシアノ基等で置換した基等の炭素原子数1
〜8の置換若しくは非置換の一価炭化水素基が挙げられ
る。また、R6としては、水素原子の他、例えば(メタ)
アクリロキシ基、ビニル基、アリル基等のアルケニル
基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基等の付加反応
性基若しくは縮合反応性基が直接、あるいはこれらの基
が二価の置換若しくは非置換の炭化水素基(エーテル結
合を含む)を介して珪素原子に結合した炭素原子数1〜
8の一価の炭化水素基が挙げられる。R7としては、例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オク
チル、メトキシエチル基等の非置換又はアルコキシ置換
アルキル基等の炭素原子数1〜8の置換若しくは非置換
の一価炭化水素基が挙げられる。
【0031】上記平均組成式(2)で示される有機ケイ素
化合物としては、例えば、テトラアルコキシシラン、オ
ルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシ
シラン、珪素原子を2個から数個(10個以下)有するオ
ルガノアルコキシシロキサン、珪素原子を2個から数個
(10個以下)有するアルコキシシロキサンに分類され
る。オルガノアルコキシシロキサン、アルコキシシロキ
サンとしては直鎖状、環状、分岐状及び網状のいずれの
構造を有するものであってもよく、また単独重合体でも
共重合体であってもよいが、通常常温で液体のものが好
ましい。
【0032】このような上記平均組成式(2)で示される
有機ケイ素化合物として具体的には、トリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキ
シシラン、アリルトリエトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、メルカプトエチルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシシン、テトラブトキシ
シラン及びこれらのシランの1種又は2種以上の部分加水
分解縮合物(すなわち、上記の各シラン化合物における
アルコキシ基を少なくとも1つ残存しているシロキサン
オリゴマー)などが例示される。これらは1種単独でも
2種以上の組合わせでも使用することができる。
【0033】上記平均組成式(2)で示される有機ケイ素
化合物の配合量は、一般式(1)で示される有機ケイ素化
合物の配合量に応じて調整することが好ましく、通常一
般式(1)で示される有機ケイ素化合物と平均組成式(2)で
示される有機ケイ素化合物とが重量比で5:95〜95:5の割
合となるように配合することが望ましい。
【0034】さらに、本発明の組成物には有機溶剤を配
合することができる。有機溶剤は、組成物の作業条件な
どを考慮してその種類及び配合量を調整することができ
るが、配合量は、通常、一般式(1)で示される有機ケイ
素化合物と有機溶剤とが重量比で95:5〜1:99、特に
50:50〜1:99にすることが好ましい。有機溶剤として
は、例えばキシレン、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、
ヘキサン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、
塩化メチレン、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、フロン113、リグロイン、ゴム揮発
油、シリコーン系溶剤等が挙げられ、プライマー塗布作
業時の蒸発速度に応じ一種又はそれ以上を組み合わせて
混合溶剤として用いてもよい。
【0035】本発明のプライマー組成物においては、こ
れを特に付加硬化型のシリコーンエラストマー用の接着
剤として利用する場合、上記成分に加えて白金又は白金
族化合物(特に白金化合物)とヒドロシリル基(すなわ
ち、SiH基)を含有するオルガノポリシロキサンとを添
加することが接着性向上の点から好ましい。
【0036】この場合、白金化合物としては白金ブラッ
ク、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化
白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又
はアセチレンアルコール類等との錯体が例示される。
【0037】ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサ
ンとしては、例えば次の構造式で示す化合物等が挙げら
れる。なお、式中Meはメチル基であり、mは0〜100
の整数、nは1〜100の整数である。
【0038】
【化12】
【0039】前記白金酸又は白金族化合物の添加量は触
媒としての有効量が配合される。また上記ヒドロシリル
基含有オルガノポリシロキサンの配合量も適宜選定する
ことができるが、一般式(1)で示される有機ケイ素化合
物100重量部に対して1〜1000重量部にするのが好まし
い。
【0040】また、本発明のプライマー組成物を接着用
基体に塗布し、塗膜の厚みを厚くしたいとき、ビニル基
含有オルガノポリシロキサンを添加することが有効であ
り、さらに塗膜の強度を向上させる目的で各種の無機充
填剤、例えば微粉末シリカ等を添加混合してもよい。
【0041】本発明のプライマー組成物には、その他の
任意成分として例えばベンガラ、酸化セリウム、水酸化
セリウム、酸化チタン、カーボンブラック等従来公知の
耐熱剤、着色剤などの添加剤を本発明の効果を損なわな
い範囲で添加することができる。
【0042】本発明のプライマー組成物は、前記成分を
常温又は加熱下で均一に混合することにより容易に得る
ことができるが、この際に必要に応じて極微量の水を添
加してもよい。
【0043】本発明のプライマー組成物を接着用基体と
被接着体との接着に使用する場合は、清浄にした接着用
基体面にこれを適宜の方法、例えばはけ塗りなどの手段
で薄く塗布すればよい。この場合、塗布量は接着用基体
表面にプライマー薄膜を形成させるのに十分な量とすれ
ばよく、多量の塗布はかえって接着用基体とシリコーン
エラストマー等の被接着体との接着を阻害するので好ま
しくない。塗布後は、30分間又はそれ以上時間をかけて
風乾を行ってから被接着体を接着させることが好まし
く、その後にプライマー組成物の硬化を確実にするため
に必要に応じて50〜150℃程度に加熱して焼き付けを行
ってもよい。
【0044】ここで、接着用基体としては例えば鉄、ス
テンレス、アルミニウム、窒化処理鋼等の金属形成品の
他、これら金属形成品の表面にその耐候性、外観を向上
させるためにフッ素樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル
樹脂系等の各種合成樹脂系の塗料を塗布したもの、ポリ
カーボネート、アクリル樹脂、ABS樹脂、PBT樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、ポリエステル樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、66ナイロン等の樹脂成形
品、表面ナトリウム蒸気処理を施したPFAフィルム等が
挙げられる。
【0045】また被接着体としては、公知のシリコーン
エラストマーを使用することができ、例えばジオルガノ
ポリシロキサン生ゴムと充填剤とを主成分として有機過
酸化物で硬化させる熱硬化型のもの、ビニル基含有ジオ
ルガノポリシロキサン生ゴム若しくはオイルとオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンと充填剤とを主成分とし
白金系触媒によって室温ないし加熱硬化させる付加硬化
型のもの、シラノール基含有ジオルガノポリシロキサン
と加水分解性のシラン若しくはシロキサンと充填剤とを
主成分とし有機錫若しくは有機チタン化合物で硬化させ
る縮合硬化型のものなどが挙げられる。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。 製造例1 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにビニルトリイソプロペノキシシラン135.6g(0.6mo
l)、トルエン200gを投入し、40℃まで昇温した。昇温後
塩化白金酸2%2−エチルヘキサノール溶液0.1gを添加
し、ジクロロメチルシラン75.9g(0.66mol)を滴下した。
滴下終了後、未反応のジクロロメチルシランを還流しな
がら60〜70℃で1時間、更に80〜90℃で2時間反応させ
た。反応後、ガスクロマトグラィーにより、ビニルトリ
イソプロペノキシシランとジクロロメチルシランが完全
に反応したことを確認した。30℃付近まで温度を下げた
後、系内にトリエチルアミン133.6g(1.32mol)とブチル
ヒドロキシトルエン0.1gを投入した。次にヒドロキシエ
チルメタクリレートを171g(1.32mol)を滴下した。滴下
終了後60℃で3時間熟成し、析出したトリエチルアミン
塩酸塩を濾過した。濾過後60〜70℃/665Pa(5mmHg)で2
時間で未反応物を濃縮により取り除き、1−メチルビス
(2−メタクリロキシエトキシ)シリル−2−トリイソプロ
ペノキシシリルエタン238.1g(式(a)、収率:80%)を得
た。
【0047】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,3H,Si−CH3) (0.65〜0.79ppm,br
oad,4H,−CH2−CH2−)(1.79ppm,S,9H,O−C−CH3) (1.9
0ppm,S,6H,=C−CH3)(3.86〜4.10ppm,broad,8H,−O−CH
2−CH2−O−)(4.10,4.26ppm,d,6H,O−C=CH2) (5.52,
6.08ppm,d,4H,CH2=C) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C)(1
700cm-1,νC=O) (1l50cm-1,νSi−0C)
【0048】製造例2 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにビニルトリメトキシシラン88.8g(0.6mol)、トルエ
ン200gを投入し、40℃まで昇温した。昇温後塩化白金酸
2%2−エチルヘキサノール溶液0.1gを添加し、ジクロロ
メチルシラン75.9g(0.66mol)を滴下した。滴下終了後、
未反応のジクロロメチルシランを還流しながら60〜70℃
で1時間、更に80〜90℃で2時間反応させた。反応後、ガ
スクロマトグラィーにより、ビニルトリメトキシシラン
とジクロロメチルシランが完全に反応したことを確認し
た。30℃付近まで温度を下げた後、系内にトリエチルア
ミン133.6g(1.32mol)とブチルヒドロキシトルエン0.1g
を投入した。次にヒドロキシエチルメタクリレートを17
1g(1.32mol)を滴下した。滴下終了後60℃で3時間熟成
し、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過した。濾過
後60〜70℃/665Pa(5mmHg)で2時間未反応物を濃縮によ
り取り除き、1−メチルビス(2−メタクリロキシエトキ
シ)シリル−2−トリメトキシシリルエタン221g(式(b)、
収率:84%)を得た。
【0049】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,3H,Si−CH3) (0.65〜0.79ppm,br
oad,4H,−CH2−CH2−)(1.90ppm,S,6H,=C-CH3)(3.86〜
4.10ppm,broad,8H、−O−CH2−CH2−O−)(3.3ppm,S,9H,O
−CH3) (5.52,6.08ppm,d,4H,CH2=C) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C)(1
700cm-1,νC=O) (1l50cm-1,νSi-OC)
【0050】製造例3 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにビニルトリメトキシシラン88.8g(0.6mol)、トルエ
ン200gを投入し、40℃まで昇温した。昇温後塩化白金酸
2%2−エチルヘキサノール溶液0.1gを添加し、ジクロロ
メチルシラン75.9g(0.66mol)を滴下した。滴下終了後、
未反応のジクロロメチルシランを還流しながら60〜70℃
で1時間、更に80〜90℃で2時間反応させた。反応後、ガ
スクロマトグラィーにより、ビニルトリメトキシシラン
とジクロロメチルシランが完全に反応したことを確認し
た。30℃付近まで温度を下げた後、系内にトリエチルア
ミン133.6g(1.32mol)とブチルヒドロキシトルエン0.1g
を投入した。次にヒドロキシエチルアクリレートを153g
(1.32mol)を滴下した。滴下終了後60℃で3時間熟成し、
析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過した。濾過後60
〜70℃/665Pa(5mmHg)で2時間未反応物を濃縮により取
り除き、1−メチルビス(2−アクリロキシエトキシ)シリ
ル−2−トリメトキシシリルエタン209g(式(c)、収率:8
4%)を得た。
【0051】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,3H,Si-CH3) (0.65〜0.79ppm,bro
ad,4H,−CH2−CH2−)(1.90ppm,t,2H,C=CH)(3.86〜4.10
ppm,broad,8H,−O−CH2−CH2−O−)(3.3ppm,S,9H,O-C
H3) (5.52,6.08ppm,d,4H,CH2=C) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C)(1
700cm-1,νC=0) (1l50cm-1,νSi−OC)
【0052】製造例4 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにビニルトリイソプロペノキシシラン135.6g(0.6mo
l)、トルエン200gを投入し、40℃まで昇温した。昇温後
塩化白金酸2%2−エチルヘキサノール溶液0.1gを添加
し、ジメチルクロロシラン61.7g(0.66mol)を滴下した。
滴下終了後、未反応のジメチルクロロシランを還流しな
がら60〜70℃で1時間、更に80〜90℃で2時間反応させ
た。反応後、ガスクロマトグラィーにより、ビニルトリ
イソプロペノキシシランとジメチルクロロシランが完全
に反応したことを確認した。30℃付近まで温度を下げた
後、系内にトリエチルアミン133.6g(1.32mol)とブチル
ヒドロキシトルエン0.1gを投入した。次にヒドロキシエ
チルメタクリレートを85.4g(0.66mol)を滴下した。滴下
終了後60℃で3時間熟成し、析出したトリエチルアミン
塩酸塩を濾過した。濾過後60〜70℃/665Pa(5mmHg)で2
時間未反応物を濃縮により取り除き、1−ジメチル(2−
メタクリロキシエトキシ)シリル−2−トリイソプロペ
ノキシシリルエタン206g(式(f)、収率:80%)を得た。
【0053】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,6H,Si-CH3) (0.65〜0.79ppm,bro
ad,4H,−CH2−CH2−)(1.80ppm,S,3H,C-CH3) (1.90ppm,
S,9H,=C−CH3)(3.86〜4.10ppm,broad,4H,−O−CH2−CH
2−O−)(4.0,4.25ppm,d,6H,O−C=CH2)(5.45,6.1ppm,d,
2H,CH2=C) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C)(1
700cm-1,νC=O) (1l50cm-1,νSi−OC)
【0054】製造例5 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにビニルトリメトキシシラン88.8g(0.6mol)、トルエ
ン200gを投入し、40℃まで加熱した。加熱後塩化白金酸
2%2−エチルヘキサノール溶液0.1gを添加し、ジメチル
クロロシラン61.7g(0.66mol)を滴下した。滴下終了後、
未反応のジメチルクロロシランを還流しながら60〜70℃
で1時間、更に80〜90℃で2時間反応させた。反応後、ガ
スクロマトグラィーにより、ビニルトリメトキシシラン
とジメチルクロロシランが完全に反応したことを確認し
た。冷却後、系内にトリエチルアミン66.8g(0.66mol)と
ブチルヒドロキシトルエン0.1gを投入した。次にヒドロ
キシエチルメタクリレートを85.4g(0.66mol)を滴下し
た。滴下後、析出物を濾過し、60〜70℃/665Pa(5mmHg)
で未反応物を濃縮により取り除き、1−ジメチル(2−メ
タクリロキシエトキシ)シリル−2−トリメトキシシリ
ルエタン(式(d)を得た。
【0055】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,6H,Si-CH3) (0.65〜0.79ppm,bro
ad,4H,−CH2−CH2−)(1.90ppm,S,3H,=C−CH3)(3.86〜
4.10ppm,broad,4H,−O−CH2−CH2−O−)(3.3ppm,s,9H,O
−CH3)(5.52,6.08ppm,d,2H,CH2=C−) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C)(1
700cm-1,νC=O) (1l50cm-1,νSi−OC)
【0056】製造例6 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにビニルトリイソプロペノキシシラン135.6g(0.6mo
l)、トルエン200gを投入し、40℃まで加熱した。加熱後
塩化白金酸2%2−エチルヘキサノール溶液0.1gを添加
し、ジメチルクロロシラン61.7g(0.66mol)を滴下した。
滴下後、未反応のジメチルクロロシランを還流しながら
60〜70℃で1時間、更に80〜90℃で2時間反応させた。反
応後、ガスクロマトグラィーにより、ビニルトリイソプ
ロペノキシシランとジメチルクロロシランが完全に反応
したことを確認した。冷却後、系内にトリエチルアミン
66.8g(0.66mol)とブチルヒドロキシトルエン0.1gを投入
した。次にヒドロキシエチルアクリレートを76.5g(0.66
mol)を滴下した。滴下後、析出物を濾過し、60〜70℃/
665Pa(5mmHg)で未反応物を濃縮により取り除き、1−ジ
メチル(2−アクリロキシエトキシ)シリル−2−トリイ
ソプロペノキシシリルエタン(式(g)を得た。
【0057】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,6H,Si-CH3) (0.65〜0.79ppm,broad,4H,−CH2−CH2−) (1.79ppm,S,9H,O−C−CH3) (1.90ppm,t,1H,C=CH−) (3.86〜4.10ppm,broad,4H,−O−CH2−CH2−O−) (4.10,4.26ppm,d,6H,O−C=CH2) (5.52,6.08ppm,d,2H,CH2=C) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C) (1700cm-1,νC=O) (1l50cm-1,νSi−OC)
【0058】製造例7 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにビニルトリイソプロペノキシシラン135.6g(0.6mo
l)、トルエン200gを投入し、40℃まで加熱した。加熱後
塩化白金酸2%2−エチルヘキサノール溶液0.1gを添加
し、ジメチルクロロシラン61.7g(0.66mol)を滴下した。
滴下後、未反応のジメチルクロロシランを還流しながら
60〜70℃で1時間、更に80〜90℃で2時間反応させた。反
応後、ガスクロマトグラィーで、ビニルトリイソプロペ
ノキシシランとジメチルクロロシランが完全に反応した
ことを確認した。冷却後、系内にトリエチルアミン66.8
g(0.66mol)とブチルヒドロキシトルエン0.1gを投入し
た。次に2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタ
クリロキシプロパン141.3g(0.66mol)を滴下した。滴下
後、析出物を濾過し、60〜70℃/665Pa(5mmHg)で未反応
物を濃縮により取り除き、式(q)で示される化合物を得
た。
【0059】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,6H,Si-CH3) (0.65〜0.79ppm,broad,4H,−CH2−CH2−) (1.79ppm,S,9H,O−C−CH3) (1.90ppm,t,1H,C=CH−) (3.86〜4.10ppm,broad,5H,(−O−CH2−)2CH−O−) (4.10,4.26ppm,d,6H,O−C=CH2) (5.52,6.08ppm,d,2H,CH2=C) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C) (1700cm-1,νC=O) (1l50cm-1,νSi−OC)
【0060】製造例8 蛇管冷却器、温度計を備えた1リットルの四つ口フラス
コにテトラメトキシシラン152g(1.0mol)、錫ジオクテー
ト1gを投入し80℃まで昇温後、アクリロキシメチルジメ
チルシラノール160g(1.0mol)を滴下した。滴下終了後、
80℃で2時間熟成した。熟成後減圧蒸留を行い92℃/399
Pa(3mmHg)でアクリロキシメチルジメチルシロキシトリ
メトキシシラン182g(式(h)、収率65%)を得た。
【0061】上記化合物はNMR及びIRにより同定さ
れた。 NMR:(0.105ppm,S,6H,Si−CH3) (3.3ppm,S,9H,O−C
H3)(3.63ppm,S,2H,Si−CH2−)(5.58〜6.35ppm,broad,3
H,CH2=CH−) IR :(2800〜3000cm-1,νCH) (1650cm-1,νC=C)
(1700cm-1,νC=O)(1l50cm-1,νSi−OC)
【0062】実施例1 下記に示す成分を常温(25℃)で均一になるように攪拌
し、プライマー組成物を調製した。 製造例1で得た1−メチルビス(2−メタクリロキシエトキシ)シリル−2−トリイ ソプロペノキシシリルエタン 10g テトラ−n−ブチルチタネート 10g n−ヘプタン 90g さらに、接着用基体としては、金属として鉄、アルミニ
ウム、窒化処理鋼を用い、プラスチックスとして66ナイ
ロンを用い、PFAフィルムを用い、また、基体と接着さ
せるためのシリコーンゴム組成物としては下記(a)〜(c)
のものを使用した。 (a)付加硬化型シリコーン(KE1330A:信越化学工業
(株)社製)と付加硬化型シリコーン(KE1330B:信越化
学工業(株)社製)とを配合(重量)比100:100で混合
し、シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の硬
化条件は次のとおりである。 硬化条件:金型に挿入し、120℃で10分間加圧硬化させ
る。 (b)縮合硬化型シリコーン(KE17:信越化学工業(株)社
製)と縮合硬化型シリコーン(CATRM:信越化学工業(株)
社製)とを配合(重量)比100:0.5で混合し、シリコー
ンゴム組成物を調製した。この組成物の硬化条件は次の
とおりである。硬化条件:ポッティングして、室温で24
時間かけて硬化させる。 (c)有機過酸化物硬化型シリコーン(KE951U:信越化学
工業(株)社製)と有機過酸化物硬化型シリコーン(C-8
A:信越化学工業(株)社製)とを配合(重量)比100:0.2
で混合し、シリコーンゴム組成物を調製した。この組成
物の硬化条件は次のとおりである。 硬化条件:金型に挿入して、170℃で10分間加圧硬化さ
せる。
【0063】上記接着用基体の表面をエタノールで清拭
し、その上に上記プライマー組成物を塗布し、30分間
常温で風乾後、上記(a)〜(c)の未硬化のシリコーンゴム
組成物を乗せ、それぞれの硬化条件に応じて接着硬化さ
せた。
【0064】接着性は、接着初期と230℃で1000時間経
過後(加熱後)とについて接着用基体とシリコーンゴム硬
化物とを剥離し、両者の剥離面が180°になるように引
張ることにより確認した。このとき、シリコーンゴム硬
化物部分で破壊(凝集破壊)したものを○、基体とシリ
コーンゴムとの間の界面で剥離したものを×、これら2
種の剥離の仕方が混合した形で剥離したものを△とし
た。結果を表1に示す。
【0065】実施例2 下記に示す成分を常温で均一になるように攪拌し、プラ
イマー組成物を調製した。 製造例2で得た1−メチル−ビス(2−メタクリロキシエトキシ)シリル−2−トリ メトキシシリルエタン 2g テトラ−n−ブチルチタネート 10g n−ヘプタン 90g テトラエトキシシラン 8g この組成物を用いた以外は実施例1と同様にして接着性
を評価した。結果を表1に示す。
【0066】実施例3 下記に示す成分を常温で均一になるように攪拌し、プラ
イマー組成物を調製した。 製造例3で得た1−メチル−ビス(2−アクリロキシエトキシ)シリル−2−トリメ トキシシリルエタン 2g テトラ−n−ブチルチタネート 10g トルエン 90g テトラエトキシシラン 8g この組成物を用いた以外は実施例1と同様にして接着性
を評価した。結果を表1に示す。
【0067】実施例4 下記に示す成分を常温で均一になるように攪拌し、プラ
イマー組成物を調製した。 製造例4で得た1−ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル−2−トリイソ プロペノキシシリルエタン 2g ジブチル錫ジラウレート 10g n−ヘプタン 90g ビニルトリメトキシシラン 8g この組成物を用いた以外は実施例1と同様にして接着性
を評価した。結果を表1に示す。
【0068】比較例1 実施例1〜4のような有機化合物を用いずに、下記に示
す成分を常温で均一になるように攪拌し、プライマー組
成物を調製した。 テトラ−n−ブチルチタネート 10g n−ヘプタン 90g テトラエトキシシラン 10g この組成物を用いた以外は実施例1と同様にして接着性
を評価した。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】表1の結果より、実施例1〜4においては
接着初期及び加熱後もシリコーンエラストマーが基体に
良好に接着しており、接着牲及び接着耐久性に優れるこ
とが確認された。
【0071】実施例5、比較例2 下記成分を混合し、プライマー組成物Aを調製した(実
施例5)。また、1−ジメチル(2−メタクリロキシエトキ
シ)シリル−2−トリメトキシシリルエタンを除いた下記
成分を混合し、プライマー組成物Bを調製した(比較例
2)。 製造例5で得た1−ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル−2−トリメト キシシリルエタン 5g γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 6g テトラプロポキシチタン 10g ヘキサン 100g 次いで、アルミニウム製の建材にフッ素樹脂系塗料を塗
布して作った塗装金属の表面を清浄にし、これに上記プ
ライマー組成物A又はBをはけ塗りしてフッ素塗装金属
面に薄く塗装してから1時間風乾し、室温で硬化して、
この面にN,N−ジエチルヒドロキシアミンを放出する二
液縮合型シリコーンエラストマー組成物を塗布して硬化
させた。
【0072】14日後にこの硬化したシリコーンエラスト
マーと塗装金属との接着性をJIS-A578の方法に準じて調
べた。その結果、プライマー組成物Aで処理した実施例
5のものは最大引張応力が7.9kg/cm2で、このものは10
0%がエラストマー凝集破壊したが、プライマー組成物
Bで処理した比較例2のものは最大引張応力が1.7kg/c
m2でこれは100%が界面破壊した。したがって、本発明
のプライマー組成物は比較例のものに比べて優れた接着
性を示すことが確認された。
【0073】また、接着性基体としてポリカーボネート
を使用してプライマー組成物A又はBを上記と同様に塗
布し、さらに一般品の加熱硬化型シリコーンエラストマ
ー組成物を塗布し、100℃で1時間かけて硬化させた。
このポリカーボネートとシリコーンエラストマーとの接
着牲を上記と同様に調べたところ、プライマー組成物A
で処理したものは量大引張応力が18.7kg/cm2で100%が
エラストマー凝集破壊したが、プライマー組成物Bで処
理したものは最大引張応力が5.7kg/cm2で100%が界面破
壊した。
【0074】実施例6〜12、比較例3〜9 表2に示す成分(単位:g)を配合してプライマー組成物
C〜Pを調製した。次いで、アルミニウム製の建材にフッ
素樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料又はアクリル樹脂系
塗料を塗布して3種の塗装金属材を作り、これに上記プ
ライマー組成物C〜Pをはけ塗りして塗装金属面に薄く塗
装し、この面に実施例5で使用した二液縮合型シリコー
ンエラストマー組成物を塗布して硬化させ、14日後にお
けるシリコーンエラストマー硬化物と塗装金属の接着性
を調べた。この結果を表3に示す。
【0075】次に、接着用基体としてポリカーボネー
ト、ABS樹脂を用い、これらに前記と同様にプライマー
組成物C〜Pを塗布し、さらに加熱硬化型シリコーンエラ
ストマーを塗布して120℃、1時間で硬化させ、上記と同
様に接着性試験を行った。結果を表4に示す。
【0076】なお、表2において有機ケイ素化合物*1
は製造例6で得た前記式(g)で表わされる有機ケイ素化
合物、有機ケイ素化合物*2は製造例7で得た前記式
(q)で表わされる有機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物
*3は製造例8で得た前記式(h)で表わされる有機ケイ
素化合物である。
【0077】
【表2】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】表3、4の結果より、一般式(1)で示され
る有機ケイ素化合物を配合したプライマー組成物C〜Iを
用いた場合(実施例6〜12)は最大引張応力が大き
く、ゴム質破壊を示したが、一般式(1)で示される有機
ケイ素化合物を配合していないプライマー組成物を用い
た場合(比較例3〜9)は最大引張応力が小さく、いず
れも界面破壊を示した。したがって、本発明のプライマ
ー組成物を接着用基体に適用すると接着用基体と被接着
体とは接着性及び接着耐久性に優れていることが確認さ
れた。
【0080】
【発明の効果】本発明のプライマー組成物は、これを金
属、塗装金属、各種樹脂等の接着用基体上に適用すれ
ば、これを介してシリコーンエラストマー等の被接着体
を良好に接着させ得る上、接着耐久性に優れる。したが
って、本発明のプライマー組成物は、例えば接着剤など
としても広い分野で有効に利用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月9日(2001.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【化8】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【化10】 上式中-CH2-CH2-A-は一般式(1)における-Z2-に相当し、
Aは単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基であ
り、アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基等が挙げられる。また、例えば次
式に示すようにして製造される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【化12】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 寛保 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J038 CG141 DL032 DL051 DL071 GA15 JA23 JC38 JC39 NA12 NA24 PB05 PB09 PC02 PC07 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子、フェニル基又はハロゲン化フェ
    ニル基、R2は水素原子又はメチル基、R3は同一又は異な
    ってもいてもよい炭素原子数1〜10の置換若しくは非置
    換の一価炭化水素基、Xは加水分解性基、Z1は−R4−、
    −R4O−又は、−R4(CH3)2SiO−(R4は同一又は異なって
    もいてもよい炭素原子数1〜10の置換若しくは非置換の
    二価炭化水素基)、Z2は酸素原子又は同一若しくは異な
    ってもいてもよい炭素原子数1〜10の置換若しくは非置
    換の二価炭化水素基、mは0、1又は2であり、nは
    0、1又は2である。)で表される有機ケイ素化合物を
    含有することを特徴とするプライマー組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、有機金属化合物を含有すること
    を特徴とする請求項1記載のプライマー組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、下記平均組成式(2) R5 aR6 b(R7O)cSiO(4-a-b-c)/2 (2) (式中、R5は同一又は異なってもいてもよい置換若しく
    は非置換の一価炭化水素基、R6は同一又は異なってもい
    てもよい水素原子若しくは付加反応性基若しくは縮合反
    応性基を含有する置換若しくは非置換の一価炭化水素
    基、R7は同一又は異なってもいてもよい置換若しくは非
    置換の一価炭化水素基であり、a、b及びcは、それぞ
    れ0≦a≦3、0≦b≦3、2≦c≦4、2≦a+b+c≦4を満足す
    る数である。)で示される有機ケイ素化合物を含有する
    請求項1又は請求項2記載のプライマー組成物。
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