JP6156211B2 - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び物品 - Google Patents
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Description
〔1〕
(A)下記一般式(1)
で表されるアクリル酸エステル骨格含有有機ケイ素化合物を0.001〜30質量部と、
(B)分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサンを100質量部と、
(C)硬化触媒を0.01〜15質量部と
を含むことを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔2〕
(B)成分が、下記一般式(2)又は(3)で表される分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンである〔1〕記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔3〕
更に、(D)前記(A)成分以外の加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(但し、前記(B)成分と重複するものを除く)を(B)成分100質量部に対して0.1〜30質量部含有する〔1〕又は〔2〕記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔4〕
更に、(E)充填剤を(B)成分100質量部に対して1〜1,000質量部含有する〔1〕,〔2〕又は〔3〕記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔5〕
更に、(F)前記(D)成分以外の接着促進剤を(B)成分100質量部に対して0.2〜30質量部含有する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物の硬化物でコーティング、接着又はシーリングした物品。
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表されるアクリル酸エステル骨格含有有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
なお、上記具体例の3−(トリメトキシシリル)−2−プロペン酸エチルエステルの構造式を示せば、以下の通りである。
(A)上記一般式(1)で表されるアクリル酸エステル骨格含有有機ケイ素化合物
(B)分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン
(C)硬化触媒
(D)前記(A)成分以外の加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物
(E)充填剤
(F)接着促進剤
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に用いられる(A)成分は、上述した、上記一般式(1)で表される、アクリル酸エステル骨格含有(加水分解性)オルガノシラン化合物などの、アクリル酸エステル骨格含有有機ケイ素化合物の1種又は2種以上である。アクリル酸エステル骨格含有有機ケイ素化合物は、室温硬化性樹脂組成物(室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物)を速やかに硬化させるものであり、室温硬化性樹脂組成物(室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物)の架橋剤として作用するものである。
(B)成分であるオルガノポリシロキサンは、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基(即ち、シラノール基)又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサンである。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記一般式(2)又は(3)で表わされる分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンが用いられる。
(C)成分は硬化触媒であり、この組成物を硬化させるために使用される。硬化触媒としては、有機金属触媒を用いることが好ましい。有機金属触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物、アルミニウムキレート化合物等の有機金属化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン、N,N,N’,N’,N'',N''−ヘキサメチル−N'''−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−ホスホリミディックトリアミド等のホスファゼン塩基を含有するシラン又はシロキサン等が例示されるが、これらはその1種に限定されず、2種以上の混合物として使用してもよい。
(D)成分である(A)成分以外の加水分解性(オルガノ)シラン及び/又はその部分加水分解縮合物は、必要に応じて添加してもよい任意成分であり、前記(A)成分と同様に架橋剤として作用し得るものである。この(D)成分中の加水分解性基としては、例えば、ケトオキシム基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基等が挙げられ、アルコキシ基、イソプロペノキシ基が好ましい。なお、本発明において、部分加水分解縮合物とは、加水分解性シラン化合物同士が部分的に加水分解・縮合して生成する、分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の残存加水分解性基を有するオルガノシロキサンオリゴマーを意味する。また、(D)成分は、後述する(F)成分とも異なるものである。
(E)成分は充填剤であり、この組成物から形成される硬化物に十分な機械的強度を与えるために必要に応じて使用される任意成分である。この充填剤としては公知のものを使用することができ、例えば表面処理又は無処理の、焼成シリカ、煙霧質シリカ、シリカエアロゲル等の乾式シリカ、沈降シリカ、ゾル−ゲル法シリカ等の湿式シリカ、けいそう土などのシリカ系微粉末、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物、あるいはこれらの表面をシラン処理したもの、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛などの金属炭酸塩、アスベスト、ガラスウール、カーボンブラック、微粉マイカ、溶融シリカ粉末、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成樹脂粉末等の1種又は2種以上が使用される。
(F)成分は、必要に応じて配合される接着促進剤であり、この接着促進剤としては、通常、シランカップリング剤(例えば、(メタ)アクリロキシ官能性基、エポキシ官能性基、アミノ官能性基、メルカプト官能性基、ハロゲン原子等の官能性基含有一価炭化水素基(いわゆるカーボンファンクショナル基)を含有する加水分解性オルガノシラン化合物及びこれらの反応物など)を挙げることができ、特にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、イソシアネートシラン等から選ばれる1種又は2種以上を配合することが好ましい。
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部と、3−(トリメトキシシリル)−2−プロペン酸エチルエステル6.1質量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部と、3−(トリメトキシシリル)−2−プロペン酸メチルエステル5.7質量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部と、3−(トリメトキシシリル)−2−プロペン酸2−エチルヘキシルエステル8.4質量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部と、ビニルトリメトキシシラン4.1質量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部と、メチルトリメトキシシラン3.8質量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
実施例1〜3及び比較例1,2で調製された各組成物のタックフリータイムを測定した。
また、実施例1〜3及び比較例1,2で調製された調製直後の各組成物を厚さ2mmのシート状に押し出し、23℃,50%RHの空気に曝し、次いで、該シートを同じ雰囲気下に7日間放置して得た硬化物の物性(初期物性)を、JIS K−6249に準拠して測定した。なお、硬さは、JIS K−6249のデュロメーターA硬度計を用いて測定した。
また、実施例1〜3及び比較例1,2で調製された調製直後の各組成物を密閉容器に入れて、70℃の温度で7日間放置した組成物及びこの組成物から作った厚さ2mmのシートについても同様の測定を行った。
これらの結果を下記表1,2に示した。
Claims (6)
- (A)下記一般式(1)
で表されるアクリル酸エステル骨格含有有機ケイ素化合物を0.001〜30質量部と、
(B)分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサンを100質量部と、
(C)硬化触媒を0.01〜15質量部と
を含むことを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 更に、(D)前記(A)成分以外の加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(但し、前記(B)成分と重複するものを除く)を(B)成分100質量部に対して0.1〜30質量部含有する請求項1又は2記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(E)充填剤を(B)成分100質量部に対して1〜1,000質量部含有する請求項1,2又は3記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(F)前記(D)成分以外の接着促進剤を(B)成分100質量部に対して0.2〜30質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物の硬化物でコーティング、接着又はシーリングした物品。
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