JP2008120927A - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、耐水性、耐湿性に優れた硬化物を与える室温硬化性のオルガノポリシロキサン組成物を提供する。
【解決手段】(A)分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサン、
(B)下記一般式(1)
Figure 2008120927

(式中、R、R1及びR2は、置換又は非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよく、nは1〜6の整数、aは1〜3の整数を示す。)
で表されるシリルケテンアセタール型化合物、その部分加水分解縮合物又はそれらの混合物
を含有してなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関するものであり、特に保存安定性、耐湿性、耐水性に優れた硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
従来、空気中の水分と接触することにより室温でエラストマー状に硬化する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、種々のタイプのものが公知であるが、とりわけアルコールを放出して硬化するタイプのものは不快臭がないこと、金属類を腐食しないことが特徴となって、電気・電子機器等のシーリング用、接着用、コーティング用に好んで使用されている。
かかるタイプの代表例としては、特公昭39−27643号公報(特許文献1)に記載のものが挙げられ、これには水酸基末端封鎖オルガノポリシロキサンとアルコキシシランと有機チタン化合物からなる組成物が開示されている。また、特開昭55−43119号公報(特許文献2)には、アルコキシシリル末端封鎖オルガノポリシロキサンとアルコキシシランとアルコキシチタンからなる組成物が開示されている。特公平7−39547号公報(特許文献3)には、シルエチレン基を含むアルコキシシリル末端封鎖された直鎖状のオルガノポリシロキサンとアルコキシシランとアルコキシチタンからなる組成物が開示されている。更に、特開平7−331076号公報(特許文献4)には、水酸基末端封鎖オルガノポリシロキサン又はアルコキシ基末端封鎖オルガノポリシロキサンとアルコキシ−α−シリルエステル化合物からなる組成物が開示されている。
これらの組成物は、ある程度の保存安定性、耐水性、耐湿性が得られているが、これら問題を完全に解決するには至っていない。
特公昭39−27643号公報 特開昭55−43119号公報 特公平7−39547号公報 特開平7−331076号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、保存安定性に優れ、耐水性、耐湿性に優れた硬化物を与える室温硬化性のオルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で示される特定の分子構造を有するシリルケテンアセタール型化合物を、ポリマー末端封鎖剤、硬化剤、保存安定剤として使用することにより、保存安定性に優れ、耐水性、耐湿性に優れた硬化物を与える室温硬化性のオルガノポリシロキサン組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサン、
(B)下記一般式(1)
Figure 2008120927
(式中、R、R1及びR2は、置換又は非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよく、nは1〜6の整数、aは1〜3の整数を示す。)
で表されるシリルケテンアセタール型化合物、その部分加水分解縮合物又はそれらの混合物
を含有してなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
また、本発明の組成物には、前記(A)、(B)成分に加えて、(C)充填剤及び/又は(D)有機金属触媒を配合することができる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、特に耐湿性、耐水性に優れた硬化物を与え、更に例えば6ヶ月間の貯蔵後でも、空気中に曝すと速やかに硬化して、優れた物性を示す。この組成物は、耐水性、耐湿性が必要な箇所の接着、シール材として有用であり、とりわけ、耐スチーム性、耐水性が必要な建築用途、電気電子用接着剤用途として有効に使用することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、
(A)分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサン、
(B)一般式(1)で表されるシリルケテンアセタール型化合物、その部分加水分解縮合物又はそれらの混合物
を含有してなるものであり、好ましくは更に
(C)充填剤、
(D)有機金属触媒
を配合することができる。
[(A)成分]
(A)成分であるジオルガノポリシロキサンは、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するものである。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記一般式(2)又は(3)で表わされる分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンが用いられる。
Figure 2008120927

(式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Xは酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であり、bは2又は3であり、mはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000mPa・sとする数である。)
上記式中、Rの置換又は非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Xは、酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、二価炭化水素基としては、−(CH2p−(pは1〜8を表す)で表される。これらの中でも酸素原子、−CH2CH2−が好ましい。
Yは、上記ジオルガノポリシロキサンの分子鎖末端における加水分解性基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基、ビニロキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が特に好ましい。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sが好ましく、より好ましくは300〜500,000mPa・s、特に好ましくは500〜100,000mPa・s、とりわけ1,000〜80,000mPa・sである。上記ジオルガノポリシロキサンの粘度が100mPa・s未満であると、物理的・機械的強度に優れたコーティング塗膜を得ることが困難となる場合があり、1,000,000mPa・sを超えると組成物の粘度が高くなりすぎて使用時における作業性が悪くなる場合がある。ここで、粘度は回転粘度計による数値である。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2008120927

(式中、m、R、Yは上記と同様であり、b′は0又は1である。)
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、1種単独でも構造や分子量の異なる2種以上を組み合わせても使用することができる。
[(B)成分]
(B)成分は、下記一般式(1)で表されるシリルケテンアセタール型化合物、又はその部分加水分解縮合物、即ち部分的な加水分解により生じたシラノール基が更に縮合して生成したシロキサンが使用される。また、シリルケテンアセタール型化合物とその部分加水分解縮合物とを併用してもよい。
Figure 2008120927
(式中、R、R1及びR2は、置換又は非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよく、nは1〜6の整数、aは1〜3の整数を示す。)
上記一般式(1)において、R、R1及びR2の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基は、直鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基及びt−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基等で置換された基等を挙げることができる。これらの基は同一であっても異なっていてもよい。本発明において、好適なR及びR1は、メチル基、エチル基であり、好適なR2は、メチル基、エチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基である。
また、nは1〜6、好ましくは2〜4の整数であり、aは1〜3、好ましくは2又は3の整数である。
かかる一般式(1)で表される本発明の有機ケイ素化合物は、そのケイ素−酸素結合が、比較的温和な条件下で開裂するシリルケテンアセタール構造を有していることに関連して、アルコール類、シラノール類と効率よく反応する。従って、この有機ケイ素化合物は、工業的に有用なα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン等のオルガノポリシロキサンの末端アルコキシシリル化剤、あるいはシリカの表面処理剤、アルコール等のスカベンジャーとして脱アルコールタイプRTVの保存安定剤等の用途に有用である。また分子中に3個のメトキシ基を有する場合、3官能のアルコキシシランであることから脱アルコールタイプRTVの硬化剤としても有用である。
本発明のシリルケテンアセタール型化合物は、アクリル酸エステル類とハイドロアルコキシシロキサン類とを反応させることによって製造することができる。この反応式は、例えば次式(4)で表される。
Figure 2008120927
〔式中、R、R1、R2、n、aは前記の通りである。〕
この反応は、上記式(4)から明らかな通り、アクリル酸エステル類に対するシロキサン化合物のヒドロシリル(SiH)基の1,4−付加反応である。この場合、本発明において、ヒドロシロキサン化合物としては、下記に示すものが好適に用いられる。
Figure 2008120927
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。)
一方、上記ヒドロシロキサン化合物と反応させて用いるアクリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を好ましく使用することができる。
本発明で用いるヒドロシロキサン化合物とアクリル酸エステル類の量は、ヒドロシロキサン化合物1モルに対してアクリル酸エステル類0.8〜1.2モルとなることが好ましい。
上記反応は、通常、この種の付加反応触媒の存在下で行われる。かかる触媒としては、白金族金属系触媒、例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがあるが、白金系のものが特に好適である。この白金系のものとしては、白金黒あるいはアルミナ、シリカ等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体あるいは白金とビニルシロキサンとの錯体等を例示することができる。これらの触媒の使用量は、所謂触媒量でよく、例えば前記アクリル酸エステルとハイドロアルコキシシロキサン類との合計量に対して、白金族金属換算で0.1〜1,000ppm、特に0.5〜100ppmの量で使用される。
この反応は、一般に50〜120℃、特に60〜100℃の温度で、0.5〜12時間、特に1〜6時間行うことが望ましく、また溶媒を使用せずに行うことができるが、上記付加反応等に悪影響を与えない限りにおいて、必要によりトルエン、キシレン等の適当な溶媒を使用することができる。
また、上記式(4)の反応によれば、本発明の有機ケイ素化合物以外に、次の式(5)及び(6)で表される異性体が、副反応生成物として極僅か生成する。
Figure 2008120927
〔式中、R、R1、R2、n、aは前記の通りである。〕
これら副反応生成物の生成量は極僅かであり、また本発明の有機ケイ素化合物の異性体であって、その特性に悪影響を与えないことから、これらを分離することなく使用することができる。
また、このシリルケテンアセタール型化合物は、アルコールに対しても高活性であり、下記式(7)に示されるような反応によりアルコールを捕捉する。なお、以下の式中、R’はメチル基等の一価の炭化水素基であり、R、R1、R2は前記の通りの基である。
Figure 2008120927
従って、このシリルケテンアセタール型化合物は、(A)成分のジオルガノポリシロキサンあるいはこのシリルケテンアセタール型化合物自体のアルコキシ基との反応により生成するアルコールと、(C)成分の充填剤中に含まれる水分とを効果的に捕捉できるため、保存安定剤としても優れた効果を発揮する。また上記反応で生成するアルコキシシランやエステル化合物は、組成物の硬化性等に何ら悪影響を及ぼさない。
更に、この(B)成分のシリルケテンアセタール型化合物は高沸点であり、揮発しにくい。即ち、かかる(B)成分は、硬化剤としてのみならず保存安定剤としても作用するため、本発明の組成物を電気電子用接点部材周辺の絶縁材や接着剤として用いた場合にも、硬化剤や保存安定剤の揮発に起因する接点障害の問題を効果的に防止することが可能となるのである。
(B)成分の配合量は、前記式(7)で示されるアルコールとの反応が容易にかつ化学量論的に進行するので、通常、そのシリルケテンアセタール型化合物がアルコールに対して等モル以上となる量とする。一般的には、前記(A)成分100質量部当たり、0.1〜30質量部、特に0.5〜20質量部の量で配合することが好ましい。0.1質量部未満ではアルコールが残存し、保存安定性が損なわれるおそれがあり、30質量部より多量に配合しても、それ以上の効果向上は望めないので経済的に不利になる。
[(C)成分]
(C)成分は充填剤であり、この組成物から形成される硬化物に十分な機械的強度を与えるために使用される。この充填剤としては公知のものを使用することができ、例えば微粉末シリカ、煙霧質シリカ、シリカエアロゲル、沈降シリカ、けいそう土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物、あるいはこれらの表面をシラン処理したもの、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛などの金属炭酸塩、アスベスト、ガラスウール、カーボンブラック、微粉マイカ、溶融シリカ粉末、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成樹脂粉末等が使用される。
この充填剤の配合量は、前記(A)成分100質量部当たり、1〜400質量部、特に5〜200質量部とすることが好ましい。1質量部未満ではこの組成物から得られる硬化物が十分な機械的強度を示さないものとなる傾向があり、また400質量部よりも多量に使用すると、組成物の粘度が増大して作業性が悪くなるばかりでなく、硬化後のゴム強度が低下してゴム弾性が得難くなる傾向がある。
[(D)成分]
(D)成分は有機金属触媒であり、この組成物を硬化させるために使用される。有機金属触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等の有機金属化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が例示されるが、これらはその1種に限定されず、2種以上の混合物として使用してもよい。
なお、これら硬化触媒の配合量は、上記(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.001〜15質量部、特に0.01〜5質量部が好ましい。
また、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、添加剤として、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、酸化アンチモン、塩化パラフィン等の難燃剤など公知の添加剤を配合することができる。更に、チクソ性向上剤としてのポリエーテル、防かび剤、抗菌剤、接着助剤を配合することもできる。
接着助剤としては、特にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、イソシアネートシラン等を配合することが好ましい。これら接着助剤は(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。
本発明の上記オルガノポリシロキサン組成物は、上記各成分、更にはこれに上記各種添加剤の所定量を、乾燥雰囲気中において均一に混合することにより得ることができる。
また、上記オルガノポリシロキサン組成物は、室温で放置することにより硬化するが、その成形方法、硬化条件などは、組成物の種類に応じた公知の方法、条件を採用することができる。
かくして得られる本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、空気中の湿気により、室温で速やかに硬化して耐熱性、耐候性、低温特性、各種基材、特に金属に対する接着性に優れたゴム弾性体硬化物を形成する。また、この組成物は、特に保存安定性、硬化性に優れ、例えば6ヶ月間の貯蔵後も空気中に曝すと速やかに硬化して、上述のように優れた物性を持つ硬化物を与える。特に硬化時に毒性あるいは腐食性のガスを放出せず、この組成物を施した面に錆を生じさせることもない。特にこの組成物は、電気電子部品の接点障害を生じさせることがないので、電気電子部品用絶縁材や接着剤として有用であるほか、各種基材に対するシール剤、コーキング剤、被覆剤、離型処理剤として、また繊維処理剤としても広く使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の具体例において、「部」は「質量部」を意味し、また粘度は25℃での回転粘度計による測定値を示したものである。
[実施例1]
粘度20,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン90部と、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧状シリカ10部を均一に混合し、これに下記式で示されるシリルケテンアセタール型化合物8部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
Figure 2008120927
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基である。)
[実施例2]
実施例1の組成物に、更にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1部を加え、湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[実施例3]
粘度50,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン35部と粘度100mPa・sの分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン25部、脂肪酸で表面処理された軽質炭酸カルシウム(白艶華CCR、白石工業(株)製)40部を均一に混合し、これに上記式で示されるシリルケテンアセタール型化合物8部、ジブチル錫ジラウレート0.3部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1部を湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[比較例1]
実施例1において、シリルケテンアセタール型化合物8部の代わりにメチルトリメトキシシラン4部を用いた以外は同様に組成物を調製した。
[比較例2]
実施例1において、シリルケテンアセタール型化合物8部の代わりに2−トリメトキシシリルプロピオン酸エチル6部を用いた以外は同様に組成物を調製した。
次に、各実施例及び比較例で調製された調製直後の各組成物を厚さ2mmのシート状に押し出し、23℃,50%RHの空気に曝し、次いで、該シートを同じ雰囲気下に7日間放置して得た硬化物の物性(初期物性)を、JIS K−6249に準拠して測定した。なお、硬さは、JIS K−6249のデュロメーターA硬度計を用いて測定した。
更に、この硬化物を85℃,85%RHの恒温恒湿器に100時間保管したものを同様に測定した。また、各実施例及び比較例で調製された調製直後の各組成物を密閉容器に入れて、70℃の温度で7日間放置したもの、及び23℃で6ヶ月間放置したものから作った厚さ2mmのシートについても同様の測定を行った。
これらの結果を表1に示した。
Figure 2008120927
[参考例]
上記実施例1で示したシリルケテンアセタール型化合物の製造方法は、以下の通りである。
撹拌機、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた500mlの四つ口フラスコに、エチルアクリレート100.12g(1モル)、塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)0.23g、イルガノックス1330(チバ・ガイギ社製重合禁止剤)1.4g、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(チバ・ガイギ社製重合禁止剤)1.4gを入れ、加熱撹拌しながら温度を70℃に上げた。
次いで、撹拌下で、下記ヒドロシロキサン化合物−1 282.5g(1モル)を滴下していくと、発熱が認められ、反応温度は70〜80℃となり、4時間、この温度に反応系を保持した。反応終了後、減圧蒸留により、沸点130〜132℃/7mmHgに314g(収率82%)の留分が得られた。
ガスクロマトグラフィー(GC)分析によれば、この留分は、目的生成物(1)を97%以上含んでいることを確認した。得られた生成物(1)の1HNMR、13CNMR及び29SiNMRチャートを図1〜3にそれぞれ示す。また、IR分析チャートを図4に示す。
ヒドロシロキサン化合物−1
Figure 2008120927
(式中、Meはメチル基である。)
目的生成物(1)
Figure 2008120927
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基である。)
参考例で得られた目的生成物(1)の1HNMRチャートである。 参考例で得られた目的生成物(1)の13CNMRチャートである。 参考例で得られた目的生成物(1)の29SiNMRチャートである。 参考例で得られた目的生成物(1)のIR分析チャートである。

Claims (4)

  1. (A)分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサン、
    (B)下記一般式(1)
    Figure 2008120927
    (式中、R、R1及びR2は、置換又は非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよく、nは1〜6の整数、aは1〜3の整数を示す。)
    で表されるシリルケテンアセタール型化合物、その部分加水分解縮合物又はそれらの混合物
    を含有してなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (A)成分のジオルガノポリシロキサンが、下記一般式(2)及び/又は(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
    Figure 2008120927

    (式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Xは酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、mはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000mPa・sとする数である。)
    Figure 2008120927

    (式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Xは酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であり、bは2又は3であり、mはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000mPa・sとする数である。)
  3. 更に、(C)充填剤を含有してなる請求項1又は2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. 更に、(D)有機金属触媒を含有してなる請求項1,2又は3に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
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