JP2001349664A - 廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造方法 - Google Patents

廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造方法

Info

Publication number
JP2001349664A
JP2001349664A JP2000167853A JP2000167853A JP2001349664A JP 2001349664 A JP2001349664 A JP 2001349664A JP 2000167853 A JP2000167853 A JP 2000167853A JP 2000167853 A JP2000167853 A JP 2000167853A JP 2001349664 A JP2001349664 A JP 2001349664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vacuum
heat insulating
core material
foamed polyurethane
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000167853A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Hoshino
仁 星野
Junichi Mogi
淳一 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2000167853A priority Critical patent/JP2001349664A/ja
Publication of JP2001349664A publication Critical patent/JP2001349664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来利用されていない廃硬質ポリウレタン発
泡体を有効利用して、超低温冷凍庫、保冷庫、冷凍庫な
どの断熱函体などの用途に用いられる真空断熱材を提供
すること。このような真空断熱材に用いるコア材の製造
方法の提供。 【解決手段】 リサイクルした硬質ポリウレタン発泡体
を気流粉砕方式粉砕装置を用いて独立気泡がほとんど残
存しないように微粉砕して、オープンセル構造の発泡ポ
リウレタン粉末を作り、この発泡ポリウレタン粉末にバ
インダーを混合した後、混合物を型内に入れて熱プレス
成形して得られる発泡ポリウレタン粉末がバインダーを
介して接着されたコア材を備えた真空断熱材を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超低温冷凍庫、保
冷庫、冷凍庫などの断熱函体などの真空断熱に主として
用いられる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、断熱箱体の断熱性能を向上させる
ため、オープンセル構造を有する硬質ポリウレタン発泡
体や発泡ポリスチレンをコア材とし、このコア材とガス
吸着剤を金属−プラスチックラミネートフィルムなどか
らなるバリア性バッグで覆い内部を減圧密閉した真空断
熱材を用いることが、例えば、特開昭62−14725
号公報、特開平6−123550号公報、特開平5−2
56563号公報、特開平6−172476号公報など
に示されている。クローズドセル構造の硬質ポリウレタ
ン発泡体(すなわち独立気泡を有する硬質ポリウレタン
発泡体)の場合、セルからのガス拡散による真空度の低
下に起因して、断熱性能が悪化するといった問題がある
が、この真空断熱材はこのような問題がなく断熱性能に
優れており、冷凍庫、保冷庫、そして超低温冷凍庫(−
85〜−152℃)に使用して、その断熱性能の良さ
(通常ポリウレタン断熱性能の2〜3倍)から省エネ効
果、断熱壁の厚みの薄肉化などが図られている。
【0003】従来、冷凍庫、保冷庫、超低温冷凍庫など
を使用した後は冷媒のフロンや炭酸ガスなどが回収さ
れ、コンプレッサーなどの部品が分離された後、破砕機
によりまとめて粗破砕され、そして選別機にかけられて
鉄、非鉄、プラスチックスなどと硬質ポリウレタン発泡
体とに選別される。鉄、非鉄、プラスチックスなどはそ
れぞれの用途にリサイクル使用されるが、残った硬質ポ
リウレタン発泡体は特に用途がないので、多くは埋め立
て費用を払って埋立処分されており、一部は熱回収に利
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、従来利用されていなかった廃硬質ポリウレタン発泡
体を有効利用して、超低温冷凍庫、保冷庫、冷凍庫など
の断熱函体などの真空断熱に用いられる真空断熱材を提
供することであり、第2の目的はこのような真空断熱材
に用いるコア材の製造方法を提供することである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記課題を解決するた
め請求項1の廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空
断熱材は、リサイクルした硬質ポリウレタン発泡体を微
粉砕して得られるオープンセル構造の発泡ポリウレタン
粉末がバインダーを介して接着されたコア材を備えたこ
とを特徴とする。
【0006】リサイクルした硬質ポリウレタン発泡体を
微粉砕して得られるオープンセル構造の発泡ポリウレタ
ン粉末が相互にバインダーを介して接着された構成のオ
ープンセル構造のコア材を用いて真空断熱材を作るに
は、例えばこのコア材と吸着剤をバリア性バッグで覆
い、内部を減圧密閉して熱伝導率が0.003〜0.0
24w/mkの真空断熱材を作る。そしてこの真空断熱
材をそのままあいは必要に応じて熱処理して脱気して超
低温冷凍庫、保冷庫、冷凍庫などの断熱函体の外函の内
壁面に貼着した後、前記函体の内函と前記外函の間にク
ローズドセル構造の発泡ポリウレタン断熱材を発泡充填
して断熱函体を製造する。
【0007】請求項2の真空断熱材は、請求項1記載の
真空断熱材において、前記発泡ポリウレタン粉末の平均
粒径が150μm以下であることを特徴とする。リサイ
クルした硬質ポリウレタン発泡体は通常粗粉砕されて約
1mm〜10mm程度の大きさにされるが、セルは大部
分平均セル径が約200〜300μm程度の大きさであ
るため粉末中に独立気泡として存在する。しかし粗粉砕
された粉末を更に微粉砕して平均粒径150μmの粉末
とすることにより大部分がオープンセル構造の発泡ポリ
ウレタン粉末とすることができる。
【0008】請求項3の真空断熱材は、請求項1あるい
は請求項2記載の真空断熱材において、前記バインダー
としてイソシアネートと水を用い、このバインダーを前
記発泡ポリウレタン粉末100質量部に対して1〜20
質量部用いたことを特徴とする。バインダーは特に限定
されないがイソシアネートと水を用いると容易に微粉砕
された粉末を接着でき、微粉砕された粉末のハンドリン
グ性が改善されるとともに高強度の各種密度のコア材を
得ることができる。
【0009】請求項4の真空断熱材は、請求項1から請
求項3のいずれかに記載の真空断熱材において、冷蔵
庫、フリーザー、ショウケースなどからリサイクルされ
た硬質ポリウレタン発泡体を用いたことを特徴とする。
冷蔵庫、フリーザー、ショウケースなどは多量に使用さ
れているので、これらからリサイクルされた硬質ポリウ
レタン発泡体は多量に容易に入手でき、リサイクル効果
が大きい。
【0010】請求項5の発明は、リサイクルした硬質ポ
リウレタン発泡体を気流粉砕方式粉砕装置を用いて独立
気泡がほとんど残存しないように微粉砕して、オープン
セル構造の発泡ポリウレタン粉末を作り、この発泡ポリ
ウレタン粉末にバインダーを混合した後、混合物を型内
に入れて熱プレス成形することを特徴とする請求項1か
ら請求項3のいずれかに記載の真空断熱材のコア材の製
造方法である。この製造方法により、リサイクルした硬
質ポリウレタン発泡体の温度上昇を抑えつつ容易に微粉
砕して、オープンセル構造の発泡ポリウレタン粉末を作
ることができ、この粉末を用いて真空断熱材に用いるコ
ア材を容易に作ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を詳述する。図1は、本発明の真空断熱材を用い
た断熱函体の断面説明図である。図2は、図1に示した
本発明の真空断熱材の断面説明図である。1は断熱箱体
であり、2はプラスチック製の内箱、3は鉄板製の外箱
である。4は本発明の真空断熱材であり、アルミニウム
などの金属をポリエステルなどのプラスチックフィルム
上に数μから十数μ蒸着してラミネートした低ガス透過
性のプラスチックフィルムからなるバリア性バッグ5と
前記バッグ5内のオープンセル構造のポリウレタン発泡
体からなるコア材6と酸化カルシウムなどのアルカリ金
属塩、活性炭などの水分やガスの吸着剤7とからなる。
真空断熱材4は、バリア性バッグ5内を9.3Pa以
下、好ましくは約5Paの真空状態に保持されていて、
熱伝導率で0.0030から0.024w/mkの優れ
た断熱性能を示す。前記コア材6はリサイクルした硬質
ポリウレタン発泡体を微粉砕して得られるオープンセル
構造の発泡ポリウレタン粉末がバインダーを介して相互
に接着されたコア材である。コア材6は気泡がほとんど
連続気泡の硬質ポリウレタン発泡体であり、真空脱気し
た場合の大気圧にも耐える強度を有する。吸着材7は、
例えば、水酸化カルシウム、活性炭などの吸着剤を袋に
入れたものや、水酸化カルシウム、活性炭などの吸着剤
を接着材と混合し圧縮してシート状に加工したものを例
示できる。
【0012】また、真空断熱材4は、前記外箱3の内壁
面にホットメルトや両面テープなどの接着層9で接着固
定され、前記内箱2と外箱3でできた空間10にクロー
ズドセル構造の発泡ポリウレタン断熱材11が発泡充填
されている。
【0013】クローズドセル構造の発泡ポリウレタン断
熱材11は、最も優れた断熱性能を有するものでも熱伝
導率が約0.017w/mkであり、本発明の真空断熱
材4を断熱壁12に用いることで、冷蔵庫などの省エネ
が達成できる。例えば、断熱壁12の壁厚の半分を真空
断熱材4にすると、断熱箱体1全体の断熱性能は、1.
3から1.5倍になり、400リットルクラスの冷蔵庫
では10から13%の冷蔵庫の省エネが達成できる。し
たがって、真空断熱材4の使用する容積が増えれば増え
るほど、省エネが達成できることになる。
【0014】図3は本発明の真空断熱材のコア材用オー
プンセル構造の発泡ポリウレタン粉末の製造工程を示す
説明図である。図3に示したように、廃冷蔵庫は、先ず
冷媒のフロンや炭酸ガスなどが回収された後、コンプレ
ッサーなどの部品を手分解し、一軸破砕機によりまとめ
て粗破砕される。そして風力選別機にかけられて鉄、非
鉄、プラスチックスなどと硬質ポリウレタン発泡体とに
選別される。鉄、非鉄、プラスチックスなどは磁気選別
機で鉄が選別され、非鉄選別機で非鉄が選別され、風力
選別機でプラスチックス、硬質プラスチックスが選別さ
れ、それぞれの用途にリサイクル使用される。
【0015】粗粉砕され選別された平均粒径約1〜10
mmの硬質ポリウレタン発泡体は、振動フィーダーによ
り気流粉砕方式装置に供給されて微粉砕されて主として
平均粒径約150μm以下の独立気泡がほとんど残存し
ない硬質ポリウレタン発泡体粉末となる。微粉砕された
硬質ポリウレタン発泡体粉末はフィルターにより選別さ
れ例えば1mm以上の粗大粉末を除去した後、サイクロ
ン、バグフィルタにて集めて平均粒径約150μm以下
の独立気泡がほとんど残存しない硬質ポリウレタン発泡
体粉末を得る。
【0016】図4は本発明で用いる気流粉砕方式装置の
一例の側面を一部断面にして示す側面説明図であり、図
5は図4に示した気流粉砕方式装置の正面を一部断面に
して示す正面説明図である。図4および図5において、
13は気流粉砕方式装置であり、気流粉砕方式装置13
は、モータ14と、モータ14によって駆動される上下
軸15と、上下軸15に備えられた羽根16と無数の高
速空気渦流を発生させるロータ17と、特殊形状を有す
るライナー18を内面に設けたケーシング19と、原料
フィーダー20と、全体を支持するベッド21と、下段
から多量の空気を粉砕室22へ供給する下部ファン23
と、粉砕物を装置外へ排出する上部ファン24と、を備
えている。
【0017】平均粒径約1〜10mmの硬質ポリウレタ
ン発泡体は原料フィーダー20により気流粉砕方式装置
13へ供給され、空気とともに粉砕室22へ供給され
て、硬質ポリウレタン発泡体は渦流により高圧と低圧を
繰り返して受けて疲労して、切断、粉砕されて、出口2
5より装置外に排出されるようになっている。気流粉砕
方式装置13により硬質ポリウレタン発泡体は温度上昇
することなく微粉砕される。気流粉砕方式装置13とし
て、大豆その他食品に使用されている公知の気流粉砕方
式装置を使用することができる。
【0018】独立気泡がほとんど残存しないように微粉
砕されたオープンセル構造の硬質発泡ポリウレタン粉末
を、例えば電気加熱式オーブン(5m3 )に入れて予備
乾燥した後、タンブルミキサに入れ、例えばトリレンジ
イソシナネートと水をバインダーとして所定量添加して
よく攪拌混合し、バインダを硬質発泡ポリウレタン微粉
末に均一に塗布する。そして、油圧式350tonプレ
スに備えた電気加熱式成形金型内にバインダーを混合塗
布した硬質発泡ポリウレタン微粉末を供給して、約10
0〜150℃、約5分程度、10〜20kgf/cm2
熱プレス成形してコア材を作る。熱プレス成形後、コン
ターカッテイングマシンで定寸法にカットし、パネル孔
加工し、電気式加熱オーブンで本乾燥を行って脱気した
後、定法に従ってこのコア材と吸着剤をバリア性バッグ
で覆い、内部を減圧密閉して真空断熱材を作る。
【0019】図6に、発泡ポリウレタン微粉末100質
量部に対してバインダー(イソシアネートと水)1〜2
0質量部用いて得られたコア材(厚さ15mm、密度2
00kg/m3 )の圧縮強度(kPa)を示す。バイン
ダーが配合されないと発泡ポリウレタン微粉末は飛散し
易くハンドリング性が悪いがバインダーが1〜20質量
部の範囲で添加されるとハンドリング性が改善されると
もに大きな圧縮強度が得られる。バインダーが1質量部
未満では脆くなり、20質量部を超えると断熱性能が低
下するので好ましくない。
【0020】図7に、発泡ポリウレタン微粉末の平均粒
径(μm)と熱伝導率(mw/m・k)の関係を示す。
●はバリア性バッグで覆う前のコア材の熱伝導率(大気
圧と称す)を示し、黒□はコア材をバリア性バッグで覆
って作った真空断熱材の熱伝導率を示す。バリア性バッ
グで覆う前のコア材の熱伝導率(大気圧)は粒径によら
ずほぼ一定であるが、コア材をバリア性バッグで覆って
作った真空断熱材の場合は発泡ポリウレタン微粉末の平
均粒径が低下するにつれて断熱性能が改善され、150
μm以下で良好な断熱性能を有する真空断熱材が得られ
る。
【0021】図8に、プレス圧力を変えて密度の異なる
コア材(厚さ40mm、バインダー10質量部使用)を
作った時の圧縮強度(kPa)と密度の関係を示す。
【0022】
【実施例】以下実施例および比較例により本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約さ
れるものではない。 (実施例1)図3に示したように廃冷蔵庫から、先ず冷
媒のフロンや炭酸ガスなどを回収した後、コンプレッサ
ーなどの部品を手分解し、一軸破砕機によりまとめて粗
破砕した。そして風力選別機にかけて鉄、非鉄、プラス
チックスなどを選別して得られた粗粉砕された平均粒径
約1〜10mmの硬質ポリウレタン発泡体を気流粉砕方
式装置で微粉砕してスクリーン(1000μmのフィル
ター)で選別後サイクロン、バグフィルタで集めて平均
粒径約111μmの独立気泡がほとんど残存しない硬質
ポリウレタン発泡体粉末を作った。発泡ポリウレタン微
粉末100質量部に対してバインダー(イソシアネート
と水)10質量部用いて定法によりコア材(厚さ15m
m、200mm×200mm、密度200kg/m3
を作った。そしてバリア性バッグで覆う前のコア材の熱
伝導率(大気圧)および、コア材をバリア性バッグで覆
って作った真空断熱材の熱伝導率を測定した結果を表1
に示す。
【0023】(実施例2)縦型ハンマー破砕機を用いて
粗破砕し、気流粉砕方式装置で微粉砕して平均粒径約1
37μmの独立気泡がほとんど残存しない硬質ポリウレ
タン発泡体粉末を作った以外は実施例1と同様にしてコ
ア材を作り、その熱伝導率(大気圧)および、コア材を
バリア性バッグで覆って作った真空断熱材の熱伝導率を
測定した結果を表1に示す。
【0024】(実施例3)横型ハンマー破砕機を用いて
粗破砕し、気流粉砕方式装置で微粉砕して平均粒径約1
41μmの独立気泡がほとんど残存しない硬質ポリウレ
タン発泡体粉末を作った以外は実施例1と同様にしてコ
ア材を作り、その熱伝導率(大気圧)および、コア材を
バリア性バッグで覆って作った真空断熱材の熱伝導率を
測定した結果を表1に示す。
【0025】(実施例4)2軸破砕機を用いて粗破砕
し、気流粉砕方式装置で微粉砕して平均粒径約141μ
mの独立気泡がほとんど残存しない硬質ポリウレタン発
泡体粉末を作った以外は実施例1と同様にしてコア材を
作り、その熱伝導率(大気圧)および、コア材をバリア
性バッグで覆って作った真空断熱材の熱伝導率を測定し
た結果を表1に示す。
【0026】(実施例5〜8)スクリーン(300μm
のフィルター)を用いて選別して表1に示す平均粒径の
独立気泡がほとんど残存しない硬質ポリウレタン発泡体
粉末を作った以外は実施例1と同様にしてコア材を作
り、その熱伝導率(大気圧)および、コア材をバリア性
バッグで覆って作った真空断熱材の熱伝導率を測定した
結果を表1に示す。
【0027】(比較例1)独立気泡がほとんど残存しな
いオープンセル構造の未使用硬質ポリウレタン発泡体粉
末(平均粒径146μm)を用いて実施例1と同様にし
てコア材を作り、その熱伝導率(大気圧)および、コア
材をバリア性バッグで覆って作った真空断熱材の熱伝導
率を測定した結果を表1に示す。
【0028】(比較例2)スクリーン(1000μmの
フィルター)を用いて選別して109μmの平均粒径の
独立気泡がほとんど残存しないオープンセル構造の未使
用硬質ポリウレタン発泡体粉末を用いた以外は実施例1
と同様にしてコア材を作り、その熱伝導率(大気圧)お
よび、コア材をバリア性バッグで覆って作った真空断熱
材の熱伝導率を測定した結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から、実施例1〜8の真空断熱材の熱
伝導率は、オープンセル構造の未使用硬質ポリウレタン
発泡体粉末を用いて作られたコア材をバリア性バッグで
覆って作った真空断熱材(比較例1〜2)の熱伝導率と
ほぼ同等、あるいはそれ以下であり、優れた断熱性能を
有することが判る。
【0031】
【発明の効果】請求項1の真空断熱材は、従来は特に用
途がないので、多くは埋め立て費用を払って埋立処分さ
れており、一部は熱回収に利用されている廃硬質ポリウ
レタン発泡体をリサイクルして再利用したものであり、
リサイクルした硬質ポリウレタン発泡体を微粉砕して得
られるオープンセル構造の発泡ポリウレタン粉末がバイ
ンダーを介して接着されたコア材を備えており、定法に
よりこのコア材と吸着剤をバリア性バッグで覆い、内部
を減圧密閉して熱伝導率が0.003〜0.024w/
mkの真空断熱材を作ることができるという顕著な効果
を奏する。この真空断熱材はクローズドセル構造の硬質
ポリウレタン発泡体の場合、セルからのガス拡散による
真空度の低下に起因して、断熱性能が悪化するといった
問題がなく断熱性能に優れており、冷凍庫、保冷庫、そ
して超低温冷凍庫(−85〜−152℃)に使用して、
その断熱性能の良さから省エネ効果、断熱壁の厚みの薄
肉化などを図ることができる。
【0032】請求項2の真空断熱材の場合は、前記発泡
ポリウレタン粉末の平均粒径を150μm以下とするこ
とにより、大部分がオープンセル構造の発泡ポリウレタ
ン粉末を容易に得ることができるという顕著な効果を奏
する。
【0033】請求項3の真空断熱材は、バインダーとし
てイソシアネートと水を用い、このバインダーを前記発
泡ポリウレタン粉末100質量部に対して1〜20質量
部用いたので、容易に微粉砕された粉末を接着でき、ハ
ンドリング性がよくなるとともに熱伝導率を損なうこと
なく高強度の各種密度のコア材を得ることができるとい
う顕著な効果を奏する。
【0034】請求項4の真空断熱材は、冷蔵庫、フリー
ザー、ショウケースなどからリサイクルされた硬質ポリ
ウレタン発泡体を用いたので、多量に容易に入手でき、
リサイクル効果が大きいという顕著な効果を奏する。
【0035】請求項5の真空断熱材のコア材の製造方法
により、請求項1から請求項4のいずれかに記載の真空
断熱材のコア材を容易に製造できるという顕著な効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空断熱材を用いた断熱函体の断面説
明図である。
【図2】図1に示した本発明の真空断熱材の断面説明図
である。
【図3】本発明の真空断熱材のコア材用オープンセル構
造の発泡ポリウレタン粉末の製造工程を示す説明図であ
る。
【図4】本発明で用いる気流粉砕方式装置の一例の側面
を一部断面にして示す側面説明図である。
【図5】図4に示した気流粉砕方式装置の正面を一部断
面にして示す正面説明図である。
【図6】圧縮強度とバインダー混合量との関係を示すグ
ラフである。
【図7】熱伝導率と硬質発泡ポリウレタン粉末の粒径と
の関係を示すグラフである。
【図8】圧縮強度と密度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 断熱箱体 2 内箱 3 外箱 4、4A、4B、4C 真空断熱材 5 バリア性バッグ 6 コア材 7 吸着剤 9 接着層 10 空間 11 クローズドセル構造の発泡ポリウレタン断熱材 12 断熱壁 13 気流粉砕方式装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H036 AA08 AB18 AB25 AB29 AC01 AE13 3L102 JA01 JA02 JA09 MA07 MB23 MB25 MB26 MB27 4J002 CK02W CK02X GC00 4J034 BA08 CE01 DN03 HA07 HA11 HC12 HC22 HC52 HC61 HC71 JA01 JA32 JA33 QD06 RA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リサイクルした硬質ポリウレタン発泡体
    を微粉砕して得られるオープンセル構造の発泡ポリウレ
    タン粉末がバインダーを介して接着されたコア材を備え
    たことを特徴とする廃棄物等を利用した真空断熱に用い
    る真空断熱材。
  2. 【請求項2】 前記発泡ポリウレタン粉末の平均粒径が
    150μm以下であることを特徴とする請求項1記載の
    真空断熱材。
  3. 【請求項3】 前記バインダーとしてイソシアネートと
    水を用い、このバインダーを前記発泡ポリウレタン粉末
    100質量部に対して1〜20質量部用いたことを特徴
    とする請求項1あるいは請求項2記載の真空断熱材。
  4. 【請求項4】 冷蔵庫、フリーザー、ショウケースなど
    からリサイクルされた硬質ポリウレタン発泡体を用いた
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記
    載の真空断熱材。
  5. 【請求項5】 リサイクルした硬質ポリウレタン発泡体
    を気流粉砕方式粉砕装置を用いて独立気泡がほとんど残
    存しないように微粉砕して、オープンセル構造の発泡ポ
    リウレタン粉末を作り、この発泡ポリウレタン粉末にバ
    インダーを混合した後、混合物を型内に入れて熱プレス
    成形することを特徴とする請求項1から請求項4のいず
    れかに記載の真空断熱材のコア材の製造方法。
JP2000167853A 2000-06-05 2000-06-05 廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造方法 Pending JP2001349664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000167853A JP2001349664A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000167853A JP2001349664A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001349664A true JP2001349664A (ja) 2001-12-21

Family

ID=18670960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000167853A Pending JP2001349664A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001349664A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004016404A1 (ja) 2002-08-06 2004-02-26 Matsushita Refrigeration Company 断熱材のリサイクル処理方法、リサイクル物品および冷蔵庫
JP2007238141A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 真空容器
WO2011150507A1 (en) * 2010-06-03 2011-12-08 Giant Factories Inc. Method for recycling cured foam insulation for use in insulating cavities of devices requiring thermal insulation
WO2015176832A1 (en) * 2014-05-21 2015-11-26 Arcelik Anonim Sirketi A cooling device with improved insulation efficiency
JP2016507704A (ja) * 2012-12-06 2016-03-10 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. メラミン樹脂硬化発泡体からなる真空断熱材用芯材とこれを用いた真空断熱材及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004016404A1 (ja) 2002-08-06 2004-02-26 Matsushita Refrigeration Company 断熱材のリサイクル処理方法、リサイクル物品および冷蔵庫
JP2007238141A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 真空容器
WO2011150507A1 (en) * 2010-06-03 2011-12-08 Giant Factories Inc. Method for recycling cured foam insulation for use in insulating cavities of devices requiring thermal insulation
JP2016507704A (ja) * 2012-12-06 2016-03-10 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. メラミン樹脂硬化発泡体からなる真空断熱材用芯材とこれを用いた真空断熱材及びその製造方法
WO2015176832A1 (en) * 2014-05-21 2015-11-26 Arcelik Anonim Sirketi A cooling device with improved insulation efficiency

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3876491B2 (ja) 真空断熱パネル及びその製造方法並びにそれを用いた冷蔵庫
KR100574807B1 (ko) 단열 상자체와 이것을 갖는 냉장고 및 단열 상자체용재료의 재활용 방법
JP2001349492A (ja) 廃棄物等を利用した積層断熱材およびその製造方法
JP2002277156A (ja) 断熱箱体、原料製造方法、および冷蔵庫
JP2001349664A (ja) 廃棄物等を利用した真空断熱に用いる真空断熱材およびそれに用いるコア材の製造方法
JP4149121B2 (ja) 廃棄物処理装置およびその処理方法
EP1527863B1 (en) Method for recycling treatment of thermal insulating material and recycled article
KR19990048791A (ko) 폐우레탄폼과 발포 폴리스티렌을 이용한 단열재의 제조방법
CN115195178B (zh) 一种使用鞋垫边角料再造鞋垫的环保生产工艺
WO2005107952A1 (ja) 複合樹脂廃材の粉体化装置、粉体化方法及び複合樹脂廃材の再資源化方法
JP4223724B2 (ja) 真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫
JPH11257581A (ja) リサイクル可能な真空断熱材およびその製造方法
JP2004058364A (ja) 複合圧着板及び複合圧着板の製造方法
JP2001064435A (ja) 発泡成形体および油吸着材
JP3323481B2 (ja) 板状発泡体内蔵の保冷箱
JP2002079595A (ja) 複合圧着板及び複合圧着板の製造方法
KR100536570B1 (ko) 폐고분자스크랩인 폴리올레핀발포체를 이용한 성형체의 제조방법
CN113232220A (zh) 一种泡沫铝压合板及其制备方法
JP2004232139A (ja) 成形体の製造方法及びその成形体
JP4223725B2 (ja) 真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫
JP2941600B2 (ja) 発泡断熱材の発泡ガスの回収方法
JP2003139291A (ja) 断熱材
JP3144007B2 (ja) 発泡断熱材の発泡ガスの回収方法
EP1015209A1 (en) Method of benefiting from waste polyurethane foam material as an input material in production of a composite material and composite material produced with this method
KR200375865Y1 (ko) 폴리우레탄을 이용한 내외장재