JP2001064435A - 発泡成形体および油吸着材 - Google Patents

発泡成形体および油吸着材

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JP2001064435A
JP2001064435A JP24635099A JP24635099A JP2001064435A JP 2001064435 A JP2001064435 A JP 2001064435A JP 24635099 A JP24635099 A JP 24635099A JP 24635099 A JP24635099 A JP 24635099A JP 2001064435 A JP2001064435 A JP 2001064435A
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urethane
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oil
thermoplastic resin
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Shigeru Oyama
茂 大山
Atsuhiko Uhara
篤彦 鵜原
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】ウレタン廃材をリサイクル用途に供することが
でき、油吸着性の高い発泡成形体およびそれを用いた油
吸着材を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂Bと、平均粒径2mm以下の
ウレタン発泡体の微粉末Aとを混合した混合物を成形し
て発泡成形体80を成形し、油吸着材として利用する。
ウレタン発泡体の微粉末Aおよび熱可塑性樹脂Bの混合
物を成形することにより、発泡成形体80を得ているの
で、ウレタン微粉末Aが熱可塑性樹脂Bの硬化を阻害せ
ずに、所望の配合で発泡成形体80を作ることが可能に
なる。また、熱可塑性樹脂Bを配合することにより、ウ
レタン発泡体のみを用いる場合よりも剛性の高い発泡成
形体80を得ることができ、油吸着材として適してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン発泡体を
一成分として用いた発泡成形体及びそれを利用した油吸
着材に関し、例えば、家具、自動車用座席シート等のク
ッション材、または、建材、冷蔵庫等の断熱材として用
いられたウレタン発泡体のリサイクルに利用することが
できる。
【0002】
【背景技術】従来から、熱硬化性樹脂は、熱による変形
を生じ難いために耐熱性素材やクッション材等として使
用されている。この中でも、特にウレタン発泡体は、ク
ッション材として自動車・オートバイの座席シート及び
家具に、また、断熱材として建材及び冷蔵庫などの幅広
い分野で使用されている。しかし、前述の加熱変形し難
いという性質故に、ウレタン発泡体等の熱硬化性樹脂の
廃材を活用する、マテリアルリサイクルの用途開発が進
んでいないのが現状である。
【0003】ウレタン発泡体の廃材は、粗破砕した後接
着剤で固着し、所定の形状に成型したリボンデッドフォ
ームとして一部再利用されているが、ほとんどがシュレ
ッダーダスト等として廃棄されている。シュレッダーダ
ストを焼却する場合、含有する金属等の不純物が触媒作
用を示し問題となる場合がある。また、埋め立て用地も
減少してきている今日では、埋め立てによる廃棄には限
界がある。このようなことから、ウレタン発泡体の廃材
を廃棄物として焼却等するのではなく、効率的に再利用
できる用途開発が望まれている。
【0004】ところで、ウレタン系樹脂やオレフィン系
樹脂等の多孔質体には、油吸着力があり、それらを用い
た油吸着材もいくつか知られている。例えば、ポリエチ
レンとエチレン−プロピレンブロック共重合体との混合
物を発泡成形してペレットサイズとしたもの(特開平6
−15261号公報)、それを不織布や筒状物等に充填
したもの、および不織布等の繊維状にしたもの、ウレタ
ン樹脂を現場発泡させて使用するもの(特開平9−24
8455号公報)等がある。したがって、上述のウレタ
ン発泡体廃材も油吸着材としての用途が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、軟質系のウ
レタン発泡体は、油吸着材として要求される油吸着能は
高いが、外部からの圧力を受けた際に変形してせっかく
吸着した油を再放出するという問題がある。また、硬質
系のウレタン発泡体は、剛性が高いため軟質ウレタンの
ように変形するという問題は生じないが、独立気泡であ
るため、そもそも油吸着力が低いという問題がある。
【0006】このように、ウレタン発泡体は、油吸着材
になり得るものであるが、それのみで油吸着材とするに
は十分ではない。したがって、十分な油吸着能を有し、
かつ、再放出の少ない、ウレタン発泡体を用いた発泡成
形体をつくる手法が望まれている。これにより、前述の
ウレタン発泡体廃材の新たなリサイクル用途も提供でき
ることになる。
【0007】本発明の目的は、ウレタン廃材をリサイク
ル用途に供することができ、油吸着性の高い発泡成形体
およびそれを用いた油吸着材を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウレタン発泡
体の微粉末に、他の樹脂成分を添加させて発泡成形体と
することで前記目的を達成しようとするものである。具
体的には請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂と、平
均粒径2mm以下のウレタン発泡体の微粉末とを混合し
た混合物を成形したことを特徴とする発泡成形体であ
る。
【0009】本発明において、ウレタン発泡体微粉末の
原料となるウレタン発泡体は、ウレタン発泡体そのもの
の他、その物性を阻害しない範囲での他の樹脂、繊維、
木材、金属等を含んでいてもよい。また、本発明におい
て、ウレタン微粉末の平均粒径が2mmを越えると、熱
可塑性樹脂への充填が不十分となる。このため、分散不
良や成形ダイスの目詰まりを発生しやすくなり、成形性
が不安定になるとともに、連続生産性が低下して好まし
くない。さらに、ウレタン発泡体製造時に加えられた各
種の添加剤、例えば、難燃剤、発泡剤、触媒等を含むも
のでもよい。そして、本発明におけるウレタン発泡体
は、例えば、特願平10−169827号に示される熱
硬化性樹脂の粉砕方法を用いて粉砕し、微粉化すること
ができる。また、本発明における熱可塑性樹脂は、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性を示すものならよい。
【0010】本発明の発泡成形体を得るには、発泡剤を
添加する必要があるが、発泡剤として特に限定はなく、
例えば、揮発性発泡剤あるいは化学発泡剤を用いること
ができる。ここにおいて、揮発性発泡剤とは、押出成形
機の高圧押出の圧力開放に伴って蒸発するような揮発性
の液体又は固体をいい、例えば、水、アルコール等が挙
げられる。また、化学発泡剤とは、加熱により熱分解し
て分解ガスを発生するような化合物をいい、例えば、ア
ゾジカルボンアミド(ADCA)、炭酸水素ナトリウム
等が挙げられる。これら両発泡剤の性質を勘案すると、
分解ガス発生のない揮発性発泡剤が好ましく、その中で
も水が好ましい。
【0011】本発明における発泡体の成形方法として
は、例えば、押出成形あるいは射出成形等がある。前述
の揮発性発泡剤を使用する点を考慮すると、押出成形が
好ましい。
【0012】この発明によれば、ウレタン発泡体の微粉
末および熱可塑性樹脂の混合物を成形することにより、
発泡成形体を得ているので、ウレタン発泡体が熱可塑性
樹脂の硬化を阻害せずに、所望の配合で発泡成形体を作
ることが可能になる。また、ウレタン発泡体を微粉化し
て用いているから、様々な色を有する廃ウレタン発泡体
を用いても、色のばらつきを目立たなくすることができ
る。さらに、熱可塑性樹脂を配合することで、ウレタン
発泡体のみの場合よりも、剛性の高い発泡成形体を得る
ことができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、熱可塑性樹脂
と、平均粒径2mm以下のウレタン発泡体の微粉末とを
混合した混合物を成形した発泡成形体からなる油吸着材
である。本発明におけるウレタン発泡体(原料、平均粒
径、微粉化方法)、熱可塑性樹脂、発泡成形体の成形
法、発泡剤については、請求項1に記載の発明と同様で
ある。
【0014】この発明によれば、ウレタン発泡体を油吸
着材として使用することができ、ウレタン発泡体廃材の
新たなリサイクル用途を提供できる。特に、ウレタン発
泡体が、冷蔵庫または建材等に使用される硬質発泡体の
場合、発泡セルが独立気泡で形成されているために、そ
れ自体では油を吸着しない。しかし、ウレタン発泡体を
微粉化して発泡セルを形成する皮膜を破壊し、熱可塑性
樹脂に充填することで、軟質発泡体と同様に、油吸着材
として利用可能になる。また、ウレタン発泡体と熱可塑
性樹脂との発泡成形体であるから、油吸着後も剛性があ
り、吸着した油の漏洩が少なくなる。本発明によって形
成された油吸着材は、例えば、海洋流出油の回収、一般
家庭の廃油回収、食品工場等の廃油回収等に使用でき
る。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の油吸着材において、前記熱可塑性樹脂は、オレフィン
系樹脂およびポリスチレン系樹脂のいずれか、またはこ
れらの樹脂を混合したものであることを特徴とする油吸
着材である。
【0016】本発明におけるオレフィン系樹脂として
は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、
熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)等があ
る。剛性の高い油吸着材を得るには、ポリプロピレンを
用いることが好ましく、より油吸着能の高い油吸着材を
得るには、ポリエチレンを用いることが好ましい。
【0017】また、ポリエチレンとしては、高圧法で製
造される低密度ポリエチレン(LDPE)、チーグラー
−ナッタ触媒を用いて製造される高密度ポリエチレン
(HDPE)、およびチーグラー−ナッタ触媒またはメ
タロセン触媒を用い、エチレンとα−オレフィンを共重
合して製造される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)等が挙げられる。さらに、ポリプロピレンとして
は、アイソタクチック度が95%以上の高立体規則性の
ポリプロピレンや、例えば、一段目でアイソタクチック
ポリプロピレン、二段目でプロピレンとエチレンの共重
合を行って得られるブロックタイプのポリプロピレン等
が挙げられる。
【0018】本発明におけるポリスチレン系樹脂として
は、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリル−スチ
レン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂)等が挙げられる。なお、オレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂の形状としては、特に
限定はないが、充填するウレタン発泡体の分散性および
発泡性を考慮すると、パウダー状のものが好ましい。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項2または
請求項3に記載の油吸着材において、前記ウレタン発泡
体の微粉末の充填率は、30%〜90%であることを特
徴とする油吸着材である。本発明において、ウレタン発
泡体の充填率は、廃棄物低減のために高充填化すること
が望ましいが、その充填率が90%を越えると、発泡成
形体の外観荒れが発生するとともに、成形性が不安定に
なり好ましくない。より好ましくは30%〜70%の充
填率であり、この範囲であれば、ウレタン発泡体廃材の
低減に貢献できるとともに、成形性および外観のよい油
吸着材が得られる。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項2から請
求項4のいずれかに記載の油吸着材において、前記ウレ
タン発泡体の微粉末の粒径は、平均粒径15μm〜30
0μmであることを特徴とする油吸着材である。
【0021】本発明において、ウレタン発泡体の平均粒
径を300μm以下にした場合、熱可塑性樹脂への充填
効率、分散性および成形性がよくなり、連続生産性が向
上して好ましい。また、平均粒径を15μmより小さく
した場合、熱可塑性樹脂への充填性および分散性が向上
しすぎるため、ウレタン発泡体の発泡セルの残存率が低
下し、油吸着性能が低下して好ましくない。廃棄物低
減、他の材料のマテリアルリサイクルへの展開をも考慮
すると、より好ましくは、平均粒径50μm〜200μ
mである。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項2から請
求項5のいずれかに記載の油吸着材において、前記発泡
成形体を圧縮してシート状に二次加工したことを特徴と
する油吸着材である。このように、シート状に二次加工
することで、発泡成形体の発泡セルが変形して、発泡成
形体の比表面積が大きくなり、油吸着能が向上する。
【0023】請求項7に記載の発明は、請求項2から請
求項6のいずれかに記載の油吸着材において、前記発泡
成形体には多数の針穴加工が施され、該発泡成形体中の
発泡セルが外部と連通していることを特徴とする油吸着
材である。このように、発泡成形体の発泡セルに針穴加
工を施し、外部と連通させることで、発泡成形体中の独
立気泡が外部と連通して発泡成形体の比表面積が大きく
なる。これにより、油吸着能が向上する。この効果は、
特に気泡表面に生じたスキン層に孔を開けるだけでも得
られる。また、針穴加工を施すことで、吸油量および吸
油速度が向上するから、様々な種類の油に適用可能とな
る。
【0024】請求項8に記載の発明は、請求項2から請
求項7のいずれかに記載の油吸着材において、前記ウレ
タン発泡体は、使用済み回収ウレタン発泡体であること
を特徴とする油吸着材である。このように、使用済みの
回収ウレタン発泡体を用いることで、今まで、リサイク
ル用途の少なかったウレタン廃材を油吸着材として再利
用でき、廃棄物の低減につながる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。なお、以下の各説明においてウ
レタン発泡体の微粉末をウレタン微粉末と省略して説明
する。 (1)ウレタン微粉末の製造 ウレタン微粉末は、例えば、本出願人が既に出願した特
願平10−169827号に開示した熱硬化性樹脂の粉
砕方法により製造することができる。
【0026】前記出願に係る熱硬化性樹脂の粉砕方法
は、熱硬化性樹脂をスクリーンミルで平均粒径2mm以
下の粉末にする第1工程と、回転円筒体の円筒面に垂直
方向に形成された複数の回転刃及び筒状本体の内側に垂
直方向に形成された複数の固定刃を備えたスクリーンミ
ルで、前記第1工程で得られた粉末を平均粒径300μ
m以下の粉末にする第2工程と、前記第2工程で得られ
た粉末を平均粒径50μm以下の粉末にする第3工程と
を含んで構成される。
【0027】このような熱硬化性樹脂の粉砕方法は、図
1に示されるウレタン微粉末製造装置により実施するこ
とができ、この微粉末製造装置は、第1工程におけるス
クリーンミル31と、第2工程におけるスクリーンミル
32と、第3工程におけるボールミル33A、33B、
33Cとを備えている。そして、第1工程の前には、熱
硬化性樹脂原料であるウレタンフォームを整列させなが
ら搬送する整列ベルトコンベア34、および原料35の
金属探知を行う金属探知器36が設けられている。
【0028】第1工程におけるスクリーンミル31は、
従来型であり、回転軸に固定されて回転するロータカッ
タおよびスタンドカッタと、ミルの内壁に固定されたス
テータカッタとを備えている。第1工程と第2工程の間
には、送風機37が設けられている。第2工程で使用す
るスクリーンミル32は、図2、図3に示すように、筒
状本体38と、この筒状本体38内に設けられた回転円
筒体39とを備えている。
【0029】筒状本体38は、一方の側に原料の投入部
41が形成され、他方の側に粉砕物の排出部42が形成
されている。筒状本体38と排出部42の間には、スク
リーン43が設けられている。回転円筒体39は、中心
の回転軸44が両端側でボールベアリングを有する支持
部45で支持されている。下方の回転軸44は、軸継ぎ
手46を介してモータ(図示略)に接続されている。
【0030】この回転円筒体39の円筒内面47には、
複数の凸状の回転刃48が垂直方向に等間隔で形成され
ている。一方、筒状本体38の内側には、前記投入部4
1と排出部42の中間の位置に複数の凸状の固定刃49
が垂直方向に形成されている。これらの回転刃48と固
定刃49とのクリアランスは、0.2mm以下、好まし
くは0.1mm以下に調整されている。
【0031】また、回転刃48には、スパイラル状の溝
が形成されている。この溝は、筒状本体38内に気流を
発生させて、筒状本体38内での粉末の滞留を防止する
ために形成されている。第2工程および第3工程の間に
は、送風機37と接続されたサイクロン52、およびこ
のサイクロン52に接続されたロータリーバルブ53付
きのクッションタンク54が設けられている。
【0032】第3工程におけるボールミル33A〜33
Cは3台であり、これら3台が並列して設けられてい
る。各ボールミル33A〜33Cと、前記クッションタ
ンク54との間には、粉末原料を供給するためのパイプ
55が設けられている。第3工程の後には、ロータリー
バルブ56付きのバグフィルタ57、およびこのバグフ
ィルタ57に接続されたふるい機58が設けられてい
る。
【0033】各ボールミル33A〜33Cと、前記バグ
フィルタ57との間には、粉末原料を送るパイプ55が
設けられている。また、前記ふるい機58の後には、コ
ンベア59、スクリュー付きのクッションタンク61お
よび自動包装機62がこの順番で設けられている。
【0034】廃材ウレタンフォームからなる原料35
を、以上のような微粉末製造装置を用いて粉砕する場
合、以下のような手順で行われる。 (1) 廃材ウレタンフォームからなる原料35を整列ベル
トコンベア34と金属探知器36を通して第1工程のス
クリーンミル31に投入する。原料35が金属探知器3
6を通る際、異物を探知すると自動的に原料35の搬送
が止まる。この第1工程において、原料35をスクリー
ンミル31で平均粒径2mm以下の粉末にする。なお、
第1工程における粉砕に際しては、静電気防止用の助剤
を添加するのがよい。
【0035】(2) 上述した第1工程で得られた粉末を第
2工程のスクリーンミル32に送り、このスクリーンミ
ル32の回転刃48および固定刃49のせん断によって
平均粒径300μm以下の粉末にする。なお、第2工程
における粉砕に際しては、第1工程と同様に、静電気防
止用の助剤を添加するのがよい。
【0036】(3) 第2工程で得られた粉末を前記サイク
ロン52とクッションタンク54を介して第3工程の3
台の各ボールミル33A〜33Cに空送し、ここで平均
粒径50μm以下の粉末にする。この第3工程における
粉砕に際しても、第1工程および第2工程と同様に静電
気防止用の助剤を添加するのがよい。 (4) 第3工程で得られた粉末をバグフィルタ57で捕集
し、引き続きふるい機58で分級した後、クッションタ
ンク54に送る。この後自動包装機62で袋詰めして包
装製品63を得る。
【0037】(5) なお、この微粉末製造装置は、第2工
程、第3工程を適宜省略することにより、所望の平均粒
径のウレタン微粉末を製造することができるように構成
されている。すなわち、上記微粉末製造装置において、
第1工程のみを実施し、第2工程および第3工程を省略
することにより、平均粒径2mm以下のウレタン微粉末
を採取することができる。また、第1工程および第2工
程を実施することにより、平均粒径300μm以下のウ
レタン微粉末を採取することができる。
【0038】(2)発泡成形体の成形 上述した微粉末製造装置で製造されたウレタン微粉末
は、熱可塑性樹脂とともに、押出成形機に投入され、押
出成形機出口形状によって、ストランド状、シート状等
の発泡成形体に加工される。図4に示されるように、押
出成形機70は、成形機本体71と、サイジングダイ7
2と、ホッパ73とを含んで構成され、ホッパ73の前
段には、混合器74が設けられているとともに、サイジ
ングダイ72の後段には、コンベア75およびカッタ7
6が設けられている。
【0039】成形機本体71は、原料樹脂の搬送および
混練空間となるシリンダバレル711と、このシリンダ
バレル711の内部に配置されるスクリュ712と、ス
クリュ712の回転用のモータ713とを含んで構成さ
れる。この成形機本体71は、図4では図示を略した
が、スクリュ712が図4の紙面奥行き方向に2本並列
配置される2軸式の押出成形機であり、モータ713に
より2本のスクリュ712を同期して回転させることに
より、原料樹脂が押し出される。また、シリンダバレル
711の外周部分には、投入された原料樹脂の温度を維
持して流動性を確保するためにヒータが設けられている
(図示略)。
【0040】サイジングダイ72は、成形機本体71か
ら押し出される樹脂を、所望の断面形状に成形するもの
であり、成形機本体71と着脱可能となっている。そし
て、異なる押出形状のサイジングダイ72を成形機本体
71に装着することで、発泡成形体80を円形断面、角
形断面、その他種々の断面形状とすることができる。
【0041】ホッパ73は、原料樹脂が投入される部分
であり、成形機本体71の押出方向末端側に設けられ、
原料樹脂がホッパ73に投入されると、この原料樹脂
は、シリンダバレル711内に供給され、スクリュ71
2によって押出方向に搬送される。ホッパ73の押出方
向先端側には、揮発性発泡剤である水Wをシリンダバレ
ル711内に供給するための供給路77が設けられ、バ
ルブ78の開閉状態を調整することにより、シリンダバ
レル711内への水Wの供給量を調整できるようになっ
ている。
【0042】混合器74は、上述した微粉末製造装置で
製造されたウレタン微粉末Aと熱可塑性樹脂Bを混合、
攪拌する部分であり、混合器74で混合された混合物
は、原料樹脂としてホッパ73に供給されるようになっ
ている。コンベア75は、押出成形機70の押出速度に
応じた搬送速度に設定され、押出成形機で押し出された
発泡成形体80は、このコンベア75を移動しながら冷
却され、所定の固さとなったところで、カッタ76によ
って所望の寸法に切断され、ストランド状の発泡成形体
80とされる。
【0043】上述した熱可塑性樹脂Bとしては、押出成
形可能な各種の材料を採用することができるが、本実施
形態の場合、オレフィン系樹脂が熱可塑性樹脂Bとして
採用されている。具体的には、熱可塑性樹脂Bとして
は、PE、PP、EVA、TPO等を採用することがで
きる。なお、熱可塑性樹脂BとしてPEを採用する場
合、LDPE、HDPE、LLDPE等を使用すること
ができ、PPを採用する場合、アイソタクチック度95
%以上の高立体規則性のポリプロピレンや、一段目でア
イソタクチックポリプロピレン、二段目でプロピレンお
よびエチレンの共重合を行って得られるブロックタイプ
のポリプロピレン等を使用することができる。また、熱
可塑性樹脂Bとして、PPとLLDPEとをブレンドし
たものを用いる場合には、予め両者を回転ドラム中でブ
レンドしておき、一つの熱可塑性樹脂Bとして混合機7
4に投入し、ウレタン微粉末Aと混合され、ホッパ73
に供給される。
【0044】次に、ウレタン微粉末Aおよび熱可塑性樹
脂Bを原料として、上述した押出成形機70による発泡
成形体80の成形は、以下のような手順で行われる。 (1) 上述したウレタン微粉末の製造方法により得られた
ウレタン微粉末Aと、熱可塑性樹脂Bとは、混合器74
で混合、攪拌された後、原料樹脂としてホッパ73に投
入される。ウレタン微粉末A、および熱可塑性樹脂Bの
配合比は、押出発泡成形ができる範囲で変更可能である
が、例えば、ウレタン微粉末Aとして平均粒径150μ
mのものを採用し、熱可塑性樹脂Bとしてパウダー状の
PPを採用した場合、重量比A:B=50:50で投入
するのが好ましい。なお、熱可塑性樹脂Bとして投入さ
れるPPは、パウダー状のものに限らず、ビーズ状のも
の、ペレット状のもの、フレーク状のもの等種々の形状
のものを採用することができる。
【0045】(2) ホッパ73から供給されたウレタン微
粉末Aおよび熱可塑性樹脂Bの混合物は、シリンダバレ
ル711に供給され、2本のスクリュ712によって混
練されながら先端側に搬送されるとともに、先端側に設
けられる供給路77から所定量の水Wが供給される。こ
の水Wは、スクリュ712によって前記混合物と混合さ
れ、成形機本体71の先端部分近傍では、混合物中に水
Wが均等に分散した状態になる。なお、ウレタン微粉末
Aおよび熱可塑性樹脂Bの混合物は、成形機本体71の
ヒータにより加熱され、ウレタン微粉末AおよびPPか
らなる熱可塑性樹脂Bの配合がA:B=50:50であ
る場合、約170〜180℃、押出量Max200kg
/hrの条件で押し出される。なお、前述の温度および
押出量は、ウレタン微粉末AおよびPPからなる熱可塑
性樹脂Bとの比率または配合するウレタン微粉末Aの平
均粒径によって、適宜に設定できる。
【0046】(3) このように水Wが均等に分散したウレ
タン微粉末Aおよび熱可塑性樹脂Bの混合物は、サイジ
ングダイ72で所定の形状に成形されて押し出される。
混合物中に分散した水Wは、シリンダバレル711中で
は高温高圧であるため、液体として存在しているが、サ
イジングダイ72から押し出されると、圧力が解放され
るため、水蒸気Waとなって外部に放出され、その部分
が気泡として残り、発泡成形体80が成形される。な
お、揮発性発泡剤である水は、発泡状態、熱可塑性樹脂
Bの種類、ウレタン微粉末Aの配合割合等に応じて、任
意の添加量に設定することができるが、本実施形態の場
合、微粉末ウレタンAおよびPPからなる熱可塑性樹脂
Bの混合物に対して略10wt%の割合で添加される。
【0047】以上において、図4には示されていない
が、押出成形後にカッタ76の前部に取り付けられた引
き取りロール(図示省略)にて圧縮することで発泡成形
体80をシート状に加工することもできる。このように
することで、発泡成形体80の発泡セルを変形させるこ
とができ、発泡成形体80の比表面積が大きくなり好ま
しい。また、前述の引き取りロールの表面に針を設けて
おくことで、発泡成形体80を引き取ると同時に針穴加
工を行えるようにしてもよい。このようにすることで、
発泡成形体80中の独立気泡を外部と連通させることが
でき、発泡成形体80の比表面積を大きくすることがで
き好ましい。なお、上記二つの工程を組み合わせること
も可能である。
【0048】前述のような本実施形態によれば、以下の
ような効果がある。すなわち、ウレタン微粉末Aおよび
オレフィン系からなる熱可塑性樹脂Bを混練した混合物
を押出成形することにより、発泡成形体80を得ている
ので、ウレタン微粉末Aが熱可塑性樹脂の硬化の阻害と
なることがなく、所望の配合で発泡成形体80を自由に
成形することができる。
【0049】また、押出成形機70により成形している
ので、金型72の形状を変更することで、発泡成形体8
0の断面形状を自由に設定することができ、発泡成形体
80を汎用性の極めて高いリサイクル品として利用する
ことができる。
【0050】そして、上述した微粉末製造装置で粉砕し
た平均粒径2mm以下のウレタン微粉末Aを発泡成形体
80の原料として使用しているので、粉砕前のウレタン
フォームの地色が出ることが少なく、押出成形時に所望
の顔料等を混入すれば、発泡成形体の外観上の色を自由
に設定することができる。
【0051】また、熱可塑性樹脂Bとしてオレフィン系
樹脂を採用しているので、塩化ビニル樹脂のように、環
境汚染につながるような成分が少なく、環境保護に適応
した樹脂であり、リサイクル品の原料として好適であ
る。さらに、オレフィン系樹脂は、最も汎用的に使用さ
れているので、入手も容易であり多用途への展開も可能
である。そして、ウレタン微粉末Aが廃材ウレタンフォ
ームを粉砕して得られる場合、ウレタン微粉末Aの配合
比率が高まるほどに、廃材ウレタンフォームを多く処理
することができ、埋め立て、焼却等で処理される廃材ウ
レタンフォームの量を低減することができる。
【0052】発泡剤として揮発性発泡剤である水を採用
しているので、化学発泡剤のように分解ガス等が外部に
影響を与えることもなく、環境保護上も有利であるう
え、水という極めて安価な材料を発泡剤として用いてい
るので、発泡成形体80の製造コストをも低減すること
ができる。
【0053】廃材ウレタンフォームの粉砕を、上述した
ウレタン微粉末製造装置によって行っているので、所望
の平均粒径のウレタン微粉末を低コストで製造すること
ができ、リサイクルによる最終製品である油吸着材の製
造コストを低くすることができる。
【0054】なお、本発明は、前述の実施形態に限定さ
れるものではなく、以下に示すような変形をも含むもの
である。前記実施形態では、第1工程および第2工程に
おける廃材ウレタンフォームの解砕または粉砕にスクリ
ーンミル31、32を使用していたが、これに限られな
い。すなわち、所望の平均粒径のウレタン微粉末を製造
する際、特願平10−169827号に開示される種々
の粉砕方法を採用することができる。
【0055】例えば、熱硬化性樹脂の発泡体(ウレタン
フォーム)をブロック状に切断して細分化する第1工程
と、細分化されたブロックを粗粉末に粉砕する第2工程
とを経て平均粒径300μm以下の粉末する熱硬化性樹
脂の粉砕方法によりウレタン微粉末を得てもよいし、さ
らには、これに、発泡体の粗粉末を微粉末に粉砕する第
3工程を加えて平均粒径200μm以下の微粉末を得て
もよい。
【0056】ここで、第1工程に用いられる粉砕機とし
ては、切断・せん断用の刃を有する粉砕機を採用するの
がよく、カッターミル(ブレードタイプ、カッタータイ
プ)、シュレッダー、クラッシャー等が挙げられる。ま
た、第2工程に用いられる粉砕機としては、衝撃・せん
断を利用した粉砕機を採用するのがよく、ロールミル、
ディスインテグレータ、スクリューミル、エッジランナ
ー、スタンプミル、ディスクミル、ピンミル、スクリー
ンミル、遠心分級型ミルが挙げられる。
【0057】さらに、第3工程に用いられる粉砕機とし
ては、衝撃・せん断を利用した粉砕機を採用するのがよ
く、前記実施形態と同様にボールミルが挙げられる。な
お、第1〜第3工程において、いずれの粉砕機を採用す
るかは、必要とするウレタン微粉末の平均粒径、粉砕コ
スト等に基づいて、適宜決定すればよい。
【0058】前記実施形態では、発泡成形体80の成型
方法として、押出成形を用いてしたが、これに限ること
なく、他の成型方法、例えば、射出成形等を用いてもよ
い。また、前記実施形態では、発泡剤として揮発性発泡
剤である水を採用していたが、これに限られない。すな
わち、アゾジカルボンアミド(ADCA)、炭酸ナトリ
ウム等の熱分解ガスを発生するような化学発泡剤を発泡
剤として採用してもよい。なお、化学発泡剤を採用する
場合、ウレタン微粉末および熱可塑性樹脂と一緒に化学
発泡剤を押出成形機のホッパに投入すればよい。このよ
うに、化学発泡剤を採用すれば、発泡剤の添加量等によ
って発泡倍率を自由にコントロールすることができるの
で、発泡成形体の形状、寸法等を高精度に成形すること
ができるという効果がある。その他、本発明の実施の際
の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成で
きる範囲で他の構造等としてもよい。
【0059】
〔実施例1〕
(1)ウレタン微粉末Aの原料としては、廃棄自動車座
席シート用熱硬化性軟質ポリウレタンフォームを採用
し、この廃材ウレタンフォームを図1から図3で示され
る微粉末製造装置により、平均粒径150μmのウレタ
ン微粉末Aに粉砕した。 (2)(1)で得られたウレタン微粉末Aと、熱可塑性
樹脂Bとしてのパウダー状PP(出光PP J−762
HPのパウダー状)とを配合比率70/30で配合し、
混合機74で混合した後、発泡剤として水Wを樹脂混合
物に対して12wt%加えて押出成形機70で押出成形
し、発泡成形体80を得た。
【0060】〔実施例2〕ウレタン微粉末Aとパウダー
状PPとの配合比率を50/50にした以外は、実施例
1と同様の条件で押出成形を行い、発泡成形体80を得
た。
【0061】〔実施例3〕ウレタン微粉末Aとパウダー
状PPとの配合比率を30/70にした以外は、実施例
1と同様の条件で押出成形を行い、発泡成形体80を得
た。
【0062】〔実施例4〕ウレタン微粉末Aの平均粒径
を300μmとした以外は、実施例2と同様の条件で押
出成形を行い、発泡成形体80を得た。
【0063】〔実施例5〕ウレタン微粉末Aの平均粒径
を80μmとした以外は、実施例2と同様の条件で押出
成形を行い、発泡成形体80を得た。
【0064】〔実施例6〕ウレタン微粉末Aの平均粒径
を15μmとした以外は、実施例2と同様の条件で押出
成形を行い、発泡成形体80を得た。
【0065】〔実施例7〕熱可塑性樹脂Bとして、前述
のパウダー状PPとパウダー状PE(出光PE310E
のパウダー)とを配合比率70/30のものにした以外
は、実施例3と同様の条件で押出成形を行い、発泡成形
体80を得た。
【0066】〔実施例8〕熱可塑性樹脂Bとして、ポリ
スチレン(出光PS ET63)を使用した以外は、実
施例3と同様の条件で押出成形を行い、発泡成形体80
を得た。
【0067】〔実施例9〕ウレタン微粉末Aの原料とし
て、建材断熱用硬質ウレタンフォームを前述の微粉末製
造装置により平均粒径80μmに微粉化したものを用い
た以外は、実施例1と同様の条件で押出成形を行い、発
泡成形体80を得た。
【0068】〔実施例10〕実施例2において、押出成
形機70で成形された発泡成形体80を引き取る際に、
カッタ76の前部に設置された、表面に針を有する引き
取りロールにて、引き取りと同時に針穴加工を施して発
泡成形体80を得た。この際、針径1mm、針長さ1.
5cm、針間隔2cmとした。
【0069】〔実施例11〕実施例1において、押出成
形機70で成形された発泡成形体80を引き取る際に、
引き取りロールで圧力をかけ、通常得られる発泡成形体
80の厚さの3分の1の厚さに圧縮して発泡成形体80
を得た。
【0070】〔比較例1〕ウレタン微粉末Aとパウダー
状PPとの配合比率を95/5にした以外は、実施例1
と同様の条件で押出成形を行ったが、良好な発泡成形体
80は得られなかった。
【0071】〔比較例2〕ウレタン微粉末Aとパウダー
状PPとの配合比率を5/95にした以外は、実施例1
と同様の条件で押出成形を行い、発泡成形体80を得
た。
【0072】〔比較例3〕ウレタン微粉末Aの平均粒径
を3mmとした以外は、実施例2と同様の条件で押出成
形を行い、発泡成形体80を得た。
【0073】〔比較例4〕自動車座席シート用軟質ポリ
ウレタンフォーム廃材を体積約60cm3 にカットし、
そのまま使用した。
【0074】〔比較例5〕建材断熱用硬質ポリウレタン
フォームを体積約60cm3 にカットし、そのまま使用
した。
【0075】〔比較例6〕実施例1のウレタン微粉末A
を、目付100g/m2 のPP不織布に15g梱包して
使用した。
【0076】さらに、上記各実施例および比較例1から
3で得られた発泡成形体80、比較例5、6のウレタン
フォーム、比較例6の不織布を用いて油吸着性試験を行
い、その結果を、前記各実施例、比較例における成形性
および外観荒れの評価とともに、表1にまとめた。
【0077】
【表1】
【0078】ここで、油吸着性試験および成形性等の評
価は以下の方法で行った。 (1)各試験片をカット(体積は試験片のサイズ測定に
て算出し)し、試験室(23℃、湿度50%)にて12
時間放置し、状態を調節する。 (2)試験片を1A重油に5分間浸漬させ、吸油させ
る。 (3)重油から取り出す際の漏油に注意しながら、ゆっ
くりと目開き1cmの金網状に5分間放置して保持され
ていない油を除く。 (4)その後試験片の重量を測定する。 (5)保持特性および吸油速度は、浸漬した試験片を取
り出す時および放置時の漏油状態並びに浸漬初期の吸油
状態を目視で観察する(◎:良〜○〜△〜×:悪い)。 (6)成形性および外観は、発泡成形時の安定性および
得られた発泡成形体の外観を目視で観察する(◎:良〜
○〜△〜×:悪い)。
【0079】表1に示すように、軟質ポリウレタンフォ
ームから得られたウレタン微粉末Aとパウダー状PPと
を混合して成形したものは、実施例1から6の条件で
は、押出成形の際の成形性が良好、かつ、外観のよい発
泡成形体80が得られている。しかも、この条件で得ら
れた発泡成形体80は、軟質ウレタンフォームをそのま
ま油吸着材として用いた場合(比較例4)、およびウレ
タン微粉末Aを不織布に梱包した場合(比較例6)と比
較して、油保持性および吸油速度の高い油吸着材である
ことがわかる。
【0080】これに対して、ウレタン微粉末Aの充填割
合が高すぎる場合(比較例1)およびウレタン微粉末A
の平均粒径が大きすぎる場合(比較例3)には成形性が
悪くなることがわかる。また、ウレタン微粉末Aの充填
率が低すぎると、発泡成形体80の吸油速度が悪化する
ことがわかる(比較例2)。なお、比較例1において
は、成形性が悪すぎるため良好な成形品が得られていな
い。
【0081】パウダー状PPの代替として、パウダー状
PPおよびパウダー状PEをブレンドしたものを用いた
場合(実施例7)およびポリスチレンを用いた場合(実
施例8)でも、成形性、外観、油保持性、吸油速度の各
項目が良好な油吸着材を得ることができる。また、得ら
れた発泡成形体に針穴加工を施した場合、外観の悪化を
もたらさずに油保持性および吸油速度の非常に高い油吸
着材を得ることができる(実施例10)。なお、表1に
は載せていないが、発泡成形体を圧縮してシート状にし
た実施例11は、油保持性および外観荒れは、実施例1
と同様であるが、吸油量が39.25gと実施例1に比
べて非常に高く、吸油速度も実施例1と比べて非常に高
い(表1の評価記号で◎)。この結果から、発泡成形体
をシート状に圧縮することにより、油吸着性能が大幅に
向上されることが確認された。
【0082】ウレタン微粉末Aの原料として、硬質ポリ
ウレタンフォームを用いて成形した場合でも、成形性お
よび外観の良好な発泡成形体80が得られる(実施例
9)。この場合、硬質ウレタンフォームそのものを油吸
着材として用いた場合(比較例5)に比べて、非常に高
い油保持性および吸油速度を示すことがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、ウレタン発泡体の微粉
末および熱可塑性樹脂の混合物を成形することにより、
発泡成形体を得ているので、ウレタン発泡体が熱可塑性
樹脂の硬化を阻害せずに、所望の配合で発泡成形体を作
ることが可能になる。また、ウレタン発泡体を微粉化し
て用いているから、様々な色を有する廃ウレタン発泡体
を用いても、色のばらつきを目立たなくすることができ
る。さらに、熱可塑性樹脂を配合することで、ウレタン
発泡体のみの場合よりも、剛性の高い発泡成形体を得る
ことができる。
【0084】また、ウレタン発泡体を油吸着材として使
用することができ、ウレタン発泡体廃材の新たなリサイ
クル用途を提供できる。特に、ウレタン発泡体が、冷蔵
庫または建材等に使用される硬質発泡体の場合、発泡セ
ルが独立気泡で形成されているために、それ自体では油
を吸着しないが、ウレタン発泡体を微粉化して発泡セル
を形成する皮膜を破壊し、熱可塑性樹脂に充填すること
で、軟質発泡体と同様に、油吸着材として利用可能にな
る。また、ウレタン発泡体と熱可塑性樹脂との発泡成形
体であるから、油吸着後も剛性があり、吸着した油の漏
洩が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るウレタン微粉末の製
造工程を示す概略図である。
【図2】前記実施形態におけるスクリーンミルの構造を
示す水平断面図である。
【図3】前記実施形態におけるスクリーンミルの構造を
示す垂直断面図である。
【図4】前記実施形態における押出発泡成形機の構造を
示す概略図である。
【符号の説明】
70 押出成形機 80 発泡成形体 A ウレタン発泡体の微粉末(ウレタン微粉末) B 熱可塑性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 25/04 25/04 75/04 75/04 101/00 101/00 C08J 5/18 CET // C08J 5/18 CET B29C 67/22 B29K 105:04 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA12X AA15 AA20 AA22 AA28X AA33X AA34X AA53 AA75 AA77 AD02 AD03 AF06 AF53 AG21 AH19 BA01 BB05 BB06 BC01 4F074 AA17 AA22 AA24 AA32 AA32D AA38 AA78 AA98 AE01 AE07 BA03 BA13 BA34 BA73 CA22 CA26 CC22X CC30X CD01 CE46 CE47 CE48 CE98 DA13 DA59 4F212 AA04 AA10 AA11 AA31 AA50 AC04 AG02 AG20 AH03 AH28 UA04 UC02 UN29 UW23 4F301 AA29 BA21 BC13 BC18 BC26 BD07 BD08 BE30 BF08 BF12 BF26 BF31 4J002 AA01W BB03W BB06W BB12W BC03W BC06W BN15W CK02X FA09X FD20X GD02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂と、平均粒径2mm以下のウ
    レタン発泡体の微粉末とを混合した混合物を成形したこ
    とを特徴とする発泡成形体。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂と、平均粒径2mm以下のウ
    レタン発泡体の微粉末とを混合した混合物を成形した発
    泡成形体からなる油吸着材。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の油吸着材において、前記
    熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂およびポリスチレン
    系樹脂のいずれか、またはこれらの樹脂を混合したもの
    であることを特徴とする油吸着材。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載の油吸着材
    において、前記ウレタン発泡体の微粉末の充填率は、3
    0%〜90%であることを特徴とする油吸着材。
  5. 【請求項5】請求項2から請求項4のいずれかに記載の
    油吸着材において、前記ウレタン発泡体の微粉末の粒径
    は、平均粒径15μm〜300μmであることを特徴と
    する油吸着材。
  6. 【請求項6】請求項2から請求項5のいずれかに記載の
    油吸着材において、前記発泡成形体を圧縮してシート状
    に二次加工したことを特徴とする油吸着材。
  7. 【請求項7】請求項2から請求項6のいずれかに記載の
    油吸着材において、前記発泡成形体には多数の針穴加工
    が施され、該発泡成形体中の発泡セルが外部と連通して
    いることを特徴とする油吸着材。
  8. 【請求項8】請求項2から請求項7のいずれかに記載の
    油吸着材において、前記ウレタン発泡体は、使用済み回
    収ウレタン発泡体であることを特徴とする油吸着材。
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