JP2003232492A - 真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫

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JP2003232492A JP2002028551A JP2002028551A JP2003232492A JP 2003232492 A JP2003232492 A JP 2003232492A JP 2002028551 A JP2002028551 A JP 2002028551A JP 2002028551 A JP2002028551 A JP 2002028551A JP 2003232492 A JP2003232492 A JP 2003232492A
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裕行 小林
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憲治 寺井
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久男 横倉
Yutaka Ito
伊藤  豊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空断熱パネルにおいて、使用済の発泡ポリウ
レタンのリサイクル率向上を図りつつ熱伝導率の向上及
び熱伝導率の経時劣化防止を図ると共に外観品質を優れ
たものとする。 【解決手段】廃ウレタン微粉砕物14に少量のバインダ
ー剤を混練して形成したコア材15をゲッタ剤4と共に
ガスバリア性フィルム2中に収納し、これらを芯材13
としてガスバリア性フィルム2内を真空封止して真空断
熱パネル11を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空断熱パネル及
びこれを用いた冷蔵庫に係り、特に廃ウレタンを微粉砕
して芯材に用いる真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵
庫に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の観点から、冷蔵庫
の消費電力量削減及びリサイクル率の向上の必要性が高
まっている。
【0003】冷蔵庫の消費電力は、庫内を冷却する冷凍
サイクルの効率と共に、庫内からの熱漏洩量に関係する
断熱材の断熱性能によってその大部分が決まる。そこ
で、冷蔵庫においては、消費電力量削減のために、断熱
材の性能向上を図る努力がなされつつある。
【0004】また、冷蔵庫の断熱材としては、一般に、
リサイクルが難しいとされる熱硬化性樹脂の発泡ポリウ
レタンが用いられており、冷蔵庫が使用済みになった後
に回収される廃ウレタンの多くは埋立て処分されてい
る。一般的な冷蔵庫では、発泡ポリウレタンが冷蔵庫重
量に占める割合は約9%にもなっている。そこで、冷蔵
庫においては、リサイクル率を向上するために、廃ウレ
タンのマテリアルリサイクルに関する要素技術を構築
し、現在埋立て処分されている廃ウレタンのリサイクル
を図る努力がなされつつある。
【0005】これらに関連する従来の真空断熱パネル及
びこれを用いた冷蔵庫としては、特開平10−3003
31号公報に示されているように、優れた断熱性能を確
保し、取扱性及び強度的にも優れた真空断熱パネル及び
これを用いた冷蔵庫を得るために、アルミニュームをラ
ミネートしたガスバリア性フィルムによって内部を真空
に保持されると共に芯材によって形状を保持されてなる
真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫において、廃ウ
レタンの粉砕品と、熱反射率に優れる板状充填材と、こ
れらを接着するバインダー剤と、を含む混合物から成る
多孔体でコア材を構成し、このコア材を前述した芯材と
して用いるようにしたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、係る従来技術
では、熱反射率に優れる板状充填材を用いて輻射による
伝熱量を抑制することが示されているが、板状充填材で
あるために板状充填材間の接触が面接触になって板状充
填材を介しての伝熱量が大きくなり、熱伝導率が大きく
なってしまうおそれがあるという課題があった。
【0007】そこで、この板状充填材の接触を少なくす
るようにバインダー剤を多量に用いたコア材とすること
が考えられるが、その場合には、ウレタン粉砕品の連通
化が阻害されて十分な真空度が得られなくなると共に、
バインダー剤を介しての伝熱量が大きくなり、これらに
よって熱伝導率が大きくなってしまうおそれがあり、更
にはバインダー剤から徐々に放出されるガスにより熱伝
導率が経時劣化するおそれがあるという課題が生ずる。
【0008】また、板状充填材を用いることなく少量の
バインダー剤を用いたコア材とすることが考えられる
が、その場合には、コア材は脆くて強度が弱くなるた
め、このコア材をガスバリア性フィルム中に収納して真
空封止した真空断熱パネルは表面に凹凸状の窪みが発生
して外観品質が劣り、また、冷蔵庫箱体中にこの真空断
熱パネルを挿入して発泡ポリウレタンを充填した場合に
も冷蔵庫箱体の外観ひずみ等が生じ易いという課題が生
ずる。
【0009】本発明の目的は、使用済の発泡ポリウレタ
ンのリサイクル率向上を図りつつ熱伝導率の向上及び熱
伝導率の経時劣化防止が図れると共に外観品質が優れた
真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫を提供すること
にある。
【0010】なお、前記以外の目的と有利点は以下の記
述から明らかにされる。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の真空断熱パネルは、ガスバリア性フィルム
中に芯材を収納して真空封止した真空断熱パネルにおい
て、前記芯材は、平均粒径が100μm以下で95%以
上のウレタン純度を有する廃ウレタン微粉砕物に少量の
バインダー剤を混練して形成したコア材と、ゲッタ剤と
を備えた構成としたものである。
【0012】前記目的を達成するために、本発明の冷蔵
庫は、外箱と内箱との間に真空断熱パネルを配置し、前
記真空断熱パネルが前記外箱に接触するように前記外箱
と前記内箱との間にウレタンを発泡して充填した冷蔵庫
において、前記真空断熱パネルは、ガスバリア性フィル
ム中に芯材を収納し、内部を真空封止して形成し、前記
芯材は、平均粒径が100μm以下で95%以上のウレ
タン純度を有する廃ウレタン微粉砕物に少量のバインダ
ー剤を混練して形成したコア材と、ゲッタ剤とを備えた
構成としたものである。
【0013】なお、本発明のその他の手段は以下の記述
から明らかにされる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の真空断熱パネル及
びこれを用いた冷蔵庫の実施形態を図を用いて説明す
る。
【0015】まず、本発明の一実施形態の真空断熱パネ
ル及び冷蔵庫の構成及び製造方法を図1から図4を参照
しながら説明する。
【0016】使用済みの廃冷蔵庫は、マテリアルリサイ
クルするために、リサイクルプラントなどに搬入され
(ステップ20)、必要な部品などが取外されて分解さ
れる(ステップ21)。
【0017】分解された冷蔵庫は、破砕分別システムに
投入され(ステップ22)、破砕されると共に(ステッ
プ23)、断熱材中のフロンなどが回収され(ステップ
24)、且つ金属・プラスチックなどが種類別に回収さ
れる(ステップ25)。
【0018】また、この分別で回収された廃ウレタンは
圧縮されて円板状の廃ウレタン圧縮材として形成され、
リサイクルプラントから排出される(ステップ26)。
この廃ウレタン圧縮材は、具体的には、数mm〜10m
m角で一片の重量が重いプラスチック粉や細かく砕かれ
た微量の金属異物が混ざったものを圧縮して固めたもの
で脆く崩れやすい状態である。この廃ウレタン圧縮材に
は、廃発泡ウレタンの破砕物以外に、廃発泡ウレタンと
比重が近くて風力選別で除去されなかったポリプロピレ
ン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル
・ブタジェン・スチレン共重合物(ABS)や金属等の
異物が含まれている。
【0019】このような異物が含まれている廃ウレタン
圧縮材を真空断熱パネル11のコア材に用いると、異物
がコア材の連通化を阻害して熱伝導率の低減化に支障を
きたすばかりでなく、経時的なガス放出源となる。そこ
で、本実施形態では、真空断熱パネル11のコア材15
における熱伝導率の低減及び熱伝導率の経時劣化を改良
するために、後述するように廃ウレタン圧縮材から廃ウ
レタン以外の不純物を高精度に分別除去し、芯材15に
用いるようにしている。
【0020】また、廃ウレタン圧縮材は、独立気泡中に
フロンもしくはシクロペンタンの揮発性ガスを含む廃ウ
レタンを破砕・粗粉砕されて形成されるが、粒径が約
0.6〜1.3mmと大きく、独立気泡が全て破砕され
ている状態ではない。このような独立気泡が含まれてい
る廃ウレタン圧縮材を真空断熱パネル11のコア材15
に用いると、独立気泡がコア材15の連通化を阻害して
熱伝導率の低減化に支障をきたすばかりでなく、経時的
なガス放出源となる。そこで、本実施形態では、真空断
熱パネル11のコア材15における熱伝導率の低減及び
熱伝導率の経時劣化を改良するために、後述するように
廃ウレタン圧縮材を微粉砕して廃ウレタン微粉砕物と
し、芯材15に用いるようにしている。
【0021】廃ウレタン圧縮材の微粉砕化と異物選別の
高純度化処理を説明する。
【0022】破砕分別システムから排出された廃ウレタ
ン圧縮材は、真空断熱パネル製造プラントに搬送され、
微粉砕・異物選別システムに投入される(ステップ3
0)。微粉砕・異物選別処理システムでは、廃ウレタン
圧縮材はまず粗粉砕され(ステップ31)、その廃ウレ
タン粗粉砕物からプラスチック粉や鉄系粉末などの金属
異物が選別されて取り除かれる(ステップ32)。
【0023】係る廃ウレタン圧縮材の粗粉砕及び異物選
別において、廃ウレタン圧縮材はロータリ型の特殊カッ
タによる一軸せん断式で5mm程度のチップに破砕さ
れ、その粗粉砕物は選別コンベアで高速搬送されて風力
差で重量の重いプラスチック粉が選別され、取り除かれ
る。残った粗粉砕物からスパイラルマグネットを用いて
鉄系粉末の金属異物が選別されて取り除かれる。
【0024】そして、金属異物が取り除かれた廃ウレタ
ン粗粉砕物は、さらに細かく微粉砕されると共に(ステ
ップ33)、廃ウレタン微粉砕物14として微粉砕・選
別システムから排出される(ステップ35)。これによ
って、600μm以上の粒径比率のものが50%を超え
バラツキも大きかった微粉砕処理前の廃ウレタン圧縮材
は、微粉砕処理後に平均粒径が100μm以下となり、
異物選別処理前に69〜85%であったウレタン純度の
廃ウレタン圧縮材は、異物選別処理後にウレタン純度が
95%以上を有するバラツキの少ない安定した廃ウレタ
ン微粉砕物14となることが判明した。なお、廃ウレタ
ン微粉砕物14の粒子径は、レーザー回折・散乱法によ
るマイクロトラック粒度分析計を用いて測定した。
【0025】排出された廃ウレタン微粉砕物14は少量
のバインダー剤及び超極細のガラス短繊維材6と混練さ
れてコア材15が形成される(ステップ40)。
【0026】少量のバインダー剤を用いることによっ
て、廃ウレタン微粉砕物14の連通化の阻害及びバイン
ダー剤からのガス放出を抑制することが可能となり、熱
伝導率の向上及び熱伝導率の経時劣化防止を図ることが
できる。特に、5〜20重量%のバインダー剤を混練す
ることにより、熱伝導率の向上及び熱伝導率の経時劣化
防止が図れることが後述する実施例1〜5で明らかにな
った。なお、バインダー剤としては、フェノール樹脂、
ウレタン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等
が使用できる。
【0027】また、ガラス短繊維材6は、具体的には、
平均径3μm以下で且つ平均長さ10mm以下のガラス
短繊維材が用いられる。ガラス短繊維材の平均長さは5
〜10mm程が特に好ましい。
【0028】更には、別途、ゲッタ剤4が形成される
(ステップ42)。このゲッタ剤4としては、モレキュ
ラーシーブス、シリカゲル、酸化カルシウム、ゼオライ
ト、活性炭等、炭酸ガスを吸着除去するアルカリ金属と
しては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム等が用いられる。このゲッタ剤は通常平均20〜3
00μm程度の粒径を有し、通気性を有するポリエチレ
ン製、ポリプロレン製、ポリエチレンテレフタレート製
等の不織布に充填されている。
【0029】それから、コア材15が、ガスバリア性フ
ィルム2中にゲッタ剤4と共に収納されて芯材13が形
成される。この芯材13が収納された状態でガスバリア
性フィルム2が真空封止される(ステップ43)。この
ガスバリア性フィルム2としては、例えば片面にポリエ
チレンテレフタレートの表面保護層、中間層がアルミ箔
で熱シール層が高密度ポリエチレンからなるラミネート
フィルム、もう一方の面には、表面保護層がポリエチレ
ンテレフタレート、中間層がエチレンービニルアルコー
ル共重合樹脂の内層側にアルミ蒸着を施したフィルム
層、熱シール層が高密度ポリエチレンからなるラミネー
トフィルムが用いられる。
【0030】コア材15は上述したようにガラス短繊維
材6が混入されて形成されているため、強度の増大が図
られ、真空封止される際に、コア材15が変形して真空
断熱パネル11の表面に外観ひずみが発生することを防
止できる。
【0031】このようにして図2に示す真空断熱パネル
11が作製される。この真空断熱パネル11は薄形直方
体に形成され、図示例では寸法400mm×450mm
×15mmである。真空断熱パネル11の厚さ方向が伝
熱方向として用いられる。
【0032】上述のようにして作製された真空断熱パネ
ル11は、冷蔵庫製造プラントに搬入され(ステップ5
0)、冷蔵庫を構成する鉄板製外箱7の平坦面内側に貼
り付けられる(ステップ51)。次いで、冷蔵庫を構成
するプラスチック製内箱8が外箱7に組み合わされて冷
蔵庫箱体10が形成され、外箱7と内箱8との間に発泡
ポリウレタン9が充填され(ステップ51)、図3及び
図4に示す冷蔵庫が完成される。
【0033】この発泡ポリウレタン9は、ポリオールを
基本原料としてシクロペンタンと水、整泡剤、反応触媒
の存在下でイソシアネートを反応させて得られるもので
ある。係る発泡ポリウレタン9を更に具体的に説明す
る。
【0034】ポリオールとしては、m−トリレンジアミ
ン(2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジア
ミン)及びo−トリレンジアミン(2,3−トリレンジ
アミン、3,4−トリレンジアミン)から成る開始剤を
プロピレンオキサイドの付加物を主に用いている。他の
開始剤は、2価アルコールのプロピレングリコール,ジ
プロピレングリコール、3価アルコールのグリセリン,
トリメチロールプロパン、多価アルコールのジグリセリ
ン,メチルグルコシド,ソルビトール,シュークロー
ズ,アルキレンポリアミンのエチレンジアミン,ジエチ
レントリアミン、アルカノールアミンのモノエタノール
アミン,ジエタノールアミン,イソプロパノールアミ
ン、その他のジアミノジフェニルメタン,ビスフェノー
ルA,ポリメチレンポリフェニルポリアミンを種々のア
ルキレンオキサイドで付加物としたポリオールを用いて
いる。
【0035】また、イソシアネートとしては、ジフェニ
ルメタンイソシアネート多核体を主に使用している。ジ
フェニルメタンジイソシアネート多核体を用いたイソシ
アネートは、ポリエーテルポリオール溶液と粘度差が小
さいので、ポリエーテルポリオールとの相溶性が向上す
る。ジフェニルメタンジイソシアネート多核体を用いる
ことによって、初期反応は比較的速くなりゲル化や硬化
が遅くなるので、脱形時のフォーム膨れ量を小さくす
る。少量であればトリレンジイソシアネート異性体混合
物、2,4−体100部、2,4−体/2,6−体=8
0/20,65/35(重量比)はもちろん、商品名三
井コスモネートTRC,武田薬品のタケネート4040
プレポリマーのウレタン変性トリレンジイソシアネー
ト,アロファネート変性トリレンジイソシアネート,ビ
ウレット性トリレンジイソシアネート,イソシアヌレー
ト変性トリレンジイソシアネート等も使用できる。4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートとしては、主
成分とする純品の他3核体以上の多核体を含有する商品
名三井コスモネートM−200,武田薬品製のミリオネ
ートMRのジフェニルメタンイソシアネート多核体を使
用できる。
【0036】また、発泡剤としては、炭化水素系発泡剤
のシクロペンタン及び水を用いる。ポリオール混合物1
00重量部に対し、12〜18重量部のシクロペンタン
及び1.0〜1.8重量部の水を組み合わせる。一般に
シクロペンタンと水を多く用いれば容易に低密度化でき
るが、水が多いと気泡セル内の炭酸ガスの分圧が増加し
て膨れ量が大きくなり、シクロペンタンが多いと圧縮強
度や寸法安定性が劣ってくる。
【0037】また、反応触媒としては、テトラメチルヘ
キサメチレンジアミン,ペンタメチルジエチレントリア
ミン、3量化触媒を併用して高速反応化とキュアー性を
高められる。反応触媒の配合量は、ポリオール成分10
0重量部に対し、2〜5重量部が好ましい。それ以外
に、第3級アミンのトリメチルアミノエチルピペラジ
ン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジア
ミン、3量化触媒のトリス(3−ジメチルアミノプロピ
ル)ヘキサヒドローS−トリアジン、遅効性触媒のジプ
ロピレングリコール,酢酸カリジエチレングリコール
等、反応性が合致すれば使用することができる。
【0038】また、整泡剤としては、低表面張力の方が
気泡セルの大きさがそろうので、フォームは一様に膨
れ、一様な強度を有する。整泡剤の配合量は、ポリオー
ル成分が100重量部あたり1.5〜4重量部である。
製泡剤としては、例えばゴールドシュミット製のB−8
461,B−8462,信越化学製のX−20−161
4,X−20−1634,日本ユニカ製のSZ−112
7,SZ−1671を用いる。
【0039】上記材料を用いて、発泡ポリウレタン9を
発泡する。発泡機は、例えばプロマート社製PU−30
型発泡機が用いられる。発泡条件は、発泡機の種類によ
って多少異なるが通常は液温18〜30℃、吐出圧力8
0〜150kg/cm、吐出量15〜30kg/mi
n、型箱の温度は35〜45℃が好ましい条件である。
【0040】このようにして作製された冷蔵庫は冷蔵庫
製造プラントから搬送され(ステップ53)、一般家庭
などで使用される。
【0041】本実施形態では、廃ウレタン微粉砕物14
に少量のバインダー剤及び超極細のガラス短繊維材6を
混練して形成したコア材15をゲッタ剤4と共にガスバ
リア性フィルム2中に収納して芯材としたことにより、
発泡ポリウレタンのリサイクル率の向上を図りつつ熱伝
導率の向上及び熱伝導率の経時劣化防止が図れると共に
外観品質が優れたものとすることができる。
【0042】ガラス短繊維材6についてさらに詳細に説
明する。通常の平均繊維径が大きいガラス繊維材に用い
た場合には、熱伝導率が高くなるとともに熱伝導率の経
時劣化が大きくなってしまう。平均繊維径が3μm以上
になると、ガラス繊維材どうしが同一方向に配列し易
く、繊維の接触が線接触に近くなって接触熱抵抗が小さ
くなるため、接触した繊維を通しての伝熱量が大きくな
って断熱性能が低下してしまう。また、ガラス繊維材ど
うしがサイジング材やバインダー剤で2重に接着される
ことになるが、平均繊維径が大きいほどこれらを介する
面積が大きくなって接触熱抵抗が小さくなくなるため、
サイジング材やバインダー剤を通しての伝熱量が大きく
なって断熱性能が低下してしまう。更には、平均繊維径
が大きくなるほどサイジング材とバインダー剤の有機成
分よりガスの放出量が多くなって熱伝導率の経時劣化が
大きくなってしまう。
【0043】これに対し、本実施形態のように、平均径
3μm以下で且つ平均長さ10mm以下のガラス短繊維
材を用いることにより、伝熱方向に不連続で素材間の接
触熱抵抗を有効に活用することができ、しかも、接触熱
抵抗の他に熱流路がジグザグとなり、それによって熱抵
抗が増大して熱伝導率が低くできると共に、サイジング
材やバインダー材の接触面積が減少して熱伝導率が低く
でき、ガス放出量が低減して熱伝導率の経時劣化を防止
することができる。
【0044】本発明の実施例1〜5及び比較例1〜3を
表1を参照しながら詳細に説明する。各実施例及び各比
較例の真空断熱パネル及び冷蔵庫の作製内容は、以下に
述べる各実施例及び各比較例の説明と表1に示す内容の
差異とを除いて、基本的には上述した実施形態と同一で
ある。
【0045】
【表1】 表1には、真空断熱パネル11のコア材15の混合比
率、廃ウレタン微粉砕物14の粒径(ウレタン粉粒
径)、廃ウレタン微粉砕物14の純度(ウレタン粉純
度)、ガラス短繊維材の繊維径、コア材15の成形温
度、真空断熱パネル11の熱伝導率、冷蔵庫の熱漏洩量
低減率、真空断熱パネル11及び冷蔵庫の外観品質を示
す。 (実施例1)この実施例1の発泡ポリウレタン9は、ポ
リオールとして、平均水酸基価が450のm−トリレン
ジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテ
ルポリオールを40重量部、平均水酸基価が470のo
−トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加した
ポリエーテルポリオールを30重量部、平均水酸基価が
380のo−トリレンジアミンにプロピレンオキサイド
を付加したポリエーテルポリオールを30重量部の混合
ポリオール成分100重量部に、シクロペンタン15重
量部に水1.5部及び反応触媒としてテトラメチルヘキ
サメチレンジアミン1.2重量部とトリメチルアミノエ
チルピペラジン2部、整泡剤として有機シリコーン化合
物X−20−1614を2重量部、イソシアネート成分
としてミリオネートMRのジフェニルメタンイソシアネ
ート多核体を125部用いて発泡充填されたものであ
る。
【0046】また、この実施例1では、真空断熱パネル
11へ廃ウレタンをマテリアルリサイクルすることを実
現するため、粗粉砕・異物選別・微粉砕を行い、廃ウレ
タン微粉砕物14の作製処理を行ったものである。その
処理工程及び測定評価は、以下の内容で行った。
【0047】廃ウレタン圧縮材には粉体、スポンジ状発
泡体、プラスチック破砕物が含まれており、まず廃ウレ
タン圧縮材中の任意の3ヶ所から10gを採取して総重
量測定を行った後、プラスチック破砕物の選別を行なっ
た。このプラスチック破砕物から外観色目が異なる3点
(白色片/灰色片/半透明片)をFT−IR分析した結
果、廃発泡ウレタン以外のABS樹脂とPP樹脂が含ま
れていることが判明した。プラスチック破砕物の重量を
測定し、総重量とプラスチック破砕物重量との差を発泡
ポリウレタンの重量とした。
【0048】廃ウレタン圧縮材全体に対する樹脂部分の
重量比は、強熱残分測定における減量分を樹脂部分とし
た。強熱残分測定は、試料を凍結粉末粉砕法で微粉砕し
真空乾燥(70℃/3時間)を行い、四分法を用いてサ
ンプル1gを採取し均一試料とした。電気炉中で強熱
(800℃/3時間)し残分の重量を測定した。また、
蛍光X線分析を用いて強熱残分をポリエステルフィルム
で保持して測定した。強熱残分の重量と金属組成比か
ら、試料全体に対する各金属成分の重量比を計算した。
上記方法で異物選別処理前の廃ウレタン圧縮材には、1
2〜26%のウレタン以外の樹脂と3〜5%の金属異物
が含まれ、異物選別処理後の廃ウレタン微粉砕物14に
は、約1.5%のウレタン以外の樹脂と約2%の金属異
物が含まれていることが判った。これより異物選別は、
プラスチック粉選別回収率が約92%、金属異物選別回
収率が約51%であった。また、廃ウレタン純度は、異
物選別処理前が69〜85%から異物選別処理後が96
%になることを確認した。
【0049】更に、廃ウレタン微粉砕物14の粒子径
は、レーザー回折・散乱法によるマイクロトラック粒度
分析計を用いて測定した。微粉砕処理前の廃ウレタン圧
縮材は、0.6mm以上の粒径比率が50%を超えバラ
ツキも大きいものであった。しかし、微粉砕後の廃ウレ
タン微粉砕物14は、平均粒径が60μmであり、10
0μm以下の粒径比率も95%以上でバラツキも少なく
安定した粒径のものであった。
【0050】また、真空断熱パネル11用のコア材15
の作製は、前記方法で微粉砕化した廃ウレタン微粉砕物
15にフェノール樹脂粉末のバインダー剤を5重量部及
びガラス短繊維6を5重量部配合して、V字型混合機を
用いて混合した。芯材13の熱伝導率を低減するには、
粒径が小さく純度が高い方が好ましいため、微粉砕化し
た廃ウレタン微粉砕物15は平均粒径が60μm、純度
96%の廃物を使用した。その後、混合物を金型内に必
要量を投入し、190℃の温度で20分間、49kPa
の圧縮力で成形しコア材を作製した。コア材に含まれる
脱ガス及び水が熱伝導率に影響するため、110℃で1
時間のエージング処理を行った。その後、ガスバリア性
フィルム2にコア材を1.0μm径のガラス短繊維6を
含有し、更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラー
シーブス13X/活性炭)を詰め、真空包装機のロータ
リーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱パ
ネル11の内部圧力が1.3Paになるまで排気した
後、端部をヒートシールで封止して真空断熱パネル11
を作製した。
【0051】このようにして得られた真空断熱パネル1
1の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて
測定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期で
6.5mW/m・K、1ヶ月後には7.2mW/m・K
となった。また、作製した真空断熱パネル11を3枚冷
蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対し、
熱漏洩量の低減率が2.4%で、外観ひずみも発生せず
良好であった。 (実施例2)実施例2における真空断熱パネル11用の
コア材作製は、微粉砕化した廃ウレタン微粉砕物15に
フェノール樹脂粉末のバインダー剤を5重量部及びガラ
ス短繊維材6を10重量部配合して、V字型混合機を用
いて混合した。芯材13の熱伝導率を低減するには、粒
径が小さく純度が高い方が好ましいため、微粉砕化した
廃ウレタン微粉砕物15は平均粒径が70μm、純度9
8%の廃物を使用した。その後、混合物を金型内に必要
量を投入し、190℃の温度で20分間、49kPaの
圧縮力で成形しコア材を作製した。コア材に含まれる脱
ガス及び水が熱伝導率に影響するため、110℃で1時
間のエージング処理を行った。その後、ガスバリア性フ
ィルム2にコア材を1.5μm径のガラス短繊維6を含
有し、更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラーシ
ーブス13X/活性炭)を詰め、真空包装機のロータリ
ーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱パネ
ル11の内部圧力が1.3Paになるまで排気した後、
端部をヒートシールで封止して真空断熱パネル11を作
製した。
【0052】このようにして得られた真空断熱パネル1
1の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて
測定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期で
6.2mW/m・K、1ヶ月後には7.0mW/m・K
となった。また、作製した真空断熱パネル11を3枚冷
蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対し、
熱漏洩量の低減率が2.3%で、外観ひずみも発生せず
良好であった。 (実施例3)実施例3における真空断熱パネル11用の
コア材作製は、微粉砕化した廃ウレタン微粉砕物15に
フェノール樹脂粉末のバインダー剤を10重量部及びガ
ラス短繊維を5重量部配合して、V字型混合機を用いて
混合した。芯材13の熱伝導率を低減するには、粒径が
小さく純度が高い方が好ましいため、微粉砕化した廃ウ
レタン微粉砕物15は平均粒径が80μm、純度95%
の廃物を使用した。その後、混合物を金型内に必要量を
投入し、180℃の温度で20分間、49kPaの圧縮
力で成形しコア材を作製した。コア材に含まれる脱ガス
及び水が熱伝導率に影響するため、110℃で1時間の
エージング処理を行った。その後、ガスバリア性フィル
ム2にコア材を2.0μm径のガラス短繊維6を含有
し、更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラーシー
ブス13X/活性炭)を詰め、真空包装機のロータリー
ポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱パネル
11の内部圧力が1.3Paになるまで排気した後、端
部をヒートシールで封止して真空断熱パネル11を作製
した。
【0053】このようにして得られた真空断熱パネル1
1の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて
測定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期で
6.8mW/m・K、1ヶ月後には7.5mW/m・K
となった。また、作製した真空断熱パネル11を3枚冷
蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対し、
熱漏洩量の低減率が2.2%で、外観ひずみも発生せず
良好であった。 (実施例4)実施例4における真空断熱パネル11用の
コア材作製は、微粉砕化した廃ウレタン微粉砕物15に
フェノール樹脂粉末のバインダー剤を10重量部及びガ
ラス短繊維6を20重量部配合して、V字型混合機を用
いて混合した。芯材13の熱伝導率を低減するには、粒
径が小さく純度が高い方が好ましいため、微粉砕化した
廃ウレタン微粉砕物15は平均粒径が90μm、純度9
7%の廃物を使用した。その後、混合物を金型内に必要
量を投入し、180℃の温度で20分間、49kPaの
圧縮力で成形しコア材を作製した。コア材に含まれる脱
ガス及び水が熱伝導率に影響するため、110℃で1時
間のエージング処理を行った。その後、ガスバリア性フ
ィルム2にコア材を2.5μm径のガラス短繊維6を含
有し、更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラーシ
ーブス13X/活性炭)を詰め、真空包装機のロータリ
ーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱パネ
ル11の内部圧力が1.3Paになるまで排気した後、
端部をヒートシールで封止して真空断熱パネル11を作
製した。
【0054】このようにして得られた真空断熱パネル1
1の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて
測定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期で
6.5mW/m・K、1ヶ月後には7.4mW/m・K
となった。また、作製した真空断熱パネル11を3枚冷
蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対し、
熱漏洩量の低減率が2.4%で、外観ひずみも発生せず
良好であった。 (実施例5)実施例5における真空断熱パネル11用の
コア材作製は、微粉砕化した廃ウレタン微粉砕物15に
フェノール樹脂粉末のバインダー剤を20重量部及びガ
ラス短繊維6を30重量部配合して、V字型混合機を用
いて混合した。芯材13の熱伝導率を低減するには、粒
径が小さく純度が高い方が好ましいため、微粉砕化した
廃ウレタン微粉砕物15は平均粒径が100μm、純度
97%の発物を使用した。その後、混合物を金型内に必
要量を投入し、190℃の温度で20分間、49kPa
の圧縮力で成形しコア材を作製した。コア材に含まれる
脱ガス及び水が熱伝導率に影響するため、110℃で1
時間のエージング処理を行った。その後、ガスバリア性
フィルム2にコア材を3.0μm径のガラス短繊維6を
含有し、更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラー
シーブス13X/活性炭)を詰め、真空包装機のロータ
リーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱パ
ネル11の内部圧力が1.3Paになるまで排気した
後、端部をヒートシールで封止して真空断熱パネル11
を作製した。
【0055】このようにして得られた真空断熱パネル1
1の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて
測定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期で
5.8mW/m・K、1ヶ月後には6.6mW/m・K
となった。また、作製した真空断熱パネル11を3枚冷
蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫は、比較例1に対し、
熱漏洩量の低減率が3.0%で、外観ひずみも発生せず
良好であった。 (比較例1)比較例1における真空断熱パネル1用のコ
ア材作製は、微粉砕化および異物選別を遂行していない
廃ウレタン粉砕物5(平均粒径500μm、純度85%
の廃物)を用いた。廃ウレタン粉砕物5にフェノール樹
脂粉末のバインダー剤を50重量部及びガラス短繊維6
を20重量部配合して、V字型混合機を用いて混合し
た。その後、混合物を金型内に必要量を投入し、170
℃の温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形しコア
材を作製した。更に、ガスバリア性フィルム2にコア材
を平均繊維径が6.0μmのガラス短繊維6を含有し、
更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラーシーブス
13X/活性炭)を詰め、真空包装機のロータリーポン
プで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱パネル1の
内部圧力が1.3Paになるまで排気した後、端部をヒ
ートシールで封止して真空断熱パネル1を作製した。
【0056】このようにして得られた真空断熱パネル1
の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて測
定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期が1
4.5mW/m・Kと高く、1ヶ月後には22.2mW
/m・Kと更に高くなった。 (比較例2)比較例2における真空断熱パネル1用のコ
ア材作製は、微粉砕化および異物選別を遂行していない
廃ウレタン粉砕物5(平均粒径300μm、純度88%
の廃物)を用いた。廃ウレタン粉砕物5にフェノール樹
脂粉末のバインダー剤を30重量部及びガラス短繊維6
を10重量部配合して、V字型混合機を用いて混合し
た。その後、混合物を金型内に必要量を投入し、190
℃の温度で20分間、49kPaの圧縮力で成形しコア
材を作製した。更に、ガスバリア性フィルム2にコア材
を平均繊維径が6.0μmのガラス短繊維6を含有し、
更にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキュラーシーブス
13X/活性炭)を詰め、真空包装機のロータリーポン
プで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱パネル1の
内部圧力が1.3Paになるまで排気した後、端部をヒ
ートシールで封止して真空断熱パネル1を作製した。
【0057】このようにして得られた真空断熱パネル1
の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて測
定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期が1
2.5mW/m・Kと高く、1ヶ月後には18.1mW
/m・Kと更に高くなった。また、この真空断熱パネル
1を3枚冷蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫では、比較
例1に対し熱漏洩量の低減はほとんど見られなかった。 (比較例3)比較例3における真空断熱パネル1用のコ
ア材作製は、微粉砕化および異物選別を遂行していない
廃ウレタン粉砕物5(平均粒径150μm、純度80%
の廃物)を用いた。廃ウレタン粉砕物5にフェノール樹
脂粉末のバインダー剤を5重量部配合して、V字型混合
機を用いて混合した。その後、混合物を金型内に必要量
を投入し、180℃の温度で20分間、49kPaの圧
縮力で成形しコア材を作製した。更に、ガスバリア性フ
ィルム2にコア材にガスを吸着するゲッタ剤4(モレキ
ュラーシーブス13X/活性炭)を詰め、真空包装機の
ロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空
断熱パネル1の内部圧力が1.3Paになるまで排気し
た後、端部をヒートシールで封止して真空断熱パネル1
を作製した。
【0058】このようにして得られた真空断熱パネル1
の熱伝導率を、英弘精機(株)製のAUTO−Λにて測
定した。その結果を表1に示す。熱伝導率は、初期が2
0.5mW/m・Kと高く、1ヶ月後には32.5mW
/m・Kと更に高くなった。また、この真空断熱パネル
1を3枚冷蔵庫箱体10中に挿入した冷蔵庫では、比較
例1に対し、熱漏洩量の低減はほとんど見られなかっ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、使用済の発泡ポリウレ
タンのリサイクル率向上を図りつつ熱伝導率の向上及び
熱伝導率の経時劣化防止が図れると共に外観品質が優れ
た真空断熱パネル及びこれを用いた冷蔵庫を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の真空断熱パネル及びこれ
を用いた冷蔵庫の製造工程を示すフローチャート図であ
る。
【図2】図1で製造された真空断熱パネルの断面模式図
である。
【図3】図2の真空断熱パネルを挿入した冷蔵庫断熱箱
体の斜視模式図である。
【図4】図3の真空断熱パネル挿入部の断面拡大模式図
である。
【符号の説明】
2…ガスバリア性フィルム、4…ゲッタ剤、6…ガラス
短繊維材、7…外箱、8…内箱、9…発泡ポリウレタ
ン、10…冷蔵庫箱体、11…真空断熱パネル、13…
芯材、14…廃ウレタン微粉砕物、15…コア材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 裕行 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 寺井 憲治 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 横倉 久男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 伊藤 豊 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 3H036 AA08 AB12 AB13 AB18 AB23 AB24 AB25 AB28 AB29 AC01 3L102 MA03 MB23 MB25

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスバリア性フィルム中に芯材を収納して
    真空封止した真空断熱パネルにおいて、 前記芯材は、平均粒径が100μm以下で95%以上の
    ウレタン純度を有する廃ウレタン微粉砕物に少量のバイ
    ンダー剤を混練して形成したコア材と、ゲッタ剤とを備
    えたことを特徴とする真空断熱パネル。
  2. 【請求項2】ガスバリア性フィルム中に芯材を収納して
    真空封止した真空断熱パネルにおいて、 前記芯材は、平均粒径が100μm以下で95%以上の
    ウレタン純度を有する廃ウレタン微粉砕物に少量のバイ
    ンダー剤及び超極細のガラス短繊維材を混練して形成し
    たコア材と、ゲッタ剤とを備えたことを特徴とする真空
    断熱パネル。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記バインダ
    ー剤はコア材混合比率で5〜20重量%の範囲内とした
    ことを特徴とする真空断熱パネル。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、前記ガラス短
    繊維材は、平均径で3μm以下とすると共に、コア材混
    合比率で5〜30重量%の範囲内としたことを特徴とす
    る真空断熱パネル。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記廃ウレタン微粉砕
    物は平均粒径が60〜100μmの範囲とし、前記バイ
    ンダー剤はコア材混合比率で5〜20重量%の範囲内と
    し、前記ガラス短繊維材はコア材混合比率で5〜30重
    量%、平均径が1〜3μm及び平均長が5〜10mmの
    範囲内としたことを特徴とする真空断熱パネル。
  6. 【請求項6】廃冷蔵庫などから回収された廃ウレタンを
    微粉砕し、平均粒径が100μm以下で95%以上のウ
    レタン純度を有する前記廃ウレタン微粉砕物にバインダ
    ー剤及び超極細のガラス短繊維材を混錬してコア材を形
    成し、前記コア材をゲッタ剤と共にガスバリア性フィル
    ム中に芯材として収納し、前記ガスバリア性フィルムを
    真空封止したことを特徴とする真空断熱パネルの製造方
    法。
  7. 【請求項7】外箱と内箱との間に真空断熱パネルを配置
    し、前記真空断熱パネルが前記外箱に接触するように前
    記外箱と前記内箱との間にウレタンを発泡して充填した
    冷蔵庫において、 前記真空断熱パネルは、ガスバリア性フィルム中に芯材
    を収納し、内部を真空封止して形成し、 前記芯材は、平均粒径が100μm以下で95%以上の
    ウレタン純度を有する廃ウレタン微粉砕物に少量のバイ
    ンダー剤を混練して形成したコア材と、ゲッタ剤とを備
    えたことを特徴とする冷蔵庫。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記廃ウレタン微粉砕
    物は平均粒径が60〜100μmの範囲とし、前記バイ
    ンダー剤はコア材混合比率で5〜20重量%の範囲内と
    し、前記ガラス短繊維材はコア材混合比率で5〜30重
    量%、平均径が1〜3μm及び平均長が5〜10mmの
    範囲内としたことを特徴とする冷蔵庫。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015176832A1 (en) * 2014-05-21 2015-11-26 Arcelik Anonim Sirketi A cooling device with improved insulation efficiency

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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