JP2003226428A - 超音波浮揚装置、超音波浮揚方法、超音波吸引装置、および、超音波吸引方法 - Google Patents

超音波浮揚装置、超音波浮揚方法、超音波吸引装置、および、超音波吸引方法

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JP2003226428A
JP2003226428A JP2002028721A JP2002028721A JP2003226428A JP 2003226428 A JP2003226428 A JP 2003226428A JP 2002028721 A JP2002028721 A JP 2002028721A JP 2002028721 A JP2002028721 A JP 2002028721A JP 2003226428 A JP2003226428 A JP 2003226428A
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俊二 森
Sadayuki Ueha
貞行 上羽
Kentaro Nakamura
中村  健太郎
Takaaki Ishii
孝明 石井
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Fuji Electric Co Ltd
Rikogaku Shinkokai
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Fuji Electric Co Ltd
Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成によって浮揚対象物を安定かつ確
実に浮揚させる共に、その浮揚量を容易に増加させるこ
と、および、簡易な構成によって吸引対象物を大気中に
おいても安定かつ確実に吸引することを目的とする。 【解決手段】 超音波浮揚装置1は、超音波発生ユニッ
ト2と、超音波発生ユニット2により発生された超音波
によって励振される放射部材3とを備えている。放射部
材3は、平坦な放射面3aと、この放射面3aよりも凹
んでいる凹部3bとを有している。これにより、浮揚対
象物の浮揚量を増加させると共に、放射部材3上に浮揚
対象物を安定かつ確実に浮揚させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波浮揚装置、
超音波浮揚方法、超音波吸引装置、および、超音波吸引
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、超音波を利用して物体を浮揚
させる技術として、例えば、特開平8−277033号
公報によって開示されたものが知られている。この公報
には、発振器、振動子、および、ホーンからなる超音波
励振手段によって、所定寸法の振動体を所定の振動モー
ドで振動させ、振動体から発せられる放射圧により物体
を浮上させる物体搬送装置が記載されている。この物体
搬送装置では、更に、振動体から発せられる放射圧が、
搬送路の幅方向における両端側で大きく設定され、これ
により、物体の搬送路からの逸脱を防止している。
【0003】また、従来から、超音波を利用して物体を
吸引する技術として、特開平5−15848号公報によ
って開示されたものが知られている。この公報には、超
音波の音響直進流を発生させた際に、その発生端近傍で
生ずる負圧により小物体を吸引する手法が記載されてい
る。この手法を実施する場合、超音波振動子にホーンが
接続されると共に、ホーンの先端に、平滑面を有するチ
ップが取り付けられる。そして、超音波振動子から所定
周波数の超音波振動がホーンに与えられると、チップの
先端から、平滑面と垂直に音響直進流が発せられる。こ
れにより、チップの平滑面近傍に負圧が発生し、水中等
において、ガラス片等の小物体をチップ先端に吸着させ
ることができる。
【0004】これらの超音波浮揚技術や超音波吸引技術
は、例えば静電気、磁気、更には、気体の負圧等を利用
した技術と比較して、対象物の材質の制約が少ない、ま
た、設備が単純なものでよい、等の理由から幅広い分野
において実用化が期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の超音波浮揚技術は、物体を搬送するために該物体
を浮揚させることを目的とするものである。このため、
従来の超音波浮揚技術における物体の浮揚量は、上限で
0.1mm程度と極めて小さい。この程度の浮揚量で
は、従来の超音波浮揚技術を搬送以外の用途に応用する
のに実用上不十分である。例えば、マニピュレータやハ
ンドリング装置等を用いて物体を把持する際に、予め把
持対象となる物体を浮揚させるために上述の超音波浮揚
技術を適用しても、得られる浮揚量が0.1mm以下で
あると、把持手段の位置決めや、直接対象物と接触する
把持部の形状等における制約が非常に厳しくなってしま
う。また、上述の特開平5−15848号公報に記載さ
れた超音波吸引手法は、水中において吸引作用を発揮し
得ることが確認されているが、大気中で同様の構成を適
用しても実用上求められる吸引作用を得ることはできな
い。
【0006】そこで、本発明は、簡易な構成によって浮
揚対象物を安定かつ確実に浮揚させ得ると共に、その浮
揚量を容易に増加させることができる超音波浮揚装置お
よび超音波浮揚方法、ならびに、簡易な構成によって吸
引対象物を大気中においても安定かつ確実に吸引するこ
とができる超音波吸引装置および超音波吸引方法の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態は、
超音波浮揚装置に係るものである。この超音波浮揚装置
は、超音波発生手段と、この超音波発生手段により発生
された超音波によって励振される放射部材とを備える。
本発明者らは、この種の超音波浮揚装置について、その
浮揚量を増加させるべく、鋭意研究を進めた。その結
果、放射部材上に浮揚対象物を安定かつ確実に浮揚させ
るためには、放射部材に、平坦な放射面を設けると共
に、放射面の例えば略中央部に、この放射面よりも凹ん
でいる凹部を形成することが極めて有効であることを見
出した。このように、放射部材に凹部を設けることによ
り、浮揚対象物の浮揚量を従来に比して大幅に増加させ
ることが可能となり、浮揚状態を安定化させることがで
きる。また、このような構成は、浮揚装置のコストアッ
プ等を実質的に招くことなく、極めて簡易かつ低コスト
で実現することができる。
【0008】この場合、浮揚対象物の放射面と対向する
面が平坦であると好ましい。
【0009】また、凹部の断面積が、放射面の面積のお
よそ7.5%〜25%であると好ましい。
【0010】更に、凹部の断面形状と、放射面の断面形
状とが略相似していると好ましい。
【0011】本発明の他の形態は、超音波発生手段によ
り発生された超音波によって放射部材を励振させ、放射
部材上に浮揚対象物を浮揚させる超音波浮揚方法に係る
ものである。この方法では、放射部材に、平坦な放射面
と、この放射面よりも凹んでいる凹部とを形成してお
く。これにより、浮揚対象物の浮揚量を従来に比して大
幅に増加させることが可能となり、浮揚状態を安定化さ
せることができる。また、このような方法は、浮揚装置
のコストアップ等を実質的に招くことなく、極めて簡易
かつ低コストで実施可能である。
【0012】この場合、浮揚対象物の放射面と対向する
面が平坦であると好ましい。
【0013】また、凹部の断面積を、放射面の面積のお
よそ7.5%〜25%に設定すると好ましい。
【0014】更に、凹部の断面形状を、放射面の断面形
状と略相似するように形成しておくと好ましい。
【0015】本発明の第2の形態は、超音波吸引装置に
係るものである。そして、この超音波吸引装置は、超音
波発生手段と、この超音波発生手段により発生された超
音波によって励振される放射部材とを備える。本発明者
らは、超音波浮揚装置に加えて、更に、この種の超音波
吸引装置の応用範囲を広げるべく、鋭意研究を進めた。
その結果、凸部を有する吸引対象物を放射部材に安定か
つ確実に吸引するためには、放射部材に、平坦な放射面
を設けると共に、放射面の例えば略中央部に、この放射
面よりも凹んでおり、吸引対象物の凸部が入り込み得る
凹部を形成することが極めて有効であることを見出し
た。このように、放射部材に凹部を設けることにより、
大気中であっても、安定かつ確実に吸引対象物を放射部
材に吸引することができる。また、このような構成は、
吸引装置のコストアップ等を実質的に招くことなく、極
めて簡易かつ低コストで実現可能である。
【0016】この場合、放射部材に含まれる凹部の断面
形状と、吸引対象物に含まれる凸部の断面形状とが略相
似していると好ましい。
【0017】また、本発明による超音波吸引装置は、放
射部材の放射面が略鉛直下方に向けられると共に、吸引
対象物の凸部が略鉛直上方に向けられた状態で用いられ
ると好ましい。
【0018】本発明の他の形態は、超音波発生手段によ
り発生された超音波によって放射部材を励振させ、凸部
を有する吸引対象物を放射部材に吸引する超音波吸引方
法に係るものである。この方法では、放射部材に、平坦
な放射面と、この放射面よりも凹んでおり、吸引対象物
の凸部が入り込み得る凹部とを形成しておく。これによ
り、大気中であっても、安定かつ確実に吸引対象物を放
射部材に吸引することができる。また、このような方法
は、吸引装置のコストアップ等を実質的に招くことな
く、極めて簡易かつ低コストで実施可能である。
【0019】この場合、放射部材に含まれる凹部の断面
形状を、吸引対象物に含まれる凸部の断面形状と略相似
するように形成しておくと好ましい。
【0020】また、吸引対象物を放射部材に吸引する際
に、放射部材の放射面を略鉛直下方に向けると共に、吸
引対象物の凸部を略鉛直上方に向けると好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による超
音波浮揚装置、超音波浮揚方法、超音波吸引装置、およ
び、超音波吸引方法の好適な実施形態について詳細に説
明する。
【0022】〔第1実施形態〕図1は、本発明の第1実
施形態に係る超音波浮揚装置を示す概略構成図である。
同図に示される超音波浮揚装置1は、超音波発生ユニッ
ト2と、放射部材3とを備える。超音波発生ユニット2
は、振動子、超音波発振器等を含んでおり、電源4から
給電されると、超音波振動を発生する。放射部材3は、
例えばアルミ等の金属等からなる。放射部材3の基端側
は、超音波発生ユニット2に装着され、その遊端側には
放射面3aが設けられている。放射部材3が超音波発生
ユニット2により発生された超音波によって励振される
と、放射面3aからは、浮揚対象物を浮揚させるための
放射圧が発せられる。図1に示されるように、本実施形
態では、放射部材3は、直径d1の円柱状に形成されて
おり、放射面3aは、平滑に形成されている。
【0023】ここで、本発明者らは、この種の超音波浮
揚装置について、その浮揚量を増加させるべく、鋭意研
究を進めた。その結果、放射部材3の放射面3aの例え
ば略中央部に、その放射面3aよりも凹んでいる凹部3
bを形成することが、浮揚対象物の浮揚量を増加させる
上で極めて有効であることを見出した。図2および図3
に、このような凹部3bの有効性の根拠となる実験結果
を示す。
【0024】図2は、超音波を発生させるために超音波
発生ユニット2に異なる値の電流を加えた場合における
凹部3bの直径と浮揚量との関係を示す図表である。こ
の場合、浮揚対象物として、直径22mm、板厚0.2
5mm、質量およそ0.27gの円盤状アルミ板を用い
た。また、放射部材3(放射面3a)の直径d1も浮揚
対象物のものと同様に22mmとした。凹部3bの断面
形状は円形とされ、その直径d2を6mm〜15mmの
範囲において1mm刻みで変化させ、その深さを2mm
とした。更に、電流の値は、0.2A〜1.0Aの範囲
において0.2A刻みで変化させた。このような範囲で
電流値を設定することにより、超音波発生ユニット2に
よって発生される超音波の振幅が、0.01〜0.05
mmの範囲で比例的に変化する。図2において、プロッ
トP1,P2,P3,P4およびP5は、それぞれ、電
流値0.2A,0.4A,0.6A,0.8Aおよび
1.0Aの場合のデータである。
【0025】一方、図3は、放射面に凹部が存在しない
場合における浮揚量と超音波を発生させるために超音波
発生ユニット2に加えた電流の値との関係を示す図表で
ある。この場合も、浮揚対象物として、直径22mm、
板厚0.25mm、質量およそ0.27gの円盤状アル
ミ板を用いた。また、放射部材3(放射面3a)の直径
d1も浮揚対象物のものと同様に22mmとした。
【0026】図3に示される結果からわかるように、放
射部材3に凹部が存在しない場合(放射面3aが完全に
平坦である場合)、超音波発生ユニット2に対して、お
よそ0.2A〜0.3Aの電流を加えた場合にのみしか
浮揚対象物は浮揚せず、しかも、浮揚対象物の浮揚量
は、0.04mm〜0,06mm程度と極めて小さい。
これに対して、放射部材3に凹部3bが存在すれば、図
2に示されるように、電流値(超音波の振幅)と凹部の
サイズとを適切に組み合わせることにより、浮揚対象物
の浮揚量を1mm程度と従来に比して大幅に増加させる
ことができる。なお、図2に関連する実験では、凹部3
bの直径がおよそ10mm〜12mmの範囲にある場
合、浮揚対象物の浮揚状態が不安定になったが、この範
囲内に浮揚量のピークが存在する可能性もある。また、
凹部3bの直径がおよそ12mmを超えた場合、浮揚対
象物は浮揚したものの、その浮揚量は従来の場合とさほ
ど変化がなかった。
【0027】何れにしても、上述のとおり、超音波浮揚
装置1を構成する放射部材3に凹部3bを設けることに
より、浮揚対象物の浮揚量を従来に比して大幅に増加さ
せることが可能となり、浮揚状態を安定化させることが
できる。また、このような構成は、浮揚装置のコストア
ップ等を実質的に招くことなく、極めて簡易かつ低コス
トで実現することができる。
【0028】また、図2に示される結果から、直径22
mmの円盤状の浮揚対象物に対して、直径およそ6mm
〜10mm程度の凹部を設けると、浮揚対象物の浮揚量
が増加することがわかる。このような結果から、凹部の
直径と、放射面の直径との関係を両者の面積の関係に換
算すれば、凹部の断面積を、放射面の面積のおよそ7.
5%〜25%とすれば、実用上良好な結果を得られるこ
とがわかる。
【0029】更に、浮揚対象物の浮揚を安定化させると
共に浮揚量を増加させるためには、信学技報US96−
74(1996年12月発行)「近距離音波の浮揚力に
関する理論的研究」等において報告されているように、
浮揚対象物の面のうち、放射部材3の放射面3aと対向
する面が平坦(平滑)であると好ましい。更に、本実施
形態のように、凹部3bの断面形状と、放射面3a(放
射部材3)の断面形状とが略相似していると好ましい。
これは、放射面3aからの放射圧によって浮揚に適した
空気層の流れが形成されると考えられるからである。
【0030】なお、本発明者らは、更に、放射部材3の
凹部3bの深さと、浮揚対象物の浮揚量との関係につい
ても更に考察した。図4に、その考察結果が示される。
図4に関連する実験では、上述の円柱状の放射部材3
(直径22mm)に、直径7mmの断面円形の凹部3b
を設けると共に、当該凹部3bの深さを1.5mm、2
mmおよび4mmと変化させた。そして、超音波発生ユ
ニット2に対して、0.2A刻みで0.2A〜2.0A
の範囲にわたって電流を加えながら、浮揚対象物(図2
の場合と同様のもの)の浮揚量を計測した。なお、図4
において、プロットp1,p2およびp3は、それぞ
れ、凹部3bの直径が、1.5mm,2mmおよび4m
mの場合のデータである。また、直径4mmの場合につ
いては、電流値の範囲を0.2A〜1.0Aとした。
【0031】図4に示される結果から、浮揚対象物の浮
揚量は、凹部の深さには、実質的に依存していないこと
がわかる。この点から、放射部材3には、ごく浅い凹部
3bを形成しておけば、浮揚対象物の浮揚量が効果的に
増加するということがわかる。従って、放射部材3に凹
部3bを設けることによる浮揚装置のコストアップは、
最小限に抑えることができる。
【0032】〔第2実施形態〕図5は、本発明の第2実
施形態に係る超音波吸引装置を示す概略構成図である。
同図に示される超音波吸引装置11は、例えば図6に示
されるような、凸部15aを有する吸引対象物15を非
接触で吸引保持するためのものである。超音波吸引装置
11も、上述の超音波浮揚装置1と同様に、超音波発生
ユニット12と、放射部材13とを備える。超音波発生
ユニット12は、振動子、超音波発振器等を含んでお
り、電源14から給電されると、超音波振動を発生す
る。
【0033】放射部材13は、例えばアルミ等の金属等
からなる。また、放射部材13の基端側は、超音波発生
ユニット12に装着され、その遊端側には放射面13a
が設けられている。放射部材13が超音波発生ユニット
12によって励振されると、放射面13a付近には、吸
引対象物を吸引するための負圧が形成される。図5に示
されるように、本実施形態においても、放射部材13
は、直径d1’の円柱状に形成されており、放射面13
aは、平滑に形成されている。
【0034】ここで、本発明者らは、この種の超音波吸
引装置についても、その応用範囲を広げるべく、鋭意研
究を進めた。その結果、図6に示されるような凸部15
aを有する吸引対象物15を放射部材13に吸引するた
めには、放射部材13の平坦な放射面13aの例えば略
中央部に、放射面13aよりも凹んでおり、吸引対象物
15の凸部15aが入り込み得る凹部13bを形成する
ことが極めて有効であることを見出した。
【0035】すなわち、上述の超音波吸引装置11によ
り、次のような条件下で吸引対象物15を実用上良好な
状態で吸引することが可能であった。この場合、浮揚対
象物として、直径22mm、板厚0.25mm、質量お
よそ0.27gの凸部15aを有する円盤状アルミ板を
用いた。凸部15aは、直径3.5mm、高さ1mmの
円柱状に形成した。また、放射部材13(放射面13
a)の直径d1’も浮揚対象物15のものと同様に22
mmとした。凹部13bの断面形状は円形とされ、その
直径d2’を10mm,11mmおよび12mmとし、
その深さを2mmとした。
【0036】上述の条件のもと、図5に示されるよう
に、大気中において、放射部材13の放射面13aを略
鉛直下方に向けると共に、吸引対象物15の凸部15b
を略鉛直上方に向けた状態で、超音波発生ユニット12
に0.8Aの電流を加え、振幅0.04mmの超音波を
発生させた。この場合、凹部13bの直径が10mm,
11mmおよび12mmの何れの場合においても、吸引
対象物15は、安定した状態で放射部材13に対して非
接触でほぼ静止した。
【0037】このように、超音波吸引装置11の放射部
材13に凹部13bを設ければ、大気中であっても、安
定かつ確実に吸引対象物15を放射部材13に吸引する
ことが可能となり、吸引状態を安定化させることができ
る。また、このような構成は、吸引装置のコストアップ
等を実質的に招くことなく、極めて簡易かつ低コストで
実現可能である。
【0038】更に、上述の超音波浮揚装置1の場合と同
様に、放射面13a周辺の空気層の流れを適正にする上
で、放射部材13に含まれる凹部13bの断面形状と、
吸引対象物15に含まれる凸部15aの断面形状とが略
相似していると好ましい。なお、超音波吸引装置11
は、図5に示されるように、放射部材13の放射面13
aが略鉛直下方に向けられると共に、吸引対象物15の
凸部15aが略鉛直上方に向けられた状態で用いられる
と好ましいが、これに限られるものではない。すなわ
ち、超音波吸引装置11は、放射部材13の放射面13
aが略鉛直上方に向く状態等、任意の状態で使用され得
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の第1の
形態では、超音波を利用して浮揚対象物を浮揚させるに
あたり、超音波発生手段により発生された超音波によっ
て励振される放射部材に、平坦な放射面と、この放射面
よりも凹んでいる凹部とを設けている。これにより、簡
易な構成によって浮揚対象物を安定かつ確実に浮揚させ
ると共に、その浮揚量を容易に増加させることが可能と
なる。
【0040】また、本発明の第2の形態では、超音波を
利用して吸引対象物を吸引するにあたり、超音波発生手
段により発生された超音波によって励振される放射部材
に、平坦な放射面と、この放射面よりも凹んでおり、吸
引対象物の凸部が入り込み得る凹部とを設けている。こ
れにより、簡易な構成によって吸引対象物を大気中にお
いても安定かつ確実に吸引することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波浮揚装置を示す概略構成図
である。
【図2】超音波発生ユニットに異なる値の電流を加えた
場合における凹部の直径と浮揚量との関係を示す図表で
ある。
【図3】放射面に凹部が存在しない場合における浮揚量
と超音波発生ユニットに加えた電流の値との関係を示す
図表である。
【図4】凹部の深さを変化させた場合における浮揚量と
超音波発生ユニットに加えた電流の値との関係を示す図
表である。
【図5】本発明による超音波吸引装置を示す概略構成図
である。
【図6】図5の超音波吸引装置によって吸引され得る吸
引対象物の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 超音波浮揚装置 2,12 超音波発生ユニット 3,13 放射部材 3a,13a 放射面 3b,13b 凹部 11 超音波吸引装置 15 吸引対象物 15a 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上羽 貞行 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学内 (72)発明者 中村 健太郎 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学内 (72)発明者 石井 孝明 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学内 Fターム(参考) 3C007 AS01 DS01 FS00 FT10 NS05 3F021 CA01 3F037 CA11 CB02 5D107 AA02 AA12 BB20 FF01 FF09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波発生手段と、この超音波発生手段
    により発生された超音波によって励振される放射部材と
    を備え、前記放射部材上に浮揚対象物を浮揚させること
    ができる超音波浮揚装置であって、 前記放射部材が、平坦な放射面と、この放射面よりも凹
    んでいる凹部とを有していることを特徴とする超音波浮
    揚装置。
  2. 【請求項2】 前記浮揚対象物の前記放射面と対向する
    面が平坦であることを特徴とする請求項1に記載の超音
    波浮揚装置。
  3. 【請求項3】 前記凹部の断面積が、前記放射面の面積
    のおよそ7.5%〜25%であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の超音波浮揚装置。
  4. 【請求項4】 前記凹部の断面形状と、前記放射面の断
    面形状とが略相似していることを特徴とする請求項1〜
    3の何れか一項に記載の超音波浮揚装置。
  5. 【請求項5】 超音波発生手段により発生された超音波
    によって放射部材を励振させ、前記放射部材上に浮揚対
    象物を浮揚させる超音波浮揚方法であって、前記放射部
    材に、平坦な放射面と、この放射面よりも凹んでいる凹
    部とを形成しておくことを特徴とする超音波浮揚方法。
  6. 【請求項6】 前記浮揚対象物の前記放射面と対向する
    面が平坦であることを特徴とする請求項5に記載の超音
    波浮揚方法。
  7. 【請求項7】 前記凹部の断面積を、前記放射面の面積
    のおよそ7.5%〜25%に設定することを特徴とする
    請求項5または6に記載の超音波浮揚方法。
  8. 【請求項8】 前記凹部の断面形状を、前記放射面の断
    面形状と略相似するように形成しておくことを特徴とす
    る請求項5〜7の何れか一項に記載の超音波浮揚方法。
  9. 【請求項9】 超音波発生手段と、この超音波発生手段
    により発生された超音波によって励振される放射部材と
    を備え、凸部を有する吸引対象物を前記放射部材に吸引
    することができる超音波吸引装置であって、 前記放射部材が、平坦な放射面と、この放射面よりも凹
    んでおり、前記吸引対象物の前記凸部が入り込み得る凹
    部とを有していることを特徴とする超音波吸引装置。
  10. 【請求項10】 前記放射部材に含まれる前記凹部の断
    面形状と、前記吸引対象物に含まれる前記凸部の断面形
    状とが略相似していることを特徴とする請求項9に記載
    の超音波吸引装置。
  11. 【請求項11】 前記放射部材の前記放射面が略鉛直下
    方に向けられると共に、前記吸引対象物の前記凸部が略
    鉛直上方に向けられた状態で用いられることを特徴とす
    る請求項9または10に記載の超音波吸引装置。
  12. 【請求項12】 超音波発生手段により発生された超音
    波によって放射部材を励振させ、凸部を有する吸引対象
    物を前記放射部材に吸引する超音波吸引方法であって、 前記放射部材に、平坦な放射面と、この放射面よりも凹
    んでおり、前記吸引対象物の前記凸部が入り込み得る凹
    部とを形成しておくことを特徴とする超音波吸引方法。
  13. 【請求項13】 前記放射部材に含まれる前記凹部の断
    面形状を、前記吸引対象物に含まれる前記凸部の断面形
    状と略相似するように形成しておくことを特徴とする請
    求項12に記載の超音波吸引方法。
  14. 【請求項14】 前記吸引対象物を前記放射部材に吸引
    する際に、前記放射部材の前記放射面を略鉛直下方に向
    けると共に、前記吸引対象物の前記凸部を略鉛直上方に
    向けることを特徴とする請求項12または13に記載の
    超音波吸引方法。
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