JP2934379B2 - 物体浮揚装置を具備した物体搬送装置 - Google Patents

物体浮揚装置を具備した物体搬送装置

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JP2934379B2 JP6209794A JP6209794A JP2934379B2 JP 2934379 B2 JP2934379 B2 JP 2934379B2 JP 6209794 A JP6209794 A JP 6209794A JP 6209794 A JP6209794 A JP 6209794A JP 2934379 B2 JP2934379 B2 JP 2934379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物体を空中に浮揚させる
物体浮揚装置を具備した物体搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、下記の各方
式のものが知られている。
【0003】(1)コイルを流れる交流磁界を用いて物
体を磁気的に浮揚、搬送させる方式。 (2)超電導マイスナー効果を利用して浮揚、搬送させ
る方式。 (3)圧搾空気等の加圧気体を用いて浮揚、搬送させる
方式。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら各装置のうち
(1)及び(2)に記載したものにおいては、浮揚、搬
送の対象とする物体が強磁性体や半導体に限られると共
に、磁気を受ける条件下に置くことが好ましくない物体
に関しては適用できないという欠点がある。また、超電
導マイスナー効果を利用する装置についてはコイルを極
低温まで冷却するために高価な冷却液が必要であり且つ
その消耗の問題などからもコストの増大を招来すると共
に、冷却液の安全性についても配慮しなければならず、
しかも、長時間安定した状態で浮揚させ、搬送するため
には装置の規模を極めて大きくしなければならないとい
う問題がある。
【0005】一方、上記(3)に記載した方式の装置に
おいては、物体の搬送路全面に加圧気体を供給する必要
があり、このために大掛かりな加圧気体供給手段が設け
られ、装置全体としての小型化を図ることが困難である
と共に、供給気体の圧力を広範囲にわたって均一化する
ための制御が容易ではないという問題を擁している。ま
た、該装置においては、いわゆるクリーンルームなど、
雰囲気を清浄に保つべき条件下にて使用される場合、上
記加圧気体供給手段より噴出せられる気体の拡散を防ぐ
ためにこれを吸引回収する手段も必要となり、装置の小
型化を図る上で更なる障害となっていると同時に、気体
の回収を完全に行うことは難しいという問題もある。
【0006】ところで、最近、図26に示す如き装置が
開発されている。なおこの装置は、1983年10月3
日に発行された『日本音響学会講演論文集』の第745
頁及び第746頁において開示されている。
【0007】すなわち、図26において、励振手段10
1により励振される段つき円形振動板102と、これに
対応して配置された反射板103との間に定在波(図示
せず)を生じさせ、発泡スチロールからなる球104
(重さ1.2mg、直径4mm)を複数、音場により浮
揚させている。なお、図26において、重力方向を矢印
gにて示している。この場合、各球104は空中超音波
の波長の1/2間隔で静止し、その位置は音圧の谷であ
ることが判明したとされている。また、浮揚可能な球の
大きさは1/2波長以下がよく、その重さは音圧に関係
するとされている。
【0008】しかしながら、このように定在波を用い、
その節の位置に物体を静止させる構成の装置において
は、現在、供試体としての球104は極めて軽量なもの
に限られ、重量の大きな物体を浮揚させるには振動板1
02の振動振幅を極めて大きくしなければならない。従
って、振動板102やホーン101a(図26参照)の
応力的な破壊に鑑みれば、重量物を長時間安定して浮揚
させることは困難であり、実用化には遠いものと考えら
れる。また、かかる構成において、音波を集束させて強
力音波にする方法を採用し、比較的重い物体でも浮揚を
可能にすることも考えられるが、これでは振動板102
の直径に比べ小さな面積に音波が作用することとなり、
結果として小径の物体しか扱うことができない。
【0009】そこで本発明は、上記従来技術の欠点に鑑
みてなされたものであって、扱う物体の材質等の制約が
ないと同時に比較的大きな重量及び寸法の物体を取り扱
え、且つ、小型にしてコストが安く、しかも安全性等の
面からも好適であり、制御も容易な物体搬送装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の物体搬送装置
は、超音波振動を伝達する振動伝達部材を含み、物体を
走行させる方向に並設された複数の超音波振動発生部
と、前記振動伝達部材の先端に設けられて前記振動伝達
部材からの振動により音波を放射する平板状の振動体
と、前記超音波振動発生部を含み、前記振動体を励振す
る超音波励振手段とを備え、前記超音波振動発生部を選
択的に作動して超音波エネルギーを発生させ、前記振動
体が放射する音波の放射圧により前記振動体の表面上に
物体を浮揚させるとともに、非作動側の前記超音波振動
発生部において前記超音波エネルギーを電気エネルギー
に変換して前記音波を進行波とすることにより前記浮揚
させた物体の往復走行が可能であるものである。また、
本発明の物体搬送装置が備える前記超音波励振手段は前
記振動体を励振して縞状振動モードで振動させるもので
ある。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0012】図1乃至図3は、本発明の第1実施例とし
ての物体搬送装置を示すものである。
【0013】図示のように、当該物体搬送装置は、矩形
板状に形成された振動体1を有している。この振動体1
は例えばその中心部にて振動伝達部材としてのホーン2
の先端に螺子3(図2に図示)により締結されている。
ただし、振動体1の形状に関しては、平板状に限らず、
その用途等に応じて適宣可変である。また、振動伝達部
材としてのホーン2に対する振動体1の取付けについて
も、ロウ付けや溶接など、他の種々の手段を用いてよ
く、取付位置も可変である。なお、図1において、振動
伝達部材としてのホーン2による超音波振動の振動方向
を矢印Uにて示す。このように、振動伝達部材としての
ホーン2は縦振動を行う。振動体1の長さL(図2参
照)及び幅Bは、振動伝達部材としてのホーン2から伝
達される振動に基づく撓み振動の共振長に定められ、図
1に示す撓み曲線Aのような撓み振動をする。
【0014】因に、本実施例の振動体1は、その長さL
が434mm、幅Bが154mm、厚みt(図1に図
示)が3mmとなされ、素材としてジュラルミンが用い
られている。また、振動伝達部材としてのホーン2につ
いては、約19.4kHzで励振され、先端には振幅が
32μmp−p程度の振動がのせられる。これらの設定
により、振動体1の振動の節はその長さ方向において約
54.25mm、幅方向においては約19.25mmの
間隔で現れ、格子状の振動モードにて振動する。なお、
振動体1の各寸法、共振周波数及びその振幅並びに振動
モードの形態については、適宣設定することができ、例
えば長さLに関しては1000mm以上とすることが可
能である。
【0015】図1に示すように、振動伝達部材としての
ホーン2は、振動体1に対する結合部とは反対側におい
て振動子4と結合されている。この振動子4の電極4a
と発振器5とが接続されており、振動子4は該発振器5
によって励振されて超音波振動を発生する。振動伝達部
材としてのホーン2は、この振動子4が発する振動を機
械的に増幅して伝達するものである。なお、振動伝達部
材としてのホーン2にはフランジ部2bが形成されてお
り、振動子4及び該ホーン2を内蔵するケース6に対し
て該フランジ部2bがパッキン2cを介して締結されて
いる。
【0016】上述した振動伝達部材としてのホーン2
と、振動子4と、発振器5と、これらに関連する周辺の
部材を、超音波励振手段と総称する。
【0017】図2及び図3に示すように、搬送されるべ
き物体7の搬送路両側に沿って板状の音波反射部材8が
配置されており、且つ、ケース6に取り付けられてい
る。
【0018】次に、以上のような構成よりなる物体搬送
装置の作用について説明する。
【0019】まず、当該物体搬送装置が含む物体浮揚装
置としての作用について説明する。
【0020】まず、装置の作動に際し、図1に示すよう
に、振動体1が仮想水平面10に対して平行となるよう
に装置の姿勢が調整される。この状態で給電がなされ、
発振器5により振動子4が励振され、ホーン2が縦振動
して該ホーンを通じて振動体1が励振されて撓み振動を
行う。振動体1が撓み振動を行うことにより、該振動体
1より音波(図示せず)が放射される。
【0021】上記のように振動体1が振動を開始した
後、物体7を振動体1上に持ち来し、静かに手を離す。
但し、物体7は、振動体1の振動開始以前に予め振動体
1上に載置しておいてもよい。
【0022】図4は図1における部分Eを拡大したもの
であるが、該図から明らかなように、振動体1より発せ
られる音波の放射圧によって、物体7は該振動体1の表
面から距離e1 を隔てた状態で浮揚する。ここで、この
浮揚距離e1 は、未だ音波を発することなく静止した状
態の振動体1の表面を0(ゼロ)とし、これを基準とし
た距離である。また、振動体1の面積が小さければ、振
動体1は撓み振動をせずにホーン2より付与される縦振
動そのものの振動モードで振動するが、この場合も物体
7は同様に浮揚する。なお、超音波励振手段への給電を
断てば振動体1よりの音波は直ちに停止し、物体7は振
動体1に接触する。
【0023】図1乃至図4に示した物体7は、単に平板
状で比較的軽量のもの、例えば名刺や、合成樹脂製ある
いは金属製の薄板等を想定している。これらの物体は、
本実施例で示した装置を試作し、供試体として浮揚させ
てみたものであるが、この他、図5に示すような形態の
物体7についても実験を行った。すなわち、平板状のキ
ャリア7aと、該キャリア7a上に担持された重量物7
bとからなるものである。図5において、この場合のキ
ャリア7aと振動体1との距離をe2 にて示している。
なお、このようなキャリア7aを必要とする重量物7b
としては、球形に近いものあるいは凹凸を有するものな
ど自体のみにては浮揚し得ない物体や、容器に収容した
状態の粉体又は液体等が挙げられる。但し、自体の底面
が平坦であればキャリア7aを外して該重量物7bのみ
にても浮揚する故、そのような重量物7bについては自
体のみの浮揚実験をも行った他、種々の物体についても
実験を行った。
【0024】上記の実験の結果、浮揚に供する供試体の
材質には何等制約されることがなく、どのような物体で
も浮揚することが判明した。また、軽量なものから重い
ものに亘り幅広く実験を行ったが、軽量物については勿
論浮揚し、重量物に関しては実験中最大のもので直径が
約140mm、重量が約3.26Kgの金属製の物体が
浮揚し、これから、振動体1よりの音波の放射圧によっ
て物体が受ける最大浮力を計算すると21.4g/cm
2 となった。よって、振動体1の表面積よりこの数値を
換算すると、仮に振動体1の全面に亘って延在するよう
な物体であれば、その物体の重量が14.3Kgでも浮
揚可能となる。ただし、比較的軽量の物体を浮揚させる
際は装置に加える振動系への入力電力は130Wで済ん
だが、上記のように重い物体を浮揚させる場合には16
0Wを要した。
【0025】また、前述したように、浮揚実験にはさま
ざまな材質の物体が供されたが、振動体1の表面と対向
する底面の平面精度が高いものほど、重量が大きくとも
浮揚することが判明した。ただし、振動体1の表面の平
面精度が高いこと、また、装置全体の安定性が重要であ
ることも確認された。
【0026】上記から明らかなように、本発明に係る装
置においては、磁性体であるや否やなど、扱う物体の材
質等の制約を受けることがなく、また、磁界中におくこ
とができないもの等、あらゆる物体を浮揚させ、後述の
ように搬送することができる。また、扱う物体の重量及
び寸法が比較的大きくとも、浮揚させ、搬送することが
できるものである。
【0027】続いて、上述した物体浮揚装置を含む物体
搬送装置の作用について説明する。この物体搬送装置
は、前述した物体浮揚装置の構成に、浮揚した状態の物
体7を走行させる走行手段を付加させたものである。
【0028】この走行のための手段の一例として、図6
に示すような構成を採用している。すなわち、振動体1
の表面が仮想水平面10に対して角度θ1 だけ傾斜する
ようになされる。この傾斜θ1 により、物体7に重力に
基づく加速度が生じ、走行する訳である。但し、角度θ
1 については実験では1〜5°に設定された。かかる構
成の場合、物体7を走行させるための駆動源を特に必要
とせず、単に装置を傾けるだけでよいため、装置全体と
しての小型化及びコストの低減が図り易くなっている。
なお、前述したように、超音波励振手段への給電を断て
ば物体7は瞬時に振動体1に接触し、摩擦抵抗により停
止する。
【0029】ところで、上記のようにして物体7が搬送
される際、下記の作用によって搬送路からの逸脱が防止
される。
【0030】すなわち、図2及び図3に示すように、該
搬送路の両側に沿って音波反射部材8が配設されてい
る。図3から明らかなように、これらの音波反射部材8
は振動体1とは非接触の状態であり、図において矢印に
て示すように振動体1の下面より放射される音波を反射
しつつ上記搬送路の側方へと導く。搬送路の側方にはこ
のように導かれた音波が存在することとなるため、これ
が壁となり、物体7が搬送路から逸脱しようとするとこ
れを押し戻す作用をなす。よって物体7が搬送路から逸
脱することがない。また、かかる構成によれば、物体7
は音波反射部材8と接触することがない。但し、このよ
うな音波反射部材8を設けずとも、振動体1の縁からは
み出そうとした物体7が、該振動体1自体が放射する音
波の作用によって内側に引き戻される作用があることが
確認されている。
【0031】次に、上述のように重力を利用して物体7
を走行させる形式とは異なる走行手段を夫々備えた他の
物体搬送装置について説明する。なお、これら各物体搬
送装置は、以下に説明する部分以外は図1乃至図3並び
に図6に示した物体搬送装置と同様に構成されているの
で、装置全体としての説明は重複する故に省略し、要部
のみの説明に留める。また、以下の説明において。図1
乃至図3並びに図6に示した物体搬送装置の構成部材と
同一の構成部材については同じ参照符号を用いて示して
いる。
【0032】図7に、本発明の第2実施例としての物体
搬送装置の要部を示す。
【0033】図示のように、当該物体搬送装置において
は、振動体1が、仮想水平面10に対して平行となされ
ている。そして、物体7を走行させる走行手段が、該物
体7が走行すべき方向に沿って互いに所定間隔を隔てて
並設された複数のノズル15を有している。これらのノ
ズル15は例えば振動体1の上方に配設され、斜め後方
より物体7に向けて圧搾空気を噴出する。物体7はこの
噴出する圧搾空気によって加速され、搬送される。これ
らのノズル15と、該ノズル15に圧搾空気を供給する
コンプレッサ(図示せず)等とによって、上記走行手段
として作用する気体噴射手段が構成されている。なお、
加圧して噴射される気体は、空気に限らず、用途に応じ
て、また、雰囲気等の環境に及ぼす影響が許容されるな
らば、種々のものが使用可能である。
【0034】図8は、本発明の第3実施例としての物体
搬送装置の要部を示すものである。上記図7の物体搬送
装置においては気体の噴射によって物体7を走行させて
いるが、当該装置においては物体7に対して超音波を放
射し、これを推進力として走行させる。
【0035】すなわち、図示のように、振動体1の上方
に、物体7が走行すべき方向に沿って複数の超音波放射
器20が等間隔にて並べて設けられている。そしてこれ
らの超音波放射器20は、各々が具備した振動板20a
より放射する超音波21が斜め前下方に指向するように
傾斜した状態に設置されている。
【0036】かかる構成においては、物体7は各超音波
放射器20より発せられる音波の放射圧により加速さ
れ、搬送される。
【0037】図9に、本発明の第4実施例としての物体
搬送装置の要部を示す。図8に示した物体搬送装置にお
いては物体7の推進のために超音波放射器20を設けて
いるが、本実施例においては振動体1自体が発する音波
を物体推進用として活用している。
【0038】図示のように、本装置においては、振動体
1の上方に、物体7が走行すべき方向に沿って複数の平
板状の反射部材25が並べて設けられている。各反射部
材25は振動体1の表面に対してθ2 の角度をなすよう
に、且つ前方が高くなるように傾けて設置されている。
よって、振動体1より上方に向けて放射された音波26
aはこれら反射部材25にて反射し、斜め前下方向に向
って進む。物体7はこの反射波26bにより加速され、
搬送される。
【0039】なお、本装置においては複数の反射部材2
5を個別に設けたが、この他、複数の傾斜部を波状に形
成した長尺の反射部材(図示せず)を1つのみ設ける構
成としてもよい。
【0040】また、図7乃至図9に夫々示した物体搬送
装置においては、ノズル15、超音波放射器20及び反
射部材25を物体搬送路に沿って各々複数並べて設けて
いるが、これらを単一として、搬送すべき物体7を追う
ように移動させる構成とすることも可能である。
【0041】図10は、本発明の第5実施例としての物
体搬送装置を示すものである。当該物体搬送装置におい
ては、物体7を走行させる走行手段が下記のように構成
されている。
【0042】図示のように、振動体1を励振する超音波
励振手段30が該振動体1の右端側に設置され、左端側
に、該超音波励振手段30とほぼ同様の構成を有するエ
ネルギー変換手段31が配置されている。このエネルギ
ー変換手段31は、超音波励振手段30により励振され
た振動体1が発する超音波のエネルギーを再び電気エネ
ルギーに戻すべく変換するものである。具体的には、該
エネルギー変換手段31が具備する振動子4の電極4a
に、抵抗R及びコイルLからなる回路が接続されてお
り、機械的エネルギーとしての超音波エネルギーより変
換された電気エネルギーはこの回路を経ることにより更
にジュール熱に変換され、放散される。
【0043】かかる構成においては、超音波励振手段と
同時にこのエネルギー変換手段31を作用させれば、矢
印Sにて示すように、振動体1に生ずる撓み振動の波が
進行波となる。物体7は、この進行波に載る状態にて走
行する。
【0044】図11に、本発明の第6実施例としての物
体搬送装置の要部を示す。
【0045】図示のように、当該物体搬送装置において
は、物体7の走行のための手段として、物体1の走行方
向側に重り32を搭載させることが行われる。このよう
に重りを載せると、物体7は該物体の走行方向側とその
反対方向側とで重量配分が異なり浮揚した状態にて傾斜
する。すると、振動体1より上方に向けて放射された音
波(図示せず)は物体7の下面にて反射し、その反射波
(図示せず)が斜め後下方向に向かって進む。物体7は
この反射波による推進力によって加速され、走行する。
なお、このような重り32を用いず、物体7自体につい
て走行方向側とその反対方向側との厚さを変えるなどし
て重量配分を異ならしめて傾斜させてもよい。
【0046】図12は、本発明の第7実施例としての物
体搬送装置の要部を示すものである。
【0047】図示するように、この物体搬送装置におい
ては、物体7を走行させるための手段として、物体7の
後部下面に凹凸7dが形成されている。図13から明ら
かなように、この凹凸7dは例えば、該物体7が走行す
べき方向において鉛直面7e及び傾斜面7fとを交互に
且つ連続的に形成することによりなる。そして、該傾斜
面7fは、振動体1の表面に対してθ3 の角度をなすよ
うに、且つ前方が低くなるように形成されている。よっ
て、振動体1より上方に向けて放射された音波26aは
これら傾斜面7fにて反射し、斜め後下方向に向って進
む。物体7はこの反射波26bによる推進力によって加
速され、走行する。
【0048】ところで、図2及び図3に示すように、前
述した各物体搬送装置においては、物体7の搬送路から
の逸脱を防止するために、搬送路に沿って音波反射部材
8を設け、振動体1の下面側より発せられて該音波反射
部材8に沿って反射された音波を壁として作用させてい
る。かかる構成により、ある程度の質量までの物体に対
処し得るのであるが、物体7の質量がかなり大きくなる
と搬送路外に逸脱しようとする時の慣性も大きく、音波
の壁のみにてはこれを規制することは困難である。そこ
で図14に示す構成を付加することが行われる。
【0049】図14に示すように、重量が大きい物体7
(例えば重量物7bのみからなる)の搬送路の両側に、
平板状の逸脱防止部材35を配設している。よって、物
体7は搬送路から逸脱しようとするとこの逸脱防止部材
35の内側面に極く軽く接触し、逸脱が回避される。
【0050】前述した各実施例においては、1台の物体
搬送装置について示したが、図15に示すように、2台
またはそれ以上の物体搬送装置を、その各々の搬送路が
連続するように直列に並べて設置することができる。こ
のように、搬送路の長さを自在に設定することができ、
自由度が大きく、汎用性に優れている。
【0051】続いて、本発明の第8実施例としての物体
搬送装置について図16乃至図19に基づいて説明す
る。
【0052】図16及び17に示すように、当該物体搬
送装置においては、振動伝達部材としてのホーン2、振
動子4及びケース6を夫々含む超音波振動発生部38が
2つ設けられている。該各超音波振動発生部38は夫
々、後述する発振器5と共に超音波励振手段を構成す
る。
【0053】図示のように、当該物体搬送装置において
は、物体7をその表面上にて浮揚させるための矩形板状
の主振動体41と、該主振動体41と励振用の振動伝達
部材としてのホーン2との間に介在する副振動体42と
からなる振動体を備えている。主振動体41は、ジュラ
ルミン製であり、例えば、その長さLが695mm、幅
Bが220mm、厚みtが3mmとなされている。ま
た、副振動体42としては、有限要素法解析で先端面を
均一な振動分布になるように設計されたプレート状のホ
ーンが用いられ、上記振動伝達部材としてのホーン2の
先端に下端部にて締結されると共に、上記主振動体41
の片側に対して、多数のねじ44(図17に図示)を用
いて締結してある。なお、副振動体42に対する主振動
体41の結合は、このようにねじによる他、接着、ロウ
付け及び溶接等によってもよい。また、振動伝達部材と
してのホーン2に対する副振動体42の結合手段に関し
ても同様である。
【0054】かかる構成の物体搬送装置においては、
動伝達部材としてのホーン2を通じて伝達される縦振動
に基づき、主振動体41が縞状の振動モードにて振動す
る。その振動モードをクラードニの砂図により測定した
ところ、図18に示すような結果が得られた。この構成
によっても、物体7は主振動体41の表面上において浮
揚する。この縞状振動モードの場合、後述する物体7の
往復走行が円滑に行われる。また、主振動体41が平板
状である故、有効な縞状振動モードが生ずる。
【0055】上記した両超音波振動発生部38が夫々有
する振動子4に対して1つの発振器が設けられ、これら
は図19に示すように接続されている。
【0056】図19において、上記両振動子4は並列に
設けられ、共に陰極が接地されている。また、発振器5
についても陰極が接地されている。発振器5の陽極はリ
レー46のスイッチ46aに接続されている。このリレ
ー46の一方の端子46bは他のリレー47の一方の端
子47bと共に片方の振動子4の陽極に接続されてい
る。また、リレー46の他方の端子46cは該リレー4
7の他方の端子47cと共に他方の振動子4の陽極に接
続されている。このリレー47のスイッチ47aには並
列に設けられたコイルL及び抵抗Rの各一端が接続さ
れ、該コイルL及び抵抗Rの他端は接地されている。そ
して、図示のように、両リレー46、47のスイッチ4
6a、47aは互いに連動するようになされている。
【0057】かかる構成においては、以下のように作動
する。
【0058】例えば、図19に示した両リレー46、4
7のスイッチ46a、47aが、同図に示すように、該
両リレーの端子46c、47bに夫々接触している場
合、一方の振動子4が作動して発する振動によって上記
主振動体41が縞状振動モードにて振動を行い、同時に
この振動は他方の非作動側である振動子4に伝わって該
振動子4によって機械的エネルギーとしての超音波エネ
ルギーから電気エネルギーに変換される。この電気エネ
ルギーはコイルL及び抵抗Rからなる回路を経ることに
より更にジュール熱に変換され放射される。これによ
り、主振動体41に生ずる振動の波が進行波となり、物
体7はこの進行波に載る状態で矢印G(図16、図17
参照)にて示すように一方向へと走行する。なお、詳し
くは、電気エネルギーは抵抗Rにてジュール熱に変換さ
れて消費され、コイルLはそのインダクタンスによって
エネルギー変換の整合作用をなすもので、効率が最も大
きくなる値に作られている。
【0059】一方、上記両リレー46、47のスイッチ
46a、47aが切り替えられて該両リレーの他方の端
子46b、47cに接触すると、物体7は矢印G方向と
は逆方向に走行する。すなわち、図19において、一方
の振動子4が作動して超音波エネルギーを発していると
きに、他方の非作動側である振動子4は、コイルL及び
抵抗Rからなる回路と協働して該超音波エネルギーを電
気エネルギーに変換して音波を進行波とするエネルギー
変換手段として作用する。このエネルギー変換手段が、
物体7を走行させる走行手段となる。
【0060】上記のように、複数の超音波振動発生部3
8を物体7を走行させるべき方向において並設し、該各
超音波振動発生部38を選択的に作動させるとともに、
発する超音波エネルギーをエネルギー変換手段として作
用する非作動側の前記超音波振動発生部38において
択的にエネルギー変換することにより、物体7を往復走
行させることが可能となっている。
【0061】なお、上記は、単に物体7の往復動につい
ての説明であるが、物体7を所望の位置に停止させる場
合、次のような制御を行う。但し、この制御は、図示し
ないマイクロコンピュータ等の制御回路により行われ
る。
【0062】すなわち、一方向に向って走行中の物体7
について、その走行の慣性力を打ち消すように上記のス
イッチ46a、47aを切り替え、停止するまで逆方向
の進行波を生じさせる。そして、物体7が停止したら、
受動側すなわちエネルギー消費側の端子をオープン状態
にするか、あるいは駆動側すなわち超音波振動発生側の
駆動周波数をそれまでとは異なる共振点に変化させ、完
全に停止させる。
【0063】ところで、上述した物体搬送装置において
は、図20に示すように、物体7の搬送が行われる主振
動体41上の搬送路両側に沿って板状の音波反射部材4
8が設けられている。但し、この音波反射部材48は主
振動体41とは非接触の状態である。上記のようにして
物体7が搬送される際、この音波反射部材48の作用に
よって搬送路からの逸脱が防止される。
【0064】すなわち、これら音波反射部材48は、図
20において矢印にて示すように主振動体41の下面よ
り放射される音波を反射しつつ上記搬送路の側方へと導
く、搬送路の側方にはこのように導かれた音波が存在す
ることとなるため、これが壁となり、物体7が搬送路か
ら逸脱しようとするとこれを押し戻す作用をなす。よっ
て物体7が搬送路から逸脱することがない。また、かか
る構成によれば、物体7は音波反射部材48と接触する
ことがない。但し、このような音波反射部材48を設け
ずとも、主振動体41の縁からはみ出そうとした物体7
が、該主振動体41自体が放射する音波の作用によって
内側に引き戻される作用があることが確認されている。
【0065】物体7の搬送路からの逸脱を防止する他の
手段として、下記の構成のものが挙げられる。
【0066】まず、図21及び図22に示すように、搬
送路の両側にエアノズル49を水平若しくは斜め上向き
に設け、該各エアノズル49から噴射する加圧気体、こ
の場合圧搾空気により壁を形成する構成である。
【0067】次に、図23に示す構成である。前述した
逸脱防止用の各構成により、ある程度の質量までの物体
に対処し得るのであるが、物体7の質量がかなり大きく
なると搬送路外に逸脱しようとする時の慣性も大きく、
音波や加圧気体の壁のみにてはこれを規制することは困
難である。本例は、大重量の物体に対処するためのもの
である。
【0068】図23に示すように、重量が大きい物体7
(例えば重量物7bのみからなる)の搬送路の両側に、
平板状の逸脱防止部材50を配設している。よって、物
体7は搬送路から逸脱しようとするとこの逸脱防止部材
50の内側面に極く軽く接触し、逸脱が回避される。
【0069】ここで、前述した実験の実際についてその
一部を説明する。
【0070】この実験のため、図24に示すような測定
装置を用意した。この測定装置は振動体1(若しくは前
述の41)上における各種物体7の浮揚距離eを測定す
るものである。図示のように、レーザ変位計57と、該
レーザ変位計57による測定値を表示するオシロスコー
プ58と、該レーザ変位計57より発せられる信号の増
幅等を行ってオシロスコープ58に表示させるべく両者
間に介在する変位計本体59とを有している。
【0071】上記レーザ変位計57は、物体7の直上か
ら該物体の上面に向けてレーザ57aを照射し、その反
射光等を利用して距離を測定するためのものであるが、
種々ある公知の測定原理のものが採用され得る。測定
は、具体的には下記のように行われる。
【0072】まず、振動体1を振動させることなく静止
状態とし、該振動体1上に物体7を載置する。この状態
で上記測定装置を作動させ、静止状態の物体7の上面ま
での距離を浮揚距離測定の基準すなわち0(ゼロ)とす
べくリセットさせる。次いで、振動体1を励振させて物
体7を浮揚させる。この浮揚状態にて再び測定装置を作
動させ、測定を行う。ここで得られる測定値は上記基準
よりの距離であるから、該測定値がすなわち浮揚距離e
となる。なお、物体7が金属の場合、非浮揚状態におい
て物体7と振動体1とに通電して相互の導通状態を得て
おき、この導通状態が消えて非導通状態となったことを
以て物体7が浮揚したことを確認することも行われた。
【0073】上記までの説明は、供試体として種々の物
体を選定し、試作した物体搬送装置による浮揚実験をこ
れら各物体について行った結果に基づくものであるが、
物体搬送の実用化の一例として、図25に示す構成を考
えた。
【0074】この構成において搬送されるべき物体は、
半導体(ICチップ)を製造する際の一次製品としての
シリコンウェハー70であり、該シリコンウェハー70
を例えば矩形板状に形成したキャリア71上に搭載させ
た状態で前述の物体搬送装置により浮揚させ、搬送する
ことを行う。
【0075】図から明らかなように、キャリア71に
は、略円形のシリコンウェハー70が挿通されるべき円
形の凹部71aが設けられている。この凹部71aの内
周面には例えば4つの突起71bが等間隔にて形成され
ており、シリコンウェハー70は凹部71a内において
これら突起71b上に載置されるようになされている。
そして、キャリア71の両側には、凹部71aに連通す
る切欠部71cが形成されている。この切欠部71c
は、シリコンウェハー70を上記突起71b上に載置し
た状態において該切欠部71cの底面とシリコンウェハ
ー70の下面との間に所定の間隙が生ずる程度の深さを
有している。すなわち、図示しないロボットハンド等が
このシリコンウェハー70を凹部71a内に挿入したり
取り出す際に、上記切欠部71cを通じてシリコンウェ
ハー70を保持するようになされている。
【0076】なお、かかるキャリア71を使用せずに、
直接シリコンウェハー70を搬送することも可能であ
る。
【0077】また、本発明は、前述した各々の構成に限
らず、これら各構成のいずれか2以上の構成をその一部
ずつでも互いに組み合わせることなどにより、多岐に亘
る構成を実現できることは勿論である。
【0078】また、前述の各実施例においては、振動体
の素材としてジュラルミンが使用されているが、他に、
炭素鋼及びその合金鋼であるステンレス鋼や、チタン合
金等、種々の材質が採用可能である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁性体であるや否やなど、扱う物体の材質等の制約を受
けることがなく、また、磁界中におくことができないも
の等、あらゆる物体を浮揚させ、搬送することができ、
しかも、物体の重量及び寸法が比較的大きくとも対処可
能であるという効果がある。また、装置に関しては、実
質的に、振動体とこれを励振する超音波励振手段のみを
最小限設けるだけでよいから、小型化及びコストの低減
が達成されるという効果が得られると共に、消費電力も
極めて少なくて済み、省エネルギー化に寄与するもので
ある。更に、電気エネルギーを変換した音波の放射圧に
よる浮揚作用であるため、作業者の安全性についても容
易に確保し得ると共に、給電及びその断をなすことによ
り簡単に制御できる利点を有する。そして、用途に応じ
て振動体の形状を適宜変更し得、また、物体を長距離搬
送するためには装置を並べればよいなど、その自由度が
非常に大きく、且つ汎用性に優れている。更に本発明で
は、超音波励振手段の超音波振動発生部を物体を走行さ
せるべき方向において複数並設する一方、該各超音波振
動発生部が発する超音波エネルギーを電気エネルギーに
変換して進行波を生じさせるエネルギー変換手段を設
け、該超音波振動発生部各々について選択的に超音波エ
ネルギーを発生させると共にエネルギー変換を行い、以
て物体の往復走行を可能としている。よって、物体を所
望の方向に自在に搬送させ、望む位置に停止させること
ができるという効果が得られる。また、この物体の往復
走行に際し、振動体をして縞状振動モードにて振動させ
ることが行われるが、縞状振動モードの場合、物体の走
行方向の切り替えや停止を円滑に行えるものである。ま
た、平板状の振動体を採用することによって、かかる有
効な縞状振動モードを生じさせ易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例としての物体搬送
装置の、一部断面を含む正面図である。
【図2】図2は、図1に示した物体搬送装置の平面図で
ある。
【図3】図3は、図1に関するD−D矢視図である。
【図4】図4は、図1における部分Eの拡大図である。
【図5】図5は、図1乃至図3に示した物体搬送装置に
よって搬送されるべき物体の他の構成を示す図である。
【図6】図6は、図1乃至図3に示した物体搬送装置の
動作説明図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施例としての物体搬送
装置の要部の正面図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施例としての物体搬送
装置の要部の正面図である。
【図9】図9は、本発明の第4実施例としての物体搬送
装置の要部の正面図である。
【図10】図10は、本発明の第5実施例としての物体
搬送装置の、一部断面を含む正面図である。
【図11】図11は、本発明の第6実施例としての物体
搬送装置の要部の正面図である。
【図12】図12は、本発明の第7実施例としての物体
搬送装置の要部の正面図である。
【図13】図13は、図12における部分Gの拡大図で
ある。
【図14】図14は、図1乃至図13に示した各実施例
の物体搬送装置に関し、その一部の変形例を示す側面図
である。
【図15】図15は、物体搬送装置を複数台並べた状態
を示す、一部断面を含む正面図である。
【図16】図16は、本発明の第8実施例としての物体
搬送装置の、一部断面を含む正面図である。
【図17】図17は、図16に示した物体搬送装置の、
一部断面を含む斜視図である。
【図18】図18は、図16及び図17に示した物体搬
送装置が具備する振動体の平面図である。
【図19】図19は、図16乃至図18に示した物体搬
送装置の動作制御系の回路図である。
【図20】図20は、図16及び図17に示した物体搬
送装置の要部の縦断面図である。
【図21】図21は、図16乃至図20に示した物体搬
送装置の一部の変形例を示す縦断面図である。
【図22】図22は、図16乃至図20に示した物体搬
送装置の一部の変形例を示す縦断面図である。
【図23】図23は、図16乃至図20に示した物体搬
送装置の一部の変形例を示す縦断面図である。
【図24】図24は、物体搬送装置に関する測定を行う
測定装置の概略を示す正面図である。
【図25】図25は、図1乃至図23に示した各実施例
の物体搬送装置により搬送されるべきシリコンウェハー
と、該シリコンウェハーを搭載するキャリアの斜視図で
ある。
【図26】図26は、従来の装置の概略を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1 振動体 2 ホーン 4 振動子 5 発振器 7 物体 8 音波反射部材 10 仮想水平面 20 超音波放射器 21 超音波 25 反射部材 30 超音波励振手段 31 エネルギー変換手段 35 逸脱防止部材 38 超音波振動発生部 41 主振動体 42 副振動体 46、47 リレー 48 音波反射部材 49 エアノズル 50 逸脱防止部材 57 レーザ変位計 58 オシロスコープ 59 変位計本体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動を伝達する振動伝達部材を含
    み、物体を走行させる方向に並設された複数の超音波振
    動発生部と、 前記振動伝達部材の先端に設けられて前記振動伝達部材
    からの振動により音波を放射する平板状の振動体と、 前記超音波振動発生部を含み、前記振動体を励振する超
    音波励振手段とを備え、 前記超音波振動発生部を選択的に作動して超音波エネル
    ギーを発生させ、前記振動体が放射する音波の放射圧に
    より前記振動体の表面上に物体を浮揚させるとともに、
    非作動側の前記超音波振動発生部において前記超音波エ
    ネルギーを電気エネルギーに変換して前記音波を進行波
    とすることにより前記浮揚させた物体の往復走行が可能
    であることを特徴とする物体搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波励振手段は前記振動体を励振
    して縞状振動モード振動させることを特徴とする請求
    項1記載の物体搬送装置。
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