JP6539909B2 - 集束超音波発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、集束超音波発生装置に関する。
従来、例えばコイルへのワニスの含浸など、固体・液体界面での濡れ性の改善や固体への液体の含浸性が、工業的に求められている。濡れ性や含浸性を改善する方法としては、プラズマ処理方式や超音波振動方式が知られている。プラズマ処理方式は、固体表面を改質することで濡れ性等を改善する。これに対して超音波振動方式は、固体表面を改質することなく濡れ性等を改善することができるため、広く利用されている。
しかしながら、従来の超音波振動方式による濡れ性等の改善は、超音波音源を固体に接触させて行うものであり、したがってこのような方式を例えば工場のラインに組み込むのは困難であるため、汎用性に欠けるといった問題がある。そこで、非接触による空中超音波を用いることが考えられる。このような非接触による空中超音波を発生する装置として、従来、縞状のモードで励振される矩形たわみ振動板を用いた線集束型の超音波発生装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照。)。このような集束超音波発生装置では、振動板から空間に放射される超音波を反射器で反射して線状に集束させるため、空中に強力な超音波を発生させることが可能である。
特開平09−327656号公報 特開平09−299881号公報
しかしながら、集束超音波発生装置を例えば工場のラインに組み込んで工業的に用いる場合などでは、より強力な空中超音波が必要となることから、さらに強力な空中超音波を発生し得る構造の集束超音波発生装置の提供が望まれている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より強力な空中超音波を発生し得る集束超音波発生装置を提供することにある。
本発明の集束超音波発生装置は、振動子と振動板とを含み、前記振動子が前記振動板を振動させることで発生した超音波を前記振動板から空間へ放射する超音波音源装置と、前記振動板から放射された超音波を反射して集束させる超音波反射部と、を備え、前記振動板は、その端部に前記振動子が連結されることで縞モードを生じる凸端駆動縞モードたわみ振動板とされ、前記超音波反射部は、前記振動板に対向すると共に該振動板が発生する縞モードにおける節線と平行に配置された反射板が、前記縞モードの節線と直交する方向に複数配列させられて形成され、前記反射板は、それぞれの反射面の向きが予め設定された集束位置に向けて超音波を反射するように調整されていることを特徴とする。
また、前記集束超音波発生装置において、前記反射板は、前記縞モードの腹の位置に対応して配置されていることが好ましい。
また、前記集束超音波発生装置において、前記反射板は、それぞれの反射面の角度が可変に構成されていると共に、上下動可能に構成されていることが好ましい。
また、前記集束超音波発生装置において、前記反射板は、それぞれの反射面の向きが予め設定された線状の集束位置に向けて超音波を反射するように調整されていることが好ましい。
また、前記集束超音波発生装置において、前記反射板は複数のグループに分けられ、前記反射板の一のグループと他のグループとは互いに異なる集束位置に向けて超音波を反射するように調整されていることが好ましい。
また、前記集束超音波発生装置において、前記反射板は、前記振動板を挟んだ両側に配置されていることが好ましい。
本発明の集束超音波発生装置によれば、振動板を、その端部に振動子が連結されることで縞モードを生じる凸端駆動縞モードたわみ振動板としているので、振動子によって振動板全体を振動させ、超音波を効率良く発生することができる。また、複数の反射板を、それぞれの反射面の向きが集束位置に向けて超音波を反射するように調整しているので、振動板で発生した超音波を集束位置に確実に集束させることができる。したがって、より強力な空中超音波を発生して集束位置に集束させることができる。
本発明に係る集束超音波発生装置の一実施形態の外観を模式的に示す要部斜視図である。 超音波音源装置を示す斜視図である。 振動板の平面図である。 (a)〜(c)は縞状のモードで励振される振動板を説明するための模式図である。 超音波反射部がない場合の、振動板から放射された音波の音圧分布を示す図である。 本発明に係る集束超音波発生装置の一実施形態の外観を示す要部斜視図である。 超音波反射部がある場合の、振動板から放射された音波の音圧分布を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の集束超音波発生装置を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[集束超音波発生装置]
図1は、本発明に係る集束超音波発生装置の一実施形態の外観を模式的に示す要部斜視図であり、図2は、図1に示した集束超音波発生装置における超音波音源装置を示す斜視図である。なお、図1中に示すX軸は、集束超音波発生装置1の長さ方向(超音波反射方向)を示し、図1中に示すY軸は、集束超音波発生装置1の幅方向を示し、図1中に示すZ軸は、集束超音波発生装置1の高さ方向を示すものとする。
図1において符号1は集束超音波発生装置であり、この集束超音波発生装置1は、図2に示す超音波音源装置2と、超音波音源装置2から放射された超音波を反射して直線状の集束位置Fに集束させる超音波反射部3と、を備えて構成されている。なお、超音波とは、一般的には人間には聞こえない高い周波数の音を指すが、人の可聴域(20Hz〜20kHz程度)であっても聞くことを目的としない音波を指すこともある。
(超音波音源装置)
超音波音源装置2は、図2に示すように振動子4と振動板5とを含んで形成されており、振動子4が振動板5を振動させることによって発生した超音波を、振動板5から空間へと放射する。
具体的に、振動子4は、例えば圧電素子や磁歪素子、電歪素子などの電気機械変換素子から構成されている。その中でも、強力な超音波を発生させる振動子4として、ボルト締めランジュバン型振動子(BLT:Bolt-clamped Langevin type Transducer)が好適に用いられる。なお、振動子4は、図示を省略する電源回路(電源)から供給される電力によって駆動される。
振動子4は、エクスポネンシャルホーン6と共振棒7と連結板8を介して振動板5と接続されている。エクスポネンシャルホーン6は、振動子4に取り付けられて、この振動子4による振動を増幅させる(振幅を拡大させる)ものである。共振棒7は、エクスポネンシャルホーン6と連結板8との間を連結し、エクスポネンシャルホーン6により増幅された振動を連結板8を介して振動板5へ伝達するものである。また、振動子4から連結板8(振動板5)までの距離は、後述する縞状のモードで振動板5を励振させるため、振動子4の振動の半波長(1/2波長[λ/2])の整数倍となるように設定されている。すなわち、共振棒7の長さが調整されることで、振動子4から連結板8(振動板5)までの距離が半波長の整数倍に調整されている。
振動板5は、矩形平板状のたわみ振動板であり、その平面図である図3に示すように、その一端側の端部、すなわち一方の長辺の中心部に連結された細板状の連結板8を介して、共振棒7に連結されている。連結板8は、振動板5と一体に形成され、あるいは別体に形成されたもので、その一端側が振動板5に連結され、他端側が共振棒7の先端にボルト止めされている。なお、図3において振動板5に示した符号dは、後述する縞モードの節間隔である。
このような構成によって振動板5は、その端部に連結板8、共振棒7、エクスポネンシャルホーン6を介して振動子4が連結されることにより、縞モードを生じる凸端駆動縞モードたわみ振動板となっている。すなわち、前記特許文献1や特許文献2の振動板のようにその中央部にて振動子に連結することなく、端部にて振動子4に連結している。これにより、凸端駆動縞モードたわみ振動板となる振動板5は、特許文献1や特許文献2の振動板のようにその振動が中央部に連結する振動子によって規制されることなく、振動板5全体が効率良く振動するようになっている。このような振動板5としては、縞状のモードで振動するものであれば、その材質については特に限定されることなく、例えばジュラルミンやチタンなどの金属板が用いられる。
(超音波の発生原理)
超音波音源装置2では、図4(a)〜(c)に示すように、振動板5を縞状のモードで励振させる。図4(a)〜(c)は、縞状のモードで励振される振動板5を説明するための模式図であり、図4(a)は、振動板5を共振させたときの一方の位相(プラス(+)の位相という。)での状態を示し、図4(b)は、振動板5を共振させたときの図4(a)とは逆の位相(マイナス(−)の位相という。)での状態を示し、図4(c)は、振動板5を共振させたときの(+)及び(−)の位相での状態を同時に示す。
超音波音源装置2では、振動子4を駆動させ、連結板8を介して共振棒7に連結する振動板5を縞状のモードで励振(共振)させると、振動板5の長さ方向(X軸方向)に縞状のたわみ振動が発生する。この縞状のモードとは、図4(c)に示す振動板5に発生するたわみ振動の節Aが、図3に示したように振動板5の長さ方向(X軸方向)において縞状に並ぶモードのことである。この縞状のモードでは、各節Aの間隔dはたわみ振動の波長λpの1/2の長さであり、図4(c)に示す各節Aの間の腹Bで逆位相(+)、(−)のたわみ振動を発生させる。これによって超音波音源装置2は、振動板5から空間へ超音波を効率良く放射させることができる。
ここで、振動板5から放射された音波の音圧分布の測定結果を図5に示す。なお、本測定では、振動板5として、図3に示すX軸方向の長さ(短辺)が123mm、Y軸方向の長さ(長辺)が174mmのものを用いた。また、振動子4への入力端子電圧を5V一定とし、Y軸が振動板5の一方の短辺から40mm内側に入った位置でのX−Z面上において、プローブ付きマイクロホンを用いて音圧を測定した。
図5は、横軸、縦軸がそれぞれX軸、Z軸を示している。また、音圧は全ての結果の最大値で規格化した2値化マップで示している。
図5に示すように、後述する超音波反射部3がない場合の音圧分布は、振動板5の縞モード振動における腹および節に沿って放射された音波が、振動板5の垂直(Z軸)方向にほぼ一様に分布していることが分かった。また、縞モード振動の腹の位置で音圧が高くなり、節の位置で音圧が低くなることが分かった。そこで、本実施形態の集束超音波発生装置1では、振動板5に発生するたわみ振動の腹Bの位置に合わせて反射板9を配置することで、振動板5から放射された音波をより効率的に反射し、集束するようにしている。
(超音波反射部)
超音波反射部3は、図1に示すように本実施形態では振動板5の一方の側、すなわち上側にて振動板5の上面に対向して配設されたもので、複数(図1では10個)の反射板9によって形成されている。これら複数の反射板9は、振動板5が発生する縞モードにおける節線、すなわち図3における節Aが形成するY軸に沿う直線と平行に配置されて、該節線(Y軸)と直交するX軸方向に並列配置されている。
また、これら反射板9は、いずれも振動板5が発生する縞モードの腹Bの位置に対応して配置されている。具体的には、腹Bの直上に、各反射板9が配置されている。そして、これら反射板9は、それぞれの反射面9a(下面)の向きが集束位置Fに向くように調整されている。集束位置Fとしては、例えば振動板5からそのX軸方向の外側(振動子4と反対の側)に、数mm〜数百mm程度離れた位置とされる。反射板9としては、超音波を反射するものであればその材質については特に限定されることなく、例えばアクリル樹脂などの樹脂板が用いられる。なお、反射板9は、平坦な反射面9aを有していれば、板状なく、角柱状などであってもよい。
これら反射板9は、X軸方向に沿って並列配置されて、同じ集束位置Fに超音波を反射するため、集束位置Fへの距離に応じて反射面9aの角度および反射面9aの高さが適宜に設定されている。本実施形態では、図6に示すように反射板9は反射板保持部10によってそれぞれ独立して保持固定されている。また、本実施形態では、反射板9の両端面にそれぞれ雌ねじ(図示せず)が形成されている。
反射板保持部10は、反射板9の長さ方向両側、すなわちY軸における一方の側と他方の側に配置された一対の保持板11、11を備えて形成されている。これら保持板11、11には、反射板9を保持するための保持孔12が形成されている。保持孔12は、保持板11を貫通して形成された孔であり、上下方向(Z軸方向)に延在して形成されている。
反射板9は、その雌ねじに雄ねじ13が螺着されることにより、保持板11の保持孔12に保持されている。また、雄ねじ13を緩めることで、反射板9は保持孔12内にて回動可能、かつ上下動可能になっている。すなわち、反射板9は、その中心軸回りに回動させられることにより、振動板5の上面に対する反射面9aの角度が調整可能になっている。また、雄ねじ13が保持孔12内にて上下動させられることにより、振動板5の上面に対する反射面9aの高さが調整可能になっている。したがって、反射板9は、それぞれの反射面9aの角度が独自に可変となっていると共に、上下動可能に構成されて反射面9aの高さも独自に可変となっている。よって、反射板9は、それぞれの反射面9aの向きが予め設定された集束位置Fに向けて超音波を反射するように調整されている。
ここで、超音波反射部3を設けた場合の、振動板5から放射された音波の音圧分布の測定結果を図7に示す。測定は、超音波反射部3を設けたこと以外は、図5に結果を示した測定と同じ条件で行った。
図7でも、横軸、縦軸がそれぞれX軸、Z軸を示している。また、音圧は全ての結果の最大値で規格化したマップで示している。
図7に示すように、10個の反射板9を、それぞれの反射面9aが集束位置Fに向けて超音波を反射するように調整した超音波反射部3を設けた場合の音圧分布は、振動板5から放射された音波が反射板9により反射されて、集束位置F付近に集束していることが確認された。なお、有限要素法を用いたシュミュレーションでも、同様の結果が得られた。
また、反射板9の数を変えて、図7に結果を示した測定と同様にして測定を行ったところ、反射板9の数を増やすことにより、集束位置Fでの音圧が高くなることが分かった。
このような集束超音波発生装置1にあっては、集束位置Fへの空中超音波の集束により、種々の処理を行うことができる。具体的には、固体・液体界面での濡れ性の改善や固体への液体の含浸の促進に用いることができる。すなわち、金属等の固体に対して各種の処理液を接触させ、固定表面に処理液を均一に塗布したり、メッシュや多孔質等の固体内部への処理液の含浸を促進させる場合など、処理液の濡れ性や含浸性を向上させるために、本実施形態の集束超音波発生装置1を用いることができる。
例えば、工場のラインに本実施形態の集束超音波発生装置1を適用する場合、図1に示す線状の集束位置Fに沿ってベルトコンベア等の搬送装置(図示せず)を設置し、この搬送装置によりワークW、例えば処理液(液体)を接触させた状態の固体を走行させる。そして、このワークWに対し、これが集束位置Fを通過する間に集束超音波発生装置1から空中超音波を連続的に放射し、ワークWを非接触で励振させることにより、ワークWにおける固体に対する処理液の濡れ性や含浸性を高め、固体の表面に処理液を均一に塗布し、あるいは固体内部への処理液の含浸を促進させることができる。
すなわち、ワークWに強力な空中超音波を放射してワークWを非接触で励振させ、固体と処理液とに空気を高速でぶつけて大きな加速度を生じさせることにより、濡れ性を改善し、あるいは含浸性を促進することができる。
したがって、このようにワークWを非接触で励振させることができるため、集束超音波発生装置1における振動板5等の寸法の制限がなくなり、ワークWの大きさや形状に応じて振動板5の大きさ等を適宜に設計することが可能となる。これにより、集束超音波発生装置1は工場のライン等に容易に組み込むことが可能となるため、汎用性の高い装置となる。また、ワークWを非接触で励振させるため、ワークWの処理部に不純物が混入するおそれもない。
本実施形態の集束超音波発生装置1によれば、振動板5を、その端部に振動子4が連結されることで縞モードを生じる凸端駆動縞モードたわみ振動板としているので、振動子4によって振動板5全体を振動させ、超音波を効率良く発生することができる。また、複数の反射板9を、それぞれの反射面9aの向きが集束位置Fに向けて超音波を反射するように調整しているので、振動板5で発生した超音波を集束位置Fに確実に集束させることができる。したがって、より強力な空中超音波を発生して集束位置Fに集束させることができ、これによって例えば固体に対する液体の濡れ性の改善や含浸性の促進に好適に利用することができる。
また、反射板9を、縞モードの腹Bの位置に対応して配置しているので、振動板5から放射された強力な音波を効率的に反射し、集束位置Fに集束することができる。したがって、固体に対する液体の濡れ性の改善や含浸性の促進に用いた場合に、濡れ性や含浸性をより向上することができる。
また、反射板保持部10により、反射板9のそれぞれの反射面9aの角度を可変にすると共に、上下動可能にしているので、例えば集束位置Fを変えた場合などにも、これに容易に対応することができる。したがって、固体に対する液体の濡れ性の改善や含浸性の促進に用いた場合に、ワークWの大きさや形状が変わった場合などでも、これに容易に対応して新たなワークWの濡れ性や含浸性の向上に適用することができる。
また、複数の反射板9を、それぞれの反射面9aの向きが予め設定された線状の集束位置Fに向けて超音波を反射するように調整しているので、強力な超音波を広範囲に集束させることができる。また、固体に対する液体の濡れ性改善や含浸性促進に用いた場合に、図1に示したように線状の集束位置Fに沿ってワークWを走行させることにより、この線状の集束位置Fを通過する時間、ワークWに空中超音波を非接触で放射することができる。したがって、振動板5や反射板9の長さを変えることで線状の集束位置Fの長さを調整したり、ワークWの搬送速度を調整することにより、ワークWに対する空中超音波の放射時間を予め実験等によって求めた最適な時間に設定することができる。
以上、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本発明に係る集束超音波発生装置は、固体に対する液体の濡れ性の改善や含浸性の促進以外にも種々の処理に適用することができる。具体的には、固体に付着している微粒子の除去や、汚れの除去などにも使用可能である。
また、前記実施形態では集束位置Fを線状にしたが、複数の反射板9を複数のグループ、例えば2つのグループに分け、これら反射板9の第1のグループ(一のグループ)と第2のグループ(他のグループ)とを互いに異なる2つの集束位置に向けて超音波を反射するように調整してもよい。このように1つの集束超音波発生装置によって2つの集束位置に空中超音波を放射することにより、例えばこの集束超音波発生装置を固体に対する液体の濡れ性改善や含浸性促進に用いた場合に、ワークWの異なる箇所に同時に空中超音波を放射したり、2つのワークWに同時に空中超音波を放射することができる。
なお、反射板9を3つ以上のグループに分けてもよい。その場合に、各グループの反射板9の向きを少しずつずらして集束位置を面状に形成し、ワークWに対してその濡れ性の改善等を広範囲で行うようにしてもよい。
また、前記実施形態では、振動板5の上側にのみ反射板9を配置して超音波反射部3を構成したが、集束超音波発生装置の設置場所によっては振動板5の下側にのみ反射板9を配置して超音波反射部3を構成してもよい。さらに、振動板5の一方の側のみでなく、振動板5の上下両方に反射板9を配置し、超音波反射部3を構成してもよい。
振動板5の上下両方に反射板9を配置した場合、上下両方の反射板9の全てを、同一の集束位置に向けて超音波を反射するようにしてもよく、上側と下側とをそれぞれ別グループとし、上下それぞれに別の集束位置に超音波を反射するようにしてもよい。上下両方の反射板9の全てを同一の集束位置に向けた場合には、放射する空中超音波をより強力にすることができ、したがって固体に対する液体の濡れ性改善などの効果を高めることができる。また、上下それぞれに別の集束位置に超音波を反射するようにした場合には、複数のワークWに対して同時に処理を行うことができ、したがって生産性を向上することができる。
また、特に強力な空中超音波を発生させたい場合などでは、前記実施形態の集束超音波発生装置を2台用意し、これらを対向配置させて、同一の集束位置にそれぞれの空中超音波を集束させてもよい。また、2台の集束超音波発生装置の反射板9の向きを少しずつずらして、集束位置を比較的大きな面状に形成し、大きなワークWに対してその濡れ性の改善等を図るようにしてもよい。
また、前記実施形態の集束超音波発生装置にあっては、空中超音波を連続波として放射しているが、間欠波としてもよく、高調波を重畳したひずみ波等として放射してもよい。
1…集束超音波発生装置、2…超音波音源装置、3…超音波反射部、4…振動子、5…振動板、9…反射板、9a…反射面、10…反射板保持部

Claims (4)

  1. 振動子と振動板とを含み、前記振動子が前記振動板を振動させることで発生した超音波を前記振動板から空間へ放射する超音波音源装置と、前記振動板から放射された超音波を反射して集束させる超音波反射部と、を備え、
    前記振動板は、その端部に前記振動子が連結されることで縞モードを生じる凸端駆動縞モードたわみ振動板と形成され、
    前記超音波反射部は、前記振動板に対向すると共に該振動板が発生する縞モードにおける節線と平行に配置された反射板が、前記縞モードの節線と直交する方向に複数配列させられて形成され、
    前記反射板は、
    前記縞モードの腹の位置ごとに配置され、
    それぞれの反射面の角度が可変に構成されていると共に、上下動可能に構成され、
    それぞれの反射面の向きが予め設定された集束位置に向けて超音波を反射するように調整されている
    ことを特徴とする集束超音波発生装置。
  2. 前記反射板は、それぞれの反射面の向きが予め設定された線状の集束位置に向けて超音波を反射するように調整されていることを特徴とする請求項記載の集束超音波発生装置。
  3. 前記反射板は複数のグループに分けられ、
    前記反射板の一のグループと他のグループとは互いに異なる集束位置に向けて超音波を反射するように調整されていることを特徴とする請求項1または2記載の集束超音波発生装置。
  4. 前記反射板は、前記振動板を挟んだ両側に配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の集束超音波発生装置。
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