JP3506845B2 - 縞モード振動板を用いた超音波音源 - Google Patents

縞モード振動板を用いた超音波音源

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JP3506845B2 JP14821796A JP14821796A JP3506845B2 JP 3506845 B2 JP3506845 B2 JP 3506845B2 JP 14821796 A JP14821796 A JP 14821796A JP 14821796 A JP14821796 A JP 14821796A JP 3506845 B2 JP3506845 B2 JP 3506845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高音圧の超音波を
気体中に放射することができる超音波音源に関し、特
に、縞モード振動板を用いた超音波音源に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、強力空中超音波の応用を目指
した種々の超音波音源の開発が進められているが、中で
も、縞モード振動板式音源は、大出力容量の空中超音波
を高効率で発生できる特徴を生して、集塵や乾燥と云っ
た工業的利用への研究が大いに進んでいる。
【0003】縞モード振動板式音源は、例えば特公昭5
7−57192号公報に見られるように、縞モードが現
れる節線に垂直な方向の長さ寸法(LV)及び該節線方
向の巾寸法(LW)が矩形振動板の屈曲振動の理論式;
【数2】 〔ただし、N:任意の偶数の縞モードの節線数、N′:
Nより小さい任意の奇数、f:矩形振動板の共振周波
数、h:矩形振動板の厚み寸法、CD:矩形振動板の固
有物理定数、d:縞モードの節線間隔〕を満足するよう
に形成した矩形振動板の中心に振動子を取付けてこれを
振動することにより、振動板の表裏両面から可聴周波数
以上の強力な超音波を発生するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、縞モード振
動板型音源の振動板からの放射音波は、添付した図9の
矢印A・B、或は、特開平6−47346号公報の図1
3に示した矢印に示すように、振動板面に対して特定角
度の二方向(表裏同様)に放射され、また、縞モードの
節線に平行な辺の方向には略その辺の長さの範囲内に限
定されて放射される。
【0005】従って、縞モード振動板から発生した超音
波は、そのまま空気中に放射された後減衰されてしまう
ため、有効に音波エネルギーを利用できない問題があ
り、加えて、上述した理論式に基づいて矩形状に形成さ
れた縞モード振動板は、上記特公昭57−57192号
公報の第2図及び第4図に記載されているように、節線
方向の巾寸法(LW)が節線に垂直な方向の長さ寸法
(LV)よりも短い形状、要するに、間口が非常に狭い
状態に造られるため、強力音場の範囲も必然的に狭くな
ってしまう問題があった。
【0006】尚、上述した理論式に基づくことなく節線
方向の巾寸法(LW)の長さを増して音場の範囲を広げ
る実験を行ったが、巾寸法(LW)を増すと良好な縞モ
ードが得られないことが判明した。
【0007】そこで本発明の技術的課題は、縞モード振
動板の板面から発生する超音波を拡散させることなくラ
イン状に集束して、強力な音場を得られるようにする一
方、この強力音場の範囲を広げることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本発明で講じた手段は以下の如くである。
【0009】(1) 前記請求項1に記載の如く、縞モ
ードを生ずるべく寸法形成した矩形状の振動板を振動す
ることによって、その一側面に超音波を発生するように
構成した超音波音源であって、上記振動板の一側面に沿
わせた状態で、縞モードの節線と平行な振動板の一方の
辺に放射口を開口し、且つ、振動板の一側面から発生す
る超音波を上記の放射口に向けて反射するように構成し
た反射板を並設すると共に、この反射板の先端には、放
射口から放射される超音波を内側に反射してライン状に
集束する放物面反射板を連設して、この放物面反射板の
曲率を、上記の超音波を上記振動板の延長線上以外の
置の集束点にライン状に集束するように構成すること。
【0010】(2) 前記請求項2に記載の如く、縞モ
ードを生ずるべく寸法構成した矩形状の振動板を振動す
ることによって、その表裏両側面に超音波を発生するよ
うに構成した超音波音源であって、上記振動板の表裏両
面に沿わせた状態で、縞モードの節線と平行な振動板の
一方の辺の表裏両側に放射口を開口し、且つ、振動板の
表裏両面から発生する超音波を上記の各放射口に向けて
反射するように構成した表裏の反射板を並設すると共
に、これ等各反射板の夫々には、表裏の放射口から放射
される各超音波を内側に反射してライン状に集束する放
物面反射板を連設して、これ等各放物面反射板の曲率を
変えることによって、表裏の放射口から放射される各超
音波を、振動板の延長線を挟んだ対称位置の集束点に夫
々ライン状に集束するように構成すること。
【0011】(3) 前記請求項3に記載の如く、縞モ
ードを生ずるべく寸法構成した矩形状の振動板を振動す
ることによって、その表裏両側面に超音波を発生するよ
うに構成した超音波音源であって、上記振動板の表裏両
面に沿わせた状態で、縞モードの節線と平行な振動板の
一方の辺の表裏両側に放射口を開口し、且つ、振動板の
表裏両面から発生する超音波を上記の各放射口に向けて
反射するように構成した表裏の反射板を並設すると共
に、これ等各反射板の夫々には、表裏の放射口から放射
される各超音波を内側に反射してライン状に集束する放
物面反射板を連設して、これ等各放物面反射板の曲率を
変えることによって、表裏の放射口から放射される各超
音波を、振動板の延長線を挟んだ対称位置の集束点に夫
々ライン状に集束するように構成して、これ等各放物面
反射の曲率を相互に違えることによって、表裏の放射口
から放射される各超音波を異なる位置の集束点に夫々ラ
イン状に集束するように構成すること。
【0012】(4) 縞モード振動板の全体を、縞モー
ドが現れる節線に対し平行な辺の長さLx、及び、該節
線に対して垂直な辺の長さLyが、矩形振動板の屈曲振
動の理論式;
【数1】 〔ただし、Nx:節の数(奇数値)、Ny:節の数(偶
数値)、λf:屈曲数の波長〕を満足するように矩形状
に構成し、該振動板の節線に垂直な辺に対して中央の位
置で、且つ、節線に平行な辺に対しては屈曲振動の変位
分布において両端側から同じ腹の位置であり、而かも、
駆動した時に略直線状の縞モードが現れる左右の駆動点
位置に、左右の振動子を取付けること。
【0013】(5) 振動板の表裏両側に並設した各反
射板の一端面に、振動板から放射口とは反対の方向に放
射される超音波を、放射口の方向に反射する傾斜反射板
を連設すること。
【0014】上記(1)で述べた手段によれば、縞モー
ド振動板の一側面から発生する超音波を拡散させること
なく表裏の放射口に向けて反射し、更にこの放射口から
放射される超音波を放物面反射板によって1本のライン
状に集束するため、従来よりも強力な音場を形成するこ
とを可能にする。
【0015】上記(2)で述べた手段によれば、縞モー
ド振動板の表裏の放射口から放射される各超音波を、表
裏の放物面反射板がライン状に集束するため、従来より
も更に強力な音場を形成することを可能にするが、特
に、上記表裏の放物面反射板の 曲率を変えることによっ
て、表裏の放射口から放射される各超音波を振動板の延
長線を挟んだ対称位置の集束点に対して夫々ライン状に
集束することができるため、強力な音場の範囲を広げる
ことを可能にする
【0016】上記(3)で述べた手段によれば、表裏の
放射口から放射される各超音波を異なる位置の集束点に
対して夫々ライン状に集束することができるため、強力
な音場の範囲を広げることを可能にする。
【0017】上記(4)で述べた手段によれば、縞モー
ド振動板の駆動点を左右2点にすることにより、縞モー
ド振動板の節線に平行な辺の長さを増しても良好な縞モ
ードを得ることができるため、放物面反射板によってラ
イン状に集束する超音波の間口を広げて、より強力な音
場を広範囲に得ることを可能にする。
【0018】上記(5)で述べた手段によれば、縞モー
ド振動板の一側面又は表裏両面から夫々放射口とは反射
の方向に放射される超音波を、傾斜反射板が放射口の方
向に反射するため、縞モード振動板から発生する超音波
の全てを合成して放射口に放射することができ、その結
果、放物面反射板によってライン状に集束する超音波を
強めて、更に強力な音場を造ることを可能にする。
【0019】以上の如くであるから、上記(1)〜
(5)で述べた手段によって上述した技術的課題を解決
して、前記従来の技術の問題点を解消することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る縞モード振
動板を用いた超音波音源の実施の形態を、添付した図面
と共に詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の基本的な構成を説明した斜
視図であって、図中、1Aは縞モードを生ずるべく寸法
構成した矩形状の振動板(以下縞モード振動板と云
う)、2A,2A′はこの縞モード振動板1Aの表裏両
面に対して一定の間隔をあけて平行に設けた表裏の反射
板、3A,3A′は縞モード振動板1Aと各反射板2
A,2A′の一端口を閉塞するように斜めに取付けた傾
斜反射板、Z,Z′は上記縞モード振動板1Aと各反射
板2A,2A′の開放された他端口である放射口を示
す。
【0022】尚、請求項1に記載した本発明を構成する
には、上記図1並びに図12に示した両面構造の超音波
音源から下側の反射板2A′と傾斜反射板3A′を取外
し、縞モード振動板1Aの底面側をグラスウール等で覆
えばよい。
【0023】図3は、上述した縞モード振動板1Aの上
面に縞モードが現れた状態を示した平面図であって、図
中、LVは縞モードの節線に垂直な方向の長さ寸法、L
Wは該節線方向の巾寸法を示したものであって、これ等
の寸法は特公昭57−57192号公報に記載されてい
る前述の理論式によって求められることは前述の通りで
あり、また、これ等の理論式を満足する寸法構成の縞モ
ード振動板1Aは、完全な縞モードを形成して、超音波
の放射能率が非常に優れていることも前述の通りであ
る。
【0024】図1に於いて、5はホーン5Hと共振棒5
Tを軸線方向に取付けた振動子で、この共振棒5Tの先
端部が、裏面側反射板2A′の穴2Hを貫いて上記縞モ
ード振動板1Aの中心部にナット6で結合されていて、
電源部7からの電力供給によって振動子5が駆動する
と、縞モード振動板1Aが振動してその表裏両面から図
9に示したA,B方向に超音波を放射する仕組に成って
いる。
【0025】尚、図9に於いてAHとBHは、縞モード
振動板1Aの表裏両面から斜めA,B及びA′,B′方
向に夫々放射される各超音波の放射領域を示す。
【0026】上述した反射板2A,2A′と傾斜反射板
3A,3A′は、図9のA,B及びA′,B′方向に放
射される超音波を図10の(イ)、(ロ)に示すように
全て放射口Zの方向(裏面側の説明は省略)に反射して
合成するように構成されていて、表裏の反射板2A,2
A′と縞モード振動板1Aとの間隔は、電気インピーダ
ンスが極大となる間隔(例えば約67mm)に造られ、
また、傾斜反射板3A,3A′は、放射口Z,Z′の定
点に音圧分布測定用のコンデンサマイクロホンを置き、
この出力電圧が最大となる状態に設置されている。
【0027】一方、図2は本発明の他の基本的な構成を
説明した斜視図であって、図中、1Bは図1に示したも
のよりもより広範囲の強力な音源を得るために、節線に
平行な辺を長く構成した幅の広い縞モード振動板、2
B,2B′は縞モード振動板1Bの表裏両面に一定の間
隔をあけて並設した反射板、3B,3B′はこれ等表裏
の間隔の一端口を閉塞するように斜めに取付けた傾斜反
射板で、縞モード振動板1Bと反射板2B,2B′との
各間隔と、傾斜反射板3B,3B′の取付条件は、いず
れも上述した図1に記載したものと同一である。
【0028】図4は上記図2に示した発明で用いる幅の
広い縞モード振動板1Bの構成を示した平面図であっ
て、この振動板1Bの縞モードが現れる節線に対し平行
な辺の長さLxと、該節線に対して垂直な辺の長さLy
は、矩形振動板の屈曲振動の理論式;
【数1】 (ただし、Nx:節の数(奇数値)、Ny:節の数(偶
数値)、λf:屈曲波の波長)から決定される。
【0029】また、この縞モード振動板1Bの駆動点位
置は、図4に示すように節線に垂直な辺に対しては中央
の位置で、節線に平行な辺に対しては屈曲振動の変位分
布に於いて両端から1番目の腹の位置を駆動点(1−
1′)とし、順次内側に向かって各腹の位置を(2−
2′)、(3−3′)、(4−4′)として定められて
いる。
【0030】実験は、縞モード振動板1Bの駆動点(1
−1′)〜(4−4′)に左右2台の振動子5,5(具
体的にはホーン5H)に連設した共振棒5T,5Tを取
付けて、同位相、同振幅で駆動させた時の駆動点位置と
振動モードの関係をグラードニの砂図による観察で行っ
た。
【0031】以下の表は、上記の実験結果を示したもの
である。
【表1】
【0032】上記の表で、〇印はほぼ直線状の縞モード
が現れたことを、△印は節線が点状又は波状に曲がって
いることを、×印は縞モード以外の振動モードが現れた
ことを表しており、この表から、節の数Nxが13,1
5では駆動点(1−1′)〜(3−3′)までは駆動点
位置に無関係に良好な縞モードが現れ、節の数Nxが1
9では駆動点(1−1′)、(2−2′)のみで良好な
縞モードが現れると共に、更に節の数Nxを21以上に
した時には、駆動点(2−2′)の時にすべての振動板
に於いて良好な縞モードが現れるから、これ等の結果か
ら、左右の振動子5,5で二点駆動する縞モード振動板
1Bの駆動点位置は、図4に於いて(2−2′)の位置
が適当であることが判明した。
【0033】
【表2】 上記の表は幅の広い縞モード振動板1Bの寸法例を示し
たものであって、次に、この表の寸法通りに形成した縞
モード振動板1Bに対して、上述した実験によって明ら
かにされた駆動点位置(2−2′)に左右の振動子5,
5の各共振棒5T,5Tをナット6,6で固定して、駆
動させた場合の振動板面の振幅変位分布の測定を行っ
た。
【0034】測定は、各振動子5,5に対する電源部7
からの電気入力を2(W)一定として行い、図5はその
測定結果の一例であって、この図面から、y軸方向の振
幅分布は比較的一様で正弦的な分布となっているのに対
し、振幅変位の各腹の位置でのx軸方向の分布は、中央
付近でほぼ一様の分布となり、駆動点付近に向かって減
少していき、中央付近では駆動点付近の約2倍であるこ
とがわかった。
【0035】尚、振動子5,5の駆動によって幅の広い
縞モード振動板1Bから放射される超音波は、前述した
請求項1の発明に記載されているものと同様に、10図
の(イ)と(ロ)に示した要領で反射され、放射口Z,
Zに向けて強力な合成音と成って放射されるが、次に、
各放射口Zに於ける合成音の音圧分布に付いて測定する
ことにする。
【0036】図6は、放射口Zに於けるx軸方向(図2
参照)の音圧分布を測定した結果の一例を示したもので
あって、図の横幅には縞モード振動板1Bの中心からの
距離を、縦軸にはA点の音圧レベルを基準とする規格化
した音圧レベルがとられていて、図面から、節線と平行
な辺の長さの中央から両端に約200(mm)の範囲で
音圧レベルがほぼ一定となり、両端に向かって音圧レベ
ルが次第に減少していることがわかる。
【0037】図7は、放射口Zに於けるy軸方向(図2
参照)の音圧分布が極大となる位置(図6のA点)を通
るy軸方向の音圧分布を測定した結果の一例を示したも
のであって、図の横幅には開口幅の中心からの距離を、
縦軸にはA点の音圧レベルを基準とする規格化した音圧
レベルがとられていて、図面から、開口幅の中央付近で
音圧レベルが最大となり、両端に向かって音圧レベルが
次第に減少していることがわかる。
【0038】図8は、音圧レベルが極大となる位置(図
6、図7のA点)に於ける電気入力と出力音圧の関係を
測定した結果の一例を示したものであって、図の横幅に
は音源への電気入力を、縦軸には音圧に比例したマイク
ロホンの出力電圧がとられていて、図面より、音圧に比
例したマイクロホンの出力電圧は、音源への電気入力の
ほぼ1/2乗に比例して増加することがわかる。
【0039】以上の測定結果から、音圧レベルが極大と
なる位置(図6、図7のA点)で160[dB]の音圧
レベルが得られるとすると、音波乾燥などに必要とされ
る音圧レベル(150[dB]以上)の範囲は、開口幅
の方向には約60[mm]、振動板の節線と平行な辺の
長さ方向には約300[mm]の範囲となり、図2に示
す開口面積(放射口Z)の約75[%]の広範囲に強力
音場が形成できることがわかった。
【0040】図1と図2に於いて、4A,4A′と4
B,4B′は、上述した各反射板2A,2A′と2B,
2B′の先端部に連設した放物面反射板であって、これ
等の各放物面反射板4A〜4B′は、図11に示す如く
各反射板2A,2A′・2B,2B′・3A,3A′・
3B,3B′によって各放射口Z,Z′に反射され、そ
のままでは反射領域EH…に沿って夫々符号A,Bと
A′,B′に示した上下斜め方向に放射拡散されてしま
う合成された強力な超音波を、図12に示した矢印に示
すように夫々反射領域EH…内において内側に反射し
て、その曲率に従って以下の如く集束点F又はF′にラ
イン状に集束するように構成されている。
【0041】 図12は、請求項1に記載した本発明の
基本的な構成を説明したものであって、縞モード振動板
1A,1Bの表面側に並設した各反射板2A,2Bの先
端部に連設されている放物面反射板4A,4Bは、放射
口Zから斜め上方に放射される合成音波A,Bを矢印の
如く内側に反射する一方、反射された合成音波は放物面
反射板4A,4Bの曲率に従って図面では縞モード振動
板1A,1Bの延長線SL上の集束点Fにライン状に集
束しているが。請求項1に記載されている本発明では、
上記放物面反射板4A,4Bの曲率に従って、この延長
線SL以外の位置の集束点(図示せず)にライン状に
集束するように構成されている。(図14参照)
【0042】図13に示したものは、上下の反射板2
A,2A′と2B,2B′の各先端部に連設した放物面
反射板4A,4B、4A′,4B′、表裏の放射口
Z,Z′から放射される合成音波A,B及びA′,B′
を縞モード振動板1A,1Bの延長線SL上で、而か
も、表面側放物面反射板4A,4Bの放物面SAの中心
軸線S1と、裏面側放物面反射板4A′,4B′の放物
面SBの中心軸線S2とが全て交る集束点Fにライン状
に集束するように構成ている。
【0043】これに対し、図14、図15、図16は、
前記請求項2と3に記載した本発明の構成を説明したも
のであって、いずれも上述した各反射板2A,2A′と
2B,2B′の先端部に連設した放物面反射板4A,4
Bと4A′と4B′の曲率を、各超音波の集束点F,
F′の位置が上下方向、又は、延長線SL方向にずれる
ように、図13に示したものとは違えて構成している。
【0044】即ち、図14に示した請求項に記載の発
明によれば、合成音波A,B及びA′,B′の集束点
F,F′が、延長線SLを挟んだ上下対称箇所に位置す
るように各放物面反射板4A,4Bと4A′,4B′の
曲率が設計されており、また図15に示した請求項
記載の発明では、集束点F,F′が延長線SL上の前後
にずれて位置するように曲率が設計され、更に、図16
に示した同じく請求項に記載の発明では、集束点F,
F′が延長線SLの上下で、而かも、前後方向にずれて
位置するように曲率が設計されていて、その結果、いず
れの発明も強力な音場の範囲を広げて集塵や乾燥を広範
囲に処理することを可能にしている。
【0045】上述した各反射板2A…4Bとしては、厚
さ5[mm]のアクリル板を使用し、また、振動子5と
してランジュバン型振動子を使用する一方、ホーン5H
としてエキスポネンシャルホーン(振幅拡大比約4.
6、ジュラルミン製)を用いるが、これ等はいずれも実
施の一例であることは勿論である。
【0046】また、振幅変位分布の測定には変位計(S
T−3511・IWATSU社製)を、音圧分布の測定
には1/8インチのコンデンサマイクロホン(4138
型・B&K社製)を用いた。
【0047】
【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係る縞モー
ド振動板を用いた超音波音源によれば、縞モード振動板
の一側面又は表裏両側面から放射される超音波をすべて
放射口に向けて反射して合成音波と成し、更にこの合成
音波を拡散することなく放物面反射板で内側に反射して
ライン状に集束するため、極めて強力な音場を形成する
ことができると共に、節線と平行な辺の長さを増した二
点駆動の縞モード振動板を用いることによって、上記強
力音場の範囲を広げる利点も発揮できるものであって、
処理量が多くて処理速度が速い工業的利用価値の高い超
音波音源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成を説明した斜視図であ
る。
【図2】本発明の他の基本的な構成を説明した斜視図で
ある。
【図3】本発明で用いる縞モード振動板上に縞モードが
現れた状態を示した平面図である。
【図4】請求項に記載した縞モード振動板の振動モー
ドと変位分布の状況を説明した平面図である。
【図5】縞モード振動板の振幅変位分布の状況を説明し
た説明図である。
【図6】放射口に於けるx軸方向の音圧分布の測定結果
を示した線図である。
【図7】放射口に於けるy軸方向の音圧分布の測定結果
を示した線図である。
【図8】電気入力と出力音圧の関係を説明した線図であ
る。
【図9】縞モード振動板に於ける超音波の放射方向を示
した構成図である。
【図10】(イ)と(ロ)は反射板と傾斜反射板による
超音波の反射方向を説明した構成図である。
【図11】放射口から放射される合成された超音波の放
射角度を説明した構成図である。
【図12】請求項1に係る本発明の基本的な構造を説明
した構成図である。
【図13】請求項2と3に係る本発明の基本的な構造を
説明した構成図である。
【図14】請求項に係る本発明の構造を説明した構成
図である。
【図15】請求項に係る本発明の構造を説明した構成
図である。
【図16】同じく請求項に係る本発明の構造の他の例
を示した構成図である。
【符号の説明】
1A,1B 縞モード振動
板 2A,2B,2A′,2B′ 反射板 3A,3B,3A′,3B′ 傾斜反射板 4A,4B,4A′,4B′ 放物面反射板 5 振動子 F,F′ 集束点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝島 慎二郎 静岡県浜松市新都田1−6−2 アマノ 株式会社都田テクノ事業所内 (72)発明者 工藤 陽 静岡県浜松市新都田1−6−2 アマノ 株式会社都田テクノ事業所内 (56)参考文献 特開 平9−39204(JP,A) 特開 平5−133683(JP,A) 特開 昭61−51511(JP,A) 特公 昭57−57192(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B06B 1/02 H04R 1/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縞モードを生ずるべく寸法形成した矩形
    状の振動板を振動することによって、その一側面に超音
    波を発生するように構成した超音波音源であって、上記
    振動板の一側面に沿わせた状態で、縞モードの節線と平
    行な振動板の一方の辺に放射口を開口し、且つ、振動板
    の一側面から発生する超音波を上記の放射口に向けて反
    射するように構成した反射板を並設すると共に、この反
    射板の先端には、放射口から放射される超音波を内側に
    反射してライン状に集束する放物面反射板を連設して、
    この放物面反射板の曲率を、上記の超音波を上記振動板
    の延長線上以外の位置の集束点にライン状に集束するよ
    うに構成したことを特徴とする縞モード振動板を用いた
    超音波音源。
  2. 【請求項2】 縞モードを生ずるべく寸法構成した矩形
    状の振動板を振動することによって、その表裏両側面に
    超音波を発生するように構成した超音波音源であって、
    上記振動板の表裏両面に沿わせた状態で、縞モードの節
    線と平行な振動板の一方の辺の表裏両側に放射口を開口
    し、且つ、振動板の表裏両面から発生する超音波を上記
    の各放射口に向けて反射するように構成した表裏の反射
    板を並設すると共に、これ等各反射板の夫々には、表裏
    の放射口から放射される各超音波を内側に反射してライ
    ン状に集束する放物面反射板を連設して、これ等各放物
    面反射板の曲率を変えることによって、表裏の放射口か
    ら放射される各超音波を、振動板の延長線を挟んだ対称
    位置の集束点に夫々ライン状に集束するように構成し
    ことを特徴とする縞モード振動板を用いた超音波音源。
  3. 【請求項3】 縞モードを生ずるべく寸法構成した矩形
    状の振動板を振動することによって、その表裏両側面に
    超音波を発生するように構成した超音波音源であって、
    上記振動板の表裏両面に沿わせた状態で、縞モードの節
    線と平行な振動板の一方の辺の表裏両側に放射口を開口
    し、且つ、振動板の表裏両面から発生する超音波を上記
    の各放射口に向けて反射するように構成した表裏の反射
    板を並設すると共に、これ等各反射板の夫々には、表裏
    の放射口から放射される各超音波を内側に反射してライ
    ン状に集束する放物面反射板を連設して、これ等各放物
    面反射板の曲率を変えることによって、表裏の放射口か
    ら放射される各超音波を、振動板の延長線を挟んだ対称
    位置の集束点に夫々ライン状に集束するように構成し
    て、これ等各放物面反射の曲率を相互に違えることによ
    って、表裏の放射口から放射される各超音波を異なる位
    置の集束点に夫々ライン状に集束するように構成したこ
    とを特徴とする縞モード振動板を用いた超音波音源
  4. 【請求項4】 縞モード振動板の全体を、縞モードが現
    れる節線に対し平行な辺の長さLx、及び、該節線に対
    して垂直な辺の長さLyが、矩形振動板の屈曲振動の理
    論式; 【数1】 〔ただし、Nx:節の数(奇数値)、Ny:節の数(偶
    数値)、λf:屈曲数の波長〕を満足するように矩形状
    に構成し、該振動板の節線に垂直な辺に対して中央の位
    置で、且つ、節線に平行な辺に対しては屈曲振動の変位
    分布において両端側から同じ腹の位置であり、而かも、
    駆動した時に略直線状の縞モードが現れる左右の駆動点
    位置に、左右の振動子を取付けたことを特徴とする請求
    項1,2又は3に記載の縞モード振動板を用いた超音波
    音源。
  5. 【請求項5】 振動板の一側面又は表裏両側面に並設し
    た各反射板の一端面に、振動板から放射口とは反対の方
    向に放射される超音波を、放射口の方向に反射する傾斜
    反射板を連設したことを特徴とする請求項1,2又は3
    記載の縞モード振動板を用いた超音波音源。
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