JP2008178778A - 超音波除塵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被洗浄体に付着した塵埃又は汚れを簡単な構造で効率的に除去することができる超音波除塵装置を提供する。
【解決手段】超音波除塵装置10は、超音波放出口18を備える超音波反射箱12と、超音波反射箱12内で振動する振動板21と、振動板21に結合された振動子25とを有している。そして、超音波放出口18の口縁と振動板21の中心を結ぶ方向θが振動板21から放射される超音波の主極方向にほぼ等しくなっている。この超音波除塵装置10は、さらに、超音波放出口の近辺に吸引口を開口する粉塵吸引手段を設けることによって、非常に微細な又は浮遊しやすい粉塵を効率よく除去することができる超音波除塵装置を構成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】超音波除塵装置10は、超音波放出口18を備える超音波反射箱12と、超音波反射箱12内で振動する振動板21と、振動板21に結合された振動子25とを有している。そして、超音波放出口18の口縁と振動板21の中心を結ぶ方向θが振動板21から放射される超音波の主極方向にほぼ等しくなっている。この超音波除塵装置10は、さらに、超音波放出口の近辺に吸引口を開口する粉塵吸引手段を設けることによって、非常に微細な又は浮遊しやすい粉塵を効率よく除去することができる超音波除塵装置を構成することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、大気中にある被洗浄体に超音波を照射することにより被洗浄体表面に付着した塵埃を除去する超音波除塵装置に関する。
液体中にある被洗浄体に超音波を照射することにより被洗浄体の洗浄を行う超音波洗浄装置は種々の分野で広く利用されている。このような超音波洗浄装置は、液体を使用するために、被洗浄体の表面が損傷される問題や、また、洗浄処理後の乾燥が面倒である等の理由から洗浄液を使用しないで大気中で洗浄を行う装置の開発が試みられている。
例えば、特許文献1によると、略平面状の被洗浄面を有し上記被洗浄面に沿う第1方向に相対的に搬送される被洗浄物について、上記被洗浄面に付着した塵埃を除去する超音波洗浄装置であって、超音波振動を発生する超音波振動子と、上記超音波振動子の超音波振動により、超音波振動が励起されて、放射面から上記被洗浄面に向けて空中に超音波を放射する超音波放射部と、を備え、上記超音波放射部は、そのうちの上記放射面が、上記被洗浄面に沿い上記第1方向に交差する第2方向に長く延ばされた形状を有し、上記超音波振動子の超音波振動により、上記放射面において、上記第2方向に振動の腹部と節部とが交互に並んだ定在波を生じる形態を有する超音波洗浄装置が提案されている。
また、特許文献2には、集束超音波発生装置において、中心に振動駆動源が取付けられた帯状の縞モード振動板と、前記縞モード振動板の長手方向に沿って同板の両側部から上側の空間を覆うと共に前記縞モード振動板の長手方向中心線との対向領域に一定幅の開口部を構成し、且つその内面を、前記縞モード振動板の板面から垂直方向に進行する超音波が反射し、その反射波が前記縞モード振動板で反射して前記開口部の外側で集束する条件を満たす焦点距離の放物面で形成した反射板と、前記縞モード振動板と前記反射板で構成される内部空間を前記縞モード振動板の屈曲振動時の各節線に沿って区分する各隔離板とからなる集束超音波発生装置が提案されている。そして、この集束超音波発生装置により湿潤にした被洗浄体に超音波を照射して水分を霧化することによって、被洗浄体の表面の汚れが除去できることが開示されている。
特開2005-329345号公報
特開平9-327656号公報
しかしながら、このような従来の超音波洗浄装置(超音波除塵装置)においては、振動子及び振動体を含む振動系の構造が複雑であるという問題がある。特許文献2の提案に係る集束超音波発生装置においては、反射板や集束方向変換器は相当複雑な構造をしている。
本発明はかかる問題点に鑑み、被洗浄体に付着した塵埃又は汚れを簡単な構造で効率的に除去することができる超音波除塵装置を提供することを目的とする。
本発明に係る超音波除塵装置は、超音波放出口を備える超音波反射箱と、該超音波反射箱内で振動する振動板と、該振動板に結合された振動子とを有する超音波除塵装置であって、前記超音波放出口の口縁と前記振動板の中心を結ぶ方向が該振動板から放射される超音波の主極方向にほぼ等しいものとしてなる。
上記発明において、超音波反射箱は、振動板の表面側に対向する前面反射板と、該振動板の裏面側に対向し前記前面反射板と位相が180°異なる超音波を反射させる裏面反射板とを有するものとするのがよい。さらに、上記超音波反射箱において、振動板と前面反射板との距離h1と、該振動板と裏面反射板との距離h2との関係が、音速をc、超音波の周波数をf、主極方向をθ、mを自然数、nを整数とするとき、下記の(1)式又は(2)式を満たすものであるのがよい。
また、超音波反射箱は、超音波を前面反射板側から裏面反射板側及び裏面反射板側から前面反射板側に反射させる側板を有するものとするのがよく、超音波放出口の周縁に超音波放出方向に延在する超音波反射筒を設けるのがよい。
上記の超音波除塵装置に、さらに、超音波放出口の近辺に吸引口を開口する粉塵吸引手段を設けることによって、非常に微細な又は浮遊しやすい粉塵を効率よく除去することができる超音波除塵装置を構成することができる。
本発明に係る超音波除塵装置は、簡単な構造をしており、被洗浄体に付着した塵埃又は汚れを効率的に除去することができる。
以下、本発明に係る超音波除塵装置の実施の形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係る超音波除塵装置の構成を示す模式図である。超音波除塵装置10は、図1に示すように、超音波放出口18を備える超音波反射箱12と、超音波反射箱12内で振動する振動板21と、振動板21に結合された振動子25とを有している。そして、超音波放出口18の口縁と振動板21の中心を結ぶ方向θが振動板21から放射される超音波の主極方向にほぼ等しくなっている。なお、主極方向とは、超音波が最も強く放射される方向を示し、角度θは、所定の強度、例えば主極方向の強度の90%以内になる角度範囲であればよい。
超音波反射箱12は、図1に示すように、枠体11に一体に固定されており、箱状をしている。すなわち、超音波放出口18を備える前面反射板13と、この前面反射板13に離隔して対向する裏面反射板14と、前面反射板13と裏面反射板14の間にあってそれらの外周部に設けられた側板15とを有している。なお、図1に示す超音波反射箱12においては、前面反射板13、側板15及び裏面反射板14は一体に結合された構造になっているが、必ずしも一体に結合されていなくてもよい。側板15により、超音波が前面反射板13側から裏面反射板15側に、また、裏面反射板15側から前面反射板13側に反射されるようになっていればよい。
この、超音波反射箱12において、前面反射板13と裏面反射板14とは、振動板21から放射され前面反射板13により反射される超音波の位相と、振動板21から放射され裏面反射板14により反射される超音波の位相とが180°異なるような関係を有するように構成するのがよい。これにより高い音圧の超音波を超音波放出口18から放射することができる。
また、側板15は、前面反射板13で反射した超音波が側板15を通って裏面反射板14に照射され、また、裏面反射板14で反射した超音波が側板15を通って前面反射板13に照射され、それぞれ、裏面反射板14又は前面反射板13により反射されるようになっているのがよい。すなわち、超音波を表面側から裏面側及び裏面側から表面側に反射させる側板15を設けることによって、より高い音圧の超音波を超音波放出口18から放射することができる。
また、超音波反射箱12には、図1に示すように、超音波放出口18の周縁に超音波放出方向に延在する超音波反射筒16を設けるのがよい。これにより、超音波の最高音圧点を超音波放出側に移動させることができ、被洗浄体に付着した塵埃を効率的に除去することができる。
振動板21は、図1に示すように、超音波反射箱12の内部に振動子25と締結されたホーン26を介して支持されており、振動板21の表面側が前面反射板13に対向し、裏面側が裏面反射板14に対向するようになっている。本例の振動板21は、平板状の円板形状をしているが、凹面状又は凸面状の円板形状にすることができる。平板状のものは加工しやすいという利点があり、凹面状又は凸面状のものはこれらを組み合わせることによって音波をより集中させやすくできるという利点がある。
また、振動板21は、振動板21と前面反射板13との距離h1と、振動板21と裏面反射板14との距離h2との関係が、音速をc、超音波の周波数をf、主極方向をθ、mを自然数、nを整数とするとき、下記の(1)式又は(2)式を満たすようにするのがよい。これにより、さらに高い音圧の超音波を超音波放出口18から放射することができるようになる。
振動子25は、振動板21に所定の超音波を放射させることができるものであればよい。たとえば、ランジュバン型振動子を使用することができる。なお、振動子25は、振動を振動板21に有効に伝達することができるよう、図1に示すように、振動増幅用のホーン26と締結し、ホーン26のその振動の節部を粘弾性体(減衰材料)27を介して枠体11に取り付けるようにするのがよい。
以上、本発明に係る超音波除塵装置10について説明した。本超音波除塵装置10によれば、放射音波の最大音圧を、例えば入力電圧が4Wのとき1500Pa以上にすることができ、被洗浄体に付着した塵埃を効率的に除去することができる。しかしながら、被洗浄体に付着する塵埃は、非常に微細なものがあり、また、浮遊しやすいものがある。このような場合は、上述の超音波除塵装置に、さらに、図2に示すように、超音波放出口18の近辺に吸引口43を開口する粉塵吸引手段41を設けるのがよい。
図1に示す超音波除塵装置10を用いて除塵効果試験を行った。超音波反射箱12の大きさは、直径150mm、高さ50mmであった。振動子25は、共振周波数28kHzのランジュバン型振動子を用いた。除塵効果は、平板状アルミ合金製の80×80mmの被洗浄体に平均粒径7μmの炭酸カルシウム粉を均一に約1g散布し、その炭酸カルシウム粉の被洗浄体から除去された割合(除去率)により判定した。除塵作業は、被洗浄体を超音波除塵装置10に対して平行移動させながら、被洗浄体に超音波を約1min間照射することにより行った。なお、被洗浄体表面の粗さによる影響を見るため、被洗浄体表面に表面粗さ、#80、#240、#800のサンドペーパを貼付した上に炭酸カルシウム粉を散布した場合の除塵効果試験も行った。
図3及び4に除塵効果試験の結果を示す。図3は振動板21から被洗浄体表面までの距離が40mmの場合であった。この場合の放射音波の最大音圧は、入力電圧が4Wのとき1700Paであった。図4は振動板21から被洗浄体表面までの距離が48mmの場合である。各図において、横軸は振動子21に供給した電力(パワー)、縦軸に除去率を示す。図3及び4に示すように、所定のパワー以上に設定すると、急速に除去率が高くなり、ほぼ100%除塵できることが分かる。
10 超音波除塵装置
11 枠体
12 超音波反射箱
13 前面反射板
14 裏面反射板
15 側板
16 超音波反射筒
18 超音波放出口
21 振動板
25 振動子
26 ホーン
27 粘弾性体
41 粉塵吸引手段
43 吸引口
100 超音波除塵装置
11 枠体
12 超音波反射箱
13 前面反射板
14 裏面反射板
15 側板
16 超音波反射筒
18 超音波放出口
21 振動板
25 振動子
26 ホーン
27 粘弾性体
41 粉塵吸引手段
43 吸引口
100 超音波除塵装置
Claims (6)
- 超音波放出口を備える超音波反射箱と、該超音波反射箱内で振動する振動板と、該振動板に結合された振動子とを有する超音波除塵装置であって、前記超音波放出口の口縁と前記振動板の中心を結ぶ方向が該振動板から放射される超音波の主極方向にほぼ等しいことを特徴とする超音波除塵装置。
- 超音波反射箱は、振動板の表面側に対向する前面反射板と、該振動板の裏面側に対向し前記前面反射板と位相が180°異なる超音波を反射させる裏面反射板とを有することを特徴とする請求項1に記載の超音波除塵装置。
- 振動板と前面反射板との距離h1と、該振動板と裏面反射板との距離h2との関係が、音速をc、超音波の周波数をf、主極方向をθ、mを自然数、nを整数とするとき、下記の(1)式又は(2)式を満たすものであることを特徴とする請求項2に記載の超音波除塵装置。
- 超音波反射箱は、超音波を前面反射板側から裏面反射板側及び裏面反射板側から前面反射板側に反射させる側板を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超音波除塵装置。
- 超音波反射箱は、超音波放出口の周縁に超音波放出方向に延在する超音波反射筒を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超音波除塵装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の超音波除塵装置に、さらに、超音波放出口の近辺に吸引口を開口する粉塵吸引手段を設けたことを特徴とする超音波除塵装置。
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JP2007013308A JP2008178778A (ja) | 2007-01-24 | 2007-01-24 | 超音波除塵装置 |
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2007
- 2007-01-24 JP JP2007013308A patent/JP2008178778A/ja active Pending
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