JP2006088135A - 超音波振動テーブル - Google Patents

超音波振動テーブル Download PDF

Info

Publication number
JP2006088135A
JP2006088135A JP2004306199A JP2004306199A JP2006088135A JP 2006088135 A JP2006088135 A JP 2006088135A JP 2004306199 A JP2004306199 A JP 2004306199A JP 2004306199 A JP2004306199 A JP 2004306199A JP 2006088135 A JP2006088135 A JP 2006088135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
langevin type
bolted langevin
ultrasonic vibration
type ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004306199A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumasa Onishi
一正 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UWAVE KK
Original Assignee
UWAVE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UWAVE KK filed Critical UWAVE KK
Priority to JP2004306199A priority Critical patent/JP2006088135A/ja
Publication of JP2006088135A publication Critical patent/JP2006088135A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Abstract

【課題】機械加工装置にワークを固定保持する加工テーブルにおいて、加工テーブル全体にほぼ均一な超音波振動を与え、機械加工速度および加工精度を向上させることを提供すること。
【解決手段】超音波振動テーブル8は、アルミ製のテーブル9、フロントマスがステンレス材料であるSUS303である9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1そしてベース台10で構成されている。アルミ製のテーブル9と9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1は、ネジまたはエポキシ樹脂などで接合する。9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1のサポート台とステンレスSUS303製のベース台10はネジで接合する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス、セラミック、シリコーン、チタン、超硬金属などの難切削材料および一般の金属材料、有機材料、無機材料およびそれらを複合化した材料の切断、研削及び研磨加工に用いられる超音波振動テーブルに関するものである。
一般に、ガラス、セラミック、シリコーン、チタン、超硬金属などの硬度が高い脆性材料を切断、研削等の加工を施すことは、非常に困難であり従来から工具に超音波振動を加え加工することが行われている。このような超音波切削加工は、切削抵抗が低減するため、切削ツールの摩擦熱が少なく加工面の熱歪が少なくなり、切削ツールの寿命が長くなると共に、加工精度の向上につながってくる。なお超音波切削加工について「超音波便覧」(丸善株式会社、平成11年発行)679〜684ページに詳しく記載されている。
また、ワークを固定するテーブルに振動を与え、これをワークに伝播させ、振動切削加工を行うことが従来よりよく知られていることである。例えば、図12に示す特開2002−355726号公報の超音波振動テーブルは、工作機械のベッドに取り付けられ加工されるワークを固定可能にするテーブル装置であり、その概略の構成は以下の通りである。
まず、振動を発生する超音波振動子がある。そしてその超音波振動を増幅し、振動テーブルに伝達するためのアルミニム製の伝達ホーンがある。この伝達ホーンは超音波振動子と接する面は超音波振動子と同じ直径であるが外フランジより上部ではそれよりも直径は小さくなっている。そして、ケーシングの内フランジに外フランジをゴム板を挟んだ状態でボルト部材によって締結固定されている。
また、振動テーブルの下部から下方に突き出し、ケーシングの外側に形成された案内用凹部に挿入されて振動テーブルの横移動を制限しながら上下方向に案内するガイド部材を有している。
さらに別の方式として図13の平面図、図14の側面図に示す特開2003−220530号公報には、加工対象物(ワーク)を固定保持するテーブル9の下面に3個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1が固定され、テーブル9の下面が本体ケース11に接続されている構成の振動テーブルが開示されている。そしてこれらのボルト締めランジュバン型超音波振動子1によって円盤状のテーブル9の上側表面に仮固定された加工対象物に超音波振動を付与することにより、硬脆材料から形成された加工対象物の極微小径穴あけ加工や溝入れ加工が容易になるとされている。
しかしながら、超音波切削加工においては、工具が大型化した場合は、ワークと接触する工具の加工部分に均一な超音波振動を与えることが非常に難しい。
また、工具が小型化した場合、超音波振動を与える装置も小型化しなければならない。超音波振動装置が小型化すればするほど工具に与えられる振動エネルギーは小さくなってしまう。このため、工具が小型であるときは、超音波切削加工能力は小さくなってしまう欠点がある。
一方、上記の超音波振動テーブルは、工具の形状と関係なく振動させることができる。しかし、図12に示す特開2002−355726号公報の超音波振動テーブルは、1個の超音波振動子の超音波放射面の面積がテーブルの面積に比較して小さいため図15に示すようにテーブル全体には均一に振動変位が得られないという欠点がある。図15の一点ぺ
鎖線は振動していないときのテーブルの中心線を示す。そして二点鎖線はテーブルが振動しているときの振幅幅を示している。
また、伝達ホーンにより超音波振動子の振動変位を増幅しているが、テーブルの15KHz以上の超音波振動においてはその振幅量は10ミクロン以下でよい。そのような時は増幅するための伝達ホーンは不要である。そして、振動変位を増幅度と逆比例的にテーブルあるいはワークの重量により超音波振動テーブルの振動が大きく影響されるという問題点がある。
さらに振動するテーブルと本来振動してはならないケーシングがガイド部材を通して接続するため、テーブルの振動が抑制され、ケーシングまたはベースに振動が漏れる。このため同じ振動変位をテーブルが持っためにより多くの電力を投入しなければならないため発熱の問題が生じる。そして超音波振動テーブルを取り付けた加工装置に不要な振動が伝達してしまい加工装置の性能を低下させてしまうという問題点もある。
図13、図14に示す特開2003−220530号公報の超音波振動テーブルは、テーブルの下面の外周部が本体ケースに接続されているため、特開2002−355726号公報の超音波振動テーブルと同様に振動するテーブルと本来振動してはならない本体ケースが固着しているため、テーブルの振動が抑制され、本体ケースまたはベースに振動が漏れる。このため同じ振動変位をテーブルが持っためにより多くの電力を投入しなければならないため発熱の問題が生じる。そして超音波振動テーブルを取り付けた加工装置に不要な振動が伝達してしまい加工装置の性能を低下させてしまうという問題点もある。
また、テーブルにだけ3個のボルト締めランジュバン型超音波振動子が固定されている。このため、図16に示すように本体ケースとの固着部が節となりテーブルの中央部が振動の腹となる、いわば太鼓の振動モードとほぼ同じようになる。なお、一点鎖線は振動していないときのテーブルの中心線を示す。そして二点鎖線はテーブルが振動しているときの振幅幅を示している。
したがって、テーブルの中で大きな振動変位の差が出現するので、場所により、超音波加工の効果が発揮できないという問題点がある。
さらに、この構成においてテーブルあるいは機械的負荷であるワークの重量が大きくなると、テーブルあるいはワークが振動の節に、そしてテーブル側と反対のボルト締めランジュバン型超音波振動子の面が振動の腹に近い状態になる。つまり、テーブルあるいはワークの重量により、テーブルの振幅量が大きく変化するという問題点がある。
また、複数の超音波振動子を持つ超音波振動テーブルにおいて、個々の超音波振動子の固有振動数が異なるため、個々の超音波振動子に最適な周波数の交流電源を印加することができないため効率の低い駆動をしているという問題点もある。
本発明の目的は上述の問題点を解消する超音波振動テーブルを提供することにある。
工作機械に取り付けられ加工されるワークを固定保持するテーブル装置において、1個以上の超音波振動子を有し、超音波振動をテーブルに付与する超音波振動テーブル装置において、テーブルが超音波振動子のみと接続されていることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
工作機械に取り付けられ加工されるワークを固定保持するテーブル装置において、1個以上の超音波振動子を有し、かつ前記超音波振動子がボルト締めランジュバン型超音波振動子であり、その圧電素子の近傍で支持するサポート台を持ち、かつこのサポート台がベース台に接続されていることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
工作機械に取り付けられ加工されるワークを固定保持するテーブル装置において、1個以上の超音波振動子を有し、かつ前記超音波振動子がボルト締めランジュバン型振動子であり、そのフロントマスの材料の密度が5000kg/m以上であることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
そしてボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの重量がリアマスの重量の2倍以上であることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
また、ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの超音波放射面の面積が圧電素子の外形が作る面積の1.2倍以上であることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
さらにボルト締めランジュバン型超音波振動子の圧電素子が圧電セラミックであり、かつその機械的品質係数が500以下であることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
また、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度が250以下かつ50以上である超音波振動テーブル装置とするものである。
さらにボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの材料とテーブル材料の材料が異なることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
また、ボルト締めランジュバン型振動子のフロントマスの材料の密度がテーブル材料の密度より大きいことを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
さらにボルト締めランジュバン型超音波振動子の重量がテーブルの重量の1.3倍以上であることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
また、複数のボルト締めランジュバン型超音波振動子を有する振動テーブルにおいて、前記ボルト締めランジュバン型超音波振動子と同数の駆動電源を有していることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
さらに前記駆動電源がそれぞれのボルト締めランジュバン型超音波振動子に同一位相の交流電圧を印加することを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
また、それぞれのボルト締めランジュバン型超音波振動子に印加する交流電圧の大きさを調整することを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
さらに駆動電源がそれぞれのボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振周波数にほぼ等しい交流電圧を印加することを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
また、ボルト締めランジュバン型超音波振動子と同数の駆動電源のなかで駆動電源の数より少ない数の駆動電源を動作させることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
さらにボルト締めランジュバン型振動子に印加する交流電圧の周波数が15Khz以上、100Khz以下であることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
また、テーブルが複数に分割され、かつ分割されたテーブル間に有機材料があることを特徴とする超音波振動テーブル装置とするものである。
テーブルに冷却するための流体は流れる穴があることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
本発明の超音波振動テーブルは、テーブル表面にほぼ均一の大きさの超音波振動が励起できるので、この面に保持固定されるワークにも場所によらず、ほぼ均一の大きさの超音波振動が伝播する。その結果、テーブルに保持固定されるワークの位置及びワークの大きさにほぼ影響を受けることなく、前記保持固定されたワークの加工速度の向上と難加工材料の加工および加工精度の向上が可能となる。
本発明を、添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の超音波振動テーブルに用いるボルト締めランジュバン型超音波振動子を示す平面図であり、そして図2はその側面図である。
ボルト締めランジュバン型超音波振動子については、「超音波工学」(丸善株式会社コロナ社、1993年発行)12〜22ページに詳しく記載されている。
一般的なボルト締めランジュバン型超音波振動子1の構成を図17の平面図および図17のA−A線で切断した側面断面図を図18に示す。電極板5の両側に圧電セラミック4を配置し、その外側にフロントマス2とリアマス3を配置し、これらをボルト6とナット15で締め付けて一体化した振動子をボルト締めランジュバン型超音波振動子1と呼んでいる。出力側のフロントマス2には連結ねじが設けてある。このボルト締めランジュバン型超音波振動子は、ある周波数の交番電界が圧電セラミックに加わることによって生ずる振動が機械的接合面を通して金属ブロック(フロントマスとリアマス)を含めた範囲で定在波を発生したとき、機械的共振を起こす。
なお、一般的に金属ブロック(フロントマスとリアマス)は密度が5000kg/m以下のチタン合金、ジュラルミン、アルミニウムで機械的品質係数Qが3000を超える高い数値の材料が用いられている。
図1及び図2に示すボルト締めランジュバン型超音波振動子1は、超音波振動テーブル用に設計および製作したものであり、フロントマス2に密度が約7900kg/mのステンレス材料であるSUS303を使用している。フロントマス2の超音波放射面の形状は1辺が53.7mmの正方形であり、その面積は約28.8cmである。また、フロントマス2の超音波放射面にはテーブルを接合するためのメネジが設けられている。フロントマス2の超音波放射面と反対側の面にもメネジが設けられている。そしてその重量は約712グラムである。
また、振動の節を支持するためとベース台に取り付けるためのステンレスSUS303製のサポート台7がある。サポート台7の形状は、円筒形をしている。圧電素子はPZT系圧電セラミック4であり、形状は外径36mmφ、内径16mmφそして厚さ5mmであり、重量は約32グラムである。機械的品質係数Qが1000を超えるhighQ材である。リアマス3もステンレス材料であるSUS303である。そしてリアマス3の重量は約184グラムである。また、2個の圧電セラミック4の間にある電極板5はリン青銅製である。形状は外径36mmφ、内径14.5mmφそして厚さ0.25mmであり、重量は約2グラムである。さらに、これらを締め付け一体化するためのボルト6は同じくステンレス製であり、SUS303であり、その重量は約56グラムであった。
そして、ボルト6により各部品を締め付けることにより組み立てられたボルト締めランジュバン型超音波振動子1の機械的共振の尖鋭度は約200であった。チタン合金、ジュラルミン、アルミニウムをフロントマスあるいはリアマスに用いた一般的なボルト締めランジュバン型超音波振動子1の機械的共振の尖鋭度は500以上であり、一般的なものに比較すると半分以下の数値になっている。
これは、フロントマスおよびリアマスの材料とその形状が大きく影響されているものと考えられる。
フロントマス2の重量は約712グラムであり、リアマス3の重量は約184グラムであるのでフロントマス2の重量はリアマス3の重量に比較して約3.9倍であった。また、フロントマスの重量はリアマス3およびボルトの合計重量に比較しても約3.0倍であった。また、圧電セラミック4、サポート台7および電極板5も含めたボルト締めランジュバン型超音波振動子1の重量は約1247グラムである。
圧電素子の外径は36mmφであり、その外径の作る面積は約10.2cmであり、フロントマス2の超音波放射面の面積が約28.8cmであるので、圧電素子の外径の作る面積に対してフロントマス2の超音波放射面の面積は約2.8倍である。
ボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度の測定方法は、EIAJAE−4006「ボルト締めランジュバン型超音波振動子の振動特性の測定法」(社団法人日本電子機械工業会、1992年発行)に詳しく記載されている。
ボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振時の変位は、機械的共振の尖鋭度に比例する。したがって、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度が小さいときは、共振時の変位の小さい。しかし、機械的負荷が加わって、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度が変化しても、機械的負荷が無い時の機械的共振の尖鋭度との差は、機械的共振の尖鋭度の高いボルト締めランジュバン型超音波振動子に比較して小さい。つまり、機械的負荷に対しては安定する。
超音波振動子の機械的共振の尖鋭度と振動変位の関係については、たとえば「やさしい超音波工学」(株式会社 工業調査会、1998年発行)35ページに記載されている。
超音波振動テーブルは、ワークの重量およびワークを固定する装置の重量が一定ではないため、機械的負荷に敏感な機械的共振の尖鋭度が大きいボルト締めランジュバン型超音波振動子は不適である。つまり、機械的負荷が変化したときには大きく振動状態が変化してしまう。
これに対して機械的共振の尖鋭度が小さいボルト締めランジュバン型超音波振動子は、機械的負荷がないときとあるときの変化が小さいため、ワークの重量およびワークを固定する装置の重量が一定ではないときでも振動状態は大きくは変化しない。
しかし、50未満の機械的共振の尖鋭度では、振動変位量が不足し、かつ発熱も大きくなる。
したがって、超音波振動テーブルには機械的共振の尖鋭度が50以上250以下のボルト締めランジュバン型超音波振動子が適している。
そして機械的共振の尖鋭度が50以上250以下のボルト締めランジュバン型超音波振動子を構成するには、具体的な手段として以下の4点がある。
(1)フロントマスの重量をリアマスの重量に比較して2倍以上にする。
(2)フロントマスの材料を密度が5000kg/m以上ものにする。かつ、望ましくはフロントマスの材料の機械的品質係数Qが3000以下の金属が望ましい。このような金属材料は、Fe、NiまたはCo元素を含んでいる。
なお、金属材料の超音波振動時の機械的品質係数Qについては、「超音波技術便覧」(日刊工業新聞社、昭和60年発行)1647、1648、1885ページに詳しく記載されている。
(3)フロントマスの超音波放射面の面積を圧電素子の外径の作る面積に対して1.2倍以上にする。
(4)ボルト締めランジュバン型超音波振動子の圧電素子が圧電セラミックであり、かつその機械的品質係数が500以下にする。
本発明の図1、図2で示した構成は、(1)、(2),(3)の条件を満たしている。さらに(4)の圧電セラミックの機械的品質係数を500以下にすれば、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度は200以下になり超音波振動テーブル用のボルト締めランジュバン型超音波振動子としては適したものになる。
ただ、圧電セラミックの機械的品質係数を500以下した場合、テーブルの温度が問題になる場合もあるので、その対策も必要である。
図3は、上述した超音波振動テーブル8に適したボルト締めランジュバン型超音波振動子1を用いた本発明の超音波振動テーブル8の一例を示す平面図であり、そして図4はその側面図である。アルミ製のテーブル9の形状は一辺が約158mmの正方形の板状でありその板厚は10mmである。そしてその重量は約630グラムである。テーブル9にはボルト締めランジュバン型超音波振動子1と接合する穴、そしてワークまたはワークを固定する固定板をテーブルに固定するための固定具を取り付けるメネジが設けられている。9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1は図1、2に示したものである。ベース台10の概略の形状は正方形板であり、正方形の一辺は約200mm、厚さ15mmである。ベース台の材料はSUS303であり、その重量は約4.6kgである。ベース台10にはボルト締めランジュバン型超音波振動子1のサポート台7と接合するメネジ、そして加工装置に取り付けるための穴が四隅付近に設けられている。
超音波振動テーブル8の組み立ては、以下のようにする。まず9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1のサポート台7とベース台10はネジで接合する。次にアルミ製のテーブル9と9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス2をネジで接合する。この際、合わせてエポキシ樹脂で接合してもよい。
次にこの超音波振動テーブル8の動作例について説明する。図6は図3、図4に示した超音波振動テーブル8のテーブル、固定具、固定板およびワークだけを示す平面図、そして、図7はその側面図である。これ以外は図面の都合上図示することを省略した。
ダイサーにこの超音波振動テーブル8を取り付ける。そして切削すべきセラッミク製のワーク12を固定するカーボン製の固定板13にワックスで仮接合する。カーボン板はワークとともに切断されるが、それより下の位置の部材にはダメージを与えないために使用される。さらにワーク12を取り付けたカーボン製の固定板13を固定具14にワックスを用いて仮接合する。なお、テーブルにワークを含む固定板を保持固定するには、ワックスによる接着、テーブルにネジ等により固定する、磁気的に固定する、静電的に固定する、冷凍して固定するなどの方法がある。
次に、9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1に図8の駆動装置より約20Khzの交流電圧を印加する。これにより9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1は超音波振動する。
図8の駆動装置は、2個以上のボルト締めランジュバン型超音波振動子1のそれぞれに各ボルト締めランジュバン型超音波振動子の固有振動数に対応する周波数の正弦波電圧を印加する。
図8の駆動装置は、個々のボルト締めランジュバン型超音波振動子1を駆動する9個の駆動装置ユニット16から構成されている。図8には、9個の駆動装置ユニットのうち、2個の駆動装置ユニット16a、16bのみを記入した。9個の駆動装置ユニットは、それぞれ同一の構成のものが用いられている。また、一点鎖線は周波数制御ブロックを表し、二点鎖線は電力制御ブロックを表している。
駆動装置ユニット16は、超音波振動テーブル9が備える9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子のうちの一つのボルト締めランジュバン型超音波振動子に、このボルト締めランジュバン型超音波振動子に対応する周波数の交流電圧を印加する。
図8に示すPLL(Phase−locked−loop)回路は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子1の固有振動数に対応する周波数の矩形波電圧を発生させる。この矩形波電圧は、ドライバー回路にて電力増幅されたのち、整合回路にて電気力率の改善が行われ、ボルト締めランジュバン型超音波振動子に正弦波電圧として印加される。
整合回路とボルト締めランジュバン型超音波振動子との間に備えられた電圧/電流検出回路は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子に付与される交流電圧、交流電流、およびこれらの位相を検出する。
電力制御部は、電圧/電流検出回路にて検出された交流電圧、交流電流、およびこれらの位相をもとにボルト締めランジュバン型超音波振動子に付与されている電力を算出する。そして、電力制御部は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子に所定の大きさの電力が付与されるように、算出した電力値をもとにドライバー回路の電力増幅率を制御する。
一方、位相回路は、電圧/電流検出回路から出力される、ボルト締めランジュバン型超音波振動子に流れる電流を電流電圧変換した信号を入力し、周波数制御ブロックの制御周波数がボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振周波数になるように、その信号を位相シフトさせた後、パルス状の電圧に変換した電圧信号をPLL回路に出力する。
PLL回路は、位相回路が出力するパルス状の電圧と、PLL回路が出力する矩形波電圧との位相が一致するように、PLL回路が出力する矩形波電圧の周波数を制御する。このような制御により、上記のようにボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振周波数が、たとえば環境温度の変動によって僅かに変動した場合にも、ボルト締めランジュバン型超音波振動子に常にその共振周波数に対応する周波数の交流電圧を印加することができる。
図8の駆動装置を用いると、各々のボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振周波数が変動した場合であっても、各々の駆動装置ユニット16によって各々のボルト締めランジュバン型超音波振動子に常にその共振周波数に対応する周波数の交流電圧を印加することができる。このため、各々のボルト締めランジュバン型超音波振動子に振幅の大きな超音波振動を発揮させることができる。
なお、複数のボルト締めランジュバン型超音波振動子を駆動する際には、これらのボルト締めランジュバン型超音波振動子を電気的に並列に接続して、並列接続されたボルト締めランジュバン型超音波振動子に一台の駆動装置を用いて交流電圧が印加される。しかしながら、上記のようにボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振周波数は環境温度の変動に応じた周波数の交流電圧を印加することは困難である。このため、このような駆動装置を用いた場合には、各々のボルト締めランジュバン型超音波振動子を十分に超音波振動させることができず、振動テーブルが十分にその性能を発揮できない場合がある。
上記の駆動装置により超音波振動テーブルを動作させると、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の振動はアルミ製のテーブルを通してワークに伝播する。ワークに超音波振動が励起されると、超音波加工の効果によりダイサーの切断能力は大きく向上する。
切断効果の具体的な数値ではダイサーのスピンドル電流が約20パーセント低くなり、ブレードの消耗量は約40パーセント小さくなった。
これは「超音波便覧」(丸善株式会社、平成11年発行)679〜684ページに詳しく記載されている効果である。つまり、超音波切削加工は、切削抵抗が低減するため、切削ツールの摩擦熱が少なく加工面の熱歪が少なくなり、切削ツールの寿命が長くなることを証明している。
また、ダイサーの加工条件を変えても同様の効果が確認できた。さらに切断されたセラッミク製のワークのチッピングも大幅に減少した。このように加工精度の向上にもつながった。これについても「超音波便覧」(丸善株式会社、平成11年発行)679〜684ページに詳しく記載されている内容の効果が確認された。
最適な超音波振動テーブルを構成するには、上述したボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度の数値および駆動方法とボルト締めランジュバン型超音波振動子1の支持方法が同じように重要である。
超音波振動テーブルが安定して動作するためには、機械的共振の尖鋭度が小さいボルト締めランジュバン型超音波振動子を用いるのと同じく、機械的負荷が加わっても振動の節の位置が変化しないことが望まれる。これを実現する構成は図3、図4が示すようにボルト締めランジュバン型超音波振動子の振動の節をサポート台によりベース台に固定する必要がある。
また、振動の節の位置付近には圧電セラミックがあるようにすることが望ましい。なぜなら、圧電セラミックは引張り応力に対して金属材料に比較して弱い。そのため圧電セラミックは振動の節の近傍にあり常に圧縮応力が加わっている状態にしておく必要がある。
そのためにも図3、図4が示すようにボルト締めランジュバン型超音波振動子の振動の節をサポート台によりベース台に固定する必要がある。
さらに超音波振動テーブルの振動の節位置がボルト締めランジュバン型超音波振動子の節位置だけあることが望ましい。なぜなら他の位置に節があるとは圧電セラミックに引張り応力が作用してしまい圧電セラミックの破損の恐れがある。
そのための構成としては、図3、図4が示すようにボルト締めランジュバン型超音波振動子の節だけをベース台に固定する必要がある。
さらに図5(A)、(B)、(C)に超音波振動テーブル用に適したボルト締めランジュバン型超音波振動子を示す。(A)はサポート台7の上に圧電セラミックが位置している構成である。(B)はサポート台7の両側に圧電セラミックが位置している構成である。(C)はサポート台7の下に圧電セラミックが位置している構成である。(A)、(B)、(C)ともサポート台7に圧電セラミックが接していることが特徴である。
特開2002−355726号公報および特開2003−220530号公報のようにテーブルがベース台に接続されている構成は、テーブルが節になる可能性があるため望ましくない。
必要な構成は図3、図4が示すようにボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスにテーブルが接合されているだけで、他とは一切接続されていないことである。
また、超音波振動テーブルのテーブル面積がフロントマスの超音波放射面の面積に比較して2.5倍以上であるときは、テーブルの振動分布が悪くなってしまうのでこれを改善するために、2個以上のボルト締めランジュバン型超音波振動子を配置して、テーブル面積がフロントマスの超音波放射面の面積に対して1.5倍以下にすることが望ましい。
さらに、超音波振動テーブルのテーブル面積がフロントマスの超音波放射面の面積に比較して2.5倍以上であるときは、テーブルの自重およびワークなどの重量により撓む恐れがあり精密加工用のテーブルとしては不適になるという問題もある。
特開2003−220530号公報のようにテーブル下面にボルト締めランジュバン型超音波振動子が接合された構成は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の数が増えるほど中央部が撓んでしまう。このような構成では高精度のテーブル装置として不適である。
超音波振動テーブルのテーブル面積がフロントマスの超音波放射面の面積に比較して2.5倍以上であるときに必要な構成は、テーブル下面を支持する構成が望ましい。これに最適な構成は図3、図4が示すように2個以上のボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスにテーブル接合された構成である。当然ボルト締めランジュバン型超音波振動子の節部は、ベース台に接続固定する。
次にテーブルの材料、重量、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の材料および重量の影響を調査した。
まず約684グラムのアルミ製のテーブル9を同じ寸法で重量約2kgのステンレスSUS303製のテーブル9に取替え、ボルト締めランジュバン型超音波振動子1の振動をステンレス材SUS303製のテーブル9を通してワーク12に伝播させる試みをしたが、テーブル上面の振動の振幅量はアルミ製のテーブル9に比較して半分以下であった。この原因は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス材料の音響インピーダンスとテーブル材料の音響インピーダンスが等しいかまたは近いと状態になるとボルト締めランジュバン型超音波振動子1とテーブル9が一体の構造物として振動してしまうため所望のテーブルの縦振動が得られないためか、またはテーブルの重量が一個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1の重量と比較して大きいためと考えられる。したがって、テーブルの材料はボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス材料と異なり、かつ負荷として小さいことが望ましいので密度が5000kg/m未満であることが望ましい。
ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマス材料の音響インピーダンスとテーブル材料の音響インピーダンスの影響を調査するために、重量約2kgのステンレス材SUS303製のテーブル9のボルト締めランジュバン型超音波振動子と接する面に1mm厚の炭素繊維複合材料をエポキシ樹脂で接合した。
これをボルト締めランジュバン型超音波振動子1にネジで接合し超音波振動テーブルを構成した。この結果、炭素繊維複合材料を用いないものに比較してテーブル上面の振動の振幅量は大きくなった。この結果から、ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマス材料の音響インピーダンスとテーブル材料の音響インピーダンスが等しいかまたは近いと状態になるとボルト締めランジュバン型超音波振動子とテーブルが一体の構造物として振動してしまうため所望のテーブルの縦振動が得られないという推論が正しいことがわかる。
また、ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスとテーブルの間に音響インピーダンスの異なる材料を配置することによりこの問題は改善できることが明らかになった。
また、図1及び図2に示すボルト締めランジュバン型超音波振動子1と同じ形状でフロントマス2をアルミとした。このアルミ製のフロントマスの重量は約243グラムである。そしてボルト締めランジュバン型超音波振動子1の重量は約778グラムになった。
このボルト締めランジュバン型超音波振動子1のアルミ製のフロントマス部の振動変位量はSUS303製のフロントマス部を持ったものに比較して大きいものになった。しかし、これにアルミ製のテーブル9を取り付けたもの、SUS303製のテーブル9を取り付けたものの双方ともテーブル上面の振動は、図3、図4で示した構成に比較して半分以下になった。
この原因の一つは、アルミ製のテーブル9を用いたときはボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス材料の音響インピーダンスとテーブル材料の音響インピーダンスが等しいかまたは近いと状態になるとボルト締めランジュバン型超音波振動子とテーブル9が一体の構造物として振動してしまうため所望のテーブルの縦振動が得られないためと考えられる。
これを確認するために、ボルト締めランジュバン型超音波振動子のアルミ製フロントマス2の超音波放射面に1mm厚の炭素繊維複合材料をエポキシ樹脂で接合した。
次にこれにアルミ製テーブル9をねじで締め付けボルト締めランジュバン型超音波振動子1と接合した。そして、駆動した結果、炭素繊維複合材料を用いないものに比較してテーブル上面の振動の振幅量は大きくなった。この結果から、ボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス材料の音響インピーダンスとテーブル材料の音響インピーダンスが等しいかまたは近いと状態になるとボルト締めランジュバン型超音波振動子とテーブルが一体の構造物として振動してしまうため所望のテーブルの縦振動が得られないという推論が正しいことがわかる。
また、ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスとテーブルの間に音響インピーダンスの異なる材料を配置することによりこの問題は改善できることが明らかになった。
同様にSUS303製のテーブル9をアルミ製のフロントマスを持つボルト締めランジュバン型超音波振動子に取り付けテーブルの振動変位量を測定したが、やはり振動変位量は最適な条件に比較して半分以下の大きさであった。
SUS303製のテーブル9は約2kgであり、1個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1の重量は約778グラムであり、1個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1としては、自重より大きい負荷になり、テーブル9が振動の節に近い状態になる。つまり、テーブル材料は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス2より密度が小さくなることが望ましい。
次にテーブル9とボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス材料の音響インピーダンスの関係を調査した。
これを確認するために、ボルト締めランジュバン型超音波振動子のアルミ製フロントマスの超音波放射面に1mm厚の炭素繊維複合材料をエポキシ樹脂で接合した。
次にこれにSUS303製テーブルをねじで締め付けボルト締めランジュバン型超音波振動子と接合した。そして、駆動した結果、炭素繊維複合材料を用いないものに比較してテーブル上面の振動の振幅量は大きくなった。この結果から、ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスとテーブルの間に音響インピーダンスの異なる材料を配置することによりこの問題は改善できることが明らかになった。
さらに図1及び図2に示すボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスをSUS303製の円筒形でその外径が圧電セラミックと同じ36mmであり、重量が313グラムのものに変更した。その結果、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の重量は約850グラムになった。また機械的共振の尖鋭度は、9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子の平均値で約270であった。
このようにフロントマスの重量を小さくしたものは変更前の図1、図2に示すランジュバン型超音波振動子に比較してランジュバン型超音波振動子のフロントマスの振動面の振動変位は大きいものであった。しかし、アルミ製のテーブル9を取り付けテーブルの振動を測定したところ図1、図2の構成に比較して半分以下であった。また、SUS303製のテーブルを取り付けテーブル上の振動を測定したところ図1、図2の構成に比較して同じく半分以下であった。
この原因の一つは、アルミ製のテーブル9の重量は約630グラムであり、1個のボルト締めランジュバン型超音波振動子1の重量は848グラムであり、アルミ製のテーブルに対して1個のボルト締めランジュバン型超音波振動子の重量は、約1.3倍であり、やや大きい負荷になり、テーブルが振動の節に近い状態になる。
また、別の原因はボルト締めランジュバン型超音波振動子1の機械的共振の尖鋭度が約270であり、図1、図2に示した構成のボルト締めランジュバン型超音波振動子に比較して機械的共振の尖鋭度が大きく、機械的負荷により振動変位量が大きく変化するためとも考えられる。
またSUS303製のテーブル9を用いたときはボルト締めランジュバン型超音波振動子1のフロントマス材料の音響インピーダンスとテーブル材料の音響インピーダンスが等しいかまたは近いと状態になるとボルト締めランジュバン型超音波振動子とテーブルが一体の構造物として振動してしまうため所望のテーブルの縦振動が得られないためと考えられる。
そして、1個のボルト締めランジュバン型超音波振動子の重量は848グラムであり、SUS303製のテーブルは約2kgであるので、1個のボルト締めランジュバン型超音波振動子に対してSUS304製のテーブルの重量は約2.4倍であり、大きい負荷になり、テーブルが振動の節に近い状態になると考えられる。
以上の結果から超音波振動テーブルが正常に動作する条件としては、
1)ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの重量をリアマスの重量に比較して2倍以上にする。
2)ボルト締めランジュバン型超音波振動子フロントマスの材料を密度が5000kg/m以上ものにする。かつ、望ましくはフロントマスの材料の機械的品質係数Qが3000以下の金属が望ましい。
3)ボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度が250以下50以上であること。
4)ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの材料とテーブル材料の材料が異なること。
5)ボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの材料の密度がテーブル材料の密度より大きいこと。
6)ボルト締めランジュバン型超音波振動子の重量がテーブル材料の重量の1.3倍以上であること。
となる。以上の1)から6)の条件を満足する超音波振動テーブルを構成することが必要である。
なお、テーブル材料は、密度が低く音響インピーダンスがステンレスまたはアルミなどの金属材料と大きく異なることが望ましい。さらに、強度も大きいことが要求される。
この要求にこたえるテーブル材料としては炭素繊維複合材料があり、その密度は約1500kg/mで、音速は約3000m/sである。この材料を用いたテーブルを用いれば、さらにテーブルの振動変位が大きくなる。
また、テーブルは、均一に縦振動することが望ましいが一体の構造物であると曲げ振動成分が励起されやすい。したがって、図9に示すようにテーブルを分割し、分割されたテーブルの間をシリコン樹脂17などの有機材料で充填する構成にすることにより均一に縦振動を励起する構造体とすることができる。
さらにテーブルの温度が変化すると、ワークの温度も変化する。そのため、精密加工にはテーブルの温度変化は望ましくない。そこで、図10に示すようにテーブルに冷却流体が通る貫通穴を設け、テーブルの温度を制御する構成が望ましい。
複数のボルト締めランジュバン型超音波振動子持つ超音波振動テーブルは、テーブルの材料またはその構造にもよるが、図8に示す個々のボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振周波数で駆動する方法では、テーブルに不要な振動を発生させることがある。
この対策として、テーブルにピストン振動を励起させるために複数のボルト締めランジュバン型超音波振動子に同一位相で、振動変位がほぼ等しい振動を励起できる駆動電源が望まれる。
その構成として図11の駆動装置がある。また、一点鎖線は周波数制御ブロックを表し、二点鎖線は電力制御ブロックを表している。
図11の駆動装置は、例えば図1、図2に示す超音波振動テーブル9を駆動するとしたら、個々のボルト締めランジュバン型超音波振動子を駆動する9個の駆動装置ユニット16から構成されている。図には、9個の駆動装置ユニットのうち、3個のみを記入した。3個の駆動装置ユニットは、それぞれ同一の構成のものが用いられている。
駆動装置ユニットは、超音波振動テーブル9が備える9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子のうちの一つのボルト締めランジュバン型超音波振動子に、このボルト締めランジュバン型超音波振動子に対応する周波数の交流電圧を印加する。そして、他のボルト締めランジュバン型超音波振動子にもこの周波数の交流電圧を印加する。
そして、9個のボルト締めランジュバン型超音波振動子に同一の周波数の交流電圧を印加する一方、電圧の大きさはテーブルの振動変位を調節するために個々のボルト締めランジュバン型超音波振動子に印加する電圧の大きさは個別に設定する。
さらに、電力を節減するために駆動装置ユニット中から加工している位置付近だけのボルト締めランジュバン型超音波振動子だけに電力を供給することもできる。このときに使用するテーブル9は図9に示す分割したテーブル9が適している。
なお超音波振動テーブルは、振動数が15KHz以下になってしまうと騒音が大きくなってしまい、100KHzを超えるランジュバン型の超音波振動子の振動振幅は小さく振動テーブルの振動源としては適さない。
したがって、超音波振動テーブルは、ボルト締めランジュバン型超音波振動子に印加する交流電圧の周波数が15Khz以上、100Khz以下であることが望ましい。
本発明の超音波振動テーブルは、機械加工設備などにおいて使用される加工テーブルとして用いることができる。
本発明の超音波振動テーブルに用いるボルト締めランジュバン型超音波振動子の平面図である。 本発明の超音波振動テーブルに用いるボルト締めランジュバン型超音波振動子の側面図である。 本発明の超音波振動テーブルの構成を示す平面図である。 本発明の超音波振動テーブルの構成を示す側面図である。 ボルト締めランジュバン型超音波振動子の支持部を示す側面図である。 テーブルにワーク、固定板および固定具を取り付けた平面図である。 テーブルにワーク、固定板および固定具を取り付けた側面図である。 図1の超音波振動テーブルに用いるボルト締めランジュバン型超音波振動子の駆動装置の一例を示す電気回路ブロック図である。 分割したテーブルを示す斜視図である。 温度制御できるテーブルを示す斜視図である。 図1の超音波振動テーブルに用いるボルト締めランジュバン型超音波振動子の駆動装置の別の一例を示す電気回路ブロック図である。 従来の超音波振動テーブルの側面図である。 従来の別の超音波振動テーブルの平面図である。 従来の別の超音波振動テーブルの側面図である。 従来の超音波振動テーブルのテーブル面の振動変位を示す図である。 従来の別の超音波振動テーブルのテーブル面の振動変位を示す図である。 従来のボルト締めランジュバン型超音波振動子の平面図である。 従来のボルト締めランジュバン型超音波振動子の側面断面図である。
符号の説明
1 ボルト締めランジュバン型超音波振動子
2 フロントマス
3 リアマス
4 圧電セラミック
5 電極板
6 ボルト
7 サポート台
8 超音波振動テーブル
9 テーブル
10 ベース台
11 本体ケース
12 ワーク
13 固定板
14 固定具
15 ナット
16 駆動ユニット
17 シリコン樹脂
18 貫通穴

Claims (18)

  1. 工作機械に取り付けられ加工されるワークを固定保持するテーブル装置において、1個以上の超音波振動子を有し、超音波振動をテーブルに付与する超音波振動テーブル装置において、テーブルが超音波振動子のみと接続されていることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  2. 工作機械に取り付けられ加工されるワークを固定保持するテーブル装置において、1個以上の超音波振動子を有し、かつ前記超音波振動子がボルト締めランジュバン型超音波振動子であり、その圧電素子の近傍で支持するサポート台を持ち、かつこのサポート台がベース台に接続されていることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  3. 工作機械に取り付けられ加工されるワークを固定保持するテーブル装置において、1個以上の超音波振動子を有し、かつ前記超音波振動子がボルト締めランジュバン型振動子であり、そのフロントマスの材料の密度が5000kg/m以上であることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  4. 前記のボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの重量がリアマスの重量の2倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の超音波振動テーブル装置。
  5. 前記のボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの超音波放射面の面積が圧電素子の外形が作る面積の1.2倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の超音波振動テーブル装置。
  6. ボルト締めランジュバン型超音波振動子の圧電素子が圧電セラミックであり、かつその機械的品質係数が500以下であることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  7. ボルト締めランジュバン型超音波振動子の機械的共振の尖鋭度が250以下50以上であることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  8. 前記のボルト締めランジュバン型超音波振動子のフロントマスの材料とテーブル材料の材料が異なることを特徴とする請求項2に記載の超音波振動テーブル装置。
  9. ボルト締めランジュバン型振動子のフロントマスの材料の密度がテーブル材料の密度より大きいことを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  10. ボルト締めランジュバン型超音波振動子の重量がテーブルの重量の1.3倍以上であることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  11. 複数のボルト締めランジュバン型超音波振動子を有する振動テーブルにおいて、前記ボルト締めランジュバン型超音波振動子と同数の駆動電源を有していることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  12. 前記駆動電源がそれぞれのボルト締めランジュバン型超音波振動子に同一位相の交流電圧を印加することを特徴とする請求項11に記載の超音波振動テーブル装置。
  13. それぞれのボルト締めランジュバン型超音波振動子に印加する交流電圧の大きさを調整することを特徴とする請求項11に記載の超音波振動テーブル装置。
  14. 前記駆動電源がそれぞれのボルト締めランジュバン型超音波振動子の共振周波数にほぼ等しい交流電圧を印加することを特徴とする請求項11に記載の超音波振動テーブル装置。
  15. 前記ボルト締めランジュバン型超音波振動子と同数の駆動電源のなかで駆動電源の数より少ない数の駆動電源を動作させることを特徴とする請求項11に記載の超音波振動テーブル装置。
  16. 前記のボルト締めランジュバン型振動子に印加する交流電圧の周波数が15Khz以上、100Khz以下であることを特徴とする請求項2から請求項15に記載の超音波振動テーブル装置。
  17. テーブルが複数に分割され、かつ分割されたテーブル間に有機材料があることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
  18. テーブルに冷却するための流体は流れる穴があることを特徴とする超音波振動テーブル装置。
JP2004306199A 2004-09-21 2004-09-21 超音波振動テーブル Withdrawn JP2006088135A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004306199A JP2006088135A (ja) 2004-09-21 2004-09-21 超音波振動テーブル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004306199A JP2006088135A (ja) 2004-09-21 2004-09-21 超音波振動テーブル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006088135A true JP2006088135A (ja) 2006-04-06

Family

ID=36229610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004306199A Withdrawn JP2006088135A (ja) 2004-09-21 2004-09-21 超音波振動テーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006088135A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108466069A (zh) * 2018-05-21 2018-08-31 深圳市瑞德森智能设备有限责任公司 工作台及机械加工机床
CN109227152A (zh) * 2018-11-01 2019-01-18 天津科技大学 一种用于精密超声加工的二维振动台
CN115289751A (zh) * 2022-08-15 2022-11-04 珠海格力电器股份有限公司 一种超声辅助冷冻设备、冰箱和控制方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108466069A (zh) * 2018-05-21 2018-08-31 深圳市瑞德森智能设备有限责任公司 工作台及机械加工机床
CN109227152A (zh) * 2018-11-01 2019-01-18 天津科技大学 一种用于精密超声加工的二维振动台
CN115289751A (zh) * 2022-08-15 2022-11-04 珠海格力电器股份有限公司 一种超声辅助冷冻设备、冰箱和控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5020962B2 (ja) 円盤状の切削工具及び切削装置
JP6397807B2 (ja) 超音波複合振動溶接方法
JP2006212619A (ja) 超音波加工装置
JP2007125867A (ja) 円盤状ブレード及び切断装置
Ide et al. A low-profile design for the noncontact ultrasonically levitated stage
JPWO2014017460A1 (ja) 工具を備えた超音波振動体の支持構造
JP6673961B2 (ja) 超音波複合振動加工装置
WO2017082350A1 (ja) ランジュバン型超音波振動子の縦・ねじり振動の励起方法
JP6585217B2 (ja) 複合曲げ振動検出方法
JP2006205140A (ja) 超音波加工装置
JP2006198758A (ja) 超音波振動テーブル
JP2006088135A (ja) 超音波振動テーブル
JP2007237388A (ja) 切削装置
JPH07164217A (ja) 超音波振動切削工具及び超音波振動切削加工装置
JP2020028873A (ja) ランジュバン型超音波振動子とその支持方法
JP6821187B2 (ja) ランジュバン型超音波振動子の支持構造体
JP2007152539A (ja) 超音波加工装置
JP2008212916A (ja) 超音波複合振動装置
JP2006156481A (ja) 超音波振動切削装置
JPS6015527A (ja) 超音波振動検出装置
JP2007313630A (ja) 制振テーブル
JP2006150329A (ja) 超音波振動テーブル
JP2006062069A (ja) 超音波振動テーブル
JP2018192467A (ja) ランジュバン型超音波振動子とその支持方法とその超音波応用加工法
WO2005044509A1 (ja) 振動テーブル

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071204