JP2018192467A - ランジュバン型超音波振動子とその支持方法とその超音波応用加工法 - Google Patents

ランジュバン型超音波振動子とその支持方法とその超音波応用加工法 Download PDF

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Abstract

【課題】ランジュバン型超音波振動子の支持剛性を大きくして支持精度を高めるとともにランジュバン型超音波振動子の中心軸方向に振動の大きさと振動方向の精度を高めることにより精密加工に適する超音波加工方法を提供する。【解決手段】ランジュバン超音波振動子1を支持するために鋼製(S45C)のハウジング10の下端部の外側にリング状突起部26を設け、ハウジング10の下端部の内側に鋼製(S45C)のフランジ8と嵌合するためのテーパー部を設ける。そして、フランジ8とハウジング10をテーパー嵌合して、鋼製(S45C)のリング状オネジ11を締付けることにより、ランジュバン型超音波振動子1をハウジング10に支持固定した。【選択図】図5

Description

本発明は、ランジュバン型超音波振動子とその支持方法とその超音波応用加工法に関する。
圧電素子を超音波発生源として利用する超音波振動子は各種の構成のものが知られているが、その代表的な構成として、前方側金属ブロックと後方側金属ブロックの間に固定された圧電素子から構成されたランジュバン型超音波振動子が知られている。なかでも、圧電セラミックを前方側金属ブロックと後方側金属ブロックの間でボルトにより接続し、高圧で締付け固定した構造のボルト締めランジュバン型超音波振動子は高エネルギーの超音波振動が可能なため、各種材料の切削加工、塑性加工、砥粒加工などを行うための工具に付設して用いる超音波加工での利用が検討されている。
ボルト締めランジュバン型超音波振動子を含め各種の超音波振動子の構成は既に知られているが、念のため、代表的なボルト締めランジュバン型超音波振動子の構成の形態を添付の図1と図2を参照して以下に簡単に説明する。
図1は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子1の代表的な構造の例を示す図である。ボルト締めランジュバン型超音波振動子1は、前方側金属ブロック2と後方側金属ブロック3の間に、フランジ8そして圧電素子5a、5b、5c、5d(例:圧電セラミック板)を挟み、ボルト6を用いて前方側金属ブロック2、後方側金属ブロック3を互いに締付けた構造を有する。図1において、圧電素子5に記入されている矢印は分極方向を示す。なお、圧電素子5には、電気エネルギーを印加するための端子として利用する電極片(通常はリン青銅などの電極片を用いる)7a、7b、7c、7dが接続されている。
図2は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子の代表的な別の構造の例を示す図である。ボルト締めランジュバン型超音波振動子1は、まず前方側金属ブロック2とホーン4そしてフランジ8が一体で製作されている。そして、前方側金属ブロック2、後方側金属ブロック3の間に、圧電素子5a、5b(例:圧電セラミック板)、電極片7a、7bを挟み、ボルト6とナット9を用いて締付けた構造を有する。
図3は、ボルト締めランジュバン型超音波振動子を超音波振動源として用いる超音波研削加工装置(研磨機)の構成例を示す図である。図3において、超音波研削加工装置13は、ハウジング10内の下端部にホーン4を介して接続された研削具14を備えたランジュバン型超音波振動子1を収容し、このランジュバン型超音波振動子1を軸受により回転可能に支持されている。ランジュバン型超音波振動子1の回転は、サーボユニットに接続されたACスピンドルモータに駆動される。図3の装置では、ランジュバン型超音波振動子の超音波振動のための電気エネルギーは、外部に設けた電気エネルギー供給源15に接続しているカーボンブラシとスリップリングとから構成されている接触型給電装置を介して供給される。
ところで、超音波加工装置において各種工具に超音波振動を与えることにより期待される効果は、当該工具による切削抵抗の削減、加工速度の向上、加工精度の向上、そして耕具の長寿命化などである。しかし、これまでに製造され、実際の加工作業に使用されてきた超音波加工装置ではその期待された効果が充分に得られていない。このため現在の時点では超音波加工装置の普及はあまり進んでいない。従って、超音波加工の充分な普及を進めるためには、超音波加工作業の実施において超音波振動子の支持剛性と、支持位置の精度を高め、そして超音波振動の安定性の改良が必要であるとされている。
本発明の発明者は、これまでに超音波振動子の支持剛性の向上が期待できる超音波振動子の改良発明を案出し、特許出願を行ってきた。たとえば、それらの改良発明の内最近の発明は特許文献1に開示されている。
特許文献1には、工具と超音波振動体との振動複合体を高い安定性を以って支持、かつ超音波振動体において発生する超音波エネルギーの該複合体のフランジ(固定フランジ)への露出を低いレベルに抑制することによって、振動エネルギーの工具への高い効率での印加を可能にする支持構造として、工具を備えた超音波振動体にフランジを付設し、フランジの片側面を、別に用意した固定体の支持面に応力を掛けた状態で接触させることにより係合支持する支持構造(但し、超音波振動体のフランジは、固定体のフタンジ支持面には接合されてなく、また固定体の支持面に接触して係合支持された超音波振動体のフランジは、該超音波振動体が振動状態にある時にはフランジの厚み方向に超音波振動する構造とされる)が開示されている。
また、非特許文献1においては、振動系の支持について記述されている。そこには「振動子とホーンは一体に接合されているが加工のためにはどこかに固定せねばならぬ、支持方法については幾つかあるが、いずれもホーンまたは振動子の節部を利用して固定する方式をとっている。しかし、振動系の共振周波数は加工時に、常に変動しているのと工具端で加工によりエネルギーが消費されるため、節点部分も僅かながら振動する。したがって、支持方法を合理的にすることが本加工法の加工精度、能率を向上する大きな要素である。実際には振動子の冷却をも含めて種々の方式がとられている。」と記述されている。
国際公開 WO 2014/017460 AI 特開 2007−1005 特開平7−222468 特開 2006−142469 特開 2016−93855
実吉純一、「超音波技術便覧」、日刊工業新聞社、昭和60年12月、pp1928 岩田佳雄ほか、「機械振動学」、株式会社 数理工学者、2011年5月、p112〜p119
機械加工に用いるランジュバン型超音波振動子には、大きな機械的負荷が加わる。そして、非特許文献1に記載してあるように負荷により共振周波数と振動の節位置が変化する。フランジを持つランジュバン型超音波振動子は、振動の節であるフランジを支持固定して振動する。もし、フランジの位置と振動の節の位置が異なると、フランジを支持固定すると大幅に振動が減衰してしまう。
したがって、負荷が加わった時にフランジを支持固定した位置から振動の節が移動すると、大幅に振動が減衰しまい、その性能を充分に発揮できないという大きな問題が存在する。
機械加工に用いるランジュバン型超音波振動子には、大きな機械的負荷が加わる。そのためランジュバン型超音波振動子を支持固定するため、ランジュバン型超音波振動子にフランジを設けているが、大きな負荷に見合うフランジの剛性を高めるためにフランジの厚さを大きくすると、フランジは振動する部分も含むため、フランジを支持する支持部材と一体で振動する。そこで支持部材をさらに他の支持部材で支持固定すると、ランジュバン型超音波振動子の振動エネルギーが支持部材、他の支持部材に伝搬してしまい、ランジュバン型超音波振動子の振動エネルギーが減少するのでランジュバン型超音波振動子の振動の大きさが減少してしまうという問題が存在する。
特許文献1に記載の新たな超音波振動子の支持構造を利用する超音波加工装置により、従来知られていた構造の超音波振動子を用いる超音波加工装置の問題点については少なからず解決が見られている。しかしながら、特許文献1に記載の超音波振動子の支持構造を利用した超音波加工装置についても、実用的に充分に満足できる加工精度の向上が得られないことが判明した。
従って、本発明の課題は、フランジを持つランジュバン型超音波振動子に加わる大きな負荷に適したフランジを持つランジュバン型超音波振動子と、その支持方法と、その超音波応用加工法を提供することにある。
本発明の発明者は、特許文献1に記載の新たなフランジを持つランジュバン型超音波振動子の支持構造の改良を目的として、改めてランジュバン型超音波振動子における超音波振動の発生メカニズムの検討を行うことにした。そして、まず超音波振動特性を考慮せず、ランジュバン型超音波振動子の中心軸と支持部材の中心軸を一致させ、かつ剛性を高めて支持部材に支持固定する構造を検討した。
回転軸に、回転部品を接続する手段として以下のことが一般に知られ、精度の高い要求にはテーパー嵌合が用いられる。「スピンドルやシャフトといった軸回転部品とギヤ/プーリーといった歯車/滑車部品とを接続する際、一般に図12のようにストレートの内外径部品を接続させる場合と、テーパー形状の雄雌を接続させる場合があるが、要求精度が高ければ高いほどテーパー嵌合が採用される傾向がある。ストレートの雄雌で嵌め合わせた上でクサビを差し込んで固定する方法もあるが、精度の面ではテーパー嵌合には及ばない。
ストレート接続の場合、両部品が嵌め合うためのクリアランスが振れの要因となる。さらに、こうした軸部分の振れは、プーリーやギヤにとって最も重要であるプーリー溝や歯のかみ合わせ面において、より増幅された形で現れ、不必要な音や振動を発生さる。また高い嵌合精度で作られた遊びの少ないストレート接続は、双方の部品が食い付いて外れなくなる、いわゆる「カジリ」を生じてしまうことが多く、メンテナンス性の面でも最善であるとは言えない。
ところがテーパー嵌合の場合、しっかりした「ラージ当たり(大端合わせ)」が出ていて、かつ、テーパー基準で溝や歯が仕上げられていれば、不必要な音や振動の発生を激減させることができる。」
そこで、本発明にはテーパー嵌合を用いることにした。本発明では、回転軸がハウジングに相当し、回転部品がフランジに相当する。フランジと前方側金属ブロックの中心軸を一致させるため、フランジのテーパー基準によりフランジと前方側金属ブロックを一体で製作する。またテーパー基準となるフランジは、高い精度のテーパー嵌合するための形状と剛性が必要である。
テーパー嵌合の効果を生じさせるにはテーパー部の長さが必要であるためフランジの厚さを3mm以上とする。これによりフランジの曲げ剛性も向上する。
まず、図4(A)の平面図とその切断線A−Aで切断した断面で示す図4(B)に示すランジュバン型超音波振動子1を試作した。ランジュバン超音波振動子1は、鋼製(S45C)の前方側金属ブロック2とフランジ8を一体で構成した構造にボルト6をねじ込み、それに板厚方向に分極した圧電素子5a、リン青銅製の電極板7a、板厚方向に分極された圧電素子5b、リン青銅製の電極板7bを順に並べ、メネジを持つ鋼製(S45C)の後方側金属ブロック3を鋼製(S45C)のボルト6にねじ込むことにより作成する。前方側金属ブロック2には、工具を装着するためのコレット19を挿入するテーパー孔25を設けている。なお、フランジ8の厚さは5mmであり、従来のフランジに比較して十分に厚い。このように厚いフランジは、振動がフランジに伝播し、その先に接続する支持具に振動が伝播してしまうために従来は使用されてない。ここでは、図面を簡略にするために圧電素子を2個としたが、実際には、それより多く使うことがある。また、図4には主な部品の寸法を示した。
そして、図5(A)の平面図とその切断線B−Bで切断した断面である図5(B)を用いて、上記図4に示したランジュバン型超音波振動子1を支持するために、ハウジング10、フランジ8のそれぞれのテーパー部を嵌合して鋼製(S45C)のリング状オネジ11の穴にスパナを引っ掛けて締付けることにより接続した状態を説明する。ランジュバン超音波振動子1を支持するために鋼製(S45C)のハウジング10の下端部の外側にリング状突起部26を設け、ハウジング10の下端部の内側に鋼製(S45C)のフランジ8と嵌合するためのテーパー部を設ける。そして、フランジ8とハウジング10をテーパー嵌合して、鋼製(S45C)のリング状オネジ11を締付けることにより、ランジュバン型超音波振動子1をハウジング10に支持固定した。1個のリング状オネジ11でフランジ8を締め付け支持する理由は、ハウジング10のテーパー部とフランジ8のテーパー部の全体を均一に締付けるためである。これにより、ランジュバン型超音波振動子の中心軸と同じ軸方向にランジュバン型超音波振動子を振動させることができる。
ここで図6(A)の平面図とその切断線A−Aで切断した断面である図6(B)を用いて、リング状オネジ11を説明する。リング状オネジには、締め付けるための穴を4個配置する。そして、外周側にはオネジを配置する。そしてリング状オネジ11の内側には前方側金属ブロックを通す穴を持った構成になっている。
ランジュバン超音波振動子1をその中心軸方向に振動させるためには軸対称の構成が必要である。ハウジングに軸対称にランジュバン超音波振動子1を支持するには、フランジを一つのリング状オネジ11によりハウジングに締め付け支持固定する必要がある。もし、特許文献4に記載してあるように複数の小さいネジを使いフランジをハウジング10に支持固定すると、ネジの均一な締付けは困難であり、軸対称である締付け応力の分布は実現できない。したがって、均一でないリング状オネジ11、フランジそしてハウジングの接触は、超音波伝播の均一でない伝播になり、ランジュバン超音波振動子1をその中心軸方向に振動させることが困難になる。
以上説明したように超音波振動特性を考慮せず、ランジュバン型超音波振動子の中心軸と支持部材の中心軸を一致させ、かつ剛性を高めて支持部材に支持固定する構造は、ランジュバン超音波振動子1のフランジ8とハウジング10のそれぞれのテーパー部を嵌合して1個のリング状オネジ11を用いて支持することが望ましい。
次に、望ましいフランジを持つランジュバン超音波振動子1の支持構造を用いた構成で、超音波振動特性について検討した。
ハウジング10にランジュバン型超音波振動子1を締付ける手段として、ハウジング10のメネジとリング状オネジ11を用いた構成は、ランジュバン型超音波振動子、ハウジング10そしてリング状オネジ11が一体の振動体として振動する。したがって、ハウジング10を他の部材で支持したときは、ランジュバン型超音波振動子1の振動は大きく減衰してしまう。
そこで、ハウジングの下端部に設けたリング状突起部26をカウンターウェイトとして作用させることでハウジング10に伝播する振動を小さくすることを考案した。これを用いればハウジング10を他の支持部材で支持固定した時も、ランジュバン型超音波振動子1の振動への影響を小さくすることができることが期待できる。
図7を用いて、本発明者が発明したハウジング下端部に設けたリング状突起部26をカウンターウェイトとして用いた疑似ゼロ次振動モードの振動モードを説明する。疑似ゼロ次振動モードとは、ハウジング、フランジそしてリング状オネジ11の接触部付近を振動の節として、ランジュバン型超音波振動子の中心軸方向に往復振動する振動モードである。環状のフランジ8を、ハウジング10の下端部の内側のメネジとリング状オネジ11を締付けることによりランジュバン型超音波振動子1を支持する。そしてハウジング10の外側をさらに別の支持部材で、図7の斜線で示す部分を支持固定する。ランジュバン型超音波振動子1に疑似ゼロ次振動モードを励起する交流電圧を印加する。励起された疑似ゼロ次振動モードは、ハウジング、フランジそしてリング状オネジ11の接触部付近を振動の節として、ハウジングと一体で製作したリング状突起部26が、ランジュバン型超音波振動子1の中心軸を軸対称としてランジュバン型超音波振動子の振動方向と逆方向に振動するものである。リング状突起部26は、ランジュバン型超音波振動子1に対してカウンターウェイトとして作用する質量になっている。
カウンターウェイトについて説明する。カウンターウェイトは、一般にエレベーター、クレーン、油圧シャベルなど各種機械装置に用いられる。重心から離れた位置に荷重がかかった時に重心の移動が許容範囲に収まり、装置が安定するようにするものである。
次にカウンターウェイトの形状であるが、本発明では超音波振動するランジュバン型超音波振動子1に対するカウンターウェイトはハウジングに設けたリング状突起部26であり、カウンターウェイトはランジュバン型超音波振動子1とほぼ同じ周波数で振動する形状である必要がある。
したがって、ハウジングに設けたリング状突起部26がカウンターウェイトとして作用するには、フランジとの間に振動のロスが小さいことを求められるので、フランジ,ハウジングそしてリング状オネジがほぼ同じ材料物性であることが求められる。ほぼ同じ材料系であれば音響インピーダンスがほぼ同じであるので材料物性の差による振動の反射は小さい。したがって、フランジ,ハウジングそしてリング状オネジは同じ材料系が好ましい。そして、超音波振動の伝播と機械的強度の両方に適する材料としては、円環状フランジを側面に備えた前方側金属ブロックとハウジングそしてリング状オネジが、鉄を50質量%以上含む材料、円環状フランジを側面に備えた前方側金属ブロック,ハウジングそしてリング状オネジが、チタンを50質量%以上含む材料、または円環状フランジを側面に備えた前方側金属ブロック,ハウジングそしてリング状オネジが、アルミを50質量%以上含む材料である。
もし、ハウジングに設けたリング状突起部26が存在しないと、ハウジングを他の支持部材で支持固定すると、ランジュバン型超音波振動子1に疑似ゼロ次振動モードの振動をを励起することは困難になる。
ハウジングに設けたリング状突起部26を有する場合は、ハウジングを拘束してもランジュバン型超音波振動子1とハウジングに設けたリング状突起部26は逆方向に振動する。つまり、ハウジングがランジュバン型超音波振動子1の振動方向と逆方向に振動する役割をハウジングに設けたリング状突起部26に交代させるものである。
図8を用いて、本発明者が発明したハウジングに設けたリング状突起部26をカウンターウェイトとして用いた縦一次振動モードの振動モードを説明する。環状のフランジ8を、ハウジング10の下端部の内側のメネジとリング状オネジ11を締付けることによりランジュバン型超音波振動子1を支持する。そしてハウジング10の外側をさらに別の支持部材で、図8の斜線で示す部分を支持固定する。ランジュバン型超音波振動子1に縦一次振動モードを励起する交流電圧を印加する。励起された縦一次振動モードは、ランジュバン型超音波振動子1の圧電セラミック中の黒丸で示す位置を振動の節として図中の実線方向に振動する。振動はフランジ8、リング状オネジ11そしてハウジングの接触部付近の黒丸で示す振動の節を持ち、そしてハウジングに設けたリング状突起部26は、ランジュバン型超音波振動子1の中心軸を軸対称とするランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックの振動方向と逆方向に、ランジュバン型超音波振動子の後方側金属ブロックの振動方向と同じ方向に振動する。ハウジングに設けたリング状突起部26は、ランジュバン型超音波振動子1の前方側金属ブロックなどに対してカウンターウェイトとして作用する形状、質量になっている。
ランジュバン型超音波振動子の形状によっては、前方側金属ブロックの中に振動の節を持つこともできるが、振動の節は歪が大きいため、前方側金属ブロックに収容するコレット、工具の歪の大きさの異なることにより、前方側金属ブロック、コレット、工具の摩耗の虞がある。また、コレットに保持した工具が緩む虞がある。したがって、前方側金属ブロックの中に振動の節を持つ縦一次振動モードは採用しない。
ランジュバン型超音波振動子1は、ハウジング10、リング状オネジ11、フランジの接触部付近に節を持ち、そしてランジュバン型超音波振動子1中にも節を持つ。図の中心線は、フランジ8の円環状の節部の中心を通る。ランジュバン型超音波振動子1中の節は圧電素子の中にもある。また、フランジ8とハウジングに設けたリング状突起部26の変位、そしてランジュバン型超音波振動子1の変位を実線と点線で示す。ランジュバン型超音波振動子1の前方側金属ブロックが実線の矢印で示す下方向に振動すると、フランジ8は節部の内側では下方向に振動し、節部の外側は上方向に振動する。その結果、フランジ8に接続するランジュバン型超音波振動子1の前方側金属ブロックは、実線で示す下方向に振動し、ハウジングに設けたリング状突起部26は、実線の矢印で示す上方向に振動する。
ランジュバン型超音波振動子1中の振動の節より下の部分とハウジングに設けたリング状突起部26は、互いに反対方向に振動する。つまり、ハウジングに設けたリング状突起部26はランジュバン型超音波振動子1の中の節より下の部分に対してカウンターウェイトとして作用している。ランジュバン型超音波振動子1の中の節より下の部分の振動と逆方向の振動を、ハウジング10、リング状オネジ11、フランジの接触部付近に節として、ハウジングに設けたリング状突起部26に励起することにより振動のバランスを取ることができるので、ハウジング10に漏れる振動を大幅に小さくすることができる。なお、カウンターウェイトについては、特許文献2に記述してある。
また、フランジと前方側金属ブロックが別部品であるときは、フランジに曲げ成分の振動があるため、フランジと前方側金属ブロックの接触面の接触状態が均一でなく、それが原因で前方側金属ブロックに不要な曲げ振動や接触部に熱が発生し、かつ前方側金属ブロックの振動が小さくなる虞がある。したがって、図8の振動モードを効率よく励起するためにはフランジと前方側金属ブロックを一体で製作しなければならない。
ここで、通常のランジュバン型超音波振動子1の支持方法と比較すると、本発明の支持方法はハウジング10、リング状オネジ11、フランジの接触部附近にも節を持つ。節の数が増えるほど歪みは分散するため節の位置にもよるが節の数が大きくなるほど歪みがより分散して異なる部品間の摩擦による摩耗、そして部品間の接触部の発熱の問題が小さくなる。
部品の接触部は超音波振動の伝達ロスが大きく振動効率が低下することや、接触部の発熱の問題があると特許文献4に記載されている。また、部品の接触部で摩擦により磨耗粉が発生し、場合によっては超音波振動が部品間でほとんど伝達しないこともわかってきた。ここで接触部の伝達ロスについて考察する。これは部品間の振動変位量の差によるものであるから、その原因となる歪みを小さくすればよい。これには歪みが最大となる振動の節からの距離を大きくすればよいことになる。
したがって、コレットを収容する前方側金属ブロックに振動の節があり、コレットに大きな歪みを発生する構成は、超音波振動の伝達ロスに関して好ましくない。
ランジュバン型超音波振動子1に対してハウジングに設けたリング状突起部26は、カウンターウェイトであり、ハウジングから見るとハウジングに設けたリング状突起部26は、動吸振器である。動吸振器とは、補助ウェイト体(ハウジングに設けたリング状突起部26)が対象物(ハウジング)を肩代わりして振動することで、対象物(ハウジング)が振動しないようにする装置である。なお、ランジュバン型超音波振動子1に動吸振器を用いた例は、特許文献3に記載されている。
そして、フランジと前方側金属ブロックが別部品であるときは、フランジに曲げ成分の振動があるため、フランジと前方側金属ブロックの接触面の接触状態が均一でなく、それが原因で前方側金属ブロックに不要な曲げ振動や接触部に熱が発生し、かつ前方側金属ブロックの振動が小さくなる虞がある。したがって、図8の振動モードを効率よく励起するためにはフランジと前方側金属ブロックを一体で製作する。
ハウジングがランジュバン型超音波振動子1より十分大きいウェイトを持つ場合は、特にハウジングを他の支持部材で支持しなくても、ランジュバン型超音波振動子1とハウジングに設けたリング状突起部26の逆方向の振動により、ハウジングへの振動漏れを小さくすることができる。
ここでランジュバン型超音波振動子1の縦一次振動モードにおいて、図9に示すようにランジュバン型超音波振動子1の中の振動の節と、ハウジング、フランジそしてリング状オネジの接触部付近を振動の節の位置が中心線で示すように同一平面上に存在する場合を考える。
非特許文献1においては、振動系の支持について記述されている。そこには「振動子とホーンは一体に接合されているが加工のためにはどこかに固定せねばならぬ、支持方法については幾つかあるが、いずれもホーンまたは振動子の節部を利用して固定する方式を取っている。しかし、振動系の共振周波数は加工時に、常に変動しているのと工具端で加工によりエネルギーが消費されるため、節点部分も僅かながら振動する。したがって、支持方法を合理的にすることが本加工法の加工精度、能率を向上する大きな要素である。実際には振動子の冷却をも含めて種々の方式がとられている。」と記述されているが、実際にはどんな支持方法をしてもランジュバン型超音波振動子の振動は支持部から漏れてしまう。
そこで、本発明のハウジングに設けたリング状突起部26をカウンターウェイトとして採用することで、ランジュバン型超音波振動子の振動が支持部から漏れる振動を小さくすることができることを説明する。従来のランジュバン型超音波振動子と支持方法では、超音波加工中の負荷の変化などにより振動の節の位置が変化し、ランジュバン型超音波振動子の支持部から振動が漏れ出して熱として消費するため振動変位が小さくなり、そして共振周波数が変化してしまう。
負荷が加わらない時などの場合、ランジュバン型超音波振動子1の中の振動の節と、ハウジング、フランジそしてリング状オネジの接触部付近を振動の節の位置が中心線で示すように同一平面上あるときは、ハウジングに設けたリング状突起部26の振動は、ほとんどない。しかし、超音波加工中の負荷などにより、ランジュバン型超音波振動子の中の振動の節の位置が変化してしまうと、ランジュバン型超音波振動子1の中の振動の節と、ハウジング、フランジそしてリング状オネジの接触部付近を振動の節とする位置が中心線で示すように同一平面上に存在できなくなるため、図8で示すようにハウジングに設けたリング状突起部26が振動する。
図8の振動モードは、リング状突起部26より上側のハウジングの振動をリング状突起部26が肩代わりして振動するものである。このことにより、リング状突起部26より上側のハウジングを支持固定しても、ランジュバン型超音波振動子の支持部から振動が漏れ出して支持部で熱として消費するため振動の大きさ、共振周波数が変化してしまう現象を小さくすることができる。つまり、ハウジングに設けたリング状突起部26を振動させることで振動がリング状突起部26より上側のハウジングに漏れ出すことを格段に小さくできる。
本発明のランジュバン型超音波振動子と、その支持方法と、その超音波加工法は、ハウジングに設けたリング状突起部26をカウンターウェイトとすることにより剛性の大きい支持と、ハウジングに振動を漏らすことを小さくすることを両立させることができ、これを用いた超音波加工方法では、負荷に対して強く、支持部材への振動漏れを小さくし、精密な加工と、部品の摩耗を小さくでき、超音波振動する工具の歪が小さくできる。
代表的なボルト締めランジュバン型超音波振動子の構成を示す図である。 ボルト締めランジュバン型超音波振動子の別の構成を示す図である。 ボルト締めランジュバン型超音波振動子を利用する超音波加工装置の構成を示す図である。 本発明のボルト締めランジュバン型超音波振動子の構成を示す図である。 本発明のボルト締めランジュバン型超音波振動子をハウジングとリング状オネジにより支持固定した構成を示す図である。 リング状オネジを説明する図である。 本発明のランジュバン型超音波振動子の疑似ゼロ次振動モードとハウジングに設けたリング状突起部26の振動を説明する図である。 本発明のランジュバン型超音波振動子の縦一次振動モードとハウジングに設けたリング状突起部26の振動を説明する図である。 縦一次振動モードの節と疑似ゼロ次振動モードの節が同一平面に存在するランジュバン型超音波振動子の振動を説明する図である。 本発明を用いた超音波カッターを説明する図である。 本発明を用いた超音波ツーリングユニットを説明する図である。 テーパー嵌合とストレート嵌合を説明する図である。
本発明のランジュバン型超音波振動子とその支持方法と超音波応用加工法は、支持の剛性と加工精度を高めることができ、特に機械的負荷がランジュバン型超音波振動子に加わる時に、その特徴を発揮する。
まず、ランジュバン型超音波振動子を回転させない用途である超音波カッターについて図10を用いて説明する。ランジュバン型超音波振動子は、テーパー環状のフランジ8を一体で作成した鋼製(S45C)の前方側金属ブロック2に芋ネジをねじ込み、そして芋ネジに圧電素子、電極板、圧電素子、電極板を通し、そして鋼製(S45C)の後方側金属ブロック3に設けたメネジを締め込み、一体にして作成する。
鋼製(S45C)のハウジング10のテーパーにランジュバン型超音波振動子のテーパー環状のフランジ8のテーパーに合わせ、鋼製(S45C)のリング状オネジを締め込むことにより、ハウジングにランジュバン型超音波振動子を支持固定する。なお、ハウジング10の下端部外周側にはリング状突起部26を設けている。
次に前方側金属ブロックとホーンをネジにより硬く締め付ける。ホーンの先端には超硬製のカッター刃をロウ付け、ネジなどの方法により取り付ける。また、カッター刃は、用途によりダイヤモンドを電着することもある。
前記所望の振動モードについて説明する。黒丸で示す振動の節は、ランジュバン型超音波振動子の圧電素子の中、ホーンの中、そしてフランジの外周付近の3箇所にある。図中の矢印は振動方向を示す。圧電素子の節を中心にして上下に振動する。これにより、ハウジング10の下端部外周側のリング状突起部26は、実線で示すように振動変位して前方側金属ブロックと逆方向である上に振動する。前方側金属ブロックの振動はホーンに伝播し中心軸方向の振動は拡大され、先端のカッターに伝播される。ホーンの中には節があり、その節の上下では振動方向は逆になる。
本振動モードにおいて、図中のフランジの外周付近にある円環状の節を通る平面を2点鎖線示すが、この平面にランジュバン型超音波振動子の圧電素子にある黒丸で示す振動の節がない。このため、ランジュバン型超音波振動子の矢印で示す振動に伴いフランジは、フランジの外周の節を持ち、上下に振動する。そしてフランジに接続したハウジング10の下端部外周側のリング状突起部26に矢印で示す前方側金属ブロックと逆方向に振動する。このハウジング10の下端部外周側のリング状突起部26の運動がカウンターウェイトとして作用している。なお、ハウジング10の下端部外周側のリング状突起部26の質量とランジュバン型超音波振動子の有効質量がほほ同じであることが望ましい。ここで有効質量とはランジュバン型超音波振動子の中のリング状突起部26と逆方向に振動する部分の質量を指す。
上記の超音波カッターの運転方法について説明する。例えば、図示しないプラスチック板を切断するため、超音波カッターを三次元加工機に取付けプログラムにより所望の形状に切断する。先ず、超音波カッターにリード線により接続した超音波発振回路12の電源のスイッチを入れ、超音波カッターに所望の振動モードの超音波振動を励起する。その後、三次元加工機のスイッチを入れ、加工プログラムを作動させ、プラスチック板を切断する。切断が終了したら、超音波発振回路12のスイッチを切り、そして三次元加工機の電源を切り、加工を終了する。
ここで、ランジュバン型超音波振動子に図8に示す振動モードを励起する方法について説明する。超音波発振回路12は中心周波数と追尾範囲を設定して、目的とする振動モードを追尾する。具体的な追尾方法は、矩形状の駆動電圧波形とサイン波の電流波形の位相差がゼロになるように追尾するものである。また、電流波形を、よりサイン波に近づけるために位相調整用コンデンサ22を持つ。
例えばランジュバン型超音波振動子に図8に示す振動モードの共振周波数が約30000Hzであったとすると、超音波発振回路12に中心周波数を30000Hz、追尾範囲は1000Hzを設定して目的とする図8に示す振動モードを自動追尾する
本発明のランジュバン型超音波振動子とその支持方法とその駆動方法を用いた超音波カッターは、剛性が高く、かつ支持精度が高いため、高精度で大きい負荷に対して用いることができる。
ランジュバン型超音波振動子を回転する用途であるマシニングセンターに装着する超音波ツーリングユニットについて図11を用いて説明する。先ずランジュバン型超音波振動子は、テーパー環状のフランジ8を一体で作成した鋼製(S45C)の前方側金属ブロック2に芋ネジをねじ込み、そして芋ネジに圧電素子、電極板、圧電素子、電極板を通し、そして鋼製(S45C)の後方側金属ブロック3に設けたメネジを締め込み、一体にして作成する。
一方、図に示すテーパーシャンクにまずアルミ製のスペーサーを入れ、次いでロータリートランスを入れ、アルミ製ナットにより締め込む。
テーパーシャンクにまずリード線を入れ、孔から出す。そして、テーパーシャンク先端のテーパー部にランジュバン型超音波振動子1のフランジのテーパー部を嵌合しリング状オネジ11を締付けることにより、テーパーシャンクにランジュバン型超音波振動子1を支持固定する。なお、テーパーシャンク先端の下端部の外周にはリング状突起部26を持っている。
次にロータリートランスの銅線と電極板に接続したリード線とハンダ付けにより接合する。そして、シリコン樹脂により接合部の防水処理を行う。
マシニングセンターの主軸を収納した図示しないケースにステーターを取り付ける。ステーターの先端はロータリートランスと対向している。ステーターにはエナメル線が巻き付けられる。そして、エナメル線の先端を導通処理して超音波発振回路に接続する。なお、ステーターは、取り付けスペースの都合によりステーターをL字型にしている。
ここで、マシニングセンターの運転方法について説明する。例えば、図示しない超硬板に穴加工するため、ドリルを、自動工具交換機(ATC)を用いてマシニングセンターに取付けプログラムにより所望の位置に穴加工する。先ず、ドリルを回転させ、次に超音波発振回路の電源のスイッチを入れ、ほぼ同時に切削液をノズルから出し、ドリルに所望の振動モードの超音波振動を励起する。その後、マシニングセンターのスイッチを入れ、加工プログラムを作動させ、超硬板を穴加工する。穴加工が終了したら、ドリルの回転を止め、超音波発振回路と切削液の供給装置のモータのスイッチを切り、そしてマシニングセンターの電源を切り、加工を終了する。
ランジュバン型超音波振動子に所望の振動モードを励起する方法について説明する。超音波発振回路12は中心周波数と追尾範囲を設定して、目的とする振動モードを追尾する。具体的な追尾方法は、矩形状の駆動電圧波形とサイン波の電流波形の位相差がゼロになるように追尾するものである。
例えばランジュバン型超音波振動子に所望の振動モードの共振周波数が約25000Hzであったとすると、超音波発振回路12に中心周波数を25000Hz、追尾範囲は1000Hzを設定して目的とする図7に示す振動モードを自動追尾する。
ドリルをエンドミルに交換してエンドミルを回転させながら、水平方向にエンドミルを移動させれば、溝加工できる。本発明のランジュバン型超音波振動子の支持剛性が大きいため、水平方向の力に対しても、通常の支持に比較すると精度高く加工できる。
前記所望の振動モードについて説明する。黒丸で示す振動の節は、フランジ、ハウジングそしてリング状オネジの接触部附近にある。ランジュバン型超音波振動子は、その中心軸方向に実線と点線で示す往復振動をする。ランジュバン型超音波振動子が実線方向に振動する振動周期においては、ハウジングの下端部のリング状突起部26は、実線で示すように振動変位して前方側金属ブロックと矢印で示す逆方向である上に振動する。ランジュバン型超音波振動子が点線方向に振動する振動周期においては、ハウジングの下端部のリング状突起部26は、点線で示すように振動変位して前方側金属ブロックと矢印で示す逆方向である下に振動する。そして前方側金属ブロックの振動はドリルに伝播する。
ランジュバン型超音波振動子の矢印で示す振動に伴い、フランジは、フランジの外周の節を持つ上下に振動する。そしてフランジに接続したハウジングの下端部のリング状突起部26は矢印で示す前方側金属ブロックと逆方向に振動する。このハウジングの下端部のリング状突起部26の運動がカウンターウェイトとして作用している。なお、ハウジングの下端部のリング状突起部26の質量とランジュバン型超音波振動子の有効質量がほほ同じであることが望ましい。ここで有効質量とは、目的とする振動モードでランジュバン型超音波振動子が振動する質量である。
ハウジングの下端部のリング状突起部26のカウンターウェイトの効果によりハウジングへの振動の伝播が大きく減少することにより、剛性の大きい支持方法を使用しても効率の高い超音波加工を実現できる。
また、ハウジングの下端部のリング状突起部26のカウンターウェイトの効果は、ハウジングを他の支持部材で固定した時に現れる。支持部材で固定されたハウジングの位置が振動の節になるので、その振動モードでランジュバン型超音波振動子が振動する振動モードになる。そのモードにおいてハウジングの下端部のリング状突起部26は、ランジュバン型超音波振動子の振動のバランスを向上させる作用を持つ。
また工具中の節部付近の歪みは、フランジの外周付近の節が存在するため、振動の節位置と距離があるために小さくなる。このため、工具中の歪みによる工具の曲がりや破損の恐れを小さくすることができる。
本発明のランジュバン型超音波振動子とその支持方法を用いた超音波ツーリングユニットは、剛性が高く、かつ支持精度が高いため、高精度に穴加工、溝加工でき、かつ大きい負荷に対して用いることができる。
本発明のランジュバン型超音波振動子とその支持方法を用いれば、剛性の高い支持固定とランジュバン型超音波振動子の中心軸方向の効率の高い振動を両立させることができる。
1 ボルト締めランジュバン型超音波振動子
2 前方側金属ブロック
3 後方側金属ブロック
4 ホーン
5 圧電素子
6 ボルト
7 リン青銅電極
8 フランジ
9 ナット
10 ハウジング
11 リング状オネジ
12 超音波発振回路
13 超音波研削加工装置
14 研削具
15 電気エネルギー供給源
16 孔
17 基台
18 コレットナット
19 コレット
20 リード線
21 テーパーシャンク
22 位相調整用コンデンサ
23 ロータリートランス
24 ステーター
25 テーパー孔
26 リング状突起部

Claims (12)

  1. 後方側金属ブロックと前方に超音波振動付与面を備え、円環状フランジを側面に備えた前方側金属ブロックとの間に配置した圧電セラミック板と電極板とをボルトにより加圧状態にて固定したランジュバン型超音波振動子、外周面下端部にリング状突起部を持ち、突起部の内周面にメネジを持つ筒状のハウジング、上記ランジュバン型超音波振動子を上記筒状ハウジングの内側に該ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックの円環状フランジと筒状ハウジングが接触した状態で配置され、かつ円環状フランジを、オネジを持つリング状オネジを締め付けることによりハウジングに支持固定し、そして円環状フランジ、ハウジングそしてリング状オネジが鉄を50質量%以上含む材料、または円環状フランジ、ハウジングそしてリング状オネジがチタンを50質量%以上含む材料、または円環状フランジ、ハウジングそしてリング状オネジがアルミを50質量%以上含む材料であることを特徴とする超音波振動付与具。
  2. 上記ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックの側面の円環状フランジの傾斜周面と筒状ハウジングの内周面下端部の平滑な傾斜面がいずれも下方に開く傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動付与具。
  3. 上記ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックの前方に備えられた超音波振動付与面が工具保持面である請求項1に記載の超音波振動付与具。
  4. ランジュバン型超音波振動子の中心軸方向に振動する振動モードにおいて、フランジ、筒状ハウジングそしてリング状オネジの接触部付近に、振動の節を持つことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動付与具。
  5. ランジュバン型超音波振動子が、フランジ、ハウジングそしてリング状オネジの接触部付近に振動の節を持ち、そしてランジュバン型超音波振動子が往復振動する振動モードにおいて、ハウジング外周面の下端部のリング状突起部がランジュバン型超音波振動子の中心軸に関して、ランジュバン型超音波振動子と逆方向の振動であることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動付与具。
  6. ランジュバン型超音波振動子が、フランジ、ハウジングそしてリング状オネジの接触部付近に振動の節を持ち、そしてランジュバン型超音波振動子の中にも節を持つ縦一次振動する振動モードにおいて、ハウジング外周面の下端部の突起部がランジュバン型超音波振動子の中心軸に関して、ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックと逆方向の振動であることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動付与具。
  7. ランジュバン型超音波振動子のフランジよりを上に振動の節を持つことを特徴とする請求項7に記載の超音波振動付与具。
  8. 後方側金属ブロックと前方に超音波振動付与面を備え、円環状フランジを側面に備えた前方側金属ブロックとの間に配置した圧電セラミック板と電極板とをボルトにより加圧状態にて固定したランジュバン型超音波振動子、外周面下端部にリング状突起部を持ち、リング状突起部の内周面にメネジを持つ筒状のハウジング、上記ランジュバン型超音波振動子を上記筒状ハウジングの内側に該ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックの円環状フランジと筒状ハウジングが接触した状態で配置され、かつ円環状フランジを、オネジを持つリング状オネジを締め付けることによりハウジングに支持固定されている超音波振動付与具、該超音波振動付与具の前方側金属ブロックの前方に備えられた超音波振動付与面に装着された工具、該超音波振動付与具の筒状ハウジングを保持する保持部材、そしてランジュバン型超音波振動子の電極板に電力を供給する電力供給手段を含む超音波応用可工具。
  9. ランジュバン型超音波振動子が、フランジ、ハウジングそしてリング状オネジの接触部付近に振動の節を持ち、そしてランジュバン型超音波振動子が往復振動する振動モードにおいて、ハウジング外周面の下端部のリング状突起部がランジュバン型超音波振動子の中心軸に関して、ランジュバン型超音波振動子と逆方向の振動であることを特徴とする請求項8に記載の超音波応用加工具。
  10. ランジュバン型超音波振動子が、フランジ、ハウジングそしてリング状オネジの接触部付近に振動の節を持ち、そしてランジュバン型超音波振動子の中にも節を持つ縦一次振動する振動モードにおいて、ハウジング外周面の下端部のリング状突起部がランジュバン型超音波振動子の中心軸に関して、ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックと逆方向の振動であることを特徴とする請求項9に記載の超音波応用加工具。
  11. 上記ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックの前方に備えられた超音波振動付与面が工具保持面であって、該工具保持面に回転工具もしくは切削工具の内のいずれかが装着されていることを特徴とする請求項9に記載の超音波応用加工具。
  12. 後方側金属ブロックと前方に超音波振動付与面を備え、円環状フランジを側面に備えた前方側金属ブロックとの間に配置した圧電セラミック板と電極板とをボルトにより加圧状態にて固定したランジュバン型超音波振動子、外周面下端部にリング状突起部を持ち、リング状突起部の内周面にメネジを持つ筒状のハウジング、上記ランジュバン型超音波振動子を上記筒状ハウジングの内側に該ランジュバン型超音波振動子の前方側金属ブロックの円環状フランジと筒状ハウジングが接触した状態で配置され、かつ円環状フランジを、オネジを持つリング状オネジを締め付けることによりハウジングに支持固定し、そして円環状フランジ、ハウジングそしてリング状オネジが、鉄を50質量%以上含む材料、チタンを50質量%以上含む材料、アルミを50質量%以上含む材料であることを特徴とする超音波振動付与具、該超音波振動付与具の前方側金属ブロックの前方に備えられた超音波振動付与面に装着された工具、該超音波振動付与具の筒状ハウジングを保持する保持部材、そしてランジュバン型超音波振動子の電極板に電力を供給する電力供給手段を含む超音波応用可工具をその筒状ハウジングを介して把持した状態で、該超音波振動子の電極板に電力を継続的に供給することによりランジュバン型超音波振動子を振動させながら工具を作動させる超音波応用加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021261291A1 (ja) * 2020-06-23 2021-12-30 株式会社荏原製作所 超音波加工装置及び超音波切削装置
CN114211013A (zh) * 2021-12-15 2022-03-22 宁波启耀电子科技有限公司 一种基于多种伸缩复合驱动的振动刀杆

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