JPH09285155A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

Info

Publication number
JPH09285155A
JPH09285155A JP8090916A JP9091696A JPH09285155A JP H09285155 A JPH09285155 A JP H09285155A JP 8090916 A JP8090916 A JP 8090916A JP 9091696 A JP9091696 A JP 9091696A JP H09285155 A JPH09285155 A JP H09285155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrator
vibration
elastic body
vibration actuator
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8090916A
Other languages
English (en)
Inventor
Mina Kobayashi
三奈 小林
Michihiro Tobe
通宏 戸部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP8090916A priority Critical patent/JPH09285155A/ja
Publication of JPH09285155A publication Critical patent/JPH09285155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の超音波アクチュエータでは、摺動部材
を弾性体に接着していたため、接着位置ずれや剥がれ等
が発生するおそれがあった。 【解決手段】 振動子11と、振動子11に加圧接触す
る相対運動部材と、振動子11の接触面に装着される摩
擦部材15a,15bとを備え、摩擦部材15a,15
bの装着は、振動子11に形成された溝部16a,16
bに摩擦部材15a,15bを嵌め合わせることによ
り、行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動アクチュエー
タに関し、より具体的には、電気機械変換素子により振
動子を励振し、複数の振動を調和的に発生させることに
より振動子の表面に楕円運動を生じさせ、振動子に加圧
接触する相対運動部材との間で相対運動を発生する振動
アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性体に少なくとも2つの電気機械変換
素子を接合して振動子を構成し、これらの電気機械変換
素子にそれぞれ駆動信号である交流電圧を印加すること
により、振動子に複数の振動を調和的に発生させて、振
動子の表面に楕円運動を発生させる振動アクチュエータ
が知られている。
【0003】このような振動アクチュエータとしては、
「光ピックアップ移動を目的とした圧電リニア・モー
タ」(富川義朗氏他:第5回電磁力関連のダイナミック
シンポジウム講演論文集,第393頁〜第398頁)に
より、その構成及び負荷特性が詳細に説明されている。
【0004】図8は、このような振動アクチュエータ1
の構成を示す説明図であって、図8(a)は上面図,図
8(b)は一部を拡大した状態で示す正面図,図8
(c)は右側面図,図8(d)は底面図である。図8
(d)においては、摩擦材5a,5bは一部を破断した
状態で示す。
【0005】この振動アクチュエータ1は、矩形平板状
であって一方の平面に突起状に駆動力取出部2a,2b
が形成された弾性体2(ステンレス鋼,アルミニウム合
金等の金属材料又はプラスチック材料等の弾性材料によ
り構成される。)と、駆動力取出部2a,2bを介して
図示しない加圧機構により弾性体1に加圧接触する相対
運動部材3とにより構成される。駆動力取出部2a,2
bは、後述するように、弾性体2に発生する4次の屈曲
振動の腹位置の2か所に形成される。
【0006】弾性体2の他方の平面には、矩形薄板状の
電気機械変換素子である圧電体4a,4b,4p,4
p’が装着される。
【0007】圧電体4a,4bは駆動用の圧電体であ
る。圧電体4a,4bには電気的に位相が90°異なる
交流電圧が印加される。なお、圧電体4p,4p’は、
弾性体2に発生する振動状態を検出するための機械電気
変換素子である圧電体である。これらの圧電体4a,4
b,4p,4p’には図示しないリード線が半田付けさ
れており、各リード線は同じく図示しない制御回路に接
続される。
【0008】圧電体4a,4bにそれぞれ図示しない駆
動電圧発生装置から駆動信号である交流電圧を印加する
ことにより、弾性体2に1次の縦振動及び4次の屈曲振
動が調和的に発生する。発生した縦振動及び屈曲振動は
合成されて、駆動力取出部2a,2bの端面に弾性体長
手方向に関する楕円状変位を発生し、駆動力取出部2
a,2bを介して弾性体2に加圧接触する相対運動部材
3に対して相対運動を生じる。この相対運動を外部に取
り出して推力として利用する。
【0009】このような振動アクチュエータ1では、1
次の縦振動及び4次の屈曲振動それぞれの固有振動数
が、互いに非常に近い値又は同じ値になるように設計さ
れる。そのため、圧電体4a,4bそれぞれに、2つの
固有振動数に近い周波数の交流電圧を印加することによ
り、1次の縦振動及び4次の屈曲振動を調和的に発生さ
せることができる。
【0010】ここで、突起状に形成された駆動力取出部
2a,2bの端面は、弾性体2との摺動面であるため、
その全面に、相対運動部材3との摺動抵抗を低減するた
めの摩擦材5a,5bが貼付される。摩擦材5a,5b
は、樹脂材や金属材等からなるシート材を、例えばエポ
キシ樹脂系接着剤からなる接着層6a,6bを介して、
駆動力取出部2a,2bの端面に接着されて、形成され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】摩擦材5a,5bは、
振動アクチュエータ1の摩耗と摺動抵抗とをともに低減
するために、装着する必要がある。しかし、摩擦材5
a,5bは、小型かつ薄型であるため、駆動力取出部2
a,2bの所定の装着位置に正確かつ確実に貼付するこ
とは、極めて難しかった。
【0012】そのため、単に貼付したのでは貼付位置の
ずれを生じ易く、この対策として、貼付に際しては、複
雑な構造の接着用治具を製作し、この接着用治具を用い
て貼付作業を行う必要があった。したがって、貼付に要
するコストが増加してしまうという課題があった。
【0013】また、接着面積が極めて微小であるため、
摩擦材5a,5bの接着強度が弱く、摩擦材5a,5b
が剥がれ易いという課題があった。さらに、接着の際に
行われる圧着により接着剤がはみ出した場合には、はみ
出した接着剤を、溶剤をしみ込ませた払拭布で払拭する
必要があるが、この溶剤が摩擦材5a,5bの接着面に
回り込み、接着層6a,6bの接着強度を低下させてし
まうという課題もあった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、弾性体の駆動力取出部への摩擦材の装着
を、機械的係合手段のみにより、又は機械的係合手段と
接着との併用により、行うことで、上述した課題を解決
することができることを知見して、本発明を完成した。
【0015】請求項1の発明は、振動子と,振動子に加
圧接触する相対運動部材と,振動子及び相対運動部材の
いずれかの接触面に装着される摩擦部材とを備える振動
アクチュエータであって、摩擦部材の接触面への装着
は、機械的係合により行われることを特徴とする振動ア
クチュエータである。
【0016】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、機械的係合は、接触面及
び摩擦部材のうちのいずれか一方に形成された凹部と、
他方に形成された、凹部に係合する凸部との組み合わせ
により、行われることを特徴とする。
【0017】請求項3の発明は、請求項2に記載された
振動アクチュエータにおいて、凹部は、孔部,溝部又は
切り欠き部であることを特徴とする。請求項4の発明
は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載さ
れた振動アクチュエータにおいて、機械的結合は、はめ
あいであることを特徴とする。
【0018】請求項5の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、摩擦部材と接触面との装着部に、接着層が存在
することを特徴とする。
【0019】請求項6の発明は、請求項1から請求項5
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、振動子は、矩形平板状の弾性体と,弾性体の一
方の平面に装着されて弾性体に縦振動及び屈曲振動を調
和的に発生する電気機械変換素子とからなることを特徴
とする。
【0020】請求項7の発明は、請求項6に記載された
振動アクチュエータにおいて、摩擦部材の接触面への装
着位置は、屈曲振動の腹の位置であることを特徴とす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明にかかる振動アクチュエ
ータを添付図面を参照しながら、詳細に説明する。な
お、以降の本実施形態の説明は、振動アクチュエータと
して超音波の振動域を利用する超音波アクチュエータを
例にとって、行う。
【0022】図1は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータを構成する振動子11の説明図であり、図1(a)
は斜視図,図1(b)は側面図である。本実施形態の超
音波アクチュエータが図7に示す従来の振動アクチュエ
ータと相違するのは、摩擦部材15a,15bの弾性体
12への装着態様だけであり、弾性体12への駆動用圧
電体14a,14b、振動モニタ用圧電体14p,14
p’の設置位置や機能等は全く同様であるため、これら
に関する説明は適宜省略する。
【0023】本実施形態では、弾性体12の裏面(圧電
体非装着面)であって、弾性体12に発生する4次の屈
曲振動の腹位置には、弾性体12の幅方向全長に、断面
矩形の溝部16a,16bが凹部として形成される。
【0024】本実施形態では、溝部16a,16bに嵌
まり合う横断面形状の直方体型の摩擦部材15a,15
bが、溝部16a,16bに嵌まり合うことにより、装
着される。この摩擦部材15a,15bは、従来から用
いられてきた摩擦材と同一の材料により構成され、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をマトリ
ックスとする樹脂に、ガラス繊維や二硫化モリブデンを
混入した材料(商品名:ポリフロン,ダイキン工業
(株))を例示することができる。
【0025】本実施形態では、図1(b)に示すよう
に、摩擦部材15a,15bを溝部16a,16bに嵌
まり合わせた際に摩擦部材15a,15bの一部が、弾
性体12の平面12aから突出するように構成する。す
なわち、摩擦部材15a,15bは、従来の突起状の駆
動力取出部も兼ねている。
【0026】このように、本実施形態では、振動子11
の接触面に凹部である溝部16a,16bを形成され、
この溝部16a,16bに係合する凸部である摩擦部材
15a,15bが係合(嵌合)されるため、摩擦部材1
5a,15bは、振動子11へ機械的係合により、装着
される。
【0027】なお、摩擦部材15a,15bを溝部16
a,16b内に装着する前に、溝部16a,16b内に
接着剤を塗布しておき、接着力も併用することにより摩
擦部材15a,15bを振動子11に固定するようにし
てもよい。用いる接着剤としては、例えばエポキシ系接
着剤を例示することができる。
【0028】本実施形態で用いる振動子11は、以上の
ように構成される。そのため、振動子11の所定の位置
に摩擦部材15a,15bを装着するには、溝部16
a,16bに摩擦部材15a,15bを嵌め込むだけで
よく、極めて容易かつ確実に摩擦部材15a,15bを
所定の装着位置に装着することができる。
【0029】また、従来のように弾性体12の平面部に
接着力だけによって装着した場合に比較すると、摩擦部
材15a,15bの保持力が向上し、駆動に伴う摩擦部
材15a,15bの剥がれが解消される。
【0030】また、弾性体12に突起状に駆動力取出部
を形成する必要がなくなり、弾性体12には溝部16
a,16bを形成するだけでよいため、弾性体12への
加工コストが低減される。
【0031】また、接着剤を併用する場合にも、接着剤
は溝部16a,16bに塗布されるため、摩擦部材15
a,15bの嵌合時の加圧によっても外部にはみ出し難
くなる。
【0032】また、振動子11の接触面に凹部である溝
部16a,16bを形成することは、振動子11に発生
する屈曲振動の腹位置に相当する部分を加工することで
あるため、振動子11の弾性が増加する。これにより、
縦振動の最大振幅が増加し、超音波アクチュエータ11
の推進力や最高速度等といった超音波アクチュエータの
基本性能が向上する。
【0033】さらに、弾性体12に発生する1次の縦振
動及び4次の屈曲振動それぞれの共振周波数は、下記
式及び式により与えられる。 縦振動fL1=1/2ξ×(E/ρ)1/2 ・・・・・・・ 屈曲振動fB4=(λ4 ξ)2 τ/2πξ2 ×(E/12ρ)1/2 ・・・・・
【0034】ただし、E:ヤング率 ρ:密度 ξ:弾性体の等価長さ(完全な矩形の弾性体と等価な長
さ) τ:弾性体の等価厚さ(完全な矩形の弾性体と等価な厚
さ)
【0035】したがって、振動子11の接触面に凹部で
ある溝部16a,16bを形成することにより、弾性体
の等価長さξと弾性体の等価厚さτとが変化する。ここ
で、縦振動の共振周波数fL1と、屈曲振動の共振周波数
B4とは、等価長さξに関する次数が異なるとともに縦
振動は等価厚さτを用いずに算出されるため、溝部16
a,16bの形成に伴う共振周波数の変化率が異なる。
したがって、振動子11の接触面に凹部である溝部16
a,16bを形成することにより、振動子11に発生す
る共振周波数のずれを調整することも可能である。調整
代は、凹部の深さを調整すること等により、簡単に変更
することができる。
【0036】また、本実施形態によれば、実際の生産に
際して、摩擦部材の装着位置ずれの発生が著しく低減さ
れるため、生産効率が著しく向上する。以上詳細に説明
したように、本実施形態により、摩擦部材の位置決めが
容易で、接着強度が強く、駆動力が大きく、安定的に駆
動される超音波アクチュエータを提供することができ
た。
【0037】(第2実施形態)以下、第2実施形態の超
音波アクチュエータに用いる振動子を説明する。なお、
以下の各実施形態の説明は、第1実施形態と相違する部
分のみを説明し、同一の部分については同一の図中符号
を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
【0038】図2は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータを構成する振動子11−1の説明図であり、図2
(a)は斜視図,図2(b)は側面図である。本実施形
態における振動子11−1が、第1実施形態の振動子1
1と相違するのは、摩擦部材を振動子幅方向の全長に設
けるのではなく、振動子幅方向の両端部側に設ける点で
ある。
【0039】すなわち、弾性体12−1の裏面12−1
aであって、弾性体12−1に発生する4次の屈曲振動
の腹位置には、弾性体12−1の幅方向の両端部側に、
断面矩形の切り欠き部16a−1,16b−1,16a
−2,16b−2が凹部として形成される。
【0040】そして、これらの切り欠き部16a−1,
16b−1,16a−2,16b−2に係合する凸部で
ある摩擦部材15a−1,15b−1,15a−2,1
5b−2を係合(嵌合)する。そのため、摩擦部材15
a−1,15b−1,15a−2,15b−2は、振動
子11−1へ機械的係合により、装着される。
【0041】第1実施形態とは、摩擦部材15a−1,
15b−1,15a−2,15b−2の設置範囲が異な
るため、振動子11−1を相対運動部材に加圧した際の
加圧状態が安定し、安定した駆動状態が得られる。
【0042】(第3実施形態)図3は、第3実施形態の
超音波アクチュエータを構成する振動子11−2の説明
図であり、図3(a)は斜視図,図3(b)は側面図で
ある。
【0043】本実施形態における振動子12−2は、第
2実施形態における振動子12−1を一部変更したもの
である。すなわち、本実施形態では、弾性体12−2の
裏面12−2aであって、弾性体12−2に発生する4
次の屈曲振動の腹位置には、弾性体12−2の幅方向の
両端部側から距離lだけ中心側に寄った位置に、断面矩
形の孔部17a−1,17b−1,17a−2,17b
−2が孔部として形成される。
【0044】そして、これらの孔部17a−1,17b
−1,17a−2,17b−2に係合する凸部18a−
1,18b−1,18a−2,18b−2を有する摩擦
部材19a−1,19b−1,19a−2,19b−2
を係合(嵌合)する。そのため、摩擦部材19a−1,
19b−1,19a−2,19b−2は、振動子11−
2へ機械的係合により、装着される。第2実施形態に比
較すると、摩擦部材19a−1,19b−1,19a−
2,19b−2がより確実に弾性体12−2に装着され
る。
【0045】(第4実施形態)図4は、第4実施形態の
超音波アクチュエータを構成する振動子11−3の説明
図であり、図4(a)は斜視図,図4(b)は側面図で
ある。
【0046】本実施形態における振動子11−3は、第
1実施形態における振動子11を一部改良したものであ
り、溝部20a,20bの断面を半円形とするととも
に、摩擦部材21a,21bを溝部20a,20bに嵌
まり合う断面形状の円柱体としたものである。
【0047】摩擦部材21a,21bが円柱状であるた
め、相対運動部材との摺動抵抗が低減される。そのた
め、振動子11−3及び相対運動部材間に発生する相対
運動を高速域で行いたい用途に好適である。
【0048】(第5実施形態)図5は、第5実施形態の
超音波アクチュエータを構成する振動子11−4の説明
図であり、図5(a)は斜視図,図5(b)は側面図で
ある。
【0049】本実施形態における振動子11−4は、第
4実施形態における振動子11−3を一部改良したもの
であり、摩擦部材21a,21bの相対運動部材との接
触部を長手方向に一部切断し、相対運動部材との接触部
22a,22bの面積を増加させたものである。そのた
め、振動子11−4及び相対運動部材間に発生する相対
運動を高トルクで行いたい用途に好適である。
【0050】(第6実施形態)図6は、第6実施形態の
超音波アクチュエータを構成する振動子11−の説明図
であり、図6(a)は斜視図,図6(b)は側面図であ
る。
【0051】本実施形態は、第3実施形態における弾性
体12−2を一部変更したものであり、弾性体12−5
の平面12−5aに、摩擦部材19a−1,19b−
1,19a−2,19b−2を設置するのではなく、平
面12−5aに弾性体12−5と一体的に形成された駆
動力取出部12−5b,12−5cの端面に摩擦部材1
9a−1,19b−1,19a−2,19b−2を設置
する。
【0052】このようにすることにより、弾性体12−
5に発生する駆動振動(楕円運動)をより大きな振幅で
取り出すことができ、駆動効率の向上を図ることができ
る。
【0053】以上詳細に説明してきた各実施形態では、
振動子側に凹部を形成するとともに摩擦部材の全部又は
一部にこの凹部に係合する凸部を形成する態様を示した
が、本発明にかかる振動アクチュエータはこのような態
様だけに限定されるものではない。
【0054】図7(a)及び図7(b)は、いずれも、
変形形態の超音波アクチュエータの構造を一部抽出して
示す斜視図である。図7(a)は、弾性体23の一方の
平面の所定の位置に、横断面形状が円形の突起24a,
24bを形成し、この突起24a,24bに嵌まり合う
断面形状の孔部を有する直方体型の摩擦部材25a,2
5bを嵌合させたものである。一方、図7(b)は、弾
性体23−1の一方の平面の所定の位置に、横断面形状
が正方形の突起24a−1,24b−1を形成し、この
突起24a−1,24b−1に嵌まり合う断面形状の孔
部を有する直方体型の摩擦部材26a,26bを嵌合さ
せたものである。
【0055】図7(a)及び図7(b)に示すように、
振動子側に凸部を形成するとともに摩擦部材の全部又は
一部にこの凸部に係合する凹部を形成するように、構成
してもよい。
【0056】(変形形態)本発明にかかる振動アクチュ
エータは、以上詳細に説明した実施形態に限定されるも
のではなく、様々な変形や変更が可能である。
【0057】各実施形態では、振動アクチュエータとし
て超音波の振動域を利用する超音波アクチュエータを例
にとったが、本発明はこのような態様に限定されるもの
ではなく、他の振動域を利用する振動アクチュエータに
ついても等しく適用することが可能である。
【0058】また、各実施形態では、電気機械変換素子
として圧電素子を用いる場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、電気エネルギーを
機械的変位に変換することができるものであればよい。
例えば、圧電素子以外に、電歪素子や磁歪素子を例示す
ることができる。
【0059】また、各実施形態では、超音波アクチュエ
ータとして、矩形平板状の弾性体に縦振動及び屈曲振動
を発生する、いわゆるL−B型の超音波アクチュエータ
を例にとったが、本発明はこのような超音波アクチュエ
ータにのみ限定されるものではない。例えば、円柱状弾
性体を中心軸を含む平面で縦に2分割し、その間に縦振
動用圧電体及び捩じり振動用圧電体を挟持させることに
より振動子を構成し、この振動子の一方の端面に円柱状
の相対運動部材(移動子)を加圧接触させて構成され
る、いわゆる縦−捩じり振動型(L−T型)の超音波ア
クチュエータについても、L−B型と同様に適用するこ
とができる。
【0060】本発明を、L−B型の超音波アクチュエー
タに適用するには、例えば、相対運動部材の振動子との
接触面に、摩擦部材取付け用の孔部を形成し、この孔部
に嵌合する凸部を有する円環状の摩擦部材を、相対運動
部材に設けるようにすればよい。
【0061】また、摩擦部材の材質としては、前述した
ポリフロン以外に、ポリエーテルニトリル等の有機材
や、窒化ホウ素,アルマイト被覆されたアルミニウム合
金等の無機材等を用いることが可能である。
【0062】
【第1実施例】さらに、本発明にかかる振動アクチュエ
ータを、実験データを示す実施例とともに、詳細に説明
する。
【0063】図1(a)及び図1(b)に示す超音波ア
クチュエータ11を、以下に列記する諸元で形成した。 弾性体12:ステンレス鋼材(SUS304) 摩擦部材15a,15b:ポリフロン(ガラス繊維15
wt%,二硫化モリブデン5wt%含有PTFE、ダイキン
工業(株)) 接着剤(溝部16a,16b内に塗布):エポキシ系接
着剤
【0064】このように構成された超音波アクチュエー
タ11を、駆動用圧電体14a,14bに駆動電圧を印
加させて弾性体12に1次の縦振動及び4次の捩じり振
動を調和的に発生させ、摩擦部材15a,15bと加圧
接触する相対運動部材の駆動面(図示しない。)上にお
いて駆動させた。駆動時に、以下に列記する4項目を満
足した。
【0065】(1)駆動時に、摩擦部材15a,15b
及び相対運動部材それぞれの接触面が摩滅することによ
り発生する摩耗量が極めて少なく、長時間安定的に性能
を維持することができること。
【0066】(2)摩擦部材15a,15bの相対運動
部材への食いつきが向上し、超音波アクチュエータ11
の駆動力が増大すること。 (3)駆動時に、摩擦部材15a,15bと相対運動部
材との接触状態が安定し、滑り音等の騒音が発生しない
こと。
【0067】(4)駆動状態が長期間にわたって安定す
ること。 これらの結果から、本実施例の超音波アクチュエータ1
1は、充分な実用性を有することがわかる。
【0068】
【第2実施例】実施例として、図2に示す超音波アクチ
ュエータ11−1を用いた。一方、比較例として、図8
に示す超音波アクチュエータ1を用いた。これらは、い
ずれも、弾性体をSUS304により構成するとともに
ポリフロンからなる摩擦部材を用い、弾性体と摩擦部材
とをエポキシ系接着剤により接着した。
【0069】これら両者を、通常の生産工程でそれぞれ
100台ずつ製作し、不良率を比較した。なお、不良品
の判定は、摩擦部材が所定の装着位置からずれて装着さ
れた場合に不良と判定した。
【0070】実施例の不良率は1%であったのに対し、
比較例の不良率は20%であった。これにより、本発明
により、製作時における不良率の発生が著しく低減され
たことがわかる。
【0071】また、実施例の超音波アクチュエータ11
−1,比較例の超音波アクチュエータ1について、駆動
時に発生する縦振動の最大振幅を測定した。その結果、
平均で、実施例の最大振幅は2.5μmであったのに対
し、比較例の最大振幅は2μmであった。このように、
実施例により、弾性体12に発生する縦振動の振幅が増
大した。
【0072】このような縦振動の振幅の増大により、超
音波アクチュエータ11−1の最高速度,推進力がとも
に向上した。負荷20gfにおける最高速度は、実施例
が130mm/secであるのに対し、比較例が100
mm/secであった。
【0073】
【第3実施例】図3に示す超音波アクチュエータ11−
2を用いて、駆動実験を行った。本実施例では、SUS
304からなる弾性体12−2を用いるとともに、ベス
ペルSP−21(デュポン(株))からなる摩擦部材1
9a−1,19b−1,19a−2,19b−2を用い
た。弾性体12−2と摩擦部材19a−1,19b−
1,19a−2,19b−2との係合は、嵌め合いのみ
によって行い、接着剤は用いなかった。
【0074】このようにして得られた超音波アクチュエ
ータ11−2を駆動したところ、第1実施例と同様の効
果を確認することができた。したがって、本実施例の超
音波アクチュエータ11は、充分な実用性を有すること
がわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波アクチュエータを構成す
る振動子の説明図であり、図1(a)は斜視図,図1
(b)は側面図である。
【図2】第2実施形態の超音波アクチュエータを構成す
る振動子の説明図であり、図2(a)は斜視図,図2
(b)は側面図である。
【図3】第3実施形態の超音波アクチュエータを構成す
る振動子の説明図であり、図3(a)は斜視図,図3
(b)は側面図である。
【図4】第4実施形態の超音波アクチュエータを構成す
る振動子の説明図であり、図4(a)は斜視図,図4
(b)は側面図である。
【図5】第5実施形態の超音波アクチュエータを構成す
る振動子の説明図であり、図5(a)は斜視図,図5
(b)は側面図である。
【図6】第6実施形態の超音波アクチュエータを構成す
る振動子の説明図であり、図6(a)は斜視図,図6
(b)は側面図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、いずれも、変形
形態の超音波アクチュエータの構造を一部抽出して示す
斜視図である。
【図8】従来の振動アクチュエータの構成を示す説明図
であって、図8(a)は上面図,図8(b)は一部を拡
大した状態で示す正面図,図8(c)は右側面図,図8
(d)は底面図である。
【符号の説明】
11 振動子 12 弾性体 12a 平面 14a,14b 圧電素子 15a,15b 摩擦部材(凸部) 16a,16b 溝部(凹部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子と,前記振動子に加圧接触する相
    対運動部材と,前記振動子及び前記相対運動部材のいず
    れかの接触面に装着される摩擦部材とを備える振動アク
    チュエータであって、 前記摩擦部材の前記接触面への装着は、機械的係合によ
    り行われることを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記機械的係合は、前記接触面及び前記摩擦部材のうち
    のいずれか一方に形成された凹部と、他方に形成された
    前記凹部に係合する凸部との組み合わせにより、行われ
    ることを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記凹部は、孔部,溝部又は切り欠き部であることを特
    徴とする振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記機械的結合は、はめあいであることを特徴とする振
    動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記摩擦部材と前記接触面との装着部に、接着層が存在
    することを特徴とする振動アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記振動子は、矩形平板状の弾性体と,前記弾性体の一
    方の平面に装着されて前記弾性体に縦振動及び屈曲振動
    を調和的に発生する電気機械変換素子とからなることを
    特徴とする振動アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記摩擦部材の前記接触面への装着位置は、前記屈曲振
    動の腹の位置であることを特徴とする振動アクチュエー
    タ。
JP8090916A 1996-04-12 1996-04-12 振動アクチュエータ Pending JPH09285155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8090916A JPH09285155A (ja) 1996-04-12 1996-04-12 振動アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8090916A JPH09285155A (ja) 1996-04-12 1996-04-12 振動アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09285155A true JPH09285155A (ja) 1997-10-31

Family

ID=14011756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8090916A Pending JPH09285155A (ja) 1996-04-12 1996-04-12 振動アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09285155A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003226428A (ja) * 2002-02-05 2003-08-12 Fuji Electric Co Ltd 超音波浮揚装置、超音波浮揚方法、超音波吸引装置、および、超音波吸引方法
JP2007282373A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Nikon Corp 駆動装置、振動アクチュエータ、電子機器、駆動装置の製造方法
WO2008152820A1 (ja) * 2007-06-14 2008-12-18 Panasonic Corporation 振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置
JP2009017778A (ja) * 2008-08-11 2009-01-22 Seiko Instruments Inc 超音波モータ及び超音波モータ付電子機器
JP2012210049A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Seiko Epson Corp 圧電アクチュエーター、ロボット及びロボットハンド

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003226428A (ja) * 2002-02-05 2003-08-12 Fuji Electric Co Ltd 超音波浮揚装置、超音波浮揚方法、超音波吸引装置、および、超音波吸引方法
JP2007282373A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Nikon Corp 駆動装置、振動アクチュエータ、電子機器、駆動装置の製造方法
WO2008152820A1 (ja) * 2007-06-14 2008-12-18 Panasonic Corporation 振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置
JPWO2008152820A1 (ja) * 2007-06-14 2010-08-26 パナソニック株式会社 振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置
US8179020B2 (en) 2007-06-14 2012-05-15 Panasonic Corporation Vibratory actuator and drive device using the same
US8350446B2 (en) 2007-06-14 2013-01-08 Panasonic Corporation Vibratory actuator and drive device using the same
JP5194006B2 (ja) * 2007-06-14 2013-05-08 パナソニック株式会社 振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置
JP2009017778A (ja) * 2008-08-11 2009-01-22 Seiko Instruments Inc 超音波モータ及び超音波モータ付電子機器
JP2012210049A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Seiko Epson Corp 圧電アクチュエーター、ロボット及びロボットハンド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5709413B2 (ja) 振動型駆動装置
JP2009017735A (ja) 超音波モータ
KR20110084899A (ko) 본딩 장치, 초음파 트랜스듀서, 그리고 본딩 방법
JP2011217595A (ja) 振動波駆動装置とその振動体の製造方法
JPH09285155A (ja) 振動アクチュエータ
JP2006271065A (ja) 駆動装置
JP3444502B2 (ja) 超音波リニアモータ
JPS62259485A (ja) 圧電駆動装置
JPH09215349A (ja) 振動アクチュエータ及びその調整方法
JPH11346487A (ja) 振動波装置および振動波駆動装置
JP2008178209A (ja) 超音波アクチュエータ
JP5675213B2 (ja) 電子部品の実装装置
JP2008172885A (ja) 超音波アクチュエータ
US5596240A (en) Ultrasonic motor
JPH09327185A (ja) 振動アクチュエータ
JPH09322572A (ja) 振動アクチュエータ
JP5627448B2 (ja) 振動型駆動装置
JP2011045208A (ja) 超音波モータ
JPH09331686A (ja) 振動アクチュエータ
JPH09312983A (ja) 振動アクチュエータ
JPH0998590A (ja) 振動アクチュエータ
JPH06327275A (ja) 超音波モータ
JP3556249B2 (ja) 超音波振動子
JPH06319279A (ja) 超音波リニアアクチュエータ
JP5883177B2 (ja) 振動型駆動装置