JP2000092870A - 振動モータ - Google Patents

振動モータ

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JP2000092870A
JP2000092870A JP10261961A JP26196198A JP2000092870A JP 2000092870 A JP2000092870 A JP 2000092870A JP 10261961 A JP10261961 A JP 10261961A JP 26196198 A JP26196198 A JP 26196198A JP 2000092870 A JP2000092870 A JP 2000092870A
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vibration
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relative motion
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Yuha Go
勇波 呉
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波モータの駆動力取出部の突出高さを小
さくすると、振動子から相対運動部材に作用する放射圧
が増加し、駆動特性が低下する。 【解決手段】 電気エネルギの入力によって振動を発生
させる弾性体12と、弾性体12の一平面に設けられ、
前記の振動によって得られる駆動力を取り出すための駆
動力取出部12a、12a’、12b、12b’とを有
する振動子11と、駆動力取出部12a、12a’、1
2b、12b’に加圧接触され、振動子11との間で相
対運動を行う相対運動部材21とを備え、相対運動部材
21は、相対運動時に駆動力取出部12a、12a’、
12b、12b’が摺動する第1の領域A1 、A2 と、
駆動力取出部12a、12a’、12b、12b’とは
接触しない第2の領域A3 〜A5 とを有するとともに、
振動の発生時に振動子11から受ける放射圧を低減する
ための放射圧低減手段である溝22が、第2の領域A4
に設けられる振動モータ10である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、矩形平板状の振動
子と、この振動子に加圧接触して相対運動を行う相対運
動部材とを備える振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】図9(A)および図9(B)は、いずれ
も、この種の振動モータの一例である超音波モータ1の
構成例を示す斜視図である。
【0003】図9(A)および図9(B)に示すよう
に、この超音波モータ1では、矩形平板状の弾性体2の
一方の平面に、例えば圧電素子等からなる駆動用の電気
機械変換素子3a、3bと、振動検出用の電気機械変換
素子3p、3p’とが装着される。また、弾性体2の他
方の平面には、摺動材からなるほぼ直方体型の駆動力取
出部5a、5bが突出して設けられる。駆動力取出部5
a、5bは、弾性体2に発生する4次の曲げ振動B4の
4つの腹位置のうちの外側の二つの腹位置に設けられ
る。
【0004】そして、このように構成された振動子4
を、図示しない加圧支持部材により、図9(A)に示す
ような平板状の相対運動部材6、または図9(B)に示
すようなローラ状の相対運動部材7a、7bに向けて付
勢する。これにより、振動子4は、駆動力取出部5a、
5bを介して、相対運動部材6または相対運動部材7
a、7bに加圧力P1 で加圧接触する。
【0005】弾性体2の各部の寸法は、発生する1次の
縦振動L1および4次の曲げ振動B4それぞれの共振周
波数fL1、fB4が互いに非常に近い値となるように、設
定されている。このため、電気機械変換素子3a、3b
に、これら二つの共振周波数fL1、fB4に近い周波数の
2相の交流電圧を駆動信号としてそれぞれ入力すると、
振動子4は、励振されて1次の縦振動L1と4次の曲げ
振動B4とを同時に発生する。これにより、縦振動L1
と曲げ振動B4とは合成されて、駆動力取出部5a、5
bには、それぞれ、ほぼ180度の位相差を有する楕円
運動が、周期的に発生する。このため、振動子4と、駆
動力取出部5a、5bを介して加圧接触する相対運動部
材6または7a、7bとの間で、振動子4の長手方向へ
の一次元の相対運動が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】振動子4に発生する縦
振動L1は、駆動力取出部5a、5bに発生する楕円運
動の水平方向成分、すなわち振動子4と相対運動部材6
または7a、7bとの相対運動方向成分を提供する。し
たがって、縦振動L1は相対運動速度に影響する。一
方、振動子4に発生する曲げ振動B4は、駆動力取出部
5a、5bに発生する楕円運動の垂直方向成分、すなわ
ち振動子4と相対運動部材6または7a、7bとの加圧
方向成分を提供する。したがって、曲げ振動B4は、振
動子4と相対運動部材6または7a、7bとを断続的に
接触させる機能(本明細書においては「クラッチ機能」
という。)を果たす。このように、駆動力取出部5a、
5bは、曲げ振動B4が奏するクラッチ機能により、振
動子4に発生する縦振動L1を、相対運動部材6または
7a、7bに一方向へ伝達する。
【0007】ところで、この超音波モータ1では、2相
の交流電圧を駆動信号として電気機械変換素子3a、3
bに入力すると、振動子4には、1次の縦振動L1およ
び4次の曲げ振動B4とともに、縦振動L1および曲げ
振動B4以外の多種の振動が重畳して発生してしまう。
このため、振動子4では、縦振動L1および曲げ振動B
4による変位が、重畳して発生する多種の振動による変
位により、阻害されてしまう。
【0008】振動子4に発生する多種の振動の影響を実
用上問題ない程度に解消するには、駆動力取出部5a、
5bの突出高さh、すなわち弾性体2と相対運動部材6
または7a、7bとの間の距離hを小さく設定すること
により、多種の振動に起因した駆動力取出部5a、5b
の変位量を低減すればよいと、一見考えられる。
【0009】ところで、振動子4は、振動時に放射圧P
を発生させることが、近年の研究により明らかになって
きた。この放射圧Pは、振動子4に対向して配置された
相対運動部材6または7a、7bに伝播する。振動子4
から相対運動部材6または7a、7bに与えられる単位
面積当たりの放射圧Pは、「近距離音波の浮揚力に関す
る理論的研究」(上羽貞行氏他:「信学技報US9
6」、1996−12)によれば、駆動力取出部5a、
5bの突出高さをhとして、下記式により求められ
る。
【0010】
【数1】 P=0.25(1+γ)ρ0 ν×1/h2 ・・・・・ 式において、符号γは空気の比重を示し、符号ρ0
空気の密度を示す。また、符号νは振動波の振動エネル
ギを示し、振動波の振幅の二乗に比例する。
【0011】振動子4で発生した放射圧Pは、相対運動
部材6または7a、7bに伝わるとともに、反力として
駆動力取出部5a、5bを介して振動子4に伝播され
る。駆動力取出部5a、5bに作用する放射圧Pの反力
の垂直方向成分P2 により、振動子4に発生する振動が
減衰してしまう。式から、放射圧Pの反力の垂直方向
成分P2 は、駆動力取出部5a、5bの突出高さhの2
乗に反比例して増加することがわかる。したがって、駆
動力取出部5a、5bの突出高さhを小さくすると、放
射圧Pの反力の垂直方向成分P2 は、二次関数的に急増
してしまう。
【0012】また、図9(A)および図9(B)に示す
ように、振動子4は、図示しない加圧支持部材と相対運
動部材6または7a、7bとにより挟まれて、加圧され
る。このため、加圧支持部材からの加圧力P1 の作用方
向が、振動子4に発生する曲げ振動B4の振動方向と一
致する。
【0013】このため、駆動力取出部5a、5bの突出
高さhを小さくすると、加圧支持部材からの加圧力P1
と垂直方向成分P2 とにより、曲げ振動B4の振幅は不
可避的に減衰する。曲げ振動B4が極端に減衰すると、
クラッチ機能が著しく減少し、駆動力取出部5a、5b
が同時に相対運動部材6または7a、7bに接触するよ
うになる。このため、駆動力を取り出すことができなく
なってしまう。さらに、振動子4に作用する放射圧Pの
水平方向成分P3 は、縦振動L1を減衰させる。縦振動
L1が極端に減衰すると、駆動速度が非常に低下し、相
対運動を発生することができなくなってしまう。
【0014】また、駆動力取出部5a、5bの突出高さ
hを小さくすると、放射圧Pの反力の垂直方向成分P2
も増加するために、振動子4に作用する拘束力の大きさ
が変動する。これにより、振動子4に発生する縦振動L
1および曲げ振動B4それぞれの共振周波数fL1、fB4
もそれぞれ変動し、超音波モータ1の駆動特性に大きな
影響を与えるこれら二つの共振周波数fL1、fB4の差Δ
fが変化してしまう。したがって、この点からも、超音
波モータ1の駆動特性が低下してしまう。
【0015】このように、従来の超音波モータ1では、
駆動力取出部5a、5bの突出高さhを小さくすると、
放射圧Pが増加し、超音波モータ1の駆動特性が低下し
てしまう。
【0016】ここに、本発明の目的は、振動子から相対
運動部材へ与えられる放射圧Pを低減することができる
超音波モータを提供することであり、これにより、駆動
力取出部の突出高さを小さく設定して、振動子に発生す
る多種の振動の影響を実用上問題ない程度に解消した超
音波モータを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、放射圧Pに起
因して、振動子に発生する振動を減衰させる力が振動子
の面積に比例することに基づき、相対運動部材の形状を
工夫すること、具体的には、相対運動部材が駆動力取出
部と接触しない部分における振動子〜相対運動部材間距
離が、駆動力取出部の突出高さよりも大きくなるよう
に、相対運動部材の形状を工夫することにより、振動子
が相対運動部材から受ける放射圧の反力を充分に低減で
きるとの新規な知見に基づくものである。
【0018】上記課題を解決するために、請求項1の発
明では、電気エネルギの入力によって振動を発生させる
本体と、この本体の一平面に設けられ、前記の振動によ
って得られる駆動力を取り出すための駆動力取出部とを
有する振動子と、駆動力取出部に加圧接触され、振動子
との間で相対運動を行う相対運動部材とを備え、相対運
動部材には、振動の発生時に振動子から受ける放射圧を
低減するための放射圧低減手段が設けられていることを
特徴とする振動モータを提供する。
【0019】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動モータにおいて、相対運動部材が、相対運動時に駆
動力取出部が摺動する第1の領域と、駆動力取出部とは
接触しない第2の領域とを有するとともに、放射圧低減
手段が、第2の領域の少なくとも一部に設けられること
を特徴とする。
【0020】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載された振動モータにおいて、放射圧低減手段
が、相対運動部材における振動子との対向面のうちの一
部と本体との間の距離を、駆動力取出部との接触部と本
体との間の距離よりも拡大させる薄肉部を有する構造、
または、振動子との対向面のうちの一部に貫通穴を有す
る構造であることを特徴とする。
【0021】さらに、請求項4の発明は、請求項3に記
載された振動モータにおいて、薄肉部または貫通穴が、
相対運動の方向に沿って連続的または断続的に形成され
ていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる振動モータの実施形態を、添付図面を参照しなが
ら詳細に説明する。なお、以降の実施形態の説明は、振
動モータが、超音波の振動域を利用した超音波モータで
ある場合を例にとって、行う。
【0023】図1は、本実施形態の超音波モータ10の
概略構成を示す斜視図である。図2は、この超音波モー
タ10を構成する振動子11を、発生する振動波形例と
ともに示す説明図である。超音波モータ10は、振動子
11と相対運動部材21とを備える。以下、これらにつ
いて順次説明する。
【0024】〔振動子11〕図1および図2に示すよう
に、本実施形態の超音波モータ10は、1次の縦振動L
1と、4次の曲げ振動B4とを発生する振動子11を備
える。この振動子11は、弾性体12と、弾性体12の
一方の平面に装着された圧電体13と、弾性体12の他
方の平面に装着された駆動力取出部12a、12a’、
12b、12b’とを備える。
【0025】弾性体12は、例えば鉄鋼、ステンレス
鋼、リン青銅またはエリンバー材等といった共振先鋭度
Qが大きな金属材料により構成されることが望ましく、
矩形平板状に形成される。また、弾性体12の各部の寸
法は、発生する1次の縦振動L1および4次の曲げ振動
B4それぞれの固有振動数がほぼ一致するように、設定
される。
【0026】弾性体12の一方の平面には、圧電体13
が例えば接着される。圧電体13は、本実施形態ではP
ZT(チタンジルコン酸鉛)からなる薄板状の圧電素子
により構成される。この圧電体13には、A相の駆動信
号が入力される入力領域13a、13cと、A相とは位
相が(π/2)だけずれたB相の駆動信号が入力される
入力領域13b、13dとが形成される。各入力領域1
3a〜13dは、図2に示すように、弾性体12に発生
する曲げ振動B4の5つの節位置n1 〜n5 により区画
された4つの領域に連続して形成される。すなわち、駆
動信号の入力により変形する各入力領域13a〜13d
が、いずれも、不動点である5つの節位置n1 〜n5
跨がない。そのため、入力領域13a〜13dの変形が
節位置n1 〜n5 によって抑制されることがない。これ
により、各入力領域13a〜13dに入力された電気エ
ネルギを最大の効率で弾性体12の変形、すなわち機械
エネルギに変換することができる。
【0027】また、曲げ振動B4の節位置n2 、n4
は、振動子11が発生する縦振動L1により電気エネル
ギを出力する検出領域13p、13p’が設けられる。
これにより、振動子11が発生する縦振動L1の振動状
態がモニタされる。
【0028】各入力領域13a〜13dと各検出領域1
3p、13p’とは、それぞれの表面に、銀電極15a
〜15d、15p、15p’を接着される。これによ
り、各入力領域13a〜13dへ独立して駆動信号を入
力したり、各検出領域13p、13p’から独立して検
出信号を出力することができる。
【0029】図示しないが、各銀電極15a〜15d、
15p、15p’には、電気エネルギの授受を行うため
のリード線が、それぞれ半田付けされて接続される。こ
のように、本実施形態では、弾性体12と圧電体13と
により、振動子11の本体が構成される。
【0030】また、弾性体12の他方の平面には、弾性
体12の幅方向に2本の溝部が相対運動方向(図1にお
ける両矢印方向)に関して所定距離だけ離れて設けられ
る。これらの溝部それぞれの両端側に、横断面形状が矩
形である角棒型の、高分子材等を主成分とした摺動部材
が互いに離れて嵌め込まれて接着され、突出高さがhと
なるように突出して装着される。高分子材としては、P
TFE、ポリイミド樹脂、PEN、PPS、PEEK等
が例示される。
【0031】そして、図2に破線で示すように、これら
の摺動部材が駆動力取出部12a、12a’、12b、
12b’として機能する。したがって、弾性体12は、
これら摺動部材からなる駆動力取出部12a、12
a’、12b、12b’を介して相対運動部材21に接
触する。駆動力取出部12a、12a’、12b、12
b’それぞれの相対運動部材21との接触面積は、全体
として所望の駆動力を確保できる面積となるように、設
定する。
【0032】この駆動力取出部12a、12a’、12
b、12b’は、図2に示すように、弾性体12に発生
する4次の曲げ振動B4の4つの腹位置l1 〜l4 のう
ちの外側に位置する腹位置l1 、l4 に一致する位置に
設けられる。なお、駆動力取出部12a、12a’、1
2b、12b’は、曲げ振動B4の腹位置l1 、l4
正確に一致する位置に設けられる必要はなく、この腹位
置l1 、l4 の近傍に設けられていてもよい。
【0033】なお、本実施形態では、図2に示すよう
に、振動子11は、その平面の中央部を中心として点対
称となるように、形成される。これにより、駆動力取出
部12a、12a’と駆動力取出部12b、12b’に
発生する楕円運動をほぼ同じ形状とすることができ、相
対運動方向の反転に伴う駆動差が殆ど解消される。
【0034】ここで、2相の駆動信号を、超音波モータ
10の圧電素子13へ入力する。すなわち、A相の駆動
信号を入力領域13a、13cへ入力し、A相とは例え
ば90度の位相差を有するB相の駆動信号を入力領域1
3b、13dへ入力する。これにより、超音波モータ1
0の振動子11には、図2に示すように、1次の縦振動
L1と4次の曲げ振動B4とが同時に発生する。発生し
たこれらの振動は合成されて、駆動力取出部12a、1
2a’と駆動力取出部12b、12b’とには、楕円運
動が発生する。駆動力取出部12a、12a’に発生す
る楕円運動は、駆動力取出部12b、12b’に発生す
る楕円運動と位相がほぼ180度異なる。
【0035】振動子11の長手方向の中央部には、半円
型の切欠部11a、11bが設けられる。振動子11
は、図示しない加圧支持部材に設けられた2本の拘束ピ
ンが切欠部11a、11bに係合することにより、加圧
支持部材に支持される。本実施形態における振動子11
は、以上のように構成される。
【0036】〔相対運動部材21〕図3(A)は、相対
運動部材21の斜視図、図3(B)は、超音波モータ1
0の上面図である。
【0037】図1、図3(A)および図3(B)に示す
ように、図示しない加圧部材により振動子11の駆動力
取出部12a、12a’、12b、12b’に加圧接触
して、相対運動部材21が配置される。
【0038】相対運動部材21は、例えばステンレス
鋼、銅合金、アルミニウム合金または高分子材等により
構成される。相対運動部材21は、駆動力取出部12
a、12a’、12b、12b’に発生する楕円運動に
より、縦振動L1の振動方向と同じ方向(図3(B)に
おける左右方向)へ、振動子11との間で一次元の相対
運動を行う。
【0039】本実施形態の相対運動部材21は、図3
(B)に示すように、二つの第1の領域A1 、A2 と、
3つの第2の領域A3 、A4 、A5 とを有する。第1の
領域A1 は、振動子11との相対運動時に、駆動力取出
部12a、12bと摺動する領域である。また、第1の
領域A2 は、振動子11との相対運動時に、駆動力取出
部12a’、12b’と摺動する領域である。そして、
第2の領域A3 、A4 、A5 は、駆動力取出部12a、
12a’、12b、12b’とは接触しない領域であ
る。
【0040】本実施形態では、3つの第2の領域A3
5 のうちの真中の第2の領域A4のほぼ全域に、図
1、図3(A)および図3(B)に示すように、深さが
1 である溝22を相対運動方向へ向けて設けてある。
相対運動部材21には、この溝22を設けられることに
より、薄肉部21aが形成される。この薄肉部21a
は、相対運動方向へ連続して形成される。
【0041】これにより、薄肉部21aにおいては、振
動子11の本体を構成する弾性体12と相対運動部材2
1との間の加圧方向の距離は、相対運動方向の全域にお
いて(h+h1 )となる。したがって、薄肉部21aに
おける弾性体12と相対運動部材21との間の加圧方向
の距離は、駆動力取出部12a、12a’、12b、1
2b’との接触部における弾性体12と相対運動部材2
1との間の加圧方向の距離、すなわち駆動力取出部12
a、12a’、12b、12b’の突出高さhよりも、
距離h1 だけ拡大される。
【0042】このように、本実施形態における相対運動
部材21では、第2の領域A4 における弾性体12との
距離が、第1の領域A1 、A2 における弾性体12との
距離よりも、距離h1 だけ拡大される。このため、第2
の領域A4 において振動子11から相対運動部材21に
与えられる単位面積当たりの放射圧Pが、低減される。
これにより、相対運動部材21に発生した放射圧Pの反
力として振動子11に作用する垂直方向成分P2 も、低
減される。こうして、本実施形態の超音波モータ10で
は、振動子11が相対運動部材21から受ける放射圧P
の反力が、低減される。
【0043】したがって、本実施形態の超音波モータ1
0では、駆動力取出部12a、12a’、12b、12
b’の突出高さhを小さくすることができる。このた
め、駆動時の振動子11に発生する縦振動L1および曲
げ振動B4以外の多種の振動の影響を、実用上問題ない
程度に解消することができる。このため、本実施形態の
超音波モータ10によれば、駆動特性を従来よりも向上
することができる。
【0044】また、本実施形態では、放射圧Pが低減さ
れるために、振動子11に発生する縦振動L1および曲
げ振動B4それぞれの共振周波数fL1、fB4の変動量も
低減される。このため、超音波モータ10の駆動特性に
大きな影響を与えるこれら二つの共振周波数fL1、fB4
の差の変動量も低減される。したがって、この点から
も、超音波モータ10の駆動特性を向上することができ
る。
【0045】このように、本実施形態における相対運動
部材21は、溝22を、振動子11から与えられる放射
圧Pを低減する放射圧低減手段として、有する。
【0046】(第2実施形態)以下、本発明の第2実施
形態を説明する。なお、以降の各実施形態の説明は、前
述した第1実施形態と相違する部分についてだけ行うこ
ととし、同一の部分には同一の図中符号を付すことによ
り重複する説明を省略する。
【0047】図4は、本実施形態の超音波モータ10−
1の構造を示す斜視図である。同図に示すように、この
超音波モータ10−1では、相対運動部材21−1が円
板形状を有する。相対運動部材21−1の外周面に、振
動子11の駆動力取出部12a、12a’、12b、1
2b’が、図示しない加圧部材により加圧接触する。相
対運動部材21−1は、図示しない軸支部材により、中
心Oを回転中心として両方向へ回転自在に支持される。
このため、この超音波モータ10−1では、振動子11
を起動することにより、相対運動部材21−1は一方向
へ回転駆動される。
【0048】本実施形態では、相対運動部材21−1
は、第1実施形態の相対運動部材21と同様に、二つの
第1の領域A1 、A2 と、3つの第2の領域A3
4 、A5とを有する。第1の領域A1 は、振動子11
との相対運動時に、駆動力取出部12a、12bと摺動
する領域である。また、第1の領域A2 は、振動子11
との相対運動時に、駆動力取出部12a’、12b’と
摺動する領域である。そして、第2の領域A3 、A4
5 は、駆動力取出部12a、12a’、12b、12
b’とは接触しない領域である。
【0049】そして、第2の領域A4 のほぼ全域には、
深さがh1 の溝22−1が設けられており、相対運動部
材21−1には、薄肉部(小径部)21−1aが形成さ
れる。
【0050】このため、第1実施形態と同様に、この超
音波モータ10−1では、振動子11が相対運動部材2
1−1から受ける放射圧Pの反力が、低減される。した
がって、この超音波モータ10−1によれば、振動子1
1に発生する振動を減衰させることなく、駆動力取出部
12a、12a’、12b、12b’の突出高さhを低
減することができる。このため、振動子11に発生する
縦振動L1および曲げ振動B4以外の多種の振動の影響
を実用上問題ない程度に解消することができ、超音波モ
ータ10−1の駆動特性を従来よりも向上することがで
きる。
【0051】(第3実施形態)図5は、本実施形態で用
いる相対運動部材31の構造を示す斜視図である。振動
子11は、第1実施形態および第2実施形態それぞれに
おける振動子11と同じ構成である。同図に示すよう
に、本実施形態の相対運動部材31は、相対運動の方向
へ連続して設けられた貫通穴32を有する。この貫通穴
32は、第2の領域A4 のほぼ全域に、設けられる。本
実施形態における相対運動部材31では、第2の領域A
4 における弾性体12との距離が、第1の領域A1 、A
2 における弾性体12との距離よりも、拡大される。
【0052】このようにして、本実施形態の相対運動部
材31は、貫通穴32を、振動子11から受ける放射圧
Pを低減するための放射圧低減手段として、有する。こ
れにより、第1実施形態および第2実施形態と同様の効
果を奏することができる。
【0053】(第4実施形態)図6は、本実施形態で用
いる相対運動部材41の構造を示す斜視図である。振動
子11は、第1実施形態〜第3実施形態と同じ構成であ
る。同図に示すように、本実施形態の相対運動部材41
は、第2の領域A4 に、相対運動の方向へ断続的に、深
さh1 の穴42を複数有する。これにより、相対運動部
材41は、第2の領域A4 のうちで穴42を設けられた
部分における弾性体12との距離が、第1の領域A1
2 における弾性体12との距離よりも、距離h1 だけ
拡大される。
【0054】このようにして、本実施形態の相対運動部
材41は、複数の穴42を、振動子11から受ける放射
圧Pを低減するための放射圧低減手段として、有する。
これにより、第1実施形態〜第3実施形態とほぼ同様の
効果を奏することができる。
【0055】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら、よ
り具体的に説明する。 (第1実施例)図1〜図3に示す第1実施形態の超音波
モータ10と、図9(A)に示す従来の超音波モータ1
とをそれぞれ用いて、加圧支持部材からの加圧力を上昇
させた場合に、振動子11、4それぞれにおける曲げ振
動B4、縦振動L1の共振抵抗がどのように変化するか
を測定した。なお、振動子11、4それぞれにおける駆
動力取出部の突出高さhは1mmであり、振動子11、
4それぞれの幅は20mm、長さは100mmであり、
さらに、超音波モータ10の相対運動部材21に設けた
溝22の幅は10mm、深さは8mmであった。
【0056】図7(A)には曲げ振動B4の測定結果
を、図7(B)には縦振動L1の測定結果を、それぞれ
グラフで示す。図7(A)および図7(B)において
は、共振抵抗が小さければ小さいほど、振動し易く振幅
が大きくなるために、振動減衰が少ないことを示してい
る。
【0057】図7(A)および図7(B)に示すグラフ
から、加圧力が同じ値である場合には、本発明にかかる
超音波モータ10のほうが、従来の超音波モータ1より
も、曲げ振動B4および縦振動L1それぞれの共振抵抗
がいずれも小さくなることがわかる。また、加圧力の上
昇に対して、本発明にかかる超音波モータ10のほう
が、従来の超音波モータ1よりも、曲げ振動B4および
縦振動L1それぞれの共振抵抗の上昇分が少ないことが
わかる。このため、本発明にかかる超音波モータ10の
ほうが、従来の超音波モータ1よりも、振動し易く振動
減衰が抑制され、駆動特性が良好であることがわかる。
【0058】(第2実施例)第1実施例と同様の条件
で、振動子11、4それぞれについて、加圧支持部材か
らの加圧力を上昇させた場合に、縦振動L1の共振周波
数と曲げ振動B4の共振周波数との差がどのように変化
するかを測定した。測定結果を、図8にグラフで示す。
【0059】図8に示すグラフから、本発明にかかる超
音波モータ10のほうが、従来の超音波モータ1より
も、加圧力の変化の影響を受け難いことがわかる。すな
わち、本発明にかかる超音波モータ10は、加圧支持部
材の加圧力が例えば経時変化により初期値から変動して
も、縦振動L1の共振周波数と曲げ振動B4の共振周波
数との差の変化が少ないため、振動子11の振動特性も
余り変化せず、初期の駆動特性を安定して維持できるこ
とがわかる。
【0060】(変形形態)各実施形態および各実施例の
説明では、振動モータが超音波モータである場合を例に
とった。しかし、本発明はこれに限定されるものではな
く、超音波以外の他の振動域を利用した振動モータにも
同様に適用される。
【0061】また、各実施形態および各実施例の説明で
は、相対運動部材に薄肉部または貫通穴を設けることに
より、放射圧抑制手段を構成した場合を例にとった。し
かし本発明はこれに限定されるものではなく、相対運動
部材が、振動子から与えられる放射圧を低減する構造を
有すればよい。
【0062】また、各実施形態および各実施例の説明で
は、薄肉部または貫通穴が、第2の領域A4 のほぼ全域
に形成されている場合を例にとった。しかし、本発明は
これに限定されるものではなく、薄肉部または貫通部
は、第2の領域A4 の少なくとも一部に形成されていれ
ばよい。また、薄肉部または貫通穴が、第2の領域A3
や第2の領域A5 に形成されていてもよい。
【0063】また、各実施形態および各実施例の説明で
は、溝を設けることにより薄肉部を形成した場合を例に
とった。しかし、本発明はこれに限定されるものではな
い。例えば、相対運動部材の板厚が幅方向中心に向かう
につれて徐々に減少することにより薄肉部が形成される
場合であってもよい。
【0064】また、各実施形態および各実施例の説明で
は、駆動力取出部が振動子の幅方向の両端側に互いに離
れて二つ形成された場合を例にとった。しかし、本発明
はこれに限定されるものではない。例えば、駆動力取出
部が振動子の幅方向の中央部に一つ形成された場合や、
駆動力取出部が振動子の幅方向に断続的に複数形成され
た場合等であっても、本発明は適用される。
【0065】さらに、各実施形態および各実施例の説明
では、1次の縦振動L1と4次の曲げ振動B4とを発生
する振動子を用いた。しかし、本発明はこれに限定され
るものではなく、他の次数の縦振動および曲げ振動を発
生する振動子についても同様に適用される。
【0066】
【発明の効果】請求項1〜請求項4の発明によれば、振
動子から相対運動部材へ与えられる放射圧を低減するこ
とができる。特に、請求項3または請求項4の発明によ
れば、簡単な構造で、振動子から相対運動部材へ与えら
れる放射圧を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波モータの概略構成を示す
斜視図である。
【図2】第1実施形態の超音波モータを構成する振動子
を、発生する振動波形例とともに示す説明図である。
【図3】図3(A)は、第1実施形態の超音波モータを
構成する相対運動部材の斜視図、図3(B)は、第1実
施形態の超音波モータの上面図である。
【図4】第2実施形態の超音波モータの構造を示す斜視
図である。
【図5】第3実施形態で用いる相対運動部材の構造を示
す斜視図である。
【図6】第4実施形態で用いる相対運動部材の構造を示
す斜視図である。
【図7】第1実施例における、加圧部材からの加圧力と
共振抵抗との関係を示すグラフであり、図7(A)には
曲げ振動B4の測定結果を、図7(B)には縦振動L1
の測定結果をそれぞれ示す。
【図8】第2実施例における、加圧部材からの加圧力
と、縦振動L1の共振周波数および曲げ振動B4の共振
周波数の差との関係を示すグラフである。
【図9】図9(A)および図9(B)は、いずれも、振
動モータの一例である超音波モータの構成例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
10 振動モータ 11 振動子 12 弾性体 12a、12a’、12b、12b’ 駆動力取出部 13 弾性体 21 相対運動部材 21a 薄肉部 22 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気エネルギの入力によって振動を発生
    させる本体と、該本体の一平面に設けられ、前記振動に
    よって得られる駆動力を取り出すための駆動力取出部と
    を有する振動子と、 前記駆動力取出部に加圧接触され、前記振動子との間で
    相対運動を行う相対運動部材とを備え、 前記相対運動部材には、前記振動の発生時に前記振動子
    から受ける放射圧を低減するための放射圧低減手段が設
    けられていることを特徴とする振動モータ。
  2. 【請求項2】 前記相対運動部材は、前記相対運動時に
    前記駆動力取出部と摺動する第1の領域と、前記駆動力
    取出部とは接触しない第2の領域とを有するとともに、 前記放射圧低減手段は、前記第2の領域の少なくとも一
    部に設けられることを特徴とする請求項1に記載された
    振動モータ。
  3. 【請求項3】 前記放射圧低減手段は、前記相対運動部
    材における前記振動子との対向面のうちの一部と前記本
    体との間の距離を、前記駆動力取出部との接触部と前記
    本体との間の距離よりも拡大させる薄肉部を有する構
    造、または、前記振動子との対向面のうちの一部に貫通
    穴を有する構造であることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載された振動モータ。
  4. 【請求項4】 前記薄肉部または前記貫通穴は、前記相
    対運動の方向に沿って連続的または断続的に形成されて
    いることを特徴とする請求項3に記載された振動モー
    タ。
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